JP2005089703A - 木質用耐水接着剤組成物 - Google Patents
木質用耐水接着剤組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005089703A JP2005089703A JP2003328378A JP2003328378A JP2005089703A JP 2005089703 A JP2005089703 A JP 2005089703A JP 2003328378 A JP2003328378 A JP 2003328378A JP 2003328378 A JP2003328378 A JP 2003328378A JP 2005089703 A JP2005089703 A JP 2005089703A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive composition
- carboxyl group
- weight
- resin
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
【課題】ホルムアルデヒドや刺激臭を出さず、皮膚のカブレや木材の汚染、変色を起こさず、可使時間が長く、耐水性、耐熱性に優れた安価な木質用接着剤組成物を提供する。【解決手段】(A)カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはラテックス樹脂と、(B)第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物として、N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物とを含む。変性量が0.1〜20モル重量%のカルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはラテックス樹脂100重量部に対し、N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物を3〜150重量部含む。カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはラテックス樹脂100重量部に対し、充填剤0〜500重量部を含む。
【選択図】 図なし
【選択図】 図なし
Description
本発明は、木質用耐水接着剤組成物に関し、特に合板の製造または合板の二次加工に用いられる木質用耐水接着剤組成物に関するものである。
従来、ポリビニルアルコール樹脂を用いた木質用接着剤が広く用いられている。前記ポリビニルアルコール樹脂は、繊維素に対して極めて優れた接着性を備えているが、耐水性、耐熱性に劣ってる。そこで、前記ポリビニルアルコール樹脂に、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等のホルムアルデヒド樹脂を配合して、耐水性、耐熱性を付与したホルムアルデヒド樹脂系木質用接着剤が知られている。
しかし、前記ホルムアルデヒド樹脂系木質用接着剤は、該ホルムアルデヒド樹脂に起因する遊離のホルムアルデヒドが残存しているため、該接着剤を用いて接着した製品からは該ホルムアルデヒドが放出され、シックハウス症候群、化学物質過敏症等の原因になるとの問題がある。また、前記ホルムアルデヒド樹脂系木質用接着剤は、30℃以上の温度で3時間以上経過すると、粘度が上昇してゲル状態を呈し、塗布性、接着性が低下するので、実用性に乏しいとの問題もある。
前記ホルムアルデヒド樹脂系木質用接着剤の問題を解決するために、前記ホルムアルデヒド樹脂を使用せず、しかも耐水性、耐熱性を備える木質用接着剤として、ポリビニルアルコールを含む水溶液、水性エマルジョン樹脂、水性ラテックス樹脂等を主剤として、該主剤に架橋剤としてイソシアネート化合物を配合した水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物が知られている。しかし、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物は、前記主剤に前記イソシアネート化合物を直接配合、混合すると、該イソシアネート化合物が水と激しく反応して発泡する上、粘度が上昇して塗布性が低下したり、時間の経過とともに耐水接着性、耐熱接着性が著しく低下するために使用可能な時間(可使時間)が短い等の問題がある。
前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物の問題を解決するために、イソシアネート系化合物またはイソシアネート系重合物を、イソシアネート系化合物またはイソシアネート系重合物と相互溶解性を有する疎水性溶剤に溶解したものを、ポリビニルアルコールを含む水溶液または水性エマルジョンに分散せしめてなる耐水性接着剤が提案されている(特許文献1参照)。
前記耐水性接着剤によれば、イソシアネート系化合物またはイソシアネート系重合物は予め疎水性溶剤に溶解されているので、ポリビニルアルコールを含む水溶液または水性エマルジョンと混合したときに、イソシアネートが水と反応することを避けることができる。従って、前記耐水性接着剤は、前記発泡、粘度上昇、可使時間が短い等の問題を生じることがない。しかし、前記耐水性接着剤は、前記疎水性溶剤が強い刺激臭を有するため、該刺激臭がシックハウス症候群、化学物質過敏症等の原因物質となる虞がある。
前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物の問題を解決するために、カルボキシル基を含む重合体と、多価金属水酸化物と、エポキシ基を分子中に2個以上含む水溶性化合物との混合物からなる接着剤組成物が提案されている(特許文献2)。しかし、前記接着剤組成物は、前記多価金属水酸化物によりpH11以上の強アルカリ性となるため、木材のアルカリ汚染が発生したり、作業中に該接着剤組成物が皮膚に触れるとカブレが発生する等の問題がある。
また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物の問題を解決するために、分子内にカルボキシル基を有するポリビニルアルコール重合体の水溶液と、第3級アミノ窒素原子をもつ4官能エポキシ化合物と、活性水素を有するアミノ基含有アクリルエマルジョンまたは活性水素を有するアミノ基含有水性アクリル樹脂とからなる水性接着剤組成物が、本出願人らにより提案されている。前記水性接着剤組成物は、前記ポリビニルアルコール重合体の水溶液に含まれる樹脂分100重量部に対して、126重量部程度の充填剤、例えば重炭酸カルシウムを含んでもよいとされている。(特許文献3参照)。
前記水性接着剤組成物に含まれる活性水素を有するアミノ基含有アクリルエマルジョンまたは活性水素を有するアミノ基含有水性アクリル樹脂は、まず、カルボキシル基を有するアクリルエマルジョンまたはカルボキシル基を有する水性アクリル樹脂を製造した後、前記カルボキシル基をアルキルイミン等のイミノ化合物によりアミノ基変性することにより製造されている。
