JP2005120302A - 木材用接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホルムアルデヒドを放散せず、高接着強度、優れた耐久性、耐水性および耐熱水接着性を有し、しかも可使時間が長いために作業性が著しく改善された接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)多糖類を保護コロイドとした合成樹脂エマルジョン、(B)ポリビニルアルコール、(C)無機顔料および(D)イソシアネート基を有する化合物を含有してなる接着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は接着剤組成物に関し、詳しくは、ホルムアルデヒドを放散せず、高接着強度、優れた耐久性、耐水性および耐熱水接着性を有し、しかも可使時間が長いために作業性が著しく改善された接着剤組成物に関するものである。
従来合板の市場では、接着剤としてメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化型接着剤が主として用いられている。しかし近年、ホルムアルデヒドの室内汚染による健康障害、すなわちシックハウス症候群の問題がクローズアップされるにつれ、これら熱硬化型樹脂も低ホルムアルデヒド放散型のものが開発されてはいるものの、ホルムアルデヒド放散量をゼロにすることは事実上不可能である。
一方、ホルムアルデヒドを含有しない接着剤としては、酢酸ビニル樹脂エマルジョンやエチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンが一部使用されているが、これらの接着剤では耐水性、耐熱水接着性が極めて不十分なものであり、例えば構造用接着剤のように高度な接着性が要求される用途では実用に耐えない。
そこで、ホルムアルデヒドを含有しない耐水性接着剤として、水性エマルジョン、水性高分子、イソシアネート系化合物を配合してなる接着剤、いわゆる水性高分子−イソシアネート系接着剤が広く使用されるようになってきたが、その性能は必ずしも十分とはいえず、また、イソシアネート化合物配合後の糊液の発泡や経時増粘、可使時間が短いといった作業性の問題があり、その改善が望まれている。
その為、高度な接着性が要求される構造用接着剤としては、レゾルシノール樹脂、レゾルシノール−フェノール共重合樹脂、水性高分子−イソシアネート系接着剤が使用されているものの、接着強度および作業性を十分に満足できるものは未だ開発されていないのが現状である。
しかもこういった問題点は単に合板や木材用の接着剤に止まらず、化粧合板、繊維ボードその他種々の接着剤においても指摘されており、早急な解決が望まれていた。
従って本発明の目的は、ホルムアルデヒドを放散せず、高接着強度、優れた耐久性、耐水性および耐熱水接着性を有し、しかも可使時間が長いために作業性が著しく改善された接着剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の合成樹脂エマルジョンとポリビニルアルコールと無機顔料とイソシアネート基含有化合物を配合したときに初めて上記課題を解決し得ることを見出して本発明を完成した。
請求項1の発明は、(A)多糖類を保護コロイドとした合成樹脂エマルジョン、(B)ポリビニルアルコール、(C)無機顔料および(D)イソシアネート基を有する化合物を含有してなる接着剤組成物である。
請求項2の発明は、前記合成樹脂エマルジョンの保護コロイドとしての多糖類が、合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、0.1 〜20重量部の範囲である請求項1に記載の接着剤組成物である。
請求項3の発明は、前記合成樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)が−10℃から50℃である請求項1に記載の接着剤組成物である。
請求項4の発明は、前記合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、(B)ポリビニルアルコールの固形分が2〜300重量部の割合である請求項1に記載の接着剤組成物である。
請求項5の発明は、前記合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、(C)無機顔料が50〜300重量部の割合である請求項1に記載の接着剤組成物である。
請求項6の発明は、(A)合成樹脂エマルジョンと(B)ポリビニルアルコール両方の固形分の100重量部に対し、(D)イソシアネート基を有する化合物の固形分が2〜100重量部の割合である請求項1に記載の接着剤組成物である。
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の接着剤組成物からなる、木材用接着剤組成物である。
本発明によれば、ホルムアルデヒドを放散せず、高接着強度、優れた耐久性、耐水性および耐熱水接着性を有し、しかも可使時間が長いために作業性が著しく改善された接着剤組成物が提供される。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
(A)合成樹脂エマルジョン
