JPH08176215A - 常温硬化性の水性樹脂組成物 - Google Patents

常温硬化性の水性樹脂組成物

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JPH08176215A
JPH08176215A JP33661794A JP33661794A JPH08176215A JP H08176215 A JPH08176215 A JP H08176215A JP 33661794 A JP33661794 A JP 33661794A JP 33661794 A JP33661794 A JP 33661794A JP H08176215 A JPH08176215 A JP H08176215A
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JP
Japan
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examples
epoxy resin
resin composition
acid
acrylate
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Withdrawn
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JP33661794A
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English (en)
Inventor
Masahiko Otsuka
雅彦 大塚
Nobuko Yoshitomi
信子 吉富
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)エポキシ樹脂20〜60重量部の存在
下に、(B)a.芳香族不飽和化合物、b.α,β−不
飽和モノカルボン酸のC1〜C12のアルキルエステ
ル、c.α,β−不飽和モノカルボン酸のヒドロキシア
ルキルエステルを必須成分とするラジカル重合性モノマ
ー40〜80重量部を乳化重合して得られた水性樹脂組
成物であって、その水性樹脂組成物から得られるフィル
ムのガラス転移点(Tg)が10〜−40℃の範囲であ
る常温硬化性の水性樹脂組成物。 【効果】 ラジカル重合性のカルボン酸成分を含有して
いないため、貯蔵中の変化もなく貯蔵後の接着力の低下
がなく、また従来のエポキシ樹脂との組わせによるエマ
ルジョンに比べ相溶性が良好であるためコンタクト性が
良好であり、かつエポキシ樹脂による硬化もスムーズに
進行するので溶剤系クロロプレン接着剤と同等性能を有
する常温硬化性の水性樹脂組成物、が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は常温または加熱により乾
燥させることによって粘着性を発揮し、かつ時間の経過
に伴って非粘着性となる性質を与える組成物であり、詳
しくは乾燥直後に高い接着力を与え、かつ常温でそのま
ま放置することにより高い耐熱性、耐水性、接着性を発
揮する常温硬化性の水性樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】近年、省資源、地球環境に優しい材料の開
発が進められている。その中でも溶剤系クロロプレン接
着剤の代替が積極的に行われている。このクロロプレン
接着剤は、(1)溶剤乾燥直後の接着力(コンタクト
性)が良好である、(2)養生後高結晶性のため接着力
が高い、(3)耐熱性、耐水性が良好である、等の特徴
を有している。このクロロプレン接着剤の水性化は、例
えばクロロプレンゴムのエマルジョン化や、従来からあ
る熱可塑性のアクリルエマルジョン、ウレタンエマルジ
ョンの高性能化等が行われているが、コンタクト性と養
生後の接着力と耐熱性、耐水性のバランスが図れず、い
まだ満足しうるものはない。これに対して従来の熱可塑
性エマルジョン単独ではなく、熱硬化性のエポキシ樹脂
との組み合わせによりコンタクト性、養生後の接着力、
耐熱性、耐水性のバランスを図る試みがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらエポキシ
樹脂のエマルジョンを単純にブレンドしただけでは、貯
蔵中にエポキシ樹脂と残りの重合体成分とが分離した
り、エポキシ樹脂エマルジョンを製造するときに使用さ
れる多量の乳化剤が耐水性に影響を及ぼすという欠点が
あった。これらに対し、例えば特開昭49−10658
6号公報ではエポキシ樹脂存在下で乳化重合を行い分離
の問題を解決している。また、特開昭57−11541
8号公報ではエポキシ樹脂の末端を一部アクリロイル基
とすることによりアクリルポリマーとの相溶性を改良
し、貯蔵中の分離を防ぐとともに性能の向上を図ってい
る。これらの改良により従来の課題はかなり解決されて
きているものの、両先行技術で開示されている組成で
