JP5501994B2 - 一液型接着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、一液型接着剤組成物に関するものである。
従来、水性高分子であるポリビニルアルコール樹脂を用いた接着剤組成物が広く用いられている。前記ポリビニルアルコール樹脂は、繊維素に対して極めて優れた接着性を備えているが、耐水性、耐熱性に劣る。そこで、前記ポリビニルアルコール樹脂に、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等のホルムアルデヒド樹脂を配合して、耐水性、耐熱性を付与したホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物が知られている。
ところが、前記ホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物は、該ホルムアルデヒド樹脂に起因する遊離のホルムアルデヒドが残存している。このため、前記ホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物を用いて接着した製品からは該ホルムアルデヒドが放出され、シックハウス症候群、化学物質過敏症等の原因になるとの問題がある。
前記問題を解決するために、カルボキシ変性ポリビニルアルコールと、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスと、ポリアミドエポキシ樹脂とを含有する耐水接着剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。
特開2009−209301号公報
しかしながら、前記耐水接着剤組成物は、粘着性(タック力)が小さいため、十分な作業性を得ることができないという不都合がある。
前記接着剤組成物に粘着性を付与するために、さらにグリオキサール(エタンジアール)を添加することが考えられる。ところが、前記接着剤組成物にさらにグリオキサールを添加して一液型の接着剤組成物を形成すると、粘度が短時間のうちに急激に増大するので、可使時間が制限される。
そこで、本発明は、ホルムアルデヒド樹脂を含まずに、優れた接着性能を備えると共に、長期に亘り安定で可使時間の長い一液型接着剤組成物を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の一液型接着剤組成物は、カルボキシ変性ポリビニルアルコールと、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスと、ポリアミドエポキシ樹脂と、グリオキサールと、重亜硫酸ナトリウムとを含むことを特徴とする。
本発明の一液型接着剤組成物では、カルボキシ変性ポリビニルアルコールと、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスとが、ポリアミドエポキシ樹脂と反応することにより耐水性が発現する。このとき、グリオキサールを添加すると、カルボキシ変性ポリビニルアルコールとグリオキサールとの反応によりさらに優れた耐水性を得ることができるが、その一方で粘度が短時間のうちに急激に増大するので可使時間が制限される。
そこで、本発明の一液型接着剤組成物は、グリオキサールと共に、重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)を添加する。この結果、本発明の一液型接着剤組成物によれば、粘度の上昇又はゲル化を抑制して、長期に亘り安定な溶液状態を維持することができ、長い可使時間を得ることができる。
尚、本願において、「カルボキシ変性ポリビニルアルコール」とは、分子内にカルボキシル基を有するポリビニルアルコールをいう。また、「カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス」とは、分子内にカルボキシル基を有するスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスをいう。
本発明の一液型接着剤組成物は、優れた耐水性を得るために、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、固形分換算で30〜1300質量部、さらには80〜300質量部の範囲のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスと、固形分換算で5〜60質量部、さらには20〜40質量部の範囲のポリアミドエポキシ樹脂とを含むことが好ましい。
本発明の一液型接着剤組成物では、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスが固形分換算で30質量部未満では、十分な耐水性が得られず、浸漬試験等で剥離が生じることがある。また、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスが固形分換算で1300質量部を超えると、ポリアミドエポキシ樹脂と急激に反応が進み、粘度が急上昇して固化するため、可使時間が制限されることがある。
また、本発明の一液型接着剤組成物では、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、ポリアミドエポキシ樹脂が固形分換算で5質量部未満では、十分な耐水性が得られず、浸漬試験等で剥離が生じることがある。また、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、ポリアミドエポキシ樹脂が固形分換算で60質量部を超えると、粘度が低下して作業性が悪くなったり、十分な耐水性や接着力が得られるまで長時間を必要とすることがある。
また、本発明の一液型接着剤組成物では、さらに優れた耐水性を得るために、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、0.1〜40質量部、さらには25〜35質量部の範囲のグリオキサールを添加することが好ましい。カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、グリオキサールが0.1質量部未満では、カルボキシ変性ポリビニルアルコールと、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスと、ポリアミドエポキシ樹脂とにより得られる以上の耐水性と接着力とが得られないことがある。また、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、グリオキサールが40質量部を超えると、重亜硫酸ナトリウムを添加しても粘度の上昇又はゲル化を抑制できないことがある。