本発明の木材用接着剤組成物に使用する(A)合成樹脂エマルジョンは、多糖類を保護コロイドとして用い、ラジカル重合性不飽和単量体を乳化重合することによって得ることができる。合成樹脂エマルジョンを調整するにあたって使用される前記多糖類としては、アラビアゴム、ガッティゴム、トラガカントガム、ダムソンゴム、サクラゴム、セイヨウスモモゴム、グアーガムなどが挙げられる。これらの多糖類は、保護コロイドとしての役割を果たすことができる。多糖類を保護コロイドとして用いた場合にのみ、通常の乳化重合で使用されるアニオン性、カチオン性、両性、および非イオン性界面活性剤や、各種ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースなどの多糖類以外の水溶性高分子を用いたものに比べて、以下に説明する(B)ポリビニルアルコール、(C)無機顔料および(D)イソシアネート基を有する化合物と組み合わせてなる接着剤組成物の可使時間を飛躍的に長くすることが可能となる。
(A)合成樹脂エマルジョンを乳化重合して得る際に、保護コロイドとして用いる多糖類の配合量は、合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部である。多糖類の配合量が、0.1重量部以上であることにより、得られた(A)合成樹脂エマルジョンの安定性が高まり、凝集、ゲル化を防止することができ、20重量部以下であることにより、最終的に得られる接着剤の耐水性をさらに高めることができる。
また、可使時間や接着性能に支障がない範囲で、保護コロイドとして、各種ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースなどを多糖類と併用して用いることも可能である。
さらに、本発明における(A)合成樹脂エマルジョンのガラス転移温度は、−10℃〜50℃の範囲が好ましい。ガラス転移温度が−10℃より高いことにより、最終的に得られた接着剤の接着強度をさらに高めることができ、耐水性も高めることができる。またガラス転移温度が50℃以下であることにより、接着剤の造膜性が良好となり、接着強度および耐水性をさらに高めることができる。
本発明における(A)合成樹脂エマルジョンは、多糖類を保護コロイドとして重合可能な、酢酸ビニル重合体エマルジョン、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン、酢酸ビニル−不飽和酸共重合体エマルジョン、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−イソプレン共重合体ラテックス、などが挙げられる。
本発明の接着剤組成物において、(A)合成樹脂エマルジョンは通常の乳化重合法に従って製造することができる。重合に際しては、通常一般に用いられている重合開始剤が使用される。具体例としては、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性無機過酸化物または過硫酸塩、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾ化合物が挙げられる。重合開始剤の使用量は、合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して0.1〜2.0重量部が好ましい。また、上記重合開始剤は、酒石酸、蟻酸、シュウ酸、酸性亜硫酸ソーダなどの還元剤と併用することも通常行われる。また合成樹脂エマルジョンを合成するために使用されるラジカル重合性不飽和単量体は、これを一括もしくは分割して、あるいは連続的に滴下して反応に供することができる。重合温度は、通常の60〜90℃で行うことができる。
また一般に乳化重合に際して用いられることのある分子量調整剤を併用することも当然可能であり、あるいは合成樹脂エマルジョンの場合多用される造膜助剤その他の添加剤も必要に応じて添加することができる。
(B)ポリビニルアルコール
本発明の接着剤組成物に使用する(B)ポリビニルアルコールは、通常の完全ケン化物または部分ケン化物のいずれも使用することができ、またメルカプト基変性品、アセトアセチル基変性品のような変性ポリビニルアルコールも同様に使用することができる。
接着剤組成物
本発明の木材用接着剤組成物において、(A)合成樹脂エマルジョンと(B)ポリビニルアルコールの混合物をもって主剤とし、その配合は、前記(A)合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、前記(B)ポリビニルアルコールの固形分が2〜300重量部、より好ましくは5〜200重量部の範囲となるように配合するのがよい。(B)ポリビニルアルコールが2重量部以上であることにより、以下に説明する(D)イソシアネート基を有する化合物を添加した後の、最終的に得られた接着剤組成物の粘度上昇を抑制することができ好ましい。また、(B)ポリビニルアルコールが300重量部以下であることにより、最終的に得られた接着剤組成物の耐水性をさらに高めることができる。
(C)無機顔料
本発明の接着剤組成物に使用する無機顔料は、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、酸化チタン等が挙げられ、その添加量は(A)合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、(C)無機顔料が50〜300重量部の割合であるのがよい。無機顔料の添加量が50重量部以上であることにより、接着剤の凝集力を高め充分な接着強度を提供することができる。また無機顔料の添加量が300重量部以下であることにより、接着剤の造膜性、接着強度および耐水性を一層高めることができる。
本発明において(C)無機顔料は、二種類以上を併用してもよく、また、小麦粉、澱粉、木粉等の有機を併用してもよい。
(D)イソシアネート基を有する化合物
