JP2001261784A - 水性樹脂組成物 - Google Patents

水性樹脂組成物

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JP2001261784A
JP2001261784A JP2000082235A JP2000082235A JP2001261784A JP 2001261784 A JP2001261784 A JP 2001261784A JP 2000082235 A JP2000082235 A JP 2000082235A JP 2000082235 A JP2000082235 A JP 2000082235A JP 2001261784 A JP2001261784 A JP 2001261784A
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polymer
aqueous resin
aqueous
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Hitoshi Ikeda
仁志 池田
Hiroshi Ide
博史 井手
Makoto Mori
誠 毛利
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Nippon NSC Ltd
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Nippon NSC Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のエポキシ樹脂エマルションや水溶性エ
ポキシ樹脂樹脂と比較して、常温における硬化し易さと
ポットライフ延長による長期作業性のバランスが良い水
性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂エマルション、
(B)重付加型ポリアミン及び(C)架橋性のシリル基
とカルボキシル基を有する高分子を含み、式(I)に示
す関数f(B,C)の値が、0.005〜0.1である
水性樹脂組成物である。(C)高分子の酸価は、5〜2
00が好ましい。 f(B,C)=(C1×C2)/(B1×B2) (I) [但し、式(I)において、B1は、(B)重付加型ポ
リアミンの重量(g)、B2は、(B)重付加型ポリア
ミンのアミン価(mg)、C1は、(C)高分子の重量
(g)、並びにC2は、(C)高分子の酸価(mg)を
示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性を低減させ
ることなく、ポットライフが改良された水性樹脂組成物
を提供し、これは、塗料用組成物、特に建築材料用塗料
組成物として用いることができ、更に接着剤、粘着剤、
印刷インキ、加工紙用塗料組成物、及び繊維加工剤等と
して好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】近年の地球環境保護及び有機溶剤の規制
強化等の観点から、有機溶剤を使用しない接着剤及び塗
料等が求められている。このような溶剤系接着剤及び溶
剤系塗料等の代替として、例えば、アクリル樹脂エマル
ション、ポリ酢酸ビニルエマルション、及びエチレン−
酢酸ビニル共重合体エマルション等の熱可塑性樹脂のエ
マルションが検討されているが、これらの接着性、耐熱
性、及び耐水性等の硬化特性は不十分であり、より接着
性、耐熱性、及び耐水性等の特性が改良された水性樹脂
エマルションが求められている。
【0003】接着性、耐熱性、及び耐水性等の特性が改
良された水性樹脂エマルションとして、熱硬化性樹脂エ
マルションの使用が検討されている。即ち、熱硬化性樹
脂であるエポキシ樹脂の水性化及び上述の熱可塑性樹脂
エマルションとエポキシ樹脂の組み合わせである。エポ
キシ樹脂を用いると、接着性、耐熱性、及び耐水性等の
特性の改良が可能となる。しかし、別の問題を生ずるこ
ととなる。
【0004】通常、エポキシ樹脂は硬化剤を添加するこ
とによって硬化せしめる。従って、硬化に際し適度の長
さのポットライフが必要である。ここで「ポットライ
フ」とは、エポキシ樹脂に硬化剤を混合した直後の特性
が維持される時間をいう。例えば、エポキシ樹脂を常温
で硬化させる硬化剤を用いると、そのポットライフは通
常1時間以内である。この場合、エポキシ樹脂を用いる
作業が1時間以内に終了するように、作業を行う。1時
間を経過すると、エポキシ樹脂は硬化し、作業が困難と
なる。一方、ポットライフが長い硬化剤を用いると常温
で硬化させることが困難となり、その硬化には通常加熱
を必要とする。以上のように、熱可塑性樹脂エマルショ
ンと比較して接着性、耐熱性、及び耐水性等の特性が改
良され、常温における硬化し易さ(常温硬化性)とポッ
トライフのバランスが良い、水性樹脂組成物が求められ
ている。更に、皮膚に対するかぶれ性が緩和された水性
樹脂組成物も求められている。
【0005】このような特性が改良され、常温硬化性と
ポットライフのバランスに優れる水性樹脂組成物とし
て、特開平9−194686号公報は、エポキシ樹脂を
含有する水性分散体、重付加型ポリアミン、及びカルボ
ン酸ポリマー(カルボキシル基を有する高分子)を含有
し、重付加型ポリアミンの塩基性窒素1当量に対し、カ
ルボン酸ポリマーのカルボキシル基当量が0.1〜1で
ある水性樹脂組成物を開示する。しかし、この水性樹脂
組成物には、硬化速度が遅く、建築材料のコーティング
剤としては、基材密着性に劣るという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を解決するためになされたもので、その課題は、従来の
エポキシ樹脂エマルションや水溶性エポキシ樹脂と比較
して、常温における硬化し易さ(常温硬化性)とポット
ライフ延長による長期作業性のバランスが良い水性樹脂
組成物を提供することである。更に、皮膚に対するかぶ
れ性が緩和された水性樹脂組成物を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの要旨によ
れば、新たな水性樹脂組成物が提供され、それは、
(A)エポキシ樹脂エマルション、(B)重付加型ポリ
アミン、及び(C)架橋性のシリル基及びカルボキシル
基を有する高分子を含んで成る水性樹脂組成物であっ
て、(B)重付加型ポリアミンに対する(C)架橋性の
シリル基及びカルボキシル基を有する高分子の量は、式
(I)に示す関数f(B,C)の値が、0.005〜