また、本発明の一液型接着剤組成物では、前記グリオキサールの添加による粘度の上昇又はゲル化を効果的に抑制するために、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、1〜10質量部、さらには1〜7質量部の範囲の重亜硫酸ナトリウムを含むことが好ましい。カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、重亜硫酸ナトリウムが1質量部未満では、粘度の上昇又はゲル化を十分に抑制できないことがある。また、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、重亜硫酸ナトリウムが10質量部を超えても、それ以上に粘度の上昇又はゲル化を抑制することはできず、耐水性の低下を招き、十分な接着力が得られなくなることがある。
本発明の一液型接着剤組成物は、さらにアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含むことが好ましい。本発明の一液型接着剤組成物では、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールがグリオキサールと反応することにより、さらにより優れた耐水性を得ることができる。
本発明の一液型接着剤組成物において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールを用いる場合は、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、固形分換算で1〜10質量部の範囲のアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含むことが好ましい。カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールが固形分換算で1質量部未満では、カルボキシ変性ポリビニルアルコールと、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスと、ポリアミドエポキシ樹脂と、グリオキサールとにより得られる以上の耐水性が得られないことがある。また、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールが固形分換算で10質量部を超えると、重亜硫酸ナトリウムを添加しても粘度の上昇又はゲル化を抑制できないことがある。
尚、本願において、「アセトアセチル変性ポリビニルアルコール」とは、分子内にアセトアセチル基を有するポリビニルアルコールをいう。
また、本発明の一液型接着剤組成物において、前記カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスは、さらに優れた耐水性を得るために、メタアクリル酸メチルを含むことが好ましい。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態の一液型接着剤組成物は、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、固形分換算で30〜1300質量部の範囲のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスと、固形分換算で5〜60質量部の範囲のポリアミドエポキシ樹脂と、0.1〜40質量部の範囲のグリオキサールと、1〜10質量部の範囲の重亜硫酸ナトリウムとを含んでいる。
本実施形態に用いるカルボキシ変性ポリビニルアルコールは、分子内にカルボキシル基を有するポリビニルアルコールであれば特に制限はない。前記カルボキシ変性ポリビニルアルコールとして、例えば、ビニルエステル単量体を、エチレン性不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物等と共重合した後、ケン化したランダム共重合体、又は末端にチオール基を有するポリビニルアルコール系重合体の存在下、前記エチレン性不飽和カルボン酸をラジカル重合したブロック共重合体を好適に用いることができる。
前記ビニルエステル単量体としては、例えば、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ビバリン酸ビニル等を挙げることができる。また、前記エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、アコニット酸またはそれらの酸無水物等を挙げることができる。
前記カルボキシ変性ポリビニルアルコールは、重合度、カルボキシル基による変性量に特に制限は無いが、例えば、重合度が100〜6000の範囲にあり、カルボキシル基による変性量が0.1〜10モル%の範囲にあるものを好適に用いることができる。また、前記カルボキシ変性ポリビニルアルコールは、水に溶解する範囲のケン化度であれば特に制限はないが、通常はケン化度が93〜97モル%の範囲のものを好適に用いることができる。
尚、ポリビニルアルコールのケン化度について、86〜90モル%の範囲を部分ケン化、93〜97モル%の範囲を中間ケン化、97〜100モル%の範囲を完全ケン化と称することがある。この場合、本実施形態の一液型接着剤組成物に用いる前記カルボキシ変性ポリビニルアルコールのケン化度は、中間ケン化に相当する。
また、前記カルボキシ変性ポリビニルアルコールは、本実施形態の一液型接着剤組成物の接着性能を損なわない範囲で、エチレン性不飽和単量体と共重合させたものを用いることもできる。前記エチレン性不飽和単量体としては、エチレン、イソブチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等を挙げることができる。
また、前記カルボキシ変性ポリビニルアルコールは、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下、酢酸ビニル等のビニルエステル単量体をエチレン性不飽和カルボン酸と共重合した後、ケン化した末端変性共重合体を用いることもできる。
次に、本実施形態に用いる前記カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスとしては、スチレン−ブタジエン共重合体とカルボキシル基を有する不飽和単量体との共重合体の分散液を挙げることができる。前記スチレン−ブタジエン共重合体と共重合するカルボキシル基を有する不飽和単量体としては、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、シトラコン酸、シトラコン酸モノエステル、メサコン酸、メサコン酸モノエステル等のエチレン性不飽和ジカルボン酸またはそのエステル、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸等から選択された1種または2種以上の不飽和単量体を挙げることができる。
