JP5370801B2 - セメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョン、セメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末、及びそれを用いたセメントモルタル混和剤 - Google Patents

セメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョン、セメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末、及びそれを用いたセメントモルタル混和剤 Download PDF

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Description

本発明は、特定のポリビニルアルコール系樹脂(以下、ポリビニルアルコールをPVAと略記することがある。)を保護コロイドとして分散安定化してなるアクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマーと特定の官能基含有モノマーとを共重合したセメント混和剤用水性合成樹脂エマルジョン、及びそれを乾燥してなるセメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末、更にはそれを用いたセメントモルタル混和剤に関するものである。
従来より、水性合成樹脂エマルジョンに機械安定性や凍結安定性を付与するために、保護コロイド剤として、PVA系樹脂が使用されている。しかしながら、この場合、一般には、エマルジョンの機械安定性や凍結安定性は改善されるものの、重合安定性が不充分であり、特に、エマルジョン中の樹脂分が50重量%を超えるような高い不揮発分では重合することができなかった。
そのため、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマーを重合してなる水性合成樹脂エマルジョンの保護コロイド剤として、PVA系樹脂を使用する場合には、エマルジョン中の樹脂分を50重量%未満にする必要があり、生産性の点で問題があった。また、得られるエマルジョンの安定性も不充分で、経時的に増粘するという問題もあった。
また、PVA系樹脂を保護コロイド剤として用いた水性合成樹脂エマルジョンを、セメントモルタルへの混和用途に用いることが知られているが、かかるエマルジョンを混和すると、セメントモルタルの流動性が経時的に悪化し、作業性が低下するという問題があった。
そのため、水性合成樹脂エマルジョンの保護コロイド剤としてPVA系樹脂を使用する場合に、エマルジョン中の樹脂分を50重量%以上の高濃度でも重合することができるPVA系保護コロイド剤の開発、およびセメントモルタルに混和しても流動性、作業性が低下しない水性合成樹脂エマルジョンの開発が望まれていた。
一方、再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末は、水性合成樹脂エマルジョンを乾燥(例えば、噴霧乾燥)することにより製造されるものであり、粉末であることから水性合成樹脂エマルジョンと比較して取り扱いが容易である。製品の紙袋包装が可能で、保管・輸送に便利である。また、この再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末は、使用時に水に添加して攪拌するだけで水中に再分散・乳化させることができるため、セメントやモルタル等のセメントモルタル製品や石膏製品等への既調合混和剤として、更に木部・木質用材料の接着剤、塗料用バインダー、土壌改良用バインダーなどとして使用されている。特に、水性合成樹脂エマルジョン粉末は、セメントモルタル製品や石膏等の無機水硬性組成物に予め混合させることができるので、現場で水を添加するだけでモルタルなどのセメントモルタル製品や石膏製品を形成させることができる。
一般的に、水に再乳化しうる水性合成樹脂エマルジョン粉末として知られているものの多くは、再乳化させる必要性から、保護コロイドとしてPVA系樹脂などの水溶性高分子を使用し、乳化重合して得られた水性合成樹脂エマルジョンを乾燥して得られるものである。それ故に、皮膜の耐水性が充分でなく、特にセメントモルタル製品や石膏製品を改質するために混和するには湿潤時の接着強さなどの物性が不充分であった。
これに対応するため、水に再乳化した際に、元のエマルジョン状態レベルに戻り易く、特にセメントモルタル製品や石膏製品を改質するために混和するには湿潤時の接着強さなどにおいて充分な物性を発現する、加えて、セメントモルタルに混和しても流動性、作業性が低下しない再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末の開発が望まれていた。
かかる対策として、水性合成樹脂エマルジョンにおいては、アセトアセチル(CH3COCH2CO−)基含有PVA系樹脂や変性PVA系樹脂を乳化分散剤として使用することなどが提案され、多くの特許文献などに記載されている。
たとえば、特許文献1には、アセト酢酸エステル基、メルカプト基、ジアセトンアクリルアミド基などの活性水素基を含有し、ブロックキャラクター[η]が0.6より大きく、ケン化度が95.0モル%より高く、かつブロック性の低いPVAを重合体に付着させた水性エマルジョンが開示されており、得られる水性エマルジョンの機械安定性、凍結安定性および高温放置安定性が良好であると述べられている。
また、特許文献2には、エチレンスルホン酸アルカリ塩を含有する酢酸ビニル−エチレンスルホン酸アルカリ塩共重合体をケン化して製造される変性PVA系樹脂を、乳化剤として、エチレン性不飽和単量体を乳化重合する方法が開示されており、得られたエマルジョンは、粘度の経時変化が少なく、放置安定性等において優れた性能を有することが述べられている。
特許文献3には、平均ケン化度が90モル%以下であり、スルホン酸基含有量が0.1〜20モル%の変性PVA系樹脂からなる乳化重合用安定剤が開示されている。
特許文献4には、側鎖に炭素数4以上の炭化水素基とスルホン酸基もしくは硫酸エステル基とを含有する変性PVA系樹脂からなるスチレンの乳化安定剤が開示されており、得られた乳化エマルジョンは、優れた安定性を示しかつ適度の粘性を有しており、接着剤、セメントモルタル混和剤などとして用いることが述べられている。
しかしながら、特許文献1では、機械安定性、凍結安定性および高温放置安定性の良好な水性エマルジョンが得られているものの、長期の保管における粘度安定性についてはまだまだ満足のいくものではなかった。また、特許文献2〜4では、重合安定性が不充分であったり、グラフト率が低く機械安定性が劣ったりするため、セメントモルタル混和用途において混和安定性が不充分であり、まだまだ満足のいくものではなかった。
すなわち、水性合成樹脂エマルジョンに関するこれらの文献においては、実際の製品化を目的として不揮発分濃度を50%以上にした際に、静置時の粘度安定性と高いグラフト率に起因する機械安定性の両立が充分ではなく、セメントやモルタルに混和した場合にも、セメントやモルタルを混和直後に使用する場合には流動性や作業性は良好であるが、混和後に時間をおいて使用する場合にはセメントやモルタルの流動性が低下して作業性が低下するという問題が生じていた。
また、再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末に関しては、特許文献5に、アセトアセチル(CH3COCH2CO−)基含有PVA系樹脂を乳化分散剤として使用することが提案されているが、まだまだ満足のいくものではなく、再乳化時の物性が改善され、皮膜の耐水性を更に改善した再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末が望まれている。特に、セメントモルタルに混和した際の流動性や作業性の改善、加えて経時で流動性や作業性が低下しない再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末の開発が望まれている。
特開2003−277419号公報 特開昭50−155579号公報 特開平10−060015号公報 特開昭58−063706号公報 特許第3225150号公報
本発明の目的は、セメントモルタル混和剤として使用した場合に、良好な流動性、作業性を示し、物性ばらつきの少ない、加えて接着強さなどが向上したアクリル系やスチレン系のセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョン、及びそれを乾燥してなるセメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末、更にはそれを用いたセメントモルタル混和剤を提供することにある。
