JP5892835B2 - ポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物、およびそれを用いてなるポリマーセメントモルタル - Google Patents

ポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物、およびそれを用いてなるポリマーセメントモルタル Download PDF

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本発明は、ポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物に関するものであり、更に詳しくは、セメントと混和してポリマーセメントとすることで、モルタルやコンクリートとして好適に使用できる粉末状の合成樹脂エマルジョンに関するものである。
従来より、ポリマーセメント用のエマルジョン粉末には、粒子同士の結合(ブロッキング)を防止する目的で、ブロッキング防止剤が使用されており、該ブロッキング防止剤としては、ポリマーセメントを用いて得られるモルタルやコンクリートの流動性等の物性を考慮し、比較的粒子径の小さな無機微粒子が使用されていた。
例えば、特許文献1には、ビニルアルコール系重合体を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる不飽和単量体単位を有する重合体を分散質とするエマルジョン(A)に、ポリオキシアルキレン基を側鎖に含有するビニルアルコール系重合体であり、ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度が100〜3000であり、けん化度が70.0〜99.99モル%であり、ポリオキシアルキレン変性量が0.1〜10モル%であるポリオキシアルキレン−ビニルアルコール系重合体(B)を配合した組成物に、更に平均粒径2μm程度のブロッキング防止剤を配合したのち、乾燥して得られる再乳化性合成樹脂粉末が、セメントモルタルなどの水硬性物質へ混和した場合に減水性と増粘性を両立しうることが記載されている。
特開2010−235763号公報
従来の再乳化性合成樹脂粉末に関する検討においては、上記特許文献1のように合成樹脂エマルジョンを粉末化する際にブロッキング防止剤を使用することは検討されているものの、ブロッキング防止剤の種類や粒径等に着目し、セメントなどの水硬性物質の最終性能への影響も考慮した合成樹脂エマルジョンの粉末化検討は行なわれていなかった。
また、近年、ブロッキング防止剤を配合した再乳化性合成樹脂粉末に関して、冬場の低温下でセメントと練り混ぜ、モルタルやコンクリートを施工する際に、硬化速度が極めて遅くなってしまい、その影響で、低温で施工されたモルタルやコンクリート塗装物の表面に、微細な粒子であるブロッキング防止剤が表面移行(マイグレーション)により浮き上がり、モルタルやコンクリートの表面を白化させてしまうという問題点が生じていた。
そこで、本発明ではこのような背景下において、セメントとの混和性(混和安定性、流動性、接着強度、曲げ強度、圧縮強度、低吸水性、低透水性等)に優れ、更に低温下でポリマーセメントモルタルを施工した際にも表面白化を起こすことのないポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末の提供を目的とする。
しかるに本発明者等は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、従来ブロッキング性能を付与するために再乳化性合成樹脂粉末に配合されていた粒子径の小さな無機微粒子に加えて、更に粒子径の大きな無機微粒子を配合することにより、低温下でモルタルやコンクリートを施工した場合において、表面白化がおこらないことを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の要旨は、再乳化性合成樹脂粉末(A)およびブロッキング防止性能を有する無機微粒子(B)を含有してなる再乳化性合成樹脂粉末組成物であり、無機微粒子(B)として、平均粒径が10μm以下の無機微粒子(B1)と平均粒径が10μmより大きい無機微粒子(B2)とを用いてなり、無機微粒子(B1)と(B2)の配合割合(重量比)が、(B1):(B2)=100:10〜100:39であり、無機微粒子(B2)の平均粒径が59〜170μmであることを特徴とするポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物に関するものである。
また、本発明では、上記ポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物を用いてなるポリマーセメントモルタルに関するものである。
以上のように、本発明のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末は、セメントと混和した際の混和性(混和安定性、流動性、接着強度、曲げ強度、圧縮強度、低吸水性、低透水性等)に優れ、更には耐低温白化性に優れた(低温下の養生時に表面白化を起こさない)効果を有するものである。
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
本発明のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物は、再乳化性合成樹脂粉末(A)と、特定の無機微粒子(B)を含有するものである。
かかる再乳化性合成樹脂粉末(A)は、ポリマーセメント用として使用できる再乳化性合成樹脂粉末であればとくに限定されるものではないが、好ましくは、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と記すことがある。)[I]により合成樹脂が分散安定化された合成樹脂エマルジョンを乾燥してなる再乳化性合成樹脂粉末である。
以下、再乳化性合成樹脂粉末(A)が、PVA系樹脂[I]により合成樹脂が分散安定化された再乳化性合成樹脂粉末の場合について説明する。
まず、再乳化性合成樹脂粉末(A)の説明の前提として、PVA系樹脂[I]により合成樹脂が分散安定化された合成樹脂エマルジョンについて説明する。
上記PVA系樹脂[I]としては、次に示す特定の平均ケン化度および平均重合度を有するPVA系樹脂が好ましい。
PVA系樹脂[I]の平均ケン化度としては、80〜99.9モル%であることが好ましく、特に好ましくは85〜99.5モル%である。
かかる平均ケン化度が低すぎると安定的に重合が進行しにくく、重合が完結したとしてもエマルジョンの保存安定性が低下してしまう傾向がみられ、高すぎると再分散し難くなる傾向がみられる。
なお、本発明において、平均ケン化度は、JIS K 6726に記載のケン化度の算出方法にしたがって求めることができる。
