JP2008150493A - 水性接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】生分解性を備え、被着体が木材であっても内部に浸透することなく接着層を形成して、優れた接着性能を得ることができる水性接着剤組成物を提供する。
【解決手段】ポリ乳酸エマルジョンと、水性高分子と、充填剤とを含む主剤と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物と、ポリアミドエポキシ樹脂とを含む硬化剤とを含む。前記主剤の全量に対して、前記ポリ乳酸エマルジョンは、固形分として0.2〜45重量%の範囲で、前記水性高分子は、固形分として4〜56重量%の範囲で、前記充填剤は、5〜55重量%の範囲で含まれる。前記硬化剤としての第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物は、固形分として前記主剤100重量部に対して0.5〜30重量%の範囲で、前記ポリアミドエポキシ樹脂は、固形分として前記主剤100重量部に対して0.2〜40重量部の範囲で含まれる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生分解性を備える水性接着剤組成物に関するものである。
従来、水性接着剤組成物として、ホルムアルデヒド系接着剤、酢酸ビニルエマルジョン系接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)エマルジョン系接着剤、アクリル樹脂エマルジョン系接着剤、水溶性樹脂系接着剤、水性高分子−イソシアネート系接着剤が知られている。
一方、近年では環境の負荷を低減するために、生分解性接着剤が検討されており、例えば本出願人によりタンニンを含む接着剤が提案されている(特許文献1参照)。
また、前記生分解性高分子としてポリ乳酸が知られており、ポリ乳酸系エマルジョンも提案されている(特許文献2,3参照)。そこで、ポリ乳酸系エマルジョン自体を接着剤とすることが考えられる。ところが、ポリ乳酸系エマルジョン自体を接着剤としたのでは、木材に対する塗布性が低く、十分な接着力が得られないという問題がある。
前記問題を解決するために、ポリ乳酸と、水性高分子と、硬化剤とを含む接着剤が提案されており、該接着剤は紙、繊維質素材からなる織布または不織布に用いることができるとされている(特許文献4参照)。
しかしながら、紙、繊維質素材、木材等は、多孔質であって、表面にマクロまたはミクロの凹凸があるため、前記接着剤は紙、繊維質素材、木材等の内部に浸透して、接着層を形成することが難しく、十分な接着力が得られないという不都合がある。
特開2004−231814号公報 特開2003−113247号公報 特開2004−285144号公報 特開2004−331847号公報
本発明は、かかる不都合を解消して、生分解性を備えると共に、被着体が木材であっても内部に浸透することなく接着層を形成して、優れた接着性能を得ることができる水性接着剤組成物を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の水性接着剤組成物は、ポリ乳酸エマルジョンと、水性高分子と、充填剤とを含む主剤と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物と、ポリアミドエポキシ樹脂とを含む硬化剤とを含むことを特徴とする。
本発明の水性接着剤組成物は、木材を被着材とするものである。本発明の水性接着剤組成物は、木材に塗布された後、他の木材を重ね合わせて放置すると、まず水分が蒸散し、ポリ乳酸、水性高分子、充填剤、硬化剤により、皮膜状の接着層が形成される。このとき、本発明の水性接着剤組成物によれば、前記充填剤が、ポリ乳酸、水性高分子、硬化剤の木材内部への浸透を妨げ、木材のマクロまたはミクロの凹凸表面で確実に前記接着層を形成することができる。本発明の水性接着剤組成物では、前記接着層が形成されると、次いで前記硬化剤が前記水性高分子等と反応することにより接着力が発現し、木材に対して優れた接着性能を得ることができる。
本発明の水性接着剤組成物によれば、前記したように本発明の水性接着剤組成物をエマルジョン状態で木材に塗布されることにより、木材のマクロまたはミクロの凹凸表面に進入して付着する。従って、前記接着層を形成するまでエマルジョン状態を保つことで、木材に対して密着性、投錨効果が向上し、優れた接着性能を得ることができる。
また、本発明の水性接着剤組成物は、前記接着層に前記ポリ乳酸を含むので、自然界に放置されると該ポリ乳酸が微生物等の作用により分解される。従って、本発明の水性接着剤組成物によれば、環境に対する負荷を軽減することができる。
本発明の水性接着剤組成物において、前記ポリ乳酸エマルジョンは、固形分として前記主剤の全量に対して0.2〜45重量%の範囲で含まれることが好ましい。前記ポリ乳酸エマルジョンの固形分として含有量が、前記主剤の全量に対して0.2重量%未満では十分な生分解性が得られないことがある。また、前記ポリ乳酸エマルジョンの固形分として含有量が、前記主剤の全量に対して45重量%を超えると、前記水性接着剤組成物の固形分濃度が上昇し、安定性が低下することがある。適切な固形分濃度とするために、前記水性高分子及び前記充填剤の含有量を低減させると、十分な接着性能が得られないことがある。
また、本発明の水性接着剤組成物において、前記水性高分子は、固形分として前記主剤の全量に対して4〜56重量%の範囲で含まれることが好ましい。前記水性高分子の固形分としての含有量が、前記主剤の全量に対して4重量%未満では、前記硬化剤との反応による前記接着層を硬化させる効果が不十分となり、十分な接着性能が得られないことがある。また、前記水性高分子の固形分としての含有量が、前記主剤の全量に対して56重量%を超えると、前記水性接着剤組成物の粘度が上昇し、塗布性が低減することがある。
また、本発明の水性接着剤組成物において、前記充填剤は、前記主剤の全量に対して5〜55重量%の範囲で含まれることが好ましい。前記充填剤の含有量が、前記主剤の全量に対して5重量%未満では、前記ポリ乳酸、水性高分子、硬化剤の木材内部への浸透を妨げる効果が不十分となり、前記接着層を形成することができず、十分な接着性能が得られないことがある。また、前記充填剤の含有量が、前記主剤の全量に対して55重量%を超えると、前記水性接着剤組成物の粘度が上昇し、塗布性が低減することがある。
