JP2009292927A - 水性接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた接着性能を備える水性接着剤組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子と、カチオン基を含有しない水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、カチオン基を含有しない水性ラテックス、カチオン基を含有しない水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種のカチオン基を含有しない水性高分子とを含む。前記カチオン基を含有する水溶性高分子は、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンまたはその塩を含有する水溶性高分子である。硬化剤を含んでもよく、前記硬化剤はエポキシ化合物であることが好ましい。エポキシ化合物は、エピハロヒドリンをポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られたポリアミドエポキシ化合物、分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水性接着剤組成物に関するものである。
従来、水性高分子であるポリビニルアルコール樹脂を用いた接着剤組成物が広く用いられている。前記ポリビニルアルコール樹脂は、繊維素に対して極めて優れた接着性を備えているが、耐水性、耐熱性に劣る。そこで、前記ポリビニルアルコール樹脂に、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等のホルムアルデヒド樹脂を配合して、耐水性、耐熱性を付与したホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物が知られている。
ところが、前記ホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物は、該ホルムアルデヒド樹脂に起因する遊離のホルムアルデヒドが残存している。このため、前記ホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物を用いて接着した製品からは該ホルムアルデヒドが放出され、シックハウス症候群、化学物質過敏症等の原因になるとの問題がある。
前記問題を解決するために、本出願人は、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液、カチオン基を含有しない水性ラテックス、カチオン基を含有しない水性エマルジョン等のカチオン基を含有しない水性高分子に、カルボン酸基を含有する高分子とアルキレンイミンとを反応させ、酸性化した、酸性化アミノエチル化ビニルインターポリマーを含む接着剤組成物を提案している(特許文献1参照)。前記接着剤組成物によれば、ホルムアルデヒド樹脂を含まないので、前記シックハウス症候群、化学物質過敏症等を起こすことがない。
しかしながら、前記カチオン基を含有しない水性高分子に、カルボン酸基を含有する高分子とアルキレンイミンとを反応させ、酸性化した、酸性化アミノエチル化ビニルインターポリマーを配合してなる前記接着剤組成物は、十分な接着力を得ることができないことがあり、さらに改善が望まれる。
特開平1−161077号公報
本発明は、かかる事情に鑑み、優れた接着性能を備える水性接着剤組成物を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の水性接着剤組成物は、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子と、カチオン基を含有しない水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、カチオン基を含有しない水性ラテックス、カチオン基を含有しない水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種のカチオン基を含有しない水性高分子とを含むことを特徴とする。
本発明の水性接着剤組成物は、前記カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子と、前記カチオン基を含有しない水性高分子とを含むことにより、優れた強度を備える接着層を得ることができる。
本発明の水性接着剤組成物において、前記エピハロヒドリンと反応するカチオン基を含有する水溶性高分子は、前記接着層の強度を優れたものとするために、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンまたはその塩を含有する水溶性高分子であることが好ましい。
本発明の水性接着剤組成物は、さらに硬化剤を含むことが好ましく、前記接着層に、硬化剤を作用させることにより、該接着層を硬化させ、優れた接着性能を得ることができる。
前記硬化剤は、前記接着層を硬化させ、優れた接着性能を得るために、エポキシ化合物であることが好ましい。前記エポキシ化合物としては、例えば、エピハロヒドリンをポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られたポリアミドエポキシ化合物または、分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物を挙げることができる。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態の水性接着剤組成物は、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子と、カチオン基を含有しない水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、カチオン基を含有しない水性ラテックス、カチオン基を含有しない水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種のカチオン基を含有しない水性高分子とを含む主剤と、エポキシ化合物を含む硬化剤とを含む。本実施形態の水性接着剤組成物は、前記主剤のみにより構成されていてもよいが、該主剤と共に前記硬化剤を含むことにより、さらに優れた接着性能を得ることができる。
前記カチオン基として示される化学構造は、アミノ基である第1〜第3級アミンもしくはその塩またはアミノ基である第4級アンモニウム塩である。
前記エピハロヒドリンと反応する前記カチオン基を含有する水溶性高分子は、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンまたはその塩を含有する水溶性高分子であり、アリルアミンの重合体、カチオン基を含有する不飽和単量体またはその塩の重合体、カチオン基を含有する不飽和単量体と水溶性のエチレン性不飽和単量体との共重合体を挙げることができる。