また、PVA系樹脂[I]の平均重合度としては、50〜3,000であることが好ましく、特に好ましくは200〜2,000であり、更に好ましくは200〜500である。
かかる平均重合度が低すぎると、乳化重合時の保護コロイド能力が不充分となり重合が安定的に進行しにくい傾向がみられ、高すぎると、重合時に増粘して反応系が不安定になり分散安定性が低下する傾向がある。
なお、本発明において、平均重合度は、JIS K 6726に記載の平均重合度の算出方法にしたがって求めることができる。
本発明において、PVA系樹脂[I]とは、PVA自体、または、例えば、各種変性種によって変性されたものを意味し、その変性度は、通常20モル%以下、好ましくは15モル%以下、更に好ましくは10モル%以下である。
変性PVA系樹脂としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基をはじめとするアニオン性基で変性されたアニオン変性PVA系樹脂、4級アンモニウム基を含むカチオン基で変性されたカチオン変性PVA系樹脂、アセトアセチル基、ジアセトンアクリルアミド基、メルカプト基、シラノール基をはじめとする各種官能基等により変性された変性PVA系樹脂や、側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂等をあげることができる。
本発明において、PVA系樹脂[I]の使用量は、後述のモノマー成分全体100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.5〜7重量部である。
かかるPVA系樹脂[I]の使用量が少なすぎると、乳化重合の際の保護コロイド量が不足となって、重合安定性が不良となる傾向があり、使用量が多すぎると、合成樹脂エマルジョンの粘度が高まり安定性が低下する傾向がある。
ここで、用いられたPVA系樹脂[I]は、通常、重合により形成される合成樹脂エマルジョン中に全量が存在することとなる。すなわち、共重合体100重量部に対して0.01〜20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部のPVA系樹脂が合成樹脂エマルジョン中に存在することとなる。
また、本発明では、PVA系樹脂[I]は、通常、水系媒体を用いて水溶液とし、これが乳化重合の過程において使用される。ここで水系媒体とは、水、または水を主体とするアルコール性溶媒をいい、好ましくは水のことをいう。
この水溶液におけるPVA系樹脂[I]の量(不揮発分)については特に限定されないが、取り扱いの容易性の観点からは、5〜30重量%であることが望ましい。
つぎに、合成樹脂を形成する成分材料について説明する。
本発明における合成樹脂エマルジョンは、合成樹脂が分散安定化されたものであり、かかる合成樹脂としては、例えば、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニルエステル系モノマーの少なくとも1種のモノマー成分を主成分として重合してなるものであることが好ましい。本発明において、主成分とは全体の過半をしめる成分のことをいい、全体が主成分のみからなる場合も含む意味である。
上記アクリル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の脂肪族系(メタ)アクリレートや、フェノキシ(メタ)アクリレート等の芳香族系(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル等があげられ、中でもアルキル基の炭素数が1〜18の脂肪族系(メタ)アクリレートが好適であり、また、これらは1種または2種以上併用して用いられる。
上記スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、直鎖状のまたは枝分かれした炭素原子数2〜12のモノカルボン酸のビニルエステルが挙げられ、具体的には、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
また、官能基含有モノマー等を共重合させてもよく、例えば、グリシジル基含有モノマー、アリル基含有モノマー、加水分解性シリル基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマー、分子構造中にビニル基を2個以上有するモノマー、ヒドロキシル基含有モノマー等が挙げられる。
上記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等があげられる。このうち、特に物性ばらつきの少なく、加えて湿潤時の接着強度が向上する等の観点から、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記アリル基含有モノマーとしては、例えば、トリアリルオキシエチレン、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリルオキシエタン等のアリル基を2個以上有するモノマー、アリルグリシジルエーテル、酢酸アリル等があげられる。このうち、湿潤時の接着強度の観点から、アリルグリシジルエーテルが好ましい。
上記加水分解性シリル基含有モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等があげられる。このうち、湿潤時の接着強度の観点から、ビニルトリメトキシシランが好ましい。
上記アセトアセチル基含有モノマーとしては、例えば、アセト酢酸ビニルエステル、アセト酢酸アリルエステル、ジアセト酢酸アリルエステル、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチルクロトナート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピルクロトナート、2−シアノアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等があげられる。このうち、特に物性ばらつきの少なく、加えて湿潤時の接着強度が向上する等の観点から、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記分子構造中にビニル基を2個以上有するモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等があげられる。
上記ヒドロキシル基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート等があげられる。このうち、乳化重合時における保護コロイド的作用及びセメントモルタル配合物等との混和性改良の観点から、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましい。
