JP2007238714A - 水性エマルション、水性エマルションの製造方法、および水硬性無機材料用混和剤 - Google Patents

水性エマルション、水性エマルションの製造方法、および水硬性無機材料用混和剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、エマルション重合後の静置保存時の経時増粘が大幅に改善された、優れた保護コロイド力を有する水性エマルションを提供することにある。さらに詳しくは、保管期間に関係なく、優れた混和無機材料の強度や混和物の流動物性が安定して得られる水硬性無機材料用混和剤および再分散性合成樹脂粉末を提供することにある。
【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の単量体を主成分とする重合体が、ポリビニルアルコール(A)により分散されてなる水性エマルションであって、該重合体の重合中および/または重合後に酸化処理されてなることを特徴とする水性エマルションである。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性エマルションに関する。さらに詳しくは、優れた保護コロイド力と、良好な静置保存時の粘度安定性を有する水性エマルションであり、さらに、セメント・モルタル用途での物性ばらつきのない良好な水性エマルション、および、保管期間に関係なく、優れた混和無機材料の強度や混和物の流動物性が安定して得られる水硬性無機材料用混和剤に関する。
従来より、水性エマルションに機械安定性や凍結安定性を付与するために、保護コロイド剤として、ポリビニルアルコール(以下、PVAとする)が使用されている。しかし、エマルションの機械安定性や凍結安定性は改善されるものの、重合安定性が不充分であり、特に、エマルション中の樹脂分が50重量%をこえるような高濃度では、重合することができなかった。
そのため、アクリル系水性エマルションの保護コロイド剤としてPVAを使用する場合には、エマルション中の樹脂分を50重量%以下にする必要があり、生産性の点で問題があった。また、得られるエマルションの安定性も不充分で、経時的に増粘するという問題もあった。
また、PVAを保護コロイド剤として用いた水性エマルションを、セメント・モルタルへの混和用途に用いることが知られているが、かかるエマルションを混和すると、セメント・モルタルの流動性が経時的に悪化し、作業性が低下するという問題があった。
そのため、水性エマルションの保護コロイド剤としてPVAを使用する場合に、エマルション中の樹脂分を50重量%以上の高濃度でも重合することができるPVA系保護コロイド剤の開発、およびセメント・モルタルに混和しても作業性が低下しない水性エマルションの開発が望まれていた。
かかる対策として、アセトアセチル(CH3COCH2CO−)基含有PVAを乳化分散剤として使用することが提案され、多くの特許文献などに記載されている。
たとえば、特許文献1には、アセト酢酸エステル基、メルカプト基、ジアセトンアクリルアミド基などの活性水素基を含有し、ブロックキャラクター[η]が0.6より大きく、ケン化度が95.0モル%より高く、かつブロック性の低いPVAを重合体に付着させた水性エマルションが開示されており、得られる水性エマルションの機械安定性、凍結安定性および高温放置安定性が良好であると述べられている。しかしながら、機械安定性、凍結安定性および高温放置安定性の良好な水性エマルションが得られているものの、長期の保管における粘度安定性についてはまだまだ満足のいくものではなかった。
また、低温流動性、初期接着性の高い水性エマルション組成物として、特許文献2には、水性媒体中、PVAを過酸化物により処理した後、重合性単量体を乳化重合する水性エマルションの製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献2においては、PVAを過酸化物により活性処理する時期は、重合性単量体を乳化重合する前であり、乳化重合中あるいは乳化重合後に処理することについては記載されていない。このように、重合性単量体を乳化重合する前に過酸化物による処理をすると、得られる水性エマルションを破壊してしまう恐れがあるため好ましくない。また、低温流動性、初期接着性の良好な水性エマルションが得られているものの、長期の保管における粘度安定性についてはまだまだ満足のいくものではなかった。
特開2003−277419号公報 特開平09−059308号公報
本発明の目的は、エマルション重合後の静置保存時の経時増粘が大幅に改善された、優れた保護コロイド力を有する水性エマルションを提供することにある。さらに、保管期間に関係なく、優れた混和無機材料の強度や混和物の流動物性が安定して得られる水硬性無機材料用混和剤を提供することにある。
そこで、本発明者が詳細に検討を重ねた結果、水性エマルションに対して酸化処理を行うことにより上記目的が達せされることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の単量体を主成分とする重合体が、ポリビニルアルコール(A)により分散されてなる水性エマルションであって、該重合体の重合中および/または重合後に酸化処理されてなることを特徴とする水性エマルションに関するものである。
PVA(A)が、ケン化度95モル%以上でかつ活性水素を有する官能基含有PVAであることが好ましく、さらに、アセトアセチル基含有PVAであり、アセトアセチル化度が0.01〜5モル%であることが好ましい。
また、本発明は、前記水性エマルションからなる水硬性無機材料用混和剤に関する。
さらに、本発明は、ポリビニルアルコール(A)の存在下、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の単量体を主成分として重合する水性エマルションの製造方法であって、
該重合中および/または重合後に、酸化処理することを特徴とする水性エマルションの製造方法に関する。
本発明は、エマルション重合後の静置保存時の経時増粘が大幅に改善された、優れた保護コロイド力を有する水性エマルションを提供でき、さらに、保管期間に関係なく、優れた混和無機材料の強度や混和物の流動物性が安定して得られる水硬性無機材料用混和剤を提供することができる。
本発明は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の単量体を主成分とする重合体が、ポリビニルアルコール(A)により分散されてなる水性エマルションであって、該重合体の重合中および/または重合後に酸化処理されてなることを特徴とする水性エマルションに関する。
本発明で用いるPVA(A)としては、ポリ酢酸ビニル溶液をアルカリや酸によってケン化したケン化物またはその誘導体が用いられるが、さらに、酢酸ビニルと、酢酸ビニルと共重合することのできる単量体との共重合体をケン化したケン化物などを、本発明の目的を阻害しない範囲で用いることもできる。