は、エマルジョンの貯蔵中にエポキシ樹脂のエポキシ基
とポリマー中カルボン酸に由来するカルボキシル基との
反応が進行し、貯蔵後の接着力が低下してしまう問題を
含んでいた。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者らは、エポキシ樹脂と特定モノマーから得
られるポリマーとの組み合わせを選択するとともに、か
つ乾燥後のフィルムのガラス転移点(以下「Tg」とい
う。)に着目して本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(A)エポキシ樹脂
20〜60重量部の存在下に、(B)a.芳香族不飽和
化合物、b.α,β−不飽和モノカルボン酸のC1〜C
12のアルキルエステル、c.α,β−不飽和モノカル
ボン酸のヒドロキシアルキルエステルを必須成分とする
ラジカル重合性モノマー40〜80重量部を乳化重合し
て得られた水性樹脂組成物であって、その水性樹脂組成
物から得られるフィルムのTgが10〜−40℃の範囲
である常温硬化性の水性樹脂組成物である。以下に本発
明を詳細に説明する。
【0006】本発明で使用されるエポキシ樹脂とは、1
分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物であり、
例えばグリシジルエーテル類、グリシジルエステル類、
グリシジルアミン類、線状脂肪族エポキサイド類、脂環
族エポキサイドなどが挙げられる。
【0007】グリシジルエーテル類としては、芳香族グ
リシジルエーテル、脂肪族グリシジルエーテルが挙げら
れ、芳香族グリシジルエーテルとしては例えばビスフェ
ノールのジグリシジルエーテル、フェノールノボラック
のポリグリシジルエーテル、ビフェノールのジグリシジ
ルエーテルが挙げられる。該ビスフェノールのジグリシ
ジルエーテルとしては例えば、ビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノール
S、テトラメチルビスフェノールA、テトラブロモビス
フェノールAなどのジグリシジルエーテルが挙げられ、
フェノールノボラックのポリグリシジルエーテルとして
は例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラッ
ク、ブロム化フェノールノボラックなどのポリグリシジ
ルエーテルが挙げられ、ビフェノールのジグリシジルエ
ーテルとしては例えば、ビフェノール、テトラメチルビ
フェノールのジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0008】脂肪族グリシジルエーテルとしては、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリ
セリン、テトラメチレングリコールなどのグリシジルエ
ーテルが挙げられる。グリシジルエステル類としては、
芳香族グリシジルエステル、脂環式グリシジルエステル
などが挙げられる。芳香族グリシジルエステルとしては
例えば、フタル酸、テレフタル酸。イソフタル酸などの
ジグリシジルエステルが挙げられ、脂環式グリシジルエ
ステルとしては、例えばヘキサヒドロフタル酸、テトラ
ヒドロフタル酸、ダイマー酸等のグリシジルエステルが
挙げられる。
【0009】グリシジルアミン類としては例えば、テト
ラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシ
ジルメタキシリレンジアミン、トリグリシジルアミノフ
ェールなどが挙げられる。
【0010】線状脂肪族エポキサイド類としては例え
ば、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油など
が挙げられ、脂環族エポキサイドとしては例えば、3,
4エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチルカルボキ
シレート、3,4エポキシシクロヘキシルメチルカルボ
キシレートなどが挙げられる。
【0011】エポキシ樹脂は単独で使用してもよく2種
類以上を組み合わせてもよい。好ましいエポキシ樹脂は
耐熱性、耐水性の観点からグリシジルエーテル類であ
り、さらに好ましくはビスフェノールのジグリシジルエ
ーテルであり、特にに好ましくはビフェノールA、ビフ
ェノールFのジグリシジルエーテルである。エポキシ樹
脂のエポキシ当量は100〜10000の範囲ものを用
いることができ、常温硬化性、耐熱性、耐水性の観点か
ら好ましくは150〜3000であり、さらに好ましく
は170〜1000である。
【0012】本発明で使用するラジカル重合性モノマー
は、a.芳香族不飽和化合物、b.α,β−不飽和モノ
カルボン酸のC1〜C12のアルキルエステル、および
c.α,β−不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキ
ルエステルを必須成分とするものであって、不飽和カル