しかるに、本発明者はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、平均ケン化度85モル%以上、平均重合度50〜3000で、側鎖に1,2−ジオール結合を1〜15モル%有するPVA系樹脂[I]を保護コロイド剤として、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマー(A)と特定の官能基含有モノマー(B)とを共重合成分とする合成樹脂が、分散安定化されることにより、セメントモルタル混和剤として使用した場合に、良好な流動性、作業性を示し、物性ばらつきの少ない、加えて接着強さなどが向上するなどに優れることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、平均ケン化度85モル%以上、平均重合度50〜3000で、側鎖に1,2−ジオール結合を1〜15モル%有するポリビニルアルコール系樹脂[I]により、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマー(A)と下記(ア)〜(カ)からなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基含有モノマー(B)とを共重合成分とする合成樹脂が、分散安定化されてなるセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョン、及び、それを乾燥してなるセメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末に関するものである。
(ア)グリシジル基含有モノマー。
(イ)アリル基含有モノマー。
(ウ)加水分解性シリル基含有モノマー。
(エ)アセトアセチル基含有モノマー。
(オ)分子構造中にビニル基を2個以上有するモノマー。
(カ)ヒドロキシル基含有モノマー。
また、本発明のセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョンは、平均ケン化度85モル%以上、平均重合度50〜3000で、側鎖に1,2−ジオール結合を1〜15モル%有するポリビニルアルコール系樹脂[I]を保護コロイド剤として用い、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマー(A)と上記(ア)〜(カ)からなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基含有モノマー(B)とを共重合成分として乳化重合してなるセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョンであることが好ましい。
更に、本発明では、上記セメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョンまたは上記セメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末を含有してなるセメントモルタル混和剤も提供するものである。
本発明のセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョン、及びそれを乾燥してなるセメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末は、セメントモルタル混和剤として使用した際に、良好な流動性、作業性を示し、物性ばらつきの少ない、加えて接着強さなどが向上するなどの優れた効果を有し、セメントモルタル用途として、補修モルタル用、下地調整塗材用、セルフレベリング材、タイル接着モルタル、及び石膏系材料などの改質剤として有用である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、平均ケン化度85モル%以上、平均重合度50〜3000で、側鎖に1,2−ジオール結合を1〜15モル%有するPVA系樹脂[I]を使用すると、共重合性モノマーとの反応性がより良好となり重合安定性に優れ、かつ不揮発分のより高い水性合成樹脂エマルジョンが得られ易くなり、不揮発分の高い水性合成樹脂エマルジョンが得られると、輸送コストの低減、水性合成樹脂エマルジョンの乾燥性の向上、特に、噴霧乾燥時における熱源エネルギーの省力化ができることとなる。
本発明において用いられる側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂[I]は公知であり、通常、下記一般式(1)で示される1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂があげられる。
Figure 0005370801
このようなPVA系樹脂[I]は、例えば、(a)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(b)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(c)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、(d)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
本発明において、上記PVA系樹脂[I]の平均ケン化度は、85モル%以上であり、好ましくは90〜99.8モル%である。平均ケン化度が上記範囲未満では、水性合成樹脂エマルジョンの重合時の安定性が低下することとなり、重合が完結したとしても水性合成樹脂エマルジョンの保存安定性が良好でなくなることがあり、安定な水性合成樹脂エマルジョンを得ることが困難になる傾向がある。
なお、本発明において、平均ケン化度は、慣用の方法により測定し求めることができる。例えば、JIS K 6726に記載のケン化度の算出方法にしたがって求めることができる。
PVA系樹脂[I]の平均重合度は、50〜3000であり、好ましくは100〜1700、更に好ましくは100〜1000、特に好ましくは200〜500である。平均重合度が上記範囲未満では、PVA系樹脂を工業的に製造することが困難となり、上記範囲を超えると、水性合成樹脂エマルジョンの粘度が高くなり過ぎたり、水性合成樹脂エマルジョンの重合安定性が低下したりする傾向がある。
なお、本発明において、平均重合度は、慣用の方法により測定し求めることができる。例えば、JIS K 6726に記載の平均重合度の算出方法にしたがって求めることができる。
PVA系樹脂[I]の側鎖の1,2−ジオール結合量は、1〜15モル%であり、好ましくは1〜12モル%、より好ましくは2〜10モル%、特に好ましくは2〜8モル%である。かかる1,2ジオール結合量が上記範囲未満では、水性合成樹脂エマルジョンの機械安定性や皮膜の耐水性などが低下することとなり、上記範囲を超えると重合時の安定性が低下し、不揮発分の高い安定な水性合成樹脂エマルジョンが得られにくくなる傾向がある。
本発明において、保護コロイド剤(分散安定化剤)として使用するPVA系樹脂[I]の使用量は、使用される全共重合モノマー量100重量部(以下「部」と略す)に対して、3〜20部であることが好ましく、より好ましくは4〜15部、特に好ましくは5〜10部である。かかる使用量が少なすぎると、乳化重合の際の保護コロイド量が不足となって、重合安定性が不良となる傾向があり、多すぎると、水性合成樹脂エマルジョンの粘度が高まり安定性が低下する傾向がある。
ここで、用いられたPVA系樹脂[I]は、通常、重合により形成される水性合成樹脂エマルジョン中に全量が存在することとなる。即ち、共重合体100部に対して、3〜20部、より好ましくは4〜15部、更に好ましくは5〜10部のPVA系樹脂[I]がエマルジョン中に存在することがある。
本発明においては、保護コロイド剤(分散安定化剤)として、側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂[I]を使用するが、本発明の目的を阻害しない範囲において変性、非変性タイプの部分・完全ケン化PVA系樹脂などを併用しても良い。
また、本発明では、PVA系樹脂[I]は、通常、水系媒体を用いて水溶液とし、これが乳化重合の過程において使用される。ここで水系媒体とは、水、または水を主体とするアルコール性溶媒をいい、好ましくは水のことをいう。