しかしながら、前記アクリルエマルジョンまたは水性アクリル樹脂は高価であり、前記水性接着剤組成物はコスト増となることが避けられない上、該水性接着剤組成物に残留する前記イミノ化合物により、木材が変色するという不都合がある。
特公昭51−30577号公報
特公昭51−28655号公報
特許第3048674号公報
本発明は、かかる不都合を解消して、シックハウス症候群、化学物質過敏症等の原因となるホルムアルデヒドや刺激臭を放出せず、皮膚のカブレや木材の汚染、変色を起こさず、発泡、粘度上昇が無くて可使時間が長い、耐水性、耐熱性に優れた安価な木質用接着剤組成物を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の木質用接着剤組成物は、(A)分子内にカルボキシル基を有するカルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂または分子内にカルボキシル基を有するカルボキシル基変性ラテックス樹脂と、(B)第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物として、一般式(1)で示されるN,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物とを含むことを特徴とする。
本発明の接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性した水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性したラテックス樹脂に、前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物を配合することにより、塗布性、濡れ性を得ることができる。また、前記カルボキシル基変性した水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性したラテックス樹脂は、該接着剤組成物を木質材料に塗布する際に、前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物とが該木質材料に対して過度に浸透することを防止することができる。この結果、本発明の接着剤組成物は、木質材料の接着において、優れた耐水接着力、耐熱接着力、耐久性を得ることができる。
また、本発明の接着剤組成物は、前記主剤に前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物を配合するものであって、ホルムアルデヒドや有機溶剤を含まないので、シックハウス症候群、化学物質過敏症等の原因となる虞がない。また、本発明の接着剤組成物はイソシアネート化合物を含まないので、該イソシアネート化合物と水分との反応による発泡、粘度上昇を防止することができ、長い可使時間を得ることができる。また、本発明の接着剤組成物は多価金属水酸化物を含まないのでpHが上昇せず、木材のアルカリ汚染、皮膚のカブレを防止することができる。
さらに、本発明の接着剤組成物は、カルボキシル基を有するアクリルエマルジョンまたはカルボキシル基を有する水性アクリル樹脂のカルボキシル基をアルキルイミン等のイミノ化合物によりアミノ基変性することにより製造されたアミノ基含有アクリルエマルジョンまたはアミノ基含有水性アクリル樹脂を含まないので、安価である。
本発明の木質用耐水接着剤組成物において、前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂は、カルボキシル基変性量に特に制限はないが、カルボキシル基変性量が0.1〜20重量%の範囲にあることが好ましい。前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂は、カルボキシル基変性量が0.1重量%未満では、充分な耐水接着力、耐熱接着力、耐久性を得ることが難しい。一方、カルボキシル基変性量が20重量%を超えると、一般的に重合反応における安定を欠き、良好な水性エマルジョン樹脂またはラテックス樹脂を得るためには、コスト増が避けられない。
本発明の木質用耐水接着剤組成物において、前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂に対する前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物の配合量について特に制限はないが、該カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、3〜150重量部の範囲の前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物を含むことが好ましい。前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物の配合量が、前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、3重量部未満であるときには、前記木質用耐水接着剤組成物の硬化が不十分になり、十分な耐水性、耐熱性を得ることができない上、耐久性、木材との密着性等の性能も低下する。一方、前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物の配合量が、前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂に含まれる固形分100重量部に対して150重量部を超えると、十分な接着強度、材料破断率が得られないことがある上、コスト増となることが避けられない。
本発明の木質用耐水接着剤組成物は、さらに充填剤を含むことにより、該接着剤組成物を木質材料に塗布する際に樹脂成分が該木質材料に対して過度に浸透することを防止して、安定した接着性能を得ることができる。前記充填剤について特に制限はなく、前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂に対する前記充填剤の配合量についても特に制限はないが、前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、前記充填剤を0〜500重量部の範囲で含むことが好ましい。前記充填剤の配合量が、前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂に含まれる固形分100重量部に対して500重量部を超えると、十分な耐水接着強度、耐熱接着強度を得ることができないことがある。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態の木質用耐水接着剤組成物は、分子内にカルボキシル基を有するカルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂または分子内にカルボキシル基を有するカルボキシル基変性ラテックス樹脂と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物として、一般式(1)で示されるN,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物とを含んでいる。
