JP2014015385A - ポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物、およびそれを用いてなるポリマーセメントモルタル - Google Patents

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Abstract

【課題】再乳化性合成樹脂粉末の耐ブロッキング性と、セメント混和後の強度・伸度・流動性とにバランスよく優れるポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物、およびそれを用いてなるポリマーセメントモルタルの提供。
【解決手段】再乳化性合成樹脂粉末(A)、および2種以上の無機微粒子(B)を含有するポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物であり、再乳化性合成樹脂粉末(A)が、ガラス転移温度が−20℃より低い合成樹脂を含み、2種以上の無機微粒子(B)の全含有量が、再乳化性合成樹脂粉末(A)100重量部に対して7〜40重量部であり、かつ、2種以上の無機微粒子(B)のうち少なくとも1種の無機微粒子(B)が珪素を含有しており、2種以上の無機微粒子(B)全量に対する珪素分が0.1〜40重量%であることを特徴とするポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物。このポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物を用いてなることを特徴とするポリマーセメントモルタル。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物、およびそれを用いてなるポリマーセメントモルタルに関するものであり、更に詳しくは、セメントと混和してポリマーセメントとするのに好適な合成樹脂エマルジョンを粉末化した再乳化性合成樹脂粉末組成物、およびそれを用いてなるポリマーセメントモルタルに関するものである。
従来より、水を含んだエマルジョンを噴霧乾燥させて得られる一般的な再乳化性合成樹脂粉末は、水を含んでいるエマルジョンに比べて、凍結するおそれもなく取扱いや輸送が容易であることから、様々な用途で用いられており、例えば、セメントと混和してポリマーセメントとすることで、モルタルやコンクリートとして有用に使用されている。
例えば、特許文献1には、平均ケン化度85モル%以上、平均重合度50〜3000で、側鎖に1,2−ジオール結合を1〜15モル%有するポリビニルアルコール系樹脂[I]により、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマー(A)と特定の官能基含有モノマー(B)とを共重合成分とする合成樹脂が、分散安定化されてなるセメントモルタル混和剤用水性合成樹脂エマルジョン、および該エマルジョンを乾燥してなるセメントモルタル混和剤用再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末が開示されている。
該合成樹脂エマルジョン又は該合成樹脂エマルジョン粉末をセメントモルタル混和剤として使用した場合に、良好な流動性、作業性を示し、物性ばらつきが少なく、加えて接着強さなどが向上すると記載されている。
近年、モルタルの耐震性や低温度領域での弾性を更に向上させることが求められている。
しかし、特許文献1の水性合成樹脂エマルジョンでは、合成樹脂のガラス転移温度(Tg)が−20℃〜30℃(特許文献1の〔0074〕を参照)であるため、セメント混和後のモルタル(コンクリート)の伸度・強度・流動性が低く、モルタルの耐震性や低温度領域での弾性が不十分となるおそれがある。
また、セメント混和後のモルタル(コンクリート)の伸度・強度・流動性を向上させるためには、使用する合成樹脂のTgを下げる方法も考えられる。
しかし、合成樹脂のTgを単に下げると再乳化性合成樹脂粉末がべとつきやすくなるので、粉末粒子がブロッキングしてしまうという問題が発生しやすくなる。
一般的に、再乳化性合成樹脂粉末には、べとつきや、粉末粒子のブロッキングを防ぐためにブロッキング防止剤が配合されることが知られている(特許文献2)。しかし、ブロッキング防止剤を大量に配合すると、今度は、セメント混和後のモルタル(コンクリート)の伸度・強度・流動性が低下するという問題が生じるおそれがある。
特開2009−35470号公報 特開平9−118753号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、再乳化性合成樹脂粉末の耐ブロッキング性と、セメント混和後の強度・伸度・流動性とにバランスよく優れるポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物、およびそれを用いてなるポリマーセメントモルタルを提供することである。
本発明者らは、無機微粒子をブロッキング防止剤として含有するポリマーセメント用の再乳化性合成樹脂粉末に対して、一般的に使用される合成樹脂粉末よりもガラス転移温度の低い合成樹脂粉末を用い、更に特定の割合で珪素分を含む無機微粒子を特定量含有させて得られる再乳化性合成樹脂粉末組成物が、再乳化性合成樹脂粉末の耐ブロッキング性と、セメント混和後の強度・伸度・流動性とにバランスよく優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、再乳化性合成樹脂粉末(A)、および2種以上の無機微粒子(B)を含有するポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物であり、再乳化性合成樹脂粉末(A)が、ガラス転移温度が−20℃より低い合成樹脂を含み、2種以上の無機微粒子(B)の全含有量が、再乳化性合成樹脂粉末(A)100重量部に対して7〜40重量部であり、かつ、2種以上の無機微粒子(B)のうち少なくとも1種の無機微粒子(B)が珪素を含有しており、2種以上の無機微粒子(B)全量に対する珪素分が0.1〜40重量%であることを特徴とするポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物に関するものである。
また、本発明は、上記ポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物を用いてなることを特徴とするポリマーセメントモルタルに関するものである。
本発明のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物は、再乳化性合成樹脂粉末の耐ブロッキング性と、セメント混和後の強度・伸度・流動性とにバランスよく優れるので、ポリマーセメントモルタルに好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
本発明のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物は、再乳化性合成樹脂粉末(A)、および2種以上の無機微粒子(B)を含有するものである。