この水溶液におけるPVA系樹脂[I]の量(不揮発分)については特に限定されないが、取り扱いの容易性の観点からは、5〜30重量%、特には5〜20重量%であることが望ましい。
また、本発明で用いられるPVA系樹脂[I]に、アニオン性基を含むPVA系樹脂を併用してもよい。アニオン性基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などをあげることができるが、これらの中でも、エマルション中のpHに関係なく、安定して強い電荷反発が得られる点から、スルホン酸基であることが好ましい。
なお、本発明において、PVA系とは、PVA自体、または、例えば、各種変性種(本発明においては1,2−ジオール結合を有する変性種以外のもの)によって変性されたものを意味し、その変性度は、通常20モル%以下、好ましくは15モル%以下、更に好ましくは10モル%以下である。
かかる変性種としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノまたはジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン〔1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル〕エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等があげられる。また、上記の他、アセトアセチル基変性、メルカプト基変性、ジアセトンアクリルアミド変性等の活性水素を含有する変性種もあげられる。
次に、側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂[I]により分散安定化される水性合成樹脂エマルジョンについて説明する。
本発明における水性合成樹脂エマルジョンは、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマー(A)と特定の官能基含有モノマー(B)とを共重合成分として含んでなるものである。
かかるアクリル系モノマーとしては、当業者に公知のものであれば特に制限はなく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの脂肪族系(メタ)アクリレートや、フェノキシ(メタ)アクリレート等の芳香族系(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチルなどがあげられ、これらは1種または2種以上併用して用いられる。中でもアルキル基の炭素数が1〜18、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8の脂肪族系(メタ)アクリレートが好適である。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルを意味する。
スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記の中でもホモポリマーのガラス転移温度の高いメチルメタクリレートおよびスチレンの少なくとも一方と、ガラス転移温度の低いn−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートの少なくとも一方との組み合わせが、共重合性の容易さ、及び汎用的に塗料用や接着剤用に使用されているモノマー類であることなどの点で特に好ましい。
本発明においては、乳化重合する際に、上記のアクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマー(A)とともに特定の官能基含有モノマー(B)を共重合することが、セメントモルタル混和剤として使用した場合に、物性ばらつきが少なく、加えて接着強さなどが向上するなどの優れた効果を発揮する点で好ましい。
かかる官能基含有モノマー(B)としては、下記(ア)〜(カ)からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
(ア)グリシジル基含有モノマー。
(イ)アリル基含有モノマー。
(ウ)加水分解性シリル基含有モノマー。
(エ)アセトアセチル基含有モノマー。
(オ)分子構造中にビニル基を2個以上有するモノマー。
(カ)ヒドロキシル基含有モノマー。
上記グリシジル基含有モノマー(ア)の具体例としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等があげられる。このうち、特に物性ばらつきの少なく、加えて湿潤時の接着強さなどが向上するなどの観点から、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記アリル基含有モノマー(イ)の具体例としては、例えば、トリアリルオキシエチレン、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリルオキシエタン等のアリル基を2個以上有するモノマー、アリルグリシジルエーテル、酢酸アリル等があげられる。このうち、湿潤時の接着強さの観点から、アリルグリシジルエーテルが好ましい。
上記加水分解性シリル基含有モノマー(ウ)の具体例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルトリアルコキシシラン;ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のビニルアルキルジアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン;γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等のγ−(メタ)アクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン;ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等があげられる。このうち、湿潤時接着強さの観点から、ビニルトリアルコキシシラン、特にはビニルトリメトキシシランが好ましい。
上記アセトアセチル基含有モノマー(エ)の具体例としては、例えば、アセト酢酸ビニルエステル、アセト酢酸アリルエステル、ジアセト酢酸アリルエステル、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート;アセトアセトキシエチルクロトナート、アセトアセトキシプロピルクロトナート等のアセトアセトキシアルキルクロトナート;2−シアノアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等があげられる。このうち、特に物性ばらつきの少なく、加えて湿潤時接着強さなどが向上するなどの観点から、アセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート、特にはアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記分子構造中にビニル基を2個以上有するモノマー(オ)の具体例としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコール(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等があげられる。
上記ヒドロキシル基含有モノマー(カ)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜10、特に1〜6のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどがあげられる。このうち、乳化重合時における保護コロイド的作用及びセメントモルタル配合物などとの混和性改良の観点から、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、官能基含有モノマー(B)は、グリシジル基含有モノマー(ア)、加水分解性シリル基含有モノマー(ウ)、アセトアセチル基含有モノマー(エ)からなる群より選択されることが好ましく、特には、グリシジル基含有モノマー(ア)、アセトアセチル基含有モノマー(エ)のうち少なくとも1つを含んでなることが、セメントモルタル混和剤として使用した場合に、物性ばらつきの少ない、加えて接着強さなどが向上するなどの優れた効果を発揮する点で特に好ましい。