ケン化は、ポリ酢酸ビニルなどの重合体をアルコールまたは含水アルコールに溶解し、アルカリ触媒または酸触媒を用いて行なわれる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノールなどの炭素数1〜6の飽和アルコールがあげられるが、これらの中でも、メタノールが特に好ましく用いられる。アルコール中の重合体の濃度は系の粘度により適宜選択されるが、通常は10〜60重量%の範囲から選ばれる。
ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラートなどのアルカリ金属の水酸化物、アルコラートなどのアルカリ触媒;硫酸、塩酸、硝酸、メタスルホン酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂などの酸触媒があげられる。ケン化触媒の使用量については、ケン化方法、目標とするケン化度などにより適宜選択されるが、アルカリ触媒を使用する場合は、通常、PVA1モルに対して0.1〜30ミリモルであることが好ましく、より好ましくは2〜17ミリモルとすることが適当である。また、ケン化反応の反応温度は、特に限定されないが、10〜60℃が好ましく、20〜50℃がより好ましい。
かかるPVA(A)において具備しておくことが好ましい条件として、ケン化度、重合度、1,2−グリコール結合量などをあげることができ、以下に順次説明する。
PVAのケン化度は、95〜100モル%であることが好ましく、より好ましくは97.0〜99.8モル%である。ケン化度が下限値未満では、エマルションの重合時の安定性が極端に低下して目的とする水性エマルションを得ることが困難になる傾向がある。
PVAの重合度は、特に限定されないが、20〜1000であることが好ましく、より好ましくは200〜800、さらに好ましくは200〜500である。重合度が下限値未満では保護コロイド性を有さない傾向があり、さらに、下限値未満のPVAを工業的に製造することは困難である。また、上限値をこえるとエマルションの粘度が高くなり過ぎたり、エマルションの重合安定性が低下する傾向があるため好ましくない。
さらにPVAの1,2−グリコール結合量は、エマルションの放置安定性の点から1.5モル%以上であることが好ましい。なお、1,2−グリコール結合量は、1H−NMRの測定値から求められるものである。まず、ケン化後、充分にメタノール洗浄を行ない、次いで90℃で2日間減圧乾燥したPVAをDMSO−D6に5重量%の濃度となるよう溶解し、トリフルオロ酢酸を数滴加えた試料を、400MHzの1H−NMR(AVANCE DPX−400、Bruker製)を用いて、下記の条件で測定することにより求めることができる。
温度 :80℃
フリップアングル :45゜
パルス繰り返し時間 :10sec
積算回数 :16回
3−(トリメチルシリル)プロピオン酸ナトリウムを基準物質としたとき、ビニルアルコール単位のメチン由来のピークは3.2〜4.0ppm(積分値A)、1,2−グリコール結合の一つのメチン由来のピークは3.25ppm(積分値B)に帰属され、次式で1,2−グリコール結合量を算出できる。
1,2−グリコール結合量(モル%)=B/A×100
本発明で用いるPVA(A)としては、さらに高機能化が可能な点から、各種変性PVAを用いることができるが、グラフト性が向上し、保護コロイド物性が良好になる点から活性水素を有する官能基を有することが好ましい。
活性水素を有する官能基としては、例えば、アセトアセチル基、ジアセトンアクリルアミド基、アミノ基、メルカプト基などをあげることができるが、これらの中でも、グラフト反応性の点からアセトアセチル基が好ましい。
PVA(A)の活性水素を有する官能基の変性量は、0.01〜6モル%であることが好ましく、より好ましくは0.03〜4.5モル%、さらに好ましくは0.03〜2モル%、特に好ましくは0.03〜1モル%である。変性量が下限値未満であると保護コロイド性が低下してセメント混和安定性が低下する傾向があり、上限値をこえるとエマルションの重合安定性が低下する傾向がある。
また、PVAが、アセトアセチル基で変性されたPVA(以下、AA化PVAとする)である場合、そのアセトアセチル化度は、0.01〜5モル%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3モル%、さらに好ましくは0.3〜1モル%である。アセトアセチル化度が下限値未満であるとエマルションの耐水性や機械的強度が不足する傾向があり、上限値をこえるとエマルションの重合安定性が低下する傾向がある。
PVAにアセトアセチル基を導入する方法としては、PVAとジケテンを反応させる方法、PVAとアセト酢酸エステルを反応させる方法などをあげることができるが、製造工程が簡略で、かつ品質のよいAA化PVAが得られる点から、PVAとジケテンを反応させる方法で製造することが好ましい。さらに、ジケテンの使用量が少なく、また、ジケテンの反応収率が向上するという利点を有する点においても、PVAとジケテンを反応させる方法が好ましい。以下、このPVAとジケテンを反応させる方法について説明するが、これに限定されるものではない。
PVAとジケテンを反応させる方法としては、PVAと、液状またはガス状のジケテンを直接反応させる方法、有機酸をPVAにあらかじめ吸着吸蔵させたのち、不活性ガス雰囲気下で液状またはガス状のジケテンを噴霧、反応させる方法、PVAに有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応させるなどの方法などが用いられる。
PVAに、液状のジケテンを噴霧などの手段によって、均一に吸着、吸収させる場合には、不活性ガス雰囲気下、20〜120℃において、所定時間、撹拌または流動化を継続して行なうことが好ましい。
また、PVAにガス状のジケテンを反応させる場合には、接触温度を、好ましくは30〜250℃、より好ましくは50〜200℃とする。ジケテンガスがPVAとの接触時に液化しない温度およびジケテン分圧条件下で接触させることが好ましいが、一部のガスが液滴となることは、なんら支障はない。接触時間は接触温度に応じて、すなわち温度が低い場合は長く、温度が高い場合は短くてよく、1分〜6時間の範囲から適宜選択することができる。ジケテンガスを供給する場合には、ジケテンガス単独を供給してもよく、また、ジケテンガスと不活性ガスとの混合ガスを供給してもよい。PVAにジケテンガスを吸収させてから昇温してもよいが、PVAの加熱後に、ガスを接触させることが好ましい。
有機酸を使用してPVAとジケテンを反応させる方法において、有機酸としては、酢酸が最も好ましいが、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸などを用いることもできる。用いる有機酸の量は、反応系内のPVAが吸着および吸蔵しうる限度内の量、換言すれば、反応系のPVAと分離した有機酸が存在しない程度の量が好ましい。具体的には、PVA100重量部に対して0.1〜80重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜50重量部、特に好ましくは5〜30重量部の有機酸を共存させることが適当である。下限値未満では本発明の効果が得られにくい傾向があり、上限値をこえると、過剰な有機酸が存在してアセトアセチル化度が不均一な生成物が得られやすく、未反応のジケテンが多くなる傾向がある。
