JP3342696B2 - エポキシ樹脂水分散体の製造方法及びそれを用いて製造されるエポキシ樹脂水分散体 - Google Patents

エポキシ樹脂水分散体の製造方法及びそれを用いて製造されるエポキシ樹脂水分散体

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JP3342696B2
JP3342696B2 JP2000394558A JP2000394558A JP3342696B2 JP 3342696 B2 JP3342696 B2 JP 3342696B2 JP 2000394558 A JP2000394558 A JP 2000394558A JP 2000394558 A JP2000394558 A JP 2000394558A JP 3342696 B2 JP3342696 B2 JP 3342696B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス繊維用サイ
ジング剤等に利用されるエポキシ樹脂水分散体を容易に
製造する方法、およびその製造方法によって得られるエ
ポキシ樹脂水分散体に関する。より詳しくは、凝集物の
少ないエポキシ樹脂水分散体であって、その硬化物の機
械的強度が優れるエポキシ樹脂水分散体の製造方法、お
よびその製造方法によって得られるエポキシ樹脂水分散
体に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維は、通常、溶融したガラス
を、例えば、白金製ブッシングの底部に形成された多数
のノズルより繊維状に引き出し、その表面に合成樹脂エ
マルションを主成分とするガラス繊維用サイジング剤を
塗布した後、集束し、巻き取り、カッティング、乾燥等
の工程を経て製造される。そのようなガラス繊維用サイ
ジング剤として使用される合成樹脂エマルションとし
て、種々のものが知られているが、エポキシ樹脂が水に
分散したエポキシ樹脂水分散体は、それが高い硬化性を
有し、得られる硬化物が機械的強度に優れるという特徴
を有するので広く使用されている。
【0003】エポキシ樹脂水分散体は、通常、水中にエ
ポキシ樹脂を乳化することによって得ることができる。
しかし、エポキシ樹脂の粘度が高い場合、エポキシ樹脂
水分散体を製造するために、トルエン等の有機溶剤でエ
ポキシ樹脂を希釈して粘度を低下させる必要がある。し
かし、有機溶剤には引火、爆発の危険性があり、更に、
有機溶剤は大気汚染の一因となり得るので、有機溶剤を
使用する製造方法は、安全性及び地球環境保護の観点か
ら好ましくない。従って、有機溶剤を使用しない、安全
性が高く、環境に優しいエポキシ樹脂水分散体の製造方
法が求められている。
【0004】そのようなエポキシ樹脂水分散体の製造方
法として、有機溶剤を使用しないエポキシ樹脂水分散体
の製造方法が検討されており、例えば、エポキシ樹脂の
存在下でラジカル重合可能な二重結合(又はエチレン性
二重結合)を有する単量体を乳化重合する製造方法が知
られている(特開昭49−106586号公報参照)。
しかし、この製造方法では、目的とするエポキシ樹脂水
分散体の硬化物の強度を向上するために、エチレン性二
重結合を有する単量体に対するエポキシ樹脂の割合を高
くすると(又はエポキシ樹脂に対するエチレン性二重結
合を有する単量体の割合を低くすると)、ラジカル重合
反応の進行に伴って乳化液滴内でラジカル重合しないエ
ポキシ樹脂が析出し、エポキシ樹脂に基づく凝集物が、
エポキシ樹脂水分散体内に発生するという問題がある。
従って、エチレン性二重結合を有する単量体に対してエ
ポキシ樹脂の量が増加すると、得られるエポキシ樹脂水
分散体に凝集物が発生する、即ち、ラジカル重合時の重
合性に劣るという問題がある。
【0005】そこで、エポキシ樹脂に基づく凝集物の発
生を抑制するために、エポキシ樹脂に対してエチレン性
二重結合を有する単量体を増加すると、エポキシ樹脂が
析出し凝集物が生ずるという問題は減少し、好ましくは
実質的に解消するが、得られるエポキシ樹脂水分散体が
硬化して得られる硬化物の機械的強度が低下するという
問題を生ずる。従って、従来通りの単純な乳化重合を利
用する製造方法では、安定性及び硬化物の機械的強度が
十分なエポキシ樹脂水分散体を得ることができなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる課題
を解決するためになされたもので、その課題は、安全性
及び地球環境保護に優れるエポキシ樹脂水分散体の製造
方法であって、得られるエポキシ樹脂水分散体のエポキ
シ樹脂を含む粒子が細かいこと、エポキシ樹脂水分散体
に凝集物が少ないこと(ラジカル重合性に優れるこ
と)、及びその硬化物の機械的強度が高いことから選択
される少なくともいずれかが、従来のエポキシ樹脂水分
散体と比較して向上されたエポキシ樹脂水分散体の製造
方法を提供することである。更に、そのようなエポキシ
樹脂水分散体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の課
題を解決するために鋭意検討した結果、エポキシ樹脂、
エチレン性二重結合を有する単量体及び乳化剤を含むエ
マルション、エポキシ樹脂、エチレン性二重結合を有す
る単量体及び水溶性高分子を含むエマルション、又はエ
ポキシ樹脂、エチレン性二重結合を有する単量体、乳化
剤及び水溶性高分子を含むエマルションであって、油
(もしくは油相)の中に水(もしくは水相)が分散して
いる油中水型(本明細書においては、「W/O型」とも
いう)のエマルションを形成し、このエマルションを、
水の中に油が分散した水中油型(本明細書においては、
「O/W型」ともいう)のエマルションに転相した後、
乳化剤の存在下ラジカル重合させると、得られるエポキ
シ樹脂水分散体のエポキシ樹脂を含む粒子が細かいこ
と、エポキシ樹脂水分散体に凝集物の発生が少ないこ
と、及びその硬化物の機械的強度が高いことから選択さ
れる少なくともいずれかが、従来のエポキシ樹脂水分散
体と比較して向上されたエポキシ樹脂水分散体凝集物を
容易に製造できることを見出し、本発明を完成させるに
至ったものである。
【0008】尚、上述した「W/O型」及び「O/W
型」とは、いずれもエマルションについて一般的に使用
されているW/O型及びO/W型を意味し、その説明を
するために記載した「油」及び「水」も、エマルション
に関して、一般的に用いられている油及び水を意味す
る。例えば、一般的に「油」とは、水と相溶しない液体
を総称したものであり、「水」とは、例えば、水道水、
蒸留水、イオン交換水等をいう。
【0009】即ち、本発明の一つの要旨によれば、新た
な、エポキシ樹脂水分散体の製造方法が提供され、それ
は、 成分(A):エポキシ樹脂から選択される少なくとも一
種、 成分(B):エチレン性二重結合を有する単量体から選
択される少なくとも一種、及び 成分(C):乳化剤から選択される少なくとも一種 を含んで成るW/O型エマルションを形成する工程;そ
のW/O型エマルションをO/W型エマルションに転相
させる工程;及びラジカル重合する工程を含むことを特
徴とする、エポキシ樹脂水分散体の製造方法である。
【0010】更に、本発明の別の要旨によれば、新た
な、エポキシ樹脂水分散体の製造方法が提供され、それ
は、 成分(A):エポキシ樹脂から選択される少なくとも一
種、 成分(B):エチレン性二重結合を有する単量体から選
択される少なくとも一種、及び 成分(D):水溶性高分子から選択される少なくとも一
種 を含んで成るW/O型エマルションを形成する工程;そ
のW/O型エマルションをO/W型エマルションに転相
させる工程;並びにラジカル重合する工程を含むことを
特徴とする、エポキシ樹脂水分散体の製造方法である。
【0011】また、本発明のもう一つの要旨によれば、
新たな、エポキシ樹脂水分散体の製造方法が提供され、
それは、 成分(A):エポキシ樹脂から選択される少なくとも一
種、 成分(B):エチレン性二重結合を有する単量体から選
択される少なくとも一種、 成分(C):乳化剤から選択される少なくとも一種、及
び 成分(D):水溶性高分子から選択される少なくとも一
種 を含んで成るW/O型エマルションを形成する工程;そ
のW/O型エマルションをO/W型エマルションに転相
させる工程;並びにラジカル重合する工程を含むことを
特徴とする、エポキシ樹脂水分散体の製造方法である。
【0012】従って、本発明に係るエポキシ樹脂水分散
体の製造方法においては、油相及びその中に分散する水
相から構成されるW/O型のエマルションは、ラジカル
重合の開始に際して、水相及びその中に分散する油相か
ら構成されるO/W型のエマルションに転相されること
を一つの特徴とする。
【0013】更に、本発明の一つの態様として、上述の
本発明に係るエポキシ樹脂水分散体の製造方法におい
て、成分(A)〜(C)を含んで成る相溶した混合液、
成分(A)、(B)及び(D)を含んで成る相溶した混
合液、又は成分(A)〜(D)を含んで成る相溶した混
合液に、水を加えてW/O型エマルションを形成する工
程;そのW/O型エマルションをO/W型エマルション