ボン酸を含有しないものである。
【0013】芳香族不飽和化合物として例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げら
れる。α,β−不飽和モノカルボン酸のC1〜C12の
アルキルエステルとしては例えば、アクリル酸またはメ
タクリル酸のC1〜C12のアルキルエステルが挙げら
れる。アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C12の
アルキルエステルとしては例えば、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソ
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチ
ルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラ
ウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピル
メタアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチル
メタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレートなどが挙げられる。
【0014】α,β−不飽和モノカルボン酸のヒドロキ
シアルキルエステルとしては例えば、アクリル酸または
メタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルが挙げられ
る。アクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキ
ルエステルとしては例えば、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒド
ロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポ
リエチレングリコールメタアクリレート等が挙げられ
る。
【0015】本発明におけるラジカル重合性モノマーの
組成とエポキシ樹脂との組み合わせにおいて、初めてコ
ンタクト性と耐熱性との高度のバランスが図られる。芳
香族不飽和化合物を用いない場合、本発明のTg範囲に
あわせた場合でも高度のコンタクト性は得られない。
α,β−不飽和モノカルボン酸のC1〜C12のアルキ
ルエステルを用いない場合、Tgコントロールが容易で
なくなるととともに、高度のコンタクト性が得られな
い。Cが13を越えるアルキルエステルを用いた場合、
高度の耐熱性が得られない。また、アクリル酸またはメ
タクリル酸のヒドロキシアルキルエステルを用いない場
合、水性樹脂組成物が不安定となり粒子の沈降・凝集が
起こる。
【0016】ラジカル重合性モノマーのa.、b.、
c.は各々単独で使用してもよく、また各々が2種以上
の混合物であってもよい。ラジカル重合性モノマーで好
ましいものは、芳香族不飽和化合物ではスチレンであ
り、α,β−不飽和モノカルボン酸のC1〜C12のア
ルキルエステルではエチルアクリレート、ブチルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレートであり、さら
に好ましくはブチルアクリレートであり、α,β−不飽
和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステルでは2
−ヒドロキシエチルメタクリレートである。
【0017】本発明必須成分のラジカル重合性モノマー
以外のラジカル重合性モノマーも必要に応じて組み合わ
せててもよい。例えば、アミド基含有モノマーとして例
えばアクリルアミド、メタクリルアミド;メチロール基
含有モノマーとして例えばN−メチロールアクリルアミ
ド、ジメチロールアクリルアミド;アルコキシメチル基
含有モノマーとして例えばN−ブトキシメチルアクリル
アミド、N−メチキシメチルアクリルアミド;エポキシ
基含有モノマーとして例えばグリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレート;α,β−エチレン性不飽和
ジカルボン酸のモノまたはジエステルとして例えばマレ
イン酸モノまたはジブチル、フマル酸モノまたはジオク
チル;ビニルエステルとして例えば酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル;不飽和ニトリルとして例えばアクリロニ
トリル、メタクリロニトリル;オレフィンとして例えば
ブタジエン、イソプレン;塩素含有ビニルモノマーとし
て例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン;
ジビニルモノマーとして例えばジビニルベンゼン、ポリ
オキシエチレンジアクリレート、ポリオキシエチレンジ
メタクリレートなどを挙げることができる。不飽和カル
ボン酸は含有してはならない。