有機酸をPVAに均一に吸着、吸蔵させるには、有機酸を単独でPVAに噴霧する方法や、適当な溶剤に有機酸を溶解し、それを噴霧する方法などを用いることができる。
アセトアセチル基の導入に用いる触媒としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、第一アミン、第二アミン、第三アミンなどの塩基性化合物が有効である。触媒量は、公知の反応方法に比べて少量でよく、PVAに対して0.1〜5重量%とすることが好ましい。PVAは、通常酢酸ナトリウムを含んでいるので、触媒を添加しなくてもよい場合が多い。触媒量が多すぎるとジケテンの副反応が起こりやすく好ましくない。PVA中の水分によるジケテンの消費を抑え、ジケテンの反応率を向上させるために、無水酢酸などの酸無水物を少量存在させてもよい。
アセトアセチル化を実施する際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置であれば充分である。たとえば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、そのほか、各種ブレンダー、撹拌乾燥装置を用いることができる。
前記方法で得られたAA化PVAは、44〜74、74〜105、105〜177、177〜297、297〜500、500〜1680μmの各粒径に分別した場合、各々のアセトアセチル化度の中の最大値を最小値で割った値(AA化度分布)が、1.0〜3.0となるようにすることが好ましく、より好ましくは1.0〜2.0、さらに好ましくは1.0〜1.5である。AA化度分布が上限値をこえると、AA化PVAを水に溶解したときに微量の未溶解物が存在したり、透明度が下がったり、AA化PVAを水溶液にして長期間保存したときの粘度が増加する傾向があり、また、AA化PVAを粉末で長期間保存したのち、水溶液にしたときの粘度が製造直後の粉末を水溶液にした時の粘度に比べて高くなり、本発明の目的を達成し難くなる傾向がある。
AA化度分布は、前記のように、AA化PVAを44〜74、74〜105、105〜177、177〜297、297〜500、500〜1680μmの各粒径に分別したのち、各々のAA化度を、中和滴定によるアルカリ消費量から計算し、AA化度の最大値を最小値で割って算出する。ただし、AA化PVAの粒度分布が狭く、特定の粒度の部分にすべて入ってしまい、単一のAA化度の値しか算出されない場合は、AA化度分布を1.0とする。
ここで、粒径が44〜74μmとは、標準金網により350メッシュ(44μm)オン、200メッシュ(74μm)パスによりふるい分けされた粒径のものを意味し、74〜105μmとは、200メッシュ(74μm)オン、145メッシュ(105μm)パスによりふるい分けされた粒径のものを、105〜177μmとは、145メッシュ(105μm)オン、80メッシュ(177μm)パスによりふるい分けされた粒径のものを、177〜297μmとは、80メッシュ(177μm)オン、48メッシュ(297μm)パスによりふるい分けされた粒径のものを、297〜500μmとは、48メッシュ(297μm)オン、32メッシュ(500μm)パスによりふるい分けされた粒径のものを、500〜1680μmとは、32メッシュ(500μm)オン、10.5メッシュ(1680μm)パスによりふるい分けされた粒径のものを意味する。
前記のようなAA化度分布のAA化PVAを得る方法としては、特に制限されず、たとえば、AA化する前のPVAの膨潤度、粒度などを特定の範囲に調節する方法、AA化PVA製造後、AA化度の高い粒度画分や低い粒度画分を除去する方法、AA化PVAの平均のAA化度を低めに調節するなどの方法があげられるが、通常はPVAの膨潤度、溶出率および粒度を調節することが実用的である。
PVAの膨潤度としては、1.0以上であることが好ましく、より好ましくは1.0〜500、さらに好ましくは3.0〜200となるように調節される。膨潤度が下限値未満では、AA化度分布が1.0〜3.0のAA化PVAを得ることが困難となる傾向があり、また、膨潤度が高すぎる場合には、製造時に撹拌負荷が高くなり過ぎる傾向があるため好ましくない。
なお、PVAの膨潤度とは、下式で定義されるものである。
膨潤度=(C−D)/D
ここで、Cは、PVA30gに270gの水を加えて、25℃で24時間放置後、真空
度100mmHgの吸引で10分濾過したのち、濾紙(No.2)上に残存する吸水膨潤
したPVAの重量(g)を表す。Dは、前記吸水膨潤したPVAを105℃で乾燥し、恒
量となった時の重量(g)を表す。
PVAの溶出率としては、3重量%以上であることが好ましく、より好ましくは3〜97重量%、さらに好ましくは5〜60重量%に調節される。溶出率が下限値未満では、AA化度分布が1.0〜3.0のAA化PVAを得ることが困難になる傾向がある。また、溶出率が高すぎる場合には、PVAをアセトアセチル化する際、反応缶の側壁などにPVA樹脂が付着したり、反応時の攪拌負荷が大きくなり、反応温度の均一性に欠け、アセトアセチル基の粒子間の分布の均一性などが損なわれる可能性が高くなる。
なお、PVAの溶出率とは、下式で定義されるものである。
溶出率(重量%)=(E/30)×100
ここで、Eは、PVA30gに270gの水を加えて、25℃で24時間放置したのち、真空度100mmHgの吸引で10分濾過して得られた濾液から、水および揮発成分を留去したときの不揮発成分の重量(g)を表す。
PVAの膨潤度および溶出率を調節するためには、PVAを静置または流動させながら加熱処理し、結晶化度を調節するなどの方法があげられるが、揮発分を調節することができる点で、流動加熱処理する方法が好ましい。
PVAの粒度としては、20〜5000μmにすることが好ましく、44〜1680μmとすることがより好ましい。粒度が下限値未満では、反応熱によって粒子が融着しやすくなり、さらに洗浄、乾燥などの後処理が困難となる傾向があるため、好ましくない。また、粒度が上限値をこえると、PVA粒子と、アセトアセチル化反応に用いるジケテンとの接触が不均一となり、ジケテンの反応率を低下させる傾向があるため、好ましくない。PVAの粒度の調節は、PVAの製造後、標準ふるいで調節したり、風力分級することにより、行なうことができる。
また、AA化PVAのブロックキャラクター[η]は、0.3〜0.8であることが好ましい。ブロックキャラクターが下限値未満のPVAは工業的に製造することが困難であり、逆にブロックキャラクターが上限値をこえるときは乳化重合安定性や再分散性が不良となって本発明の目的を達成することが困難となる傾向がある。
