JP4284138B2 - 木質用耐水接着剤組成物 - Google Patents

木質用耐水接着剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、木質用耐水接着剤組成物に関し、特に合板の製造または合板の二次加工に用いられる木質用耐水接着剤組成物に関するものである。
従来、ポリビニルアルコール樹脂を用いた木質用接着剤が広く用いられている。前記ポリビニルアルコール樹脂は、繊維素に対して極めて優れた接着性を備えているが、耐水性、耐熱性に劣ってる。そこで、前記ポリビニルアルコール樹脂に、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等のホルムアルデヒド樹脂を配合して、耐水性、耐熱性を付与したホルムアルデヒド樹脂系木質用接着剤が知られている。
しかし、前記ホルムアルデヒド樹脂系木質用接着剤は、該ホルムアルデヒド樹脂に起因する遊離のホルムアルデヒドが残存しているため、該接着剤を用いて接着した製品からは該ホルムアルデヒドが放出され、シックハウス症候群、化学物質過敏症等の原因になるとの問題がある。また、前記ホルムアルデヒド樹脂系木質用接着剤は、30℃以上の温度で3時間以上経過すると、粘度が上昇してゲル状態を呈し、塗布性、接着性が低下するので、実用性に乏しいとの問題もある。
前記ホルムアルデヒド樹脂系木質用接着剤の問題を解決するために、前記ホルムアルデヒド樹脂を使用せず、しかも耐水性、耐熱性を備える木質用接着剤として、ポリビニルアルコールを含む水溶液、水性エマルジョン樹脂、水性ラテックス樹脂等を主剤として、該主剤に架橋剤としてイソシアネート化合物を配合した水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物が知られている。しかし、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物は、前記主剤に前記イソシアネート化合物を直接配合、混合すると、該イソシアネート化合物が水と激しく反応して発泡する上、粘度が上昇して塗布性が低下したり、時間の経過とともに耐水接着性、耐熱接着性が著しく低下するために使用可能な時間(可使時間)が短い等の問題がある。
前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物の問題を解決するために、イソシアネート系化合物またはイソシアネート系重合物を、イソシアネート系化合物またはイソシアネート系重合物と相互溶解性を有する疎水性溶剤に溶解したものを、ポリビニルアルコールを含む水溶液または水性エマルジョンに分散せしめてなる耐水性接着剤が提案されている(特許文献1参照)。
前記耐水性接着剤によれば、イソシアネート系化合物またはイソシアネート系重合物は予め疎水性溶剤に溶解されているので、ポリビニルアルコールを含む水溶液または水性エマルジョンと混合したときに、イソシアネートが水と反応することを避けることができる。従って、前記耐水性接着剤は、前記発泡、粘度上昇、可使時間が短い等の問題を生じることがない。しかし、前記耐水性接着剤は、前記疎水性溶剤が強い刺激臭を有するため、該刺激臭がシックハウス症候群、化学物質過敏症等の原因物質となる虞がある。
前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物の問題を解決するために、カルボキシル基を含む重合体と、多価金属水酸化物と、エポキシ基を分子中に2個以上含む水溶性化合物との混合物からなる接着剤組成物が提案されている(特許文献2参照)。しかし、前記接着剤組成物は、前記多価金属水酸化物によりpH11以上の強アルカリ性となるため、木材のアルカリ汚染が発生したり、作業中に該接着剤組成物が皮膚に触れるとカブレが発生する等の問題がある。
また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物の問題を解決するために、分子内にカルボキシル基を有するポリビニルアルコール重合体の水溶液と、第3級アミノ窒素原子をもつ4官能エポキシ化合物と、活性水素を有するアミノ基含有アクリルエマルジョンまたは活性水素を有するアミノ基含有水性アクリル樹脂とからなる水性接着剤組成物が、本出願人らにより提案されている。前記水性接着剤組成物は、前記ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる樹脂分100重量部に対して、126重量部程度の充填剤、例えば重炭酸カルシウムを含んでもよいとされている。(特許文献3参照)。
前記水性接着剤組成物に含まれる活性水素を有するアミノ基含有アクリルエマルジョンまたは活性水素を有するアミノ基含有水性アクリル樹脂は、まず、カルボキシル基を有するアクリルエマルジョンまたはカルボキシル基を有する水性アクリル樹脂を製造した後、前記カルボキシル基をアルキルイミン等のイミノ化合物によりアミノ基変性することにより製造されている。
しかしながら、前記アクリルエマルジョンまたは水性アクリル樹脂は高価であり、前記水性接着剤組成物はコスト増となることが避けられない上、該水性接着剤組成物に残留する前記イミノ化合物により、木材が変色するという不都合がある。
特公昭51−30577号公報 特公昭51−28655号公報 特許第3048674号公報
本発明は、かかる不都合を解消して、シックハウス症候群、化学物質過敏症等の原因となるホルムアルデヒドや刺激臭を放出せず、皮膚のカブレや木材の汚染、変色を起こさず、発泡、粘度上昇が無くて可使時間が長い、耐水性、耐熱性に優れた安価な木質用接着剤組成物を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の木質用接着剤組成物は、(A)分子内にカルボキシル基を有するカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液と、スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂とからなる主剤と、(B)第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物として、一般式(1)で示されるN,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物とを含むことを特徴とする。
Figure 0004284138
(式中、Dは、炭素数1〜12の直鎖または分岐アルキレン基、炭素数3〜12の環式アルキレン基、フェニレン基、アルキル基置換フェニレン基、ハロゲン置換フェニレン基、からなる群から選択される1種の2価の基を示す)
本発明の接着剤組成物は、それ自体繊維素に対して極めて優れた接着性を備えているポリビニルアルコール樹脂をカルボキシル基変性した重合体の水溶液に、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂を加えて主剤とし、該主剤に前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物を配合したものである。本発明の接着剤組成物は、前記組成とすることにより、活性水素を有するアミノ基含有アクリルエマルジョンまたは活性水素を有するアミノ基含有水性アクリル樹脂を用いることなく、同等の接着性能を得ることができる。
本発明の接着剤組成物は、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂を含むことにより、該接着剤組成物を木質材料に塗布する際に優れた塗布性、濡れ性を得ることができる。また、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂は、該接着剤組成物を木質材料に塗布する際に、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体と、前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物とが該木質材料に対して過度に浸透することを防止することができる。この結果、本発明の接着剤組成物は、木質材料の接着において、優れた耐水接着力、耐熱接着力、耐久性を得ることができる。