に転相させる工程;及びラジカル重合する工程を含むこ
とを特徴とする、エポキシ樹脂水分散体の製造方法を提
供する。
【0014】また、本発明の好ましい一つの態様におい
て、成分(A)の重量平均分子量は、1000〜400
00である製造方法を提供する。更にまた、本発明の別
の態様において、成分(B)が、エポキシ樹脂と開環共
重合する官能基を有し、エチレン性二重結合を有する単
量体から選択される少なくとも一種を含んで成る製造方
法を提供する。更に、本発明の好ましい他の態様におい
て、成分(B)が、エチレン性二重結合を有するその他
の単量体として、更に、不飽和カルボン酸エステル化合
物から選択される少なくとも一種を含んで成る製造方法
を提供する。更に、本発明の別の要旨として、上述の製
造方法によって得られるエポキシ樹脂水分散体を提供す
る。
【0015】本発明に係る「エポキシ樹脂水分散体」と
は、本発明に係る製造方法によって製造され、通常、エ
ポキシ樹脂と呼ばれる化合物が含まれる粒状物が、水性
媒体中に存在(例えば、分散、懸濁等)しているもの
(例えば、分散液、懸濁液、エマルション等の形態を有
するもの)であれば、特に制限されるものではない。こ
こで「水性媒体」とは、一般的な水、例えば蒸留水、イ
オン交換水、及び純水等をいうが、上述のエポキシ樹脂
水分散体の特性に悪影響を与えない範囲で水溶性又は水
に分散可能な有機溶剤、単量体、及びオリゴマー等を含
んでもよく、エチレン性二重結合を有する単量体をラジ
カル重合する際に、通常使用される乳化剤、重合反応開
始剤、還元剤、連鎖移動剤、及びpH調整剤等の各種添
加剤を含んでもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において「成分(A)」と
は、エポキシ樹脂から選択される少なくとも一種であ
り、通常、エポキシ樹脂と呼ばれるものの単独又は組み
合わせから成れば、目的とするエポキシ樹脂水分散体を
得られる限り、特に制限されるものではない。「エポキ
シ樹脂」として、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニ
ルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノ
ール付加反応型エポキシ樹脂等を例示できる。エポキシ
樹脂を単独で又は組み合わせて、成分(A)として使用
できる。
【0017】成分(A)の重量平均分子量は、1000
〜40000であるのが好ましく、1500〜1000
0であるのがより好ましく、2000〜7000である
のが特に好ましい。尚、成分(A)がエポキシ樹脂の組
み合せの場合、組み合わせの重量平均分子量は、100
0〜40000であるのが好ましく、1500〜100
00であるのがより好ましく、2000〜7000であ
るのが特に好ましい。重量平均分子量が1000〜40
000であると、得られるエポキシ樹脂水分散液は、ガ
ラス繊維サイジング剤として利用する際に使用しやす
く、硬化物の機械的強度が優れたものとなり得、好まし
い。成分(A)の重量平均分子量が1000未満の場
合、硬化物の機械的強度が低い場合があり得る。成分
(A)の重量平均分子量が40000を超える場合、得
られるエポキシ樹脂水分散体の粘度が高くなりすぎるた
め、工業的には利用しにくい場合があり得る。
【0018】更に、本発明において「成分(B)」と
は、エチレン性二重結合を有する単量体から選択される
少なくとも一種であり、通常、エチレン性二重結合を有
する単量体と呼ばれるものの少なくとも一つから成れ
ば、目的とするエポキシ樹脂水分散体を得られる限り、
特に制限されるものではない。
【0019】本明細書において「エチレン性二重結合」
とは、ラジカル重合可能な炭素原子間の二重結合をい
い、そのようなエチレン性二重結合を有する官能基とし
て、例えば、ビニル基(CH2=CH−)、(メタ)ア
リル基(CH2=CH−CH2−及びCH2=C(CH3
−CH2−)、(メタ)アクリロイルオキシ基(CH2
CH−COO−及びCH2=C(CH3)−COO−)、
及び−COO−CH=CH−COO−等を例示できる。
従って、「エチレン性二重結合を有する単量体」は、エ
チレン性二重結合を有する官能基を単独で又は組み合わ
せて有してよく、成分(B)は、エチレン性二重結合を
有する単量体の単独又は複数種から成ってよい。尚、本
明細書においては、アクリル酸とメタクリル酸を総称し
て「(メタ)アクリル酸」ともいい、アクリル酸エステ
ルとメタクリル酸エステルを総称して「(メタ)アクリ
ル酸エステル」又は「(メタ)アクリレート」ともい
う。その他も同様である。
【0020】「エチレン性二重結合を有する単量体」と
して、例えば、「エポキシ基と開環共重合する官能基
と、エチレン性二重結合とを有する単量体」、「エポキ
シ基と反応する官能基を有さずエチレン性二重結合を有
する単量体」、「エポキシ樹脂を硬化させる官能基と、
エチレン性二重結合とを有する単量体」等を例示でき
る。
【0021】「エポキシ基と開環共重合する官能基と、
エチレン性二重結合とを有する単量体」とは、エポキシ
基と開環共重合可能な官能基を少なくとも一種含み、エ
チレン性二重結合を少なくとも一つ有する単量体であれ
ば、特に制限されるものではない。「エポキシ樹脂と開
環共重合可能な官能基」として、例えば、エポキシ基、
グリシジル基、3,4−エポキシシクロヘキシル基等を
例示できる。「エチレン性二重結合」については上述し
た通りである。「エポキシ基と開環共重合する官能基
と、エチレン性二重結合とを有する単量体」は、エポキ
シ基と開環共重合可能な官能基を単独で又は組み合わせ
て含むことができ、エチレン性二重結合を有する官能基
を単独で又は組み合わせて含むことができる。
【0022】「エポキシ基と開環共重合する官能基と、
エチレン性二重結合とを有する単量体」として、例え
ば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、グリシジルクロトネート、イタコン酸モノグリシジ
ルエステル、イタコン酸ジグリシジルエステル、アリル
グリシジルエーテル等のグリシジル基とエチレン性二重
結合とを有する単量体を例示でき、これらは、目的に応
じて使用することができる。「エポキシ基と開環共重合
する官能基と、エチレン性二重結合とを有する単量体」
は単独で又は組み合わせて使用できる。
【0023】「エポキシ基と反応する官能基を有さずエ
チレン性二重結合を有する単量体」とは、上述した「エ
ポキシ基と開環共重合をする官能基」及び後述する「エ
ポキシ樹脂を硬化させる官能基」を含まず、エチレン性
二重結合を少なくとも一つ有する単量体であれば、特に
制限されるものではない。
【0024】「エポキシ基と反応する官能基を有さずエ
チレン性二重結合を有する単量体」として、例えば、以
下の化合物を例示できる:メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の不飽和
カルボン酸エステル化合物;スチレン、メチルスチレン
等のスチレン及びその誘導体;アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル等のシアノ基とエチレン性二重結合を有
する単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素とエ
チレン性二重結合を有する単量体;ブタジエン、イソプ
レン、エチレン、プロピレン等のアルケン、ジエン類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル
エステル化合物等。「エポキシ基と反応する官能基を有
さずエチレン性二重結合を有する単量体」として、不飽
和カルボン酸エステル化合物が特に好ましい。「エポキ
シ基と反応する官能基を有さずエチレン性二重結合を有
する単量体」は単独で又は組み合せて使用できる。
【0025】「エポキシ樹脂を硬化させる官能基と、エ
チレン性二重結合とを有する単量体」とは、エポキシ基
を開環させてエポキシ樹脂の硬化を生じさせる官能基を
少なくとも一種含み、エチレン性二重結合を少なくとも
一つ有する単量体であれば、特に、制限されるものでは
ない。後ほど詳細に説明するが、成分(B)が、「エポ
キシ樹脂を硬化させる官能基と、エチレン性二重結合と
を有する単量体」を含んで成る場合、本発明に係るエポ
キシ樹脂水分散体は、一液型の硬化性水分散体となり、
触媒を添加するか又は添加しないで、加熱等によって硬
化し得る。これに対し、成分(B)が、「エポキシ樹脂
を硬化させる官能基とエチレン性二重結合を有する単量
体」を含まない場合、本発明に係るエポキシ樹脂水分散
体は、二液型の硬化性水分散体となり、硬化させるため
には、通常、適当な硬化剤と組み合わせることが必要で
ある。
【0026】「エポキシ樹脂を硬化させる官能基と、エ
チレン性二重結合とを有する単量体」として、例えば、
カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸アミド基、アルカ