本発明による合成樹脂エマルジョンにおいては、上述の上記モノマー成分以外に、必要に応じて他の成分をさらに用いることができる。このような他の成分としては、合成樹脂エマルジョンとしての性質を低下させることがない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合開始剤、重合調整剤、補助乳化剤、可塑剤、造膜助剤等があげられる。
上記重合開始剤としては、通常の乳化重合に使用できるものであれば特に制限なく使用でき、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物;有機過酸化物、アゾ系開始剤、過酸化水素、ブチルパーオキサイド等の過酸化物;および、これらと酸性亜硫酸ナトリウムやL−アスコルビン酸等の還元剤とを組み合わせたレドックス重合開始剤等があげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
これらの中でも、皮膜物性や強度増強に悪影響を与えず重合が容易な点で、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムが好ましい。
上記重合調整剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。このような重合調整剤としては、例えば、連鎖移動剤、バッファー等があげられる。
上記連鎖移動剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;および、ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ノルマルメルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸オクチル、チオグリセロール等のメルカプタン類等があげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。連鎖移動剤の使用は、重合を安定に行わせるという点では有効であるが、合成樹脂の重合度を低下させるため、得られる皮膜の耐水性の低下やセメントモルタル混和剤として使用した場合には物性ばらつきが大きくなり、加えて接着強度等が低下する傾向がある。このため、連鎖移動剤を使用する場合には、その使用量をできる限り低く抑えることが望ましい。
上記バッファーとしては、例えば、酢酸ソーダ、酢酸アンモニウム、第二リン酸ソーダ、クエン酸ソーダ等があげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記補助乳化剤としては、乳化重合に用いることができるものとして当業者に公知のものであれば、いずれのものでも使用可能である。したがって、補助乳化剤は、例えば、アニオン性、カチオン性、およびノニオン性の界面活性剤、PVA系樹脂[I]以外の保護コロイド能を有する水溶性高分子、および水溶性オリゴマー等の公知のものの中から、適宜選択することができる。
上記界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアニオン性界面活性剤、および、プルロニック型構造を有するものやポリオキシエチレン型構造を有するもの等のノニオン性界面活性剤があげられる。また、界面活性剤として、構造中にラジカル重合性不飽和結合を有する反応性界面活性剤を使用することもできる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記界面活性剤の使用は、乳化重合をスムーズに進行させ、コントロールし易くしたり(乳化剤としての効果)、重合中に発生する粗粒子やブロック状物の発生を抑制する効果がある。ただし、これら界面活性剤を乳化剤として多く使用すると、グラフト率が低下する傾向がある。このため、界面活性剤を使用する場合には、その使用量はPVA系樹脂[I]に対して補助的な量であること、すなわち、できる限り少なくすることが望ましい。
上記PVA系樹脂[I]以外の保護コロイド能を有する水溶性高分子としては、例えば、PVA系樹脂[I]以外のPVA系樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらは、エマルジョンの増粘やエマルジョンの粒子径を変えて粘性を変化させる点で効果がある。ただし、その使用量によっては皮膜の耐水性を低下させることがあるため、使用する場合には少量で使用することが望ましい。
上記水溶性オリゴマーとしては、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキレングリコール基等の親水性基を有する重合度が好ましく、中でも10〜500程度の重合体または共重合体が好適にあげられる。水溶性オリゴマーの具体例としては、例えば、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体等のアミド系共重合体、メタクリル酸ナトリウム−4−スチレンスルホネート共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ポリ(メタ)アクリル酸塩等があげられる。さらに、具体例としては、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキレングリコール基等を有するモノマーやラジカル重合性の反応性乳化剤を予め単独または他のモノマーと共重合してなる水溶性オリゴマー等もあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
これらの中でも、顔料および炭酸カルシウム等のフィラーとの混和安定性の点で、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、メタクリル酸ナトリウム−4−スチレンスルホネート共重合体が好ましい。水溶性オリゴマーは、乳化重合を開始する前に予め重合したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
上記可塑剤としては、アジペート系可塑剤、フタル酸系可塑剤、リン酸系可塑剤等が使用できる。また、沸点が260℃以上の造膜助剤も使用できる。
これら他の成分の使用量は、本発明の目的を阻害しない限りにおいて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
つぎに、本発明で用いられる合成樹脂エマルジョンの製造方法について説明する。
本発明に使用する合成樹脂エマルジョンは、例えば、PVA系樹脂[I]を保護コロイド剤として用い、上述のモノマー成分を乳化重合することによって製造することができる。この重合過程において、保護コロイド剤であるPVA系樹脂[I]により分散安定化されてなるアクリル系樹脂を分散質とする合成樹脂エマルジョンが製造される。