官能基含有モノマー(B)の使用量は、共重合性モノマー全体の0.01〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜5重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%、更に好ましくは0.1〜1重量%である。使用量が少なすぎると、セメントモルタル混和剤として使用した場合に、物性ばらつきの少ない、加えて接着強さなどが向上するなどの効果が不充分となる傾向があり、多すぎると、重合不良となったりする傾向がある。
なお、これらの官能基含有モノマー(B)は、単独でもしくは2種以上のものを組み合わせて使用することができる。
また、本発明においては、本発明の目的を阻害しない範囲において、上記以外の共重合可能なモノマーを併用することができ、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のカルボン酸ビニル、メチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルといったビニル系モノマー;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン、エチレンスルホン酸といったオレフィン系モノマー;および、ブタジエン−1,3、2−メチルブタジエン、1,3又は2,3−ジメチルブタジエン−1,3、2−クロロブタジエン−1,3等のジエン系モノマー等があげられる。
また、上記以外の官能基含有モノマーとして、(メタ)アクリルニトリル等のニトリル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ダイアセトンアクリルアミド等のアミド変性や(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基変性のアクリル系モノマー;および、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸等及びこれらのエステルの不飽和ジカルボン酸またはそのエステル系モノマー等も使用可能である。
本発明による水性合成樹脂エマルジョンにおいては、前記したアクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマー(A)と特定の官能基含有モノマー(B)などの共重合性モノマー成分以外に、必要に応じて他の成分を更に用いることができる。このような他の成分としては、水性合成樹脂エマルジョンとしての性質を低下させることがない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。他の成分としては、例えば、重合開始剤、重合調整剤、補助乳化剤、可塑剤、造膜助剤等があげられる。
重合開始剤としては、通常の乳化重合に使用できるものであれば特に制限なく使用でき、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物;有機過酸化物、アゾ系開始剤、過酸化水素、ブチルパーオキサイド等の過酸化物;およびこれらと酸性亜硫酸ナトリウムやL−アスコルビン酸等の還元剤とを組み合わせたレドックス重合開始剤等があげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらの中でも、皮膜物性や強度増強に悪影響を与えず重合が容易な点で過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムが好ましい。
重合調整剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。このような重合調整剤としては、例えば、連鎖移動剤、バッファーなどがあげられる。
ここで、連鎖移動剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;および、ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ノルマルメルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸オクチル、チオグリセロール等のメルカプタン類などがあげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。連鎖移動剤の使用は、重合を安定に行わせるという点では有効であるが、合成樹脂の重合度を低下させるため、得られる皮膜の耐水性の低下やセメントモルタル混和剤として使用した場合には物性ばらつきが大きくなり、加えて接着強さなどが低下する傾向がある。このため、連鎖移動剤を使用する場合には、その使用量をできる限り低く抑えることが望ましい。
ここで、前記バッファーとしては、例えば、酢酸ソーダ、酢酸アンモニウム、第二リン酸ソーダ、クエン酸ソーダなどがあげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
補助乳化剤としては、乳化重合に用いることができるものとして当業者に公知のものであれば、いずれのものでも使用可能である。したがって、補助乳化剤は、例えば、アニオン性、カチオン性、およびノニオン性の界面活性剤、PVA系樹脂[I]以外の保護コロイド能を有する水溶性高分子、および水溶性オリゴマー等の公知のものの中から適宜選択することができる。
ここで、界面活性剤の好ましい具体例としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアニオン性界面活性剤、および、プルロニック型構造を有するものやポリオキシエチレン型構造を有するものなどのノニオン性界面活性剤があげられる。また、界面活性剤として、構造中にラジカル重合性不飽和結合を有する反応性界面活性剤を使用することもできる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
界面活性剤の使用は乳化重合をスムーズに進行させ、コントロールし易くする(乳化剤としての効果)。加えて、重合中に発生する粗粒子やブロック状物の発生を抑制する効果がある。
ただし、これら界面活性剤を乳化剤として多く使用すると、グラフト率が低下する傾向がある。このため、界面活性剤を使用する場合には、その使用量はPVA系樹脂に対して補助的な量であること、すなわち、できる限り少なくすることが望ましい。
ここで、PVA系樹脂[I]以外の保護コロイド能を有する水溶性高分子としては、例えば、PVA系樹脂[I]以外のPVA系樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースなどがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらは、エマルジョンの増粘やエマルジョンの粒子径を変えて粘性を変化させる点で効果がある。ただし、その使用量によっては皮膜の耐水性を低下させることがあるため、使用する場合には少量で使用することが望ましい。
ここで、水溶性オリゴマーとしては、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキレングリコール基などの親水性基を有する重合度が10〜500程度の重合体または共重合体が好適にあげられる。水溶性オリゴマーの具体例としては、例えば、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体などのアミド系共重合体、メタクリル酸ナトリウム−4−スチレンスルホネート共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ポリ(メタ)アクリル酸塩などがあげられる。更に、具体例としては、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキレングリコール基などを有するモノマーやラジカル重合性の反応性乳化剤を予め単独または他のモノマーと共重合してなる水溶性オリゴマーなどもあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。本発明においては、これらの中でも、顔料および炭カル等のフィラーとの混和安定性の点で、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、メタクリル酸ナトリウム−4−スチレンスルホネート共重合体が好ましい。水溶性オリゴマーは、乳化重合を開始する前に予め重合したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
また、可塑剤としては、アジペート系可塑剤、フタル酸系可塑剤、燐酸系可塑剤などが使用できる。また、沸点が260℃以上の造膜助剤も使用できる。