本実施形態に用いる前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂または前記カルボキシル基変性ラテックス樹脂としては、公知の重合体とカルボキシル基を有する不飽和単量体との共重合体の分散液を用いることができる。前記重合体として、具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、スチレン、スチレン誘導体、ブタジエン、アクリロニトリル、クロロプレン、1,3−ヘキサジエン、イソプレン、イソブテン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等から選択された1種または2種以上の不飽和単量体からなる重合体を挙げることができる。また、前記重合体と共重合するカルボキシル基を有する不飽和単量体としては、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、シトラコン酸、シトラコン酸モノエステル、メサコン酸、メサコン酸モノエステル等のエチレン性不飽和ジカルボン酸またはそのエステル、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸等から選択された1種または2種以上の不飽和単量体を挙げることができる。
カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂または前記カルボキシル基変性ラテックス樹脂は、例えば、カルボキシル基変性量が0.1〜20重量%の範囲にあるものを好適に用いることができる。
次に、前記一般式(1)で表されるN,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物としては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1−(N,N−ジグリシジルアミノメチル)1,5,5−トリメチル−3−(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,4−フェニレンジアミン、(N,N,N’,N’−テトラグリシジル)ジアミノトルエン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン、そのハロゲン2置換体またはハロゲン4置換体、ビス(N,N−ジグリシジルアミノフェノール)スルホン、4’−(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼンスルホン酸の4’−(N,N−ジグリシジルアミノ)フェニルエステル、ビス(N,N−ジグリシジルアミノトリメチレン)アルキレングリコール等を挙げることができるが、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等を好適に用いることができる。
前記一般式(1)で表されるN,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物は、例えば、前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、3〜150重量部の範囲で用いることができる。尚、本実施形態の木質用耐水接着剤組成物では、前記一般式(1)で表されるN,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物に代えて、N,N−ジグリシジルアミノ−2,4−ビス(グリシジルオキシ)アニリンを用いることもできる。
本実施形態の木質用耐水接着剤組成物は、さらに充填剤を含んでいてもよい。前記充填剤としては特に制限はなく、例えば、血粉、脱脂大豆粉、クルミ粉等の有機質系充填剤、クレー、カオリンクレー、焼成クレー、炭酸カルシウム、タルク、珪藻土、セリサイト、ゼオライト、石膏、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム等の無機質充填剤等を挙げることができる。前記充填剤は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。前記充填剤は、例えば、前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、0〜500重量部の範囲で用いることができる。
また、本実施形態の木質用耐水接着剤組成物は、接着性能を損なわない範囲で、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、カルビトール等の溶剤、フタル酸エステル、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテル等の可塑剤、造膜剤、小麦粉、コーンスターチ等の増量剤、酸化チタン等の白色顔料、着色顔料、染料、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉、デキストリン等の糊剤または増粘剤、分散剤、乳化剤、湿潤剤、消泡剤、エチレングリコール等の凍結防止剤、防腐剤、防カビ剤、防錆剤等を単独で、或いは2種以上組み合わせて適宜添加することができる。
本実施形態の木質用耐水接着剤組成物は、ホルムアルデヒド、有機溶剤を含まないので、環境を汚染することがなく、しかも可使時間が長く、優れた耐水接着力を備え、高温多湿の環境下にあっても長期に亘って耐水接着力を維持することができる。
次に、本発明の実施例と比較例とを示す。
本実施例では、イタコン酸で変性したカルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂(イタコン酸1.5重量%、ブタジエン32重量%、スチレン66.5重量%の三元共重合体、固形分50重量%)100重量部に、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物として、次式(2)で示されるN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部を添加、撹拌して木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン20重量部を含んでいる。