0.1であることを特徴とする水性樹脂組成物である。 f(B,C)=(C1×C2)/(B1×B2) (I) [但し、式(I)において、B1は、(B)重付加型ポ
リアミンの重量(g)、B2は、(B)重付加型ポリア
ミンのアミン価(mg)、C1は、(C)高分子の重量
(g)、並びにC2は、(C)高分子の酸価(mg)を
示す。]この水性樹脂組成物は、塗料用組成物、特に、
建築材料用の塗料組成物として好適であり、更に接着
剤、粘着剤、印刷インキ、加工紙用塗料組成物、及び繊
維加工剤等として好適に用いることができる。
【0008】本発明において「水性」とは、樹脂が水性
媒体中に存在している状態を意味し、これは樹脂が水性
媒体に溶解している状態及び/又は溶解していない状態
をいう。また、本発明において「水性媒体」とは、一般
的な水、例えば蒸留水、イオン交換水、及び純水等をい
うが、目的とする水性樹脂組成物の性質に悪影響を与え
ないものであれば、有機溶媒を含んだものも水性媒体と
いう。「水性媒体」は、更に目的とする水性樹脂組成物
の性質に悪影響を与えない範囲でオリゴマー、及び樹脂
等の不純物を含むことができる。尚、本発明の水性樹脂
組成物は、硬化性の水性樹脂組成物であり、硬化反応を
生じ、硬化することによって上記の塗料用組成物等とし
ての機能を発揮し得る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において「(A)エポキシ
樹脂エマルション」とは、1分子中に2個以上のエポキ
シ基を有する化合物が水中に分散している分散体をい
い、「1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合
物」として、通常エポキシ樹脂といわれる化合物を用い
ることができる。このようなエポキシ樹脂エマルション
として、例えば、界面活性剤存在下にエポキシ樹脂を水
性媒体中に分散させた分散体を例示できる。更に、上述
の「(A)エポキシ樹脂エマルション」は、1分子内に
1個のエポキシ基を有する化合物を、目的とする水性樹
脂組成物の特性に悪影響を与えない範囲で含んでもよ
い。
【0010】ここで「エポキシ樹脂」として、例えば、
グリシジルエーテル類、グリシジルエステル類、グリシ
ジルアミン類、鎖状脂肪族エポキサイド類、及び脂環族
エポキサイド類等を例示できる。「グリシジルエーテル
類」として、芳香族グリシジルエーテル及び脂肪族グリ
シジルエーテル等を例示できる。
【0011】「芳香族グリシジルエーテル」として、例
えば、ビスフェノールのジグリシジルエーテル、フェノ
ールノボラックのポリグリシジルエーテル、及びビスフ
ェノールのジグリシジルエーテルを例示できる。「ビス
フェノールのジグリシジルエーテル」として、例えば、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
AD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノール
A、及びテトラブロモビスフェノールA等のジグリシジ
ルエーテルを例示できる。「フェノールノボラックのポ
リグリシジルエーテル」として、例えば、フェノールノ
ボラック、クレゾールノボラック、及びブロム化フェノ
ールノボラック等のポリグリシジルエーテルを例示でき
る。「ビフェノールのジグリシジルエーテル」として、
例えば、ビフェノール及びテトラメチルビフェノール等
のジグリシジルエーテルを例示できる。「脂肪族グリシ
ジルエーテル」として、例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、グリセリン、及びテト
ラメチレングリコール等のグリシジルエーテルを例示で
きる。
【0012】「グリシジルエステル類」として、例え
ば、芳香族グリシジルエステル及び脂環式グリシジルエ
ステル等を例示できる。「芳香族グリシジルエステル」
として、例えば、フタル酸、テレフタル酸、及びイソフ
タル酸等のジグリシジルエステルを例示できる。「脂環
式グリシジルエステル」として、例えば、ヘキサヒドロ
フタル酸、テトラヒドロフタル酸、及びダイマー酸等の
グリシジルエステルを例示できる。
【0013】「グリシジルアミン類」として、例えば、
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグ
リシジルメタキシリレンジアミン、及びトリグリシジル
アミノフェール等を例示できる。「鎖状脂肪族エポキサ
イド類」として、例えば、エポキシ化ポリブタジエン及
びエポキシ化大豆油等を例示できる。「脂環族エポキサ
イド類」として、例えば、3,4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシルメチルカルボキシレート及び3,4−
エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート等を例
示できる。
【0014】上述のエポキシ樹脂は、単独で又は組み合
わせて使用できる。エポキシ樹脂として、グリシジルエ
ーテル類が好ましく、ビスフェノールのジグリシジルエ
ーテルがより好ましく、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、及びビスフェノールAD等のジグリシジルエー
テルが特に好ましい。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、
100〜7,000が好ましく、150〜2,000が
より好ましく、170〜1,000が特に好ましい。エ
ポキシ樹脂のエポキシ当量が100未満の場合、ポット
ライフが低下するという問題を生じ得、7,000を超
える場合、建築材料への浸透性が低下するという問題を
生じ得る。
【0015】ここで「エポキシ当量」とは、エポキシ樹
脂に含まれるエポキシ基1g当量あたりの「エポキシ樹
脂」の重量(g数)をいい、例えば、分子構造が既知の
エポキシ樹脂の場合、そのエポキシ樹脂の分子量を1分
子のそのエポキシ樹脂に含まれるエポキシ基の数で除す
ることで算出できる。また、エポキシ樹脂の分子構造が
不明の場合、塩酸−ジオキサン法等を用いる測定によっ
て決定できる。
【0016】(A)エポキシ樹脂エマルションは、上述
のエポキシ樹脂を、乳化剤の存在下に、せん断力を加え
ることができる分散機を用いて、水性媒体中において微
粒子化することによって得ることができる。ここで「乳
化剤」として、通常エマルションを形成するために使用
される界面活性剤であって、目的とする水性樹脂組成物
に悪影響を与えないものであれば使用することができ
る。界面活性剤として、例えば、イオン性及び非イオン