本発明の木材用接着剤組成物に使用する(D)イソシアネート基を有する化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有しているものであれば特に制限はなく、例としては、ヘキサメチレンジイソシアネートのような脂肪族イソシアネート、m−およびp−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−および−2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチル−ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネートのような芳香族イソシアネート、およびシクロヘキサン−2,4−および−2,3−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのような脂環族イソシアネートなどが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。また過剰のジイソシアネートまたは多官能ポリイソシアネートとヒドロキシル末端ポリエステルまたはヒドロキシル末端ポリエーテルとの反応により生成されたイソシアネート末端プレポリマー、並びに過剰のジイソシアネートまたは多官能ポリイソシアネートとエチレングリコール、トリメチロールプロパンまたは1,3−ブタンジオールのような単量体ポリオールまたはその混合物との反応により得られる生成物も使用可能である。
(D)イソシアネート基を有する化合物の配合量は、使用する目的により任意に決定すればよいが、好ましくは(A)合成樹脂エマルジョンと(B)ポリビニルアルコールとの固形分100重量部に対し、固形分で2〜100重量部の範囲となるように配合するのがよい。(D)イソシアネート基を有する化合物の配合量が2重量部以上であることにより、十分な接着力を提供することができ好ましい。また、(D)イソシアネート基を有する化合物の配合量が100重量部以下であることにより、配合後の可使時間をさらに長くすることができるとともに、粘度上昇も抑制することができる。
さらに、本発明の接着剤組成物には、必要に応じて防腐剤、防錆剤などの各種添加剤を適宜添加することができる。また、必要に応じて物性が低下しない範囲で一般的なSBRラテックス、NBRラテックス、アクリルエマルジョン、スチレン−アクリルエマルジョン、EVAエマルジョン、EVAアクリルエマルジョンを添加してもよい。
また、本発明の接着剤組成物を使用する場合の塗布方法あるいは接着方法などについては、特に制約はなく、従来行われてきたようなものであれば、いかなる方法によっても行うことができる。例えば、木材などの接着面に接着剤組成物を刷毛塗り等で塗布し、接着面を貼り合わせて圧力を加えて固定する圧締法などに使用することができる。また、本発明の接着剤組成物の乾燥方法は加熱圧締法、常温圧締法のいずれの方法でも十分な接着強度を得ることができる。
本発明の接着剤組成物は、優れた耐久性、耐水性および耐熱水接着力を提供することができ、イソシアネート基を有する化合物を添加した後も粘度の上昇が少なく、発泡もほとんどなく、且つ可使時間を著しく長くして作業性を改善したものである。すなわち、本発明の接着剤組成物は、既に記述したようにきわめて大きな利点と特長を有している。特に可使時間が長いこと、加熱硬化にとどまらず常温硬化が可能なこと、優れた強度や作業性、ホルムアルデヒドを含有しないこと、広葉樹さらにはヤニ分の多い針葉樹等の接着も可能であることなどから、集成材、合板、化粧合板、繊維ボード、など、幅広い用途の木材用接着剤として有用である。
以下、本発明を実施例および比較例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」および「%」は特に断りのない限り、重量基準を示すものとする。
実施例1
(A)合成樹脂エマルジョンの合成
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを備えた1リットルセパラブルフラスコに、アラビアゴムの20%水溶液250部とイオン交換水200部を仕込み、窒素ガスを送入しつつ、反応容器内を80℃に昇温した。その後、メタアクリル酸メチル225部とアクリル酸ブチル225部との単量体混合液を4時間かけて滴下した。また、過硫酸アンモニウム2部にイオン交換水を加え、全量を50gとした水溶液を、上記単量体混合液と同時に滴下し、乳化重合を行った。なお、このときフラスコの内温が80〜85℃になるよう外温をコントロールした。滴下終了後、80〜85℃で1時間保持した後、30℃以下に冷却しエマルジョンを得た。得られた水性エマルジョンの不揮発分(105℃−1時間乾燥)は49.5%、粘度(BH型粘度計、No.ローター、10rpm、23℃)は9,000mPa・sであった。ガラス転移温度(Tg)は、26℃であった。
上記で得られた合成樹脂エマルジョンの固形分100部に対しポリビニルアルコールPVA117(クラレ製、完全ケン化)の15%水溶液を固形分が100部となるように混合して配合エマルジョンとし、この配合エマルジョン100部に炭酸カルシウム60部を加えて混合したものを主剤とした。主剤100部に対しイソシアネート基を有する化合物、ミリオネートMR−100(日本ポリウレタン製、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート)を10部添加し、十分混合して実施例1の接着剤組成物として性能評価を行った。
実施例2
実施例1の合成樹脂エマルジョンの合成において、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル25部、メタアクリル酸メチル255部およびアクリル酸ブチル170部の単量体混合液を用いた以外は、実施例1と全く同様に合成して合成樹脂エマルジョンを得た。得られた(アクリル系)合成樹脂エマルジョンの不揮発分(105℃―1時間乾燥)は49.5%、粘度(BH型粘度計、No.ローター、10rpm、23℃)15,000mPa・sであった。ガラス転移温度(Tg)は、38℃であった。