次に、含水率5〜8重量%のラワン材からなり、それぞれ0.7mm、1.7mm、0.7mmの厚さの3枚の単板をこの順に重ね、接着面の両面に本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を330g/m2(両面)の塗布量で塗布した。前記のように重ねられた単板を、20℃で10分以内の閉鎖堆積、20℃で1MPaの冷圧下に20分、110℃で0.8MPaの熱圧下に60秒の条件にて接着して合板を製造し、該合板を接着性能評価のための試験板とした。
次に、JIS K 6851に規定する接着剤の木材引っ張りせん断接着強さ試験方法に基づいて、所定の形状及び寸法を有する試験片を調製し、前記試験片の常態強度、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度を、毎分6000Nの荷重速度で測定した。前記常態強度は、前記試験片を測定室内温度20℃の条件で測定したものである。また、前記耐水強度は、前記試験片を20℃の水中に7日間浸漬した後、引き上げ、濡れたままの状態で、測定室内温度20℃の条件で測定したものである。また、前記耐温水強度は、前記試験片を60℃の温水中に3時間浸漬した後、20℃の水中に冷えるまで浸漬して、引き上げ、濡れたままの状態で、測定室内温度20℃の条件で測定したものである。また、耐煮沸繰り返し強度は、前記試験片を沸騰水中に4時間浸漬し、引き上げ、60℃の空気中で20時間乾燥し、再び沸騰水中に4時間浸漬した後、20℃の水中に冷えるまで浸漬して、引き上げ、濡れたままの状態で、測定室内温度20℃の条件で測定したものである。
接着強さ(MPa)の測定結果を表1に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、実施例1で用いたカルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂に代えて、アクリル酸で変性したカルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂(アクリル酸10重量%、ブタジエン31重量%、スチレン59重量%の三元共重合体、固形分50重量%)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表1に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、実施例1で用いたカルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂に代えて、イタコン酸の変性量を変えたカルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂(イタコン酸0.3重量%、ブタジエン32重量%、スチレン67.7重量%の三元共重合体、固形分50重量%)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表1に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、実施例1で用いたカルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂に代えて、メタクリル酸で変性したアクリルラテックス樹脂(メタクリル酸1重量%、メタクリル酸メチル54重量%、アクリル酸ブチル45重量%の三元共重合体、固形分50重量%)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表1に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本比較例では、実施例1で用いたカルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂に代えて、カルボキシル基で変性されていないスチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂(旭化成株式会社製、商品名:DL−612、固形分48%)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板の製造を試みたところ、接着不良(パンク現象)が生じ、試験板を得ることができなかった。結果を表1に示す。
表1から、変性量0.3〜10重量%のカルボキシル基変性ラテックス樹脂の固形分100重量部に対して、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン20重量部を含む実施例1〜4の木質用耐水接着剤組成物によれば、常態強度はもちろん、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度についても優れた接着性能が得られることが明らかである。
これに対して、カルボキシル基で変性されていないラテックス樹脂と、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンとからなる比較例1の木質用耐水接着剤組成物では、接着性能が全く得られないことが明らかである。
本実施例では、実施例1で用いた第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物に代えて、次式(3)で示される1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−C)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表2に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本比較例では、実施例1で用いた第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物に代えて、ビスフェノールAジグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂(旭電化工業株式会社製、商品名:アデカレジンEP−4100)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板の製造を試みたところ、接着不良(パンク現象)が生じ、試験板を得ることができなかった。結果を表2に示す。
本比較例では、実施例1で用いた第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物に代えて、次式(4)で示される4官能ポリグリシジルアミンタイプのエポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:EPO TOHTO YH−434)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した。
