JP2008189839A - 水性接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐水性、耐熱性、耐久性の点で優れた接着性能を備える水性接着剤組成物を提供する。
【解決手段】カルボキシル基を含有する少なくとも1種の水性高分子を含む主剤と、ポリアミドエポキシ化合物とを含む硬化剤と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物とを含む。前記水性高分子は、分子内にカルボキシル基を含有する水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、分子内にカルボキシル基を含有する水性ラテックス、分子内にカルボキシル基を含有する水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種である。前記ポリアミドエポキシ化合物は、エピハロヒドリンをポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られた化合物である。前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物は、N,N−グリシジルアミノ基を含有する化合物である。
【選択図】 なし
【解決手段】カルボキシル基を含有する少なくとも1種の水性高分子を含む主剤と、ポリアミドエポキシ化合物とを含む硬化剤と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物とを含む。前記水性高分子は、分子内にカルボキシル基を含有する水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、分子内にカルボキシル基を含有する水性ラテックス、分子内にカルボキシル基を含有する水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種である。前記ポリアミドエポキシ化合物は、エピハロヒドリンをポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られた化合物である。前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物は、N,N−グリシジルアミノ基を含有する化合物である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、主剤としてカルボキシル基を含有する少なくとも1種の水性高分子を含む水性接着剤組成物に関するものである。
従来、水性高分子であるポリビニルアルコール樹脂を用いた接着剤組成物が広く用いられている。前記ポリビニルアルコール樹脂は、繊維素に対して極めて優れた接着性を備えているが、耐水性、耐熱性に劣る。そこで、前記ポリビニルアルコール樹脂に、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等のホルムアルデヒド樹脂を配合して、耐水性、耐熱性を付与したホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物が知られている。
ところが、前記ホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物は、該ホルムアルデヒド樹脂に起因する遊離のホルムアルデヒドが残存している。このため、前記ホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物を用いて接着した製品からは該ホルムアルデヒドが放出され、シックハウス症候群、化学物質過敏症等の原因になるとの問題がある。また、前記ホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物は、30℃以上の温度で3時間以上経過すると、粘度が上昇してゲル状態を呈し、塗布性、接着性が低下するので、実用性に乏しいとの問題もある。
前記ホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物の問題を解決するために、主剤としてカルボキシル基を含有する少なくとも1種の水性高分子を含むと共に、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物を含む水性接着剤組成物が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1記載の水性接着剤組成物によれば、ホルムアルデヒド樹脂を含まないので、前記シックハウス症候群、化学物質過敏症等を起こすことがない。
しかしながら、前記水性接着剤組成物は、耐水性、耐熱性、耐久性が十分に得られないことがあり、さらに優れた接着性能を備える水性接着剤組成物が望まれる。
特開2004−277724号公報
本発明は、かかる不都合を解消して、耐水性、耐熱性、耐久性の点において優れた接着性能を備える水性接着剤組成物を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の水性接着剤組成物は、カルボキシル基を含有する少なくとも1種の水性高分子を含む主剤と、ポリアミドエポキシ化合物を含む硬化剤と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物とを含むことを特徴とする。
本発明の水性接着剤組成物によれば、前記カルボキシル基を含有する少なくとも1種の水性高分子に対して、前記ポリアミドエポキシ化合物が硬化剤として作用することにより接着層を硬化させることができる。また、本発明の水性接着剤組成物によれば、さらに前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物が前記接着層の硬化に関与することにより、常態では勿論のこと、耐水性、耐熱性、耐久性の点でも優れた接着性能を得ることができる。
本発明の水性接着剤組成物において、前記カルボキシル基を含有する水性高分子としては、分子内にカルボキシル基を含有する水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、分子内にカルボキシル基を含有する水性ラテックス、分子内にカルボキシル基を含有する水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
また、本発明の水性接着剤組成物において、前記ポリアミドエポキシ化合物としては、エピハロヒドリンをポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られた化合物を用いることができ、前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としては、次の一般式(1)で示されるN,N−グリシジルアミノ基を含有する化合物を用いることができる。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態の水性接着剤組成物は、カルボキシル基を含有する少なくとも1種の水性高分子を含む主剤と、ポリアミドエポキシ化合物とを含む硬化剤と、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物とを含む。
前記カルボキシル基を含有する水性高分子は、前記主剤100重量部に対して、固形分として3〜48重量%の範囲で含まれる。前記カルボキシル基を含有する水性高分子の含有量が、固形分として前記水性接着剤組成物の全量に対し3重量%未満であるときには、接着層を硬化させる効果が不十分となり、十分な接着性能が得られないことがある。また、前記カルボキシル基を含有する水性高分子の含有量が、48重量%を超えるときには、粘度が上昇し、塗布性が低減することがある。