ノール置換酸アミド基を含むエチレン性二重結合を有す
る単量体、並びに酸無水物でエチレン性二重結合を有す
る単量体を例示できる。
【0027】「エポキシ樹脂を硬化させる官能基と、エ
チレン性二重結合とを有する単量体」として、より具体
的には、例えば、以下の化合物を例示できる:アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン
酸等のカルボキシル基を含有しエチレン性二重結合を有
する単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキ
シル基を含有しエチレン性二重結合を有する単量体;
(メタ)アクリルアミド等の酸アミド基を含有しエチレ
ン性二重結合を有する単量体;N−メチロール(メタ)
アクリルアミド等のアルカノール置換酸アミド基を含有
しエチレン性二重結合を有する単量体;並びに無水マレ
イン酸、無水イタコン酸等の酸無水物でエチレン性二重
結合を有する単量体。「エポキシ樹脂を硬化させる官能
基と、エチレン性二重結合を有する単量体」は、単独で
又は組み合わせて使用できる。
【0028】また本発明において「成分(C)」とは、
乳化剤から選択される少なくとも一種であり、乳化剤と
通常よばれるものを少なくとも一つ含み、目的とするエ
ポキシ樹脂水分散体を得ることができるものであれば、
特に制限されることはない。「乳化剤」には、イオン性
及び非イオン性の界面活性剤が含まれ、イオン性界面活
性剤として、アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤
を例示できる。
【0029】「アニオン性界面活性剤」として、例え
ば、脂肪酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、液体
脂肪油の硫酸エステル塩、脂肪族アミンおよび脂肪族ア
ミドの硫酸塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル、二
塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪族アミドの
スルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ホルマリ
ン縮合ナフタリンスルホン酸塩等を例示できる。「カチ
オン性界面活性剤」として、例えば、第一アミン塩、第
二アミン塩、第三アミン塩、第四アンモニウム塩、ピリ
ジニウム塩等を例示できる。「両性界面活性剤」には、
例えば、カルボン酸塩型、硫酸エステル塩型、リン酸エ
ステル塩型等を例示できる。
【0030】「非イオン性界面活性剤」として、例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ポ
リオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等を例示
できる。「その他の非イオン性界面活性剤」として、例
えば、ポリプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサ
イドブロック共重合体等のポリオレフィンオキサイドの
ブロック共重合体を例示できる。乳化剤は単独で又は組
み合わせて、成分(C)として使用できる。
【0031】また本発明において「成分(D)」とは、
水溶性高分子から選択される少なくとも一種であり、水
溶性高分子と通常よばれるものを少なくとも一つ含み、
目的とするエポキシ樹脂水分散体を得ることができるも
のであれば、特に制限されることはない。「水溶性高分
子」として、例えば、デンプン類、デキストリン類等の
天然系水溶性高分子、水酸基、カルボキシル基、エチレ
ンオキサイド鎖等を含むPVA、ポリエチレンオキサイ
ド系高分子、ポリカルボン酸等の水溶性合成高分子を例
示できる。
【0032】更に、「水溶性高分子」として、例えば、 単量体(E):カルボキシル基を含有し、エチレン性二
重結合を有する単量体から選択される少なくとも一種、 単量体(F):ヒドロキシル基を含有し、エチレン性二
重結合を有する単量体から選択される少なくとも一種、
及び 単量体(G):ポリオキシエチレン鎖を含有し、エチレ
ン性二重結合を有する単量体から選択される少なくとも
一種 のいずれかの少なくとも一種がラジカル重合された重合
体であって、必要であれば、単量体(H):単量体
(E)〜(G)以外のエチレン性二重結合を有する単量
体から選択される少なくとも一種が、更にラジカル重合
された重合体を例示できる。
【0033】ここで「カルボキシル基を含有し、エチレ
ン性二重結合を有する単量体」とは、カルボキシル基を
少なくとも一つ含み、上述のエチレン性二重結合を有す
る官能基を少なくとも一種有する単量体であり、目的と
するエポキシ樹脂水分散体を得ることができる重合体を
得られるものであれば、特に制限されることなく、適宜
使用することができる。「カルボキシル基を含有し、エ
チレン性二重結合を有する単量体」として、例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等を
例示できる。「カルボキシル基を含有し、エチレン性二
重結合を有する単量体」は、単独で又は組み合わせて単
量体(E)として使用できる。
【0034】更に、「ヒドロキシル基を含有し、エチレ
ン性二重結合を有する単量体」とは、ヒドロキシル基を
少なくとも一つ含み、上述のエチレン性二重結合を有す
る官能基を少なくとも一種有する単量体であり、目的と
するエポキシ樹脂水分散体を得ることができる重合体を
得られるものであれば、特に制限されることなく、適宜
使用することができる。「ヒドロキシル基を含有し、エ
チレン性二重結合を有する単量体」として、例えば、ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等を例
示できる。「ヒドロキシル基を含有し、エチレン性二重
結合を有する単量体」は、単独で又は組み合わせて単量
体(F)として使用できる。
【0035】また、「ポリオキシエチレン鎖を含有し、
エチレン性二重結合を有する単量体」とは、ポリオキシ
エチレン鎖を少なくとも一つ含み、上述のエチレン性二
重結合を有する官能基を少なくとも一種有する単量体で
あり、目的とするエポキシ樹脂水分散体を得ることがで
きる重合体を得られるものであれば、特に制限されるこ
となく、適宜使用することができる。「ポリオキシエチ
レン鎖を含有し、エチレン性二重結合を有する単量体」
として、例えば、アクリル酸ポリエチレングリコール、
メタクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸ポリ
エチレングリコールメチルエーテル、メタクリル酸ポリ
エチレングリコールメチルエーテル等を例示できる。
「ポリオキシエチレン鎖を含有し、エチレン性二重結合
を有する単量体」は、単独で又は組み合わせて単量体
(G)として使用できる。
【0036】更にまた、「単量体(E)〜(G)以外の
エチレン性二重結合を有する単量体」とは、上述の単量
体(E)〜(G)以外の単量体であって、上述のエチレ
ン性二重結合を有する官能基を少なくとも一種有する単
量体であり、目的とするエポキシ樹脂水分散体を得るこ
とができる重合体を得られるものであれば、特に制限さ
れることなく、適宜使用することができる。「単量体
(E)〜(G)以外のエチレン性二重結合を有する単量
体」として、例えば、以下の単量体を例示できる: (H1)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプ
ロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ペン
チル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)
アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデ
シル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリル酸ベヘニル及びドコシル
(メタ)アクリレート、等のアルキル(メタ)アクリレ
ート(アルキル基には、シクロアルキル基が含まれ
る); (H2)スチレン及びビニルトルエン等のスチレン及び
スチレンの誘導体; (H3)エチレン等のアルケン類; (H4)酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等のビニル
エステル化合物; (H5)塩化ビニル及び塩化ビニレン等の塩素化された
ビニル化合物; (H6)アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等の
シアノ基を有するエチレン性炭素原子間二重結合を有す
る化合物;並びに (H7)ブタジエン及びイソプレン等のジエン類、エチ
レンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン及びアリル
メタクリルエステル等のエチレン性二重結合を二つ以上