本比較例では、実施例1で用いた第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物に代えて、グリセロールポリグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂(ナガセケムテック株式会社製、商品名:デナコールEX−314)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板の製造を試みたところ、接着不良(パンク現象)が生じ、試験板を得ることができなかった。結果を表2に示す。
本比較例では、実施例1で用いた第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物に代えて、ビスフェノールFジグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名:EPO TOHTO YDF−170)を用いた以外は、実施例1と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板の製造を試みたところ、接着不良(パンク現象)が生じ、試験板を得ることができなかった。結果を表2に示す。
表2から、実施例1で用いた第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物に代えて、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンを用いた実施例5の木質用耐水接着剤組成物によれば、実施例1〜4の木質用耐水接着剤組成物と同様に、常態強度はもちろん、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度についても優れた接着性能が得られることが明らかである。
これに対して、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物とは異なるエポキシ化合物を用いる比較例2,4,5の接着剤組成物、一般式(1)に含まれない第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物を用いる比較例3の接着剤組成物では、接着性能が全く得られないことが明らかである。
本実施例では、実施例1で用いたカルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂に代えて、イタコン酸の変性量を変えたカルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂(イタコン酸2.3重量%、ブタジエン28重量%、スチレン69.7重量%の三元共重合体、固形分50重量%)を用い、該カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂100重量部に対し、実施例1で用いたものと全く同一のN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン1.3重量部を添加し、さらに充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)30重量部を添加、撹拌して木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン2.6重量部と、炭酸カルシウム60重量部とを含んでいる。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表3に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂100重量部に対して、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン50重量部を添加した以外は、実施例6と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン100重量部と、炭酸カルシウム60重量部とを含んでいる。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表3に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、実施例1で用いたものと全く同一のカルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス100重量部に対して、実施例1で用いたものと全く同一のN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン10重量部と、充填剤として実施例6で用いたものと全く同一の炭酸カルシウム175重量部とを添加、撹拌して木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した。
前記木質用耐水接着剤組成物は、前記カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン20重量部と、炭酸カルシウム350重量部とを含んでいる。
次に、本実施例で得られた木質用耐水接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度を実施例1と全く同一にして測定した。
接着強さ(MPa)の測定結果を表3に示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本実施例では、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した後、35℃の温度にそれぞれ5分、3時間、8時間保持した該接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度を実施例1と全く同一にして測定した。
製糊から5分経過後の前記木質用耐水接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表4に、3時間経過後の前記木質用耐水接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表5に、8時間経過後の前記木質用耐水接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表6にそれぞれ示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本比較例では、まず、カルボキシル基で変性していないポリビニルアルコール重合体(株式会社クラレ製、商品名:PVA−217、重合度1700、ケン化度88モル%)の15%水溶液100重量部と、カルボキシル基で変性していないスチレン−ブタジエン合成ラテックス(旭化成株式会社製、商品名:DL−612、固形分48%)60重量部に、炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)30重量部とを添加し充分に撹拌混合して接着剤組成物の主剤を調製した。次に、35℃に加温した前記主剤100重量部に、予め35℃に加温した架橋剤としてのポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(住友バイエル株式会社製、商品名:スミジュール44V−20)10重量部を添加、撹拌して、接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を、前記製糊後、35℃の温度にそれぞれ5分、3時間、8時間保持したものを秤取り、含水量5〜8%のラワン材からなる1.7mmの厚さの単板上に、ゴム付きハンドローラーを用いて330g/m2(両面)の塗布量で、均一に塗布して塗布性を判定した。本比較例で得られた接着剤組成物は、前記製糊後、150分でゲル化し、前記製糊から3時間経過後の接着剤組成物と、8時間経過後の接着剤組成物とは塗布することができなかった。
