JP3034597B2 - 速硬化水性接着剤と接着方法 - Google Patents

速硬化水性接着剤と接着方法

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JP3034597B2 JP2334313A JP33431390A JP3034597B2 JP 3034597 B2 JP3034597 B2 JP 3034597B2 JP 2334313 A JP2334313 A JP 2334313A JP 33431390 A JP33431390 A JP 33431390A JP 3034597 B2 JP3034597 B2 JP 3034597B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は速硬化水性接着剤と接着方法に関する。詳し
くは特に木材、紙、無機質材料、プラスチック及び金属
等の接着に適した速硬化性接着剤と接着方法に関する。
[従来の技術] 従来、この種の接着剤にはポリビニルアルコール類や
デンプン類をはじめポリ酢酸ビニルエマルジョン、尿素
樹脂、ゴム系樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート系化
合物等が用いられている。
しかしながら、ゴム系樹脂よりなる接着剤を除いてい
ずれも初期の接着強度が悪く、又、ゴム系樹脂接着剤も
多量の有機溶剤を使用しているため毒性と火災の危険が
あり、かつ又老化し易いという欠点がある。かかる対策
としてイソブチレン−マレインイミド−無水マレイン酸
共重合体とグリオキザールからなる2液型接着剤(特公
昭63−17871号)、アセトアセチル基含有高分子化合物
の水性溶液及び/又は水性エマルジョンとアルデヒド、
ポリエチレンイミン又はヒドラジン化合物とからなる2
液型接着剤(特公平1−60190〜60192号)が提案されて
いる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら硬化剤としてアルデヒド類、ポリエチレ
ンイミン、ヒドラジン化合物を用いる接着剤は、初期接
着強度は改善されるものの多孔質の被着材内部への含浸
性が大きく、表面部の歩留りが不均一となり初期の接着
力にバラツキを生じる。又、用途によっては該接着剤の
初期接着強度では充分とは言えず、乾燥後の恒久的な接
着強度も不足しがちであり、更なる改善を望む声も聞か
れる。しかるに本出願人は上記欠点を解決した接着剤と
してポリアミノアミド樹脂を硬化剤として用いた接着剤
を開発し出願した。
該接着剤は、2液分別塗布型の速硬化性を有する接着
剤組成物であって、極めて短時間の圧締めで接着強度が
発現し、耐水性、耐久性を満足して、被着材への汚染、
劣化が無く、更に常温で硬化することから、省エネルギ
ーで作業性が良い等利用価値の高い接着剤であるのだ
が、近年の多様化している用途においてはより高度な耐
熱性、耐煮沸性が要求されており、未だ充分な性能を有
いていないのが現状である。
[課題を解決するための手段] しかるに本発明者等は上記課題を解決するために鋭意
研究を重ねた結果、アセトアセチル基含有ポリビニルア
ルコール系樹脂(以下、AA化PVAと略記する)及びエポ
キシ樹脂を含有する水性液からなるA液とポリアミン化
合物からなるB液とからなる接着剤及び前記A液及びB
液をそれぞれ被着材に塗布し、ついで塗布面同志を密着
貼り合わせる接着方法を見出し本発明を完成するに至っ
た。
本発明は上記A液と特定の硬化剤であるB液を接触さ
せることにより極めて短時間に硬化して優れた初期接着
強度が発現すると共に、乾燥後の恒久的接着強度に優
れ、硬化剤の被着材内部への含浸性が少ないため接着力
にバラツキを生じることなく常に安定した接着強度を有
する。更に本発明においてA液にエポキシ樹脂を配合し
たことにより一層高度な耐水性、耐熱性、耐煮沸性が賦
与され、しかも環境汚染の心配が無いことを特徴とし、
該接着剤の用途分野は非常に拡大された。
以下、本発明について詳述する。
本発明で用いるA液のうちAA化PVAとはポリビニルア
ルコール(以下、PVAと略記する)やその誘導体とジケ
テンとを公知の方法で反応して得られる。例えばPVAを
酢酸溶媒中に分散させておき、これにジケテンを添加す
る方法、PVAをジメチルホルムアミド、またはジオキサ
ン等の溶媒にあらかじめ溶解しておき、これにジケテン
を添加する方法である。またPVAにジケテンガスまたは
液状ジケテンを直接接触させてAA化PVAを得る方法も採
り得る。AA化PVAを得る際に用いられるPVAは特に限定さ
れないが、平均重合度200〜3500、平均ケン化度30〜99