通常、乳化重合は、PVA系樹脂[I]及び前記モノマー成分以外に、重合開始剤、重合調整剤、補助乳化剤等のような前記した他の成分を必要に応じて用いて実施する。また、重合の反応条件は、特に制限はなく、モノマーの種類、目的等に応じて適宜選択することができる。
乳化重合の方法としては、特に制限はなく、例えば、反応缶に、水、PVA系樹脂[I]を仕込み、昇温してモノマー成分と重合開始剤を滴下するモノマー滴下式乳化重合法;および、滴下するモノマーを予めPVA系樹脂[I]と水とで分散・乳化させた後、滴下する乳化モノマー滴下式乳化重合法等があげられるが、重合工程の管理やコントロール性等の面でモノマー滴下式が便利である。
乳化重合過程をさらに具体的に説明にすると、以下のとおりである。
まず、反応缶に水、PVA系樹脂[I]、必要に応じて補助乳化剤を仕込み、これを昇温(通常65〜90℃)した後、モノマー成分の一部と重合開始剤をこの反応缶に添加して、初期重合を実施する。次いで、残りのモノマー成分を、一括または滴下しながら反応缶に添加し、必要に応じてさらに重合開始剤を添加しながら重合を進行させる。重合反応が完了したと判断されたところで、反応缶を冷却し、目的とする合成樹脂エマルジョンを取り出すことができる。
本発明において、乳化重合より得られる合成樹脂エマルジョンは、典型的には、均一な乳白色であって、合成樹脂エマルジョン中の合成樹脂の平均粒子径は、0.2〜2μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5μmである。
なお、ここで、平均粒子径は、慣用の方法、例えばレーザー解析/散乱式粒度分布測定装置「LA−950S2」(株式会社堀場製作所製)により測定することができる。
また、合成樹脂エマルジョン中の合成樹脂のガラス転移温度が、−20〜+30℃であることが、セメントモルタル混和剤として使用した場合に、物性ばらつきが少なく、加えて接着強度が向上する等の点で好ましく、特には−15〜+20℃であることが好ましい。
かかるガラス転移温度が低すぎると接着強度が低下する傾向となり、高すぎるとジブチルフタレート等の可塑剤を多く入れて合成樹脂エマルジョンの造膜温度を低下させることになり、この結果、特に湿潤時の接着強度等が低下する傾向がある。
本発明における合成樹脂のガラス転移温度とは、モノマー成分に基づきFoxの式により計算される値のことである。なお、官能基含有モノマーを併用する場合においては、かかる官能基含有モノマーを除いた主要モノマー成分に基づきFoxの式により計算されることもある。
さらに、本発明においては、PVA系樹脂[I]の少なくとも一部が、前記合成樹脂にグラフトしていることが、得られる乾燥前の合成樹脂エマルジョン自体の貯蔵安定性や接着強度測定における測定値のばらつきが少なくなること等の点で好ましい。
PVA系樹脂[I]が前記合成樹脂にグラフトした場合に、下記式(1)で表される値(W)が50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは65重量%以上であり、さらに好ましくは70重量%以上である。なお、上限としては、通常、95重量%、好ましくは85重量%、さらに好ましくは80重量%である。かかる値は、グラフト化程度の目安になるものであり、この値が低すぎると、グラフト化の程度が低く、乳化重合時の保護コロイド作用が低下し、重合安定性が低下したり、加えてフィラー類との混和性が低下したりする等の傾向がある。
式(1)の値(W)は、以下のようにして算出される。
すなわち、対象となるエマルジョン等を、室温乾燥して皮膜を作製し、その皮膜を、沸騰水中およびアセトン中でそれぞれ8時間抽出を行い、グラフト化していない樹脂等を除去する。この場合の、抽出前の皮膜絶乾重量をw(g)、抽出後の皮膜絶乾重量をw(g)とし、下記の式(1)より求める。
W(重量%)=(w)/(w)×100 …(1)
上記式(1)の値(W)を50重量%以上に調整する方法としては、乳化重合温度を従来よりもやや高くしたり、重合用触媒として使用する過硫酸塩に極微量の還元剤(例えば、酸性亜硫酸ソーダ、等)を併用したりする等があげられる。
本発明においては、乳化重合後の合成樹脂エマルジョンに、必要に応じて各種添加剤をさらに加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、有機顔料、無機顔料、水溶性添加剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等があげられる。
このようにして、本発明で用いられる合成樹脂エマルジョンが得られるが、その使用に際しては、不揮発分として通常40〜60重量%に調整することが好ましい。
上記得られた合成樹脂エマルジョンを乾燥することにより、本発明に係る再乳化性合成樹脂粉末(A)が得られる。以下、この再乳化性合成樹脂粉末(A)の製造について説明する。
合成樹脂エマルジョンの乾燥方法は、特に制限はなく、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、凝析後の温風乾燥等があげられる。これらの中でも、生産コスト、省エネルギーの観点から噴霧乾燥することが好ましい。
噴霧乾燥の場合、その噴霧形式は、特に制限はなく、例えばディスク式、ノズル式等の形式により実施することができる。噴霧乾燥の熱源としては、例えば、熱風、加熱水蒸気等があげられる。噴霧乾燥の条件としては、噴霧乾燥機の大きさ、種類、合成樹脂エマルジョンの不揮発分、粘度、流量等に応じて適宜選択することができる。噴霧乾燥の温度は、通常は、80〜180℃が好ましく、より好ましくは120〜160℃である。乾燥温度が低すぎると乾燥に時間を要し、生産的に問題が生じることがあり、高すぎると熱による樹脂自体の変質が起こり易くなってくる傾向がある。
噴霧乾燥処理をさらに具体例をあげて説明すると、まず、合成樹脂エマルジョン中の不揮発分を調整し、これを噴霧乾燥機のノズルより連続的に供給し、霧状にしたものを温風により乾燥させて粉末化させる。場合により、調整した噴霧液を噴霧に際して予め加温してノズルより連続的に供給し、霧状にしたものを温風により乾燥させて粉末化させることも可能である。加温することで乾燥スピードが速くなり、かつ噴霧液の粘度低下に伴い噴霧液の高不揮発分化が可能で、生産コストの低減にも寄与する。
なお、本発明においては、後述の無機微粒子(B)(特には無機微粒子(B1))を添加することにより、粉末のブロッキング防止効果を得ることもできる。
また、再乳化性合成樹脂粉末(A)の水への再乳化性をより向上させるために、水溶性添加剤を配合することができる。通常、水溶性添加剤は、乾燥前の合成樹脂エマルジョンに添加する。この添加量は、乾燥前の合成樹脂エマルジョンの不揮発分100部に対して、2〜50部である。添加量が少なすぎると、水への再乳化性の向上が充分に図れない傾向があり、多すぎると、水への再乳化性の向上には大いに役立つが皮膜の耐水性が低下し、期待する物性が発揮できなくなることがある。
