JP2004285144A - 水性エマルジョン - Google Patents
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Abstract
【課 題】有機溶剤を使用せず、特殊な設備や煩雑な操作を用いることなく、容易に製造でき、かつ安価で貯蔵安定性に優れ、さらには良好な接着性、皮膜形成性、被覆性等を有する水性エマルジョンの提供。
【解決手段】ポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂とを、ポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂の配合比率が99/1〜30/70(質量比)の範囲で溶融混練した組成物を水に分散することにより得られることを特徴とする水性エマルジョン。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂とを、ポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂の配合比率が99/1〜30/70(質量比)の範囲で溶融混練した組成物を水に分散することにより得られることを特徴とする水性エマルジョン。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好な接着性、皮膜形成性、被覆性等を有する水性エマルジョンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
接着剤やコーティング剤、塗料等の分野においては、有機溶剤を使用した組成物が大量に使用されていた。しかしながら近年、取り扱いのし易さ、安全性、作業環境、環境汚染等の問題から水性エマルジョンへの代替が進み、最近では大量に使用されている。
水性エマルジョンとしては、天然ゴム系、合成ゴム系、酢酸ビニル樹脂系、アクリル酸エステル樹脂系の合成高分子を用いた水性エマルジョンなどが挙げられる。中でも合成ゴム系、酢酸ビニル樹脂系、アクリル酸エステル樹脂系の合成高分子を用いた水性エマルジョンがコスト、実用上の性能の点からよく用いられている。
【0003】
しかしながら、これらの合成高分子系の水性エマルジョンは、一般的に生分解性に乏しく、将来的な廃棄物処理のあるべき姿を考えると、生分解性を有する水性エマルジョンであることが望ましく、社会的にも要請されているといえる。また、将来の石油枯渇を考えると、天然物由来の合成高分子を用いることも望まれているといえる。
【0004】
こうした生分解性を有する、天然物由来の合成高分子の代表例としてはとうもろこしなどを原料として合成されるポリ乳酸が挙げられる。ポリ乳酸は熱溶融性樹脂であり、耐水性にも優れるため、成型品やフィルム、シート、繊維などへの用途開発が進んでいる。一方で、水性エマルジョンに関する技術も開示されている(例えば特許文献1〜2参照)。
【0005】
しかしながら、これらの技術ではポリ乳酸が水に不溶なため、水性エマルジョンを製造する工程において有機溶剤が用いられる。このため、作業環境上好ましくなく、得られる水性エマルジョン組成物からの溶剤の完全な除去が困難であるなどの問題がある。さらには、溶剤の留去ならびに回収を行う工程等の特殊な設備や煩雑な操作が必要であり、これらの工程が完全密閉系でないため、周辺環境への影響等の問題もある。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−7789号公報(請求項1〜5)
【特許文献2】
特開2002−173535号公報(請求項1〜5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のごとき実情に鑑みてなされたものであって、その目的は有機溶剤を使用せず、特殊な設備や煩雑な操作を用いることなく、容易に製造でき、かつ安価で貯蔵安定性に優れ、さらには良好な接着性、皮膜形成性、被覆性等を有する水性エマルジョンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、ポリ乳酸とポリビニルアルコール(PVA)系樹脂との配合割合が99/1〜30/70(質量比)の範囲で溶融混練した組成物を水に分散することにより得られる水性エマルジョン、より好ましくはポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂とを合わせた100質量部に対して可塑剤0.1〜30質量部、アニオン界面活性剤0.01〜5.0質量部を1種以上配合したものを溶融混合することにより得られる水性エマルジョンが、上記課題を解決するのに有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)ポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂とを、ポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂の配合比率が99/1〜30/70(質量比)の範囲で溶融混練した組成物を水に分散することにより得られることを特徴とする水性エマルジョン、
(2)組成物がポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂に加えて、ポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂とを合わせた100質量部に対して、可塑剤0.1〜30質量部及びアニオン界面活性剤0.01〜10質量部の1種以上をさらに配合し溶融混練した組成物であることを特徴とする前記(1)記載の水性エマルジョン、
(3)ポリビニルアルコール系樹脂が平均重合度700以下でケン化度が84モル%以下のポリビニルアルコールであることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の水性エマルジョン、
(4)ポリビニルアルコール系樹脂が主鎖または側鎖にスルホ基または塩基で中和されたスルホ基を有することを特徴とする前記(1)および(2)記載の水性エマルジョン、
(5)ポリビニルアルコール系樹脂が主鎖または側鎖にオキシアルキレン基を有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の水性エマルジョン、
(6)オキシアルキレン基が一般式
【化3】
―(CH2・CH2O)n−H
[但しnは1〜50の整数]
で示されるオキシエチレン基、または一般式
【化4】
[但しnは1〜50の整数]
で示されるオキシプロピレン基であることを特徴とする前記(5)記載の水性エマルジョン、
(7)ポリビニルアルコール系樹脂が酢酸ビニルとα―オレフィンとの共重合体のケン化物であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の水性エマルジョン、
(8)ポリビニルアルコール系樹脂が側鎖にアルキル基を有することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の水性エマルジョン、
(9)アニオン界面活性剤が、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩および脂肪酸アルカリ塩からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする前記(2)〜(8)のいずれかに記載の水性エマルジョン、
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載の水性エマルジョンのコーティング剤、接着剤、バインダー、混和剤又は繊維加工剤の製造のための使用、
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明中のポリ乳酸は通常糖類・でんぷんを主原料として得られる乳酸を重合したものである。この際、乳酸のみである必要はなく、乳酸の一部として例えばリンゴ酸、グルコール酸等の他のヒドロキシカルボン酸などが用いられてもよい。本発明のポリ乳酸は、乳酸と多価アルコールや多塩基酸との共重合物であってもよい。乳酸は、L−乳酸、D−乳酸又はそれらの混合物であってよい。乳酸を得るための発酵方法、ポリ乳酸を得るための重合方法等は公知の方法でよく、例えば、ラクチド法、多価アルコールと多塩基酸との重縮合、または分子内に水酸基とカルボキシル基とを有するヒドロキシカルボン酸の分子間重縮合などが好都合に用いられる。上記ポリ乳酸は熱溶融するものであるのが好ましい。また、上記ポリ乳酸として、カオリナイト、ハロサイト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、マイカなどの天然または合成の層状ケイ酸塩やカーボンブラック、シリカ等を添加したナノコンポジットポリ乳酸を用いてもかまわない。