モル%の範囲が好ましい。前記のようにして得られたAA
化PVAのうち本発明で用いられるものはアセトアセチル
化度が0.5〜20モル%が適している。
本発明で用いられるAA化PVAは水溶液及び/又は水性
エマルジョンからなり、水溶液の場合1〜30%が適して
いる。水性エマルジョンを調製するに当たっては特に限
定されるものではないが、AA化PVAを乳化剤あるいは
保護コロイドとして単量体を乳化重合する、合成樹脂
の溶液あるいは溶融液をAA化PVAの存在下で後乳化す
る、任意の方法で得られた合成樹脂エマルジョンにAA
化PVAを添加してより安定なエマルジョンを製造する、
以上3つのケースが挙げられる。以下、各ケースについ
て具体的に説明する。
乳化重合による方法 この方法は通常ビニル系化合物の重合体エマルジョン
を製造する場合に好適に実施される。
乳化重合に際しては、水、AA化PVAおよび重合触媒の
存在下にビニル系化合物を一時又は連続的に添加して、
加熱、撹拌する如き通常の乳化重合法が実施し得る。
AA化PVAの使用量は重合体固形分に対して0.1〜30重量
%、好ましくは2〜20重量%程度が適当である。2重量
%以下では充分な効果が得られず、20重量%以上では使
用量の割りには効果が増大しない。該AA化PVAはエマル
ジョン重合の開始時、途中、終了後のいずれの時点にお
いても添加可能であるが、通常は重合の開始時、又は途
中で添加される。
本方法で用いられるビニル系化合物としては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アク
リロニトリル、メタアクリロニトリル、スチレン、エチ
レン、プロピレン、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、グリシジルジビニルエーテル、グリ
シジルビニルエーテル等のグリシジル基含有化合物、N
−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリ
ルアミド等のメチロール基含有化合物及びそれらのアル
コキシ基含有誘導体、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド等のカルボン酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸等
のカルボン酸、ジビニルアジペート、ジビニルサクシネ
ート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフマレート、
トリアリルシトレート、ジアリルマレート、ビニルバー
サテートなどが挙げられ、これらの単独重合あるいは共
重合である。なかんずく酢酸ビニル単独あるいは酢酸ビ
ニルを主体とした共重合が好適である。
乳化重合触媒としては通常の乳化重合に用いられる触
媒を用いる。特にレドックス触媒が好ましく、具体的に
例示すると過酸化水素水、過硫酸アンモニウム、過硫酸
カリウム各々の単独あるいはメタ重亜硫酸ナトリウム、
重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、ジメチルアニリン、
ホルムアルデヒド亜鉛スルホキシレートあるいはホルム
アルデヒドナトリウムスルホキシラートとの組合せが挙
げられる。
またノニオン界面活性剤、イオン界面活性剤もAA化PV
Aと併用しうる。更に他の乳化剤、例えばPVA、セルロー
ス誘導体(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、メチルセルロースなど)、ポリアクリ
ル酸誘導体、(無水)マレイン酸−ビニルエーテル共重
合体、(無水)マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、酢酸
ビニル−(メタ)アリルスルホン酸(塩)共重合体ケン
化物なども適宜併用できる。
その他通常の乳化重合で用いられる種々の添加剤、調
製剤及び安定化剤として(メタ)重亜硫酸ナトリウムな
ども適宜使用できる。
後乳化による方法 この方法は、乳化重合によっては製造出来にくい合成
樹脂エマルジョンを調製する場合に好適に実施される。
この方法はAA化PVAを水に溶解し、これに溶液状ある
いは溶融状の樹脂を滴下し撹拌するか、溶融状態の樹脂
中にAA化PVAの水溶液を滴下し撹拌すればよい。エマル
ジョン化に当たり加熱等の必要は特にないが、必要であ
れば45〜85℃程度に加熱すれば良い。乳化する物質には
特に限定はなくウレタン樹脂、尿素−ホルマリン初期縮
合物、フェノール−ホルムアルデヒド初期縮合物、アル