性の界面活性剤を例示でき、イオン性界面活性剤とし
て、例えば、アニオン性、カチオン性、及び両性の界面
活性剤を例示できる。
【0017】本発明において「(B)重付加型ポリアミ
ン」とは、例えば、室井宗一、石村秀一著「入門エポキ
シ樹脂」新高分子文庫(高分子刊行会、1988年発
行)の第70頁の図3.1に記載されているものをい
い、具体的には、脂肪族ポリアミン、ポリアミド、脂環
族ポリアミン、及び芳香族ポリアミン、並びにそれらの
マンニッヒ反応及びマイケル付加等による変性品を例示
できる。
【0018】「脂肪族ポリアミン」として、例えば、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びジエチル
アミノプロピルアミン等、並びにこれらの変性品を例示
できる。「ポリアミド」として、例えば、ダイマー酸等
のジカルボン酸と上述の脂肪族ポリアミンとの縮合品を
例示できる。「脂環族ポリアミン」として、例えば、メ
ンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチ
ルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)
2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウン
デカンアダクト、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロ
ヘキシル)メタン、及びビス(4−アミノシクロヘキシ
ル)メタン等、並びにこれらの変性品を例示できる。
【0019】「芳香族ポリアミン」として、例えば、m
−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、m
−フェニレンジアミン、及びジアミノジフェニルスルホ
ン等、並びにこれらの変性品が挙げられる。その他の
(B)重付加型ポリアミンとして、例えば、ジシアンジ
アミド及びアジピン酸ジヒドラジド等を例示することが
できる。
【0020】これらの(B)重付加型ポリアミンは、単
独でもしくは組み合わせて使用することができる。
(B)重付加型ポリアミンとして、脂肪族ポリアミン、
ポリアミド、脂環族ポリアミン、及び芳香族ポリアミン
が好ましく、脂肪族ポリアミン及びポリアミドが特に好
ましい。(B)重付加型ポリアミンのアミン価は、50
〜2,800が好ましく、80〜1,400が特に好ま
しい。(B)のアミン価が、50未満の場合、建築材料
への浸透性が低下するという問題を生じ得、2,800
を超える場合、ポットライフの低下という問題を生じ得
る。
【0021】ここで(B)の「アミン価」とは、1gの
(B)重付加型ポリアミン 中に含まれる全ての塩基性
窒素を中和するために必要な過塩素酸と当量の水酸化カ
リウムのmg数と定義される。アミン価は、通常、試料
をオルトニトロトルエン−氷酢酸溶液に溶かし、クリス
タルバイオレットを指示薬として、0.1Nの過塩素酸
で滴定することによって決定できる。
【0022】尚、(B)重付加型ポリアミンが、水分散
性又は水溶性を有する場合、水性媒体を用いないで、そ
のまま本発明の水性樹脂組成物の調製に使用できる。し
かし、(B)の水分散性及び水溶性が低い場合、上述し
た乳化剤を用いて、予め水性媒体に分散した後、使用す
るのが好ましい。
【0023】本発明において「(C)架橋性のシリル基
及びカルボキシル基を有する高分子(以下「(C)高分
子」ともいう)」とは、架橋性のシリル基とカルボキシ
ル基を共に有する高分子をいう。ここで「架橋性のシリ
ル基」とは、加水分解によって水酸基が結合したケイ素
原子を生じ得る官能基であって、その水酸基が結合した
ケイ素原子同士の間にシロキサン結合による架橋を生じ
得る官能基をいう。
【0024】このような架橋性のシリル基として、例え
ば、式(II): −Si(Z)a(Y)3-a (II) [式(II)中において、Yは、−OCH3、−OC2
5、―OCH(CH32、又は−O(CH2b−O(C
2c−H、但し、b及びcは1〜3の整数、Zは、−
(CH2d−H、但し、dは1〜3の整数、aは、0〜
2の整数。]で示される、架橋性のシリル基を例示でき
る。
【0025】「架橋性のシリル基」として、例えば、ト
リメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、及びトリ
(2−メトキシエトキシ)シリル基等のトリアルコキシ
シリル基、並びにジメトキシメチルシリル基、ジエトキ
シメチルシリル基、及びジ(2−メトキシエトキシ)メ
チルシリル基等のジアルコキシアルキルシリル基等がよ
り好ましい。
【0026】上記の(C)架橋性のシリル基及びカルボ
キシル基を有する高分子は、例えば、(D)架橋性のシ
リル基及びエチレン性炭素原子間二重結合を有する化合
物、並びに(E)カルボキシル基及びエチレン性炭素原
子間二重結合を有する化合物を含んでなる単量体混合物
(以下「単量体混合物」ともいう)を重合(付加重合又
はラジカル重合)することによって得ることができる。
【0027】ここで「(D)架橋性のシリル基及びエチ
レン性炭素原子間二重結合を有する化合物(以下
「(D)化合物」ともいう)」として、例えば、式(I
II): CH2=C(R)−X−Si(Z)a(Y)3-a (III) [式(III)中において、Rは、H又はCH3、X
は、−(CH2n−又は−COO−(CH2n−但し、
nは0〜3の整数、Yは、−OCH3、−OC25、−
OC2H(CH32 又は−O(CH2b−O(CH2c
−H、但し、b及びcは1〜3の整数、Zは、−(CH
2d−H、但し、dは1〜3の整数、aは、0〜2の整
数。]で示される、(D)化合物を例示できる。
【0028】式(III)の(D)化合物として、具体
的には、以下の化合物を例示できる:3−(メタ)アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)ア
クリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び2−(メ
タ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン等のω−
(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシラン
類;3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルエ
チルジエトキシシラン、及び2−(メタ)アクリロキシ
エチルメチルジメトキシシラン等のω−(メタ)アクリ