そこで次に、本比較例で得られた接着剤組成物を、前記製糊後、35℃の温度に5分間保持持したものを用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度を実施例1と全く同一にして測定した。
製糊から5分経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表4に、3時間経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表5に、8時間経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表6にそれぞれ示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本比較例では、まず、イソブチレン−無水マレイン酸−マレインイミド重合物(株式会社クラレ製、商品名:イソバン304、イソブチレン:無水マレイン酸:マレインイミド=1:0.5:0.5(モル比))50重量部と、25%アンモニア水20重量部と、純水75重量部とを混合し、80〜95℃で2時間撹拌し、イソブチレン−無水マレイン酸−マレインイミド重合物水溶液を調製した。次に、前記イソブチレン−無水マレイン酸−マレインイミド重合物水溶液を40〜50℃に冷却した後、カルボキシル基変性スチレン−ブタジエン合成ラテックス(日本ゼオン株式会社製、商品名:NipolLX430、樹脂分49%)140重量部と、炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)140重量部とを添加し充分に撹拌混合して接着剤組成物の主剤を調製した。
次に、35℃に加温した前記主剤100重量部に、予め35℃に加温した架橋剤としてのグリセロールポリグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂(ナガセケムテック株式会社製、商品名:デナコールEX−314)5重量部を添加、撹拌して、接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を、前記製糊後、35℃の温度にそれぞれ5分、3時間、8時間保持したものを秤取り、比較例6と全く同一にして塗布性を判定した。本比較例で得られた接着剤組成物は、前記製糊後、60分でゲル化し、前記製糊から3時間経過後の接着剤組成物と、8時間経過後の接着剤組成物とは塗布することができなかった。
そこで次に、本比較例で得られた接着剤組成物を、前記製糊後、35℃の温度に5分間保持持したものを用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度を実施例1と全く同一にして測定した。
製糊から5分経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表4に、3時間経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表5に、8時間経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表6にそれぞれ示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
本比較例では、まず、イソブチレン−無水マレイン酸重合物(株式会社クラレ製、商品名:イソバン06、イソブチレン:無水マレイン酸=1:1(モル比))50重量部と、苛性ソーダ20重量部と、純水85重量部とを混合し、80〜95℃で2時間撹拌し、イソブチレン−無水マレイン酸重合物水溶液を調製した。次に、前記イソブチレン−無水マレイン酸重合物水溶液を40〜50℃に冷却した後、カルボキシル基で変性していないスチレン−ブタジエン合成ラテックス(日本ゼオン株式会社製、商品名:NipolLX430、樹脂分49%)150重量部と、消石灰70重量部と、純水60重量部とを添加し充分に撹拌混合して接着剤組成物の主剤を調製した。
次に、35℃に加温した前記主剤100重量部に、予め35℃に加温した架橋剤としてのグリセロールポリグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂(ナガセケムテック株式会社製、商品名:デナコールEX−314)5重量部を添加、撹拌して、接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本比較例で得られた接着剤組成物を、前記製糊後、35℃の温度にそれぞれ5分、3時間、8時間保持したものを秤取り、比較例6と全く同一にして塗布性を判定した。本比較例で得られた接着剤組成物は、前記製糊後、120分でゲル化し、前記製糊から3時間経過後の接着剤組成物と、8時間経過後の接着剤組成物とは塗布することができなかった。
そこで次に、本比較例で得られた接着剤組成物を、前記製糊後、35℃の温度に5分間保持持したものを用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造し、該試験板の常態強度、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度を実施例1と全く同一にして測定した。
製糊から5分経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表4に、3時間経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表5に、8時間経過後の前記接着剤組成物の接着強さ(MPa)の測定結果を表6にそれぞれ示す。また、木部において破断した面積の接着面の面積に対する百分率を材料破断率(%)としてカッコ内に示す。
表4〜6から、前記カルボキシル基変性ラテックス樹脂に、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンを添加した実施例9の木質用耐水接着剤組成物によれば、可使時間が長く、塗布性に優れている上、常態強度はもちろん、耐水強度、耐温水強度、耐煮沸繰り返し強度についても優れた接着性能が得られることが明らかである。