ブロックキャラクター[η]とは、13C−NMRの測定により、40〜49ppmの範囲に見られるメチレン炭素部分に基づくピーク[(OH,OH)dyad=46〜49ppmの吸収、(OH,OR)dyad=43.5〜45.5ppmの吸収、(OR,OR)dyad=40〜43ppmの吸収、ただし、ORはO−アセチル(CH3CO−)基および/またはO−アセトアセチル(CH3COCH2CO−)基を表す]の吸収強度比から求められるもので、下式より算出される値である。
[η]=(OH,OR)/2(OH)(OR)
ここで、(OH,OR)、(OH)、(OR)は、いずれもモル分率で計算するものとする。また、(OH)は13C−NMRの積分比より算出されるケン化度(モル分率)で、(OR)はそのときのアセトキシ(CH3COO−)基およびアセトアセトキシ基(CH3COCH3COO−)のモル分率を示すものである。
PVAにジアセトンアクリルアミド基を導入する方法としては、ジアセトンアクリルアミドと酢酸ビニルを共重合した後にケン化することにより得ることができる。ジアセトンアクリルアミドと酢酸ビニルを共重合するにあたっては、特に限定されないが、HANNAの式(反応性比:ジアセトンアクリルアミド;r1=14.8、酢酸ビニル;r2=0.06)に従って、重合速度に応じて、ジアセトンアクリルアミドを仕込むことが好ましい。ジアセトンアクリルアミドが均一に変性されることで、アセトキシ基(CH3COO−)のブロック性が低いPVAが得やすくなる。
次いでケン化されるのであるが、ケン化にあたっては、上記のAA化PVAの製造時と同様に行えば良い。また、ジアセトンアクリルアミド基含有PVAのブロックキャラクター[η]の調整も、上記のAA化PVAの場合と同様に、ケン化工程でさらに調整することができる。かくして得られたジアセトンアクリルアミド基含有PVAのジアセトンアクリルアミド基の含有量は、0.1〜15モル%が好ましく、より好ましくは0.5〜10モル%、さらに好ましくは1〜8モル%であり、かかる含有量が下限値未満では本発明の作用効果が充分に得られない傾向があり、逆に上限値を超えると、PVAの水溶性が低下したり、水性エマルションを得るときの重合安定性が低下(粗粒子が多くなったり、エマルション粘度が高くなりすぎる等)する傾向があるため、好ましくない。
PVAにメルカプト基を導入する方法としては、酢酸ビニルの重合時に連鎖移動剤としてメルカプト基を有する化合物を共存させて重合した後にケン化することにより得ることができる。かかるメルカプト基を有する化合物としては、下記一般式(1):
1−CO−SH (1)
(式中、R1は、炭素数2〜15のアルキル基である)
で示される化合物があげられ、例えば、チオ酢酸、チオプロピオン酸、チオ酪酸、チオ吉草酸等の有機チオール酸をあげることができる。
上記の如きメルカプト基を有する化合物を連鎖移動剤として用いて、酢酸ビニルを重合するにあたっては、下記式(I)に従って、目的とする重合度に応じたメルカプト基を有する連鎖移動剤(例えば、有機チオール酸)の初期仕込み量を決めて重合を開始して、その後、連鎖移動剤の消費速度に合わせて下記式(II)に従って、連鎖移動剤を追加仕込みするようにすればよい。
1/P=Cm+Cs([S]/[M])+Cx([X]/[M]) (I)
追加仕込み量=Cx([X]/[M])・Rp (II)
ここで、Pは重合度、Cmはモノマーに対する連鎖移動定数、Csは溶媒に対する連鎖移動定数、Cxは連鎖移動剤の連鎖移動定数、[S]は溶媒濃度(mol/l)、[M]はモノマー濃度(mol/l)、Rpは重合速度(mol/l/sec)である。なお、Tは重合温度(K)を示す。
ついで、ケン化されるのであるが、ケン化にあたっては、上記のAA化PVAの製造時と同様に行えば良い。また、メルカプト基含有PVAのブロックキャラクター[η]の調整も、上記のAA化PVAの場合と同様に、ケン化工程で調整することができる。
また、本発明で用いるPVAとしては、前記PVA(A)とともに、アニオンを有する基を含むPVAを併用してもよい。アニオンを有する基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などをあげることができるが、これらの中でも、エマルション中のpHに関係なく、安定して強い電荷反発が得られる点から、スルホン酸基であることが好ましい。
本発明の水性エマルションは、前記PVA(A)および必要に応じてその他のPVAの存在下で、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の単量体を主成分とする単量体を乳化重合し、乳化重合中および/または乳化重合後に酸化処理することにより得ることができる。
ここで、主成分とは、重合体全重量のうち、下記単量体を最も多く含むことを示し、好ましくは50重量%以上含有することをいう。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどの脂肪族(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸ベンジルなどの芳香族(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルなどの官能基含有(メタ)アクリル酸エステルが使用できる。
スチレン系単量体単位を構成する単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどが使用できる。
ジエン系単量体単位を構成する単量体としては、例えば、ブタジエン−1,3、2−メチルブタジエン、1,3または2,3−ジメチルブタジエン−1,3、2−クロロブタジエン−1,3などが使用できる。
前記単量体は、単独で用いてもよく、また、2種以上を混合して用いてもよい。
また、本発明の目的を阻害しない範囲において、以下の単量体を併用することができる。ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル系単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化オレフィン系単量体;メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ジアセトンアクリルアミドなどのアクリルアミド系単量体;メタクリルニトリルなどのニトリル系単量体;メチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルのビニルエーテル;酢酸アリル、塩化アリルなどアリル系単量体などを用いることができる。また、そのほかにも、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水トリメット酸などのカルボキシル基含有化合物およびそのエステル;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有化合物;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン化合物;酢酸イソプロペニル、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3,4−ジアセトキシブテン、ビニルエチレンカーボネートなどを用いることもできる。