【0011】
本発明において用いられるPVA系樹脂の平均重合度は特に制限されないが、好ましくは平均重合度約700以下のものが、より好ましくは約600以下のものが用いられる。平均重合度が約700を超えると溶融混練が困難になる傾向が見られる。また、PVA系樹脂のケン化度は特に制限されないが、好ましくはケン化度約84モル%以下のものが用いられ、より好ましくは約70モル%以下のものが用いられる。ケン化度が約84モル%を超えた場合、溶融混練が困難になる傾向が見られる。但し、PVA系樹脂に可塑剤を添加して溶融するもので、本発明の効果を損なわない範囲のものであれば、平均重合度約700を超えるものやケン化度約84モル%を超えるものも用いることができる。
本発明において、PVAの平均重合度及びケン化度は、JIS−K6726に従って測定される。
【0012】
またポリ乳酸とPVA系樹脂との配合比率は通常約99/1〜30/70(質量比)であり、より好ましくは約95/5〜50/50である。約99/1以上ではポリ乳酸とPVA系樹脂との組成物が水に乳化せず安定な水性エマルジョンとならない。また、約30/70以下では皮膜の耐水性が低下するなど性能低下が生じる。
【0013】
本発明のPVA系樹脂を製造する際に用いられる脂肪族ビニルエステル類としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどがあげられるが、工業的には酢酸ビニルが望ましい。脂肪族ビニルエステル類の重合方法は公知のものでよく、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等があげられるが、中でもメチルアルコール等の溶剤中でα,α’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酢酸、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート等のアゾ系または過酸化物系の開始剤を用いて重合する方法が一般的である。重合の際には2−メルカプトエタノール等の重合度調整用の連鎖移動剤を用いたり、重合終了の際にハイドロキノン、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジノオキシ(TEMPO)、メタ−ジニトロベンゼン等の重合禁止剤・重合用抑制剤等を用いても良い。また、未反応の単量体の除去方法及びケン化、乾燥、粉砕方法等も公知の方法でよく、特に制限は無い。
【0014】
また、本発明の効果を損なわない範囲で脂肪族ビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体と脂肪族ビニルエステルとの共重合を行っても良い。脂肪族ビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モノアルキルエステル類、ダイアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等のアミド基含有単量体、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、イソプロペニルアリルアルコール等の水酸基含有単量体、アリルアセテート、ジメチルアリルアセテート、イソプロペニルアリルアセテート等のアセチル基含有単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル、トリメトキシビニルシラン、トリブチルビニルシラン、ジフェニルメチルビニルシラン等のビニルシラン類、エチレン、プロピレン等のアルファオレフィン類、アリルスルホン酸Na、メタリルスルホン酸Na、スチレンスルホン酸Na、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸Na等の塩基(例えば水酸化ナトリウム等)で中和されたスルホ基含有単量体、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−エチルへキシル、アクリル酸−n−ブチル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等のアクリル酸系単量体、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル等のオキシアルキレン基含有単量体、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン若しくは1−ヘキセン等のα−オレフィン類等が挙げられるが、中でも塩基で中和されたスルホ基含有単量体は水性エマルジョン組成物を乳化させる際に、分散性を高める効果があり、またオキシアルキレン基含有単量体、α―オレフィン類、アルキルビニルエーテル類は溶融粘度低下効果があることから特に好ましい。
【0015】
この他、PVA系樹脂は部分的にウレタン化、アセタール化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化などの反応によって変性させた変性樹脂であってもよい。
【0016】
本発明中の主鎖または側鎖にスルホ基または塩基で中和されたスルホ基を有するPVA系樹脂は、主鎖または側鎖にスルホ基または塩基で中和されたスルホ基が導入されているPVAを有する樹脂であれば特に制限はなく、このような主鎖または側鎖を有するPVA系樹脂の製造方法としては、例えば脂肪酸ビニルエステルとスルホ基または塩基で中和されたスルホ基含有不飽和単量体とを共重合し、ケン化を行う方法やアルデヒド類などを用いた後変性により主鎖または側鎖にスルホ基または塩基で中和されたスルホ基をPVA系樹脂に導入する方法などが挙げられる。前記スルホ基もしくは塩基で中和されたスルホ基含有不飽和単量体としては、ビニルスルホン酸またはその塩、アリルスルホン酸またはその塩、メタリルスルホン酸またはその塩、スチレンスルホン酸またはその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその塩などが挙げられるがこれに限らない。中でもNaを含む塩基(例えば水酸化ナトリウム等)で中和されたスルホ基含有不飽和単量体を用いると、接着剤の水溶性または水分散性の改良効果が高い。また、後変性に用いられるアルデヒド類としてはベンズアルデヒドスルホン酸またはその塩やベンズアルデヒドジスルホン酸またはその塩などが挙げられるがこれに限らない。スルホ基または塩基で中和されたスルホ基含有不飽和単量体は、Naを含む塩基で中和されたスルホ基含有不飽和単量体のものが好適に用いられる。
【0017】
本発明中の主鎖または側鎖にオキシアルキレン基を有するPVA系樹脂とは、主鎖または側鎖にオキシアルキレン基が導入されているものであれば特に制限はなく、その中でも脂肪酸ビニルエステルとオキシアルキレン基含有不飽和単量体との共重合体ケン化物が好適に用いられる。
【0018】
本発明で言うオキシアルキレン基とは一般式
【化5】
[但しR1、R2は水素またはアルキル基、Xは水素、アルキル基、アルキルエステル基(COO−アルキル基)、アルキルアミド基(例えば−CONH2基等)、例えばカルボキシル基、スルホ基等の酸基、塩基で中和されたカルビキシル基又はスルホ基、nは1〜100の整数を示す]
で表される構造を有するものであり、なかでもnが1〜50、好ましくは3〜50のオキシエチレン基もしくはオキシプロピレン基が好適である。
【0019】
また、前記オキシアルキレン基不飽和単量体としては、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート類、ポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸アミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリル酸アミド類、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル類、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル等のポリオキシアルキレンビニルエーテル類等が挙げられるがこれに限らない。
本発明で使用される脂肪族ビニルエステル類と共重合されるα―オレフィンとは、例えばエチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレンなどが挙げられるが、中でもエチレンが工業的には好ましい。
【0020】
本発明中の側鎖にアルキル基を有するPVA系樹脂は、側鎖にアルキル基を有するものであれば特に制限はなく、その中でも脂肪酸ビニルエステルとアルキル基含有不飽和単量体との共重合体ケン化物が好適に用いられる。
【0021】