これに対して、カルボキシル基で変性していないラテックス樹脂と、カルボキシル基で変性していないポリビニルアルコール重合体の水溶液と、イソシアネート系化合物とを含む比較例6の接着剤組成物、イソブチレン−無水マレイン酸−アミド重合物またはイソブチレン−無水マレイン酸重合物の水溶液と、カルボキシル基変性ラテックス樹脂と、グリセロールポリグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂とを含む比較例7,8の接着剤組成物では、可使時間が短いことが明らかである。
本実施例では、実施例1と全く同一にして木質用耐水接着剤組成物を調製、製糊した後、35℃の温度に5分間保持した該接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造した。
次に、前記試験板を9cm×28cmの大きさに裁断したものを試験片として、該試験片を2枚合わせとし、両側にそれぞれ5gの純水を均一に塗布した後、ビニールに包み、40℃、相対湿度90%の雰囲気に14日間放置した。前記処理後、前記処理を施した試験片と、未処理の試験片とを肉眼で比較し、前記処理を施した試験片の変色の有無を判定した。結果を表7に示す。
本比較例では、比較例7と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した後、35℃の温度に5分間保持した該接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造した。
次に、本比較例で得られた試験板を用いた以外は、実施例10と全く同一にして、試験片の変色の有無を判定した。結果を表7に示す。
本比較例では、まず、比較例7と全く同一にして調製した主剤100重量部に、架橋剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン3重量部を添加、撹拌して接着剤組成物を調製、製糊した。次に、製糊後、35℃の温度に5分間保持した前記接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造した。
次に、本比較例で得られた試験板を用いた以外は、実施例10と全く同一にして、試験片の変色の有無を判定した。結果を表7に示す。
本比較例では、比較例8と全く同一にして接着剤組成物を調製、製糊した後、35℃の温度に5分間保持した該接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造した。
次に、本比較例で得られた試験板を用いた以外は、実施例10と全く同一にして、試験片の変色の有無を判定した。結果を表7に示す。
本比較例では、まず、比較例8と全く同一にして調製した主剤100重量部に、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン3重量部を添加、撹拌して接着剤組成物を調製、製糊した。次に、製糊後、35℃の温度に5分間保持した前記接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造した。
次に、本比較例で得られた試験板を用いた以外は、実施例10と全く同一にして、試験片の変色の有無を判定した。結果を表7に示す。
本比較例では、まず、実施例1で用いたものと全く同一のカルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の15%水溶液50重量部に、活性水素を有するアミノ基を含有するアクリル系エマルジョン(日本触媒化学工業株式会社製、商品名:CK−200)50重量部と、炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)60重量部とを添加し充分に撹拌混合して接着剤組成物の主剤を調製した。
次に、35℃に加温した前記主剤100重量部に、予め35℃に加温したN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン6.6重量部を添加、撹拌して、接着剤組成物を調製、製糊後、35℃の温度に5分間保持した該接着剤組成物を用いた以外は、実施例1と全く同一にして試験板を製造した。
次に、本比較例で得られた試験板を用いた以外は、実施例10と全く同一にして、試験片の変色の有無を判定した。結果を表7に示す。
表7から、前記カルボキシル基変性ラテックス樹脂に、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンを添加した実施例10の木質用耐水接着剤組成物によれば、該接着剤組成物を用いて接着した木材が変色しないことが明らかである。
これに対して、イソブチレン−無水マレイン酸−アミド重合物の水溶液と、カルボキシル基で変性していないラテックス樹脂と、グリセロールポリグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂とを含む比較例9の接着剤組成物、イソブチレン−無水マレイン酸−アミド重合物の水溶液と、カルボキシル基で変性していないラテックス樹脂と、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンとを含む比較例10の接着剤組成物、イソブチレン−無水マレイン酸重合物の水溶液と、カルボキシル基で変性していないラテックス樹脂と、グリセロールポリグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂とを含む比較例11の接着剤組成物、イソブチレン−無水マレイン酸重合物の水溶液と、カルボキシル基で変性していないラテックス樹脂と、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンとを含む比較例12の接着剤組成物、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール重合体の水溶液と、活性水素を有するアミノ基を含有するアクリル系エマルジョンと、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンとを含む比較例13の接着剤組成物では、いずれも該接着剤組成物を用いて接着した木材が変色することが明らかである。
本発明の木質用耐水接着剤組成物は、合板、LVL、突き板化粧板、集成材、パーティクルボード等の木質繊維板、家具、建具、運動具その他の木工製品の製造に好適に用いることができ、合板用接着剤及び合板の二次加工用接着剤として特に好適に用いることができる。
