JP4109010B2 - 接着剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は接着剤組成物に関するものであり、詳しくはホルムアルデヒドを放散せず、高接着強度、優れた耐久性、耐水性および耐熱水接着性を有し、しかも可使時間が長いために作業性が著しく改善された接着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、合板の市場では、接着剤としてメラミン-ホルムアルデヒド樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化型接着剤が主として用いられてきた。しかし近年、ホルムアルデヒドの室内汚染による健康障害、すなわちシックハウス症候群の問題がクローズアップされるにつれ、これら熱硬化型樹脂が発生するホルムアルデヒドを低減する要求があり、数多くの低ホルムアルデヒド放散型熱硬化型樹脂が開発されてはいるものの、ホルムアルデヒド放散量をゼロにすることは事実上不可能である。
一方、ホルムアルデヒドを含有しない接着剤としては、酢酸ビニル樹脂エマルジョンやエチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョンが一部使用されているが、これらの接着剤では耐水性、耐熱水接着性が極めて不十分なものであり、例えば構造用接着剤のように高度な接着性が要求される用途では実用に耐えない。
そのため、高度な接着性が要求される構造用接着剤として、レゾルシノール樹脂、レゾルシノール−フェノール共重合樹脂、水性高分子およびイソシアネート系化合物を配合してなる接着剤(水性高分子−イソシアネート系接着剤)が使用されているものの、十分な接着強度および作業性を十分に満足できるものは未だ開発されていないのが現状である。
具体的には、水性高分子−イソシアネート系接着剤は、接着強度が不十分であるとともに、イソシアネート系化合物配合後の糊液が発泡するとともに経時増粘し、可使時間が短いといった作業性の問題がある。
なお、前記のような問題点は単に合板や木材用の接着剤に止まらず、化粧合板、繊維ボードその他種々の接着剤においても指摘されており、早急な解決が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、ホルムアルデヒドを放散せず、高接着強度、優れた耐久性、耐水性および耐熱水接着性を有し、しかも可使時間が長いために作業性が著しく改善された接着剤組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の合成樹脂エマルジョン、ポリビニルアルコールおよびイソシアネート基を有する化合物を配合した接着剤が上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は、(A)合成樹脂エマルジョン、(B)ポリビニルアルコールおよび(C)イソシアネート基を有する化合物を含有してなる接着剤組成物において、前記(A)合成樹脂エマルジョンが下記(1)〜(3)の要件をすべて満足することを特徴とする接着剤組成物を提供するものである。
(A)合成樹脂エマルジョン:
(1)アラビアゴム、ガッティゴム、トラガカントガム、ダムソンゴム、サクラゴム、セイヨウスモモゴムおよびグアーガムからなる群より選択される多糖類を保護コロイドとして、ラジカル重合性不飽和単量体を乳化重合して得られる;
(2)前記保護コロイドとしての多糖類が、全ラジカル重合性不飽和単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲で使用される;および
(3)ゲル分率が20%以上である。
また本発明は、(A)合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、(B)ポリビニルアルコールの固形分が2〜300重量部の範囲である前記の接着剤組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(A)合成樹脂エマルジョン
本発明の接着剤組成物に使用する(A)合成樹脂エマルジョンは、多糖類を保護コロイドとして用い、ラジカル重合性不飽和単量体を乳化重合することによって得ることができる。(A)合成樹脂エマルジョンを調整するにあたって使用される前記多糖類は、アラビアゴム、ガッティゴム、トラガカントガム、ダムソンゴム、サクラゴム、セイヨウスモモゴムおよびグアーガムからなる群より選択される。これらの多糖類は、保護コロイドとしての役割を果たすことができる。これらの多糖類を保護コロイドとして用い、かつこれを特定量用いた場合にのみ、通常の乳化重合で使用されるアニオン性、カチオン性、両性、および非イオン性界面活性剤や、各種ポリビニルアルコールなどの多糖類以外の水溶性高分子を用いたものに比べて、以下に説明する(B)ポリビニルアルコールおよび(C)イソシアネート基を有する化合物と組み合わせてなる接着剤組成物の可使時間を飛躍的に長くすることが可能となる。
【0006】
(A)合成樹脂エマルジョンを乳化重合して得る際に、保護コロイドとして用いる上記所定の多糖類の配合量は、全ラジカル重合性不飽和単量体100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部である。上記所定の多糖類の配合量が、0.1重量部未満であると得られた(A)合成樹脂エマルジョンの安定性が悪く、凝集、ゲル化してしまい、20重量部を越えると最終的に得られる接着剤の耐水性が著しく低下するために好ましくない。
また、可使時間や接着性能に支障がない範囲で、保護コロイドとして、各種ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースなどを上記所定の多糖類と併用して用いることも可能である。
【0007】
さらに、本発明における(A)合成樹脂エマルジョンのゲル分率は、20%以上の範囲に限定される。ゲル分率が20%より小さいと、最終的に得られた接着剤の接着強度は小さく、耐水性は著しく低下してしまい、好ましくない。好ましいゲル分率は、25%以上である。
ここで、本発明でいう(A)合成樹脂エマルジョンのゲル分率は次の様にして測定したものである。