前記アリルアミンの重合体としては、アリルアミンを重合した側鎖に第一級アミンを有するポリアリルアミン、側鎖の第一級アミンの2分子を反応させた側鎖に第二級アミンを有するポリジアリルアミン、ポリアリルアミンの側鎖の第一級アミンまたはポリジアリルアミンの側鎖の第二級アミンと酸との中和塩、ポリアリルアミンの側鎖の第一級アミンをメトキシカルボニル化またはメチルカルボニル化した第二級アミン、該第二級アミンをアルキル化剤で第三級化した第三級アミン、該第三級アミンと酸との中和塩、該第三級アミンをアルキル化剤で第四級化した第四級アンモニウム塩を挙げることができる。
前記中和塩を形成する酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マロン酸、コハク酸、乳酸、ベンゼンスルホン酸等を挙げることができる。また、前記アルキル化剤としては、メチルクロライド、メチルブロマイド、ベンジルクロライド、エピクロルヒドリン、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、エチレンオキサイド等を挙げることができる。
前記アリルアミンの重合体またはその塩として、好ましくはポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアリルアミン硫酸塩、ポリジアリルアミン塩酸塩を挙げることができる。
また、前記アリルアミンの重合体として、本実施形態の水性接着剤組成物の接着性能を損なわない範囲で、ジアリルアミン塩酸塩とマレイン酸の共重合体、ジアリルアミンアミド硫酸塩とマレイン酸の共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムとマレイン酸と二酸化硫黄の共重合体等の両性のポリジアリルアミンを用いることもできる。
前記カチオン基を含有する不飽和単量体またはその塩としては、プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルアミン、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、1,3−ジメチル−3−(メタ)アクリルアミドブチルジメチルアミン、アリルジメチルアミン、ジアリルメチルアミンなどのエチレン性不飽和結合含有アミンと、該エチレン性不飽和結合含有アミンと酸との中和塩や、エチレン性不飽和結合含有第三級アミンをアルキル化剤で第四級化した第四級アンモニウム塩を挙げることができる。
前記中和塩を形成する酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マロン酸、コハク酸、乳酸、ベンゼンスルホン酸等を挙げることができる。また、前記アルキル化剤としては、メチルクロライド、メチルブロマイド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、エチレンオキサイド等を挙げることができる。
前記カチオン基を含有する不飽和単量体またはその塩と共重合体を形成する前記水溶性のエチレン性不飽和単量体としては、アクリルアミド、メタアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートを挙げることができる。
また、前記カチオン基を含有する不飽和単量体と前記水溶性のエチレン性不飽和単量体との共重合体は、水溶性を損なわない範囲で上記以外のエチレン性不飽和単量体用いることもできる。水溶性を損なわない範囲で用いられるエチレン性不飽和単量体としては、エチレン、イソブチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウムを挙げることができる。
前記エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等を挙げることができる。工業的には、エピクロルヒドリンを好適に用いることができる。
前記カチオン基を含有する水溶性高分子と前記エピハロヒドリンとの反応においては、第一級アミンを含有する水溶性高分子と前記エピハロヒドリンとの反応はエポキシ基が重合する可能性が高く、第二級アミン、第三級アミンを第四級化した第四級アンモニウム塩を含有する水溶性高分子と前記エピハロヒドリンとの反応においては、第四級アンモニウム塩とエポキシ基との反応性が低い、。よって、前記カチオン基を含有する水溶性高分子と前記エピハロヒドリンとの反応においては、カチオン基として、第一級アミンの塩、第二級アミン、第三級アミンまたはその塩を含有する水溶性高分子をエピハロヒドリンと反応させることが好ましい。
また、前記カチオン基を含有する水溶性高分子と前記エピハロヒドリンとの反応において、前記カチオン基を含有する水溶性高分子のカチオン基に対する前記エピハロヒドリンのエポキシ基のモル比率を等モル以下とすることで、生成する水溶性高分子にカチオン基を残すことが好ましい。また、反応温度は通常0〜70℃で、好ましくは10〜70℃である。また、反応時間は1〜48時間程度である。また、反応溶媒としては有機溶媒を使用できるが、工業的には水を使用することが好ましい。
また、前記カチオン基を含有する水溶性高分子と前記エピハロヒドリンとの反応において、その反応を損なわない範囲で、前記カチオン基を含有する水溶性高分子と共に、水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、水性ラテックス、水性エマルジョン等の水性高分子を用いることができる。
前記カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子は、いずれか1種を単独で、または2種以上混合して用いることができる。
本実施形態の水性接着剤組成物は、前記主剤として、前記カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子と共に、カチオン基を含有しない水性高分子を用いる。前記カチオン基を含有しない水性高分子としては、カチオン基を含有しない水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、カチオン基を含有しない水性ラテックス、カチオン基を含有しない水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
前記カチオン基を含有しない水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、アニオン化ポリビニルアルコール、澱粉、アニオン化澱粉、蛋白質、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、マレイン酸イミド共重合体等を挙げることができる。前記カチオン基を含有しない水溶性高分子は、水に溶解してそれ自体の水溶液としてもよい。