また、本発明の接着剤組成物は、前記主剤に前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物を配合するものであって、ホルムアルデヒドや有機溶剤を含まないので、シックハウス症候群、化学物質過敏症等の原因となる虞がない。また、本発明の接着剤組成物はイソシアネート化合物を含まないので、該イソシアネート化合物と水分との反応による発泡、粘度上昇を防止することができ、長い可使時間を得ることができる。また、本発明の接着剤組成物は多価金属水酸化物を含まないのでpHが上昇せず、木材のアルカリ汚染、皮膚のカブレを防止することができる。
さらに、本発明の接着剤組成物は、カルボキシル基を有するアクリルエマルジョンまたはカルボキシル基を有する水性アクリル樹脂のカルボキシル基をアルキルイミン等のイミノ化合物によりアミノ基変性することにより製造されたアミノ基含有アクリルエマルジョンまたはアミノ基含有水性アクリル樹脂を含まないので、安価である。
本発明の木質用耐水接着剤組成物において、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体は、カルボキシル基変性量、重合度に特に制限はないが、カルボキシル基変性量が0.1〜10モル%、重合度が100〜6000の範囲にあることが好ましい。
前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体は、カルボキシル基変性量が0.1モル%未満であるときには、架橋密度が低くなり、充分な耐水性、耐熱性、耐煮沸性を得ることが難しい。一方、カルボキシル基変性量が10モル%を超えると、一般的に重合反応における安定を欠き、良好なポリビニルアルコール重合体を得るためには、コスト増が避けられない。
また、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体は、重合度が100未満であるときには十分な耐水性、耐熱性を得ることが難しい。一方、重合度が6000を超えると、一般的に重合反応における安定を欠き、良好なポリビニルアルコール重合体を得ることが難しい。
また、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体は、ケン化度についても特に制限はないが、優れた耐水性、耐熱性を得るためには、ケン化度を70〜100モル%の範囲とすることが好ましい。
本発明の木質用耐水接着剤組成物において、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体と前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物との配合量について特に制限はないが、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、3〜200重量部の範囲の前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物を含むことが好ましい。前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物の配合量が、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、3重量部未満であるときには、前記木質用耐水接着剤組成物の硬化が不十分になり、十分な耐水性、耐熱性を得ることができない上、耐久性、木材との密着性等の性能も低下する。一方、前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物の配合量が、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる樹脂分100重量部に対して200重量部を超えると、十分な接着強度、材料破断率が得られないことがある上、コスト増となることが避けられない。
本発明の木質用耐水接着剤組成物において、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体と前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂との配合量について特に制限はないが、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂を固形分として50〜500重量部の範囲で含むことが好ましい。前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂の固形分としての配合量が、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、50重量部未満であるときには、本発明の接着剤組成物を木質材料に塗布する際に充分な塗布性、濡れ性が得られず、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体と、前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物とが該木質材料に対して過度に浸透することを充分に防止できないことがある。一方、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂の固形分としての配合量が、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、500重量部を超えると、十分な耐水接着強度、耐熱接着強度を得ることができないことがある。
本発明の木質用耐水接着剤組成物は、さらに充填剤を含むことにより、該接着剤組成物を木質材料に塗布する際に樹脂成分が該木質材料に対して過度に浸透することを防止して、安定した接着性能を得ることができる。前記充填剤について特に制限はなく、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体と前記充填剤との配合量についても特に制限はないが、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記充填剤を0〜800重量部の範囲で含むことが好ましい。前記充填剤の配合量が、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、800重量部を超えると、十分な耐水接着強度、耐熱接着強度を得ることができないことがある。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態の木質用耐水接着剤組成物は、分子内にカルボキシル基を有するカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液と、スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂とからなる主剤と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物として、一般式(1)で示されるN,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物とを含んでいる。
Figure 0004284138

本実施形態に用いるカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体は、分子内にカルボキシル基を有するポリビニルアルコール重合体であれば特に制限はない。前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体として、例えば、酢酸ビニルに代表されるビニルエステル単量体を、エチレン性不飽和カルボン酸、その酸無水物等と共重合した後、ケン化したランダム共重合体、または、末端にチオール基を有するポリビニルアルコール系重合体の存在下、前記エチレン性不飽和カルボン酸をラジカル重合したブロック共重合体を好適に用いることができる。
前記ビニルエステル単量体としては、前記酢酸ビニルの他、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ビバリン酸ビニル等を挙げることができる。また、前記エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、アコニット酸またはそれらの酸無水物等を挙げることができる。
前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体は、重合度、カルボキシル基による変性量に特に制限は無いが、例えば、重合度が100〜6000の範囲にあり、カルボキシル基による変性量が0.1〜10モル%の範囲にあるものを好適に用いることができる。また、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコールは、水に溶解する範囲のケン化度であれば特に制限はないが、通常はケン化度が70〜100モル%の範囲のものを好適に用いることができる。