〔再乳化性合成樹脂粉末(A)〕
再乳化性合成樹脂粉末(A)は、例えば、合成樹脂エマルジョンを乾燥させることによって得られるものであり、水と混合することにより再び乳化する機能を有し、ポリマーセメント用として使用することができる。再乳化性合成樹脂粉末(A)は、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂[I]」と記すことがある。)により合成樹脂が分散安定化された合成樹脂エマルジョンを乾燥してなる再乳化性合成樹脂粉末である。
以下、例示として、再乳化性合成樹脂粉末(A)が、PVA系樹脂[I]により合成樹脂が分散安定化された再乳化性合成樹脂粉末の場合について説明する。
まず、再乳化性合成樹脂粉末(A)の説明の前提として、PVA系樹脂[I]により合成樹脂が分散安定化された合成樹脂エマルジョンについて説明する。
上記PVA系樹脂[I]としては、次に示す特定の平均ケン化度および平均重合度を有するPVA系樹脂が好ましい。
PVA系樹脂[I]の平均ケン化度としては、70〜99.9モル%であることが好ましく、特に好ましくは80〜99.5モル%、さらに好ましくは85〜99.0モル%である。
かかる平均ケン化度が低すぎると安定的に重合が進行しにくく、重合が完結したとしてもエマルジョンの保存安定性が低下してしまう傾向があり、高すぎると再乳化し難くなる傾向がある。
なお、本発明において、平均ケン化度は、JIS K 6726に記載のケン化度の算出方法にしたがって求めることができる。
また、PVA系樹脂[I]の平均重合度としては、50〜3,000であることが好ましく、特に好ましくは200〜2,000であり、更に好ましくは300〜1,000である。
かかる平均重合度が低すぎると、乳化重合時の保護コロイド能力が不充分となり重合が安定的に進行しにくい傾向があり、高すぎると、重合時に増粘して反応系が不安定になり分散安定性が低下する傾向がある。
なお、本発明において、平均重合度は、JIS K 6726に記載の平均重合度の算出方法にしたがって求めることができる。
本発明において、PVA系樹脂[I]とは、PVA自体、または、例えば、各種変性種によって変性されたものを意味し、その変性度は、通常20モル%以下、好ましくは15モル%以下、更に好ましくは10モル%以下である。
変性PVA系樹脂としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基をはじめとするアニオン性基で変性されたアニオン変性PVA系樹脂、四級アンモニウム基等のカチオン性基で変性されたカチオン変性PVA系樹脂、アセトアセチル基、ジアセトンアクリルアミド基、メルカプト基、シラノール基をはじめとする各種官能基等により変性された変性PVA系樹脂や、側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂等を挙げることができる。
側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂[Ia]としては、例えば、下記式(1)で示される1,2−ジオール構造単位を含有するPVA系樹脂が挙げられる。
Figure 2014015385
このようなPVA系樹脂[Ia]は、例えば、(I)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(II)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(III)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、(IV)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
PVA系樹脂[Ia]の1,2−ジオール結合量は、1〜15モル%であることが好ましく、より好ましくは1〜12モル%、さらに好ましくは2〜10モル%、さらに特に好ましくは2〜9モル%である。ここで、1,2−ジオール結合量とは、例えば、1,2−ジオール構造単位が上記式(1)で表される場合、PVA系樹脂中に含まれ、上記式(1)で表される1,2−ジオール結合構造単位のモル比率を意味する。かかる1,2−ジオール結合量が少なすぎると、エマルジョンの機械安定性や皮膜の耐水性などが低下する傾向があり、多すぎると重合時の安定性が低下し、不揮発分の高い安定なエマルジョンが得られにくくなる傾向がある。
なお、不揮発分とは、エマルジョンを加熱乾燥して残った残分を意味し、通常、加熱乾燥前後の重量をJIS K 6828−1に記載の算出方法にしたがって求めることができる。
また、PVA系樹脂[Ia]の平均ケン化度は、85モル%以上であることが好ましく、より好ましくは86.5〜99.8モル%、特に好ましくは95〜99モル%である。かかるケン化度が小さすぎると、エマルジョンの重合時の安定性が低下して目的とするエマルジョンを得ることが困難になる傾向がある。
さらに、PVA系樹脂[Ia]の平均重合度は、50〜3,000が好ましく、より好ましくは100〜2,500、さらに好ましくは200〜2,000、特に好ましくは300〜1,000である。かかる重合度が小さすぎるとPVA系樹脂を工業的に製造することが困難となる傾向があり、大きすぎるとエマルジョンの粘度が高くなり過ぎたり、エマルジョンの重合安定性が低下する傾向がある。
本発明において、保護コロイド(分散安定剤)として、未変性タイプの部分・完全ケン化PVA系樹脂や各種変性タイプの部分・完全ケン化PVA系樹脂などを併用しても良い。
本発明において、PVA系樹脂[I]の使用量は、後述のモノマー成分全体100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.5〜7重量部である。
かかるPVA系樹脂[I]の使用量が少なすぎると、乳化重合の際の保護コロイド量が不足となって、重合安定性が不良となる傾向があり、使用量が多すぎると、合成樹脂エマルジョンの粘度が高まり安定性が低下する傾向がある。
ここで、用いられたPVA系樹脂[I]は、通常、重合により形成される合成樹脂エマルジョン中に全量が存在することとなる。すなわち、合成樹脂(重合体)100重量部に対して0.01〜20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.5〜7重量部のPVA系樹脂が合成樹脂エマルジョン中に存在することとなる。
また、本発明では、PVA系樹脂[I]は、通常、水系媒体を用いて水溶液とし、これが乳化重合の過程において使用される。ここで水系媒体とは、水、または水を主体とするアルコール性溶媒をいい、好ましくは水のことをいう。
この水溶液におけるPVA系樹脂[I]の量(不揮発分)については、取り扱いの容易性の観点からは、5〜30重量%であることが望ましい。
つぎに、合成樹脂を形成する成分材料について説明する。