ロキシアルキルアルキルジアルコキシシラン類;ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルジメトキシエトキシシラン、及びビニルトリ(2−メ
トキシエトキシ)シラン等のビニルトリアルコキシシラ
ン類;並びにビニルメチルジメトキシシラン、ビニルエ
チルジ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルジメチ
ルメトキシシラン、及びビニルジエチル(2−メトキシ
エトキシ)シラン等のビニルアルキルアルコキシシラン
類。「(D)化合物」として、特に、ω−(メタ)アク
リロキシアルキルトリアルコキシシラン類が好ましい。
これらの(D)化合物は、単独で又は組み合わせて用い
ることができる。尚、本明細書において、アクリル酸及
びメタクリル酸を総称して「(メタ)アクリル酸」とも
いう。
【0029】更に、「(E)カルボキシル基及びエチレ
ン性炭素原子間二重結合を有する化合物(以下「(E)
化合物」ともいう)」として、例えば、一塩基酸及び多
塩基酸を例示することができる。一塩基酸として、例え
ば、アクリル酸及びメタクリル酸等を例示できる。多塩
基酸として、例えば、マレイン酸、フマール酸、及びイ
タコン酸等を例示できる。更に一塩基酸として、例え
ば、イタコン酸メチル、イタコン酸エチル、イタコン酸
プロピル、イタコン酸ブチル、イタコン酸イソブチル、
イタコン酸ペンチル、イタコン酸ヘキシル、イタコン酸
2−エチルヘキシル、及びイタコン酸オクチル等のイタ
コン酸半アルキルエステル類(アルキル基は炭素原子数
が1〜8で、置換基を有し得る。)、並びにマレイン酸
メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレ
イン酸ブチル、マレイン酸イソブチル、マレイン酸ペン
チル、マレイン酸ヘキシル、マレイン酸2−エチルヘキ
シル、及びマレイン酸オクチル等のマレイン酸半アルキ
ルエステル類(アルキル基は炭素原子数が1〜8で、置
換基を有し得る。)を例示できる。(E)化合物とし
て、アクリル酸及びメタクリル酸が、特に好ましい。こ
れらの(E)化合物は、単独で又は組み合わせて用いる
ことができる。
【0030】また、上述の「単量体混合物」は、(F)
他の重合性単量体を、必要に応じて含むことができる。
「(F)他の重合性単量体」とは、上述した「(D)化
合物」及び「(E)化合物」以外の化合物であって、分
子内に少なくとも1つのエチレン性炭素原子間二重結合
を有する化合物をいう。
【0031】このような「(F)他の重合性単量体」と
して、例えば、以下の化合物を例示できる:アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ペン
チル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、及びアクリル酸オクチル等のアクリル酸アルキル
エステル類(アルキル基は炭素原子数が1〜8で、置換
基を有し得る。);メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ペンチル、メタ
クリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
及びメタクリル酸オクチル等のメタクリル酸アルキルエ
ステル類(アルキル基は炭素原子数が1〜8で、置換基
を有し得る。);スチレン、ビニルトルエン、及びメチ
ルスチレン等のスチレン及びスチレンの誘導体;塩化ビ
ニル及び塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;エチ
レン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類;ブタジエ
ン及びイソプレン等のジエン類;酢酸ビニル及びプロピ
オン酸ビニル等のビニルエステル類;並びにアクリロニ
トリル等のビニル基を有するニトリル類。
【0032】「(F)他の重合性単量体」として、特
に、アクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、及びアクリ
ル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキルエステ
ル類、メタクリル酸アルキルエステル類、並びにスチレ
ン及びスチレンの誘導体が好ましい。これらの「(F)
他の重合性単量体」は、単独で又は組み合わせて用いる
ことができる。
【0033】本発明に係る水性樹脂組成物が含む
「(C)架橋性のシリル基及びカルボキシル基を有する
高分子」は、通常のラジカル重合(又は付加重合)で得
ることができ、例えば、溶剤を用いる溶液重合、水性媒
体を用いる水溶液重合を用いることができる。溶液重合
では必要に応じて重合後脱溶剤した後、水性媒体を加
え、必要に応じて乳化剤を用いて使用することができ
る。また、水溶液重合では、乳化剤を用いて、乳化重合
とすることもできる。水溶液重合及び乳化重合では重合
後そのまま使用できる。分子量を調節するために、必要
に応じて連鎖移動剤等を用いることができる。
【0034】例えば、(D)化合物、(E)化合物、触
媒、及び乳化剤の種類、並びにそれらの濃度、さらに反
応温度、反応時間、及び攪拌速度等の重合反応条件は、
目的とする水性樹脂組成物の特性等によって適宜選択さ
れ得るものである。
【0035】ここで「触媒」とは、少量の添加によって
単量体混合物の重合反応を起こさせることができる化合
物であって、水性媒体及び有機化合物中で使用すること
ができるものが好ましい。例えば、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、t−ブチルヒ
ドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエー
ト、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−ア
ゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、及び
2,2―アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル
等を例示することができるが、過硫酸アンモニウム、過
硫酸ナトリウム、及び過硫酸カリウムが特に好ましい。
【0036】また「乳化剤」とは、水性媒体と単量体混
合物とのエマルションを形成させるために使用する界面
活性剤であって、好ましくは重合反応に悪影響を与えな