また、前記カチオン基を含有しない水性ラテックスまたは、前記カチオン基を含有しない水性エマルジョンとしては、スチレン、ブタジエン、アクリルアミド、アクリロニトリル、クロロプレン、1,3−ヘキサジエン、イソプレン、イソブテン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチルビニルエーテルからなる群から選ばれる1種の化合物の水性ラテックスまたは水性エマルジョン、または前記群から選ばれる共重合可能な2種以上の不飽和単量体からなる水性ラテックスまたは水性エマルジョンを挙げることができる。
また、前記水性ラテックスまたは、前記水性エマルジョンは、本実施形態の水性接着剤組成物の接着性能を損なわない範囲で、反応性基を備えた不飽和単量体と共重合させることもできる。前記反応性基を備えた不飽和単量体としては、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基からなる群から選ばれた少なくとも1種の反応性基を備える不飽和単量体を挙げることができる。
前記主剤は、本実施形態の水性接着剤組成物の接着性能を損なわない範囲で、さらに、充填剤と、その分散剤等を含んでいてもよい。前記充填剤としては、小麦粉、大豆粉、血粉、木粉、クルミ殻粉等の有機系充填剤、クレー、カオリン、ゼオライト、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、酸化アルミニウム等の無機系充填剤等を挙げることができる。前記充填剤は、そのいずれか1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
前記充填剤の分散剤としては、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム等の無機系分散剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の高分子系分散剤、第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤等を挙げることができる。前記充填剤の分散剤は、そのいずれか1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本実施形態の水性接着剤組成物は、前記主剤の全量に対して、前記カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子を、固形分として0.1〜20重量%の範囲で含んでいることが好ましい。前記カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子の含有量が、固形分として前記主剤の全量に対して、0.1重量%未満であるときには、接着層の強度を上げる効果が不十分となり、十分な接着性能が得られないことがある。また、前記カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子の含有量が、固形分として前記主剤の全量に対して20重量%を超えるときには、保存安定性が低減することがある。
本実施形態の水性接着剤組成物は、カチオン基を含有しない水性エマルジョンあるいは、カチオン基を含有しない水性ラテックスに、前記カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子の水溶液を混合することにより、前記主剤に含まれる前記カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子の固形分の割合を容易に調整することができる。
前記硬化剤に用いる前記エポキシ化合物は、エピハロヒドリンをポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られたポリアミドエポキシ化合物または、分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物であることが好ましい。
前記エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等を挙げることができる。工業的には、エピクロルヒドリンを好適に用いることができる。
前記ポリアミンまたはポリアミドは、二塩基性カルボン酸系化合物とポリアルキレンポリアミン類とを重縮合反応させて得られる。
前記二塩基性カルボン酸系化合物としては、ジカルボン酸と、そのエステルまたは、その酸無水物等の誘導体を挙げることができる。前記ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、マロン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル等のエステル、無水コハク酸、無水グルタル酸等の酸無水物を挙げることができる。前記ジカルボン酸はその1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。工業的には、アジピン酸を特に好適に用いることができる。
前記ポリアルキレンポリアミン類としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等を挙げることができる。前記ポリアルキレンポリアミン類はその1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。工業的には、ジエチレントリアミンまたはトリエチレンテトラミンを好適に用いることができる。
前記分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物としては、分子内にエポキシ基を2個含有する2官能エポキシ化合物、分子内にエポキシ基を4個含有する4官能エポキシ化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体と共重合可能な不飽和単量体との共重合体の分散液である多官能エポキシ化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体を天然ゴムラテックスにグラフト重合させることにより得られる多官能エポキシ化合物を挙げることができる。
前記分子内にエポキシ基を2個含有する2官能エポキシ化合物としては、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等、また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアネート型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、それらのハロゲン化物、水素添加物等を挙げることができる。