前記カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体は、例えば、カルボキシル基変性量が0.1〜20重量%の範囲にあるものを好適に用いることができる。また、前記カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスは、メタクリル酸メチルを含むものをさらに好適に用いることができる。
次に、本実施形態に用いる前記ポリアミドエポキシ樹脂としては、エピハロヒドリンをポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られた樹脂を挙げることができる。前記エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等を挙げることができるが、工業的には、エピクロルヒドリンを好適に用いることができる。
前記ポリアミンまたはポリアミドは、二塩基性カルボン酸系化合物と、ポリアルキレンポリアミン類とを重縮合反応させて得られる。前記二塩基性カルボン酸系化合物としては、ジカルボン酸と、そのエステル、その酸無水物等の誘導体を挙げることができる。
前記ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸を挙げることができる。前記ジカルボン酸のエステルとしては、マロン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル等を挙げることができる。前記ジカルボン酸の酸無水物としては、無水コハク酸、無水グルタル酸等を挙げることができる。
前記二塩基性カルボン酸系化合物はその1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。前記二塩基性カルボン酸系化合物として、工業的には、アジピン酸を特に好適に用いることができる。
前記ポリアルキレンポリアミン類としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等を挙げることができる。前記ポリアルキレンポリアミン類はその1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。工業的には、ジエチレントリアミンまたはトリエチレンテトラミンを好適に用いることができる。
前記ポリアミドエポキシ樹脂は、前記のようにして得られる樹脂のいずれか1種を単独で、または2種以上混合して用いることができる。
前記グリオキサールは、黄色柱状の結晶であり、例えば40質量%水溶液として用いることができる。また、前記重亜硫酸ナトリウムは、白色の粉末であり、そのまま用いることができる。
本実施形態の一液型接着剤組成物は、前記カルボキシ変性ポリビニルアルコールと、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスと、ポリアミドエポキシ樹脂と、グリオキサールと、重亜硫酸ナトリウムとを前記範囲の質量部で混合することにより得ることができる。本実施形態の一液型接着剤組成物は、重亜硫酸ナトリウムを前記範囲の質量部で含むことにより、粘度の上昇又はゲル化を抑制して、長期に亘り安定な溶液状態を維持することができ、長い可使時間を得ることができる。
本実施形態の一液型接着剤組成物では、前記重亜硫酸ナトリウムに代えて亜硫酸ナトリウムを用いることもできる。しかし、亜硫酸ナトリウムを用いるときには、粘度の上昇又はゲル化を抑制する効果が過大となり、接着力低下等の弊害が生じることがある。
また、本実施形態の一液型接着剤組成物は、さらにカルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、固形分換算で1〜10質量部の範囲のアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含んでいてもよい。本実施形態に用いるアセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、分子内にアセトアセチル基を有するポリビニルアルコールであれば特に制限はない。前記アセトアセチル変性ポリビニルアルコールとして、例えば、鹸化度99%以上で、ポリビニルアルコール94質量%以上、メタノール4質量%未満、酢酸メチル1質量%未満、酢酸ナトリウム1質量%未満を含むものを好適に用いることができる。
前記アセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、重合度、カルボキシル基による変性量に特に制限は無いが、例えば、重合度が1400〜1500の範囲にあり、アセトアセチル基による変性量が2〜8モル%の範囲にあるものを好適に用いることができる。また、前記アセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、水に溶解する範囲のケン化度であれば特に制限はないが、通常はケン化度が98モル%以上の範囲のものを好適に用いることができる。
次に、本発明の一液型接着剤組成物の実施例及び比較例を示す。
〔実施例1〕
本実施例では、まず、酢酸メチル1モル%及び酢酸ナトリウム1モル%で変性したカルボキシ変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、商品名:ゴーセナールT−330)の15質量%水溶液100質量部(固形分換算15質量部)と、イタコン酸1.5モル%で変性しメタクリル酸メチルを含有するカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:A7556、固形分48質量%)50質量部(固形分換算24質量部)と、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、商品名:ゴーセファイマーZ−200H)の12質量%水溶液1.9質量部(固形分換算0.24質量部)とを十分に混合して水分散組成物を得た。
前記カルボキシ変性ポリビニルアルコールは、ケン化度93.6モル%、重合度1800である。また、前記アセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、ケン化度99モル%、重合度1200である。