本発明における合成樹脂エマルジョンは、合成樹脂が分散安定化されたものであり、かかる合成樹脂としては、例えば、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニルエステル系モノマーの少なくとも1種のモノマー成分を主成分として重合してなるものであることが好ましい。本発明において、主成分とは重量を基準として全体の過半をしめる成分のことをいい、全体が主成分のみからなる場合も含む意味である。
上記アクリル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の脂肪族系(メタ)アクリレートや、フェノキシ(メタ)アクリレート等の芳香族系(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル等が挙げられ、中でもアルキル基の炭素数が1〜18の脂肪族系(メタ)アクリレートが好適であり、また、これらは1種または2種以上を用いることができる。
上記スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、直鎖状のまたは枝分かれした炭素原子数2〜12のモノカルボン酸のビニルエステルが挙げられ、具体的には、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル等が挙げられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。
また、官能基含有モノマー等を共重合させてもよく、例えば、グリシジル基含有モノマー、アリル基含有モノマー、加水分解性シリル基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマー、分子構造中にビニル基を2個以上有するモノマー、ヒドロキシル基含有モノマー等が挙げられる。
上記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。このうち、特に物性ばらつきの少なく、加えて湿潤時の接着強度が向上する等の観点から、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記アリル基含有モノマーとしては、例えば、トリアリルオキシエチレン、マレイン酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリルオキシエタン等のアリル基を2個以上有するモノマー、アリルグリシジルエーテル、酢酸アリル等があげられる。このうち、湿潤時の接着強度の観点から、アリルグリシジルエーテルが好ましい。
上記加水分解性シリル基含有モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。このうち、湿潤時の接着強度の観点から、ビニルトリメトキシシランが好ましい。
上記アセトアセチル基含有モノマーとしては、例えば、アセト酢酸ビニルエステル、アセト酢酸アリルエステル、ジアセト酢酸アリルエステル、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチルクロトナート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピルクロトナート、2−シアノアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。このうち、特に物性ばらつきの少なく、加えて湿潤時の接着強度が向上する等の観点から、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記分子構造中にビニル基を2個以上有するモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ヒドロキシル基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート等が挙げられる。このうち、乳化重合時における保護コロイド的作用およびセメントモルタル配合物等との混和性改良の観点から、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましい。
本発明による合成樹脂エマルジョンにおいては、上述の上記モノマー成分以外に、必要に応じて他の成分をさらに用いることができる。このような他の成分としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合開始剤、重合調整剤、補助乳化剤、可塑剤、造膜助剤等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、通常の乳化重合に使用できるものが使用でき、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物;有機過酸化物、アゾ系開始剤、過酸化水素、ブチルパーオキサイド等の過酸化物;および、これらと酸性亜硫酸ナトリウムやL−アスコルビン酸等の還元剤とを組み合わせたレドックス重合開始剤等が挙げられる。これらは、単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。
これらの中でも、皮膜物性や強度増強に悪影響を与えず重合が容易な点で、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムが好ましい。
上記重合調整剤としては、公知のものの中から適宜選択することができる。このような重合調整剤としては、例えば、連鎖移動剤、バッファー等が挙げられる。
上記連鎖移動剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;および、ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ノルマルメルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸オクチル、チオグリセロール等のメルカプタン類等があげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。連鎖移動剤の使用は、重合を安定に行わせるという点では有効であるが、合成樹脂の重合度を低下させるため、得られる皮膜の耐水性の低下やセメントモルタル混和剤として使用した場合には物性ばらつきが大きくなり、加えて接着強度等が低下する傾向がある。このため、連鎖移動剤を使用する場合には、その使用量をできる限り低く抑えることが望ましい。
上記バッファーとしては、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。
上記補助乳化剤としては、乳化重合に用いることができるものとして当業者に公知のものであれば、いずれのものでも使用可能である。したがって、補助乳化剤は、例えば、アニオン性、カチオン性、およびノニオン性の界面活性剤、PVA系樹脂[I]以外の保護コロイド能を有する水溶性高分子、および水溶性オリゴマー等の公知のものの中から、適宜選択することができる。