アルキル基含有不飽和単量体としては、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類などが挙げられるがこれに限らない。
【0022】
本発明では、上記ポリ乳酸と上記PVA系樹脂に加えて、可塑剤及びアニオン界面活性剤の1種以上をさらに配合するのが好ましい。
【0023】
本発明中のPVA系樹脂とポリ乳酸に対して配合される可塑剤は、溶融混練時の混練性を上げたい場合や溶融粘度を低下させたい場合、また熱溶融し難いPVA系樹脂の融点を下げたい場合などに用いられ、その配合割合は、ポリ乳酸とPVA系樹脂とを合わせた100質量部に対して、通常約0.1〜30質量部である。可塑剤の添加量が約0.1質量部より少ないと上記の効果が得られず、また約30質量部より多いと、上記の効果はさらに高められるが、接着性の低下やベタつき、皮膜の耐水性が低下する恐れがある。可塑剤が配合される好適な範囲は約5〜20質量部である。
【0024】
本発明で言う可塑剤とは、ポリ乳酸またはPVA系樹脂との相溶性が良く、溶融粘度低下効果があるものが用いられ、2種以上を併用して使用してもよい。このような可塑剤としては、ジメチルアジペート、ジエチルアジペート、ジ−ブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペートなどの脂肪族多価カルボン酸エステル類、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジブチレート、ポリエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジセバケート、プロピレングリコールジアセテート、ポリプロピレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテート、グリセリントリブチレートなどの脂肪族多価アルコールエステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸プロピル、アセチルリシノール酸ブチル、アセチルトリブチルクエン酸などの脂肪族オキシ酸エステル類、ジメチルジグリコールサクシネート、ジエチルジグリコールサクシネート、ジプロピルジグリコールサクシネート、ジメチルジグリコールアジペート、ジエチルジグリコールアジペート、ジプロピルジグリコールアジペート、ジブチルジグリコールアジペートなどの脂肪族ポリエーテル多価カルボン酸エステル類などのポリ乳酸用可塑剤、水やグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、3−メチルペンタン―1、3、5―トリオール、キシリット、キシロール、アラビット、アドニット、マンニット、ソルビット、ダルシットなどの多価アルコール類またはこれらの高級脂肪酸エステル、およびこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを付加した付加物、エチレン尿素などの尿素誘導体などのPVA系樹脂用可塑剤が挙げられるがこれに限らない。
【0025】
本発明中のポリ乳酸とPVA系樹脂に対して配合されるアニオン界面活性剤は、乳化させる際の水分散性を向上させたい場合に用いられ、その配合割合はポリ乳酸とPVA系樹脂とを合わせた100質量部に対して、通常約0.01〜10質量部である。アニオン界面活性剤添加量が約0.01質量部より少ないと分散性改良効果が少なく、約10質量部より多く添加しても水分散性改良効果が頭打ちとなる。アニオン界面活性剤が好適に用いられる範囲は約0.1〜5.0質量部である。
【0026】
本発明に使用されるアニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ソーダ、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸塩類、直鎖第二級アルキル(好ましくは炭素数12〜16)スルホン酸ソーダなどのアルキルスルホン酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダなどの長鎖アルキル基を有する水溶性のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸ソーダなどのジアルキルベンゼンスルホコハク酸塩類、オレイン酸ソーダ、半硬化牛脂ナトリウム石ケン、オレイン酸カリウム、半硬化牛脂カリウム石ケン、ヒマシ油カリウム石ケン、ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸カリウムなどの脂肪酸アルカリ塩類などが挙げられるがこれに限らない。
【0027】
アニオン界面活性剤の中でも、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸アルカリ塩などは、乳化の際の水分散性を付与する効果が顕著であり、本発明のアニオン界面活性剤として特に好ましい。また、これらのアニオン界面活性剤は、いくつかの種類を混合して用いられてもよく、エマルジョン組成物を乳化させる際の水へ添加されていてもよい。なお、ノニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤を併せて使用してもよい。
【0028】
この他水性エマルジョンには、本発明を損なわない範囲で、フィラー、潤滑剤、発泡剤、架橋剤、離型剤、消泡剤、顔料、染料等を適量用いることも可能である。
【0029】
本発明における水性エマルジョンは、ポリ乳酸とPVA系樹脂との質量比が約99/1〜30/70(質量比)の範囲で、より好ましくはポリ乳酸とPVA系樹脂とを合わせた100質量部に対して可塑剤約0.1〜30質量部、アニオン界面活性剤約0.01〜10.0質量部の1種以上配合されたものを溶融混練して製造されたポリ乳酸及びPVA系樹脂組成物を水に分散することにより得られる。
【0030】
ポリ乳酸とPVA系樹脂を溶融混練する際、例えば単軸押出し機、二軸押出し機、多軸押出し機、ニーダータイプの溶融混練機、インフレーション成形機、射出成型機等が好適に使用できるが、このような溶融混練機は、ポリ乳酸とPVA系樹脂を溶融混練することができるものであれば特に制限はない。
【0031】
溶融混練により得られた組成物の形状としては特に制限はなく、例えば粉末状、顆粒状、チップ状、シート状、フィルム状、繊維状、容器状等使用上都合の良い形状が選択できるがこれに限らない。
【0032】
本発明におけるポリ乳酸とPVA系樹脂とを溶融混練した組成物の水への乳化方法は特に限定されず、例えば、溶融混練された組成物を粉末状に粉砕し、ホモジナイザーを用いて組成物を水に乳化させる方法や、二軸押出し機等でポリ乳酸とPVA系樹脂との溶融混練を行い、そのまま二軸押出し機内に水を添加させて乳化させる方法などが挙げられるが、これに限らない。
【0033】
以下に本発明において得られる水性エマルジョンの用途について具体的に説明するが、これらに限定されるものでない。
(1)コーティング剤用途
塗料、防湿や防水性コーティング剤、金属腐食防止剤、合成ポリマーフィルムのコーティング剤、紙のクリアーコーティング剤、紙の顔料コーティング剤、紙の内添サイズ剤、再湿接着剤、帯電防止剤、防曇剤等に用いられ、本発明の水性エマルジョンが用いられたコーティング剤を使用することにより耐水性が良好で平滑かつ均質な樹脂皮膜が得られる。
(2)接着剤用途
紙管用接着剤、紙や合板の接着剤、木材と合成樹脂フィルムの貼り合わせ剤、紙やガラス繊維の内添用バインダー等に用いられ、このような用途に本発明の水性エマルジョンを用いると耐水性、接着性に優れた接着剤が得られる。
(3)バインダー用途
セラミックス成形用バインダー(テープ成形用バインダー、ブレス成形用バインダー、鋳込み成形用バインダー等)、耐火物用バインダー等の無機物用バインダーとして用いられ、本発明の水性エマルジョンが用いられたバインダーを使用することにより、乾燥速度が速く、乾燥による歪も少なく、強度に優れた成形品が得られる。
(4)混和剤用途
モルタル混和剤、ポリマーセメント用混和剤等に用いられ、本発明の水性エマルジョンが用いられた混和剤を使用することにより、作業性が良好で、初期接着力の優れたものが得られる。
(5)繊維加工剤用途
繊維のサイジング加工剤、経糸糊剤、フロッキー加工剤、捺染バインダー、不織布用バインダー、各種織物のバッキング剤、ガラス繊維処理剤等に用いられ、このような用途に本発明の水性エマルジョンを用いると接着性、耐磨耗性等に優れた繊維加工剤が得られる。
【0034】
【実施例】
以下、具体例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、以下の実施例において「%」および「部」は特に断りのない限りそれぞれ「質量%」および「質量部」を意味する。
【0035】
<PVA系樹脂の合成例>