有する化合物。 「単量体(E)〜(G)以外のエチレン性二重結合を有
する単量体」は、単独で又は組み合わせて、単量体
(H)として使用できる。
【0037】単量体(E)、(F)及び(G)のいずれ
かの少なくとも一種、更に、必要であれば単量体(H)
は、常套の重合方法を用いて重合することができる。重
合は、水性媒体中で、水溶液重合、乳化重合、もしくは
懸濁重合を用いて行ってもよく、水と一定の割合で混合
できる有機溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチ
ルホルムアミド、イソプロピルアルコール、エタノー
ル、ブタノール等の有機溶媒中で溶液重合を行ってもよ
い。ここで「水性媒体」とは、上述した通りである。
【0038】重合の反応温度、反応時間、媒体、媒体中
の各々の単量体の濃度、重合開始剤の種類及び濃度、並
びに攪拌速度等の重合反応条件は、目的とする水溶性高
分子の特性及び形態等によって当業者であれば容易に適
宜選択できるものである。媒体中での重合は回分式でも
連続式でも行うことができる。
【0039】重合には、重合開始剤を用いるのが好まし
い。「重合開始剤」とは、後述する通りである。重合
は、溶媒として上述の「水と一定の割合で混合できる有
機溶媒」、重合開始剤として過酸化ベンゾイル等の過酸
化物、アゾビスイソブチロニトリル、並びに過硫酸カリ
ウム及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等を用いるのが
好ましい。
【0040】単量体(E)、(F)及び(G)のいずれ
かの少なくとも一種と必要であれば用いられる単量体
(H)の重量比(単量体(E)、(F)及び(G)のい
ずれかの少なくとも一種/単量体(H))は、100/
0〜5/95が好ましく、70/30〜10/90がよ
り好ましく、50/50〜40/60が特に好ましい。
【0041】尚、上述の単量体(E)、(F)、(G)
のいずれかの少なくとも一種、更に、必要であれば単量
体(H)が重合された重合体は、必要に応じてアルカリ
性物質で中和して用いてもよい。ここで「アルカリ性物
質」とは、一般的な水(例えば、水道水、蒸留水、及び
イオン交換水等)に溶解してアルカリ性(pH>7)を
呈する物質のことであって、一価の金属及び二価の金属
の水酸化物及び炭酸塩、アンモニア、並びに有機アミン
等を例示することができる。特に、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムが好ましい。こ
れらは、単独で又は組み合わせて用いることができる。
従って、上述した重合体の塩の対カチオンとして、一価
の金属及び二価の金属イオン、アンモニウムイオン、並
びに有機アンモニウムイオン等を例示でき、特に、ナト
リウムイオン、カリウムイオン、及びカルシウムイオン
が好ましい。上述の「水溶性高分子」は、単独で又は組
み合わせて、成分(D)として、使用できる。
【0042】本発明に係るエポキシ樹脂水分散体の製造
方法においては、上述の成分(A)〜(C)を用いる場
合、まず、上述の成分(A)〜(C)を含んで成るW/
O型エマルションを形成する。W/O型エマルションを
形成する方法は、目的とするエポキシ樹脂水分散体を得
ることができる限り、特に制限されるものではないが、
上述の成分(A)〜(C)を含んで成る相溶した混合液
を作製し、水を加えてW/O型エマルションを形成する
のが好ましい。相溶した混合液の作製時、もしくはW/
O型エマルションを形成時に、必要に応じて加熱してよ
く、例えば、相溶した混合液の作製時に80〜90℃に
加熱してもよい。
【0043】成分(A)〜(C)を含んで成る相溶した
混合液を作製する場合、成分(A)〜(C)を、同時に
混合して均一な相溶した混合液を作製してもよいし、成
分(A)及び(B)を相溶した後、成分(C)を加えて
もよい。成分(C)を、相溶した成分(A)と(B)の
混合液に加える場合、成分(C)を加え、例えば、液温
を約70℃に加熱して、成分(C)を完全に溶解しても
よい。成分(A)〜(C)の相溶した混合液に、水を加
えてW/O型エマルションを作製する場合、この成分
(A)〜(C)が相溶した均一な混合液に徐々に水を添
加してW/O型エマルションを作製する。
【0044】更に、本発明に係るエポキシ樹脂水分散体
の製造方法において、上述の成分(A)、(B)及び
(D)を用いる場合、上述の成分(A)〜(C)の代わ
りに、成分(A)、(B)及び(D)を用いる以外は同
様の方法を用いて、成分(A)、(B)及び(D)を含
んで成るW/O型エマルションを形成する。成分
(A)、(B)及び(D)を含んで成る相溶した混合液
を作製し、水を加えてW/O型エマルションを形成する
のが好ましい。
【0045】成分(A)、(B)、及び(D)を含んで
成る相溶した混合液を作製する場合、成分(A)、
(B)、及び(D)を、同時に混合して均一な相溶した
混合液を作製してもよいし、成分(A)及び(B)を相
溶した後、成分(D)を加えてもよい。成分(D)を、
相溶した成分(A)と(B)の混合液に加える場合、成
分(D)を加え、例えば、液温を約70℃に加熱して、
成分(D)を完全に溶解してもよい。成分(A)、
(B)、及び(D)の相溶した混合液に、水を加えてW
/O型エマルションを作製する場合、この成分(A)、
(B)、及び(D)の相溶した均一な混合液に徐々に水
を添加してW/O型エマルションを作製する。
【0046】また、本発明に係るエポキシ樹脂水分散体
の製造方法において、上述の成分(A)〜(D)を用い
る場合、上述の成分(A)〜(C)の代わりに、成分
(A)〜(D)を用いる以外は同様の方法を用いて、成
分(A)〜(D)を含んで成るW/O型エマルションを
形成する。成分(A)〜(D)を含んで成る相溶した混
合液を作製し、水を加えてW/O型エマルションを形成
するのが好ましい。
【0047】また、成分(A)〜(D)を含んで成る相
溶した混合液を作製する場合、成分(A)〜(D)を、
同時に混合して均一な相溶した混合液を作製してもよい
し、成分(A)と(B)を相溶した後、成分(C)と
(D)を加えてもよい。成分(C)と(D)を、相溶し
た成分(A)と(B)の混合液に加える場合、成分
(C)と(D)を加え、例えば、液温を約70℃に加熱
して、成分(C)と(D)を完全に溶解してもよい。成
分(A)〜(D)の相溶した混合液に、水を加えてW/
O型エマルションを作製する場合、この成分(A)〜
(D)の相溶した均一な混合液に徐々に水を添加してW
/O型エマルションを作製する。
【0048】本発明に係るエポキシ樹脂水分散体の製造
方法において、上述の成分(A)〜(C)を用いる場
合、成分(A)、(B)及び(D)を用いる場合、並び
に成分(A)〜(D)を用いる場合のいずれの場合にお
いても、W/O型エマルションが含む成分(A)及び
(B)の重量は、目的とするエポキシ樹脂水分散体に応
じて適宜選択されるべきものであるが、成分(A)10
0重量部当たり、成分(B)に含まれる、「エポキシ基
と開環共重合する官能基と、エチレン性二重結合とを有
する単量体」は20〜80重量部であるのが好ましく、
25〜60重量部であるのがより好ましく、30〜50
重量部であるのが特に好ましい。また、成分(A)10
0重量部当たり、成分(B)に含まれる、「エポキシ基
と反応する官能基を有さずエチレン性二重結合を有する
単量体」は0〜70重量部であるのが好ましく、10〜
60重量部であるのがより好ましく、30〜50重量部
であるのが特に好ましい。
【0049】更に、成分(A)100重量部当たり、成
分(B)に含まれる、「エポキシ基と開環共重合する官
能基と、エチレン性二重結合とを有する単量体」は20
〜80重量部、成分(B)に含まれる、「エポキシ基と
反応する官能基を有さずエチレン性二重結合を有する単
量体」は0〜70重量部であるのが好ましい。成分
(A)100重量部当たり、成分(B)に含まれる、
「エポキシ基と開環共重合する官能基と、エチレン性二
重結合とを有する単量体」は25〜60重量部、成分
(B)に含まれる、「エポキシ基と反応する官能基を有
さずエチレン性二重結合を有する単量体」は10〜60
重量部であるのがより好ましい。成分(A)100重量
部当たり、成分(B)に含まれる、「エポキシ基と開環
共重合する官能基と、エチレン性二重結合とを有する単
量体」は30〜50重量部、成分(B)に含まれる「エ
ポキシ基と反応する官能基を有さずエチレン性二重結合
を有する単量体」は30〜50重量部であるのが特に好
ましい。
【0050】尚、成分(A)に対して、「エポキシ基と
開環共重合する官能基と、エチレン性二重結合とを有す
る単量体」、及び「エポキシ基と反応する官能基を有さ
ずエチレン性二重結合を有する単量体」の量が多い場
合、得られるエポキシ樹脂水分散体に凝集物が発生する
ことを実質的に防止し得る。また、成分(A)に対し
て、「エポキシ基と開環共重合する官能基と、エチレン
性二重結合とを有する単量体」、及び「エポキシ基と反
応する官能基を有さずエチレン性二重結合を有する単量
体」の量が少ない場合、本発明に係るエポキシ樹脂水分