【0018】本発明においてエポキシ樹脂とラジカル重
合性モノマーとの比率は、エポキシ樹脂20〜60重量
部に対してラジカル重合性モノマーが40〜80重量部
であり、好ましくはエポキシ樹脂が25〜55重量部に
対してラジカル重合性モノマーが45〜75重量部であ
る。エポキシ樹脂が20重量部未満だと耐熱性、耐水性
が不良であり、また60重量部をこえるとコンタクト性
が不良となる。
【0019】本発明の水性樹脂組成物から得られるフィ
ルムのTgは10〜−40℃の範囲であり、好ましくは
0〜−30℃である。10℃を越えるとコンタクト性が
不足し接着力が不良となり、−40℃未満で接着力が不
足する。本発明から得られるフィルムは、ビニルポリマ
ーと未硬化エポキシ樹脂とが相溶している状態が好まし
い。すなわち、相溶することによりフィルムのTgがビ
ニルポリマーの要因のみでなく、溶解しているエポキシ
樹脂の量、分子量等にも左右される。例えば、ビニルポ
リマー自身のTgを高く設定したとしても、エポキシ樹
脂添加量が多い場合はその可塑化効果により、フィルム
のTgは低下する。その逆も有り得る。したがってラジ
カル重合性モノマーの組成比は、エポキシ樹脂相溶下で
のフィルムのTgをどこに設定するかにより決定される
ものである。ただし、コタンクト性、エポキシ樹脂硬化
後の耐熱性、耐水性の面からみて、ラジカル重合性モノ
マーの最適範囲は存在する。
【0020】本発明の必須成分であるa.芳香族不飽和
化合物、b.α,β−不飽和モノカルボン酸のC1〜C
12のアルキルエステル、およびc.α,β−不飽和モ
ノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステルの組成比
は、好ましくはa.芳香族不飽和化合物が20〜80重
量%、b.α,β−不飽和モノカルボン酸のC1〜C1
2のアルキルエステルが20〜80重量%、c.α,β
−不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステル
0.1〜20重量%である。
【0021】本発明のTgは、示差走査熱量計を用い−
100℃から昇温速度10℃/分で測定できる。得られ
たデータの変曲点をTgとし、変曲点が2つ以上ある場
合は高温側の変曲点をTgとする。Tg測定に際して用
いるサンプルは、水性樹脂組成物を常温または加熱によ
り乾燥させたものでなければならない。但し加熱による
乾燥する場合、過剰な加熱はTgの変化を伴うのででき
るだけ速やかに行うことが必要である。
【0022】本発明における乳化重合は、従来公知の重
合技術、すなわちラジカル重合性モノマー、ラジカル重
合開始剤、水、界面活性剤の存在下によって行われる。
本発明の場合、例えばエポキシ樹脂とラジカル重合性モ
ノマーとを予め室温または加温下で十分に撹拌を行うこ
とによって均一に溶解させ、これに界面活性剤、分散
剤、保護コロイド等と水及びラジカル重合開始剤を加え
て乳化分散液としたのち重合する方法が挙げられる。こ
の方法以外にも例えば、エポキシ樹脂とラジカル重合性
モノマーを別個に乳化分散させ重合に供する方法、エポ
キシ樹脂のみを乳化分散させラジカル重合性モノマーを
直接重合させる方法等が挙げられ、また重合開始剤の添
加方法も乳化分散液と一緒に添加させたり、別個に添加
させたりもできる。乳化重合時にラジカル重合性モノマ
ーとエポキシ樹脂とは反応しても、しなくてもよい。好
ましくは反応しないほうがよい。
【0023】使用する界面活性剤としては、イオン性、
非イオン性の界面活性剤があり、イオン性界面活性剤と
してはアニオン性、カチオン性、両性が挙げられる。ア
ニオン性界面活性剤としては、例えば脂肪酸、高級アル
コールの硫酸エステル塩、液体脂肪油の硫酸エステル
塩、脂肪族アミンおよび脂肪族アマイドの硫酸塩、脂肪
族アルコールのリン酸エステル、二塩基性脂肪酸エステ
ルのスルホン酸塩、脂肪族アミドのスルホン酸塩、アル
キルアリルスルホン酸塩、ホルマリン縮合ナフタリンス
ルホン酸塩等が挙げられ、カチオン性界面活性剤として
は例えば第一アミン塩、第二アミン塩、第三アミン塩、
第四アンモニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられ、両
性界面活性剤としては例えばカルボン酸塩型、硫酸エス
テル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エステル塩等が挙げ
られる。
【0024】非イオン性界面活性剤としては例えばポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシ
エチレンソルビタンアルキルエステル等が挙げられる。
また上記で挙げた非反応性の界面活性剤以外にも反応性
の界面活性剤も使用することができる。反応性界面活性
剤としては一分子中にラジカル重合性の官能基を有しか
つスルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸塩
基、スルホン酸エステル塩基から選ばれる一個以上の官
能基を有するもの、または一分子中にラジカル重合性の
官能基を有しかつポリオキシエチレン、ポリオキシプロ
ピレン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン複合
タイプのアルキルエーテルまたはアルコールを有するも
のである。これらの界面活性剤は一種でも、また2種以
上と組み合わせてしようしてもよい。分散剤、保護コロ
イドとしては例えばポリリン酸塩、ポリアクリル酸塩、
無水マレイイン酸コポリマー塩、ポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシエチルアルコール等が挙げられる。
【0025】重合開始剤としては、水溶性、油溶性の重
合開始剤が使用できる。水溶性の重合開始剤としては例
えば、過硫酸塩、過酸化物、水溶性のアゾビス化合物、
過酸化物−還元剤のレドックス系等が挙げられ、過硫酸
塩としては例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリム、等が挙げられ、過酸化物としては
例えば過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、コハク酸パーオ
キシドが挙げられ、水溶性アゾビス化合物としては例え
ば2,2’−アゾビス(N−ヒドロキシエチルイソブチ
ルアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)2塩化水素、4,4’−アゾビス(4−シアノペン
タン酸)等が挙げられ、過酸化物−還元剤のレドックス
系としては例えば、先の過酸化物に亜硫酸水素ナトリウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン
酸ナトリウム、第一銅塩、第一鉄塩等の還元剤の添加が
挙げられる。
【0026】油溶性の重合開始剤としては例えば、過酸
化物、油溶性のアゾビス化合物等が挙げられ、過酸化物
としては例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド等が挙げられ、油溶性のアゾビス化合物
としては例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、
2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル
等が挙げられる。
【0027】本発明の重合では、必要に応じてリン酸水
素ナトリウムや炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、t
−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンや
低分子ハロゲン化合物等の分子量調整剤、可塑剤、有機
溶剤等を乳化重合の前・中・後に添加することができ
る。重合温度は、例えば0〜100℃の範囲であり、特
に30〜90℃範囲が好ましく、不活性雰囲気中、常圧
下または必要に応じて加圧下で行われる。
【0028】本発明の水性樹脂組成物はそのまま用いて
もよいが、含有しているエポキシ樹脂を硬化させるため
に必要に応じて硬化剤を配合してもよい。硬化剤として
は例えば、ポリアミン系、酸無水物系、フェノール樹
脂、ポリメルカプタン、ルイス酸錯体等が挙げられる。
ポリアミン系硬化剤としては脂肪族ポリアミン、脂環族
ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、第三級ア
ミンが挙げられ、脂肪族ポリアミンとしては例えば、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、テトラエチレンペンタミンおよびこれらの
変性体等が挙げられる。
【0029】脂環族ポリアミンとしては例えば、イソホ
ロンジアミン、メンタンジアミン、N−アミノエチルピ
ペラジン、ジアミノジシクロヘキシルメタンやこれらの
変性体等が挙げられる。芳香族ポリアミンとしては例え
ば、m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタ
ン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスル
ホンやこれらの変性体等が挙げられる。ポリアミドとし
ては例えばダイマー酸等のジカルボン酸と先のポリアミ
ンとの縮合物が挙げられる。第三級アミンとしては例え
ば、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリスジメ
チルアミノメチルフェノール等の第三級アミノ基含有化
合物やこれらの変性体や、イミダゾール、2−メチルイ
ミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2