上記水溶性添加剤としては、例えば、PVA系樹脂類、ヒドロキシエチルセルロース類、メチルセルロース類、ポリビニルピロリドン、でんぷん類、デキストリン類、水溶性アルキッド樹脂、水溶性アミノ樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリカルボン酸樹脂、水溶性ポリアミド樹脂等の水溶性樹脂があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらの中でも、PVA系樹脂類が好ましい。
上記PVA系樹脂類としては、平均ケン化度85モル%以上のポリビニルアルコールが望ましく、87モル%以上であることがより好ましい。また、平均ケン化度の上限値としては、特に限定されるものではないが、99.5モル%以下であることが好ましく、95モル%以下であることがより好ましい。平均ケン化度が小さすぎると、皮膜の耐水性が著しく低下する傾向があり、大きすぎると、耐水性が良くなるが、水への再乳化性が低下する傾向がある。
また、この平均重合度は、通常50〜3000であることが好ましく、200〜2000であることがより好ましく、300〜600であることがさらに好ましい。平均重合度が小さすぎると、耐水性が低下する傾向があり、大きすぎると、再乳化性が低下する傾向がある。
水への溶解性が容易でないものは、再乳化性に悪影響を与える場合があるので、事前に水への溶解性を確認した上で使用することが望ましい。
かくして、本発明の再乳化性合成樹脂粉末(A)が得られる。
本発明の再乳化性合成樹脂粉末組成物は、上記再乳化性合成樹脂粉末(A)と、無機微粒子(B)を含有してなるものである。
本発明の無機微粒子(B)は、平均粒子径の異なる無機微粒子、即ち平均粒径が10μm以下の無機微粒子(B1)と平均粒径が10μmより大きい無機微粒子(B2)とを必須の構成成分として含有するものである。
上記、(B1)および(B2)は、該当する平均粒子径の無機微粒子をそれぞれ少なくとも1種含むものであればよく、一方または両方が2種以上の無機微粒子を含むものであってもよい。
なお、上記平均粒子径とは、レーザー解析/散乱式粒度分布測定装置「LA−950S2 乾式測定ユニット装備」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定したものである。
無機微粒子(B1)は、一般的に、再乳化性合成樹脂粉末にブロッキング防止剤として配合されるものを使用すればよく、本発明においても、組成物中で、主としてブロッキング防止性能を発揮するものである。
かかる無機微粒子(B1)の平均粒子径は、平均粒子径が10μm以下であればよく、好ましくは0.1〜10μm、特に好ましくは1〜9μmである。
かかる平均粒子径が大きすぎると、モルタルの流動性、緻密性、曲げ強度、圧縮強度が低下しやすくなる。
なお、かかる平均粒子径が小さすぎるとブロッキング防止性能や粉塵飛散による現場作業性が著しく低下する傾向がある。
また、無機微粒子(B1)としては、粒子径0.0001μm以下の粒子が20%以下であることが好ましく、粒子径10μm以上の粒子が5%以下であることが好ましい。
かかる無機微粒子(B1)の種類としては、コロイダルシリカゲル、焼成シリカ、沈降シリカ、マイクロシリカ、炭カル、タルク、クレー、無水珪酸、珪酸アルミニウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、硫酸バリウム、カオリン、酸化チタン、水和アルミナ、ベントナイト、スルホンアルミン酸カルシウム、方解石、白亜、石英粉、ドロマイト、石膏、雲母、珪藻土、部粉砕アルミニウムシリケート、炭酸マグネシウム、マグネシウムヒドロシリケート等が挙げられる。
これらの中でも、タルク、クレー、無水珪酸、カオリン、硫酸バリウム、ドロマイトが好ましく、特に好ましくはタルク、クレー、無水珪酸、ドロマイトである。
かかる無機微粒子(B1)の含有量としては、再乳化性合成樹脂粉末(A)100重量部に対して、5〜30重量部であることが好ましく、特に好ましくは5〜20重量部、更に好ましくは10〜20重量部である。
上記無機微粒子(B1)の含有量が多すぎるとモルタルの流動性が低下したり、接着強度や曲げ強度、あるいは圧縮強度が低下する傾向があり、少なすぎると耐ブロッキング性能が低下し、製品貯蔵時にブロッキングを発生したり、噴霧乾燥時に製造設備への付着が発生したりする傾向がある。
無機微粒子(B2)は、一般的に、再乳化性合成樹脂粉末にブロッキング防止剤として配合される無機微粒子としては平均粒子径の大きなものであり、本発明においては、組成物中で、主として無機微粒子(B1)のマイグレーション防止性能を発揮するものである。
かかる無機微粒子(B2)の平均粒子径は、平均粒子径が10μmより大きければよく、好ましくは10〜250μm、特に好ましくは30〜200μm、更に好ましくは30〜150μmである。
かかる平均粒子径が小さすぎると、マイグレーション防止性能が低下し、モルタル表面の白化防止性能が得られにくい。
なお、かかる平均粒子径が大きすぎると見掛け密度の低い再乳化性粉末になったり、流動性に劣るモルタルが得られたりする傾向にある。
無機微粒子(B2)としては、粒子径0.1μm以下の粒子が10%以下であることが好ましく、粒子径500μm以上の粒子が10%以下であることが好ましい。
かかる無機微粒子(B2)の種類としては、上記無機微粒子(B2)と同様のものを用いればよいが、好ましくはシリカであり、特に好ましくは無定形シリカである。
かかる無機微粒子(B2)の市販品としては、非晶質シリカ(エボニック・デグサ社製、商品名「SIPERNAT 22」)、非晶質シリカ(エボニック・デグサ社製、商品名「SIPERNAT 30」)、非晶質シリカ(エボニック・デグサ社製、商品名「SIPERNAT 50」)、合成非晶質シリカ(トクヤマ社製、商品名「トクシールPR」)、初水剤入りシリカ(ワッカー社製、商品名「BS−Powder A」)等が挙げられる。
かかる無機微粒子(B2)の含有量としては、再乳化性合成樹脂粉末(A)100重量部に対して、0.5〜10重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜7重量部、更に好ましくは1〜5重量部である。
無機微粒子(B2)の含有量が多すぎるとモルタルの流動性が低下したり、接着強度や曲げ強度、あるいや圧縮強度が低下する傾向があり、少なすぎると低温養生時の白化防止性や耐ブロッキング防止性が低下する傾向がある。
上記無機微粒子(B1)と(B2)の配合割合(重量比)としては、(B1):(B2)=100:1〜100:30であることが好ましく、特に好ましくは(B1):(B2)=100:10〜100:30、更に好ましくは(B1):(B2)=100:10〜100:15である。
無機微粒子(B2)に対する無機微粒子(B1)の配合割合が多すぎると冬場のモルタル表面の白化防止性能が低下する傾向があり、少なすぎると流動性が劣るモルタルが形成される傾向がある。