また、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体は、本実施形態の木質用耐水接着剤組成物の接着性能を損なわない範囲で、エチレン性不飽和単量体と共重合させたものを用いることもできる。前記エチレン性不飽和単量体としては、エチレン、イソブチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等を挙げることができる。
また、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体は、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下、酢酸ビニル等のビニルエステル単量体をエチレン性不飽和カルボン酸と共重合した後、ケン化した末端変性共重合体を用いることもできる。
前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂は、例えば、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、50〜500重量部の範囲で用いることができる。
次に、前記一般式(1)で表されるN,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物としては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1−(N,N−ジグリシジルアミノメチル)1,5,5−トリメチル−3−(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,4−フェニレンジアミン、(N,N,N’,N’−テトラグリシジル)ジアミノトルエン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン、そのハロゲン2置換体またはハロゲン4置換体、ビス(N,N−ジグリシジルアミノフェノール)スルホン、4’−(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼンスルホン酸の4’−(N,N−ジグリシジルアミノ)フェニルエステル、ビス(N,N−ジグリシジルアミノトリメチレン)アルキレングリコール等を挙げることができるが、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等を好適に用いることができる。
前記一般式(1)で表されるN,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物は、例えば、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、3〜200重量部の範囲で用いることができる。尚、本実施形態の木質用耐水接着剤組成物では、前記一般式(1)で表されるN,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物に代えて、N,N−ジグリシジルアミノ−2,4−ビス(グリシジルオキシ)アニリンを用いることもできる。
本実施形態の木質用耐水接着剤組成物は、さらに充填剤を含んでいてもよい。前記充填剤としては特に制限はなく、例えば、血粉、脱脂大豆粉、クルミ粉等の有機質系充填剤、クレー、カオリンクレー、焼成クレー、炭酸カルシウム、タルク、珪藻土、セリサイト、ゼオライト、石膏、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等の無機質充填剤等を挙げることができる。前記充填剤は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。前記充填剤は、例えば、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、0〜800重量部の範囲で用いることができる。
また、本実施形態の木質用耐水接着剤組成物は、接着性能を損なわない範囲で、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、カルビトール等の溶剤、フタル酸エステル、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテル等の可塑剤、造膜剤、小麦粉、コーンスターチ等の増量剤、酸化チタン等の白色顔料、着色顔料、染料、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉、デキストリン等の糊剤または増粘剤、分散剤、乳化剤、湿潤剤、消泡剤、エチレングリコール等の凍結防止剤、防腐剤、防カビ剤、防錆剤等を単独で、或いは2種以上組み合わせて適宜添加することができる。
本実施形態の木質用耐水接着剤組成物は、ホルムアルデヒド、有機溶剤を含まないので、環境を汚染することがなく、しかも可使時間が長く、優れた耐水接着力を備え、高温多湿の環境下にあっても長期に亘って耐水接着力を維持することができる。
次に、本発明の実施例と比較例とを示す。
本実施例では、イタコン酸で変性したランダム共重合カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体(重合度1700、変性量2モル%、ケン化度98モル%)の15%水溶液100重量部と、カルボキシル基で変性していないスチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂(旭化成株式会社製、商品名:DL612、固形分48重量%)50重量部と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物として、次式(2)で示されるN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)6重量部とを添加、撹拌して木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂160重量部、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン40重量部を含んでいる。
Figure 0004284138

次に、含水率5〜8重量%のラワン材からなり、それぞれ0.7mm、1.7mm、0.7mmの厚さの3枚の単板をこの順に重ね、接着面の両面に本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を330g/m2(両面)の塗布量で塗布した。前記のように重ねられた単板を、20℃で10分以内の閉鎖堆積、20℃で1MPaの冷圧下に20分、110℃で0.8MPaの熱圧下に60秒の条件にて接着して合板を製造し、該合板を接着性能評価のための試験板とした。
次に、JIS K 6851に規定する接着剤の木材引っ張りせん断接着強さ試験方法に基づいて、所定の形状及び寸法を有する試験片を調製し、前記試験片の常態強度、耐水強度、耐温水強度を、毎分6000Nの荷重速度で測定した。前記常態強度は、前記試験片を測定室内温度20℃の条件で測定したものである。また、前記耐水強度は、前記試験片を20℃の水中に7日間浸漬した後、引き上げ、濡れたままの状態で、測定室内温度20℃の条件で測定したものである。また、前記耐温水強度は、前記試験片を60℃の温水中に3時間浸漬した後、20℃の水中に冷えるまで浸漬して、引き上げ、濡れたままの状態で、測定室内温度20℃の条件で測定したものである。
接着強さ(MPa)の測定結果を表1に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、実施例1で用いたカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体に代えて、マレイン酸で変性したランダム共重合カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体(重合度1800、変性量2モル%、ケン化度99モル%)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表1に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