さらに、単量体としては、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体を用いることが、得られる水性エマルションを接着剤として使用する際の接着力向上の点で好ましい。アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体は、公知の方法によって製造すればよく、たとえば次の方法によって製造される。
(1)ヒドロキシル基、アミド基、ウレタン基、アミノ基、カルボキシル基などの官能基含有エチレン性不飽和単量体にジケテンを反応させてアセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体を製造する。このような官能基含有エチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレートなどを用いることができる。反応は、無触媒下で行なうこともできるが、第3級アミン、酸(硫酸など)、塩基性塩(酢酸ナトリウムなど)、有機金属化合物(ジブチルスズラウレートなど)の触媒存在下で反応させることもできる。
(2)前記官能基含有エチレン性不飽和単量体とアセト酢酸エステルとをエステル交換反応させることにより、アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体を製造する。反応は、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酸化鉛などのエステル交換触媒の存在下で行なうことが好ましい。
本発明の水性エマルションは、水にPVA(A)を溶解させたPVA水溶液中に、重合開始剤の存在下、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の単量体およびその他の単量体を一時的または連続的に添加して、加熱、撹拌することにより調製される。前記方法で得られた水性エマルションは、分散安定化に使用したPVA(A)の少なくとも一部が重合体にグラフトしていることがモルタル混和時のエマルション凝集を抑制することで良好なセメント・モルタルが得られる点から好ましい。
グラフト率は、60重量%以上であることが好ましく、70〜100重量%であることがより好ましい。グラフト率が下限値未満であるとモルタル混和時にエマルションがつぶれて凝集を起こし、塗布不良が発生したり、得られるセメント・モルタルの強度が著しく低下する傾向がある。
なお、グラフト率は、下記方法により算出されるものである。
<グラフト率測定>
得られた水性エマルションを用いて、23℃で500μmのキャストフィルムを作製し、1週間静置した後、沸騰水中で24時間抽出を行い、その後、アセトンにて24時間ソックスレー抽出した場合の、抽出前の皮膜絶乾重量をW1(g)、抽出後の皮膜絶乾重量をW2(g)とし、下記式により求めた値をグラフト率とする。
グラフト率(重量%)=(W2)/(W1)×100
抽出後の皮膜絶乾重量(W2):抽出後のサンプルを105℃、3時間で絶乾させた重量
抽出前の皮膜絶乾重量(W1):あらかじめ、抽出試験サンプルとは別のサンプルを105℃、3時間で絶乾させ、その揮発分割合から、抽出サンプルの皮膜絶乾重量を算出する。
PVA水溶液の調製方法としては、水100重量部に対して、PVA(A)が0.1〜20重量部となるように添加することが好ましく、より好ましくは1〜10重量部となるように添加し、加熱攪拌して調製することができる。PVA(A)の添加量が、下限値未満であると希望する固形分濃度のエマルションが得られない場合があり、上限値をこえると溶解時に高粘度化してその後の作業性が著しく低下する傾向がある。
加熱攪拌条件としては、攪拌翼のスケールや種類によって異なるので、一概には言えないが、例えば50〜100℃で、30〜300rpm、20分〜6時間であることが好ましく、70〜90℃で、150〜250rpm、30分〜1時間であることがより好ましい。
PVA(A)の使用量としては、その種類やエマルションの樹脂分などによって多少異なるが、通常、反応系の全体に対して0.1〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは2〜8重量%である。配合量が下限値未満であると、重合体粒子を安定な乳化状態で維持することが困難になる傾向があり、上限値をこえるとエマルション粘度が上昇しすぎて作業性が低下する傾向がある。
重合開始剤としては、通常、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、臭素酸カリウムなどが、それぞれ単独または併用して用いられるか、または酸性亜硫酸ナトリウムと併用される。また、過酸化水素−酒石酸、過酸化水素−鉄塩、過酸化水素−アスコルビン酸−鉄塩、過酸化水素−ロンガリット、過酸化水素−ロンガリット−鉄塩などの水溶性のレドックス系の重合開始剤も用いられる。具体的には、「カヤブチルB」(化薬アクゾ(株)製)や「カヤブチルA−50C」(化薬アクゾ(株)製)などの有機過酸化物とレドックス系からなる触媒を用いることもできる。なかでも過硫酸塩を用いることが、PVA(A)とのグラフト重合を促進し、重合安定性を向上させる点で好ましい。過硫酸塩の中でも、過硫酸アンモニウムが、特に好ましい。重合開始剤の添加方法としては、特に制限はなく、初期に一括添加する方法や重合の経過に伴って連続的に添加する方法などを採用することができる。
重合中、pHは3.0〜8.0に維持することが、エマルションの重合安定性を向上させる点で好ましい。より好ましくはpH3.0〜6.0である。pHが下限値未満ではエマルションの重合安定性が不充分となる傾向がある。また、pHが上限値をこえると重合速度が極端に低下する傾向があり、好ましくない。pHを前記範囲に維持するためには、重合前および/または重合中に緩衝剤を添加することが好ましい。重合中に添加する場合には、分割して添加してもよく、また、連続的に添加してもよい。緩衝剤としては、特に限定されないが、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどを用いることができる。特に、酢酸ナトリウム水溶液を用いることが好ましい。
さらに、乳化重合系に鉄化合物を含有させると、乳化重合のコントロール性をより優れたものにでき、乳化重合時に凝集などが起きにくく、重合安定性が格段に向上して好ましい。かかる鉄化合物としては、特に制限されないが、酸化鉄、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、硝酸第二鉄または硫酸第二鉄から選ばれる少なくとも1種の鉄化合物が好ましく、これらの中でも塩化第二鉄が特に好ましい。
鉄化合物の含有量は、重合後の水性エマルションに対して1〜1000ppmが好ましく、5〜200ppmがさらに好ましく、5〜100ppmが特に好ましい。鉄化合物の下限値未満であると、重合が充分に進行しない傾向があり、上限値をこえるとエマルションの粘度安定性が低下する傾向がある。