い界面活性剤であって、スルホン酸基、スルホネート
基、及び硫酸エステル基を有する化合物、並びにそれら
の混合物よりからなる群から選ばれる混合物が好ましい
が、これら以外に、通常の界面活性剤も使用することが
できる。このような乳化剤として、例えば、以下の乳化
剤を例示できる:石鹸、アルキルスルホン酸塩、及びポ
リオキシエチレンアルキル硫酸塩等のアニオン系界面活
性剤類;ポリオキシアルキルアリールエーテル及びオキ
シエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノ
ニオン系界面活性剤類。なお、乳化剤として重合性乳化
剤を使用するのが好ましい。重合性乳化剤の使用は、耐
水性、耐アルカリ性、及び耐水性が向上する等から好ま
しい。
【0037】ここで「重合性乳化剤」とは、重合性の官
能基を有し、かつ水性媒体と単量体混合物のエマルショ
ンを形成することができる乳化剤として機能し得る化合
物をいい、スルホン酸基、スルホネート基、硫酸エステ
ル基、又はエチレンオキシ基を有するエチレン性炭素原
子間二重結合を有する化合物、並びにそれらの混合物か
らなる群から選ばれる化合物が好ましい。さらに、上記
の重合性乳化剤のスルホン酸基又はスルホネート基は塩
の形態であってもよく、この場合、スルホン酸基又はス
ルホネート基の対カチオンとして、アンモニウムイオン
及びアルカリ金属イオンが好ましく、特に、アンモニウ
ムイオン、カリウムイオン、及びナトリウムイオンが好
ましい。このような重合性乳化剤を含んで成るものとし
て、例えば、三洋化成(株)エレミノールJS−2(商
品名)、三洋化成(株)エレミノールRS−30(商品
名)、第一工業製薬(株)アクアロンRN−20(商品
名)、及び第一工業製薬(株)アクアロンHS−10
(商品名)等を例示することができる。
【0038】「(C)架橋性のシリル基及びカルボキシ
ル基を有する高分子」の酸価は、5〜200が好まし
く、10〜100が特に好ましい。(C)高分子の酸価
が5未満の場合、ポットライフが延長しないという問題
を生じ得、 200を超える場合、重合時に粘度が上昇
し得る又はアミンとの組み合わせによっては粘度上昇を
生じ得るという問題を生じ得る。
【0039】ここで(C)高分子の「酸価」とは、1g
の(C)高分子中に含まれる酸を中和するのに必要な水
酸化カリウムのmg数と定義される。酸価は、通常、試
料をアルコール−エーテルに溶かし、これにフェノール
フタレインを指示薬として加え、0.5N水酸化カリウ
ムで滴定することによって決定できる。
【0040】「(C)架橋性のシリル基及びカルボキシ
ル基を有する高分子」の重量平均分子量は、500〜3
00,000が好ましく、1,000〜30,000が
特に好ましい。(C)高分子の重量平均分子量が500
未満の場合、耐水性及び塗膜の強度が低下するという問
題を生じ得、300,000を超える場合、建築材料へ
の本発明の組成物の浸透性が低下するという問題を生じ
得る。
【0041】更に、(C)高分子は、(D)化合物及び
(E)化合物を含んでなる単量体混合物の重合によって
合成されるのが好ましい。この場合、単量体混合物を基
準(100重量%)とする、(D)化合物の含有率(以
下「架橋性シリル基の含有率」ともいう)は、0.01
〜20重量%が好ましく、0.1〜5重量%が特に好ま
しい。架橋性シリル基の含有率が0.01重量%未満の
場合、塗膜の強度が低下するという問題及び建築材料へ
の補強性が低下するという問題を生じ得、20重量%を
超える場合、重合時に粘度が上昇しすぎるという問題及
び建築材料への浸透性が低下するという問題を生じ得
る。(C)高分子は、単独で又は組み合わせて用いるこ
とができる。
【0042】本発明の水性樹脂組成物は、(A)エポキ
シ樹脂エマルション、(B)重付加型ポリアミン、及び
(C)高分子を混合することで得ることができる。
(A)エポキシ樹脂エマルションに対する(B)重付加
型ポリアミンの量は、水性樹脂組成物に混合される
(A)エポキシ樹脂エマルションのエポキシ基の数を基
準(1)とする水性樹脂組成物に混合される(B)重付
加型ポリアミンの活性水素の数、(即ち、水性樹脂組成
物全体に含まれる、(B)の活性水素の数/(A)のエ
ポキシ基の数)が、0.5〜1.5であるのが好まし
く、0.8〜1.2であるのが特に好ましい。
【0043】ここで「(B)重付加型ポリアミンの活性
水素」とは、(B)重付加型ポリアミンが有する窒素原
子の中で、エポキシ基と反応し得る窒素原子に結合して
いる水素原子をいう。このような活性水素として、例え
ば、第1級アミノ基に結合している水素原子(−N
2)、第2級アミノ基に結合している水素原子(−N
H−)を例示できる。
【0044】(A)のエポキシ基の数は、下記の式(I
V)を用いて算出できる。 (A)のエポキシ基の数=((A)に含まれるエポキシ樹脂の質量(g)/( A)に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ当量)×NA (IV) [但し、式(IV)において、NAはアボガドロ数であ
る。] (B)の活性水素の数は、下記式(V)を用いて算出で
きる。 (B)の活性水素の数={(B)の質量(g)/(56×103/(B)のア ミン価)}×NA (V) [但し、式(V)において、NAはアボガドロ数であ
る。] 従って、(B)の活性水素の数/(A)のエポキシ基の
数は、下記式(VI)を用いて算出できる。 (B)の活性水素の数/(A)のエポキシ基の数=((B)の質量(g)×( A)に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ当量×(B)のアミン価)/((A)に 含まれるエポキシ樹脂の質量(g)×56×103) (VI) (B)の活性水素の数/(A)のエポキシ基の数が、
0.5未満の場合、塗膜強度の低下及び未反応のエポキ
シ基が残留するという問題を生じ得、1.5を超える場
合、塗膜強度の低下及び未反応のアミノ基が残留すると
いう問題を生じ得る。
【0045】更に、本発明の水性樹脂組成物に含まれ
る、(B)重付加型ポリアミンに対する(C)架橋性の
シリル基及びカルボキシル基を有する高分子の量は、式
(I)に示す関数f(B,C)の値が、0.005〜
0.1である量である。 f(B,C)=(C1×C2)/(B1×B2) (I) [但し、式(I)において、B1は、(B)重付加型ポ
リアミンの重量(g)、B2は、(B)重付加型ポリア
ミンのアミン価(mg)、C1は、(C)高分子の重量
(g)、並びにC2は、(C)高分子の酸価(mg)を
示す。]式(I)に示す関数f(B,C)の値が、0.