本発明の水性接着剤組成物において、前記硬化剤としての第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物は、固形分として前記主剤100重量部に対して、0.5〜30重量部の範囲で含まれることが好ましい。前記硬化剤の含有量が、前記主剤100重量部に対して0.5重量部未満では、前記接着層を硬化させる効果が不十分となり、十分な耐水性、耐熱性、耐久性が得られないことがある。
また、本発明の水性接着剤組成物において、前記硬化剤としてのポリアミドエポキシ樹脂は、固形分として前記主剤100重量部に対して、0.2〜40重量部の範囲で含まれることが好ましい。前記硬化剤の含有量が、前記主剤100重量部に対して0.2重量部未満では、前記接着層を常温で硬化させる効果が不十分となり、十分な接着性能が得られないことがある。また、前記硬化剤の含有量が、固形分として前記主剤100重量部に対して40重量部を超えると、前記水性接着剤組成物の保存安定性が低下することがある。さらに、相対的に前記主剤の含有量が低減し、十分な接着性能が得られないことがある。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態の水性接着剤組成物は、ポリ乳酸エマルジョンと、水性高分子と、充填剤とを含む主剤と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物と、ポリアミドエポキシ樹脂とを含む硬化剤とを含む。前記主剤は、その全量に対して、0.2〜45重量%の範囲のポリ乳酸エマルジョン(固形分として)と、4〜56重量%の範囲の水性高分子(固形分として)と、5〜55重量%の範囲の充填剤とを含んでいる。また、前記硬化剤は、前記主剤100重量部に対して、0.5〜30重量部の範囲の3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物(固形分として)と、0.2〜40重量部の範囲のポリアミドエポキシ樹脂(固形分として)とを含んでいる。
前記ポリ乳酸エマルジョンは、ポリ乳酸を、高分子分散剤、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、ポリカルボン酸系分散剤等の分散剤を用いて水中に分散させたものであり、ポリ乳酸を主成分とする固形分を0.8〜70重量%の範囲で含むことが好ましい。
前記ポリ乳酸は、末端にカルボン酸基を有する樹脂であり、分子量や原料である乳酸の種類等に由来して、ガラス転移点や融点の異なる複数の種類がある。前記ポリ乳酸は、前記複数の種類のいずれかを1種単独で、または2種以上混合して用いることができる。また、前記ポリ乳酸は、未反応モノマー、オリゴマー、ポリマーの混合物であってもよい。
前記水性高分子は、水溶性高分子、水溶性高分子水溶液、水性ラテックス、水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
前記水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、アミノ化ポリビニルアルコール、カルボキシル化ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルアルコール、アニオン化ポリビニルアルコール、澱粉、蛋白質、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、マレイン酸イミド共重合体等を挙げることができる。前記水溶性高分子は、水溶液として用いてもよい。
また、前記水性ラテックスまたは水性エマルジョンとしては、スチレン、ブタジエン、アクリルアミド、アクリロニトリル、クロロプレン、1,3−ヘキサジエン、イソプレン、イソブテン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチルビニルエーテルからなる群から選ばれる1種の化合物の水性ラテックスまたは水性エマルジョン、または前記群から選ばれる共重合可能な2種以上の不飽和単量体からなる水性ラテックスまたは水性エマルジョンを挙げることができる。前記水性ラテックスまたは水性エマルジョンは、カルボキシル基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基、グリシジル基、β−メチルグリシジル基、水酸基、アミノ基、アミド基、酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性基を備える不飽和単量体を乳化重合させた変性ラテックスまたは変性エマルジョンであってもよい。また、水中に添加攪拌することで容易に水性ラテックスまたは水性エマルジョンとなる固体であってもよい。
前記充填剤としては、小麦粉、大豆粉、血粉、木粉、クルミ殻粉等の有機系充填剤、クレー、カオリン、ゼオライト、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、酸化アルミニウム等の無機系充填剤等を挙げることができる。前記充填剤は、そのいずれか1種を単独で、または2種以上混合して用いることができる。
前記主剤は、前記ポリ乳酸エマルジョン、前記水性高分子、前記充填剤の他、該充填剤の分散剤等を含んでいてもよい。前記充填剤の分散剤としては、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム等の無機系分散剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の高分子系分散剤等を挙げることができる。前記充填剤の分散剤は、そのいずれか1種を単独で、または2種以上混合して用いることができる。