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、圧力計を備えた反応器を窒素置換した後、脱酸素した酢酸ビニルモノマー2250質量部、エタノール1000質量部を仕込み攪拌下で昇温を開始し内温が60℃となったところで、別途エタノール50質量部に開始剤としてAIBN1.5質量部を溶解した溶液を添加して重合を開始した。60℃で4時間重合した後、冷却して重合を停止した。このときの重合溶液中の固形分濃度は57.3質量%であった。得られた重合溶液を塔内に多孔板を多段数有する脱モノマー塔に供給して塔下部よりメタノール蒸気を吹き込んで重合溶液と接触させ未反応の酢酸ビニルモノマーを除去した。このときのポリ酢酸ビニル系樹脂−メタノール溶液の固形分濃度は44質量%であった。このポリ酢酸ビニル系樹脂−メタノール溶液1000質量部に2質量%水酸化ナトリウム−メタノール溶液を18質量部添加後よく混合して40℃で1時間放置した。ケン化後得られたゲルを粉砕機で粉砕し、その後60℃の送風乾燥機で乾燥した。乾燥後粉砕を行い、平均重合度が300でケン化度が70モル%の本発明のPVA系樹脂を得た。
【0036】
[水性エマルジョンの性能評価]
<乳化性>
20℃の水中に固形分濃度が40質量%になるように溶融混練した組成物を投入して10分間攪拌し、乳化分散状態を観察した。
【0037】
<分散粒径>
前記乳化性の評価で得られた水性エマルジョンの分散粒子の平均粒径を自動粒度分布測定装置(堀場製作所製;遠心沈降式)を用いて測定した。
【0038】
<放置安定性>
前記乳化性の評価で得られた水性エマルジョンを10℃30日間静置状態で放置したときの状態を目視で観察した。
【0039】
<接着性>
前記乳化性の評価で得られた水性エマルジョンを紙(中性紙)、木(カバ材)、無機物(花崗岩)、繊維(木綿の布)、金属(SUS304)に塗布し、乾燥後容易に剥がれるかどうかを観察した。
【0040】
<耐水性>
前記乳化性の評価で得られた水性エマルジョンをキャスティングし、厚さ100μmのフィルムを作成し、フィルムを20℃の水に30分間浸漬したときの状態を目視で観察した。
【0041】
(実施例1)
重量平均分子量130,000、d体含有割合12.0質量%でl体含有割合88.00質量%のポリ乳酸70質量部と合成例1で得られた平均重合度300、ケン化度70モル%のPVA系樹脂30質量部を東洋精機株式会社製混練機(ラボプラストミル)にて190℃にて10分間溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径は0.8μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0042】
(実施例2)
実施例1のPVA系樹脂の代わりに平均重合度500、ケン化度60モル%のPVA系樹脂を使用し、グリセリンを5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1部を使用した以外は実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた水組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.2μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0043】
(実施例3)
実施例1のポリ乳酸を80質量部とし、PVA系樹脂を平均重合度200、ケン化度78モル%のPVA系樹脂20質量部に代えて使用した以外は実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.5μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0044】
(実施例4)
実施例3のPVA系樹脂の代わりに、平均重合度530、ケン化度75モル%のPVA系樹脂を使用し、アセチルトリブチルクエン酸5部を使用した以外は実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.8μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0045】
(実施例5)
実施例3のPVA系樹脂の代わりに平均重合度300、ケン化度40モル%、アリルスルホン酸ソーダ3.1モル%変性のPVA系樹脂を使用した以外は、実施例3と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径0.8μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0046】
(実施例6)
実施例1のPVA系樹脂の代わりに平均重合度450、ケン化度50モル%、ポリオキシエチレングリコールブチルビニルエーテル(エチレンオキサイド10付加)5.2モル%変性のPVA系樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた水性組成物は乳化性に優れ、平均粒径0.9μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0047】
(実施例7)
実施例1のポリ乳酸を40質量部とし、平均重合度500、ケン化度70モル%のPVA系樹脂60質量部を使用し、ポリエチレングリコール(平均分子量200)を6部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1部を使用した以外は実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.5μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0048】
(実施例8)
実施例1のPVA系樹脂の代わりに平均重合度400、ケン化度65モル%、ラウリルビニルエーテル3.2モル%変性のPVA系樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.2μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0049】
(実施例9)
実施例1のPVA系樹脂の代わりに平均重合度300、ケン化度75モル%、エチレン4.5モル%変性のPVA系樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.2μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0050】
(実施例10)
実施例1で使用したポリ乳酸に代えて、特開2002−363393号公報の実施例1に従って作製したナノコンポジットポリ乳酸を使用し、アセチルトリブチルクエン酸8部を使用した以外は実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.0μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0051】
(比較例1)
実施例1のポリ乳酸を10質量部、PVA系樹脂を平均重合度200、ケン化度78モル%のPVA系樹脂90質量部に代えて使用した以外は実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.2μmであり、放置安定性にも優れていたが、接着性、耐水性が低かった。
【0052】
【発明の効果】
本発明における水性エマルジョンは、乳化性が高く、沈降分離や凝集もなく、高濃度で流動性のよい安定な水性エマルジョンである。また接着剤や皮膜の耐水性にも優れるため、種々の用途に用いることが可能であり、工業的に極めて有用である。また、ポリ乳酸は天然物由来で生分解性を有する合成高分子であり、PVA系樹脂も生分解性を有する樹脂であることから、地球環境にとって優しい樹脂を使用した水性エマルジョンである。
本発明によって、有機溶剤を使用せず、特殊な設備や煩雑な操作を用いることなく、容易に製造でき、かつ安価であり貯蔵安定性に優れ、さらには良好な接着性、皮膜形成性、被覆性等を有する水性エマルジョンを提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好な接着性、皮膜形成性、被覆性等を有する水性エマルジョンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
接着剤やコーティング剤、塗料等の分野においては、有機溶剤を使用した組成物が大量に使用されていた。しかしながら近年、取り扱いのし易さ、安全性、作業環境、環境汚染等の問題から水性エマルジョンへの代替が進み、最近では大量に使用されている。
