JP3195817B2 - 耐水性組成物 - Google Patents

耐水性組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は安定性に優れた耐水性組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリビニルアルコール(以下、
ポリビニルアルコールを「PVA」と略記する)は各種
バインダー、接着剤あるいは表面処理糊剤として広く使
用されており、造膜性および強度において他の糊剤の追
随を許さぬ優れた性能を有することが知られている。し
かしながら、PVAは水溶性であるため、耐水性、特に
低温で乾燥した場合の耐水性が低いという欠点があり、
従来よりこれを改良する目的で種々の方法が検討されて
きた。例えば、PVAをグリオキザール、グルタルアル
デヒドまたはジアルデヒドデンプン等で架橋させる方法
および四ホウ酸アルカリ金属塩等で架橋させる方法が知
られている。しかしながら、前者の方法でPVAを十分
耐水化するためには、一般に100℃以上、特に120
℃以上の高温で長時間熱処理することが必要であり、ま
た、低温乾燥で耐水化するために例えばpH2以下とい
うような強酸性条件を用いることも提案されているが、
この場合にはPVA水溶液の粘度安定性が悪く使用中に
ゲル化する等の問題点を有している。また、後者の方法
においては得られる耐水性が不十分であるうえ、PVA
水溶液の粘度安定性が悪いという欠点を有している。
【0003】また、透析膜を実験室的に作成する方法と
して、高重合度のキトサンとPVAとを溶解した酢酸酸
性水溶液あるいは該キトサンとPVAとグルタルアルデ
ヒドとを溶解した酢酸酸性水溶液から皮膜を作り、その
後強アルカリ水溶液中に浸漬して、酢酸によってアンモ
ニウム化されているキトサン中のアミノ基をアミンに変
換してキトサン自体を水不溶性にするとともにPVAを
高度にケン化することにより冷水に不溶性の皮膜を得る
方法も提案されている。しかしながら、従来用いられて
きたキトサン、すなわち、通常の方法で製造されるキト
サンは分子量が数十万〔ブルックフィールド粘度計(以
下、「B型粘度計」と略記する)で測定した1重量%水
溶液の20℃における粘度が500センチポイズ(以
下、センチポイズをcpと略記する)以上〕という高重
合度のものであるため、PVAとともに水に溶解すると
著しく粘度が高くなり、稀薄溶液でないと取り扱えず、
またPVAとの相溶性が十分でないため上述のようにア
ルカリ処理しないと水不溶性とならないという欠点を有
している。
【0004】また、特開昭60−52822には、ポリ
ビニルアルコール樹脂、キトサンおよびアルデヒド系化
合物からなる耐水性に優れた組成物が開示されている
が、この組成物は安定性に問題がある。すなわち、この
組成物の水溶液およびそれを塗工した紙は保存中に着色
するという欠点がある。また、特開平1−167302
に開示された還元処理を行ったキトサンを用いた場合で
も、その組成物の水溶液およびそれを塗工した紙が経時
黄変する欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、組成
物を比較的低温で乾燥あるいは熱処理する場合であって
も、冷水のみならず熱水に対しても著しく優れた耐水性
を示し、高温高湿下に長期間保持しても着色が少ない品
質安定性に優れた組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、本発明の
組成物、すなわち、(A)PVA系樹脂、(B)1重量
%水溶液の20℃における粘度が70cp以下のキトサ
ン、(C)アルデヒド系化合物、(D)水溶性の還元剤
および(E)ラジカル捕捉剤からなる耐水性組成物によ
って解決される。
【0007】本発明で使用されるPVA系樹脂として
は、水溶性のものであればいずれでもよく、通常のPV
Aの他にカルボキシル基変性PVA、スルホン酸基変性
PVA、リン酸基変性PVA等のアニオン変性PVAま
たはカチオン変性PVAあるいはエチレン、長鎖アルキ
ル基を有するビニルエーテル、ビニルエステル、(メ
タ)アクリルアミド、アルファオレフィン等を共重合し