前記硬化剤は、前記主剤100重量部に対して、前記ポリアミドエポキシ化合物を固形分として0.2〜60重量部の範囲で含まれる。前記ポリアミドエポキシ化合物の含有量が、前記主剤100重量部に対して固形分として0.2重量部未満であるときには、接着層を硬化させる効果が不十分となり、十分な接着性能が得られないことがある。また、前記ポリアミドエポキシ化合物の含有量が、前記主剤100重量部に対して固形分として60重量部を超えるときには、保存安定性が低下することがある。
一方、前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物は、前記主剤100重量部に対して、固形分として0.5〜40量部の範囲で含まれる。前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物の含有量が、前記主剤100重量部に対して、固形分として0.5重量部未満であるときには、十分な耐水性、耐熱性、耐久性が得られないことがある。また、前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物の含有量が、前記主剤100重量部に対して、固形分として40量部を超えるときには、相対的に前記主剤の含有量が低減し、十分な接着性能が得られないことがある。
前記主剤は、前記カルボキシル基を含有する水性高分子として、分子内にカルボキシル基を含有する水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、分子内にカルボキシル基を含有する水性ラテックス、分子内にカルボキシル基を含有する水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
前記分子内にカルボキシル基を含有する水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル澱粉、エチレン性不飽和カルボン酸と水溶性であるエチレン性不飽和単量体との共重合体、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール等を挙げることができる。前記分子内にカルボキシル基を含有する水溶性高分子は、水に溶解してそれ自体の水溶液としてもよい。
前記エチレン性不飽和カルボン酸と水溶性エチレン性不飽和単量体との共重合体において、前記エチレン性不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸等を挙げることができる。また、前記水溶性エチレン性不飽和単量体としては、アクリルアミド、メタアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート等を挙げることができる。
前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、酢酸ビニルに代表されるビニルエステル単量体をエチレン性不飽和カルボン酸またはその酸無水物等と共重合した後ケン化したランダム共重合体、末端にチオール基を有するポリビニルアルコール系重合体の存在下前記エチレン性不飽和カルボン酸をラジカル重合したブロック共重合体を好適に用いることができる。また、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコールとしては、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下、酢酸ビニル等のビニルエステル単量体をエチレン性不飽和カルボン酸と共重合した後、ケン化した末端変性共重合体を用いることもできる。
前記ビニルエステル単量体としては、前記酢酸ビニルの他、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ビバリン酸ビニル等を挙げることができる。また、前記エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、アコニット酸またはそれらの酸無水物等を挙げることができる。
前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコールは、例えば、重合度が100〜6000の範囲にあり、カルボキシル基による変性量が0.1〜10モル%の範囲にあるものを好適に用いることができる。また、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコールは、通常、ケン化度が70〜100モル%の範囲のものを好適に用いることができる。
また、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコールは、本実施形態の水性接着剤組成物の接着性能を損なわない範囲で、エチレン性不飽和単量体と共重合させたものを用いることもできる。前記エチレン性不飽和単量体としては、エチレン、イソブチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等を挙げることができる。
前記分子内にカルボキシル基を含有する水性ラテックスまたは、前記分子内にカルボキシル基を含有する水性エマルジョンとしては、公知の重合体とカルボキシル基を有する不飽和単量体との共重合体の分散液を用いることができる。前記重合体として、具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、スチレン、スチレン誘導体、ブタジエン、アクリロニトリル、クロロプレン、1,3−ヘキサジエン、イソプレン、イソブテン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等からなる群から選択された少なくとも1種の不飽和単量体からなる重合体を挙げることができる。また、前記重合体と共重合するカルボキシル基を有する不飽和単量体としては、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、シトラコン酸、シトラコン酸モノエステル、メサコン酸、メサコン酸モノエステル等のエチレン性不飽和ジカルボン酸またはそのエステル、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸等からなる群から選択された少なくとも1種の不飽和単量体を挙げることができる。
また、前記分子内にカルボキシル基を含有する水性ラテックスまたは、前記分子内にカルボキシル基を含有する水性エマルジョンは、本実施形態の水性接着剤組成物の接着性能を損なわない範囲で、反応性基を備えた不飽和単量体と共重合させることもできる。前記反応性基を備えた不飽和単量体としては、具体的には、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基、グリシジル基、β−メチルグリシジル基、水酸基、アミノ基、酸無水物基からなる群から選ばれた少なくとも1種の反応性基を備える不飽和単量体を挙げることができる。
前記主剤は、本実施形態の水性接着剤組成物の接着性能を損なわない範囲で、前記カルボキシル基を含有する水性高分子と共に、カルボキシル基を含まない水性高分子を用いることもできる。
前記カルボキシル基を含まない水性高分子としては、分子内にカルボキシル基を含まない水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、分子内にカルボキシル基を含まない水性ラテックス、分子内にカルボキシル基を含まない水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