鉄化合物を添加する場合は、その添加時期については、重合前に添加しておくことが好ましいが、重合中または重合終了時に添加しても構わない。また、上記鉄化合物を含有させるに当たっては、使用する水に含有される鉄化合物により調製してもよい。
また、前記乳化重合においては、乳化分散安定剤として、水溶性高分子、非イオン性活性剤、アニオン性活性剤、カチオン性活性剤などを併用することもできる。
水溶性高分子としては、PVA(A)以外の未変性PVA、PVAのホルマール化物、アセタール化物、ブチラール化物、ウレタン化物などのPVA、ビニルエステルと、ビニルエステルと共重合可能な単量体との共重合体のケン化物などがあげられる。ビニルエステルと共重合可能な単量体としては、エチレン、ブチレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセンなどのオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸などの不飽和酸類、その塩、モノまたはジアルキルエステルなど、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸などのオレフィンスルホン酸、またはその塩類、アルキルビニルエーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどがあげられる。
また、そのほかにも、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノメチルヒドロキシプロピルセルロース、アミノエチルヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体類、デンプン、トラガント、ペクチン、グルー、アルギン酸またはその塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸またはその塩、ポリメタクリル酸またはその塩、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、酢酸ビニルとマレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸などの不飽和酸との共重合体、スチレンと前記不飽和酸との共重合体、ビニルエーテルと前記不飽和酸との共重合体および前記共重合体の塩類またはエステル類などを水溶性高分子として用いることもできる。
非イオン性活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、ポリオキシエチレン−多価アルコールエステル型、多価アルコールと脂肪酸とのエステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリマーなどがあげられる。
アニオン性活性剤としては、たとえば、高級アルコール硫酸塩、高級脂肪酸アルカリ塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩などがあげられる。
カチオン性活性剤としては、たとえば、高級アルキルアミン塩などがあげられる。
さらに、乳化重合には、フタル酸エステル、リン酸エステルなどの可塑剤、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどのpH調整剤などを併用することができる。
重合温度は、70〜90℃が好ましく、75〜85℃がより好ましい。下限値未満ではPVAとのグラフト重合が促進されず、重合安定性が低下する傾向がある。上限値をこえると、PVAの保護コロイド性が低下したり、乳化重合が安定して進行しにくくなる傾向がある。
本発明の水性エマルション中の重合体粒子の平均粒径は、0.01〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜2μm、さらに好ましくは0.1〜0.5μmである。平均粒径が下限値未満であると、モルタル混和時に凝集が発生する傾向があり、上限値をこえると造膜性が低下しモルタル強度が低下する傾向がある。なお、水性エマルションの平均粒径は、HORIBA製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910を用い、Mie散乱理論に基づいて算出するものである。
本発明においては、前記乳化重合中および/または乳化重合後に、得られた重合体を酸化剤で酸化処理することでエマルションの経時凝集を抑制し、モルタルなどへ混和した際の分散性を良好にするものである。
これは、酸化剤による酸化処理により、系中のPVA主鎖の1,2グリコール結合部位が切断され低重合度化される効果や、切断により発生したカルボン酸の電荷反発効果により、PVA間の絡み合いが抑制されるためである。
かかる酸化剤としては、特に限定されず、例えば、過酸化水素、ヨウ素酸、過マンガン酸カリウムなどがあげられるが、なかでも処理分解後の安全性の点で過酸化水素が好適である。
酸化剤の添加時期としては、乳化重合中および/または乳化重合であればいずれでもよいが、特には重合反応に悪影響を与えないという点で乳化重合後であることが好ましい。乳化重合前では、重合反応に悪影響を与えてしまう傾向があるため好ましくない。また、乳化重合後に添加するのであれば特に限定されないが、乳化重合後24時間以内で添加することが好ましく、さらには1〜2時間のうちで添加することがより好ましい。添加時期が乳化重合後24時間より後であるとエマルションの凝集が一部発生するため、凝集箇所の酸化処理が不均一になり酸化処理の効果が充分に得られない傾向がある。乳化重合中に添加するのであれば、重合率が好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上の時期に添加することが、重合反応に悪影響を与える反応によってエマルションの安定性が低下しない点で好ましい。
また、酸化剤の添加方法としては、連続添加であっても、一括で添加してもよく、特に限定されるものではない。
酸化剤の添加量としては、乳化重合体の固形分100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜1重量部であることがより好ましく、0.1〜0.6重量部であることがさらに好ましい。添加量が下限値未満であると増粘抑制効果が得られにくい傾向があり、上限値をこえると物性が悪化する傾向がある。
処理温度としては、特に限定されるものではないが、5〜95℃でおこなうことが好ましく、40〜60℃でおこなうことがより好ましい。下限値未満であると酸化剤による反応が進行しにくい傾向があり、95℃をこえると物性が悪化する傾向がある。
処理時間は、酸化剤と重合体が反応する時間であればよく、適宜調整することができるが、たとえば、1分〜1週間が好ましく、30〜60分がより好ましい。