比較例1
本比較例では、実施例1で用いたカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体に代えて、カルボキシル基で変性していないポリビニルアルコール重合体(株式会社クラレ製、商品名:PVA−117、重合度1700、ケン化度98モル%)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板の製造を試みたところ、接着不良(パンク現象)が生じ、試験板を得ることができなかった。結果を表1に示す。
比較例2
本比較例では、実施例1で用いたカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体に代えて、カルボキシル基で変性していないポリビニルアルコール重合体(株式会社クラレ製、商品名:PVA−217、重合度1700、ケン化度88モル%)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板の製造を試みたところ、接着不良(パンク現象)が生じ、試験板を得ることができなかった。結果を表1に示す。
比較例3
本比較例では、実施例1で用いたカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体に代えて、アミド基変性ポリビニルアルコール重合体(電気化学工業株式会社製、商品名:EP−120K、重合度1700、ケン化度96モル%)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板の製造を試みたところ、接着不良(パンク現象)が生じ、試験板を得ることができなかった。結果を表1に示す。
Figure 0004284138
表1から、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液と、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂とからなる主剤に、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンを添加した実施例1,2の木質用耐水接着剤組成物によれば、常態強度はもちろん、耐水強度、耐温水強度についても優れた接着性能が得られることが明らかである。これに対して、カルボキシル基で変性していないポリビニルアルコール重合体を用いる比較例1,2の接着剤組成物、カルボキシル基以外のもので変性したポリビニルアルコール重合体を用いる比較例3の接着剤組成物では、接着性能が全く得られないことが明らかである。
本実施例では、実施例1で用いた第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物に代えて、次式(3)で示される1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−C)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
Figure 0004284138

次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表2に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
比較例4
本比較例では、実施例1で用いた第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物に代えて、ビスフェノールAジグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂(旭電化工業株式会社製、商品名:アデカレジンEP−4100)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板の製造を試みたところ、接着不良(パンク現象)が生じ、試験板を得ることができなかった。結果を表2に示す。
比較例5
本比較例では、実施例1で用いた第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物に代えて、次式(4)で示される4官能ポリグリシジルアミンタイプのエポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:EPO TOHTO YH−434)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した。
Figure 0004284138

次に、本比較例で得られた接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板の製造を試みたところ、接着不良(パンク現象)が生じ、試験板を得ることができなかった。結果を表2に示す。
比較例6
本比較例では、実施例1で用いた第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物に代えて、グリセロールポリグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂(ナガセケムテック株式会社製、商品名:デナコールEX−314)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板の製造を試みたところ、接着不良(パンク現象)が生じ、試験板を得ることができなかった。結果を表2に示す。
比較例7
本比較例では、実施例1で用いた第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物に代えて、ビスフェノールFジグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:EPO TOHTO YDF−170)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板の製造を試みたところ、接着不良(パンク現象)が生じ、試験板を得ることができなかった。結果を表2に示す。
Figure 0004284138

表2から、実施例1で用いた第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物に代えて、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンを用いた実施例3の木質用耐水接着剤組成物によれば、実施例1,2の木質用耐水接着剤組成物と同様に、常態強度はもちろん、耐水強度、耐温水強度についても優れた接着性能が得られることが明らかである。
これに対して、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物とは異なるエポキシ化合物を用いる比較例4,6,7の接着剤組成物、一般式(1)に含まれない第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物を用いる比較例5の接着剤組成物では、接着性能が全く得られないことが明らかである。
本実施例では、実施例1で用いたカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体に代えて、イタコン酸で変性したランダム共重合カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体(重合度1700、変性量0.5モル%、ケン化度98モル%)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表3に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、実施例1で用いたカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体に代えて、イタコン酸で変性したランダム共重合カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体(重合度1700、変性量4.0モル%、ケン化度98モル%)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表3に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、実施例1で用いたカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体に代えて、イタコン酸で変性したランダム共重合カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体(重合度1700、変性量10モル%、ケン化度98モル%)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表3に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