キッド樹脂、ポリエステル樹脂、ケテンダイマー、シリ
コン樹脂、ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等
が挙げられる。
AA化PVAの使用量としては要求されるエマルジョンの
樹脂分等によって多少異なるが、通常乳化対象物に対し
て0.1〜30重量%、好ましくは1〜25重量%程度の範囲
から選択される。必要とあれば該樹脂と共にポリオキシ
エチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−
アルキルフェノール型、多価アルコールエステル型等の
非イオン性活性剤、又は高級アルキルアミン塩等のカチ
オン性活性剤を適宜併用することもできる。又これらの
活性剤は乳化対象物の方に混合しておくこともできる。
尚、乳化する物質としてエポキシ樹脂を用いることも可
能である。
後添加による方法 この方法は任意の方法で得られた合成樹脂エマルジョ
ンにAA化PVAを添加して、安定性をより向上させたり、
増粘の目的で実施される。この際、エポキシ樹脂を添加
することもできる。
対象となるエマルジョンにはスチレン/ブタジエン系
エマルジョン、シス−1,4ポリイソプレンエマルジョ
ン、クロロプレンエマルジョン、アクリロニトリル/ブ
タジエンエマルジョン、ビニルピリジンエマルジョン、
メチルメタクリレート/ブタジエンエマルジョン、ポリ
ウレタンエマルジョン、アクリルエステル系エマルジョ
ン、酢酸ビニル系エマルジョン、エチレン/酢酸ビニル
系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、ポリスチ
レンエマルジョン、ポリエチレンエマルジョン、シリコ
ーンエマルジョン、ポリブテンエマルジョン、チオコー
ルエマルジョンなどが挙げられる。
エマルジョンにAA化PVAを添加する場合、該PVAを水溶
液としてから添加する時にはエマルジョンを室温にて、
撹拌しながらこれに該水溶液を添加するだけでよいが、
該PVAの粉末を添加する時には、エマルジョンを撹拌し
ながら該粉末を添加し、50〜85℃に加温すれば短時間で
均一な混合が終了するので好ましい。
AA化PVAの使用量はおよそエマルジョン固形分に対し
て0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%の範囲であ
る。アセトアセチル化度の小さいAA化PVAを用いる場合
は、添加量を多目にし、アセトアセチル化度の大きいAA
化PVAを用いる場合は少目で増粘等の効果がでる。即ち
増粘効果、安定性向上効果はアセトアセチル化度と添加
量にほぼ比例する。従ってこれらの関係を理解した上
で、アセトアセチル化度と添加量を適宜目的に応じて選
択することが望ましい。
エポキシ樹脂とは1分子中に2個以上のエポキシ基を
有する限り分子構造、分子量等に特に制限はなく、例え
ばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエ
ーテル型エポキシ樹脂、グリセリン型エポキシ樹脂、グ
リセリントリエーテル型エポキシ樹脂、脂環状エポキシ
樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキ
シ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂、エポキシ化大
豆油等が挙げることができる。この内特に好ましくは、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリセリントリエー
テル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂であ
る。
エポキシ樹脂のA液中に含有せしめる添加方法として
は、液状樹脂の場合には、直接添加して高速撹拌によ
り強制乳化する方法が、また固形エポキシ樹脂又は液
状樹脂であっても粘稠な場合には、添加エポキシ樹脂の
1/4〜等量程度の溶解可能な有機溶剤に溶解して添加し
て撹拌を加えて乳化する方法、予め水溶性高分子及び
界面活性剤を用いて公知の方法において水に乳化分散さ
せたもの、特にAA化PVAにより乳化分散させる方法が用
いられるがこれらの方法に限定されるものではない。
これらのエポキシ樹脂の添加量はA液の樹脂分100重
量部当たり通常1〜90重量部、好ましくは3〜60重量部
の範囲が適当である。エポキシ樹脂の添加量が極端に多
すぎると初期接着強度の発現が遅くなるか又は全く発現
しなくなる。又、極端に少なすぎると塗膜の耐水性、耐
熱性、耐煮沸性の強度が充分に与えられない。
かくして得られたA液にはそのままあるいは必要に応