た変性PVA等も使用できる。また、これらPVA系樹
脂の重合度は特に制限はないが、通常100〜3,00
0の範囲から選ばれ、また、そのケン化度は水溶性の範
囲であれば特に制限はないが、通常70〜100モル%
の範囲から選ばれる。
【0008】本発明に用いられるキトサンとしては、ア
ミノ基をグルコース単位当り40%以上含有するものま
たはこれらのアミノ基の一部あるいは全部が酸によって
アンモニウム基に変換されているものが使用される。該
キトサンは、1重量%水溶液の20℃における粘度(B
型粘度計による粘度)が70cp以下の低重合度のもの
であることが必要であり、更に1〜30cpのものが好
ましく、特に1〜10cpのものが最も好ましく用いら
れる。
【0009】本発明で用いられる上述の低重合度キトサ
ンはキトサンに特殊な解重合処理を施すことによって得
られる。すなわち、例えば、キチンを原料とし、これを
不均一系でアルカリ処理する通常の方法によって脱アセ
チル化しキトサンにした後、更にアルカリ処理、酸処理
または過酸化物処理によって高度に解重合するかあるい
はキチンの溶媒中均一系でアルカリ処理等により脱アセ
チル化と解重合を行い、場合により更に酸処理または過
酸化物処理を行うことによって製造することができる。
【0010】上述のキトサンのうちアミノ基がアンモニ
ウム塩に変換されていないものは一般に水に不溶である
ため、これらのアミノ基の一部あるいは全部をアンモニ
ウム塩にする程度の酸の存在下で水に溶解することが必
要であるが、アミノ基がアンモニウム塩に変換されてい
るものあるいは上述の均一系で製造されアミノ基含有率
が40〜60%のものの場合、そのままで水に溶解する
ことができる。水に溶解する際に使用する酸としては、
特に制限はないが通常、乳酸,酢酸,ギ酸,クエン酸,
フマル酸,マレイン酸,スルファミン酸,塩酸,リン
酸,硫酸等が使用される。
【0011】本発明に用いられるアルデヒド系化合物は
水溶性でかつ水溶液中でアルデヒドを生成するものであ
ればいずれでも使用でき、その具体例としては、ホルマ
リン,アセトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,ブチ
ルアルデヒド等のモノアルデヒド,グリオキザール,グ
ルタルアルデヒド,ジアルデヒドでんぷん等の多価アル
デヒド,ヘキサメチレンテトラミン等のホルマリンとア
ンモニアとの縮合物,ジメチロール尿素,N−メチロー
ルアクリルアミド等のメチロールアミド,尿素ホルマリ
ン樹脂,メラミンホルマリン樹脂等が挙げられる。上述
のアルデヒド系化合物のうち、本発明において用いられ
るPVA系樹脂とキトサンおよびアルデヒド系化合物か
らなる塗布液の使用しやすさ(無臭,粘度安定性など)
および耐水化効果の点でグリオキザールあるいはヘキサ
メチレンテトラミンが好ましく用いられる。
【0012】本発明の耐水性の優れた組成物において
は、上述のアルデヒド系化合物に加えて、水溶性の金属
塩を併用することも耐水性の一層の向上のため効果的で
ある。その場合に用いられる水溶性の金属塩としてはア
ルミニウム,鉄,銅,亜鉛,スズ,チタン,ニッケル,
マグネシウム,バナジウム,クロム,ジルコン等の塩化
物あるいは硫酸塩が挙げられる。上述の金属塩のうち塩
化アルミニウム,硫酸アルミニウム,カリ明バン,アン
モニウム明バン等が耐水化効果の点で好ましく用いられ
る。
【0013】本発明に用いられる還元剤としては水溶性
のものが使用でき、その具体例としては、亜硫酸、亜硫
酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、硫化水素
ナトリウム、システイン、N−アセチルシステイン、チ
オグリコール酸、チオサリチル酸、ヒドラジン、セミカ
ルバジド、塩酸ヒドロキシルアミン等が挙げられる。
【0014】本発明に用いられるラジカル捕捉剤は水溶
性もしくは水分散性であればいずれも使用でき、その具
体例としてはヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエ
ーテル、ヒドロキノンジメチルエーテル、ペンタエリス
リチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,N′