尚、実施例4〜6で用いたカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体は、実施例1で用いたカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体とは、重合度、変性量、ケン化度が異なり、重合度1700、ケン化度98モル%、変性量は0.5〜10モル%の範囲にある。
Figure 0004284138

表3から、実施例1で用いたカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体に代えて、変性量を0.5〜10モル%の範囲とした本発明に係るカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体を用いる実施例4〜6の木質用耐水接着剤組成物によれば、実施例1,2の木質用耐水接着剤組成物と同様に、常態強度はもちろん、耐水強度、耐温水強度についても優れた接着性能が得られることが明らかである。
本実施例では、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の15%水溶液100重量部に対して、スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂100重量部と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン6.5重量部とを添加した以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂320重量部、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン43.3重量部を含んでいる。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表4に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の15%水溶液100重量部に対して、スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂25重量部と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン5.5重量部とを添加した以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂80.0重量部、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン36.7重量部を含んでいる。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表4に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
比較例8
本比較例では、スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂を全く用いなかったこと以外は、実施例1と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表4に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
比較例9
本比較例では、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液を全く用いないこと以外は、実施例1と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板の製造を試みたところ、接着不良(パンク現象)が生じ、試験板を得ることができなかった。結果を表4に示す。
Figure 0004284138

表4から、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂の配合量を固形分として80.0〜320重量部の範囲とし、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンの配合量を36.7〜43.3重量部の範囲とした実施例7,8の木質用耐水接着剤組成物によれば、実施例1,2の木質用耐水接着剤組成物と同様に、常態強度はもちろん、耐水強度、耐温水強度についても優れた接着性能が得られることが明らかである。
これに対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂を全く含まない比較例8の接着剤組成物は接着性能が著しく劣り、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液を全く含まない比較例9の接着剤組成物では、接着性能が全く得られないことが明らかである。
本実施例では、実施例1で得られた木質用耐水接着剤組成物にさらに充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−10)34重量部を添加した以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂160重量部、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン40重量部、炭酸カルシウム227重量部を含んでいる。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表5に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の15%水溶液100重量部に対して、スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂120重量部と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン12重量部と、実施例9で用いたものと全く同一の炭酸カルシウム100重量部とを添加した以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂384重量部、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン80重量部、炭酸カルシウム667重量部を含んでいる。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表5に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の15%水溶液100重量部に対して、スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂25重量部と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン5.5重量部と、実施例9で用いたものと全く同一の炭酸カルシウム38重量部とを添加した以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂80.0重量部、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン36.7重量部、炭酸カルシウム253重量部を含んでいる。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表5に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
Figure 0004284138