前記分子内にカルボキシル基を含まない水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、アミノ化ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルアルコール、アニオン化ポリビニルアルコール、澱粉、蛋白質、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、マレイン酸イミド共重合体等を挙げることができる。前記カルボキシル基を含まない水溶性高分子は、水に溶解してそれ自体の水溶液としてもよい。
また、分子内にカルボキシル基を含まない水性ラテックスまたは、分子内にカルボキシル基を含まない水性エマルジョンとしては、スチレン、ブタジエン、アクリルアミド、アクリロニトリル、クロロプレン、1,3−ヘキサジエン、イソプレン、イソブテン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチルビニルエーテルからなる群から選ばれる1種の化合物の水性ラテックスまたは水性エマルジョン、または前記群から選ばれる共重合可能な2種以上の不飽和単量体からなる水性ラテックスまたは水性エマルジョンを挙げることができる。前記水性ラテックスまたは水性エマルジョンは、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基、グリシジル基、β−メチルグリシジル基、水酸基、アミノ基、酸無水物基からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性基を備える不飽和単量体を乳化重合させた変性ラテックスまたは変性エマルジョンであってもよい。
前記主剤は、本実施形態の水性接着剤組成物の接着性能を損なわない範囲で、さらに、充填剤と、その分散剤等を含んでいてもよい。前記充填剤としては、小麦粉、大豆粉、血粉、木粉、クルミ殻粉等の有機系充填剤、クレー、カオリン、ゼオライト、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、酸化アルミニウム等の無機系充填剤等を挙げることができる。前記充填剤は、そのいずれか1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
前記充填剤の分散剤としては、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム等の無機系分散剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の高分子系分散剤等を挙げることができる。前記充填剤の分散剤は、そのいずれか1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
前記硬化剤に用いる前記ポリアミドエポキシ化合物としては、エピハロヒドリンを、二塩基性カルボン酸系化合物とポリアルキレンポリアミン類とを重縮合反応させて得られるポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られたものを好適に用いることができる。
前記エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等を挙げることができる。工業的には、エピクロルヒドリンを好適に用いることができる。
前記二塩基性カルボン酸系化合物としては、ジカルボン酸と、そのエステル、その酸無水物等の誘導体を挙げることができる。前記ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、マロン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル等のエステル、無水コハク酸、無水グルタル酸等の酸無水物を挙げることができる。前記ジカルボン酸はその1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。工業的には、アジピン酸を特に好適に用いることができる。
前記ポリアルキレンポリアミン類としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等を挙げることができる。前記ポリアルキレンポリアミン類はその1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。工業的には、ジエチレントリアミンまたはトリエチレンテトラミンを好適に用いることができる。
本実施形態の水性接着剤組成物は、その接着性能を損なわない範囲で、前記ポリアミドエポキシ化合物以外の硬化剤を含んでいてもよい。
前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としては、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1−(N,N−ジグリシジルアミノメチル)1,5,5−トリメチル−3−(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,4−フェニレンジアミン、(N,N,N’,N’−テトラグリシジル)ジアミノトルエン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン、そのハロゲン2置換体、ビス(N,N−ジグリシジルアミノフェノール)スルホン、4’−(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼンスルホン酸の4’−(N,N−ジグリシジルアミノ)フェニルエステル、ビス(N,N−ジグリシジルアミノトリメチレン)アルキレングリコール等を挙げることができる。前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としては、N,N−グリシジルアミノ基を含有する化合物を好適に用いることができ、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等を特に好適に用いることができる。
本実施形態の水性接着剤組成物は、その接着性能を損なわない範囲で、さらに添加剤を含んでいてもよい。前記添加剤としては、例えば、高分子分散剤、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、ポリカルボン酸塩系の分散剤、ヘキサメタリン酸ソーダ等の分散剤、消泡剤、防腐剤、防火剤、防蟻剤、防カビ剤、防虫剤、整泡剤、起泡剤、防錆剤、湿潤剤、濡れ性改質剤等を挙げることができる。
本実施形態の水性接着剤組成物を調製するには、例えば、まず前記主剤を調製し、該主剤に前記硬化剤及び前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物を添加し、混合することにより、調製、製糊する。前記主剤は、例えば、前記カルボキシル基を含有する少なくとも1種の水性高分子に、前記充填剤と、該充填剤の分散剤を添加して、混合することにより調製する。
前記硬化剤及び前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物は、本実施形態の水性接着剤組成物を被着材に塗布する直前に、前記主剤に添加、混合することが好ましい。前記硬化剤及び前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物は、予め前記主剤に添加、混合しておいてもよいが、この場合には前記水性接着剤組成物の保存安定性が低減することがある。
本実施形態の水性接着剤組成物は、優れた耐水接着力を備え、該耐水接着力を、加熱下、或いは高温多湿の環境下、長期に亘って維持することができる。従って、本実施形態の水性接着剤組成物は、合板、LVL、突板、化粧板、集成材、パーティクルボード等の木質繊維板、家具、建具、運動具その他の木工製品製造用の木材用接着剤として好適に用いることができる。