前記硬化剤に用いられる第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としては、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1−(N,N−ジグリシジルアミノメチル)1,5,5−トリメチル−3−(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,4−フェニレンジアミン、(N,N,N’,N’−テトラグリシジル)ジアミノトルエン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン、そのハロゲン2置換体、ビス(N,N−ジグリシジルアミノフェノール)スルホン、4’−(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼンスルホン酸の4’−(N,N−ジグリシジルアミノ)フェニルエステル、ビス(N,N−ジグリシジルアミノトリメチレン)アルキレングリコール等を挙げることができる。前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としては、N,N−グリシジルアミノ基を含有する化合物を用いることができ、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等を用いることができる。
前記硬化剤に用いられるポリアミドエポキシ樹脂は、二塩基性カルボン酸系化合物とポリアルキレンポリアミン類を重縮合反応させて得られるポリアミドにエピハロヒドリンを反応させて得ることができる。
前記二塩基性カルボン酸系化合物とは、ジカルボン酸及びそのエステル、酸無水物等の誘導体である。前記ジカルボン酸の具体例としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、マロン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル等のエステル、無水コハク酸、無水グルタル酸等の酸無水物を挙げることができる。前記二塩基性カルボン酸系化合物は、前記化合物のいずれか1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
前記ポリアルキレンポリアミン類の具体例としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等を挙げることができる。前記ポリアルキレンポリアミン類は、前記化合物のいずれか1種を単独で、または2種以上混合して用いることができる。
前記二塩基性カルボン酸系化合物と前記ポリアルキレンポリアミン類との重縮合反応(ポリアミド化反応)は、ポリアルキレンポリアミン類1モルに対して二塩基性カルボン酸系化合物0.9から1.4モルの組成で反応させることができる。反応温度は通常50〜250℃で、常圧下または減圧下で行ない、生成する反応副成物である水またはエステルに対応するアルコールを系外に除去しながら行なう。前記重縮合反応は、50%水溶液の粘度が10Pa・s以上になるまで続けることにより、分子量の異なるポリアミドを得ることができる。前記ポリアルキレンポリアミン類と二塩基性カルボン酸系化合物との重縮合反応は、鉱酸及びスルホン酸類を触媒として用いて行うことができる。鉱酸の具体例としては、塩酸、硫酸、リン酸等を挙げることができ、スルホン酸類の具体例としては、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等を挙げることができる。前記触媒はポリアルキレンポリアミン1モルに対して、0.005〜0.1モルの組成で反応させることができる。また、本発明の水性接着剤組成物の性能を阻害しない範囲でアミノカルボン酸類やジアミン類及びアミンを含有する重合体等を併用することもできる。前記アミノカルボン酸の例としては、グリシン、アラニン、アミノカプロン酸等のアミノカルボン酸及びそのエステル誘導体,さらに、カプロラクタム等のラクタム誘導体を挙げることができる。前記ジアミン類の例としては、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等を挙げることができる。前記アミンを含有する重合体の例としては、メチルジアリルアミン塩酸塩重合体、エチレンイミン重合体等を挙げることができる。
次に、前記ポリアミドエポキシ樹脂は、前記二塩基性カルボン酸系化合物と前記ポリアルキレンポリアミン類とを重縮合反応させて得られたポリアミドに、さらに、エピハロヒドリンを反応させることにより得ることができる。前記エピハロヒドリンの具体例としてはエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等を挙げることができる。前記エピハロヒドリンは、前記化合物のいずれか1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
前記ポリアミドと前記エピハロヒドリンとの反応は、エピハロヒドリンを通常ポリアミド中の2級アミノ基に対して0.5から2.0モルの組成とすることにより行うことができる。反応温度は通常25℃から100℃で、水溶液中で行うことができる。前記反応は、25℃における25%水溶液の粘度が50mPa・s以上になるまで続ける。反応終了後は、冷却し、必要に応じて希釈し、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸等の酸を用いて、pHを6以下に調整して、安定化させることができる。
前記ポリアミドエポキシ樹脂は水溶液中の反応で得ることができ、触媒等の添加剤を含むポリアミドエポキシ樹脂水溶液そのまま、あるいは、水溶性溶剤等の添加剤との混合物であってもよい。
前記硬化剤は、前記化合物のいずれか1種を単独で、または2種以上混合して用いることができる。
本実施形態の水性接着剤組成物は、その接着性能、生分解性を損なわない範囲で、前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物及び前記ポリアミドエポキシ樹脂以外の硬化剤、さらに分散剤、消泡剤、防腐剤、防火剤、防蟻剤、防カビ剤、防虫剤、整泡剤、起泡剤、防錆剤、湿潤剤、濡れ性改質剤等の添加剤を含んでいてもよい。
本実施形態の水性接着剤組成物は、まず前記主剤を調製し、該主剤に前記硬化剤を添加することにより得ることができる。前記主剤は、前記ポリ乳酸エマルジョンに前記水性高分子、前記充填剤を添加し、さらに所望により該充填剤の分散剤を添加して、混合することにより調製する。