水性エマルジョンとしては、天然ゴム系、合成ゴム系、酢酸ビニル樹脂系、アクリル酸エステル樹脂系の合成高分子を用いた水性エマルジョンなどが挙げられる。中でも合成ゴム系、酢酸ビニル樹脂系、アクリル酸エステル樹脂系の合成高分子を用いた水性エマルジョンがコスト、実用上の性能の点からよく用いられている。
【0003】
しかしながら、これらの合成高分子系の水性エマルジョンは、一般的に生分解性に乏しく、将来的な廃棄物処理のあるべき姿を考えると、生分解性を有する水性エマルジョンであることが望ましく、社会的にも要請されているといえる。また、将来の石油枯渇を考えると、天然物由来の合成高分子を用いることも望まれているといえる。
【0004】
こうした生分解性を有する、天然物由来の合成高分子の代表例としてはとうもろこしなどを原料として合成されるポリ乳酸が挙げられる。ポリ乳酸は熱溶融性樹脂であり、耐水性にも優れるため、成型品やフィルム、シート、繊維などへの用途開発が進んでいる。一方で、水性エマルジョンに関する技術も開示されている(例えば特許文献1〜2参照)。
【0005】
しかしながら、これらの技術ではポリ乳酸が水に不溶なため、水性エマルジョンを製造する工程において有機溶剤が用いられる。このため、作業環境上好ましくなく、得られる水性エマルジョン組成物からの溶剤の完全な除去が困難であるなどの問題がある。さらには、溶剤の留去ならびに回収を行う工程等の特殊な設備や煩雑な操作が必要であり、これらの工程が完全密閉系でないため、周辺環境への影響等の問題もある。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−7789号公報(請求項1〜5)
【特許文献2】
特開2002−173535号公報(請求項1〜5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のごとき実情に鑑みてなされたものであって、その目的は有機溶剤を使用せず、特殊な設備や煩雑な操作を用いることなく、容易に製造でき、かつ安価で貯蔵安定性に優れ、さらには良好な接着性、皮膜形成性、被覆性等を有する水性エマルジョンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、ポリ乳酸とポリビニルアルコール(PVA)系樹脂との配合割合が99/1〜30/70(質量比)の範囲で溶融混練した組成物を水に分散することにより得られる水性エマルジョン、より好ましくはポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂とを合わせた100質量部に対して可塑剤0.1〜30質量部、アニオン界面活性剤0.01〜5.0質量部を1種以上配合したものを溶融混合することにより得られる水性エマルジョンが、上記課題を解決するのに有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)ポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂とを、ポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂の配合比率が99/1〜30/70(質量比)の範囲で溶融混練した組成物を水に分散することにより得られることを特徴とする水性エマルジョン、
(2)組成物がポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂に加えて、ポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂とを合わせた100質量部に対して、可塑剤0.1〜30質量部及びアニオン界面活性剤0.01〜10質量部の1種以上をさらに配合し溶融混練した組成物であることを特徴とする前記(1)記載の水性エマルジョン、
(3)ポリビニルアルコール系樹脂が平均重合度700以下でケン化度が84モル%以下のポリビニルアルコールであることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の水性エマルジョン、
(4)ポリビニルアルコール系樹脂が主鎖または側鎖にスルホ基または塩基で中和されたスルホ基を有することを特徴とする前記(1)および(2)記載の水性エマルジョン、
(5)ポリビニルアルコール系樹脂が主鎖または側鎖にオキシアルキレン基を有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の水性エマルジョン、
(6)オキシアルキレン基が一般式
【化3】
―(CH2・CH2O)n−H
[但しnは1〜50の整数]
で示されるオキシエチレン基、または一般式
【化4】
[但しnは1〜50の整数]
で示されるオキシプロピレン基であることを特徴とする前記(5)記載の水性エマルジョン、
(7)ポリビニルアルコール系樹脂が酢酸ビニルとα―オレフィンとの共重合体のケン化物であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の水性エマルジョン、
(8)ポリビニルアルコール系樹脂が側鎖にアルキル基を有することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の水性エマルジョン、
(9)アニオン界面活性剤が、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩および脂肪酸アルカリ塩からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする前記(2)〜(8)のいずれかに記載の水性エマルジョン、
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載の水性エマルジョンのコーティング剤、接着剤、バインダー、混和剤又は繊維加工剤の製造のための使用、
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明中のポリ乳酸は通常糖類・でんぷんを主原料として得られる乳酸を重合したものである。この際、乳酸のみである必要はなく、乳酸の一部として例えばリンゴ酸、グルコール酸等の他のヒドロキシカルボン酸などが用いられてもよい。本発明のポリ乳酸は、乳酸と多価アルコールや多塩基酸との共重合物であってもよい。乳酸は、L−乳酸、D−乳酸又はそれらの混合物であってよい。乳酸を得るための発酵方法、ポリ乳酸を得るための重合方法等は公知の方法でよく、例えば、ラクチド法、多価アルコールと多塩基酸との重縮合、または分子内に水酸基とカルボキシル基とを有するヒドロキシカルボン酸の分子間重縮合などが好都合に用いられる。上記ポリ乳酸は熱溶融するものであるのが好ましい。また、上記ポリ乳酸として、カオリナイト、ハロサイト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、マイカなどの天然または合成の層状ケイ酸塩やカーボンブラック、シリカ等を添加したナノコンポジットポリ乳酸を用いてもかまわない。
【0011】
本発明において用いられるPVA系樹脂の平均重合度は特に制限されないが、好ましくは平均重合度約700以下のものが、より好ましくは約600以下のものが用いられる。平均重合度が約700を超えると溶融混練が困難になる傾向が見られる。また、PVA系樹脂のケン化度は特に制限されないが、好ましくはケン化度約84モル%以下のものが用いられ、より好ましくは約70モル%以下のものが用いられる。ケン化度が約84モル%を超えた場合、溶融混練が困難になる傾向が見られる。但し、PVA系樹脂に可塑剤を添加して溶融するもので、本発明の効果を損なわない範囲のものであれば、平均重合度約700を超えるものやケン化度約84モル%を超えるものも用いることができる。
本発明において、PVAの平均重合度及びケン化度は、JIS−K6726に従って測定される。
【0012】
またポリ乳酸とPVA系樹脂との配合比率は通常約99/1〜30/70(質量比)であり、より好ましくは約95/5〜50/50である。約99/1以上ではポリ乳酸とPVA系樹脂との組成物が水に乳化せず安定な水性エマルジョンとならない。また、約30/70以下では皮膜の耐水性が低下するなど性能低下が生じる。
【0013】