表5から、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂の配合量を固形分として80.0〜384重量部の範囲とし、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンの配合量を36.7〜80.0重量部の範囲とし、前記炭酸カルシウムの配合量を227〜667重量部の範囲とした実施例9〜11の木質用耐水接着剤組成物によれば、実施例1,2の木質用耐水接着剤組成物と同様に、常態強度はもちろん、耐水強度、耐温水強度についても優れた接着性能が得られることが明らかである。
本実施例では、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の15%水溶液100重量部に対して、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン0.75重量部を添加した以外は実施例9と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂160重量部、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン5重量部、炭酸カルシウム227重量部を含んでいる。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表6に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の15%水溶液100重量部に対して、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン15重量部を添加した以外は実施例9と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂160重量部、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン100重量部、炭酸カルシウム227重量部を含んでいる。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表6に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の15%水溶液100重量部に対して、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン25重量部を添加した以外は実施例9と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂160重量部、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン167重量部、炭酸カルシウム227重量部を含んでいる。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表6に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、イタコン酸で変性したランダム共重合カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体(重合度600、変性量1モル%、ケン化度98モル%)の30%水溶液100重量部と、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂100重量部と、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン12重量部と、前記炭化カルシウム68重量部とを添加、撹拌して木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂160重量部、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン40重量部、前記炭酸カルシウム227重量部を含んでいる。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表6に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
Figure 0004284138

表6から、実施例1で用いたカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂の配合量を固形分として160重量部、前記炭酸カルシウムの配合量を227重量部、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンの配合量を5〜167重量部の範囲とした実施例12〜14の木質用耐水接着剤組成物によれば、実施例1,2の木質用耐水接着剤組成物と同様に、常態強度はもちろん、耐水強度、耐温水強度についても優れた接着性能が得られることが明らかである。
また、実施例1で用いたカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体に代えて、重合度600、変性量1モル%、ケン化度98モル%のイタコン酸で変性したランダム共重合カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体を用いた実施例15の木質用耐水接着剤組成物によっても、実施例12〜14の木質用耐水接着剤組成物と同様に、常態強度はもちろん、耐水強度、耐温水強度についても優れた接着性能が得られることが明らかである。
本実施例では、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した後、35℃の温度にそれぞれ5分、3時間、8時間保持した該接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
製糊から5分経過後の前記木質用耐水接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表7に、3時間経過後の前記木質用耐水接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表8に、8時間経過後の前記木質用耐水接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表9にそれぞれ示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
比較例10
本比較例では、まず、比較例2で用いたものと全く同一のカルボキシル基で変性していないポリビニルアルコール重合体の15%水溶液100重量部に、スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂(旭化成株式会社製、商品名:DL−612、固形分48%)60重量部と、炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)30重量部とを添加し充分に撹拌混合して接着剤組成物の主剤を調製した。次に、35℃に加温した前記主剤100重量部に、予め35℃に加温した架橋剤としてのポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(住友バイエル株式会社製、商品名:スミジュール44V−20)10重量部を添加、撹拌して、接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を、前記製糊後、35℃の温度にそれぞれ5分、3時間、8時間保持したものを秤取り、含水量5〜8%のラワン材からなる1.7mmの厚さの単板上に、ゴム付きハンドローラーを用いて330g/m2(両面)の塗布量で、均一に塗布して塗布性を判定した。本比較例で得られた接着剤組成物は、前記製糊後、150分でゲル化し、前記製糊から3時間経過後の接着剤組成物と、8時間経過後の接着剤組成物とは塗布することができなかった。
そこで次に、本比較例で得られた接着剤組成物を、前記製糊後、35℃の温度に5分間保持持したものを用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
製糊から5分経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表7に、3時間経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表8に、8時間経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表9にそれぞれ示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