かくして本発明の酸化処理された水性エマルションについては、その23℃におけるエマルション粘度H0dayと、23℃で3ヵ月放置後のエマルション粘度H3monthsの比H3months/H0dayが、10以下であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。比H3months/H0dayが上限値をこえると、モルタル混和時の分散性が低下し、混和モルタル物性のばらつきが大きくなる傾向がある。
また、本発明の水性エマルションから、水分を除去することにより、再分散性に優れた粉末を得ることができる。水の除去方法は、特に限定されず、噴霧乾燥、加熱乾燥、送風乾燥、凍結乾燥、パルス衝撃波による乾燥、ベルトプレス脱水機による乾燥などの方法を用いることができるが、工業的には、噴霧乾燥が好適に行なわれる。噴霧乾燥には、液体を噴霧して乾燥する通常の噴霧乾燥機が使用できる。噴霧の形式により、ディスク式やノズル式などがあげられるが、いずれの方式も使用される。熱源としては、熱風や加熱水蒸気などが用いられる。
噴霧乾燥条件は、噴霧乾燥機の大きさや種類、エマルションの濃度、粘度、流量などによって適宜選択される。乾燥温度は80〜150℃が好ましく、100〜140℃がより好ましい。乾燥温度が下限値未満では充分に乾燥させることができず、上限値をこえると、熱により重合体の変質が発生する。
また、再分散性粉末は、貯蔵中に粉末同士が粘結して凝集しブロック化してしまうおそれがあるため、貯蔵安定性を向上するために、抗粘結剤を使用することが好ましい。抗粘結剤は、噴霧乾燥後のエマルション粉末に添加し均一に混合してもよいが、エマルションを噴霧乾燥する際に、エマルションを抗粘結剤の存在下に噴霧することが、均一な混合を行なうことができる点、粘結防止効果の点から好ましい。同時に両者を噴霧して乾燥することが特に好ましい。
抗粘結剤としては、微粒子の無機粉末が好ましく、炭酸カルシウム、クレー、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトなどがあげられる。特に平均粒子径が約0.01〜0.5μmの無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウムなどが好ましい。抗粘結剤の使用量は特に限定されないが、粉末に対して2〜20重量%が好ましい。
かくして得られる本発明の水性エマルションは、従来の物性を損なうことなく、エマルション静置時の経時増粘を抑制することができるものである。その結果、保存期間の長さによる用途物性のばらつきを抑制することができるものである。
本発明の水性エマルションは、紙加工剤、接着剤、塗料、繊維加工剤、化粧品、土木建築原料、粘着剤(感圧接着剤)などとして有用である。
本発明の水性エマルションを接着剤組成物に用いる場合、接着剤組成物には、水性エマルション以外に、PVAなどの水溶性高分子、多価イソシアネート化合物などの架橋剤、耐水化剤、顔料、分散剤、消泡剤、油剤、粘性改質剤、粘着付与剤、増粘剤、保水剤などを含有させることができる。
前記接着剤組成物は、段ボール用、合紙用、紙管用、木材用、合板用、構造用単板積層材(LVL)用、パーティクルボード用、集成材用、ファイバーボード用などの接着剤として用いることができる。
これらの中でも、本発明の水性エマルションは、セメント・モルタル混和用途(セメント下地調整剤、無機仕上剤、モルタルシーラー・プライマーモルタル養生剤)、再分散性合成樹脂粉末用原液等として非常に有用である。
セメントやモルタルの混和剤として用いる際には、たとえば、得られる硬化物の物性などを考慮すると、セメントやモルタル100重量部に対して、1〜30重量部添加することが好ましく、3〜30重量部がより好ましい。経済的な面も考慮すれば、5〜15重量部が好ましく、8〜12重量部がより好ましい。
水性エマルションのセメントやモルタルへの混和方法としては、あらかじめセメントやモルタルに混合(配合)しておく方法、あらかじめ水に混合(配合)しておく方法、セメントやモルタル、水、ならびに水性エマルションを同時に混合する方法などがあげられる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」は、「重量部」をあらわす。
実施例および比較例で得られた各エマルションの評価を以下の要領で行った。
<エマルションの平均粒径の測定>
エマルションの平均粒径は、HORIBA製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910を用い、Mie散乱理論に基づいて算出した。
<経時増粘倍率の算出>
水を加えるなどして固形分濃度を45%に調製した水性エマルションを200mlのガラス管にいれ、23℃で90日間保存し、12rpmのB型粘度計により、23℃の90日保存後の粘度(H3months)と放置前の23℃の粘度(H0day)を求める。これにより、経時増粘倍率H3months/H0dayを求めた。
<Em重合安定性>
上記重合において、重合缶へのスケーリングの有無を観察した。評価基準は以下のとおりである。
○・・・スケーリングが少ない
△・・・一部にスケーリングあり
×・・・スケーリングが多い
<モルタル混和試験>
JIS A 6203に準じてモルタル混和試験を行った。普通ポルトランドセメント500g、豊浦硅砂1500g、固形分45%のエマルション111gおよび、練り混ぜ水263gを、攪拌機を使用して1000rpmで3分間攪拌して、モルタルを調製した。このモルタルの流動性は、フローテーブルの上に設置した底辺直径100mmのフローコーンに上記モルタルを詰め込み、フローコーンを抜き取った後、12mmの落下衝撃を15回与えてモルタルの広がり直径を測定した。これをフロー値(F)として評価した。
<モルタル接着強度>
JIS A 6203に準じてモルタルの接着強さ試験を行い、下記の基準で評価した。供試体の作製;モルタル基板(70×70×20mm/JIS R 5201準拠)をJIS R 6252に規定の150番研磨紙を用いて研磨した。この基板上に型枠を用いて各テストモルタルを40×40×10mmとなるように充填し、成型・養生して供試体を作製した。養生条件;成型後、温度20±2℃、相対湿度90%以上で48時間経過した後、脱型してから温度20±2℃の水中で5日間養生し、さらに温度20±2℃、相対湿度60±10%で21日間養生した。
◎・・・接着強度1.5kgf/cm2以上
○・・・接着強度1.0kgf/cm2以上、1.5kgf/cm2未満
△・・・接着強度0.8kgf/cm2以上、1.0kgf/cm2未満
×・・・接着強度0.8kgf/cm2未満
<物性のばらつき評価:保存期間によるフローのばらつき>
水を加え固形分濃度を45%に調整した水性エマルションを、23℃で90日間保存し、前後でモルタル混和試験を行い、保存前のフロー値(F0day)と保存後のフロー値(F3months)を測定した。これより、ばらつき値(F0day−F3months)を算出し、物性安定性の指標とした。
○・・・ばらつき値が10以下
△・・・ばらつき値が10を超え30未満
×・・・ばらつき値が30以上
実施例1