じてPVAやその誘導体、デンプン類等の各種水溶性高分
子、又は各種エマルジョン、ラテックス。更に接着強化
の目的で多価金属塩、イソシアネート系化合物、水性ポ
リウレタン、アミノ樹脂。可塑剤、高沸点溶剤等の造膜
助剤。クレー、炭酸カルシウム、タルク、硅酸カルシウ
ム。カオリン、珪藻土等の体質顔料。酸化チタン等の有
色顔料。防腐剤、防虫剤、防錆剤、消泡剤、増粘剤等を
適宜配合して使用される。
次にB液について説明する。
ポリアミン化合物とは一般的にエポキシ樹脂の硬化剤
として広く用いられているものを指し、化学構造で分類
されるエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テト
ラメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ビス(2
−アミノエチル)アミン、2,2′−ジアミノジエチルア
ミン、トリエチレンテトラミン、1,2−ビス(2′−ア
ミノエチルアミン)エタン等の(変性)脂肪族ポリアミ
ン、オルト−フェニレンジアミン、メタ−フェニレンジ
アミン、パラ−フェニレンジアミン、トリアミノベンゼ
ン、テトラアミノベンゼン、ペンタアミノベンゼン、ジ
アミノジフェニルメタン等の(変性)芳香族ポリアミ
ン、1,2,3−トリアミノシクロプロパン等の(変性)脂
環式ポリアミン、3,3′ジメチル−4,4′−ジアミノ−ジ
シクロヘキシルメタン、N−アミノエチルピペラジン等
の三級アミン、及びポリアミノアミド樹脂であり、これ
らの1種及び又は2種以上を混合して用いることができ
る。この内特に好ましくは、ポリアミノアミド樹脂であ
って乾性油、米乾性油、トール油等からの脂肪酸より得
られるダイマー酸とポリアミンとの縮合物か、ポリカル
ボン酸とポリアミンとの縮合物及びその変性物である。
本発明に用いられるポリアミノアミド樹脂は特に限定
するものではないがアミン価は100〜800、30℃における
粘度は0.5〜700ポイズが適している。
該ポリアミノアミド樹脂はそのままあるいは硬化速度
を調節する目的で脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミ
ン、脂環式ポリアミン等のポリアミン類、アルコール並
びにフェノール類、酸類、イミダゾール類、ヒドロキシ
アミン類、スルホンアミド類等の硬化促進剤、レシチ
ン、ラノリン等の防錆剤、防腐剤、増粘剤等を適宜配合
して水溶液及び低級アルコール等の混合溶媒で希釈して
使用される。
本発明によって得られるA、B2液よりなる速硬化水性
接着剤は、A液とB液を予め混合した1液型としても用
いられるが、接着剤の安定性の面で通常は2液型として
用いられる。即ちA液を接着せんとする基材の被着面、
例えば木材等の表面に塗布し、B液を接着せんとする他
の基材の被着面に塗布し、直ちにこの両面を合わせて接
触させ圧締めすると室温で10秒〜10分以内にかなりの強
度にまで接着するので解圧することができ、そのまま放
置養生すると充分に高い接着強度のものが得られる。初
期接着力に優れていると共に恒久的接着力も発揮される
接着剤の塗布量はA液100重量部(固形分)に対してB
液0.5〜60部、好ましくは2〜30部(ポリアミノアミド
樹脂固形分換算)が適当である。
かくして得られる速硬化水性接着剤は木材、合板、パ
ーテイクルボード、ハードボード等の繊維質材料、スレ
ート板、珪カル板、モルタル、タイル等の無機質材料、
メラミン化粧板、ベークライト、塩化ビニル、発泡スチ
ロール等のプラスチック材料、段ボール、板紙、クラフ
ト紙等の紙質材料等の高速接着に、更に自動車、鉄道車
両、航空機、船舶等の輸送機器用の接着剤、グラフト
剤、セメント混和剤、シール剤等として土木、建築用接
着剤等に幅広く使用できる。
[作用] 本発明の速硬化水性接着剤はA液とB液を被着材の表
面に別々に塗布し、ついで塗布面同志を接触させること
によって硬化反応を起こさせ、僅かの圧締を行うだけで
短時間に強力な接着力を発揮する。故にその作業が迅速
化及び省力化される。しかも、従来の速硬化水性接着剤
に比べ、被着材への汚染、老化が無く、初期接着強度及
び乾燥後の恒久的接着強度、即ち耐水性、耐熱性、耐煮
沸性が特に強く、該接着剤の用途分野が非常に拡大され
産業的利用価値が非常に高い。
[実施例] 以下、実施例を挙げ本発明を具体的に説明する。
尚、以下単に「部」とあるのは「重量部」を、%とあ
るのは「重量%」を意味する。
実施例1 下記で示すA液及びB液を調製した。
A液 平均重合度1200、ケン化度96.5モル%、アセトアセチ
ル化度4.9モル%のAA化PVAを用いて以下の如くしてエマ