−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、没食子酸n−プ
ロピル,ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキ
シトルエン、ノルジヒドログアイアレチン酸等が挙げら
れる。
【0015】本発明の安定性に優れた耐水性組成物にお
いて、PVA系樹脂,キトサン,アルデヒド系化合物,
還元剤およびラジカル捕捉剤の配合比率は、PVA系樹
脂100重量部に対しキトサンが1〜90重量部、好ま
しくは1〜50重量部、更に好ましくは1〜40重量部
であり、アルデヒド系化合物は1〜20重合部、還元剤
は0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜
1重量部であり、また、ラジカル捕捉剤は0.0001
〜10重量部、好ましくは0.001〜1重量部であ
る。
【0016】キトサンの量が1重量部未満では耐水化効
果が無く、また90重量部を超えると得られる皮膜の強
度が低下するため好ましくない。また、アルデヒド系化
合物の量が1重量部未満では耐水化効果が低く、また、
20重量部を超えると組成物を水溶液として用いる場合
粘度安定性が悪くなる。還元剤の量が0.0001重量
部未満では着色防止効果が低く、また、10重量部を超
えると耐水化効果が悪くなる。ラジカル捕捉剤の量が
0.0001重量部未満では着色防止効果が低く、ま
た、10重量部を超えると耐水化効果が悪くなる。
【0017】本発明の組成物において、優れた着色防止
効果を奏するには(D)還元剤と(E)ラジカル捕捉剤
との併用が重要である。(D)還元剤と(E)ラジカル
捕捉剤の両者が含まれないと水溶液およびその塗工紙の
経時黄変が著しい.また(D)還元剤がなく、(E)ラ
ジカル捕捉剤のみが含まれる場合も同様である。(E)
ラジカル捕捉剤がなく(D)還元剤のみが含まれる場合
は、水溶液の経時黄変は若干改良されるものの塗工紙の
経時黄変は著しい。
【0018】本発明の耐水性組成物には、上述の(A)
PVA系樹脂、(B)低重合度キトサン、(C)アルデ
ヒド系化合物、(D)還元剤、(E)ラジカル捕捉剤の
他に、本発明が目的とする耐水性および安定性が損なわ
れない限り、用途に応じて溶媒、各種添加剤、他の水溶
性樹脂または高分子水性分散体等を含有させることがで
きる。溶媒としては水が好ましく用いられるが、これに
各種アルコール,ケトン,ジメチルホルムアミド,ジメ
チルスルホキシド等の溶媒を併用することもできる。ま
た、添加剤としては、各種消泡剤,各種分散剤,ノニオ
ン性またはアニオン性界面活性剤,シランカップリング
剤あるいはpH調節剤等が挙げられる。水溶性樹脂とし
てはカルボキシメチルセルロース,ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体,ポリ(メタ)アクリル
酸,ポリヒドロキシ(メタ)アクリレートまたはその共
重合体,ポリアクリルアミド等の(メタ)アクリル系重
合体,ポリビニルピロリドンまたはその共重合体等が挙
げられる。更に、高分子水性分散体としてはアクリル重
合体および共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,
ビニルエステル系重合体および共重合体,スチレン−ブ
タジエン共重合体等の水性分散体が挙げられる。
【0019】本発明の耐水性組成物は通常水あるいは前
述の有機溶媒を含む水に上記(A)〜(E)の全成分を
溶解または分散した形態で用いられる。しかしながら、
(A),(B),(D),(E)の四成分を含む組成物
の水性液から皮膜その他の成形品を形成した後(C)ア
ルデヒド系化合物を適用することもできる。本発明の耐
水性組成物は、その優れた耐水性および良好な造膜性、
皮膜強度を活かして、無機物または有機物用接着剤ある
いはバインダー、塗料用ビヒクル、無機質材料または有
機質材料の処理剤、例えば表面コート剤に有効に使用さ
れ、さらにまた、フィルム、シートなど従来水溶性樹脂
が使用されていた用途にも使用される。
【0020】
【作用】本発明の組成物が耐水性、品質安定性、造膜