これら他の成分の使用量は、本発明の目的を阻害しない限りにおいて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
次に、本発明の水性合成樹脂エマルジョンの製造について説明する。
前記したように、本発明による水性合成樹脂エマルジョンは、特定のPVA系樹脂[I]を保護コロイド剤として用いて、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマー(A)と特定の官能基含有モノマー(B)とを含む共重合性モノマーを乳化重合することによって製造することができる。
乳化重合の方法としては、特に制限はなく、例えば、反応缶に、水、PVA系樹脂[I]を仕込み、昇温して共重合性モノマーと重合開始剤を滴下するモノマー滴下式乳化重合法;および、滴下するモノマーを予めPVA系樹脂[I]と水とで分散・乳化させた後、滴下する乳化モノマー滴下式乳化重合法などがあげられるが、重合工程の管理やコントロール性等の面でモノマー滴下式が便利である。
通常、乳化重合は、PVA系樹脂[I]及び前記共重合性モノマー成分以外に、重合開始剤、重合調整剤、補助乳化剤等のような前記した他の成分を必要に応じて用いて実施する。また、重合の反応条件は、特に制限はなく、共重合性モノマーの種類、目的等に応じて適宜選択することができる。
乳化重合過程を更に具体的に説明にすると、以下のとおりである。
先ず、反応缶に水、PVA系樹脂[I]、必要に応じて補助乳化剤を仕込み、これを昇温(通常65〜90℃)した後、共重合性モノマー成分の一部と重合開始剤をこの反応缶に添加して、初期重合を実施する。次いで、残りの共重合性モノマー成分を、一括または滴下しながら反応缶に添加し、必要に応じて更に重合開始剤を添加しながら重合を進行させる。重合反応が完了したと判断されたところで、反応缶を冷却し、目的とする水性合成樹脂エマルジョンを取り出すことができる。
本発明において、乳化重合より得られる水性合成樹脂エマルジョンは、典型的には、均一な乳白色であって、水性合成樹脂エマルジョン中の合成樹脂の平均粒子径は0.2〜2μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5μmである。
なお、ここで、平均粒子径は、慣用の方法、例えばレーザー解析/散乱式粒度分布測定装置「LA−910」(株式会社堀場製作所製)により測定することができる。
また、水性合成樹脂エマルジョン中の合成樹脂において、そのガラス転移温度としては、特に限定されないが、−20〜+30℃であることがセメントモルタル混和剤として使用した場合に、物性ばらつきが少なく、加えて接着強さなどが向上するなどの点で好ましく、特には−15〜+20℃であることが好ましい。かかるガラス転移温度が低すぎると接着強さが低下する傾向となり、高すぎるとジブチルフタレートなどの可塑剤を多く入れて水性合成樹脂エマルジョンの造膜温度を低下させることになり、この結果、特に湿潤時接着強さなどが低下する傾向がある。
なお、本発明において、上記合成樹脂におけるガラス転移温度とは、共重合モノマー成分として官能基含有モノマー(B)を除いた主要モノマー成分に基づき、Foxの式により計算される値のことである。
更に、本発明においては、PVA系樹脂[I]の少なくとも一部が、前記の合成樹脂にグラフトしていることが、得られる乾燥前の水性合成樹脂エマルジョン自体の貯蔵安定性や接着強さ測定における測定値のばらつきが少なくなることなどの点で好ましい。
PVA系樹脂[I]が前記の合成樹脂にグラフトした場合に、下記式(2)で表される値(W)が50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは65重量%以上であり、更に好ましくは70重量%以上である。かかる値は、グラフト化程度の目安になるものであり、この値が低すぎると、グラフト化の程度が低く、乳化重合時の保護コロイド作用が低下し、重合安定性が低下したり、加えてフィラー類との混和性が低下したりするなどの傾向がある。
式(2)の値(W)は、以下のようにして算出される。
即ち、対象となるエマルジョン等を、40℃×16時間乾燥して、厚さが約0.5mmの皮膜を作製し、それを23℃×65%RH下に2日間放置する。その皮膜を、沸騰水中で8時間抽出を行った後、アセトン中で8時間抽出を行い、グラフト化していない樹脂等を除去する。この場合の、抽出前の皮膜絶乾重量をw(g)、抽出後の皮膜絶乾重量をw(g)とし、下記の式より求める。
W(重量%)=(w)/(w)×100 …(2)
:抽出前の皮膜絶乾重量(g)
:抽出後の皮膜絶乾重量(g)
なお、抽出前の皮膜絶乾重量(w)は、予め、抽出試験サンプルとは別のサンプルを105℃×1時間乾燥させ、抽出前サンプルの皮膜絶乾重量を算出したものであり、抽出後の皮膜絶乾重量(w)は、抽出後のサンプルを105℃×1時間乾燥させた時の重量である。これらwとwの重量の算出は、それぞれ別のサンプルを用いたものであるため、同一条件下での取り扱いとすべく、両サンプルの乾燥にともなう揮発分割合により補正して、両サンプルの皮膜絶乾重量を算出した。
上記式(2)の値(W)を上記範囲に調整する方法としては、乳化重合温度を従来よりもやや高くしたり、重合用触媒として使用する過硫酸塩に極微量の還元剤(例えば、酸性亜硫酸ソーダ、など)を併用したりする等があげられる。
本発明においては、乳化重合後の水性合成樹脂エマルジョンに、必要に応じて各種添加剤を更に加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、有機顔料、無機顔料、水溶性添加剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤などがあげられる。
このようにして、本発明のセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョンが得られるが、その使用に際しては、不揮発分として、通常40〜60重量%に調整することが好ましい。
本発明においては、前記乳化重合により得られた水性合成樹脂エマルジョンを乾燥することにより、セメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末とすることができる。
得られたセメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末は、粉末のまま使用することもできるし、水に再乳化して水性合成樹脂エマルジョンとして使用することもできる。
乾燥方法は、特に制限はなく、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、凝析後の温風乾燥等があげられる。これらの中でも、生産コスト、省エネルギーの観点から噴霧乾燥することが好ましい。
噴霧乾燥の場合、その噴霧形式は、特に制限はなく、例えばディスク式、ノズル式などの形式により実施することができる。噴霧乾燥の熱源としては、例えば、熱風、加熱水蒸気などがあげられる。噴霧乾燥の条件としては、噴霧乾燥機の大きさ、種類、水性エマルジョンの不揮発分、粘度、流量等に応じて適宜選択することができる。噴霧乾燥の温度は、通常は、80〜150℃が好ましく、より好ましくは100〜140℃である。乾燥温度が低すぎると乾燥に時間を要し、生産的に問題が生じることがあり、高すぎると熱による樹脂自体の変質が起こり易くなってくる傾向がある。
噴霧乾燥処理を更に具体例をあげて説明すると、まず水性合成樹脂エマルジョン中の不揮発分を調整し、これを噴霧乾燥機のノズルより連続的に供給し、霧状にしたものを温風により乾燥させて粉末化させる。場合により、調整した噴霧液を噴霧に際して予め加温してノズルより連続的に供給し、霧状にしたものを温風により乾燥させて粉末化させることも可能である。加温することで乾燥スピードが速くなり、かつ噴霧液の粘度低下に伴い噴霧液の高不揮発分化が可能で、生産コストの低減にも寄与する。
なお、本発明においては、抗粘結剤を、水性合成樹脂エマルジョンに混合したり、噴霧乾燥後の樹脂エマルジョン粉末に混合したり、噴霧乾燥時に水性合成樹脂エマルジョンと別のノズルから噴霧するなどして、併用することができる。
抗粘結剤を添加することにより、抗粘結剤で樹脂エマルジョン粉末をまぶすような状態にして貯蔵中などにおいて粒子同士が粘結して凝集しブロッキングするのを防止することができる。