上記界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアニオン性界面活性剤、および、プルロニック型構造を有するものやポリオキシエチレン型構造を有するもの等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。また、界面活性剤として、構造中にラジカル重合性不飽和結合を有する反応性界面活性剤を使用することもできる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。
上記界面活性剤の使用は、乳化重合をスムーズに進行させ、コントロールし易くしたり(乳化剤としての効果)、重合中に発生する粗粒子やブロック状物の発生を抑制する効果がある。ただし、これら界面活性剤を乳化剤として多く使用すると、グラフト率が低下する傾向がある。このため、界面活性剤を使用する場合には、その使用量はPVA系樹脂[I]に対して補助的な量であること、すなわち、できる限り少なくすることが望ましい。
上記PVA系樹脂[I]以外の保護コロイド能を有する水溶性高分子としては、例えば、PVA系樹脂[I]以外のPVA系樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等が挙げられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。これらは、エマルジョンの増粘やエマルジョンの粒子径を変えて粘性を変化させる点で効果がある。ただし、その使用量によっては皮膜の耐水性を低下させることがあるため、使用する場合には少量で使用することが望ましい。
上記水溶性オリゴマーとしては、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキレングリコール基等の親水性基を有する重合体が好ましく、中でも10〜500程度の重合度を有する重合体または共重合体が好適にあげられる。水溶性オリゴマーの具体例としては、例えば、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体等のアミド系共重合体、メタクリル酸ナトリウム−4−スチレンスルホネート共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ポリ(メタ)アクリル酸塩等が挙げられる。さらに、具体例としては、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アルキレングリコール基等を有するモノマーやラジカル重合性の反応性乳化剤を予め単独または他のモノマーと共重合してなる水溶性オリゴマー等も挙げられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。
これらの中でも、顔料および炭酸カルシウム等のフィラーとの混和安定性の点で、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、メタクリル酸ナトリウム−4−スチレンスルホネート共重合体が好ましい。水溶性オリゴマーは、乳化重合を開始する前に予め重合したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
上記可塑剤としては、アジペート系可塑剤、フタル酸系可塑剤、リン酸系可塑剤等が使用できる。また、沸点が260℃以上の造膜助剤も使用できる。造膜助剤としては、例えば、炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エーテルアルコールおよびエーテル系溶剤、エステルおよびエーテルエステル系溶剤等が挙げられる。
これら他の成分の使用量は、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて適宜選択することができる。
つぎに、本発明で用いられる合成樹脂エマルジョンの製造方法について説明する。
本発明に使用する合成樹脂エマルジョンは、例えば、PVA系樹脂[I]を保護コロイド剤として用い、上述のモノマー成分を乳化重合することによって製造することができる。この重合過程において、保護コロイド剤であるPVA系樹脂[I]により分散安定化されてなるアクリル系樹脂を分散質とする合成樹脂エマルジョンが製造される。
通常、乳化重合は、PVA系樹脂[I]及び前記モノマー成分以外に、重合開始剤、重合調整剤、補助乳化剤等のような前記した他の成分を必要に応じて用いて実施する。また、重合の反応条件は、モノマーの種類、目的等に応じて適宜選択することができる。
乳化重合の方法としては、例えば、反応缶に、水、PVA系樹脂[I]を仕込み、昇温してモノマー成分と重合開始剤を滴下するモノマー滴下式乳化重合法;および、滴下するモノマーを予めPVA系樹脂[I]と水とで分散・乳化させた後、滴下する乳化モノマー滴下式乳化重合法等が挙げられるが、重合工程の管理やコントロール性等の面でモノマー滴下式が有利である。
乳化重合過程をさらに具体的に説明にすると、以下のとおりである。
まず、反応缶に水、PVA系樹脂[I]、必要に応じて補助乳化剤を仕込み、これを昇温(通常65〜90℃)した後、モノマー成分の一部と重合開始剤をこの反応缶に添加して、初期重合を実施する。次いで、残りのモノマー成分を、一括または滴下しながら反応缶に添加し、必要に応じてさらに重合開始剤を添加しながら重合を進行させる。重合反応が完了したと判断されたところで、反応缶を冷却し、目的とする合成樹脂エマルジョンを取り出すことができる。
本発明において、乳化重合より得られる合成樹脂エマルジョンは、典型的には、均一な乳白色であって、合成樹脂エマルジョン中の合成樹脂の平均粒子径は、0.2〜2μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5μmである。
なお、ここで、平均粒子径は、慣用の方法、例えばレーザー解析/散乱式粒度分布測定装置「LA−950S2」(株式会社堀場製作所製)により測定することができる。
合成樹脂エマルジョン中の合成樹脂は、ガラス転移温度が−20℃より低いことが必要であり、好ましくは−22℃以下、さらに好ましくは−25℃以下である。また、ガラス転移温度の下限は、通常、−80℃以上であり、−75℃以上であるのが好ましい。ガラス転移温度が高すぎると、ジブチルフタレート等の可塑剤を多く入れて合成樹脂エマルジョンの造膜温度を低下させることになり、この結果、特に湿潤時の接着強度等が低下する傾向がある。
本発明における合成樹脂のガラス転移温度は、合成樹脂を構成する各共重合成分からなるホモポリマーのガラス転移温度をFoxの式により算出して求められる値であり、合成樹脂を構成する各共重合成分の重量比を適宜調整することによって、調整することができる。なお、官能基含有モノマーを併用する場合においては、かかる官能基含有モノマーを除いた主要モノマー成分に基づきFoxの式により計算されることもある。