また、分子内にエポキシ基を4個含有するエポキシ化合物としては、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1−(N,N−ジグリシジルアミノメチル)1,5,5−トリメチル−3−(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,4−フェニレンジアミン、(N,N,N’,N’−テトラグリシジル)ジアミノトルエン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン、そのハロゲン2置換体、ビス(N,N−ジグリシジルアミノフェノール)スルホン、4’−(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼンスルホン酸の4’−(N,N−ジグリシジルアミノ)フェニルエステル、ビス(N,N−ジグリシジルアミノトリメチレン)アルキレングリコールを挙げることができる。
また、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体と共重合可能な不飽和単量体との共重合体の分散液である多官能エポキシ化合物に用いられる前記エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体としては、グリジルメタアクリレート、グリジルアクリレート、N-グリジルメタアクリルアミド、N-グリジルアクリルアミド等を挙げることができる。
また、前記エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体と共重合可能な前記不飽和単量体として、水溶性のエチレン性不飽和単量体としては、アクリルアミド、メタアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート等を挙げることができ、非水溶性のエチレン性不飽和単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、スチレン、スチレン誘導体、ブタジエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロロプレン、1,3−ヘキサジエン、イソプレン、イソブテン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等を挙げることができる。
前記エポキシ化合物は、いずれか1種を単独で用いることもでき、または2種以上混合して用いることもできる。
本実施形態の水性接着剤組成物は、前記主剤に前記エポキシ化合物を添加しなくても十分に優れた接着性能を得ることができるが、さらに、前記主剤100重量部に対して、前記エポキシ化合物を、固形分として0.1〜18重量部の範囲で含むことが好ましい。前記エポキシ化合物の含有量が、前記主剤100重量部に対して、固形分として0.1重量部未満であるときには、接着層の凝集力を上げる効果が不十分となり、十分な接着性能が得られないことがある。また、前記エポキシ化合物の含有量が、前記主剤100重量部に対して、固形分として18重量部を超えるときには、前記主剤と均一に混合できないことがあり、安定した接着性能が得られないことがある。
本実施形態の水性接着剤組成物は、その接着性能を損なわない範囲で、さらに添加剤を含んでいてもよい。前記添加剤としては、例えば、高分子分散剤、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、カチオン系分散剤、ポリカルボン酸塩系の分散剤、ヘキサメタリン酸ソーダ等の分散剤、消泡剤、防腐剤、防火剤、防蟻剤、防カビ剤、防虫剤、整泡剤、起泡剤、防錆剤、湿潤剤、濡れ性改質剤等を挙げることができる。
本実施形態の水性接着剤組成物は、例えば、前記カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子と、少なくとも1種のカチオン基を含有しない水性高分子とに、前記充填剤と、該充填剤の分散剤を添加して、混合することにより、前記主剤を調製、製糊する。本実施形態の水性接着剤組成物が硬化剤を含む場合には、前記主剤に、さらに前記エポキシ化合物を含む硬化剤を添加し、混合することにより、調製、製糊する。
前記エポキシ化合物を含む硬化剤は、本実施形態の水性接着剤組成物を被着材に塗布する直前に、前記主剤に添加、混合することが好ましい。前記エポキシ化合物を含む硬化剤は、予め前記主剤に添加、混合しておいてもよいが、この場合には前記水性接着剤組成物の保存安定性が低減することがある。
本実施形態の水性接着剤組成物は、優れた接着力を備え、該接着力を、長期に亘って維持することができる。従って、本実施形態の水性接着剤組成物は、合板、LVL、突板、化粧板、集成材、パーティクルボード等の木質繊維板、家具、建具、運動具その他の木工製品製造用の木材用接着剤として好適に用いることができる。さらに、本実施形態の水性接着剤組成物は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドと反応するので、ホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物で製造した基材との木材用接着剤として好適に用いることができる。
また、本実施形態の水性接着剤組成物は、木材同士の他、木材と異種の素材とを接着する場合にも適用することができる。前記異種の素材としては、段ボール、紙、布、金属、陶磁器、ガラス、木毛板、プラスチック板(塩化ビニル樹脂板、ABS板、FRP板、スチレン樹脂板等)、無機板(アスベスト、ロックウール等の鉱物質繊維板等)、セメント系無機板(石綿スレート板、パルプセメント板、コンクリート板等)等を挙げることができる。
さらに、本実施形態の水性接着剤組成物は、コーティング用組成物、塗料用組成物、セメント混和剤としても用いることができる。
次に、本発明の実施例と比較例とを示す。
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた化合物として、第二級アミンの塩酸塩とエピクロルヒドリンを反応させて得られた化合物(日東紡績株式会社製、商品名:PAS−880)を36.0重量%水溶液としたもの0.5重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA224)を17.0重量%水溶液としたもの24.5重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)50重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤とし、該主剤のみからなる水性接着剤組成物を調製、製糊した。本実施例の水性接着剤組成物は、硬化剤を全く含有していない。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、「JIS K 6806」に基づいて、接着性能を試験した。