性、皮膜強度に優れている理由については十分解明され
ているわけではないが、本発明の組成物に含まれる低粘
度のキトサンがPVA系樹脂と分子レベルで相溶し、ア
ルデヒド系化合物によってキトサンまたはキトサンとP
VA系樹脂とが容易に架橋するため高い皮膜強度および
耐水性が発揮されるものと指定される。また、組成物中
に還元剤とラジカル捕捉剤とが含まれるため、キトサン
分解の際に生じるアルデヒド基を還元し、さらに経時着
色の原因となるラジカル反応を抑制するため、本発明の
組成物の水性液またはそれを塗工せる紙の着色が防止さ
れ、品質の安定性が向上するものと考えられる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。なお、実施例中「%」および「部」は、特にことわ
りのないかぎり重量基準を表わす。
【0022】実施例1 重合度550、ケン化度98.5モル%のPVA(クラ
レポバール“PVA105”)100部と1%水溶液の
20℃における粘度(BL型粘度計による粘度)が5c
pでアミノ基含有率が80%であるキトサン10部とを
酢酸酸性水溶液に溶解し固形分濃度15%の水溶液を調
製した後、亜硫酸水素ナトリウム(還元剤)0.5部、
ヒドロキノンモノメチルエーテル0.5部、グリオキザ
ール5部を加えて耐水性組成物の水溶液を作成した。こ
の溶液を流延し、50℃で乾燥してシート状物を作成し
た。得られたシート状物を40℃の温水に24時間浸漬
しシート状物の状態を観察した。結果を表1に示す。
【0023】実施例2〜6 PVA系樹脂、還元剤、ラジカル捕捉剤の種類およびキ
トサンとの配合比率を表1に示すように変えた他は実施
例1と同様に耐水性組成物の水溶液、さらに、シート状
物を作成し、その耐水性を評価した。結果を表1に示
す。
【0024】比較例1 キトサンを用いなかった他は実施例1と同様に組成物水
溶液の調製、シート状物の作成および耐水性評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0025】比較例2 グリオキザールを用いなかった他は実施例1と同様に組
成物水溶液の調製、シート状物の作成および耐水性評価
を行った。結果を表1に示す。
【0026】比較例3〜6 実施例1で用いたPVA系樹脂、還元剤、ラジカル捕捉
剤とキトサンとの配合比率を表1に示すように変えた他
は実施例1と同様に組成物水溶液の調製、シート状物の
作成および耐水性評価を行った。結果を表1に示す。
【0027】比較例7 実施例1で用いたキトサンに代えて、1%水溶液の20
℃における粘度が700cpのキトサンを用いた他は実
施例1と同様に耐水性組成物の水溶液の調製、シート状
物の作成および評価を行った。この場合、組成物水溶液
は非常に高粘度でゲル状を呈していた。結果を表1に示
す。
【0028】
【表1】
【0029】*1 表1中のPVA系樹脂は下記のとお
り。 PVA−105:重合度550,ケン化度98.5モル
% PVA−117:重合度1750,ケン化度98.5モ
ル% PVA−217:重合度1750,ケン化度88モル% カルボキシル基変性PVA:カルボキシル基含有量1モ
ル%,重合度1750,ケン化度88モル% スルホン酸基変性PVA:スルホン酸基含有量1モル
%,重合度500,ケン化度98.5モル% カチオン変性PVA:カチオン基含有量0.5モル%,
重合度1750,ケン化度98.5モル% 表1に示すように、本発明の耐水性組成物は、50℃と
いう比較的低い温度での乾燥によっても、著しく耐水性
に優れた皮膜を生成することがわかる。
【0030】実施例7〜14 (A)カチオン性基単位を0.5モル%含有し、重合度
1750、ケン化度98.5モル%の変性PVA100
部と(B)グリコール酸によりアンモニウム塩に変換し
たアミノ基含有率が90%であり1%水溶液の20℃に
おける粘度が表2に示すような粘度であるキトサン15
部とを水に溶解し、15%水溶液を調製した。この溶液
に表2に示すような(D)還元剤、(E)ラジカル捕捉
剤および(C)アルデヒド系化合物を添加した後、流延
し、50℃で乾燥してシート状物を作成した。このシー
ト状物を40℃の水中に24時間浸漬しシート状物の状
態を観察した。結果を表2に示す。