前記硬化剤は、前記水性接着剤組成物を被着材に塗布する直前に、前記主剤に添加、混合するか、あるいは、予め前記主剤に添加、混合することができる。予め前記主剤に添加、混合する場合には、前記水性接着剤組成物の保存安定性が低減することがあるので、注意が必要である。
本発明の水性接着剤組成物は、生分解性であるので環境を汚染する虞が無く、優れた耐水接着力を備え、加熱下、或いは高温多湿の環境下、長期に亘って耐水接着力を維持することができる。従って、本発明の水性接着剤組成物は、合板、LVL、突板、化粧板、集成材、パーティクルボード等の木質繊維板、家具、建具、運動具その他の木工製品製造用の木材用接着剤として好適に用いることができる。
また、本発明の水性接着剤組成物は、木材同士の他、木材と異種の素材とを接着する場合にも適用することができる。前記異種の素材としては、段ボール、紙、布、金属、陶磁器、ガラス、木毛板、プラスチック板(塩化ビニル樹脂板、ABS板、FRP板、スチレン樹脂板等)、無機板(アスベスト、ロックウール等の鉱物質繊維板等)、セメント系無機板(石綿スレート板、パルプセメント板、コンクリート板等)等を挙げることができる。
さらに、本発明の水性接着剤組成物は、コーティング用、塗料用組成物としても用いることができる。
次に、本発明の実施例を示す。
本実施例では、まず、ポリ乳酸を52重量%含有するポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬株式会社製、商品名:プラセマL110)5重量部に、水性エマルジョンとして固形分50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)エマルジョン(住友化学株式会社製、商品名:スミカフレックス456HQ)75重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)20重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ソーダ0.5重量部を添加、混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤100重量部に対して、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)5重量部と、固形分25重量%のポリアミドエポキシ樹脂(住友化学株式会社製、商品名:スミレーズレジン675)5重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、「JIS K 6806」に基づいて、接着性能を試験した。
前記試験では、含水率6〜8%、比重0.72〜0.75の10mm厚のカバ柾目挽板に対し、前記水性接着剤組成物を250g/m塗布し、開放堆積時間20℃にて1分以内、閉鎖堆積時間20℃にて10分以内、20℃にて1.2N/mmの圧力で24時間圧締した後、解圧し、20℃にて7日間養生したものを試験片とした。そして、前記各試験片の圧縮せん断接着強さを、常態、耐温水、煮沸繰り返しの3通りの条件で、測定した。
試験結果を表1に示す。試験結果は、「JIS K 6806」に定める試験機により試験片が破断するまでの最大荷重を測定し、実測した接着面積で除した接着強さ(N/cm)で示す。
「JIS K 6806」に基づく接着性能試験において、「常態」とは試験片作成後、直ちに試験に供するもので、耐水性に関わらない接着力を示す。また、「耐温水」とは試験片を60±3℃の温水中に3時間浸漬した後、室温の水中に冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供するもので、耐水性及び耐熱性の指標となるものである。また、「煮沸繰り返し」とは試験片を沸騰水中に4時間浸漬した後、60±3℃の空気中で20時間乾燥し、さらに沸騰水中に4時間浸漬してから、室温の水中に冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供するもので、耐久性の指標となるものである。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物の塗布性能を試験した。前記試験では、含水率6〜8%、比重0.72〜0.75の10mm厚のカバ柾目挽板に対し、前記接着剤組成物を250g/m塗布して、目視で塗布された状態を観察し、塗布性能を評価した。前記塗布性能は、前記接着剤組成物が前記カバ柾目挽板に均一に塗布されている状態を○、均一に塗布されているが塗布層が薄い状態を△、均一に塗布されていない状態を×として評価した。試験結果を表1に併せて示す。
本実施例では、水性エマルジョンを65重量部、充填剤を30重量部とした以外は、実施例1と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、水性エマルジョンを55重量部、充填剤を40重量部、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物を10重量部とした以外は、実施例1と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、水性エマルジョンを45重量部、充填剤を50重量部とした以外は、実施例1と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
本比較例では、水性エマルジョンを35重量部、充填剤を60重量部とした以外は、実施例1と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、塗布性能を試験したが、均一に塗布できなかった。