また、本実施形態の水性接着剤組成物は、木材同士の他、木材と異種の素材とを接着する場合にも適用することができる。前記異種の素材としては、段ボール、紙、布、金属、陶磁器、ガラス、木毛板、プラスチック板(塩化ビニル樹脂板、ABS板、FRP板、スチレン樹脂板等)、無機板(アスベスト、ロックウール等の鉱物質繊維板等)、セメント系無機板(石綿スレート板、パルプセメント板、コンクリート板等)等を挙げることができる。
さらに、本実施形態の水性接着剤組成物は、コーティング用、塗料用組成物としても用いることができる。
次に、本発明の実施例と比較例とを示す。
本実施例では、まず、分子内にカルボキシル基を有する水溶性高分子水溶液として、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、商品名:ゴーセノールT−330)を8.5重量%水溶液としたもの40重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)60重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤に、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)5重量部を混合した。
さらに、前記主剤と前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物との混合物に、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)5重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、「JIS K 6806」に基づいて、接着性能を試験した。
前記試験では、含水率6〜8%、比重0.72〜0.75の10mm厚のカバ柾目挽板を被着材とし、該被着材に、本実施例で得られた水性接着剤組成物を250g/m2の量で塗布し、開放堆積時間20℃にて1分以内、閉鎖堆積時間20℃にて10分以内、20℃にて1.2N/cm2の圧力で24時間圧締した後、解圧し、20℃にて7日間養生したものを試験片とした。そして、前記各試験片の圧縮せん断接着強さを、常態、耐温水、煮沸繰り返しの3通りの条件で、測定した。
試験結果を表1に示す。試験結果は、「JIS K 6806」に定める試験機により試験片が破断するまでの最大荷重を測定し、実測した接着面積で除した接着強さ(N/cm2)で示す。
「JIS K 6806」に基づく接着性能試験において、「常態」とは試験片作成後、直ちに試験に供するもので、耐水性に関わらない接着力を示す。また、「耐温水」とは試験片を60±3℃の温水中に3時間浸漬した後、室温の水中に冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供するもので、耐水性及び耐熱性の指標となるものである。また、「煮沸繰り返し」とは試験片を沸騰水中に4時間浸漬した後、60±3℃の空気中で20時間乾燥し、さらに沸騰水中に4時間浸漬してから、室温の水中に冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供するもので、耐久性の指標となるものである。
本実施例では、分子内にカルボキシル基を有する水溶性高分子水溶液として、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、商品名:ゴーセノールT−330)を11.4重量%水溶液としたもの60重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)40重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例2で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、分子内にカルボキシル基を有する水溶性高分子水溶液として、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、商品名:ゴーセノールT−330)を11.4重量%水溶液としたもの60重量部、分子内にカルボキシル基を有する水性エマルジョンとして、固形分50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)をカルボキシル基で変性したエマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス456HQ)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)30重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例3で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、分子内にカルボキシル基を有する水溶性高分子水溶液として、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、商品名:ゴーセノールT−330)を5.7重量%水溶液としたもの30重量部、分子内にカルボキシル基を有する水性エマルジョンとして、固形分50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)をカルボキシル基で変性したエマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス456HQ)40重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)30重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例4で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、分子内にカルボキシル基を有する水性エマルジョンとして、固形分50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)をカルボキシル基で変性したエマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス456HQ)60重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)40重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例5で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、分子内にカルボキシル基を有する水性エマルジョンとして、固形分50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)をカルボキシル基で変性したエマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス456HQ)80重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)20重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例6で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、分子内にカルボキシル基を有する水性エマルジョンとして、固形分50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)をカルボキシル基で変性したエマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス456HQ)95重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)5重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例7で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