015〜0.03である(B)に対する(C)の量が特
に好ましい。関数f(B,C)の値が、0.005未満
の場合、ポットライフを延長できないという問題を生じ
得、0.1を越える場合、建築材料の補強性が低下する
という問題を生じ得る。
【0046】尚、本発明の水性樹脂組成物では、(C)
架橋性のシリル基及びカルボキシル基を有する高分子を
(B)重付加型ポリアミンに混合するので、(B)重付
加型ポリアミンによる皮膚に対するカブレ性を低減する
ことができる。これは、(C)高分子のカルボキシル基
が、(B)重付加型ポリアミンのアミノ基を捕捉し得る
ので、(B)の揮発性を低下せしめることができるの
で、(B)によるカブレ性が低下し得ると考えられる。
【0047】更に、本発明の水性樹脂組成物では、
(C)架橋性のシリル基及びカルボキシル基を有する高
分子を用いるので、(C)のシリル基同士の間に架橋構
造が生じ得、建築材料の補強性が向上し得ると考えられ
る。
【0048】本発明の水性樹脂組成物は、必要に応じ
て、エポキシ樹脂硬化性向上のための促進剤、(B)重
付加型ポリアミン以外のエポキシ樹脂用硬化剤、性能を
向上させるためのラテックス、タッキファイヤー、ゴム
成分、硬化性能をさらに向上させるためのメラミン樹
脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹脂、
並びにレゾール型もしくはノボラック型のフェノール樹
脂を含むことができる。更に、本発明の水性樹脂組成物
は、例えば、殺菌剤、防腐剤、消泡剤、可塑剤、流動調
整剤、増粘剤、pH調整剤、界面活性剤、着色顔料、体
質顔料、及び防錆顔料等を含むことができる。
【0049】ここで「エポキシ樹脂硬化性向上のための
促進剤」として、例えば、第三級アミン及びルイス酸錯
体等を例示できる。「第三級アミン」として、例えば、
ジメチルベンジルアミン等の第三級アミノ基含有化合物
及びそれらの変性物、並びにイミダゾール、2−メチル
イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
及び2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物
等を例示できる。「ルイス酸錯体」として、三フッ化ホ
ウ素のアミン錯体を例示できる。
【0050】「(B)重付加型ポリアミン以外のエポキ
シ樹脂用硬化剤」として、酸無水物及びポリメルカプタ
ン等を例示できる。「酸無水物」として、例えば、無水
フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒド
ロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、及びメ
チルヘキサヒドロ無水フタル酸を例示できる。「ポリメ
ルカプタン」として、例えば、チオグリコール酸と多価
アルコールとの縮合物及びポリサルファイド等を例示で
きる。
【0051】「性能を向上させるためのラテックス」と
して、例えば、アクリルラテックス、スチレンブタジエ
ンラテックス、クロロプレンラテックス、ウレタンラテ
ックス、エチレン酢ビラテックス、及び酢ビラテックス
等を例示できる。「タッキファイヤー」として、例え
ば、ロジン系、ロジン誘導体系、テルペン樹脂系、及び
テルペン誘導体系等の天然系タッキファイヤー、並びに
石油樹脂系、スチレン樹脂系、クマロンインデン樹脂
系、フェノール樹脂系、及びキシレン樹脂系等の合成樹
脂系のタッキファイヤー等を例示できる。これらのタッ
キファイヤーは水分散または水溶液の形態で本発明の水
性樹脂組成物に添加するのが好ましい。「ゴム成分」と
して、例えば、液状ニトリルゴム及びシリコンゴム等を
例示できる。
【0052】本発明の水性樹脂組成物は、上述したよう
に(A)エポキシ樹脂エマルション、(B)重付加型ポ
リアミン、及び(C)高分子の3つを同時に混合して得
ることができるが、(B)重付加型ポリアミン及び
(C)高分子を予め混合した後、(A)エポキシ樹脂エ
マルションと混合して得ることができる。また、本発明
の水性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂エマルション
及び(C)高分子を予め混合した後、(B)重付加型ポ
リアミンと混合して得ることができる。
【0053】本発明の水性樹脂組成物は、(B)重付加
型ポリアミン及び(C)高分子を予め混合して得るのが
より好ましい。従って、本発明の水性樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂エマルション、並びに(B)重付加
型ポリアミン及び(C)高分子を含む水性樹脂組成物か
ら成る2種に分かれている2液型の水性樹脂組成物であ
るのが好ましい。
【0054】本発明の水性樹脂組成物は、そのままで塗
料用組成物、特に建築材料用塗料組成物として使用する
ことができるが、必要に応じて他の物質(例えば、顔
料)を加えて塗料用組成物、特に建築材料用塗料組成物
として使用できる。従って、本発明は、塗料用の上記の
水性樹脂組成物を提供する。
【0055】本発明の水性樹脂組成物は、通常、塗料に
用いられている方法と同様の方法を用いて、塗料として
使用することができる。本発明の水性樹脂組成物を、
(A)エポキシ樹脂エマルション、(B)重付加型ポリ
アミン、及び(C)架橋性のシリル基とカルボキシル基
を有する高分子を同時に含む1液型の水性塗料組成物と
して用いる場合、(A)、(B)、及び(C)を混合し
た後、基材に適用し、硬化させる方法を用いることがで
きる。
【0056】更に、本発明の水性樹脂組成物を、(A)
エポキシ樹脂エマルションを含む組成物、並びに(B)