無機微粒子(B)((B1)と(B2)の合計量)の含有量は、再乳化性合成樹脂粉末(A)100重量部に対して、1〜50重量部であることが好ましく、特に好ましくは5〜40重量部、更に好ましくは7〜30重量部である。
無機微粒子(B)の配合量が多すぎるとモルタルの流動性が低下したり、接着強度や曲げ強度、あるいや圧縮強度が低下する傾向があり、少なすぎると耐ブロッキング防止性が低下する傾向がある。
上記再乳化性合成樹脂粉末(A)と無機微粒子(B)とを含有することにより、本発明のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物が得られる。
ポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物の製造方法としては、
(1)合成樹脂エマルジョンに無機微粒子(B)を予め混合してから噴霧乾燥する方法、
(2)合成樹脂エマルジョンの噴霧乾燥時に、無機微粒子(B)を合成樹脂エマルジョンと別のノズルから噴霧して粉体化する方法、
(3)再乳化性合成樹脂粉末(A)にナウターミキサー等を用いて無機微粒子(B)を混合する方法、
等が挙げられるが、これらの中でも、(2)と(3)を組み合わせて、まず無機微粒子(B1)の全量(または一部)を方法(2)で添加し、次いで、方法(3)で無機微粒子(B2)(および無機微粒子(B1)の残り)を混合する方法が、無機微粒子(B2)の添加効果を充分に得られる点で好ましい。
本発明のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物には、上記再乳化性合成樹脂粉末(A)および無機微粒子(B)の他に、減水剤、分散剤、モルタル流動化促進剤、撥水剤、酸化防止剤、防錆剤等を含有するものであってもよい。
かくして得られるポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物は、セメントと配合してポリマーセメント組成物として使用することができ、更に水や砂・砂利を配合することにより、モルタルやコンクリートとして使用することができる。
上記セメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、アルミナセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等があげられ、中でもポルトランドセメントが作業性の点から好適である。
上記セメントの配合量は、再乳化性合成樹脂粉末(A)100重量部に対して3〜500重量部であることが好ましく、更には30〜350重量部であることが好ましい。
モルタルやコンクリートとして使用する際の水の配合量は、ポリマーセメント組成物全量に対して50重量%以下であることが好ましく、更には30重量%以下であることが好ましい。
また、モルタルやコンクリートとして使用する際の砂・砂利の配合量としては、ポリマーセメント組成物全量に対して30〜300重量%であることが好ましく、更には50〜150重量%であることが好ましい。
なお、上記ポリマーセメント組成物には、必要に応じて、セメントの減水剤あるいは流動化剤(例えば、リグニン系、ナフタレン系、メラミン系、カルボン酸系等)、収縮低減剤(例えば、グリコールエーテル系、ポリエーテル系等)、耐寒剤(例えば、塩化カルシウム等)、防水剤(例えば、ステアリン酸等)、防錆剤(例えば、リン酸塩等)、粘度調整剤(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール等)、分散剤(例えば、ポリカルボン酸系、無機リン系等)、消泡剤(例えば、シリコン系、鉱油系等)、防腐剤、補強剤(例えば、鋼繊維、ガラス繊維、合成繊維、炭素繊維等)等を、単独でもしくは2種以上併用しても差し支えない。
また、上記各成分以外にも、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、珪藻土、シリカフューム、フライアッシュ、高炉スラグ等のポゾラン材料、天然および人工軽量骨材等の各種骨材を配合しても差し支えない。
上記ポリマーセメント組成物は、23℃、回転数10rpmの条件で、B型粘度計で測定した粘度が、5000mPa・s以下であることが好ましく、特に好ましくは50〜4500mPa・s、さらに好ましくは100〜4000mPa・sである。粘度が低すぎると、無機粉体が沈降して塗膜の均一性が損なわれやすい傾向がみられ、粘度が高すぎると、塗工時の作業性が低下しやすい傾向がみられる。
なお、ポリマーセメント組成物を用いて、ポリマーセメントモルタルとする場合には、一般のモルタルと同様、必須成分、および任意成分を加え、これに適当量の水を加えた上で、混練機等を用いて混練することにより調製することができる。
上記このようにして得られたポリマーセメントは、セメントモルタルに混和した際に、良好な流動性、作業性を示し、旧モルタル面や樹脂塗面等に対する密着性に優れた、そして物性ばらつきの少ない、加えて接着強度が向上する等の優れた効果を有するようになる。そして、これらは、セメントモルタル混和剤として、補修モルタル用、下地調整塗材用、セルフレベリング材、タイル接着モルタル、モルタルシーラー・プライマー、モルタル養生剤、及び石膏系材料等の改質剤として有用であり、さらに、土木・建材用原料、ガラス繊維収束剤、難燃剤用等にも有用である。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
<合成樹脂エマルジョンの粉末(A)の製造例>
〔再乳化性合成樹脂粉末(A−1)の製造〕
機攪拌機と還流冷却器とを備えた2Lサイズのステンレス製反応缶に、脱イオン水600部、保護コロイドとして、PVA(4%濃度溶液の20℃での粘度;5mPas、平均重合度500、平均ケン化度88モル%)63.7部、ラウリル硫酸ナトリウム(花王(社製、商品名「エマール10パウダー」)0.6部、エチレンオキシド/プロピレンオキシド−共重合物(クラリアント・ジャパン社製、商品名「Genapol PF 20」1.8部)、消泡剤(サンノプコ(株)社製、商品名「ノプコ8034」)0.4部、酢酸ナトリウム1.4部の混合物を仕込み、反応缶内部温度を70℃に加熱する(重合液)。更に酢酸ビニル318部、バーサチック酸ビニルエステル(ヘキシオンスペシャリティケミカルズ(株)社製、商品名「VeoVa10」)318部およびn−ブチルアクリレート71部よりなるモノマー混合物および2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)塩酸塩(和光純薬(株)社製、商品名「V−50」)1.2部を27.0部の脱イオン水に溶解した開始剤溶液を準備する。