本発明の木質用耐水接着剤組成物は、前記木質繊維板、木工製品等の木材の他、段ボール、紙、布、金属、ガラス、木毛板、プラスチック板(塩化ビニル樹脂板、ABS板、FRP板、スチレン樹脂板等を含む)、無機板(ロックウール等の鉱物質繊維板、石膏ボード、珪酸カルシウム板等を含む)、セメント系無機板(石綿スレート板、パルプセメント板、コンクリート板等を含む)等の木材以外の素材の接着にも適用することができる。本実施形態の木質用耐水接着剤組成物は、前記木材以外の素材について、同一素材同士の接着にはもちろん、異種の素材との接着、木材と前記各素材との接着にも適用することができる。
さらに、本発明の木質用耐水接着剤組成物は、コーティング用組成物または塗料用組成物としても用いることができる。
Claims (4)
- 前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂は、カルボキシル基変性量が0.1〜20重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の耐水接着剤組成物。
- 前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、前記N,N−ジグリシジルアミノ基含有化合物を3〜150重量部の範囲で含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の耐水接着剤組成物。
- 前記カルボキシル基変性水性エマルジョン樹脂またはカルボキシル基変性ラテックス樹脂に含まれる固形分100重量部に対して、充填剤を0〜500重量部の範囲で含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の耐水接着剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003328378A JP2005089703A (ja) | 2003-09-19 | 2003-09-19 | 木質用耐水接着剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003328378A JP2005089703A (ja) | 2003-09-19 | 2003-09-19 | 木質用耐水接着剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005089703A true JP2005089703A (ja) | 2005-04-07 |
Family
ID=34457972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003328378A Pending JP2005089703A (ja) | 2003-09-19 | 2003-09-19 | 木質用耐水接着剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005089703A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008189839A (ja) * | 2007-02-06 | 2008-08-21 | Oshika:Kk | 水性接着剤組成物 |
JP2008222782A (ja) * | 2007-03-09 | 2008-09-25 | Oshika:Kk | 水性接着剤組成物 |
JP2008248019A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Oshika:Kk | 水性接着剤組成物 |
-
2003
- 2003-09-19 JP JP2003328378A patent/JP2005089703A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008189839A (ja) * | 2007-02-06 | 2008-08-21 | Oshika:Kk | 水性接着剤組成物 |
JP2008222782A (ja) * | 2007-03-09 | 2008-09-25 | Oshika:Kk | 水性接着剤組成物 |
JP2008248019A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Oshika:Kk | 水性接着剤組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4668812B2 (ja) | 木材用水性接着剤組成物 | |
JP2004035580A (ja) | 接着剤組成物及びそれを用いて製造される化粧板 | |
JP3907183B2 (ja) | 木質用耐水接着剤組成物 | |
JP2002194317A (ja) | 高度耐水性接着剤組成物 | |
JP2008189839A (ja) | 水性接着剤組成物 | |
JP4708738B2 (ja) | 水性接着剤組成物の製造方法 | |
JP2007231110A (ja) | 木材用水性接着剤組成物 | |
JP4263570B2 (ja) | 木質用耐水接着剤組成物 | |
JP2005089704A (ja) | 木質用耐水接着剤組成物 | |
JP2004277724A (ja) | 木質用耐水接着剤組成物 | |
JP2005089703A (ja) | 木質用耐水接着剤組成物 | |
JPH10121021A (ja) | 合板製造用接着剤及びこれを用いた合板の製造方法 | |
JP4284138B2 (ja) | 木質用耐水接着剤組成物 | |
JP4289672B2 (ja) | 接着剤組成物 | |
JP2007231109A (ja) | 木材用水性接着剤組成物 | |
JP4651593B2 (ja) | 水性接着剤組成物 | |
JP2007070406A (ja) | 水性接着剤組成物 | |
JP2008222782A (ja) | 水性接着剤組成物 | |
JP2000226562A (ja) | 水性ビニルウレタン接着剤 | |
JPH02155977A (ja) | 複合材用コンタクト型接着剤組成物 | |
JP3569162B2 (ja) | 水性接着剤組成物 | |
JPS5823868A (ja) | 接着剤組成物 | |
JPH05214306A (ja) | 速硬化水性接着剤及び接着方法 | |
JP2756484B2 (ja) | 接着剤組成物 | |
JP2008174656A (ja) | 高度耐水性接着剤組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050602 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090227 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090310 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090630 |