本実施例では、まず、ポリ乳酸を52重量%含有するポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬株式会社製、商品名:プラセマL110)20重量部に、水中に添加攪拌することで容易に水性エマルジョンとなる固形分100重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(ニチゴー・モビール株式会社製、商品名:LDM1646P)55重量部、水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:KL−318)を15重量%水溶液としたもの5重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)20重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ソーダ0.5重量部を添加、混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤100重量部に対して、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)25重量部と、固形分25重量%のポリアミドエポキシ樹脂(住友化学株式会社製、商品名:スミレーズレジン675)50重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、まず、ポリ乳酸を52重量%含有するポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬株式会社製、商品名:プラセマL110)30重量部に、水中に添加・攪拌することで容易に水性エマルジョンとなる固形分100重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(ニチゴー・モビール株式会社製、商品名:LDM1646P)40重量部、水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:KL−318)を15重量%水溶液としたもの10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)20重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ソーダ0.5重量部を添加、混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤100重量部に対して、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)20重量部と、固形分25重量%のポリアミドエポキシ樹脂(住友化学株式会社製、商品名:スミレーズレジン675)35重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表1に示す。
Figure 2008150493
表1から、主剤の全量に対し、水性高分子を、その固形分で22.5〜55.8重量%の範囲で含み、充填剤を20〜50重量%の範囲で含み、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物を、主剤100重量部に対して、5〜25重量部の範囲で含む実施例1〜6の水性接着剤組成物によれば、優れた接着性能を得ることができることが明らかである。また、表1から、実施例1〜6の水性接着剤組成物は、充填剤を60重量%含む比較例1に比較して、前記カバ柾目挽板に対し優れた塗布性能を備えていることが明らかである。
本実施例では、まず、ポリ乳酸を52重量%含有するポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬株式会社製、商品名:プラセマL110)0.5重量部に、水30重量部を添加、混合して、ポリ乳酸を0.9重量%含有するポリ乳酸エマルジョンを調製した。
次に、前記ポリ乳酸エマルジョンに、水中に添加・攪拌することにより容易に水性エマルジョンとなる固形分100重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(ニチゴー・モビール株式会社製、商品名:LDM1646P)10重量部、水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:KL−318)を15重量%水溶液としたもの40重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)20重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ソーダ0.5重量部を添加、混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤100重量部に対して、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物として、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部と、固形分25重量%のポリアミドエポキシ樹脂(住友化学株式会社製、商品名:スミレーズレジン675)10重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、ポリ乳酸を52重量%含有するポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬株式会社製、商品名:プラセマL110)1重量部に、水30重量部を添加、混合して、ポリ乳酸を1.7重量%含有するポリ乳酸エマルジョンを調製すると共に、水溶性高分子水溶液を39重量部とした以外は、実施例7と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、ポリ乳酸を52重量%含有するポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬株式会社製、商品名:プラセマL110)5重量部に、水30重量部を添加、混合して、ポリ乳酸を8.7重量%含有するポリ乳酸エマルジョンを調製すると共に、水溶性高分子水溶液を35重量部とした以外は、実施例7と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、ポリ乳酸を52重量%含有するポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬株式会社製、商品名:プラセマL110)10重量部に、水30重量部を添加、混合して、ポリ乳酸を17.3重量%含有するポリ乳酸エマルジョンを調製すると共に、水溶性高分子水溶液を30重量部