本発明のPVA系樹脂を製造する際に用いられる脂肪族ビニルエステル類としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどがあげられるが、工業的には酢酸ビニルが望ましい。脂肪族ビニルエステル類の重合方法は公知のものでよく、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等があげられるが、中でもメチルアルコール等の溶剤中でα,α’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酢酸、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート等のアゾ系または過酸化物系の開始剤を用いて重合する方法が一般的である。重合の際には2−メルカプトエタノール等の重合度調整用の連鎖移動剤を用いたり、重合終了の際にハイドロキノン、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジノオキシ(TEMPO)、メタ−ジニトロベンゼン等の重合禁止剤・重合用抑制剤等を用いても良い。また、未反応の単量体の除去方法及びケン化、乾燥、粉砕方法等も公知の方法でよく、特に制限は無い。
【0014】
また、本発明の効果を損なわない範囲で脂肪族ビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体と脂肪族ビニルエステルとの共重合を行っても良い。脂肪族ビニルエステルと共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モノアルキルエステル類、ダイアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等のアミド基含有単量体、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、イソプロペニルアリルアルコール等の水酸基含有単量体、アリルアセテート、ジメチルアリルアセテート、イソプロペニルアリルアセテート等のアセチル基含有単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル、トリメトキシビニルシラン、トリブチルビニルシラン、ジフェニルメチルビニルシラン等のビニルシラン類、エチレン、プロピレン等のアルファオレフィン類、アリルスルホン酸Na、メタリルスルホン酸Na、スチレンスルホン酸Na、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸Na等の塩基(例えば水酸化ナトリウム等)で中和されたスルホ基含有単量体、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−エチルへキシル、アクリル酸−n−ブチル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等のアクリル酸系単量体、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル等のオキシアルキレン基含有単量体、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン若しくは1−ヘキセン等のα−オレフィン類等が挙げられるが、中でも塩基で中和されたスルホ基含有単量体は水性エマルジョン組成物を乳化させる際に、分散性を高める効果があり、またオキシアルキレン基含有単量体、α―オレフィン類、アルキルビニルエーテル類は溶融粘度低下効果があることから特に好ましい。
【0015】
この他、PVA系樹脂は部分的にウレタン化、アセタール化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化などの反応によって変性させた変性樹脂であってもよい。
【0016】
本発明中の主鎖または側鎖にスルホ基または塩基で中和されたスルホ基を有するPVA系樹脂は、主鎖または側鎖にスルホ基または塩基で中和されたスルホ基が導入されているPVAを有する樹脂であれば特に制限はなく、このような主鎖または側鎖を有するPVA系樹脂の製造方法としては、例えば脂肪酸ビニルエステルとスルホ基または塩基で中和されたスルホ基含有不飽和単量体とを共重合し、ケン化を行う方法やアルデヒド類などを用いた後変性により主鎖または側鎖にスルホ基または塩基で中和されたスルホ基をPVA系樹脂に導入する方法などが挙げられる。前記スルホ基もしくは塩基で中和されたスルホ基含有不飽和単量体としては、ビニルスルホン酸またはその塩、アリルスルホン酸またはその塩、メタリルスルホン酸またはその塩、スチレンスルホン酸またはその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその塩などが挙げられるがこれに限らない。中でもNaを含む塩基(例えば水酸化ナトリウム等)で中和されたスルホ基含有不飽和単量体を用いると、接着剤の水溶性または水分散性の改良効果が高い。また、後変性に用いられるアルデヒド類としてはベンズアルデヒドスルホン酸またはその塩やベンズアルデヒドジスルホン酸またはその塩などが挙げられるがこれに限らない。スルホ基または塩基で中和されたスルホ基含有不飽和単量体は、Naを含む塩基で中和されたスルホ基含有不飽和単量体のものが好適に用いられる。
【0017】
本発明中の主鎖または側鎖にオキシアルキレン基を有するPVA系樹脂とは、主鎖または側鎖にオキシアルキレン基が導入されているものであれば特に制限はなく、その中でも脂肪酸ビニルエステルとオキシアルキレン基含有不飽和単量体との共重合体ケン化物が好適に用いられる。
【0018】
本発明で言うオキシアルキレン基とは一般式
【化5】
[但しR1、R2は水素またはアルキル基、Xは水素、アルキル基、アルキルエステル基(COO−アルキル基)、アルキルアミド基(例えば−CONH2基等)、例えばカルボキシル基、スルホ基等の酸基、塩基で中和されたカルビキシル基又はスルホ基、nは1〜100の整数を示す]
で表される構造を有するものであり、なかでもnが1〜50、好ましくは3〜50のオキシエチレン基もしくはオキシプロピレン基が好適である。
【0019】
また、前記オキシアルキレン基不飽和単量体としては、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート類、ポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸アミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリル酸アミド類、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル類、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル等のポリオキシアルキレンビニルエーテル類等が挙げられるがこれに限らない。
本発明で使用される脂肪族ビニルエステル類と共重合されるα―オレフィンとは、例えばエチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレンなどが挙げられるが、中でもエチレンが工業的には好ましい。
【0020】
本発明中の側鎖にアルキル基を有するPVA系樹脂は、側鎖にアルキル基を有するものであれば特に制限はなく、その中でも脂肪酸ビニルエステルとアルキル基含有不飽和単量体との共重合体ケン化物が好適に用いられる。
【0021】
アルキル基含有不飽和単量体としては、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類などが挙げられるがこれに限らない。
【0022】
本発明では、上記ポリ乳酸と上記PVA系樹脂に加えて、可塑剤及びアニオン界面活性剤の1種以上をさらに配合するのが好ましい。
【0023】
本発明中のPVA系樹脂とポリ乳酸に対して配合される可塑剤は、溶融混練時の混練性を上げたい場合や溶融粘度を低下させたい場合、また熱溶融し難いPVA系樹脂の融点を下げたい場合などに用いられ、その配合割合は、ポリ乳酸とPVA系樹脂とを合わせた100質量部に対して、通常約0.1〜30質量部である。可塑剤の添加量が約0.1質量部より少ないと上記の効果が得られず、また約30質量部より多いと、上記の効果はさらに高められるが、接着性の低下やベタつき、皮膜の耐水性が低下する恐れがある。可塑剤が配合される好適な範囲は約5〜20質量部である。
【0024】