重付加型ポリアミン及び(C)高分子を含む水性樹脂組
成物から成る2液型の塗料組成物として用いる場合、基
材に(A)エポキシ樹脂エマルションを含む水性樹脂組
成物を適用し、次に(B)重付加型ポリアミン及び
(C)高分子を含む水性樹脂組成物を適用して硬化させ
る方法を用いることができる。
【0057】ここで「適用」とは、水性塗料組成物の適
量を基材等に存在せしめることをいい、例えば、塗工及
び塗布等を例示できる。適用は、通常基材等の全面に均
一に行うのが好ましい。更に「塗工」とは、水性塗料組
成物を塗工する方法として通常用いられている塗工方法
であれば、限定されることなく使用することができる。
また「塗布」とは、水性塗料組成物を塗布する方法とし
て通常用いられている塗布方法であれば、限定されるこ
となく使用することができる。
【0058】上述の硬化させる方法を用いる場合、水性
塗料組成物を適用した後、常温で又は加熱して水分を除
去した後、常温で放置することにより又は加熱すること
によって硬化させることができる。また、水性塗料組成
物の適用後、水分の除去を行わないで、常温で放置する
ことにより又は加熱することによって水性塗料組成物を
硬化させてもよい。ここで「乾燥」とは、水分を除去す
るために乾燥する方法として通常用いられている乾燥方
法であれば、限定されることなく使用することができ
る。例えば、温風乾燥、減圧乾燥、及び自然乾燥等を例
示できる。
【0059】本発明の水性樹脂組成物は、塗料用組成物
及び建築材料用組成物として用いることができ、更に接
着剤、粘着剤、印刷インキ、加工紙用組成物、及び繊維
加工剤等として使用することができる。塗料の分野にお
いては、例えば、コンクリート、木材、金属、及びフロ
アポリッシュ等に用いる塗料を例示できる。建築材料用
組成物においては、例えば、シーリング材、ラテックス
セメント、及び防水材等を例示できる。接着剤の分野に
おいては、テープ、ラベル、壁紙、及び床材等の接着を
例示できる。繊維加工剤の分野においては、例えば、不
織布、カーペット、電気植毛布、積層布、及びタイヤコ
ード等の加工を例示できる。
【0060】更に、本発明の上記の水性樹脂組成物は、
(A)、(B)、及び(C)が混合されることによって
硬化するので、この硬化反応によって得られる樹脂組成
物も、本発明の範囲に含まれる。従って、本発明は、上
述の水性樹脂組成物が硬化することによって得られる樹
脂組成物を提供する。
【0061】更に、本発明においては、上述の水性樹脂
組成物を得るための、(A)エポキシ樹脂エマルション
を含む組成物、(B)重付加型ポリアミン、及び(C)
高分子の組み合わせを提供する。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一
態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0063】(1)実施例及び比較例の水性樹脂組成物
の調製に用いた、成分(A)〜(C)を以下に示す。
(a1)は、(A)エポキシ樹脂エマルションであっ
て、エポキシ樹脂が62重量%、エポキシ当量が300
〜340のビスフェノールA型エポキシ樹脂エマルショ
ン(日本NSC(株)製のエポルジョンEA7(商品
名))である。(b1)は、(B)重付加型ポリアミン
であって、アミン価が590の複素環式ポリアミン変性
物(日本NSC(株)製のエポルジョンHD51B(商
品名))である。
【0064】(c1)は、架橋性のシリル基及びエチレ
ン性炭素原子間二重結合を有する化合物、並びにカルボ
キシル基及びエチレン性炭素原子間二重結合を有する化
合物を含んで成る単量体混合物の重合によって合成され
た(C)架橋性のシリル基及びカルボキシル基を有する
高分子の水性エマルションであって、(C)高分子の濃
度が26重量%、酸価が32である、架橋性のシリル基
及びカルボキシル基を有する高分子の水性エマルション
(日本NSC(株)製のカネビノールKD4(商品
名))である。尚、(c1)の比較として、架橋性のシ
リル基を有さないがカルボキシル基を有する高分子の水
性エマルションであって、その濃度が26重量%、酸価
が32である、架橋性のシリル基を有さないがカルボキ
シル基を有する高分子(c1)’を用いた。
【0065】(2)水性樹脂組成物の調製 各成分(A)〜(C)を表1に記載した重量部(溶媒を
含む)で、室温で混合した後、蒸留水を加えて、樹脂の
濃度が15重量%となるように希釈して実施例及び比較
例の水性樹脂組成物を得た。各々の水性樹脂組成物の各
成分(A)〜(C)の重量部及び式(I)で示されるf
(B,C)の値を、表1に記載した。
【0066】(3)水性樹脂組成物の評価 (i)水性樹脂組成物から形成される塗膜の基材密着性 ケイカル板(比重0.8)製の基材(5cm×5cm×
1cm)(大祐基材(株)から入手)に、上述した水性
樹脂組成物をハケを用いて、固形分の塗工量を15g/
2として塗工した。これを、100℃で10分間乾燥
して塗膜が形成された試験片を得た。この試験片に、J
IS K5400の6.15に記載の碁盤目試験と同様
の碁盤目試験を行うことで塗膜の基材密着性を評価し
た。結果は、JIS K5400の6.15の表11に
記載の評価点数(0〜10)を用いて示した。結果は表
1に記載した。
【0067】(ii)水性樹脂組成物のポットライフ 水性樹脂組成物のポットライフは、水性樹脂組成物の基
材密着性の評価を1時間ごとに行い、基材密着性の評価
点数が低下する時間を測定することで評価した。結果は
表1に記載した。
【0068】
【表1】 a)成分の量は溶媒を含む重量部である。 b)f(B,C)=(C1×C2)/(B1×B2) (I) [但し、式(I)において、B1は、(B)重付加型ポ