さらに、本発明においては、PVA系樹脂[I]の少なくとも一部が、前記合成樹脂にグラフトしていることが、得られる乾燥前の合成樹脂エマルジョン自体の貯蔵安定性や接着強度測定における測定値のばらつきが少なくなること等の点で好ましい。
PVA系樹脂[I]が前記合成樹脂にグラフトした場合に、下記式(2)で表される値(W)が50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは65重量%以上であり、さらに好ましくは70重量%以上である。なお、上限としては、通常、95重量%、好ましくは85重量%、さらに好ましくは80重量%である。かかる値は、グラフト化程度の目安になるものであり、この値が低すぎると、グラフト化の程度が低く、乳化重合時の保護コロイド作用が低下し、重合安定性が低下する等の傾向がある。
式(2)の値(W)は、以下のようにして算出される。
すなわち、対象となるエマルジョン等を室温乾燥して皮膜を作製し、その皮膜を沸騰水中およびアセトン中でそれぞれ8時間抽出して、グラフト化していない樹脂等を除去する。この場合の、抽出前の皮膜絶乾重量をw(g)、抽出後の皮膜絶乾重量をw(g)とし、下記の式(2)より求める。
W(重量%)=(w)/(w)×100 …(2)
上記式(2)の値(W)を50重量%以上に調整する方法としては、乳化重合温度を従来よりもやや高くしたり、重合用触媒として使用する過硫酸塩などに極微量の還元剤(例えば、酸性亜硫酸ナトリウム等)を併用したりする方法等が挙げられる。
本発明においては、乳化重合後の合成樹脂エマルジョンに、必要に応じて各種添加剤をさらに加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、有機顔料、無機顔料、水溶性添加剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等が挙げられる。
このようにして、本発明で用いられる合成樹脂エマルジョンが得られ、その使用に際しては、不揮発分として通常40〜60重量%に調整することが好ましい。
上記で得られた合成樹脂エマルジョンを乾燥することにより、本発明に係る再乳化性合成樹脂粉末(A)が得られる。以下、この再乳化性合成樹脂粉末(A)の製造について説明する。
合成樹脂エマルジョンの乾燥方法は、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、凝析後の温風乾燥等があげられる。これらの中でも、生産コスト、省エネルギーの観点から噴霧乾燥することが好ましい。
噴霧乾燥の場合、その噴霧形式は、例えばディスク式、ノズル式等の形式により実施することができる。噴霧乾燥の熱源としては、例えば、熱風、加熱水蒸気等があげられる。噴霧乾燥の条件としては、噴霧乾燥機の大きさ、種類、合成樹脂エマルジョンの不揮発分、粘度、流量等に応じて適宜選択することができる。噴霧乾燥の温度は、通常は、80〜180℃が好ましく、より好ましくは120〜160℃である。乾燥温度が低すぎると乾燥に時間を要し、生産的に問題が生じる傾向があり、高すぎると熱による樹脂自体の変質が起こり易くなる傾向がある。
噴霧乾燥処理をさらに具体例を挙げて説明すると、まず、合成樹脂エマルジョン中の不揮発分を調整し、これを噴霧乾燥機のノズルより連続的に供給し、霧状にしたものを温風により乾燥させて粉末化させる。場合により、調整した噴霧液を噴霧に際して予め加温してノズルより連続的に供給し、霧状にしたものを温風により乾燥させて粉末化させることも可能である。加温することで乾燥スピードが速くなり、かつ噴霧液の粘度低下に伴い噴霧液の高不揮発分化が可能で、生産コストの低減にも寄与する。
また、再乳化性合成樹脂粉末(A)の水への再乳化性をより向上させるために、水溶性添加剤を配合することができる。通常、水溶性添加剤は、乾燥前の合成樹脂エマルジョンに配合する。この配合量は、乾燥前の合成樹脂エマルジョンの不揮発分100重量部に対して、2〜50重量部である。配合量が少なすぎると、水への再乳化性の向上が充分に図れない傾向があり、多すぎると、水への再乳化性の向上には大いに役立つが皮膜の耐水性が低下し、期待する物性が発揮できなくなる傾向がある。
上記水溶性添加剤としては、例えば、PVA系樹脂類、ヒドロキシエチルセルロース類、メチルセルロース類、ポリビニルピロリドン、でんぷん類、デキストリン類、水溶性アルキッド樹脂、水溶性アミノ樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリカルボン酸樹脂、水溶性ポリアミド樹脂等の水溶性樹脂があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらの中でも、PVA系樹脂類が好ましい。
上記PVA系樹脂類としては、平均ケン化度85モル%以上のPVAが望ましく、特には87モル%以上のPVAであることが好ましい。また、平均ケン化度の上限値としては、99.5モル%以下であることが好ましく、95モル%以下であることがより好ましい。平均ケン化度が小さすぎると、皮膜の耐水性が著しく低下する傾向があり、大きすぎると、耐水性が良くなるが、水への再乳化性が低下する傾向がある。
また、この平均重合度は、50〜3000であることが好ましく、200〜2000であることがより好ましく、300〜600であることがさらに好ましい。平均重合度が小さすぎると、耐水性が低下する傾向があり、大きすぎると、再乳化性が低下する傾向がある。
水への溶解性が容易でないものは、再乳化性に悪影響を与える場合があるので、事前に水への溶解性を確認した上で使用することが望ましい。
かくして、本発明の再乳化性合成樹脂粉末(A)が得られる。
〔無機微粒子(B)〕
本発明のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物は、上記再乳化性合成樹脂粉末(A)、および2種以上の無機微粒子(B)を含有するものである。
2種以上の無機微粒子(B)のうち少なくとも1種の無機微粒子(B)は珪素を含有する。珪素を含有する無機微粒子(B)としては、コロイダルシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、石英などのシリカ(珪素を例えば47重量%含有)、タルク〔MgSiO10(OH)〕(珪素を30重量%含有)、無水珪酸(珪素を47重量%含有)、珪酸アルミニウム(珪素を18重量%含有)、モンモリロナイト〔(Na,Ca)0.33(Al,Mg)SiO10(OH)・nHO〕を主成分とする粘土(ベントナイト)、カオリナイト〔AlSiO(OH)〕(珪素を36重量%含有)、モンモリロナイト〔(Na,Ca)0.33(Al,Mg)SiO10(OH)・nHO〕を主成分とする粘土(ベントナイト)、アルミノシリケート、マグネシウムヒドロシリケート、珪藻土、雲母、クレー、白亜〔炭酸カルシウム(CaCO、方解石または霰石)を50重量%以上含む〕などが挙げられる。なお、本発明において無機微粒子(B)中の珪素分は、無機微粒子(B)が分子式で示せるものについては分子式より算出したものであり、分子式で示せないものについては蛍光X線分析法により求めたものである。