次に、前記水分散組成物に、カチオン性ポリアミドエポキシ樹脂(ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、住友化学株式会社製、商品名:スミレーズレジン675、固形分25質量%)13質量部(固形分換算3.3質量部)と、グリオキサール40質量%水溶液9.6質量部(固形分換算3.8質量部)と、重亜硫酸ナトリウム0.5質量部とを混合して、一液型接着剤組成物を調製した。
次に、厚さ0.7mmの南洋材単板2枚と、厚さ1.7mmの南洋材単板1枚とを用意し、厚さ1.7mmの単板の両面に本実施例の一液型接着剤組成物を330g/mの塗布量(片面165m)で塗布し、塗布面に厚さ0.7mmの単板を1枚ずつ重ね合せた。
そして、130℃の温度下、0.7MPaの圧力で2分間加熱接着し、合板を調製した。
次に、前記合板から、JAS「合板」の引っ張りせん断試験片(積層数3、B型)を作製し、該試験片の常態強度、2類強度を、毎分600Nの加重速度で測定した。前記常態強度は、前記試験片を20℃の温度の測定室内で測定した剪断応力(MPa)である。また、前記2類強度は、前記試験片を60±3℃の温水中に3時間浸漬した後、室温の水中に冷却するまで浸漬し、濡れたままの状態で20℃の温度の測定室内で測定した剪断応力(MPa)である。
前記試験片の常態強度、2類強度を、表1に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する割合を材破破断率(%)としてカッコ内に示す。
次に、厚さ3.0mmの広葉樹合板と、厚さ0.25mmの広葉樹単板(突き板)とを1枚ずつ用意し、厚さ3.0mmの広葉樹合板の一方の面に本実施例の一液型接着剤組成物を100g/mの塗布量で塗布し、塗布面に厚さ0.25mmの広葉樹単板を重ね合せた。そして、110℃の温度下、0.7MPaの圧力で1分間加熱接着し、化粧合板を調製した。
次に、前記合板から、JAS「合板」の1類浸せきはく離試験片(一辺75mmの正方形)を作製し、該試験片の剥離率をJAS「合板」の1類はく離試験により測定した。前記1類はく離試験は、前記試験片を沸騰水中に4時間浸漬した後、60±3℃の温度で20時間乾燥し、さらに沸騰水中に4時間浸漬した後、60±3℃の温度で3時間乾燥したときの剥離率を測定するものである。前記試験片の全長300mmに対し、前記突き板が剥離した長さの割合を前記剥離率(%)として表1に示す。
また、本実施例で得られた一液型接着剤組成物を室温(30℃)において静置状態で放置したところ、少なくとも3ヶ月間、粘度上昇あるいはゲル化を示さず、良好な保存安定性が得られた。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
本実施例では、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールを全く用いなかった以外は、実施例1と全く同一にして、一液型接着剤組成物を調製した。
次に、本実施例で得られた一液型接着剤組成物を用いた以外は実施例1と全く同一にして試験片を調製し、実施例1と全く同一にして該試験片の常態強度、2類強度、剥離率を測定した。結果を表1に示す。
また、本実施例で得られた一液型接着剤組成物を室温(30℃)において静置状態で放置したところ、少なくとも3ヶ月間、粘度上昇あるいはゲル化を示さず、良好な保存安定性が得られた。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
本比較例では、重亜硫酸ナトリウムを全く用いなかった以外は、実施例1と全く同一にして、一液型接着剤組成物を調製した。
次に、本比較例で得られた一液型接着剤組成物を用いた以外は実施例1と全く同一にして試験片を調製し、実施例1と全く同一にして該試験片の常態強度、2類強度、剥離率を測定した。結果を表1に示す。
また、本比較例で得られた一液型接着剤組成物を室温(30℃)において静置状態で放置したところ、6時間以内で粘度上昇及びゲル化を示し、良好な保存安定性が得られなかった。結果を表1に示す。
Figure 0005501994
表1から本発明に係る実施例1,2の一液型接着剤組成物によれば、常態強度、2類強度、剥離率がいずれも良好であり、耐水性及び耐熱性において優れた接着性能を備えていると共に、保存安定性が良好であり長期に亘り安定で可使時間が長いことが明らかである。
一方、比較例1の一液型接着剤組成物は、接着性能は本発明に係る実施例1,2の一液型接着剤組成物と同等であるが、保存安定性が不良であり、可使時間が短いことが明らかである。

Claims (5)

  1. カルボキシ変性ポリビニルアルコールと、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスと、ポリアミドエポキシ樹脂と、グリオキサールと、重亜硫酸ナトリウムとを含むことを特徴とする一液型接着剤組成物。
  2. 請求項1記載の一液型接着剤組成物において、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、固形分換算で30〜1300質量部の範囲のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスと、固形分換算で5〜60質量部の範囲のポリアミドエポキシ樹脂と、0.1〜40質量部の範囲のグリオキサールと、1〜10質量部の範囲の重亜硫酸ナトリウムとを含むことを特徴とする一液型接着剤組成物。
  3. 請求項1または請求項2記載の一液型接着剤組成物において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含むことを特徴とする一液型接着剤組成物。
  4. 請求項3記載の一液型接着剤組成物において、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの固形分換算100質量部に対し、固形分換算で1〜10質量部の範囲のアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含むことを特徴とする一液型接着剤組成物。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の一液型接着剤組成物において、前記スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスはメタクリル酸メチルを含むことを特徴とする一液型接着剤組成物。
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