前記試験では、含水率6〜8重量%、比重0.72〜0.75の10mm厚のカバ柾目挽板を被着材とし、該被着材に、本実施例で得られた水性接着剤組成物を250g/mの量で塗布し、開放堆積時間20℃にて1分以内、閉鎖堆積時間20℃にて10分以内、20℃にて1.2N/cmの圧力で24時間圧締した後、解圧し、20℃にて7日間養生したものを試験片とした。そして、前記各試験片の圧縮せん断接着強さを「常態」で測定した。
試験結果は、「JIS K 6806」に定める試験機により試験片が破断するまでの最大荷重を測定し、実測した接着面積で除した接着強さ(N/cm)で示す。
「JIS K 6806」に基づく接着性能試験において、「常態」とは試験片作成後、直ちに試験に供するもので試験片作成直後の接着力を示す。結果を表1に示す。
本実施例では、実施例1と全く同一にして主剤を調製した。
次に、前記主剤に、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)7重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた化合物として、第二級アミンの塩酸塩とエピクロルヒドリンを反応させて得られた化合物(日東紡績株式会社製、商品名:PAS−880)を36.0重量%水溶液としたもの1重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA224)を17.0重量%水溶液としたもの24重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)50重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤に、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)0.5重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた化合物として、第二級アミンの塩酸塩とエピクロルヒドリンを反応させて得られた化合物(日東紡績株式会社製、商品名:PAS−880)を36.0重量%水溶液としたもの2重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA224)を17.0重量%水溶液としたもの23重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)50重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤に、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)1重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた化合物として、第二級アミンの塩酸塩とエピクロルヒドリンを反応させて得られた化合物(日東紡績株式会社製、商品名:PAS−880)を36.0重量%水溶液としたもの4重量部、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA224)を17.0重量%水溶液としたもの21重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)50重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤に、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)3重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた化合物として、第二級アミンの塩酸塩とエピクロルヒドリンを反応させて得られた化合物(日東紡績株式会社製、商品名:PAS−880)を36.0重量%水溶液としたもの15重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA224)を13.6重量%水溶液としたもの25重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)35重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤に、4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)7重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた化合物として、第二級アミンの塩酸塩とエピクロルヒドリンを反応させて得られた化合物(日東紡績株式会社製、商品名:PAS−880)を36.0重量%水溶液としたもの20重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA224)を13.6重量%水溶液としたもの25重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)30重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤に、4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた化合物として、第二級アミンの塩酸塩とエピクロルヒドリンを反応させて得られた化合物(日東紡績株式会社製、商品名:PAS−880)を36.0重量%水溶液としたもの25重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA224)を17重量%水溶液としたもの20重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)30重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤に、4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)15重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた化合物として、第二級アミンの塩酸塩とエピクロルヒドリンを反応させて得られた化合物(日東紡績株式会社製、商品名:PAS−880)を36.0重量%水溶液としたもの30重