比較例11
本比較例では、まず、イソブチレン−無水マレイン酸−マレインイミド重合物(株式会社クラレ製、商品名:イソバン304、イソブチレン:無水マレイン酸:マレインイミド=1:0.5:0.5(モル比))50重量部と、25%アンモニア水20重量部と、純水75重量部とを混合し、80〜95℃で2時間撹拌し、イソブチレン−無水マレイン酸−マレインイミド重合物水溶液を調製した。次に、前記イソブチレン−無水マレイン酸−マレインイミド重合物水溶液を40〜50℃に冷却した後、カルボキシル変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂(日本ゼオン株式会社製、商品名:NipolLX430、固形分49%)140重量部と、炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)140重量部とを添加し充分に撹拌混合して接着剤組成物の主剤を調製した。
次に、35℃に加温した前記主剤100重量部に、予め35℃に加温した架橋剤としてのグリセロールポリグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂(ナガセケムテック株式会社製、商品名:デナコールEX−314)5重量部を添加、撹拌して、接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を、前記製糊後、35℃の温度にそれぞれ5分、3時間、8時間保持したものを秤取り、比較例10と全く同一にして塗布性を判定した。本比較例で得られた接着剤組成物は、前記製糊後、60分でゲル化し、前記製糊から3時間経過後の接着剤組成物と、8時間経過後の接着剤組成物とは塗布することができなかった。
そこで次に、本比較例で得られた接着剤組成物を、前記製糊後、35℃の温度に5分間保持持したものを用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
製糊から5分経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表7に、3時間経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表8に、8時間経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表9にそれぞれ示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
比較例12
本比較例では、まず、イソブチレン−無水マレイン酸重合物(株式会社クラレ製、商品名:イソバン06、イソブチレン:無水マレイン酸=1:1(モル比))50重量部と、苛性ソーダ20重量部と、純水85重量部とを混合し、80〜95℃で2時間撹拌し、イソブチレン−無水マレイン酸重合物水溶液を調製した。次に、前記イソブチレン−無水マレイン酸重合物水溶液を40〜50℃に冷却した後、カルボキシル変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂(日本ゼオン株式会社製、商品名:NipolLX430、固形分49%)150重量部と、消石灰70重量部と、純水60重量部とを添加し充分に撹拌混合して接着剤組成物の主剤を調製した。
次に、35℃に加温した前記主剤100重量部に、予め35℃に加温した架橋剤としてのグリセロールポリグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂(ナガセケムテック株式会社製、商品名:デナコールEX−314)5重量部を添加、撹拌して、接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を、前記製糊後、35℃の温度にそれぞれ5分、3時間、8時間保持したものを秤取り、比較例10と全く同一にして塗布性を判定した。本比較例で得られた接着剤組成物は、前記製糊後、120分でゲル化し、前記製糊から3時間経過後の接着剤組成物と、8時間経過後の接着剤組成物とは塗布することができなかった。
そこで次に、本比較例で得られた接着剤組成物を、前記製糊後、35℃の温度に5分間保持持したものを用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度を実施例1と全く同一にして測定した。
製糊から5分経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表7に、3時間経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表8に、8時間経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表9にそれぞれ示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
Figure 0004284138
Figure 0004284138
Figure 0004284138
表7〜9から、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液と、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂とからなる主剤に、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンを添加した実施例16の木質用耐水接着剤組成物によれば、可使時間が長く、塗布性に優れている上、常態強度はもちろん、耐水強度、耐温水強度についても優れた接着性能が得られることが明らかである。
これに対して、カルボキシル基で変性していないポリビニルアルコール重合体の水溶液と、スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂と、イソシアネート系化合物とを含む比較例10の接着剤組成物、イソブチレン−無水マレイン酸−アミド重合物またはイソブチレン−無水マレイン酸重合物の水溶液と、スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂と、グリセロールポリグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂とを含む比較例11,12の接着剤組成物では、可使時間が短いことが明らかである。
本実施例では、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した後、35℃の温度に5分間保持した該接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造した。
次に、前記試験板を9cm×28cmの大きさに裁断したものを試験片として、該試験片を2枚合わせとし、両側にそれぞれ5gの純水を均一に塗布した後、ビニールに包み、40℃、相対湿度90%の雰囲気に14日間放置した。前記処理後、前記処理を施した試験片と、未処理の試験片とを肉眼で比較し、前記処理を施した試験片の変色の有無を判定した。結果を表10に示す。
比較例13
本比較例では、比較例11と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した後、35℃の温度に5分間保持した該接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造した。
次に、本比較例で得られた試験板を用いた以外は、実施例17と全く同一にして、試験片の変色の有無を判定した。結果を表10に示す。
比較例14
本比較例では、まず、比較例11と全く同一にして調製した主剤に、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン3重量部を添加、撹拌して接着剤組成物を調製、製糊した。次に、製糊後、35℃の温度に5分間保持した前記接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造した。
次に、本比較例で得られた試験板を用いた以外は、実施例17と全く同一にして、試験片の変色の有無を判定した。結果を表10に示す。
比較例15
本比較例では、比較例12と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した後、35℃の温度に5分間保持した該接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造した。