抗粘結剤としては、公知の不活性な無機または有機粉末、例えば、無機粉末としては炭酸カルシウム、タルク、クレー、ドロマイト、無水珪酸、アルミナホワイト等を使用することができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらの中でも、無水珪酸、炭酸カルシウム、クレー等が好ましい。有機粉末としては合成樹脂のガラス転移温度が70℃以上の水性エマルジョンを噴霧乾燥してなる樹脂エマルジョン粉末も抗粘結剤として使用可能である。抗粘結剤の使用量は、得られる樹脂エマルジョン粉末に対して、5〜30重量%程度であることが好ましい。
再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末の水への再乳化性をより向上させるために、水溶性添加剤を配合することができる。通常、水溶性添加剤は乾燥前の水性合成樹脂エマルジョンに添加する。この添加量は、乾燥前の水性合成樹脂エマルジョンの不揮発分100部に対して、2〜50部である。添加量が少なすぎると水への再乳化性の向上が充分に図れない傾向があり、多すぎると水への再乳化性の向上には大いに役立つが皮膜の耐水性が低下し、期待する物性が発揮できなくなることがある。
水溶性添加剤としては、例えばPVA系樹脂類、ヒドロキシエチルセルロース類、メチルセルロース類、ポリビニルピロリドン、でんぷん類、デキストリン類、水溶性アルキッド樹脂、水溶性アミノ樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリカルボン酸樹脂、水溶性ポリアミド樹脂などの水溶性樹脂があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらの中でも、PVA系樹脂類が好ましい。
上記PVA系樹脂類としては、平均ケン化度85モル%以上のポリビニルアルコールが望ましく、87モル%以上であることがより好ましい。また、平均ケン化度の上限値としては、特に限定されるものではないが、99.5モル%以下であることが好ましく、95モル%以下であることがより好ましい。平均ケン化度が小さすぎると皮膜の耐水性が著しく低下する傾向があり、大きすぎると耐水性が良くなるが、水への再乳化性を悪くする傾向がある。
また、この平均重合度は、50〜3000であることが好ましく、200〜2000であることがより好ましく、300〜600であることが更に好ましい。平均重合度が小さすぎると耐水性が低下する傾向があり、大きすぎると再乳化性が低下する傾向がある。
水への溶解性が容易でないものは、再乳化性に悪影響を与える場合があるので、事前に水への溶解性を確認した上で使用することが望ましい。
かくして本発明のセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョン、及びそれを乾燥してなるセメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末は、セメントモルタル混和剤として使用した際に、良好な流動性、作業性を示し、物性ばらつきの少ない、加えて接着強さなどが向上するなどの優れた効果を発揮する。そして、セメントモルタル用途として、補修モルタル用、下地調整塗材用、セルフレベリング材、タイル接着モルタル、モルタルシーラー・プライマー、モルタル養生剤、及び石膏系材料などの改質剤として有用である。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
<水性合成樹脂エマルジョンの製造例>
〔実施例1/エマルジョン1〕
攪拌機と還流冷却器とを備えた2Lサイズのステンレス製反応缶に、670部の水、保護コロイドとして、側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA(重合度300、ケン化度99.1モル%、側鎖の1,2−ジオール結合の含有量8モル%/日本合成化学工業株式会社製)の46部、酢酸ナトリウムの2g、酸性亜硫酸ナトリウムの1gを仕込み、反応缶を85℃に加熱して、このPVAを溶解させた。次に、この反応缶の温度を80℃に保ち、ここに、予め混合しておいた混合モノマー〔ブチルアクリレート358部/メチルメタクリレート293部/アセトアセトキシエチルメタクリレート6.5部=54.4/44.6/1(重量比)〕の66部を添加し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.6gを水30gに溶解した過硫酸アンモニウム水溶液の30%を加えて、初期重合反応を1時間行った。次いで、残りの混合モノマーと重合開始剤として前記過硫酸アンモニウム水溶液の60%を、反応缶に4時間に渡って滴下して重合を進行させた。滴下終了後に前記過硫酸アンモニウム水溶液の10%を加え、同温度で1時間熟成させ、不揮発分50.1%の水性合成樹脂エマルジョン(エマルジョン1)を得た(平均粒子径:0.43μm)。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記式(2)で算出される値(W)は、80重量%であった。
また、この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=358/293=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、+105℃とした場合、約−1℃であった。
〔実施例2/エマルジョン2〕
混合モノマーの種類と組成比を、ブチルアクリレート/スチレン/アセトアセトキシエチルメタクリレート=54.4/44.6/1(重量比)に変更した以外は、前記エマルジョン1と同様にして、エマルジョン2(不揮発分49.8%)を得た(平均粒子径:0.40μm)。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記式(2)で算出される値(W)は、75重量%であった。
また、この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/スチレン=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、+100℃とした場合、約−2℃であった。
〔実施例3/エマルジョン3〕
混合モノマーの種類と組成比を、ブチルアクリレート/スチレン/グリシジルメタクリレート=44.6/54.4/1(重量比)に変更した以外は、前記エマルジョン1と同様にして、エマルジョン3(不揮発分50.2%)を得た(平均粒子径:0.42μm)。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記式(2)で算出される値(W)は、77重量%であった。
また、この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/スチレン=45/55(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、+100℃とした場合、約+12℃であった。
但し、最低造膜温度を調整する目的で可塑剤としてジブチルフタレートを樹脂分に対して3%添加した。
〔実施例4/エマルジョン4〕
混合モノマーの種類と組成比を、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/スチレン/アセトアセトキシエチルメタクリレート=55.5/22/22/0.5(重量比)に変更した以外は、前記エマルジョン1と同様にして、エマルジョン4(不揮発分50.2%)を得た(平均粒子径:0.45μm)。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記式(2)で算出される値(W)は、75重量%であった。
また、この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/スチレン=55.8/22.1/22.1(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、+105℃、+100℃とした場合、約−3℃であった。
〔実施例5/エマルジョン5〕
混合モノマーの種類と組成比を、メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/グリシジルメタクリレート=48/51/1(重量比)に変更した以外は、前記エマルジョン1と同様にして、エマルジョン5(不揮発分49.9%)を得た(平均粒子径:0.44μm)。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記式(2)で算出される値(W)は、73重量%であった。