また、珪素を全くもしくは殆ど含有しない無機微粒子(B)を用いることができ、かかる無機微粒子(B)としては、例えば、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ドロマイト、硫酸バリウム、アルミナホワイト、酸化チタン、炭酸マグネシウム、カルサイト(炭酸カルシウムの結晶体)、水和アルミナ(AlOHO)、無水石膏(CaSO)、焼石膏(半水石膏CaSO・1/2HO)、二水石膏(CaSO・2HO)などの石膏、スルホアルミン酸カルシウム(3CaO・AlO・3CaSO)などが挙げられる。
これらの無機微粒子(B)のうち、タルク、シリカ、カオリナイト、珪酸アルミニウム、ドロマイトが好ましく、特にはドロマイトを含むことが好ましい。本発明においては、2種以上の無機微粒子(B)のうち少なくとも1種の無機微粒子(B)に珪素が含有されていればよく、珪素を含有する無機微粒子(B)同士の組合せ(例えば、タルクとカオリナイトの併用)、珪素を含有する無機微粒子(B)と珪素を含有しない無機微粒子(B)との組合せ(例えば、タルクとドロマイトの併用)が挙げられる。
本発明においては、2種以上の無機微粒子(B)全量に対する珪素分が0.1〜40重量%であることが必要であり、1〜35重量%が好ましく、5〜30重量%が特に好ましい。珪素分が多すぎると、モルタルの流動性、曲げ強度が低下する傾向があり、少なすぎると、再乳化性合成樹脂粉末(A)のブロッキングの防止効果や硬化後のモルタル強度が低下する傾向がある。なお、本発明において2種以上の無機微粒子(B)全量に対する珪素分は、上述の方法により求められた各無機微粒子(B)の珪素分に各無機微粒子の存在比率を乗じた値を合計した値である。
本発明においては、2種以上の無機微粒子(B)の全含有量が、再乳化性合成樹脂粉末(A)100重量部に対して7〜40重量部であることが必要であり、10〜39重量部が好ましく、15〜38重量部が特に好ましい。全含有量が多すぎると、硬化後のモルタル伸度が低下する傾向があり、少なすぎると、耐ブロッキング性能が低下し、製品貯蔵時に再乳化性合成樹脂粉末(A)のブロッキングが発生したり、噴霧乾燥時に製造設備への付着が発生する傾向がある。
再乳化性合成樹脂粉末(A)と混合する前における2種以上の無機微粒子(B)の平均粒子径は、無機微粒子(B)が珪素を含有するか否かに関わらず、好ましくは0.01〜500μm、特に好ましくは0.05〜300μm、更に好ましくは0.1〜200μmである。平均粒子径が大きすぎると、モルタルの流動性、緻密性、曲げ強度、圧縮強度が低下する傾向があり、小さすぎると、ブロッキングの防止効果が低下する傾向がある。
また、本発明のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物における2種以上の無機微粒子(B)の平均粒子径、すなわち再乳化性合成樹脂粉末(A)と混合した後の2種以上の無機微粒子(B)の平均粒子径は、好ましくは0.01〜500μm、特に好ましくは0.05〜300μm、更に好ましくは0.1〜200μmである。平均粒子径が大きすぎると、モルタルの流動性、緻密性、曲げ強度、圧縮強度が低下する傾向があり、小さすぎると、ブロッキングの防止効果が低下する傾向がある。
なお、平均粒子径は、例えば、レーザー解析/散乱式粒度分布測定装置「LA−950S2 乾式測定ユニット装備」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定することができる。
〔ポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物〕
本発明のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物は、上記再乳化性合成樹脂粉末(A)と、2種以上の無機微粒子(B)とを含有し、例えば、下記の方法により製造することができる。
ポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物の製造方法としては、
(1)合成樹脂エマルジョンに無機微粒子(B)を予め混合してから噴霧乾燥する方法、
(2)合成樹脂エマルジョンの噴霧乾燥時に、無機微粒子(B)を合成樹脂エマルジョンと別のノズルから噴霧して粉体化する方法、
(3)再乳化性合成樹脂粉末(A)にナウターミキサー等を用いて無機微粒子(B)を混合する方法、等が挙げられる。
また、これらの方法を組み合わせることもでき、例えば、方法(2)と(3)を組み合わせて、まず無機微粒子(B)の一部を方法(2)で添加し、次いで、方法(3)で無機微粒子(B)の残りを混合することもできる。
これらの中でも、方法(2)と(3)を組み合わせて、まず無機微粒子(B)の一部を方法(2)で添加し、次いで、方法(3)で無機微粒子(B)の残りを混合する方法が、無機微粒子(B)の配合効果を充分に得られる点で好ましい。
本発明のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物には、上記再乳化性合成樹脂粉末(A)および2種以上の無機微粒子(B)の他に、減水剤、分散剤、モルタル流動化促進剤、撥水剤、酸化防止剤、防錆剤等を含有させてもよい。
〔ポリマーセメント組成物・ポリマーセメントモルタル〕
かくして得られるポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物は、セメントと配合してポリマーセメント組成物として使用することができ、更に水や砂・砂利を配合することにより、モルタルやコンクリートとして使用することができる。
上記セメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、アルミナセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等があげられ、中でもポルトランドセメントが作業性の点から好適である。
上記セメントの配合量は、再乳化性合成樹脂粉末(A)100重量部に対して3〜500重量部であることが好ましく、更には30〜350重量部であることが好ましい。
モルタルやコンクリートとして使用する際の水の配合量は、ポリマーセメント組成物全量に対して50重量%以下であることが好ましく、更には30重量%以下であることが好ましい。
また、モルタルやコンクリートとして使用する際の砂・砂利の配合量としては、ポリマーセメント組成物全量に対して30〜300重量%であることが好ましく、更には50〜150重量%であることが好ましい。
なお、上記ポリマーセメント組成物には、必要に応じて、セメントの減水剤あるいは流動化剤(例えば、リグニン系、ナフタレン系、メラミン系、カルボン酸系等)、収縮低減剤(例えば、グリコールエーテル系、ポリエーテル系等)、耐寒剤(例えば、塩化カルシウム等)、防水剤(例えば、ステアリン酸等)、防錆剤(例えば、リン酸塩等)、粘度調整剤(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール等)、分散剤(例えば、ポリカルボン酸系、無機リン系等)、消泡剤(例えば、シリコン系、鉱油系等)、防腐剤、補強剤(例えば、鋼繊維、ガラス繊維、合成繊維、炭素繊維等)等を、単独でもしくは2種以上併用することができる。