本発明で言う可塑剤とは、ポリ乳酸またはPVA系樹脂との相溶性が良く、溶融粘度低下効果があるものが用いられ、2種以上を併用して使用してもよい。このような可塑剤としては、ジメチルアジペート、ジエチルアジペート、ジ−ブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペートなどの脂肪族多価カルボン酸エステル類、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジブチレート、ポリエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジセバケート、プロピレングリコールジアセテート、ポリプロピレングリコールジアセテート、グリセリントリアセテート、グリセリントリブチレートなどの脂肪族多価アルコールエステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸プロピル、アセチルリシノール酸ブチル、アセチルトリブチルクエン酸などの脂肪族オキシ酸エステル類、ジメチルジグリコールサクシネート、ジエチルジグリコールサクシネート、ジプロピルジグリコールサクシネート、ジメチルジグリコールアジペート、ジエチルジグリコールアジペート、ジプロピルジグリコールアジペート、ジブチルジグリコールアジペートなどの脂肪族ポリエーテル多価カルボン酸エステル類などのポリ乳酸用可塑剤、水やグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、3−メチルペンタン―1、3、5―トリオール、キシリット、キシロール、アラビット、アドニット、マンニット、ソルビット、ダルシットなどの多価アルコール類またはこれらの高級脂肪酸エステル、およびこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを付加した付加物、エチレン尿素などの尿素誘導体などのPVA系樹脂用可塑剤が挙げられるがこれに限らない。
【0025】
本発明中のポリ乳酸とPVA系樹脂に対して配合されるアニオン界面活性剤は、乳化させる際の水分散性を向上させたい場合に用いられ、その配合割合はポリ乳酸とPVA系樹脂とを合わせた100質量部に対して、通常約0.01〜10質量部である。アニオン界面活性剤添加量が約0.01質量部より少ないと分散性改良効果が少なく、約10質量部より多く添加しても水分散性改良効果が頭打ちとなる。アニオン界面活性剤が好適に用いられる範囲は約0.1〜5.0質量部である。
【0026】
本発明に使用されるアニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ソーダ、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸塩類、直鎖第二級アルキル(好ましくは炭素数12〜16)スルホン酸ソーダなどのアルキルスルホン酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダなどの長鎖アルキル基を有する水溶性のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸ソーダなどのジアルキルベンゼンスルホコハク酸塩類、オレイン酸ソーダ、半硬化牛脂ナトリウム石ケン、オレイン酸カリウム、半硬化牛脂カリウム石ケン、ヒマシ油カリウム石ケン、ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸カリウムなどの脂肪酸アルカリ塩類などが挙げられるがこれに限らない。
【0027】
アニオン界面活性剤の中でも、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸アルカリ塩などは、乳化の際の水分散性を付与する効果が顕著であり、本発明のアニオン界面活性剤として特に好ましい。また、これらのアニオン界面活性剤は、いくつかの種類を混合して用いられてもよく、エマルジョン組成物を乳化させる際の水へ添加されていてもよい。なお、ノニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤を併せて使用してもよい。
【0028】
この他水性エマルジョンには、本発明を損なわない範囲で、フィラー、潤滑剤、発泡剤、架橋剤、離型剤、消泡剤、顔料、染料等を適量用いることも可能である。
【0029】
本発明における水性エマルジョンは、ポリ乳酸とPVA系樹脂との質量比が約99/1〜30/70(質量比)の範囲で、より好ましくはポリ乳酸とPVA系樹脂とを合わせた100質量部に対して可塑剤約0.1〜30質量部、アニオン界面活性剤約0.01〜10.0質量部の1種以上配合されたものを溶融混練して製造されたポリ乳酸及びPVA系樹脂組成物を水に分散することにより得られる。
【0030】
ポリ乳酸とPVA系樹脂を溶融混練する際、例えば単軸押出し機、二軸押出し機、多軸押出し機、ニーダータイプの溶融混練機、インフレーション成形機、射出成型機等が好適に使用できるが、このような溶融混練機は、ポリ乳酸とPVA系樹脂を溶融混練することができるものであれば特に制限はない。
【0031】
溶融混練により得られた組成物の形状としては特に制限はなく、例えば粉末状、顆粒状、チップ状、シート状、フィルム状、繊維状、容器状等使用上都合の良い形状が選択できるがこれに限らない。
【0032】
本発明におけるポリ乳酸とPVA系樹脂とを溶融混練した組成物の水への乳化方法は特に限定されず、例えば、溶融混練された組成物を粉末状に粉砕し、ホモジナイザーを用いて組成物を水に乳化させる方法や、二軸押出し機等でポリ乳酸とPVA系樹脂との溶融混練を行い、そのまま二軸押出し機内に水を添加させて乳化させる方法などが挙げられるが、これに限らない。
【0033】
以下に本発明において得られる水性エマルジョンの用途について具体的に説明するが、これらに限定されるものでない。
(1)コーティング剤用途
塗料、防湿や防水性コーティング剤、金属腐食防止剤、合成ポリマーフィルムのコーティング剤、紙のクリアーコーティング剤、紙の顔料コーティング剤、紙の内添サイズ剤、再湿接着剤、帯電防止剤、防曇剤等に用いられ、本発明の水性エマルジョンが用いられたコーティング剤を使用することにより耐水性が良好で平滑かつ均質な樹脂皮膜が得られる。
(2)接着剤用途
紙管用接着剤、紙や合板の接着剤、木材と合成樹脂フィルムの貼り合わせ剤、紙やガラス繊維の内添用バインダー等に用いられ、このような用途に本発明の水性エマルジョンを用いると耐水性、接着性に優れた接着剤が得られる。
(3)バインダー用途
セラミックス成形用バインダー(テープ成形用バインダー、ブレス成形用バインダー、鋳込み成形用バインダー等)、耐火物用バインダー等の無機物用バインダーとして用いられ、本発明の水性エマルジョンが用いられたバインダーを使用することにより、乾燥速度が速く、乾燥による歪も少なく、強度に優れた成形品が得られる。
(4)混和剤用途
モルタル混和剤、ポリマーセメント用混和剤等に用いられ、本発明の水性エマルジョンが用いられた混和剤を使用することにより、作業性が良好で、初期接着力の優れたものが得られる。
(5)繊維加工剤用途
繊維のサイジング加工剤、経糸糊剤、フロッキー加工剤、捺染バインダー、不織布用バインダー、各種織物のバッキング剤、ガラス繊維処理剤等に用いられ、このような用途に本発明の水性エマルジョンを用いると接着性、耐磨耗性等に優れた繊維加工剤が得られる。
【0034】
【実施例】
以下、具体例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、以下の実施例において「%」および「部」は特に断りのない限りそれぞれ「質量%」および「質量部」を意味する。
【0035】
<PVA系樹脂の合成例>
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、圧力計を備えた反応器を窒素置換した後、脱酸素した酢酸ビニルモノマー2250質量部、エタノール1000質量部を仕込み攪拌下で昇温を開始し内温が60℃となったところで、別途エタノール50質量部に開始剤としてAIBN1.5質量部を溶解した溶液を添加して重合を開始した。60℃で4時間重合した後、冷却して重合を停止した。このときの重合溶液中の固形分濃度は57.3質量%であった。得られた重合溶液を塔内に多孔板を多段数有する脱モノマー塔に供給して塔下部よりメタノール蒸気を吹き込んで重合溶液と接触させ未反応の酢酸ビニルモノマーを除去した。このときのポリ酢酸ビニル系樹脂−メタノール溶液の固形分濃度は44質量%であった。このポリ酢酸ビニル系樹脂−メタノール溶液1000質量部に2質量%水酸化ナトリウム−メタノール溶液を18質量部添加後よく混合して40℃で1時間放置した。ケン化後得られたゲルを粉砕機で粉砕し、その後60℃の送風乾燥機で乾燥した。乾燥後粉砕を行い、平均重合度が300でケン化度が70モル%の本発明のPVA系樹脂を得た。
【0036】
[水性エマルジョンの性能評価]
<乳化性>
20℃の水中に固形分濃度が40質量%になるように溶融混練した組成物を投入して10分間攪拌し、乳化分散状態を観察した。
【0037】
<分散粒径>
前記乳化性の評価で得られた水性エマルジョンの分散粒子の平均粒径を自動粒度分布測定装置(堀場製作所製;遠心沈降式)を用いて測定した。
【0038】
<放置安定性>
前記乳化性の評価で得られた水性エマルジョンを10℃30日間静置状態で放置したときの状態を目視で観察した。
【0039】
<接着性>
前記乳化性の評価で得られた水性エマルジョンを紙(中性紙)、木(カバ材)、無機物(花崗岩)、繊維(木綿の布)、金属(SUS304)に塗布し、乾燥後容易に剥がれるかどうかを観察した。
【0040】
<耐水性>