−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール化合物やこ
れらの変性体等が挙げられる。
【0030】その他ポリアミンとしてはジシアンジミ
ド、アジピン酸ジヒドラジッド等が挙げられる。酸無水
物としては例えば、1官能性として無水フタル酸、無水
テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メ
チルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無
水フタル酸やこれらの変性体が挙げられ、2官能性とし
て無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸やこれらの変性体が挙げられる。フェノール樹脂
としては例えば、ノボラック型のフェノール樹脂、レゾ
ール型のフェノール樹脂等が挙げられる、ポリメルカプ
タンとしては例えば、チオグリコール酸と多価アルコー
ルとの縮合物やポリサルファイド等が挙げられる。ルイ
ス酸錯体としては例えば三フッ化ホウ素のアミン錯体な
どが挙げられる。これらの硬化剤は一種または二種以上
と組み合わせてもよい。好ましくはポリアミン系硬化剤
である。
【0031】ポリアミン系硬化剤の添加量は、含有して
いるエポキシ基と当量であることが好ましい。本発明の
水性樹脂組成物を用いた場合、配合量が多いポリアミン
系硬化剤であっても、コンタクト性が損なわれることは
ない。 本発明の水性樹脂組成物を硬化剤を用いて硬化
させるとき、例えば接着剤として応用する場合被着体に
塗布する前に両者を混合してもよく、また一方の被着体
に本発明の水性樹脂組成物を塗布し、もう一方の被着体
に硬化剤を塗布し、該両被着体の塗布面を重ね合わせて
混合する方法も用いることができる。特に後者の方法は
可使時間の延長をはかることができる利点がある。
【0032】本発明の水性樹脂組成物の硬化は常温また
は加熱により水を揮散した後、常温で硬化を進めてもよ
く、また加熱により硬化を進めてもよい。また、水を揮
散せずに被着体を張り合わせ、常温または加熱により硬
化を進めてもよい。
【0033】本発明の水性樹脂組成物には必要に応じて
タッキファイヤー、ゴム成分を添加してもよい。タッキ
ファイヤーとしては例えば、ロジン系、ロジン誘導体
系、テルペン樹脂系、テルペン誘導体系等の天然系タッ
キファイヤーや、石油樹脂系、スチレン樹脂系、クマロ
ンインデン樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系
等の合成系タッキファイヤー等が挙げられる。これらの
タッキファイヤーは水分散または水溶液の形で加えるこ
とが好ましい。ゴム成分としては例えば、液状ニトリル
ゴム、シリコンゴム等が挙げられる。また、硬化性能を
さらに向上させるためにメラミン樹脂、尿素樹脂、ベン
ゾグアナミン樹脂などのアミノ樹脂を添加してもよい。
また、殺菌剤、防腐剤、消泡剤、可塑剤、pH調整剤等
を添加してもよい。
【0034】本発明の水性樹脂組成物は、接着剤、粘着
剤はもとより、塗料、印刷インキ、ガスバリヤ性包装材
料、加工紙、繊維加工剤、建築材料などに使用すること
ができる。接着剤としては例えば、木材、合板、パーテ
ィクルボード、石膏ボード、鉄、アルミ等の金属、プラ
スチックフィルム、プラスチックフォーム、プラスチッ
クの不織布、皮革、木綿、麻等の布、ガラス繊維、ガラ
ス布、FRP等の接着が挙げられる。粘着剤分野として
は例えばテープ、ラベル、壁紙、床材等が挙げられ、塗
料分野としては例えばコンクリート、木材、金属、フロ
アポリッシュ等が挙げられ、繊維加工剤としては例えば
不織布、カーペット、電気植毛布、積層布、タイヤコー
ド等が挙げられ、建築材料としては例えばシーリング
材、ラテックスセメント、防水材等が挙げられる。
【0035】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。なお、特
に指定のない限り部は重量基準とする。 (実施例1〜11) (1)エマルションの調整 表1に示すラジカル重合性モノマーとエポキシ樹脂の混
合物100部に、エマルゲン950(花王(株)製 ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル)の25%水
溶液8部、レベノールWZ(花王(株)製 ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム)の2
5%水溶液4部、過硫酸アンモニウム0.2部、蒸留水
43部を添加し、ホモミキサーで撹拌を行いプレ乳化物
を作製した。別に撹拌機付きフラスコに蒸留水40部、
エマルゲン950の25%水溶液2部を仕込み、80℃
に昇温し、過硫酸アンモニウム0.1部を水5部に溶解
したものを添加する。これに、前記プレ乳化物を4時間
かけて連続滴下する。その後過硫酸アンモニウム0.0
5部を水5部に溶解したものを添加し、同温度で1時間