上記ポリマーセメント組成物は、23℃、回転数10rpmの条件で、B型粘度計で測定した粘度が、5000mPa・s以下であることが好ましく、特に好ましくは50〜4500mPa・s、さらに好ましくは100〜4000mPa・sである。粘度が低すぎると、無機粉体が沈降して塗膜の均一性が損なわれやすい傾向があり、粘度が高すぎると、塗工時の作業性が低下する傾向がある。
なお、ポリマーセメント組成物を用いて、ポリマーセメントモルタルを調製する場合には、一般のモルタルと同様、必須成分、および任意成分を加え、これに適当量の水を加えた上で、混練機等を用いて混練することにより調製することができる。
このようにして得られたポリマーセメント組成物は、セメントモルタルに混和した際に、良好な流動性、作業性を示し、旧モルタル面や樹脂塗面等に対する密着性に優れる。また、物性ばらつきが少なく、加えて接着強度が向上する等の優れた効果を奏する。そして、これらポリマーセメント組成物は、セメントモルタル混和剤として、補修モルタル用、下地調整塗材用、セルフレベリング材、タイル接着モルタル、モルタルシーラー・プライマー、モルタル養生剤、及び石膏系材料等の改質剤として有用であり、さらに、土木・建材用原料、ガラス繊維収束剤、難燃剤用等にも有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
〔実験例1〕
攪拌機と還流冷却器とを備えた2Lサイズのステンレス製反応缶に、800部の水と、保護コロイドとして側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂[Ia](平均ケン化度98.5モル%、平均重合度300、側鎖の1,2−ジオール結合の含有量8モル%/日本合成化学工業株式会社製)60部を仕込み、反応缶を80℃に加熱して、該PVA系樹脂[Ia]を水に溶解させた。次に、この反応缶の温度を80℃に保ち、ここに、予め混合しておいた混合モノマー〔n−ブチルアクリレート(BA)576部/メチルメタクリレート224部(ガラス転移温度:−26℃)〕の60部を添加し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.8gを水30gに溶解した過硫酸アンモニウム水溶液のうちの30%を加えて、初期重合反応を1時間行った。
次いで、残りの混合モノマーと重合開始剤として前記過硫酸アンモニウム水溶液の60%を反応缶に4時間に渡って滴下して重合を進行させた。滴下終了後に前記過硫酸アンモニウム水溶液の残りの10%を加え、同温度で1時間熟成させ、その後、PVA系樹脂(平均ケン化度88.0モル%、平均重合度500/日本合成化学工業株式会社製)の10%水溶液を200部加えて不揮発分46.5%の合成樹脂エマルジョンを得た。
加水して不揮発分を40%に調整したエマルジョンを、下記表1に示す所定量の無機微粒子(B)の存在下において、ノズル式の噴霧乾燥機により140℃の温風下にて噴霧乾燥させて、ポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物(実施例1)を得た。
混合モノマーの組成を、n−ブチルアクリレート(BA)536部/メチルメタクリレート264部(比較例1−1、ガラス転移温度:−20℃)、n−ブチルアクリレート(BA)504部/メチルメタクリレート296部(比較例1−2、ガラス転移温度:−15℃)に、それぞれ変更した以外は実施例1と同様にしてポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物を得た。
なお、表1に示す無機微粒子(B)の含有量は、合成樹脂エマルジョン中の不揮発分(再乳化性合成樹脂粉末(A)に相当)100部に対する重量部を表わす。また、使用した無機微粒子(B)の珪素含有割合は、タルクが30%であり、ドロマイトが0%である。さらに、エマルジョンに配合する前の無機微粒子(B)の平均粒子径は、タルクが約10〜20μmであり、ドロマイトが5μmである。
得られたポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物を用いて、以下の方法により、耐ブロッキング性(AB性)を評価した。
<耐ブロッキング性(AB性)>
ガラス板に、内径45mm、高さ100mmのステンレス製の円筒容器Aを置き、再乳化性合成樹脂粉末組成物50gを入れ、次いで全重量500gになるように調節した外径45mm、高さ80mmのステンレス製の底付き円筒容器Bを容器A内にのせる。これを温度40℃、湿度60%に調整した恒温恒湿器内に水平になるように置き16時間静置する。次いで恒温恒湿器より取り出し、室温で2時間放冷してから容器A、Bを静かにぬき取り、再乳化性合成樹脂粉末組成物の固まり状態を調べた。評価基準は以下のとおりであり、結果は下記の表1に示す。
(評価)
5点および4点をA評価、3点をB評価、2点および1点をC評価とした。
5点:筒を抜き取るときに再乳化性合成樹脂粉末組成物が筒の中に残らず全くブロッキングしていないもの。あるいは、筒を抜き取るときに再乳化性合成樹脂粉末組成物が筒の中に残らないが、再乳化性合成樹脂粉末組成物の中に手で容易に崩れる凝集物がある。
4点:筒を抜き取るときに再乳化性合成樹脂粉末組成物が筒の中に残っているが、再乳化性合成樹脂粉末組成物を筒の中から出すときに崩れて粉末状になる。
3点:筒を抜き取るときに再乳化性合成樹脂粉末組成物が筒の中に残り、筒の中から出した再乳化性合成樹脂粉末組成物は円柱の形状を有しているが、再乳化性合成樹脂粉末組成物の上部をつかみ、持ち上げようとすると崩れる。
2点:筒を抜き取るときに再乳化性合成樹脂粉末組成物が筒の中に残り、筒の中から出した再乳化性合成樹脂粉末組成物は固化しており、手で砕けて粉末状になるものと手で砕くことができないものがある。
1点:筒を抜き取るときに再乳化性合成樹脂粉末組成物が筒の中に残り、筒の中から出した再乳化性合成樹脂粉末組成物は固化しており、手で砕くことができない。
<塗膜強度、塗膜伸度>
得られたポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物を用いて、以下の方法により、塗膜強度、塗膜伸度を評価した。
再乳化性合成樹脂粉末組成物100部、普通ポルトランドセメント85部、豊浦硅砂45部、および、練り混ぜ水170部を混合し、ホバートミキサーで3分間攪拌することによりセメントモルタルを作製した。
上記セメントモルタルを、幅25cm×奥行き25cm×厚み2mmの型枠に流し込み、温度20℃±2℃、湿度65%±10%で養生を行った。材齢7日の塗膜を2号ダンベルの形に打ち抜いた。引張試験機で、チャック間距離60mmでダンベルを挟み、200mm/minのスピードで引っ張り試験を行い、最大引張荷重と破断時の標線間距離から塗膜強度および塗膜伸度を算出した。