リアミンの重量(g)、B2は、(B)重付加型ポリア
ミンのアミン価(mg)、C1は、(C)高分子の重量
(g)、並びにC2は、(C)高分子の酸価(mg)を
示す。]c)単位は、時間(hr)である。d)JIS
K5400の6.15の表11に記載の評価点数で表
示した。
【0069】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。本
発明の水性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂エマルシ
ョン、(B)重付加型ポリアミン及び(C)架橋性のシ
リル基とカルボキシル基を有する高分子を含み、関数f
(B,C)の値の範囲を、0.005〜0.1とするか
ら、従来のエポキシ樹脂エマルションや水溶性エポキシ
樹脂樹脂と比較して、常温における硬化し易さ(常温硬
化性)とポットライフ延長による長期作業性のバランス
をより改良することができる。
【0070】更に、本発明の水性樹脂組成物は、(C)
高分子と(B)重付加型ポリアミンを混合するので、
(C)高分子のカルボキシル基が(B)重付加型ポリア
ミンのアミノ基を捕捉し得、(B)の揮発性を低下せし
め、カブレ性を低下させることができる。
【0071】更に、(C)高分子の酸価が、5〜200
であるから、ポットライフをより延長することができ
る。また、(C)高分子を合成する単量体混合物を基準
(100重量%)とする架橋性のシリル基及びエチレン
性炭素原子間二重結合を有する化合物の含有率が0.0
1〜20重量%であるから、建築材料の補強性をより改
良することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 163/00 C09D 163/00 Fターム(参考) 4J002 AA06X BG00X BG01X BH02X BQ00X CD00W CD01W CD05W CD06W CD13W CL04Y EN006 EN036 EN046 EN076 EQ026 ER026 EV216 FD14Y FD146 GH01 GJ01 GK02 GL00 4J036 AB01 AB02 AB10 AD01 AD07 AD08 AD09 AD21 AF06 AF08 AF10 AG06 AG07 AH07 AH09 AJ08 AJ09 AK03 AK19 DC06 DC09 DC10 FB01 FB03 FB04 FB13 FB16 JA01 JA06 JA15 KA02 4J038 CA021 CA022 CB001 CB002 CC001 CC002 CC061 CC062 CF021 CF022 CG141 CG142 CG161 CG162 CH031 CH032 CH041 CH042 DB001 DB002 GA06 GA07 GA15 JB01 JB06 JB18 KA03 MA08 MA10 MA12 NA24 NA27 PB05 PC02 PC04 PC06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エポキシ樹脂エマルション、(B)
    重付加型ポリアミン、及び(C)架橋性のシリル基及び
    カルボキシル基を有する高分子を含んで成る水性樹脂組
    成物であって、 (B)重付加型ポリアミンに対する(C)架橋性のシリ
    ル基及びカルボキシル基を有する高分子の量は、式
    (I)に示す関数f(B,C)の値が、0.005〜
    0.1であることを特徴とする水性樹脂組成物。 f(B,C)=(C1×C2)/(B1×B2) (I) [但し、式(I)において、 B1は、(B)重付加型ポリアミンの重量(g)、 B2は、(B)重付加型ポリアミンのアミン価(m
    g)、 C1は、(C)高分子の重量(g)、並びに C2は、(C)高分子の酸価(mg)を示す。]
  2. 【請求項2】 (C)の酸価が5〜200であることを
    特徴とする請求項1に記載の水性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)が、架橋性のシリル基及びエチレ
    ン性炭素原子間二重結合を有する化合物、並びにカルボ
    キシル基及びエチレン性炭素原子間二重結合を有する化
    合物を含んで成る単量体混合物の重合によって合成さ
    れ、単量体混合物を基準(100重量%)とする架橋性
    のシリル基及びエチレン性炭素原子間二重結合を有する
    化合物の含有率が0.01〜20重量%であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の水性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の水性樹
    脂組成物において、(A)エポキシ樹脂エマルション、
    並びに(B)及び(C)を含む水性樹脂組成物の2種に
    分かれていることを特徴とする2液型の水性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 塗料用の請求項1〜4のいずれかに記載
    の水性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の水性樹
    脂組成物が硬化することによって得られる樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の水性樹
    脂組成物を得るための、(A)、(B)、及び(C)の
    組み合わせ。
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