とした以外は、実施例7と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、まず、ポリ乳酸を52重量%含有するポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬株式会社製、商品名:プラセマL110)85重量部に、水性エマルジョンとして固形分50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)エマルジョン(住友化学株式会社製、商品名:スミカフレックス456HQ)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)5重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ソーダ0.5重量部を添加、混合して主剤を調製した以外は、実施例7と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、ポリ乳酸エマルジョン80重量部、水性エマルジョン15重量部とした以外は、実施例11と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表2に示す。
Figure 2008150493
表2から、主剤の全量に対し、ポリ乳酸エマルジョンを、その固形分で0.3〜44.2重量%の範囲で含み、水性高分子を、その固形分で5〜16重量%の範囲で含み、充填剤を5〜20重量%の範囲で含む実施例7〜12の水性接着剤組成物によれば、優れた接着性能を得ることができることが明らかである。また、表2から、実施例7〜12の水性接着剤組成物は、前記カバ柾目挽板に対し優れた塗布性能を備えていることが明らかである。
本実施例では、まず、ポリ乳酸を52重量%含有するポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬株式会社製、商品名:プラセマL110)20重量部に、水性エマルジョンとして固形分50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)エマルジョン(住友化学株式会社製、商品名:スミカフレックス456HQ)15重量部、水性ラテックスとして固形分50重量%のスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR−102)10重量部、水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:KL−318)を15重量%水溶液としたもの25重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)30重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ソーダ0.5重量部を添加、混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤100重量部に対して、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)5重量部と、固形分25重量%のポリアミドエポキシ樹脂(住友化学株式会社製、商品名:スミレーズレジン675)1重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、硬化剤としてポリアミドエポキシ樹脂を3重量部とした以外は、実施例13と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、硬化剤としてポリアミドエポキシ樹脂を5重量部とした以外は、実施例13と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、硬化剤としてポリアミドエポキシ樹脂を7重量部とした以外は、実施例13と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、まず、ポリ乳酸を52重量%含有するポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬株式会社製、商品名:プラセマL110)20重量部に、水性エマルジョンとして固形分50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)エマルジョン(住友化学株式会社製、商品名:スミカフレックス456HQ)20重量部、水性ラテックスとして固形分50重量%のスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR−102)10重量部、水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:KL−318)を15重量%水溶液としたもの30重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)20重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ソーダ0.5重量部を添加、混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤100重量部に対して、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)5重量部と、固形分25重量%のポリアミドエポキシ樹脂(住友化学株式会社製、商品名:スミレーズレジン675)10重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、硬化剤としてポリアミドエポキシ樹脂を30重量部とした以外は、実施例17と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、硬化剤としてポリアミドエポキシ樹脂を50重量部とした以外は、実施例17と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、まず、ポリ乳酸を52重量%含有するポリ乳酸エマルジョン(第一工業製薬株式会社製、商品名:プラセマL110)20重量部に