【0031】比較例8 実施例7において用いたグリオキザールの添加量を表2
に示すように変えた他は実施例7と同様に組成物水溶液
の調製、シート状物の作成および評価を行った。結果を
表2に示す。
【0032】比較例9 実施例7において用いたグリオキザールの添加量を表2
に示すように変えた他は実施例7と同様に組成物水溶液
の調製、シート状物の作成および評価を行った。この場
合、グリオキザールの添加によって短時間のうちにゲル
化し、シート状物が得られなかった。
【0033】
【表2】
【0034】実施例15 実施例7で用いたものと同じキトサン10部と重合度5
50、ケン化度88モル%のPVA90部と亜硫酸水素
ナトリウム0.1部とヒドロキノンモノメチルエーテル
0.1部を水に溶解し10%水溶液1,000部を作成
した。この水溶液にクレーを200部とグリオキザール
を5部添加した後、流延し、100℃で1時間乾燥して
シート状物を得た。このシート状物は95℃の熱水にも
不溶でしっかりとした皮膜形状を維持していた。
【0035】比較例10 キトサンを用いなかった他は実施例15と同様に組成物
水溶液の調製、シート状物の作成および評価を行った。
このシート状物は40℃の温水および95℃の熱水中で
短時間のうちに再溶解した。
【0036】実施例16 実施例1と同様にシート状物質を作成し、そのシート状
物質を40℃、90%湿度下に保存し、着色の発生の程
度を初期、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、
6週間後にそれぞれ測定した。結果を表3に示す。な
お、着色の測定には色差計(Z−1001DP、日本電
子工業株式会社製)を用い、b値により評価した。
【0037】実施例17〜20 実施例2,3,9,10と同様にシート状物質を作成
し、実施例16と同様に経時着色を評価した。結果を表
3に示す。
【0038】比較例11 還元剤とラジカル捕捉剤を用いなかった他は実施例16
と同様にシート状物質を作成し、実施例16と同様に経
時着色を評価した。結果を表3に示す。
【0039】比較例12、13 還元剤とラジカル捕捉剤を用いなかった他は実施例1
7,18と同様にシート状物質を作成し、経時着色を評
価した。結果を表4に示す。
【0040】比較例14 還元剤を用いなかった他は実施例19と同様にシート状
物質を作成し、経時着色を評価した。結果を表3に示
す。
【0041】比較例15 ラジカル捕捉剤を用いなかった他は実施例20と同様に
シート状物質を作成し、経時着色を評価した。結果を表
3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】上記の実施例から明らかなように、本発
明の組成物は比較的低温で乾燥または熱処理する場合で
あっても、耐水性が良好で、かつ高温高湿下に長期間放
置した場合にも着色安定性が非常に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C08L 29/04 (C08L 29/04 5:08) 5:08) (72)発明者 丸山 均 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社ク ラレ内 (56)参考文献 特開 昭61−211357(JP,A) 特開 平1−167302(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 29/04 C08F 16/38 C08K 5/07 - 5/08 C09D 129/04 C09J 129/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリビニルアルコール系樹脂10
    0重量部、(B)1重量%水溶液の20℃における粘度
    が70センチポイズ以下であるキトサン1〜90重量
    部、(C)アルデヒド系化合物1〜20重量部、(D)
    水溶性の還元剤0.0001〜10重量部および(E)
    ラジカル捕捉剤0.0001〜10重量部からなる耐水
    性組成物。
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