散体の硬化物の機械的強度が向上され得る。
【0051】本発明に係るエポキシ樹脂水分散体の製造
方法において、上述の成分(A)〜(C)を用いる場
合、並びに成分(A)〜(D)を用いる場合のいずれの
場合においても、それらのW/O型エマルションが含む
成分(C)の重量は、目的とするエポキシ樹脂水分散体
に応じて適宜選択されるべきものであるが、成分(A)
100重量部当たり、成分(C)は2〜20重量部含ま
れるのが好ましく、5〜15重量部含まれるのがより好
ましく、8〜12重量部含まれるのが特に好ましい。
尚、成分(C)が少ない場合、エポキシ樹脂水分散体の
分散安定性が低下し得、多い場合、エポキシ樹脂水分散
体が形成する塗膜の耐水性、エポキシ樹脂水分散体の硬
化物の強度等が低下し得る。
【0052】また、本発明に係るエポキシ樹脂水分散体
の製造方法において、成分(A)、(B)及び(D)を
用いる場合、並びに成分(A)〜(D)を用いる場合の
いずれの場合においても、それらのW/O型エマルショ
ンが含む成分(D)の重量は、目的とするエポキシ樹脂
水分散体に応じて適宜選択されるべきものであるが、成
分(A)100重量部当たり、成分(D)は5〜100
重量部含まれるのが好ましく、10〜50重量部含まれ
るのがより好ましく、20〜40重量部含まれるのが特
に好ましい。尚、成分(D)が少ない場合、成分(C)
と同様に、エポキシ樹脂水分散体の分散安定性が低下し
得、多い場合、エポキシ樹脂水分散体が形成する塗膜の
耐水性、エポキシ樹脂水分散体の硬化物の強度等が低下
し得る。
【0053】更に、本発明に係るエポキシ樹脂水分散体
の製造方法において、上述の成分(A)〜(C)を用い
る場合、W/O型エマルションに含まれる成分(A)〜
(C)の重量は、(A)100重量部当たり、成分
(B)に含まれる「エポキシ基と開環共重合する官能基
と、エチレン性二重結合とを有する単量体」は20〜8
0重量部、成分(B)に含まれる「エポキシ基と反応す
る官能基を有さずエチレン性二重結合を有する単量体」
は0〜70重量部であり、成分(C)は2〜20重量部
であるのが好ましい。成分(A)100重量部当たり、
成分(B)に含まれる「エポキシ基と開環共重合する官
能基と、エチレン性二重結合とを有する単量体」は25
〜60重量部、成分(B)に含まれる「エポキシ基と反
応する官能基を有さずエチレン性二重結合を有する単量
体」は10〜60重量部であり、成分(C)は5〜15
重量部であるのがより好ましい。成分(A)100重量
部当たり、成分(B)に含まれる「エポキシ基と開環共
重合する官能基と、エチレン性二重結合とを有する単量
体」は30〜50重量部、成分(B)に含まれる「エポ
キシ基と反応する官能基を有さずエチレン性二重結合を
有する単量体」は30〜50重量部であり、成分(C)
は8〜12重量部であるのが特に好ましい。
【0054】更に、本発明に係るエポキシ樹脂水分散体
の製造方法において、上述の成分(A)、(B)及び
(D)を用いる場合、W/O型エマルションに含まれる
成分(A)、(B)及び(D)の重量は、(A)100
重量部当たり、成分(B)に含まれる「エポキシ基と開
環共重合する官能基と、エチレン性二重結合とを有する
単量体」は20〜80重量部、成分(B)に含まれる
「エポキシ基と反応する官能基を有さずエチレン性二重
結合を有する単量体」は0〜70重量部であり、成分
(D)は5〜100重量部であるのが好ましい。成分
(A)100重量部当たり、成分(B)に含まれる「エ
ポキシ基と開環共重合する官能基と、エチレン性二重結
合とを有する単量体」は25〜60重量部、成分(B)
に含まれる「エポキシ基と反応する官能基を有さずエチ
レン性二重結合を有する単量体」は10〜60重量部で
あり、成分(D)は10〜50重量部であるのがより好
ましい。成分(A)100重量部当たり、成分(B)に
含まれる「エポキシ基と開環共重合する官能基と、エチ
レン性二重結合とを有する単量体」は30〜50重量
部、成分(B)に含まれる「エポキシ基と反応する官能
基を有さずエチレン性二重結合を有する単量体」は30
〜50重量部であり、成分(D)は20〜40重量部で
あるのが特に好ましい。
【0055】更に、本発明に係る製造方法において、上
述の成分(A)〜(D)を用いる場合、W/O型エマル
ションに含まれる成分(A)〜(D)の重量は、(A)
100重量部当たり、成分(B)に含まれる「エポキシ
基と開環共重合する官能基と、エチレン性二重結合とを
有する単量体」は20〜80重量部、成分(B)に含ま
れる「エポキシ基と反応する官能基を有さずエチレン性
二重結合を有する単量体」は0〜70重量部であり、成
分(C)は2〜20重量部であり、成分(D)は5〜1
00重量部であるのが好ましい。成分(A)100重量
部当たり、成分(B)に含まれる「エポキシ基と開環共
重合する官能基と、エチレン性二重結合とを有する単量
体」は25〜60重量部、成分(B)に含まれる「エポ
キシ基と反応する官能基を有さずエチレン性二重結合を
有する単量体」は10〜60重量部であり、成分(C)
は5〜15重量部であり、成分(D)は10〜50重量
部であるのがより好ましい。成分(A)100重量部当
たり、成分(B)に含まれる「エポキシ基と開環共重合
する官能基と、エチレン性二重結合とを有する単量体」
は30〜50重量部、成分(B)に含まれる「エポキシ
基と反応する官能基を有さずエチレン性二重結合を有す
る単量体」は30〜50重量部であり、成分(C)は8
〜12重量部であり、成分(D)は20〜40重量部で
あるのが特に好ましい。
【0056】尚、エマルションの型は、一部エマルショ
ンをサンプリングし、一滴、水中に落とし、落とした滴
の状態を観察することで容易に知ることができる。即
ち、滴が、水に分散する場合、O/W型であり、滴が、
水中又は水面にかたまっている場合、W/O型である。
【0057】本発明に係る製造方法においては、いずれ
の製造方法においても、これらのW/O型エマルション
を、O/W型エマルションに転相させた後、ラジカル重
合することを一つの特徴としている。転相させる方法
は、目的とするエポキシ樹脂水分散体を得ることができ
る限り、特に制限されるものではなく、例えば、上述の
W/O型エマルションを攪拌しながら、「乳化剤を変化
させる方法」、「温度を変化させる方法」、「水を加え
る方法」等の公知のいずれの方法をも使用することがで
きるが、「水を加える方法」を用いるのが好ましい。
【0058】W/O型エマルションがO/W型エマルシ
ョンに転相する際に、高い煎断力が発生し、この煎断力
によってエポキシ樹脂を含む小さい粒子が形成され、本
発明が目的とするエポキシ樹脂水分散体が得られるもの
と考えられるが、このことが本発明を何ら制限するもの
ではない。
【0059】転相後は、通常、乳化重合とよばれる方法
を用いて、いずれのO/W型エマルションもラジカル重
合される。乳化重合の重合反応条件は、目的とするエポ
キシ樹脂水分散体の特性に応じて適宜選択され得るもの
である。通常、所定量の重合開始剤と必要に応じて重合
開始促進剤を、転相して得られるO/W型エマルション
に加えることによって、ラジカル重合反応は開始され
る。重合開始剤と重合開始促進剤の添加を終了後、更に
消泡剤等の添加剤を少量加えるのが好ましい。ラジカル
重合の間の凝集物の析出は抑制され、好ましくは実質的
に凝縮物の析出は認められない。これは、得られるO/
W型エマルション内部のエポキシ樹脂を含む粒子は小さ
く、ラジカル重合反応はこの粒子内で進行すると考えら
れるからであるが、このことが何ら本発明を制限するも
のではない。
【0060】ここで「重合開始剤」とは、添加によって
ラジカル重合反応を起こさせることができる化合物をい
い、本発明に係るラジカル重合反応で使用する「重合開
始剤」として、水溶性、又は油溶性の重合開始剤を使用
できる。「水溶性重合開始剤」として、例えば、過硫酸
塩、過酸化物、水溶性のアゾビス化合物、過酸化物−還
元剤のレドックス系等を例示できる。「過硫酸塩」とし
て、具体的には、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸
カリウム、過硫酸ナトリウム等を例示できる。「過酸化
物」として、具体的には、例えば、過酸化水素、t−ブ
チルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシマ
レイン酸、コハク酸パーオキサイド等を例示できる。
【0061】「水溶性アゾビス化合物」として、具体的
には、例えば、2,2’−アゾビス(N−ヒドロキシエ
チルイソブチルアミド)、2,2’−アゾビス(アミジ
ノプロパン)ジヒドロクロリド、4,4’−アゾビス
(4−シアノペンタン)等を例示できる。「過酸化物−
還元剤のレドックス系」として、上述した、例えば、過
酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシマレイン酸、コハク酸パーオキサイド等
の過酸化物に、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫
酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウ
ム、第一銅塩、第一鉄塩等の還元剤を添加したものを例
示できる。
【0062】「油溶性の重合開始剤」として、例えば、
過酸化物、油溶性のアゾビス化合物等を例示できる。
「過酸化物」として、具体的には、例えば、ベンゾイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等を例示で
きる。「油溶性のアゾビス化合物」として、具体的に
は、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,
2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等を
例示できる。
【0063】また、本発明に係るラジカル重合反応にお
いては、必要に応じて、例えば、リン酸水素ナトリウム
等のpH調整剤、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデ
シルメルカプタン等の分子量調整剤、並びに可塑剤等を
ラジカル重合反応の前、ラジカル重合反応中、又はラジ
カル重合反応後に、添加することができる。
【0064】尚、本発明に係るいずれの製造方法におい
ても、「水を加える方法」を用いてW/O型エマルショ
ンをO/W型エマルションに転相させる場合、水を少し
ずつ徐々に添加して転相させ、転相後もさらに水を少量
ずつ添加し、所定量の水を添加後、しばらく攪拌を続け
るのが好ましい。水の添加を終了後、得られたO/W型
エマルションを約60℃に保つのが好ましい。このO/
W型エマルションに、上述したように所定量の重合開始
剤と、必要に応じて重合開始促進剤を添加してラジカル
重合を行うのが好ましい。添加する時間は、適宜選択さ
れ得る。重合開始剤と重合開始促進剤の添加を終了後、
消泡剤等の添加剤を少量添加するのが好ましい。転相さ
せる場合に「水を加える方法」を用いても、ラジカル重
合の間の凝集物の析出は抑制され、好ましくは実質的に
凝縮物の析出は認められない。上述と同様の理由による
ものと考えられるが、このことが何ら本発明を制限する
ものではない。
【0065】「水を加える方法」を用いて転相させる場
合、転相させる条件は、目的とするエポキシ樹脂水分散
体によって適宜選択できるものである。例えば、エポキ
シ樹脂と水の重量比は、特に限定されるものではない
が、エポキシ樹脂/水(重量比)=70/30〜10/
90であるのが好ましい。エポキシ樹脂が多い場合、最
終生成物の粘度が高くなりすぎ、エポキシ樹脂が少ない
場合、工業材料としてのメリットが低下する。転相する
ために添加する水の温度は、転相させる流体の温度と同
等の温度であるのが、製造条件をより一定にできるので
好ましい。
【0066】本発明に係る製造方法を用いて得られるエ
ポキシ樹脂水分散体のエポキシ樹脂を含む粒子の寸法
は、0.1〜2.0μmが好ましく、0.5〜1.5μ
mがより好ましく、0.6〜1.0μmが特に好まし
い。寸法が0.1μm未満の粒子を製造するには、エマ
ルションが転相する際の煎断力に加え、更に、特に強い
攪拌を行うか、多量の乳化剤を使用する必要があると考
えられる。また、寸法が2.0μmを超える場合、粒子
の沈降が発生しやすくなり、得られるエポキシ樹脂水分
散体の貯蔵安定性が低いものとなり得ると考えられる
が、これらによって本発明が何ら制限されるものではな
い。
【0067】従って、本発明は、上述の製造方法を用い
て製造されるエポキシ樹脂水分散体を提供する。本発明
に係る製造方法によって得られるエポキシ樹脂水分散体
は、上述したように、成分(B)が「エポキシ樹脂を硬
化させる官能基と、エチレン性二重結合とを有する単量
体」を含んで成る場合、一液型の硬化性水分散体として
用いることができる。一方、エポキシ樹脂を硬化させる
ために、更に、必要に応じて硬化剤を用い、二液型の硬
化性水分散体として用いることもできる。「硬化剤」と
して、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられるも
のであれば、特に制限されることはなく、そのような硬
化剤として、例えば、ポリアミン系硬化剤、酸無水物系
硬化剤、フェノール樹脂、ポリメルカプタン、ルイス酸
錯体等を例示できる。
【0068】「ポリアミン系硬化剤」として、例えば、
脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミ
ン、ポリアミド、第三級アミン等を例示できる。「脂肪
族ポリアミン」として、具体的に、例えば、エチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン及びこれらの変性体を例
示できる。「脂環族ポリアミン」として、具体的に、例
えば、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、N−ア
ミノエチルピペラジン、ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン及びこれらの変性体を例示できる。「芳香族ポリアミ
ン」として、具体的に、例えば、m−キリシレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルスルホン及びこれらの変性体を
例示できる。
【0069】「ポリアミド」として、具体的に、例え
ば、ダイマー酸等のジカルボン酸と上述の脂肪族ポリア
ミン、脂環族ポリアミン、及び芳香族ポリアミンとの縮
合物を例示できる。「第三級アミン」として、具体的
に、例えば、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−ト
リスジメチルアミノメチルフェノール等の第三級アミノ
基含有化合物及びこれらの変性体、イミダゾール、2−
メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合
物及びこれらの変性体等を例示できる。また、「その他
のポリアミン」として、ジシアンジアミド、アジピン酸
ジヒドラジド等を例示できる。
【0070】「酸無水物系硬化剤」として、例えば、一
官能性の酸無水物系硬化剤及び二官能性の酸無水物系硬
化剤を例示でき、一官能性の酸無水物系硬化剤として、
例えば、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無
水ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸及びこれらの変性体を例示できる。二官能性の酸無
水物系硬化剤として、例えば、無水ピロメリット酸、無
水ベンゾフェノンテトラカルボン酸及びこれらの変性体
を例示できる。
【0071】「フェノール樹脂」として、例えば、ノボ
ラック型のフェノール樹脂、レゾン型のフェノール樹脂
等を例示できる。「ポリメルカプタン」として、チオグ
リコール酸と多価アルコールとの縮合物やポリサルファ
イド等を例示できる。「ルイス酸錯体」として、三フッ
化ホウ素のアミン錯体等を例示できる。硬化剤として、
ポリアミン系硬化剤が好ましい。これらの硬化剤は単独
で又は組み合わせて使用できる。
【0072】硬化剤の添加量は、エポキシ樹脂水分散体
が完全に硬化し得る量であればよく、使用条件等によっ
て適宜選択されるものである。硬化剤を用いて本発明に
係るエポキシ樹脂水分散体を硬化させ、例えば、接着剤
として使用する場合、エポキシ樹脂水分散体と硬化剤を
混合した後、被着体に塗布してもよい。また、被着体の
片方にエポキシ樹脂水分散体を塗布し、他方の被着体に
硬化剤を塗布し、両者の塗布面を重ねあわせることによ
って混合する方法を用いることもできる。後者の方法は
可使時間の延長を図ることができるという利点がある。
【0073】本発明に係るエポキシ樹脂水性分散体の硬
化は、常温で又は加熱することによって水を揮散した
後、常温で行ってもよく、また加熱して硬化を行っても
よい。また、本発明に係るエポキシ樹脂水性分散体の硬
化は、水を揮散することなく被着体を張り合わせ、常温
で又は加熱することによって行ってもよい。
【0074】上述の本発明に係るエポキシ樹脂水分散体
には、更に、必要に応じてタッキーファイヤー(又は粘
着付与樹脂)、及びゴム成分等を添加することができ
る。「タッキーファイヤー」として、例えば、ロジン
系、ロジン誘導体系、テルペン樹脂系、テルペン誘導体
系等の天然タッキーファイヤー、石油樹脂系、スチレン
樹脂系、クロマインデン樹脂系、フェノール樹脂系、キ
シレン樹脂系等の合成系タッキーファイヤー等を例示で
きる。これらのタッキーファイヤーは水分散体又は水溶
液の形態で加えることが好ましい。「ゴム成分」とし
て、例えば、液状ニトリルゴム、シリコンゴム等を例示
できる。また、硬化性能をさらに向上させるためにメラ
ミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ
樹脂を添加してもよい。また、殺菌剤、防腐剤、消泡
剤、可塑剤、pH調整剤等を添加してもよい。
【0075】このような本発明に係るエポキシ樹脂水分