また、この主要モノマー組成〔メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート=48.5/51.5(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを+105℃、−70℃とした場合、約−10℃であった。
〔実施例6/エマルジョン6〕
混合モノマーの種類と組成比を、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/ビニルトリメトキシシラン=54.4/44.6/1(重量比)に変更した以外は、前記エマルジョン1と同様にしてエマルジョン6(不揮発分50.1%)を得た(平均粒子径:0.42μm)。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記式(2)で算出される値(W)は、74重量%であった。
また、この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、エマルジョン1と同様に、約−1℃であった。
〔実施例7/エマルジョン7〕
混合モノマーの種類と組成比を、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート=54.4/44.6/1(重量比)に変更した以外は、前記エマルジョン1と同様にしてエマルジョン7(不揮発分50.0%)を得た(平均粒子径:0.43μm)。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記式(2)で算出される値(W)は、71重量%であった。
また、この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、エマルジョン1と同様に、約−1℃であった。
〔実施例8/エマルジョン8〕
混合モノマーの種類と組成比を、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/アリルグリシジルエーテル=54.4/44.6/1(重量比)に変更した以外は、前記エマルジョン1と同様にしてエマルジョン8(不揮発分49.8%)を得た(平均粒子径:0.43μm)。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記式(2)で算出される値(W)は、72重量%であった。
また、この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、エマルジョン1と同様に、約−1℃であった。
〔実施例9/エマルジョン9〕
保護コロイドとして、側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA(重合度300、ケン化度99.1モル%、側鎖の1,2−ジオール結合の含有量3モル%/日本合成化学工業株式会社製)に変更した以外は、前記エマルジョン1と同様にして、エマルジョン9(不揮発分50.3%)を得た(平均粒子径:0.40μm)。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記式(2)で算出される値(W)は76重量%であった。
また、この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、エマルジョン1と同様に、約−1℃であった。
〔比較例1/エマルジョン10〕
混合モノマーの種類と組成比を、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)に変更し、更に665部の水に変更した以外は、前記エマルジョン1と同様にして、エマルジョン10(不揮発分50.3%)を得た(平均粒子径:0.43μm)。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記式(2)で算出される値(W)は、78重量%であった。
また、この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、+105℃とした場合、約−1℃であった。
〔比較例2/エマルジョン11〕
保護コロイドとして、アセトアセチル基変性PVA(重合度300、ケン化度97.0モル%、アセトアセチル化度0.5モル%/日本合成化学工業株式会社製)に変更した以外は前記エマルジョン1と同様にしてエマルジョン11(不揮発分50.0%)を得た(平均粒子径:0.44μm)。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記式(2)で算出される値(W)は、78重量%であった。
また、この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/メチルメタアクリレート=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、+105℃とした場合、約−1℃であった。
〔比較例3〕
保護コロイドとして、平均重合度500、平均ケン化度88モル%のPVA(ゴーセノールGL05/日本合成化学工業株式会社製)の37部と平均重合度1400、平均ケン化度88モル%のPVA(ゴーセノールGM14/日本合化学工業株式会社製)の9部に変更した以外は、前記エマルジョン1と同様にして重合したが、重合途中にゲル化して水性合成樹脂エマルジョンは得られなかった。
〔比較例4/エマルジョン12〕
前記エマルジョン1において、保護コロイドの代わりに乳化剤として、ノニオン性活性剤(エマルゲン1135S−70/花王株式会社製)の28部とアニオン性活性剤(ホスタパールBVconc/クラリアントジャパン株式会社製)の26部を使用した。具体的には、これらの活性剤の20%と使用する水の200部を反応缶に仕込み、残りの活性剤と水の約435部及び混合モノマーとで乳化モノマーを作成し重合に供した。不揮発分50.2%のエマルジョン12を得た(平均粒子径:0.07μm)。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記式(2)で算出される値(W)は、43重量%であった。
また、この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/メチルメタアクリレート=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、+105℃とした場合、約−1℃であった。
<再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末の製造例>
〔実施例10/樹脂粉末1〕
実施例1で得られたエマルジョン1の不揮発分100部に対して、平均重合度500、平均ケン化度88モル%のPVA(ゴーセノールGL05/日本合成化学工業株式会社製)7部添加し、加水して不揮発分を40%に調整した。抗粘結剤として炭酸カルシウムの存在下において、ノズル式の噴霧乾燥機により熱源を熱風として140℃の温風下にて噴霧乾燥させて再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末1を得た。
〔実施例11〜18/樹脂粉末2〜9〕
実施例2〜9で得られた各エマルジョン2〜9について、樹脂粉末1と同様にして再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末2〜9を得た。
〔比較例5〜7/樹脂粉末10〜12〕
比較例1、2、4で得られた各エマルジョン10〜12について、樹脂粉末1と同様にして再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末10〜12を得た。
上記実施例および比較例について、以下の通り評価を行った。
<エマルジョンの重合安定性>
上記重合において、重合缶へのスケーリング及び粗粒子の有無を観察し、下記の基準で評価した。
(評価基準)
○・・・スケーリングが少なく、粗粒子がほとんどない状態
△・・・一部にスケーリングあり、粗粒子が少しある状態
×・・・スケーリングが多く、粗粒子が多い状態
<樹脂粉末の再乳化性>
攪拌しながら脱イオン水50gに、再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末50gを添加し、その後1000回転で10分間撹拌して再乳化した。この再乳化液を容積250ccのガラス容器に入れ室温で1週間放置した。この時の再乳化性を下記の基準で評価した。
(評価基準)
◎・・・均一な再乳化液が得られ、樹脂粉末の沈降が僅かしか観られない状態