重合を続けた。その後30℃以下まで冷却し、25%濃
度のアンモニア水でpHを7に調整して固形分50%の
エマルションを得た。重合後の粘度、およびエマルショ
ン乾燥後のTgを表1に併せて示す。
【0036】(比較例1〜6)表2に示すラジカル重合
性モノマーとエポキシ樹脂の混合物を実施例と同様の方
法で乳化重合を行い、エマルションを得た。重合後の粘
度、およびエマルション乾燥後のTgを表2に併せて示
す。 (2)評価方法および評価結果 イ.硬化剤との配合 実施例例1〜12、比較例1〜6で得たエマルションに
市販の硬化剤アンカミン2075(A.C.I.ジャパ
ンリミッテド製 変性脂環式ポリアミン 添加量エポキ
シ樹脂に対して40phr)、アンカミン1769
(A.C.I.ジャパンリミッテド製 変性脂肪族ポリ
アミン 添加量エポキシ樹脂に対して25phr)、2
−メチルイミダゾール(添加量エポキシ樹脂に対して5
phr)を表3、表4に示す割合で撹拌混合し配合品を
得た。 ロ.接着性能の評価 上記配合品を下記に示す方法で、接着性能の評価を行っ
た。その結果を表5〜6に示す。
【0037】塗布・接着 増粘剤で配合品の粘度を5000cpsに調整した後、
ワイヤーバー#75を用いて合板および1インチ幅の9
号キャンバスに塗布し、20℃で20分乾燥させる。そ
の後配合品が乾燥した面を張り合わせ、4.5kgのロ
ーラーを2回往復させた。
【0038】初期接着強さ 張り合わせた後20℃で1時間放置したサンプルを用
い、テンシロン引っ張り試験機で180°ハクリ強さを
測定した。2.0kg/inch以上を合格と判定す
る。引っ張り速度は50mm/minとした。
【0039】養生後接着強さ 張り合わせた後20℃で7日放置したサンプルを用い、
テンシロン引っ張り試験機で180°ハクリ強さを測定
した。4.0kg/inch以上を合格と判定する。引
っ張り速度は50mm/minとした。
【0040】耐熱性 張り合わせた後20℃で7日放置したサンプルを、60
℃雰囲気下で200gの重りを90°方向に引っ張り、
24時間放置後に重りが落下しなければ合格とし、落下
の場合不合格と判定した。重りはキャンバス側に付け
た。
【0041】ハ.貯蔵安定性評価 エマルションのみを50℃のオーブンに2週間放置し、
放置後の初期接着強さを測定した。放置前後の初期接着
強さの変化率が80%以上を合格と判定する。表7に結
果を示す
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】
【発明の効果】本発明から得られる常温硬化性の水性樹
脂組成物は、ラジカル重合性のカルボン酸成分を含有し
ていないため、表7の結果から貯蔵中の変化もなく貯蔵
後の接着力の低下がなく、また表5の結果から従来のエ
ポキシ樹脂との組わせによるエマルジョンに比べ相溶性
が良好であるためコンタクト性が良好であり、かつエポ
キシ樹脂による硬化もスムーズに進行するので溶剤系ク
ロロプレン接着剤と同等性能を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂20〜60重量部の
    存在下に、(B)a.芳香族不飽和化合物、b.α,β
    −不飽和モノカルボン酸のC1〜C12のアルキルエス
    テル、c.α,β−不飽和モノカルボン酸のヒドロキシ
    アルキルエステルを必須成分とするラジカル重合性モノ
    マー40〜80重量部を乳化重合して得られた水性樹脂
    組成物であって、その水性樹脂組成物から得られるフィ
    ルムのガラス転移点(Tg)が10〜−40℃の範囲で
    ある常温硬化性の水性樹脂組成物。
JP33661794A 1994-12-26 1994-12-26 常温硬化性の水性樹脂組成物 Withdrawn JPH08176215A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08231616A (ja) * 1994-12-27 1996-09-10 Asahi Chem Ind Co Ltd 硬化性水性樹脂組成物
KR100497328B1 (ko) * 1996-12-30 2005-09-12 고려화학 주식회사 수분산수지
WO2020100790A1 (ja) * 2018-11-13 2020-05-22 昭和電工株式会社 水性樹脂エマルジョン及びその製造方法、並びに水性樹脂組成物

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KR100497328B1 (ko) * 1996-12-30 2005-09-12 고려화학 주식회사 수분산수지
WO2020100790A1 (ja) * 2018-11-13 2020-05-22 昭和電工株式会社 水性樹脂エマルジョン及びその製造方法、並びに水性樹脂組成物

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