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA224)を17重量%水溶液としたもの20重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)30重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)20重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤に、4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)15重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた化合物として、第二級アミンの塩酸塩とエピクロルヒドリンを反応させて得られた化合物(日東紡績株式会社製、商品名:PAS−880)を36.0重量%水溶液としたもの40重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(電気化学工業株式会社製、商品名:デンカEVAテックス65、固形分65.0重量%)40重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)20重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤に、4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)20重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表1に示す。
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた化合物として、第二級アミンの塩酸塩とエピクロルヒドリンを反応させて得られた化合物(日東紡績株式会社製、商品名:PAS−880)を36.0重量%水溶液としたもの50重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(電気化学工業株式会社製、商品名:デンカEVAテックス65、固形分65.0重量%)30重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)20重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤に、4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)25重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
本比較例では、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた化合物を全く用いない以外は、実施例1と全く同一にして主剤を調整した。
次に、本比較例で得られた主剤に、エポキシ化合物を全く用いない以外は、実施例1と全く同一にして水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
Figure 2009292927
表1から、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子と、少なくとも1種のカチオン基を含有しない水性高分子とを含む主剤のみからなる実施例1の水性接着剤組成物または、前記主剤にさらに、エポキシ化合物からなる硬化剤を添加した実施例2〜11の水性接着剤組成物によれば、主剤にカチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子を含まず、さらに、エポキシ化合物も含まない比較例1の水性接着剤組成物に比較して、「接着強さ」において、特に優れた接着性能を示すことが明らかである。
また、実施例2〜11の水性接着剤組成物は、主剤の全量に対し、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子をその固形分で0.2〜18.0重量%の範囲で含むことにより、特に優れた接着性能を得ることができることが明らかである。
また、実施例2〜11の水性接着剤組成物は、前記主剤100重量部に対し、エポキシ化合物を、その固形分として0.1〜25.0重量部の範囲で含むことにより、特に優れた接着性能を得ることができることが明らかである。
また、実施例2〜11の水性接着剤組成物は、エポキシ化合物としてポリアミドエポキシ化合物(実施例2〜5)または、4官能エポキシ化合物(実施例6〜11)を含むことにより、特に優れた接着性能を示すことが明らかである。
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた化合物として、第二級アミンの塩酸塩とエピクロルヒドリンを反応させて得られた化合物(日東紡績株式会社製、商品名:PAS−880)を36.0重量%水溶液としたもの1重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA224)を12重量%水溶液としたもの34重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)25重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、アクリルラテックス(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:ポリトロンT−8250、固形分50重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)30重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤に、2官能エポキシ化合物である、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業株式会社製、商品名:SR−16H)2重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた化合物として、第二級アミンの塩酸塩とエピクロルヒドリンを反応させて得られた化合物(日東紡績株式会社製、商品名:PAS−880)を36.0重量%水溶液としたもの2重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA224)を11.8重量%水溶液としたもの33重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)25重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、アクリルラテックス(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:ポリトロンT−8250、固形分50重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)30重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