算出方法は以下の(3)および(4)式による。
TB=PB/A ・・・・(3)
TB:塗膜強度(N/mm)、PB:最大引張荷重(N)、A:断面積(mm
E=〔(L−20)/20〕×100・・・・(4)
E:塗膜伸度(%)、L:破断時の標線間距離
(評価)
<塗膜強度>
A:4N/mm以上
B:3N/mm以上4N/mm未満
C:3N/mm未満
<塗膜伸度>
A:15%以上
B:10%以上15%未満
C:10%未満
Figure 2014015385
表1に示すように、本発明に係る実施例1のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物は、耐ブロッキング性、塗膜強度、塗膜伸度についての評価がいずれもAまたはBであり、優れていることがわかる。
一方、合成樹脂エマルジョンにおける合成樹脂のガラス転移温度(Tg)が−20℃以上である比較例1−1および1−2においては、塗膜伸度がC評価であり、実施例1よりも劣ることがわかる。
〔実験例2〜15〕
上記実施例1で用いた再乳化性合成樹脂粉末(A)の製造において、混合モノマーの組成をn−ブチルアクリレート(BA)550部/メチルメタクリレート250部(ガラス転移温度:−22℃)に変更し、使用する無機微粒子(B)を下記各表に示す所定量の無機微粒子(B)に変更した以外は実施例1と同様にしてポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物を得た。
なお、各表に示す無機微粒子(B)の含有量は、合成樹脂エマルジョン中の不揮発分(再乳化性合成樹脂粉末(A)に相当)100部に対する重量部を表わす。また、使用した無機微粒子(B)の珪素含有割合は、タルクが30%、カオリナイトが36%、シリカが48%、珪酸アルミニウムが18%であり、ドロマイト、カルサイトおよびマグネサイトはいずれも0%である。さらに、エマルジョンに配合する前の無機微粒子(B)の平均粒子径は、カオリナイトおよびドロマイトがいずれも5μmであり、その他の無機微粒子は約10〜20μmである。
得られたポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物を用いて、実験例1と同様に、耐ブロッキング性(AB性)、塗膜強度、塗膜伸度をそれぞれ評価した。さらに、一部の実験例について以下の方法により、セメントモルタルの流動性を評価した。各評価結果を下記の各表に示す。
<セメントモルタルの流動性>
実験例2〜5、12、13について、得られたポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物を用いて、JIS R 5201に準じてセメントモルタル流動性試験を行った。
まず、再乳化性合成樹脂粉末組成物50g、普通ポルトランドセメント500g、豊浦硅砂1500g、および、練り混ぜ水340gを混合し、ホバートミキサーで3分間攪拌することによりセメントモルタルを作製した。
セメントモルタルの流動性は、フローテーブルの上に設置した底辺直径100mmのフローコーンに、上記セメントモルタルを詰め込み、フローコーンを抜き取った後、12mmの落下衝撃を15回与えてモルタルセメントの広がり直径を測定した。評価基準は以下のとおりである。
(評価)
A:170mm以上
B:150mm以上170mm未満
C:150mm未満
Figure 2014015385
Figure 2014015385
Figure 2014015385
Figure 2014015385
Figure 2014015385
Figure 2014015385
Figure 2014015385
Figure 2014015385
各表に示すように、再乳化性合成樹脂粉末(A)が、ガラス転移温度が−20℃より低い合成樹脂を含み、2種以上の無機微粒子(B)全量に対する珪素分が0.1〜40%であり、かつ、2種以上の無機微粒子(B)の全含有量が再乳化性合成樹脂粉末(A)100部に対して7〜40部である実施例においては、耐ブロッキング性、塗膜強度、塗膜伸度、セメントモルタルの流動性についての評価が、いずれもAまたはBであり、優れていることがわかる。
一方、無機微粒子(B)全量に対する珪素分が0.1〜40%の範囲外であるか、無機微粒子(B)が1種のみであるか、または無機微粒子(B)の全含有量が再乳化性合成樹脂粉末(A)100部に対して7〜40部の範囲外である比較例においては、耐ブロッキング性、塗膜強度、塗膜伸度、セメントモルタルの流動性のいずれかの評価においてC評価が含まれており、実施例よりも劣ることがわかる。
本発明のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物は、再乳化性合成樹脂粉末の耐ブロッキング性と、セメント混和後の強度・伸度・流動性とにバランスよく優れており、セメントモルタル用途として、補修モルタル用、下地調整塗材用、セルフレベリング材、タイル接着モルタル、モルタルシーラー・プライマー、モルタル養生剤、及び石膏系材料等の改質剤として非常に有用である。

Claims (4)

  1. 再乳化性合成樹脂粉末(A)、および2種以上の無機微粒子(B)を含有するポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物であり、
    再乳化性合成樹脂粉末(A)が、ガラス転移温度が−20℃より低い合成樹脂を含み、
    2種以上の無機微粒子(B)の全含有量が、再乳化性合成樹脂粉末(A)100重量部に対して7〜40重量部であり、
    かつ、2種以上の無機微粒子(B)のうち少なくとも1種の無機微粒子(B)が珪素を含有しており、2種以上の無機微粒子(B)全量に対する珪素分が0.1〜40重量%であることを特徴とするポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物。
  2. 再乳化性合成樹脂粉末(A)が、ポリビニルアルコール系樹脂により合成樹脂が分散安定化されてなるエマルジョンを乾燥して得られたものであることを特徴とする請求項1に記載のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物。
  3. 2種以上の無機微粒子(B)が、ドロマイトを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載のポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物を用いてなることを特徴とするポリマーセメントモルタル。
JP2013122421A 2012-06-15 2013-06-11 ポリマーセメント用再乳化性合成樹脂粉末組成物、およびそれを用いてなるポリマーセメントモルタル Pending JP2014015385A (ja)

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