、水性エマルジョンとして固形分50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)エマルジョン(住友化学株式会社製、商品名:スミカフレックス456HQ)10重量部、水中に添加攪拌することで容易に水性エマルジョンとなる固形分100重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(ニチゴー・モビール株式会社製、商品名:LDM1646P)15重量部、水性ラテックスとして固形分50重量%のスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR−102)5重量部、水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:KL−318)を15重量%水溶液としたもの30重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)20重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ソーダ0.5重量部を添加、混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤100重量部に対して、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)5重量部と、固形分25重量%のポリアミドエポキシ樹脂(住友化学株式会社製、商品名:スミレーズレジン675)70重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、硬化剤としてポリアミドエポキシ樹脂を100重量部とした以外は、実施例20と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、硬化剤としてポリアミドエポキシ樹脂を150重量部とした以外は、実施例20と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表3に示す。
Figure 2008150493
表3から、主剤100重量部に対して、硬化剤としてポリアミドエポキシ樹脂を、その固形分で0.3〜37.5重量部含む実施例13〜22の水性接着剤組成物によれば、優れた接着性能を得ることができることが明らかである。また、表3から、実施例13〜22の水性接着剤組成物は、前記カバ柾目挽板に対し優れた塗布性能を備えていることが明らかである。
本実施例では、実施例13と全く同一にして主剤を調製した。
次に、前記主剤100重量部に対して、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)1重量部と、固形分25重量%のポリアミドエポキシ樹脂(住友化学株式会社製、商品名:スミレーズレジン675)6重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表4に示す。
本実施例では、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物を2重量部とした以外は、実施例23と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表4に示す。
本実施例では、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物を5重量部とした以外は、実施例23と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表4に示す。
本実施例では、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物を7重量部とした以外は、実施例23と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能と塗布性能とを試験した。結果を表4に示す。
Figure 2008150493
表4から、主剤100重量部に対して、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物を、1〜7重量部の範囲で含む実施例23〜26の水性接着剤組成物によれば、優れた接着性能を得ることができることが明らかである。また、表4から、実施例23〜26の水性接着剤組成物は、前記カバ柾目挽板に対し優れた塗布性能を備えていることが明らかである。

Claims (6)

  1. ポリ乳酸エマルジョンと、水性高分子と、充填剤とを含む主剤と、
    第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物と、ポリアミドエポキシ樹脂とを含む硬化剤とを含むことを特徴とする水性接着剤組成物。
  2. 前記ポリ乳酸エマルジョンは、固形分として前記主剤の全量に対して0.2〜45重量%の範囲で含まれることを特徴とする請求項1記載の水性接着剤組成物。
  3. 前記水性高分子は、固形分として前記主剤の全量に対して4〜56重量%の範囲で含まれることを特徴とする請求項1または請求項2記載の水性接着剤組成物。
  4. 前記充填剤は、前記主剤の全量に対して5〜55重量%の範囲で含まれることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の水性接着剤組成物。
  5. 前記硬化剤としての第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物は、固形分として前記主剤100重量部に対して0.5〜30重量部の範囲で含まれることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の水性接着剤組成物。
  6. 前記硬化剤としてのポリアミドエポキシ樹脂は、固形分として前記主剤100重量部に対して0.2〜40重量部の範囲で含まれることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の水性接着剤組成物。
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