上記合成樹脂エマルジョンを使用したこと以外はすべて実施例1に準拠して実施し、実施例2の接着剤組成物として性能評価を行った。
実施例3
上記実施例1の合成樹脂エマルジョンの固形分100部に対しポリビニルアルコールPVA117(クラレ製、完全ケン化)の15%水溶液を固形分が30部となるように混合して配合エマルジョンとした以外は、すべて実施例1に準拠して実施し、実施例3の接着剤組成物として性能評価を行った。
実施例4
上記実施例1の合成樹脂エマルジョンの固形分100部に対しポリビニルアルコールPVA217(クラレ製、部分ケン化)の15%水溶液を固形分が100部となるように混合して配合エマルジョンとした以外は、実施例1に準拠して実施し、実施例4の接着剤組成物として性能評価を行った。
比較例1
上記実施例1の合成樹脂エマルジョンのみを使用して配合エマルジョンとした以外は、実施例1に準拠して実施し、比較例1の接着剤組成物として性能評価を行った。
比較例2
上記実施例1の炭酸カルシウムを加えず配合エマルジョンとした以外は、すべて実施例1に準拠して実施し、比較例2の接着剤組成物として性能評価を行った。
比較例3
上記実施例1のポリビニルアルコールを加えず配合エマルジョンとした以外は、すべて実施例1に準拠して実施し、比較例3の接着剤組成物として性能評価を行った。
比較例4
上記実施例1の合成樹脂エマルジョンの合成において、アラビアゴムの20%水溶液の代わりに、ポリビニルアルコールPVA M−205(クラレ製、メルカプト基変性)の20%水溶液を用いて合成した以外は、実施例1と全く同様に合成して合成樹脂エマルジョンを得た。得られた合成樹脂エマルジョンの固形分濃度(105℃−1時間乾燥)は49.2%、粘度(BH型粘度計、No.ローター、10rpm、23℃)は11,000mPa・sであった。ガラス転移温度(Tg)は、26℃であった。
上記合成樹脂エマルジョンを使用したこと以外はすべて実施例1に準拠して実施し、比較例4の接着剤組成物として性能評価を行った。
比較例5
上記実施例1の主剤を比較例5の接着剤組成物として性能評価を行った。
ブロック圧縮剪断試験
実施例および比較例で得られた接着剤を用いて試験片を作製し、接着性能を測定した。測定方法と測定条件を以下に記す。また、測定結果を表1に示す。
(1)接着条件
基材:カバ柾目板、含水率11%
塗布量:250g/m(両面塗布)
圧締:常温 10kg/cm−30分。
(2)試験方法
JIS K−6852による圧縮剪断試験
(3)測定方法
常態接着強度:20℃、65%RH下の標準状態で測定
煮沸繰り返し接着強度:煮沸水中に4時間浸漬した後、60℃で20時間乾燥し、続いて煮沸水中で4時間浸漬し、さらに室温に放置した水中に浸漬し、冷却してから測定
Figure 2005120302
合板による接着試験
実施例および比較例で得られた接着剤を用いて針葉樹単板を接着し、合板の引張り剪断強度を測定した。測定方法と測定条件を以下に記す。また、測定結果を表2に示す。
(1)接着条件
基材:カラマツ単板(厚さ2/3/2/3/2mm クロス貼り5ply)、含水率8%
塗布量:250g/m(片面塗布)
圧締:常温 8kg/cm−30分。
(2)試験方法
JASによる引張りせん断試験
(3)測定方法
常態接着強度:20℃、65%RH下の標準状態で測定
スチーミング繰り返し試験(JAS特類):室温の水中で2時間以上浸漬した後、130℃で2時間スチーミングし、室温で流水に1時間浸漬し、更に130℃で2時間スチーミングしてから、室温に放置した水中に浸漬し冷却後、濡れたままの状態で測定
Figure 2005120302
本発明によれば、ホルムアルデヒドを放散せず、高接着強度、優れた耐久性、耐水性および耐熱水接着性を有し、しかも可使時間が長いために作業性が著しく改善された接着剤組成物が提供される。

Claims (7)

  1. (A)多糖類を保護コロイドとした合成樹脂エマルジョン、(B)ポリビニルアルコール、(C)無機顔料および(D)イソシアネート基を有する化合物を含有してなる接着剤組成物。
  2. 前記合成樹脂エマルジョンの保護コロイドとしての多糖類が、前記合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、0.1 〜20重量部の範囲である請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記合成樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)が−10℃から50℃である請求項1に記載の接着剤組成物。
  4. 前記合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、(B)ポリビニルアルコールの固形分が2〜300重量部の割合である請求項1に記載の接着剤組成物。
  5. 前記合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、(C)無機顔料が50〜300重量部の割合である請求項1に記載の接着剤組成物。
  6. (A)合成樹脂エマルジョンと(B)ポリビニルアルコール両方の固形分の100重量部に対し、(D)イソシアネート基を有する化合物の固形分が2〜100重量部の割合である請求項1に記載の接着剤組成物。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の接着剤組成物からなる、木材用接着剤組成物。
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