ルジョンを得た。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えたセ
パラプルフラスコに水150部、上記AA化PVA15部を仕込み
加温して完全に溶解した後、酢酸ビニルモノマー10部を
仕込み、撹拌しならがフラスコ内の温度を67℃に上げ
た。その間窒素ガスでフラスコ内を置換し、2%の過硫
酸カリウム水3mlを添加して重合を開始した。初期重合
を60分間行い、残りの酢酸ビニルモノマー110部を3時
間にかけて滴下し、その間2%の過硫酸カリウム水12ml
を連続的に添加しながら全モノマーを仕込み、後70℃で
1時間熟成した後、上記AA化PVA15%水溶液を120部とデ
ナコールEX313*、57部を共に添加混合して得られた
水性分散液。
(固形分44%、25℃における粘度750cps) B液 ポリアミノアミド樹脂としてトーマイド#255*の3
0%水溶液(25℃における粘度400cps) * 富士化成工業株式会社製 上記A液、B液からなる速硬化水性接着剤の下記で示
す諸性質を測定した。結果はまとめて第1表に示す。
圧縮剪断接着試験 [接着条件] 25mm×50mm×10mmの2片の樺材の一方の接着面にA液
を塗布量140g/m2(固形分)になるように塗布し、他方
にB液60g/m2(ポリアミノアミド樹脂)になるように塗
布し、両面を接触させて、直ちに10kgf/cm2で圧締し
た。ついで第1表に示す各圧締時間後に解圧し、それぞ
れ5分間養生後、及び72時間養生後に試験に供す。
[試験法] 常態;JISK−6852に準ずる。
20℃における圧縮剪断接着力を測定した。
耐温水;JISK−6801に準ずる。
前述の養生後、接着試験片を60℃の温水中に3時間浸
漬した後、室温の水中にさめるまで浸し、ぬれたままの
状態で圧縮剪断強さを測定した。
煮沸繰り返し;JISK−6802に準ずる。
前述の養生後、試験片を沸騰水中に4時間浸漬した
後、60℃の空気中に20時間乾燥し、再び沸騰水中に4時
間浸す。この処理後室温の水中に冷めるまで浸し、ぬれ
たままの状態で圧縮剪断強さを測定した。
耐熱クリープ試験 25mm×250mmの軟質ポリ塩化ビニルシートの接着面に
A液を110g/m2(固形分)になるように塗布し、他方JAS
II類ラワン合板の片面にB液を20g/m2(固形分)にな
るように塗布した。直ちに両接着面を接触させて、5kgf
/cm2で5分間圧締した後解圧して3日以上養生させた試
験片のポリ塩化ビニルシートの一端をタテ方向に50mm剥
離し、500gの荷重をかけて、70℃の熱風乾燥機内にセッ
トし、60分後に剥離した長さを測定した。この場合剥離
した長さが短いほど耐熱クリープ性が良好であることを
示している。
実施例2 下記で示すA液及びB液を調製した。
A液 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(エチレ
ン含量20%、固形分50%、25℃における粘度530cps)10
0部にAA化PVA(平均重合度1700、ケン化度97モル%、ア
セトアセチル化度6モル%)20%水溶液60部を混合して
得た水性エマルジョンにデナコールEX614*、30部を
添加した水性分散液。
(固形分45.7%、25℃における粘度1500cps) B液 ポリアミノアミド樹脂としてトーマイド#2500*221
部とポリメルカプタンとしてDion3−800LC* 9部を
イソプロパノール/水=30/70(重量比)の混合溶液70
部に溶解した。(固形分30%、25℃における粘度70cp
s) 上記A液、B液からなる速硬化水性接着剤の諸性質を
実施例1に準じて測定した。結果はまとめて第1表に示
す。
実施例3 下記で示すA液及びB液を調整した。
A液 実施例1のAA化PVA15部を水75部に加熱溶解したもの
に、SBRとして品名DL−612(旭ダウ株式会社製品)100
部、エポキシ樹脂として品名エポニール266S(日本合成
化学工業株式会社製品ビスフェノールA型エポキシ樹脂
50%エマルジョン)50部、炭酸カルシウムとしてホワイ
トンSB(白石カルシウム株式会社製品)20部を配合した
水性分散液。
(固形分42.3%、25℃における粘度4400cps) B液 実施例1に同じ 上記A液、B液からなる速硬化水性接着剤の諸性質を
実施例1に準じて測定した。結果はまとめて第1表に示
す。
実施例4 A液 AA化PVA(重合度500、ケン化度99モル%、アセトアセ
チル化度6.5モル%)の20%水溶液100部を予め約50℃に
加温し、エピコート828(シエル・ケミカル社製、液状
ビスフェノールA型エポキシ樹脂)50部を徐々に加えな
がら高速ミキサーで激しくかきまぜ均一なエポキシ樹脂