前記乳化性の評価で得られた水性エマルジョンをキャスティングし、厚さ100μmのフィルムを作成し、フィルムを20℃の水に30分間浸漬したときの状態を目視で観察した。
【0041】
(実施例1)
重量平均分子量130,000、d体含有割合12.0質量%でl体含有割合88.00質量%のポリ乳酸70質量部と合成例1で得られた平均重合度300、ケン化度70モル%のPVA系樹脂30質量部を東洋精機株式会社製混練機(ラボプラストミル)にて190℃にて10分間溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径は0.8μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0042】
(実施例2)
実施例1のPVA系樹脂の代わりに平均重合度500、ケン化度60モル%のPVA系樹脂を使用し、グリセリンを5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1部を使用した以外は実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた水組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.2μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0043】
(実施例3)
実施例1のポリ乳酸を80質量部とし、PVA系樹脂を平均重合度200、ケン化度78モル%のPVA系樹脂20質量部に代えて使用した以外は実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.5μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0044】
(実施例4)
実施例3のPVA系樹脂の代わりに、平均重合度530、ケン化度75モル%のPVA系樹脂を使用し、アセチルトリブチルクエン酸5部を使用した以外は実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.8μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0045】
(実施例5)
実施例3のPVA系樹脂の代わりに平均重合度300、ケン化度40モル%、アリルスルホン酸ソーダ3.1モル%変性のPVA系樹脂を使用した以外は、実施例3と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径0.8μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0046】
(実施例6)
実施例1のPVA系樹脂の代わりに平均重合度450、ケン化度50モル%、ポリオキシエチレングリコールブチルビニルエーテル(エチレンオキサイド10付加)5.2モル%変性のPVA系樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた水性組成物は乳化性に優れ、平均粒径0.9μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0047】
(実施例7)
実施例1のポリ乳酸を40質量部とし、平均重合度500、ケン化度70モル%のPVA系樹脂60質量部を使用し、ポリエチレングリコール(平均分子量200)を6部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1部を使用した以外は実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.5μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0048】
(実施例8)
実施例1のPVA系樹脂の代わりに平均重合度400、ケン化度65モル%、ラウリルビニルエーテル3.2モル%変性のPVA系樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.2μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0049】
(実施例9)
実施例1のPVA系樹脂の代わりに平均重合度300、ケン化度75モル%、エチレン4.5モル%変性のPVA系樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.2μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0050】
(実施例10)
実施例1で使用したポリ乳酸に代えて、特開2002−363393号公報の実施例1に従って作製したナノコンポジットポリ乳酸を使用し、アセチルトリブチルクエン酸8部を使用した以外は実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.0μmであった。また放置安定性、接着性、耐水性も優れていた。
【0051】
(比較例1)
実施例1のポリ乳酸を10質量部、PVA系樹脂を平均重合度200、ケン化度78モル%のPVA系樹脂90質量部に代えて使用した以外は実施例1と同様に溶融混練し組成物を得た。得られた組成物は乳化性に優れ、平均粒径1.2μmであり、放置安定性にも優れていたが、接着性、耐水性が低かった。
【0052】
【発明の効果】
本発明における水性エマルジョンは、乳化性が高く、沈降分離や凝集もなく、高濃度で流動性のよい安定な水性エマルジョンである。また接着剤や皮膜の耐水性にも優れるため、種々の用途に用いることが可能であり、工業的に極めて有用である。また、ポリ乳酸は天然物由来で生分解性を有する合成高分子であり、PVA系樹脂も生分解性を有する樹脂であることから、地球環境にとって優しい樹脂を使用した水性エマルジョンである。
本発明によって、有機溶剤を使用せず、特殊な設備や煩雑な操作を用いることなく、容易に製造でき、かつ安価であり貯蔵安定性に優れ、さらには良好な接着性、皮膜形成性、被覆性等を有する水性エマルジョンを提供できる。
Claims (10)
- ポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂とを、ポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂の配合比率が99/1〜30/70(質量比)の範囲で溶融混練した組成物を水に分散することにより得られることを特徴とする水性エマルジョン。
- 組成物がポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂に加えて、ポリ乳酸とポリビニルアルコール系樹脂とを合わせた100質量部に対して、可塑剤0.1〜30質量部及びアニオン界面活性剤0.01〜10質量部の1種以上をさらに配合し溶融混練した組成物であることを特徴とする請求項1記載の水性エマルジョン。
- ポリビニルアルコール系樹脂が平均重合度700以下でケン化度が84モル%以下のポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性エマルジョン。
- ポリビニルアルコール系樹脂が主鎖または側鎖にスルホ基または塩基で中和されたスルホ基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水性エマルジョン。
- ポリビニルアルコール系樹脂が主鎖または側鎖にオキシアルキレン基を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水性エマルジョン。
- ポリビニルアルコール系樹脂が酢酸ビニルとα―オレフィンとの共重合体のケン化物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水性エマルジョン。
- ポリビニルアルコール系樹脂が側鎖にアルキル基を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の水性エマルジョン。
- アニオン界面活性剤が、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩および脂肪酸アルカリ塩からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の水性エマルジョン。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の水性エマルジョンのコーティング剤、接着剤、バインダー、混和剤又は繊維加工剤の製造のための使用。
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