本比較例では、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物を全く用いなかった以外は、実施例3と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
〔比較例1〕
本比較例では、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物を全く用いなかった以外は、実施例3と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、比較例1で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
本比較例では、硬化剤に、ポリアミドエポキシ化合物を全く用いなかった以外は、実施例3と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
〔比較例2〕
本比較例では、硬化剤に、ポリアミドエポキシ化合物を全く用いなかった以外は、実施例3と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、比較例2で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、試験片の作成を試みたが、試験片の作成中に剥離し、試験片を得ることができなかった。
表1から、分子内にカルボキシル基を含有する水性高分子を含む主剤に、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物と、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物とを添加した水性接着剤組成物(実施例1〜7)によれば、前記ポリアミドエポキシ化合物のみである場合(比較例1)または前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物のみである場合(比較例2)に比較して、優れた接着性能を示すことが明らかである。
また、表1から、主剤の全量に対し、水性高分子を、その固形分で3.4〜47.5重量%の範囲で含む実施例1〜7の水性接着剤組成物は、耐水性、耐熱性、耐久性の点において、特に優れた接着性能を得ることができることが明らかである。
さらに、表1から、分子内にカルボキシル基を含有する水性高分子を含む主剤が、前記カルボキシル基変性ポリビニルアルコールと、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体をカルボキシル基で変性したエマルジョンとを含む実施例3の水性接着剤組成物によれば、「耐温水」、「煮沸繰返し」において、特に優れた接着性能を得ることができることが明らかである。
本実施例では、まず、分子内にカルボキシル基を有する水溶性高分子水溶液として、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、商品名:ゴーセノールT−330)を17重量%水溶液としたもの25重量部、分子内にカルボキシル基を有する水性エマルジョンとして、固形分50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)をカルボキシル基で変性したエマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス456HQ)35重量部、水性ラテックスとして固形分50重量%のスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR−102)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)30重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤に、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)5重量部を混合した。
さらに、前記主剤と前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物との混合物に、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020)1重量部とを添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例8で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
次に、実施例8で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020)を2重量部とした以外は実施例8と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例9で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
次に、実施例9で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020)を4重量部とした以外は実施例8と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例9で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
次に、実施例9で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020)を7重量部とした以外は実施例8と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例11で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
次に、実施例11で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020)を10重量部とした以外は実施例8と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例12で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
次に、実施例12で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020)を20重量部とした以外は実施例8と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例13で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
次に、実施例13で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020)を40重量部とした以外は実施例8と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例14で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