次に、本比較例で得られた試験板を用いた以外は、実施例17と全く同一にして、試験片の変色の有無を判定した。結果を表10に示す。
比較例16
本比較例では、まず、比較例12と全く同一にして調製した主剤に、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン3重量部を添加、撹拌して接着剤組成物を調製、製糊した。次に、製糊後、35℃の温度に5分間保持した前記接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造した。
次に、本比較例で得られた試験板を用いた以外は、実施例17と全く同一にして、試験片の変色の有無を判定した。結果を表10に示す。
比較例17
本比較例では、まず、実施例1で用いたものと全く同一のカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の15%水溶液50重量部に、活性水素を有するアミノ基を含有するアクリル系エマルジョン樹脂(日本触媒化学工業株式会社製、商品名:CK−200)50重量部と、炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)60重量部とを添加し充分に撹拌混合して接着剤組成物の主剤を調製した。
次に、35℃に加温した前記主剤100重量部に、予め35℃に加温したN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン6.6重量部を添加、撹拌して、接着剤組成物を調製、製糊した後、35℃の温度に5分間保持した該接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造した。
次に、本比較例で得られた試験板を用いた以外は、実施例17と全く同一にして、試験片の変色の有無を判定した。結果を表10に示す。
Figure 0004284138
表10から、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液と、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂とからなる主剤に、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンを添加した実施例17の木質用耐水接着剤組成物によれば、該接着剤組成物を用いて接着した木材が変色しないことが明らかである。
これに対して、カルボキシル基を含むイソブチレン−無水マレイン酸−マレインイミド重合物と、カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂と、炭酸カルシウムとからなる主剤に、架橋剤としてエポキシ基を2個以上含む水溶性化合物のグリセロールポリグリシジルエーテルタイプの化合物を添加した比較例13の接着剤組成物、カルボキシル基を含むイソブチレン−無水マレイン酸−マレインイミド重合物と、カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂と、炭酸カルシウムとからなる主剤に、架橋剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンを添加した比較例14の接着剤組成物、カルボキシル基を含むイソブチレン−無水マレイン酸重合物と、カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂と、多価金属水酸化物としての消石灰とからなる主剤に、架橋剤としてエポキシ基を2個以上含む水溶性化合物のグリセロールポリグリシジルエーテルタイプの化合物を添加した比較例15の接着剤組成物、カルボキシル基を含むイソブチレン−無水マレイン酸重合物と、カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂と、多価金属水酸化物としての消石灰とからなる主剤に、架橋剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンを添加した比較例16の接着剤組成物、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液と、活性水素を有するアミノ基を含有するアクリル系エマルジョン樹脂と、炭酸カルシウムとからなる主剤に、架橋剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンを添加した比較例17の接着剤組成物では、いずれも該接着剤組成物を用いて接着した木材が変色することが明らかである。
本発明の木質用耐水接着剤組成物は、合板、LVL、突き板化粧板、集成材、パーティクルボード等の木質繊維板、家具、建具、運動具その他の木工製品の製造に好適に用いることができ、合板用接着剤及び合板の二次加工用接着剤として特に好適に用いることができる。
本発明の木質用耐水接着剤組成物は、前記木質繊維板、木工製品等の木材の他、段ボール、紙、布、金属、ガラス、木毛板、プラスチック板(塩化ビニル樹脂板、ABS板、FRP板、スチレン樹脂板等を含む)、無機板(ロックウール等の鉱物質繊維板、石膏ボード、珪酸カルシウム板等を含む)、セメント系無機板(石綿スレート板、パルプセメント板、コンクリート板等を含む)等の木材以外の素材の接着にも適用することができる。本実施形態の木質用耐水接着剤組成物は、前記木材以外の素材について、同一素材同士の接着にはもちろん、異種の素材との接着、木材と前記各素材との接着にも適用することができる。
さらに、本発明の木質用耐水接着剤組成物は、コーティング用組成物または塗料用組成物としても用いることができる。

Claims (5)

  1. (A)分子内にカルボキシル基を有するカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液と、スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂とからなる主剤と、
    (B)第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物として、一般式(1)で示されるN,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物とを含むことを特徴とする木質用耐水接着剤組成物。
    Figure 0004284138
    (式中、Dは、炭素数1〜12の直鎖または分岐アルキレン基、炭素数3〜12の環式アルキレン基、フェニレン基、アルキル基置換フェニレン基、ハロゲン置換フェニレン基、からなる群から選択される1種の2価の基を示す)
  2. 前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体は、カルボキシル基変性量が0.1〜10モル%、重合度が100〜6000の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の木質用耐水接着剤組成物。
  3. 前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物を3〜200重量部の範囲で含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の木質用耐水接着剤組成物。
  4. 前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、前記スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂を固形分として50〜500重量部の範囲で含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の木質用耐水接着剤組成物。
  5. 前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる固形分100重量部に対して、充填剤を0〜800重量部の範囲で含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の木質用耐水接着剤組成物。
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