散体は、ガラス繊維用サイジング剤として使用できる
が、更に、繊維加工剤、接着剤、粘着剤、塗料、印刷イ
ンキ、ガスバリヤ性包装材料、加工紙、建築材料等とし
て使用することができる。「繊維加工剤」として、例え
ば、不織布、カーペット、電気植毛布、積層布、タイヤ
コード等の加工に使用できる。「接着剤」として、例え
ば、木材、合板、パーティクルボード、石膏ボード、
鉄、アルミ等の金属、プラスチックフィルム、プラスチ
ックフォーム、プラスチックの不織布、ガラス繊維、ガ
ラス布、FRP等の接着に使用できる。「粘着剤」とし
て、例えばテープ、ラベル、壁紙、床材等の接着に使用
できる。「塗料」として、例えば、コンクリート、木
材、金属、フロアポリッシュ等の塗工に使用できる。
「建築材料」として、例えば、シーリング材、ラテック
スセメント、防水材等として使用できる。
【0076】本発明に係るエポキシ樹脂水分散体の製造
方法は、従来の製造方法と比較して、溶剤の使用量を減
らすこと(好ましくは溶剤を使用しないこと)、得られ
るエポキシ樹脂水分散体のエポキシ樹脂を含む粒子が細
かいこと、エポキシ樹脂水分散体に凝集物が少ないこ
と、及びその硬化物の機械的強度が高いことから選択さ
れる少なくとも一種を向上することができる。これは、
以下の理由によると考えられる。W/O型エマルション
をO/W型エマルションに転相させることによって、O
/W型エマルション中に分散しているエポキシ樹脂を含
む粒子の寸法を小さくすることができる。寸法が小さい
粒子内でラジカル重合が起こるので、凝集物の析出が抑
制されると考えられる。従って、エポキシ樹脂水分散体
の凝集物の生成が抑制され、好ましくは実質的に凝集物
が生成しない水分散体を得ることができると考えられる
が、これらの理由により、本発明に係る製造方法及びエ
ポキシ樹脂水分散体が何ら制限を受けるものではない。
【0077】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一
態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0078】実施例及び比較例のエポキシ樹脂水分散体
を製造するために使用した成分を以下に示す。(a1)
は、重量平均分子量が2000のビスフェノールA型の
エポキシ樹脂(東都化成製のYD012(商品名))で
あり、(a2)は、重量平均分子量が13000のビス
フェノールA型のエポキシ樹脂(東都化成製のYD01
9(商品名))であり、(a1)及び(a2)を単独
で、成分(A)として用いた。(b1)は、グリシジル
メタクリレートであり、(b2)は、メチルメタクリレ
ートであり、(b1)及び(b2)を単独で又は組み合
わせて、成分(B)として用いた。(c1)は、ポリプ
ロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイドブロック
共重合体(旭電化工業(株)製のプルロニックF108
(商品名))であり、(c2)は、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル(花王(株)製のエマルゲン9
50(商品名))であり、(c1)及び(c2)を組み
合せて、成分(C)として用いた。
【0079】実施例1 エポキシ樹脂水分散体の製造 表1に示されるように、100重量部の(a1)エポキ
シ樹脂、20重量部の(b1)グリシジルメタクリレー
ト、さらに乳化剤として6重量部の(c1)ポリプロピ
レンオキサイド−ポリエチレンオキサイドブロック共重
合体及び4重量部の(c2)ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテルを、攪拌機、温度計、滴下漏斗、還流
冷却管を備えたフラスコに仕込み、80℃に加熱攪拌し
て完全に相溶化させた混合液を得た。
【0080】混合液の温度を60℃に調節後、水温を6
0℃に調節した90重量部の蒸留水を、攪拌しながら少
量ずつ徐々に混合液に添加して乳濁液を得た。この乳濁
液を得る過程において、数回サンプリングして、一滴を
蒸留水に落として、滴の水中での状態によって、エマル
ションの型を観察した。蒸留水を添加する初期の段階に
おいては、滴がそのまま水面にかたまったので、W/O
型のエマルションであったが、さらに水を添加すること
で、滴が水面全体に広がるようになったので、W/O型
エマルションからO/W型エマルションに転相したこと
が確認された。
【0081】得られたO/W型エマルションを加熱して
80℃にした後、このエマルションに重合開始剤として
40重量部(水を含む)の1重量%過硫酸カリウム水溶
液を2時間かけて攪拌しながら滴下してラジカル重合さ
せ、更に80℃で2時間攪拌することでラジカル重合反
応を完結させ、エマルジョンの形態の実施例1のエポキ
シ樹脂水分散体を得た。得られた実施例1のエポキシ樹
脂水分散体は蒸発残分50重量%であり、エポキシ樹脂
を含む粒子の寸法は0.70μmであった。ここで、蒸
発残分は、実施例1のエポキシ樹脂水分散体を、105
℃で3時間加熱して得た残分の重量を秤量し、加熱前の
重量に対する加熱後の重量の重量%を求めることによっ
て得た。また、エポキシ樹脂を含む粒子の寸法は、日立
製作所製の分光光度計U3000型(商品名)を使用し
て、測定した吸光度から算出した。
【0082】エポキシ樹脂水分散体の評価 (i)凝集物の有無 エポキシ樹脂水分散体を200メッシュの金網でろ過
し、金網に残った凝集物の量を測定した。金網に凝集物
が少ない場合、凝集物について良好であるし、金網に凝
集物が多い場合、凝集物について不良とした。実施例1
のエポキシ樹脂水分散体の凝集物については良好であっ
た。
【0083】(ii)硬化物の強度 市販のFRP用ガラスロービング(ロービング番号24
00g/1000m)からストランドを引き出し、電気
炉にてストランドを550℃で2分間加熱してバインダ
ーを取り除いた。一方、10重量部(水を含む)の実施
例1のエポキシ樹脂水分散体に、0.3重量部のγ−メ
タアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、0.1重
量部のステアリン酸テトラエチレンペンタミン縮合物を
加えて、サイジング剤を作製した。上述のバインダーを
取り除いたストランドを、サイジング剤に含浸した後、
140℃で30分間サイジング剤を硬化させた。その
後、長さ6mmのチョップドストランドを作製した。1
00重量部のイソフタル酸系ポリエステル樹脂、3重量
部のベンゾイルパーオキサイド(50重量%)のペース
ト及び75重量部の上述のチョップドストランドを混合
して得た樹脂のコンパウンドをニーダーを用いて7分間
混練し、プレス成形して実施例1のテストピースを作製
した。このテストピースについて、ASTM−D638
号に記載された方法を用いて、引張り強度を測定した。
この測定結果に基づき、強度が大きいものを、エポキシ
樹脂分散体の硬化物の強度が良好、強度が小さいものを
不良とした。実施例1のエポキシ樹脂水分散体の硬化物
の強度は良好であった。以上の結果は表1に示した。
【0084】実施例2 実施例1において、100重量部の(a1)エポキシ樹
脂及び20重量部の(b1)グリシジルメタクリレート
の代わりに、100重量部の(a2)エポキシ樹脂、8
0重量部の(b1)及び50重量部の(b2)メチルメ
タクリレートを用い、転相に使用した蒸留水を200重
量部用いた以外は、実施例1に記載した方法と同様の方
法を用いて、エマルジョンの形態の実施例2のエポキシ
樹脂水分散体を得た。実施例2のエポキシ樹脂水分散体
の蒸発残分は50重量%であり、エポキシ樹脂を含む粒
子の寸法は0.7μmであった。実施例2のエポキシ樹
脂水分散体の凝集物の有無及び硬化物の強度を、実施例
1に記載した方法と同様の方法を用いて評価した。実施
例2のエポキシ樹脂水分散体の凝集物は少なく、凝集物
については良好であり、硬化物の強度も良好であった。
以上の結果は表1に示した。
【0085】比較例1 6重量部の(c1)ポリプロピレンオキサイド−ポリエ
チレンオキサイドブロック共重合体、3重量部の(c
2)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル及び4
0重量部の蒸留水を混合して得た均一な水溶液に、10
0重量部の(a1)エポキシ樹脂と20重量部の(b
1)グリシジルメタクリレートを混合して得た均一な溶
液を加え、ホモミキサーで攪拌してプレエマルションを
得た。このプレエマルションは、O/W型のエマルショ
ンであった。攪拌機、温度計、滴下漏斗、還流冷却管を
備えたフラスコに、1重量部の(c2)ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテルと50重量部の蒸留水を仕
込み、80℃に加熱後、上述のプレエマルジョンと40
重量部の1重量%の過硫酸カリウム水溶液を同時に2時
間かけてフラスコ内に滴下した。更に、80℃で2時間
加熱攪拌することでラジカル重合反応を完結させ、エマ
ルジョンの形態の比較例1のエポキシ樹脂水分散体を得