○・・・均一な再乳化液が得られ、樹脂粉末の沈降が少し観られる状態
△・・・再乳化液に相分離がやや認められ、樹脂粉末の沈降がある状態
×・・・再乳化液に相分離が認められ、樹脂粉末の沈降がかなり多い状態
<セメントモルタルの流動性>
JIS A 6203に準じてモルタル混和試験を行う。
普通ポルトランドセメント500g、豊浦硅砂1500g、不揮発分45%のエマルジョン111g(不揮発分50g)および、練り混ぜ水289gを、ホバートミキサーを使用して3分間攪拌し、セメントモルタルを調整した。このセメントモルタルの流動性は、フローテーブルの上に設置した底辺直径100mmのフローコーンに、上記セメントモルタルを詰め込み、フローコーンを抜き取った後、12mmの落下衝撃を15回与えてセメントモルタルの広がり直径を測定した。これを初期フローとして評価した。更に1時間放置後、ホバートミキサーで30秒攪拌し同様の測定を行った。これを経時1時間後のフローとした。
なお、再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末の場合には、この樹脂粉末50gを予めセメント、豊浦硅砂と既調合してから使用した。この場合の練り混ぜ水は350gとした。
水性合成樹脂エマルジョン及び再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末のセメントモルタル(C)に対する水(W)量、すなわちW/Cは、いずれも70%一定である。
<セメントモルタルの接着強さ>
JIS A 6203に準じてセメントモルタルの常態接着強さ試験を行い、下記の基準で評価した。
供試体の作製:セメントモルタル基板(70×70×20mm/JIS R 5201準拠)をJIS R 6252に規定の150番研磨紙を用いて研磨した。この基板上に型枠を用いて各テストセメントモルタルを40×40×10mmとなるように充填し、成型・養生して供試体を作製した。
養生条件:成型後、温度20±2℃、相対湿度90%以上で48時間経過した後、脱型してから温度20±2℃の水中で5日間養生し、更に温度20±2℃、相対湿度60±10%で21日間養生した。
なお、湿潤時接着強さの測定は、前記記載の養生を経た供試体を室温水に24時間浸漬後、ただちに取り出し、湿潤状態のままに接着強さを測定した。
測定は万能測定機(島津製作所株式会社製)にて行った。
(評価基準)
◎・・・ 接着強さ1.5 N/mm以上
○・・・ 接着強さ1.0 N/mm以上、1.5 N/mm未満
△・・・ 接着強さ0.8 N/mm以上、1.0 N/mm未満
×・・・ 接着強さ0.8 N/mm未満
実施例及び比較例で得られた水性合成樹脂エマルジョン及びこれらのエマルジョンから得られた再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末のそれぞれの評価結果は、表1、表2に示されるとおりであった。
Figure 0005370801
Figure 0005370801
セメントモルタルに対する水量(W/C)を70%とした場合(表1)、比較例1、2におけるセメントモルタルのフロー値が、実施例1、2と比べて小さい。そこで、比較例1,2のセメントモルタルの流動性のレベルを、実施例1、2とほぼ同じ水準にして対比するため、比較例1,2の水量を多くして、即ちセメントモルタルに対する水量(W/C)を75%にして、流動性試験及びセメントモルタル接着強さ試験に供した。
これらの評価結果は、表3に示されるとおりであった。
Figure 0005370801
以上の結果より、実施例はいずれも、エマルジョンの重合安定性、および樹脂粉末の再乳化性に優れ、物性のばらつきの少ないものであり、良好な流動性とともに常態時・湿潤時の接着強さに優れた結果が得られた。実施例5,14のエマルジョン5および対応する樹脂粉末5、並びに実施例16の樹脂粉末7については、僅かに低い接着強さを示したが、本発明の水性合成樹脂エマルジョンおよび再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末として充分に使用できるものであった。
これに対して、比較例1,5のエマルジョン10および対応する樹脂粉末10、並びに比較例4のエマルジョン12については、湿潤時の接着強さに劣ることが分かる。また、比較例2,6のエマルジョン11および対応する樹脂粉末11については、流動性に劣るものであり、たとえ水分を増加して流動性を向上させたとしても、接着強さに劣るため、目的とする物性が得られないことが分かる。更に、比較例3は、重合中にゲル化したため、エマルジョン自体が得られないものであった。そして、比較例7の樹脂粉末12は、再乳化性、接着強さ、流動性の全てにおいて劣ることが分かる。
本発明のセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョン、及びそれを乾燥してなるセメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末は、セメントモルタル混和剤として使用した際に、良好な流動性、作業性を示し、物性ばらつきの少ない、加えて接着強さなどが向上するなどの優れた効果を有し、セメントモルタル用途として、補修モルタル用、下地調整塗材用、セルフレベリング材、タイル接着モルタル、及び石膏系材料などの改質剤として非常に有用である。

Claims (6)

  1. 平均ケン化度85モル%以上、平均重合度50〜3000で、側鎖に1,2−ジオール結合を1〜15モル%有するポリビニルアルコール系樹脂[I]により、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマー(A)と下記(ア)〜(カ)からなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基含有モノマー(B)とを共重合成分とする合成樹脂が、分散安定化されてなることを特徴とするセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョン。
    (ア)グリシジル基含有モノマー。
    (イ)アリル基含有モノマー。
    (ウ)加水分解性シリル基含有モノマー。
    (エ)アセトアセチル基含有モノマー。
    (オ)分子構造中にビニル基を2個以上有するモノマー。
    (カ)ヒドロキシル基含有モノマー。
  2. 平均ケン化度85モル%以上、平均重合度50〜3000で、側鎖に1,2−ジオール結合を1〜15モル%有するポリビニルアルコール系樹脂[I]を保護コロイド剤として用い、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマー(A)と下記(ア)〜(カ)からなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基含有モノマー(B)とを共重合成分として乳化重合してなることを特徴とする請求項1記載のセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョン。
    (ア)グリシジル基含有モノマー。
    (イ)アリル基含有モノマー。
    (ウ)加水分解性シリル基含有モノマー。
    (エ)アセトアセチル基含有モノマー。
    (オ)分子構造中にビニル基を2個以上有するモノマー。
    (カ)ヒドロキシル基含有モノマー。
  3. 官能基含有モノマー(B)の使用量が、全モノマー成分の0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項1または2記載のセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョン。
  4. ポリビニルアルコール系樹脂[I]の使用量が、全モノマー成分100重量部に対して、3〜20重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョン。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョンを乾燥してなることを特徴とするセメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョン、または請求項5記載のセメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末を含有してなることを特徴とするセメントモルタル混和剤。
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