次に、実施例14で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020)を60重量部とした以外は実施例8と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例15で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
次に、実施例15で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020)を80重量部とした以外は実施例8と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例16で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
次に、実施例16で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020)を100重量部とした以外は実施例8と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例17で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
次に、実施例17で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020)を150重量部とした以外は実施例8と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例18で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
次に、実施例18で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020)を200重量部とした以外は実施例8と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例19で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
次に、実施例19で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
表2から、主剤100重量部に対し、ポリアミドエポキシ化合物を、その固形分で0.25〜50重量部の範囲で含む実施例8〜19の水性接着剤組成物によれば、耐水性、耐熱性、耐久性の点において、特に優れた接着性能を得ることができることが明らかである。
本実施例では、実施例8と全く同一にして調整した主剤に、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)1重量部を混合した。
さらに、前記主剤と前記第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物との混合物に、硬化剤として、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020)6重量部とを添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例20で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)を2重量部とした以外は、実施例20と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例21で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)を3重量部とした以外は、実施例20と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例22で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)を4重量部とした以外は、実施例20と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例23で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)を7重量部とした以外は、実施例20と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例24で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)を10重量部とした以外は、実施例20と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例25で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)を15重量部とした以外は、実施例20と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例26で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)を20重量部とした以外は、実施例20と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例27で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)を25重量部とした以外は、実施例20と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例28で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
本実施例では、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)を30重量部とした以外は、実施例20と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、実施例29で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
表3から、主剤100重量部に対し、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物を、その固形分で1〜30重量部の範囲で含む実施例20〜29の水性接着剤組成物によれば、耐水性、耐熱性、耐久性の点において、特に優れた接着性能を得ることができることが明らかである。
Claims (4)
- カルボキシル基を含有する少なくとも1種の水性高分子を含む主剤と、
ポリアミドエポキシ化合物を含む硬化剤と、
第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物とを含むことを特徴とする水性接着剤組成物。 - 請求項1記載の水性接着剤組成物において、前記水性高分子は、分子内にカルボキシル基を含有する水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、分子内にカルボキシル基を含有する水性ラテックス、分子内にカルボキシル基を含有する水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする水性接着剤組成物。
- 請求項1または請求項2記載の水性接着剤組成物において、前記ポリアミドエポキシ化合物は、エピハロヒドリンをポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られた化合物であることを特徴とする水性接着剤組成物。
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