モノマー混合液72部を70℃の内部温度に加熱した重合液に添加する。内部温度が再び70℃に達した後、開始剤溶液5.6部を添加し、そして初期重合を15分間実施する。モノマー混合物及びこれに平行して開始剤溶液19.8部を70℃にて3時間にわたって計量供給する。計量供給の後で残量の開始剤溶液を添加する。混合物は80℃に加熱し、その温度で1時間反応させる。80℃で1時間反応を経過した後、50℃に冷却し、t−ブチルハイドロパーオキサイド(日油(株)社製、商品名「パーブチルH69」)1部を脱イオン水6部に溶解した溶液および亜硫酸水素ナトリウム0.7部を15部の脱イオン水に溶解した溶液を15分間にわたって計量供給する。
その後に混合物を冷却し、脱イオン水158.0部にPVA(4%濃度溶液の20℃での粘度;5mPas、平均重合度500、平均ケン化度88.0モル%)38部を溶解した水溶液を加え、固形分濃度50%のエマルジョンを得る。
加水して不揮発分を40%に調整したエマルジョン100重量部を下記表1に示す種類の無機微粒子(B1)10重量部の存在下において、ノズル式の噴霧乾燥機により熱源を熱風として140℃の温風下にて噴霧乾燥させて再乳化性合成樹脂粉末(A−1)を得た。
〔再乳化性合成樹脂粉末(A−2)の製造〕
機攪拌機と還流冷却器とを備えたセパブルフラスコに、脱イオン水135重量部と、保護コロイドとして、側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA(平均重合度300、平均ケン化度98.5モル%以上、側鎖の1,2−ジオール結合の含有量8モル%/日本合成化学工業(株)社製)10重量部を仕込み、反応缶を80℃に加熱して側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVAを溶解させた。
次にこの反応缶の温度を70℃に保ち、ここにモノマー成分としてブチルアクリレート5.5重量部、メチルメタクリレートを4.5重量部を添加して、重合開始剤として過過硫酸アンモニウムを用いて、初期重合反応を1時間行った。次いで、残りのモノマー成分としてブチルアクリレート49.5重量部、メチルメタクリレート40.5重量部を反応缶に4時間にわたって計量添加し、重合開始剤として過硫酸アンモニウムを更に加えながら、滴下重合反応を進行させた。滴下重合終了後に1時間熟成させ、その後、平均重合度500の部分ケン化PVA(日本合成化学工業(株)社製、商品名「ゴーセノールGL05」)の20重量%水溶液をここに添加して十分攪拌した。これにより固形分約40%のエマルジョンを得た。不揮発分を40%に調整したエマルジョン100重量部を無機微粒子(B1−1)10重量部の存在下において、ノズル式の噴霧乾燥機により熱源を熱風として140℃の温風下にて噴霧乾燥させて再乳化性合成樹脂粉末(A−2)を得た。
〔再乳化性合成樹脂粉末(A−3)の製造〕
圧力オートクレーブ中に脱イオン水135重量部と、ケン化度88モル%及びヘップラによる粘度4mPasを有するPVAの水溶液92重量部と酢酸ビニル227部とを仕込む。ギ酸によりpHを約4.0に調整し、次いで1%固形分濃度の硫酸アンモニウム鉄0.5部を添加する。オートクレーブを55℃に加熱し、圧力8バールにまでエチレン充填する。重合反応は3%のt−ブチルハイドロパーオキサイド溶液と5%のアスコルビン酸溶液を添加することによって開始させる。反応温度は120℃にコントロールする。温度を高めることでエチレン圧を増大させるが、85℃で38バール、120℃で55バールである。100℃に達したときの添加率は35%である。反応開始から30分後から60分後の間に、酢酸ビニル57重量部とケン化度88モル%及びヘップラによる粘度4mPasを有するPVAの水溶液35重量部を計量供給する。反応終了後、オートクレーブを冷却し、未反応のエチレンを排出する。その後、固形分濃度を55重量%に調整する。この55重量%濃度のエマルジョン100部に平均重合度500の部分ケン化ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)社製、商品名「ゴーセノールGL05」)20重量%水溶液を26重量部を添加し、不揮発分48%のエマルジョンを得る。不揮発分を40%に調整し、そのエマルジョン100重量部を無機微粒子(B1−1)10重量部の存在下において、ノズル式の噴霧乾燥機により熱源を熱風として140℃の温風下にて噴霧乾燥させて再乳化性合成樹脂粉末(A−3)を得た。
<無機微粒子(B)>
平均粒子径が10μm以下の無機微粒子(B1)として以下のものを用意した。
・(B1−1)タルクドロマイド(Palten taler Minerals GmbH & Co KG社製:商品名「SE-Super」:平均粒子径5〜8μm)
・(B1−2)ジクロロジメチルシランとシリカの反応物(エボニック デグサ ジャパン(株)社製:商品名「Sipernat D17:平均粒子径5.5〜5.6μm)
また、平均粒子径が10μm以上の無機微粒子(B2)として以下のものを用意した。
・(B2−1)非晶質シリカ(エボニック デグサ ジャパン(株)社製:商品名「Sipernat 50」:平均粒子径59〜62μm)
・(B2−2)非晶質シリカ(エボニック デグサ ジャパン(株)社製:商品名「Sipernat 22」:平均粒子径100μm)
・(B2−3)シリカとオルガノシラン複合(旭化成 ワッカーシリコーン(株)社製:商品名「BS−Powder A」:平均粒子径115μm)
・(B2−4)合成非晶質シリカ(株式会社トクヤマ社製:商品名「トクシールPR」:平均粒子径168〜170μm)
〔実施例1〜9、比較例1〜4〕
上記で得られた再乳化性合成樹脂粉末をナウターミキサーに導入し、ブロッキング防止剤(B2)およびブロッキング防止剤(B1)の残量を分割しながら添加し、全量添加後15分間攪拌して所望の再乳化性合成樹脂粉末を得た。
得られた再乳化性合成樹脂粉末組成物について、以下の通り耐ブロッキング性を評価した。
<耐ブロッキング性>
ガラス板に、内径45mm,高さ100mmのステンレス製の円筒容器Aを置き、再乳化性合成樹脂粉末組成物50gを入れ、次いで全重量500gになるように調節した外径45mm,高さ80mmのステンレス製の底付き円筒容器Bを容器A内にのせる。これを温度40℃,湿度60%に調整した恒温恒湿器内に水平になるように置き16時間静置する。次いで乾燥器より取り出し、室温で2時間放冷してから容器A,Bを静かにぬき取り再乳化性合成樹脂粉末組成物の固まり状態を調べた。評価基準は以下の通りであり、結果は下記の表1に示す。
(評価基準)
A…筒を抜き取るときに再乳化性合成樹脂粉末組成物が筒の中に残らず全くブロッキングしていないもの。あるいは、筒を抜き取るときに再乳化性合成樹脂粉末組成物が筒の中に残らないが、再乳化性合成樹脂粉末組成物の中に手で容易に崩れる凝集物がある。
B…筒を抜き取るときに再乳化性合成樹脂粉末組成物が筒の中に残っているが、再乳化性合成樹脂粉末組成物を筒の中から出すときに崩れて粉末状になる。