次に、前記主剤に、2官能エポキシ化合物である、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業株式会社製、商品名:SR−16H)5重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、実施例12と全く同一にして主剤を調製した。
次に、以下のようにして、分子内にエポキシ基を2個以上含有する重合体の分散液として多官能エポキシ化合物を調製した。
かくはん機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を取り付けた反応容器に水67重量部を投入して、反応容器中の温度を80℃に上げた後、グリシジルメタクリレート(GMA)75重量部、ブチルアクリレート(But−A)75重量部、水125重量部、乳化剤(日本乳化剤株式会社製、商品名:ニューコール707−SF、30重量%水溶液)10重量部からなるモノマー混合物と、過硫酸アンモニウム5重量%水溶液15重量部とを別々の滴下槽より2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器中の温度を80℃とし、該温度で1時間重合した。得られた分散液の固形分は50重量%であった。反応後、反応液の粘度をB型粘度計で測定したところ、140mPa・sであった。また、高速液体クロマトグラムにより、未反応モノマーを定量し転化率を計算したところ、転化率は前記モノマーの全量に対し98.9%であった。
次に、前記主剤に、分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物として、本実施例で調製した多官能エポキシ化合物の分散液4重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、実施例13と全く同一にして主剤を調製した。
次に、以下のようにして、分子内にエポキシ基を2個以上含有する重合体の分散液として多官能エポキシ化合物を調製した。
本実施例では、実施例14のモノマー混合物に代えて、グリシジルメタクリレート(GMA)75重量部、ブチルアクリレート(But−A)37.5重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)37.5重量部、水125重量部、乳化剤(日本乳化剤株式会社製、商品名;ニューコール707−SF、30重量%水溶液)10重量部からなるモノマー混合物を用いた以外は、実施例14と全く同一にして、重合を行った。得られた分散液の固形分は50重量%であった。反応後、反応液の粘度をB型粘度計で測定したところ、160mPa・sであった。また、高速液体クロマトグラムにより、未反応モノマーを定量し転化率を計算したところ、転化率は前記モノマーの全量に対し98.3%であった。
次に、前記主剤に、分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物として、本実施例で調製した多官能エポキシ化合物の分散液10重量部を添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、実施例12と全く同一にして主剤を調製した。
次に、前記主剤に、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)2重量部と、4官能エポキシ化合物であるN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)5重量部とを添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表2に示す。
本実施例では、実施例13と全く同一にして主剤を調製した。
次に、前記主剤に、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)5重量部と、4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)5重量部とを添加、撹拌して水性接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして接着性能を試験した。結果を表2に示す。
Figure 2009292927
表2から、実施例12〜17の水性接着剤組成物は、エポキシ化合物として2官能エポキシ化合物(実施例12、13)、多官能エポキシ化合物(実施例14、15)または、ポリアミドエポキシ化合物と4官能エポキシ化合物との2種類のエポキシ化合物(実施例16、17)を含むことにより、特に優れた接着性能を示すことが明らかである。

Claims (5)

  1. カチオン基を含有する水溶性高分子とエピハロヒドリンを反応させて得られた水溶性高分子と、
    カチオン基を含有しない水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、カチオン基を含有しない水性ラテックス、カチオン基を含有しない水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種のカチオン基を含有しない水性高分子とを含むことを特徴とする水性接着剤組成物。
  2. 請求項1記載の水性接着剤組成物において、前記カチオン基を含有する水溶性高分子は、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンまたはその塩を含有する水溶性高分子であることを特徴とする水性接着剤組成物。
  3. 請求項1または請求項2記載の水性接着剤組成物において、硬化剤を含むこと特徴とする水性接着剤組成物。
  4. 請求項3記載の水性接着剤組成物において、前記硬化剤は、エポキシ化合物であることを特徴とする水性接着剤組成物。
  5. 請求項4記載の水性接着剤組成物において、前記エポキシ化合物は、エピハロヒドリンをポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られたポリアミドエポキシ化合物または、分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物を含むことを特徴とする水性接着剤組成物。
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