攪拌機、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに水403g、アセトアセチル基変性PVA(ケン化度97.0mol%、重合度300、アセトアセチル化度0.5モル%、1,2−グリコール結合量1.6モル%、AA化度分布1.4、ブロックキャラクター0.43)を23g、酸性亜硫酸ナトリウム0.7g、pH調整剤として酢酸ナトリウム1.2gを仕込み、85℃で1時間、加熱攪拌(攪拌速度は230rpm)を行い、PVAを溶解させた。PVA水溶液が83℃で安定したのを確認して、重合モノマー(メタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル/アセト酢酸モノマー=45/55/0.5(重量比))を32.5g一括投入し、5分間かけて充分に攪拌した後、5%の過硫酸アンモニウム水溶液を5.3g一括投入し、初期重合を開始した。初期重合は45分間行い、その後、82〜83℃で残りの重合モノマー293gを3.5時間かけて滴下し、さらに、5%の過硫酸アンモニウム水溶液10.7gを30分おきに7回に分けて添加して重合を行った。5%の過硫酸アンモニウム水溶液1.8gを2回に分けて添加し、82℃で90分間後期重合を行った後、30%過酸化水素水溶液を6.0g(乳化重合体の固形分100部に対して0.51部)添加し40℃で30分間攪拌し続けた。重合中における反応系のpHは3.5であった。その後、冷却して消泡剤ルミテンEL(クラリアント製)11.6gを添加し、固形分45%のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル共重合体のエマルション(1)を得た(鉄含有量43ppm)。得られたエマルションの評価結果を表1、2に示す。
実施例2
30%過酸化水素水溶液の添加量を2.0g(乳化重合体の固形分100部に対して0.17部)に変えた以外は実施例1と同様に行って、固形分45%のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル共重合体のエマルション(2)を得た(鉄含有量43ppm)。得られたエマルションの評価結果を表1、2に示す。
実施例3
30%過酸化水素水溶液を6.0g(乳化重合体の固形分100部に対して0.51部)の添加時期を、90分間の後期重合が終わる30分前(重合率90%以上の時期)に添加することに変更した以外は実施例1と同様に行って、固形分45%のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル共重合体のエマルション(3)を得た(鉄含有量43ppm)。得られたエマルションの評価結果を表1、2に示す。
実施例4
メタクリル酸メチルモノマーに変えて、スチレンモノマーを用いた以外は、実施例1と同様に行って、固形分45%のスチレン/アクリル酸n−ブチル共重合体のエマルション(4)を得た(鉄含有量43ppm)。得られたエマルションの評価結果を表1、2に示す。
比較例1
22を添加しなかった以外は、実施例1と同様に行って、固形分45%のメタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル共重合体のエマルション(5)を得た。得られたエマルションの評価結果を表1、2に示す。
比較例2
攪拌機、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに水403g、実施例1と同様のアセトアセチル基変性PVAを23g、酸性亜硫酸ナトリウム0.7g、pH調整剤として酢酸ナトリウム1.2gを仕込み、85℃で1時間、加熱攪拌(攪拌速度は230rpm)を行い、PVAを溶解させた後、30%過酸化水素水溶液を6.0g添加し40℃で30分間攪拌し続けた。その後、再び昇温し、PVA水溶液が83℃で安定したのを確認して、重合モノマー(メタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル/アセト酢酸モノマー=45/55/0.5)を32.5g一括投入し、5分間かけて充分に攪拌した後、5%の過硫酸アンモニウム水溶液を5.3g一括投入し、初期重合を開始した。初期重合は45分間行い、その後、82〜83℃で残りの重合モノマー293gを3.5時間かけて滴下し、さらに、5%の過硫酸アンモニウム水溶液10.7gを30分おきに7回に分けて添加して重合を行った。5%の過硫酸アンモニウム水溶液1.8gを2回に分けて添加し、82℃で90分間後期重合を行う予定であったが、後期重合50分あたりで、エマルションが凝集したので重合を停止した。
Figure 2007238714
Figure 2007238714
過酸化水素で処理した実施例1〜4は保存時の粘度安定性が良好で、3ヶ月保存後モルタル混和試験を行っても、物性のブレが少ないことがわかる。
本発明の水性エマルションは、優れた保護コロイド力と、良好な静置保存時の粘度安定性を有するものであり、紙加工剤、接着剤、塗料、繊維加工剤、化粧品、土木建築原料、粘着剤(感圧接着剤)などとして有用であるが、なかでも、優れた混和モルタルの強度や混和モルタルの流動物性が保管期間に関係なく安定して得られるため、各種水硬性材料混和用水性エマルションとして非常に有用である。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の単量体を主成分とする重合体が、ポリビニルアルコール(A)により分散されてなる水性エマルションであって、
    該重合体の重合中および/または重合後に酸化処理されてなることを特徴とする水性エマルション。
  2. ポリビニルアルコール(A)が、ケン化度95モル%以上でかつ活性水素を有する官能基含有ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1記載の水性エマルション。
  3. ポリビニルアルコール(A)が、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコールであり、アセトアセチル化度が0.01〜5モル%であることを特徴とする請求項1記載の水性エマルション。
  4. ポリビニルアルコール(A)の存在下、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体およびジエン系単量体からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の単量体を主成分として重合する水性エマルションの製造方法であって、
    該重合中および/または重合後に、酸化処理することを特徴とする水性エマルションの製造方法。
  5. 請求項1〜3いずれか記載の水性エマルションからなる水硬性無機材料用混和剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112794676A (zh) * 2021-01-26 2021-05-14 江西省建筑材料工业科学研究设计院 一种混凝土长效养护密封保护剂

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