C…筒を抜き取るときに再乳化性合成樹脂粉末組成物が筒の中に残り、筒の中から出した再乳化性合成樹脂粉末組成物は円柱の形状を有しているが、再乳化性合成樹脂粉末組成物の上部をつかみ、持ち上げようとすると崩れる。
D…筒を抜き取るときに再乳化性合成樹脂粉末組成物が筒の中に残り、筒の中から出した固化した再乳化性合成樹脂粉末組成物は手で砕くことができない。又は筒を抜き取るときに再乳化性合成樹脂粉末組成物が筒の中に残り、筒の中から出した固化した再乳化性合成樹脂粉末組成物は手で砕けて粉末状になるものと手で砕くことができないものがある。
また、上記で得られた再乳化性合成樹脂粉末組成物を用いて、セメントモルタルを作製し、以下の評価を行なった。
<セメントモルタルの作製>
上記再乳化性合成樹脂粉末組成物50g、普通ポルトランドセメント500g、豊浦硅砂1500g、および、練り混ぜ水340gを混合し、ホバートミキサーで3分間攪拌することによりセメントモルタルを作製した。
<耐低温白化性>
上記セメントモルタルを、5℃雰囲気下で練り混ぜ、JIS A 1172で規定された、曲げ・圧縮試験用型枠で成型し、5℃雰囲気下で1ヶ月間養生後にモルタル表面の状態を観察した。
評価基準は以下の通りであり、結果は表1に示す。
(評価基準)
A…モルタル表面には白化部が全く観察されない。
B…モルタル表面に僅かに白化部が観察される。
C…明らかな白化部がモルタル表面に観察される。
D…モルタル全面に白化部が観察される。
<セメントモルタルの流動性>
上記セメントモルタルについて、JIS R 5201に準じてセメントモルタル流動性試験を行った。
このセメントモルタルの流動性は、フローテーブルの上に設置した底辺直径100mmのフローコーンに、上記セメントモルタルを詰め込み、フローコーンを抜き取った後、12mmの落下衝撃を15回与えてモルタルセメントの広がり直径を測定した。評価基準は以下の通りであり、結果は表1に示す。
(評価)
A…170mm以上
B…150mm以上170mm未満
C…100mm以上150mm未満
D…100mm未満
<セメントモルタル曲げ強度>
上記セメントモルタルについて、JIS A 1172に準じてセメントモルタル曲げ強度を測定した。また、セメントモルタルの曲げ強度の評価基準はJIS A 6203の規格に従った。
このセメントモルタルの曲げ強度試験は、JIS A 1172に規定された雰囲気下で上記セメントモルタルを調整し、断面40mm、長さ160mmの型枠に詰め込み、JIS A 6203で規定された養生時間を経た後に曲げ強度を測定した。
評価基準は以下の通りであり、結果は表1に示す。
(評価)
A…10Nmm以上
B…8Nmm以上10Nmm未満
C…5Nmm以上8Nmm未満
D…5Nmm未満
<セメントモルタル圧縮強度>
上記セメントモルタルについて、JIS A 1172に準じてセメントモルタル圧縮強度を測定した。また、セメントモルタルの圧縮強度の評価基準はJIS A 6203の規格に従った。
このセメントモルタルの圧縮強度試験は、JIS A 1172に規定された雰囲気下で上記セメントモルタルを調整し、断面40mm、長さ160mmの型枠に詰め込み、JIS A 6203で規定された養生時間を経た後に曲げ強度を測定した。
評価基準は以下の通りであり、結果は表1に示す。
(評価)
A…30Nmm以上
B…24Nmm以上30Nmm未満
C…15Nmm以上24Nmm未満
D…15Nmm未満
Figure 0005892835
実施例1〜9のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物は、無機微粒子(B1)および(B2)を含有してなるものであり、セメントとの混和性(流動性、曲げ強度、圧縮強度)に優れ、更に低温下でポリマーセメントモルタルを施工した際にも表面白化を起こすことないものである。
これに対し、無機微粒子(B2)を含有しない比較例1および3のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物は、耐低温白化性に劣るものであり、無機微粒子(B1)を含有しない比較例2および4のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物はポリマーセメントモルタルの流動性に劣るものであることがわかる。
本発明のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物再乳化性合成樹脂粉末は、セメントと混和した際の混和性(混和安定性、流動性、接着強度、曲げ強度、圧縮強度、低吸水性、低透水性等)に優れ、更には耐低温白化性に優れた効果を有し、セメントモルタル用途として、補修モルタル用、下地調整塗材用、セルフレベリング材、タイル接着モルタル、モルタルシーラー・プライマー、モルタル養生剤、及び石膏系材料等の改質剤として非常に有用である。

Claims (5)

  1. 再乳化性合成樹脂粉末(A)およびブロッキング防止性能を有する無機微粒子(B)を含有してなる再乳化性合成樹脂粉末組成物であり、無機微粒子(B)として、平均粒径が10μm以下の無機微粒子(B1)と平均粒径が10μmより大きい無機微粒子(B2)とを用いてなり、無機微粒子(B1)と(B2)の配合割合(重量比)が、(B1):(B2)=100:10〜100:39であり、無機微粒子(B2)の平均粒径が59〜170μmであることを特徴とするポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物。
  2. 再乳化性合成樹脂粉末(A)が、ポリビニルアルコール系樹脂[I]により合成樹脂が分散安定化された合成樹脂エマルジョンを乾燥してなる再乳化性合成樹脂粉末であることを特徴とする請求項1記載のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物。
  3. 無機微粒子(B1)の平均粒径が0.1〜10μmであることを特徴とする請求項1または2記載のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物。
  4. 無機微粒子(B2)が、非晶性合成シリカであることを特徴とする請求項1〜いずれか記載のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物。
  5. 請求項1〜いずれか記載のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物を用いてなるポリマーセメントモルタル。
JP2012079789A 2012-03-30 2012-03-30 ポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物、およびそれを用いてなるポリマーセメントモルタル Active JP5892835B2 (ja)

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