た。得られた比較例1のエポキシ樹脂水分散体の蒸発残
分は50重量%であり、エポキシ樹脂を含む粒子の寸法
は0.7μmであった。比較例1のエポキシ樹脂水分散
体の凝集物の有無及び硬化物の強度を、実施例1に記載
した方法と同様の方法を用いて評価した。比較例1のエ
ポキシ樹脂水分散体の凝集物は多く、凝集物については
不良であり、従って、硬化物の強度は評価しなかった。
以上の結果は表1に示した。
【0086】比較例2 比較例1において、100重量部の(a1)エポキシ樹
脂と20重量部の(b1)グリシジルメタクリレートの
代わりに、100重量部の(a2)エポキシ樹脂、80
重量部の(b1)及び50重量部の(b2)メチルメタ
クリレートを用い、プレエマルジョン作製の際に使用す
る40重量部の蒸留水を160重量部用いた以外は、比
較例1に記載した方法と同様の方法を用いて、エマルジ
ョンの形態の比較例2のエポキシ樹脂水分散体を得た。
得られた比較例2のエポキシ樹脂水分散体の蒸発残分は
50重量%であり、エポキシ樹脂を含む粒子の寸法は
0.7μmであった。比較例2のエポキシ樹脂水分散体
の凝集物の有無及び硬化物の強度を、実施例1に記載し
た方法と同様の方法を用いて評価した。比較例2のエポ
キシ樹脂水分散体の凝集物は多く、凝集物については不
良であり、従って、硬化物の強度は評価しなかった。以
上の結果は表1に示した。
【0087】比較例3 比較例1において、100重量部の(a1)エポキシ樹
脂と20重量部の(b1)グリシジルメタクリレートの
代わりに、100重量部の(a2)エポキシ樹脂、80
重量部の(b1)及び100重量部の(b2)メチルメ
タクリレートを用い、プレエマルジョン作製の際に使用
する40重量部の蒸留水を210重量部用いた以外は、
比較例1に記載した方法と同様の方法を用いて、エマル
ジョンの形態の比較例3のエポキシ樹脂水分散体を得
た。得られた比較例3のエポキシ樹脂水分散体の蒸発残
分は50重量%であり、エポキシ樹脂を含む粒子の寸法
は0.7μmであった。比較例3のエポキシ樹脂水分散
体の凝集物の有無及び硬化物の強度を、実施例1に記載
した方法と同様の方法を用いて評価した。比較例3のエ
ポキシ樹脂水分散体の凝集物は少なく、凝集物について
は良好であったが、硬化物の強度は不良であった。以上
の結果は表1に示した。
【0088】
【表1】 a)単位は、重量部である。 b)「W/O→O/W」は、W/O型エマルションをO
/W型エマルションに転相後、ラジカル重合したことを
示し、「O/W」は、転相することなく得たO/W型エ
マルションをラジカル重合したことを示す。 c)「良好」は、得られたエポキシ樹脂水分散体に凝集
物が少ないことを示し、「不良」は、凝集物が多いこと
を示す。 d)エポキシ樹脂を含む粒子の寸法であり、単位はμm
である。 e)「良好」は、エポキシ樹脂水分散体の硬化物の強度
が大きいことを示し、「不良」は、強度が小さいことを
示す。「−」は、未評価を示す。
【0089】表1に記載されている通り、W/O型エマ
ルションをO/W型エマルションに転相後、乳化(ラジ
カル)重合した実施例1及び2では、得られたエポキシ
樹脂水分散体に、凝集物の発生が少なく、更に、エポキ
シ樹脂水分散体が硬化した硬化物の機械的強度も優れて
いる。これに対し、従来通り転相することなく得たO/
W型エマルションで乳化重合した比較例1及び2では、
得られたエポキシ樹脂水分散体に、凝集物の発生が多
い。また、比較例3では、凝集物の発生を防止するため
に(b2)メチルメタクリレートの使用量を増加してい
るが、その結果、得られたエポキシ樹脂水分散体の硬化
物の機械的強度は低いものとなっている。
【0090】本発明に係るエポキシ樹脂水分散体の製造
方法においては、従来から使用されている乳化重合を用
いる製造方法と比較して、溶剤の使用量を減らすこと
(好ましくは溶剤を使用しないこと)、凝集物の発生を
低減することができる。従って、エチレン性二重結合を
有する単量体に対するエポキシ樹脂の割合を高くするこ
とができる。その結果、エポキシ樹脂水分散体の硬化物
の強度を増加することができる。
【0091】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係るエポキシ樹脂水分散体の製造方法は、W/O型エマ
ルションをO/W型エマルションに転相させた後、乳化
(ラジカル)重合反応を行うものである。転相後にラジ
カル重合することによって、凝集物の析出を低下、好ま
しくは実質的に防止することができ、凝集物の少ない、
好ましくは実質的に凝集物が存在しないエポキシ樹脂水
分散体を得ることができる。更に、上述の製造方法を用
いて製造すると、エポキシ樹脂水分散体の硬化物に、良
好な機械的強度を与えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06M 101:00 D06M 101:00 (56)参考文献 特開2000−128584(JP,A) 特開 平5−39407(JP,A) 特開 平11−12334(JP,A) 特開 昭63−99363(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 283/10 C08F 2/24 C08F 2/44

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成分(A):エポキシ樹脂から選択される
    少なくとも一種、 成分(B):エチレン性二重結合を有する単量体から選
    択される少なくとも一種、及び 成分(C):乳化剤から選択される少なくとも一種 を含んで成るW/O型エマルションを形成する工程;そ
    のW/O型エマルションをO/W型エマルションに転相
    させる工程;並びにラジカル重合する工程を含むことを
    特徴とする、エポキシ樹脂水分散体の製造方法。
  2. 【請求項2】成分(A):エポキシ樹脂から選択される
    少なくとも一種、 成分(B):エチレン性二重結合を有する単量体から選
    択される少なくとも一種、及び 成分(D):水溶性高分子から選択される少なくとも一
    種 を含んで成るW/O型エマルションを形成する工程;そ
    のW/O型エマルションをO/W型エマルションに転相
    させる工程;並びにラジカル重合する工程を含むことを
    特徴とする、エポキシ樹脂水分散体の製造方法。
  3. 【請求項3】成分(A):エポキシ樹脂から選択される
    少なくとも一種、 成分(B):エチレン性二重結合を有する単量体から選
    択される少なくとも一種、 成分(C):乳化剤から選択される少なくとも一種、及
    び 成分(D):水溶性高分子から選択される少なくとも一
    種 を含んで成るW/O型エマルションを形成する工程;そ
    のW/O型エマルションをO/W型エマルションに転相
    させる工程;並びにラジカル重合する工程を含むことを
    特徴とする、エポキシ樹脂水分散体の製造方法。
  4. 【請求項4】 成分(A)の重量平均分子量は、100
    0〜40000であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 成分(B)は、エポキシ基と開環共重合
    する官能基と、エチレン性二重結合とを有する単量体か
    ら選択される少なくとも一種を含んで成ることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 成分(A)100重量部当たり、成分
    (B)は、エポキシ基と開環共重合する官能基と、エチ
    レン性二重結合とを有する単量体を20〜80重量部含
    んで成ることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 成分(B)は、エポキシ基と反応する官
    能基を有さずエチレン性二重結合を有する単量体を含
    み、そのような単量体として、不飽和カルボン酸エステ
    ル化合物から選択される少なくとも一種を含んで成るこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 成分(B)は、エポキシ基と反応する官
    能基を有さずエチレン性二重結合を有する単量体を含
    み、成分(A)100重量部当たり、成分(B)は、エ
    ポキシ基と反応する官能基を有さずエチレン性二重結合
    を有する単量体を0〜70重量部含んで成ることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 エポキシ樹脂水分散体のエポキシ樹脂を
    含む粒子の寸法は、0.1〜2.0μmであることを特
    徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれかに記載の製造
    方法を用いて製造されることを特徴とするエポキシ樹脂
    水分散体。
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