エマルジョンを得た。
このエマルジョンにPVA(平均重合度1500、ケン化度8
8モル%)が樹脂分当たり6%含有する酢酸ビニル−エ
チレン共重合エマルジョン(エチレン含量18%、樹脂分
50%、25℃における粘度2000cps)100部を添加混合した
(固形分48%、25℃における粘度15000cps)水性エマル
ジョン。
B液 ポリアミノアミド樹脂として品名トーマイド#255
(富士化成工業株式会社製)を40部、トリエチレンテト
ラミン10部とを水50部に分散させた水性分散液。(固形
分50%、25℃における粘度1200cps) 上記A液、B液からなる速硬化水性接着剤の諸性質を
実施例1に準じて測定した。結果はまとめて第1表に示
す。
実施例5 A液 AA化PVA(重合度1700、ケン化度98モル%、アセトア
セチル化度7.1モル%)20%水溶液100部とエポキシ樹脂
として実施例4のエポキシエマルジョン40部、SBR(JSR
#0688、日本合成ゴム株式会社製品)40部を混合した水
性エマルジョン(固形分33%、25℃における粘度7400cp
s) 該水性エマルジョン100部当たり、ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)(ミリオネートMR、日本ポリ
ウレタン工業株式会社製品)10部を使用直前に添加混合
した。
B液 ポリアミノアミド樹脂として品名ポリマイド L−55
−3(アミン価380、三洋化成工業株式会社製品)30部
と2−メチルイミダゾール5部を水65部に溶解した水性
分散液。(固形分35%、25℃における粘度2500cps) 上記A液、B液からなる速硬化水性接着剤の諸性質を
実施例1に準じて測定した。
結果はまとめて第1表に示す。
実施例6 A液 実施例1に同じ B液 脂肪族ポリアミンとしてジエチレントリアミンの
30%水溶液 上記A液、B液からなる速硬化水性接着剤の諸性質を
実施例1に準じて測定した。結果はまとめて第1表に示
す。
実施例7 A液 実施例1に同じ B液 芳香族ポリアミンとしてジアミノジフェニルメタ
ンの30%水溶液 上記A液、B液からなる速硬化水性接着剤の諸性質を
実施例1に準じて測定した。結果はまとめて第1表に示
す。
対照例1 実施例1において、A成分のエポキシ樹脂を含有せず
同例に準じて実験を行った。結果はまとめて第1表に示
す。
対照例2 実施例2においてA成分のAA化PVAに代えてPVA(重合
度1700、ケン化度97モル%)を用いた以外は同例に準じ
て実験を行った。結果はまとめて第1表に示す。
対照例3 実施例3においてB成分であるポリアミノアミド樹脂
に代えてグリオキザールを用いた以外は同例に準じて実
験を行った。結果をまとめて第1表に示す。
対照例4 実施例4においてB成分であるポリアミノアミド樹脂
成分をトリエチルアミンに変更した以外は同例に準じて
実験を行った。結果はまとめて第1表に示す。
[効果] 本発明の速硬化水性接着剤は初期接着強度に優れ、更
に乾燥後の恒久的接着強度、即ち耐水性、耐熱性、耐煮
沸性が特に強く多分野に渡り使用可能であり産業的利用
価値が非常に高い。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−240777(JP,A) 特開 昭61−21171(JP,A) 特開 昭48−61545(JP,A) 特開 平1−221477(JP,A) 特開 昭60−147429(JP,A) 特開 昭61−197649(JP,A) 特開 昭51−11822(JP,A) 特開 昭47−10483(JP,A) 特開 昭50−83431(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 1/00 - 201/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アセトアセチル化ポリビニルアルコール系
    樹脂及びエポキシ樹脂を含有する水性液からなるA液と
    分子内にアミノ基を少なくとも2個以上有するポリアミ
    ン化合物からなるB液とからなる速硬化水性接着剤。
  2. 【請求項2】請求項1記載におけるA液及びB液を被着
    材の表面に別々に塗布し、ついで塗布面同志を密着貼り
    合わせることを特徴とする接着方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載におけるポリアミン化合物が
    ポリアミノアミド樹脂である速硬化水性接着剤。
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