(A)合成樹脂エマルジョンをガラス板上に流延して、20℃、湿度65%の下で6日間乾燥し、厚さ約0.3mmのフィルムを作成する。このフィルムの重量を精秤した(この時の重量をW1とする)後、金網で包み、20℃のベンゼン中に24時間浸漬してから引き上げて風乾し、110℃で3時間加熱乾燥後室温に戻したフィルムの重量を精秤する(この時の重量をW2とする)。ゲル分率は下式で算出する。
(W2/W1)×100 =ゲル分率(%)
【0008】
(A)合成樹脂エマルジョンを調製するにあたって使用されるラジカル重合性不飽和単量体としては、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、およびこれと共重合可能な単量体、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸などのα、β−エチレン性不飽和カルボン酸類、スチレン、ビニルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、などが挙げられる。
【0009】
(A)合成樹脂エマルジョンは通常の乳化重合法に従って製造することができる。重合に際しては、通常一般に用いられている重合開始剤が使用される。具体例としては、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性無機過酸化物または過硫酸塩、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾ化合物が挙げられる。重合開始剤の使用量は、全ラジカル重合性不飽和単量体100重量部に対して0.1〜2.0重量部が好ましい。また、上記重合開始剤は、酒石酸、蟻酸、シュウ酸、酸性亜硫酸ソーダ、ロンガリットなどの還元剤と併用することも通常行われる。またラジカル重合性不飽和単量体は、これを一括もしくは分割して、あるいは連続的に滴下して反応に供することができる。重合温度は、通常の60〜90℃で行うことができる。
また一般に乳化重合に際して用いられることのある分子量調整剤を併用することも当然可能であり、合成樹脂エマルジョンの場合多用される造膜助剤その他の添加剤も必要に応じて添加することができる。
【0010】
(B)ポリビニルアルコール
本発明の接着剤組成物に使用する(B)ポリビニルアルコールは、通常の完全ケン化物または部分ケン化物のいずれも使用することができ、またメルカプト基変性品、アセトアセチル基変性品のような変性ポリビニルアルコールも同様に使用することができる。
【0011】
接着剤組成物
本発明の接着剤組成物は、(A)合成樹脂エマルジョンと(B)ポリビニルアルコールの混合物をもって主剤とし、その配合は、前記(A)合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、前記(B)ポリビニルアルコールの固形分が2〜300重量部、より好ましくは5〜200重量部の範囲となるように配合するのがよい。(B)ポリビニルアルコールが2重量部未満では、以下に説明する(C)イソシアネート基を有する化合物を添加した後の、最終的に得られた接着剤組成物の粘度上昇が大きくなるため好ましくない。また、(B)ポリビニルアルコールが300重量部を超えると最終的に得られた接着剤組成物の耐水性が低下するため好ましくない。
【0012】
(C)イソシアネート基を有する化合物
本発明の接着剤組成物に使用する(C)イソシアネート基を有する化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有しているものであれば特に制限はなく、例としては、ヘキサメチレンジイソシアネートのような脂肪族イソシアネート、m−およびp−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−および−2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチル−ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネートのような芳香族イソシアネート、およびシクロヘキサン−2,4−および−2,3−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのような脂環族イソシアネートなどが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。また過剰のジイソシアネートまたは多官能ポリイソシアネートとヒドロキシル末端ポリエステルまたはヒドロキシル末端ポリエーテルとの反応により生成されたイソシアネート末端プレポリマー、並びに過剰のジイソシアネートまたは多官能ポリイソシアネートとエチレングリコール、トリメチロールプロパンまたは1,3−ブタンジオールのような単量体ポリオールまたはその混合物との反応により得られる生成物も使用可能である。
【0013】
(C)イソシアネート基を有する化合物の配合量は、使用する目的により任意に決定すればよいが、好ましくは(A)合成樹脂エマルジョンおよび(B)ポリビニルアルコールの合計固形分100重量部に対し、固形分で2〜100重量部の範囲となるように配合するのがよい。(C)イソシアネート基を有する化合物の配合量が2重量部未満では十分な接着力が得られなくなるため好ましくない。また、(C)イソシアネート基を含有する化合物の配合量が100重量部を超えると配合後の可使時間が短くなり、かつ粘度上昇が大きくなるため好ましくない。
【0014】
さらに、本発明の接着剤には、必要に応じて炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、木粉などの充填剤、小麦粉などの増量剤、酸化チタン等の顔料あるいはその他、防腐剤、防錆剤などの各種添加剤を適宜添加することができる。
【0015】
また、本発明の接着剤を使用する場合の塗布方法あるいは接着方法などについては、特に制約はなく、従来行われてきたようなものであれば、いかなる方法によっても行うことができる。例えば、木材などの接着面に接着剤組成物を刷毛塗り等で塗布し、接着面を貼り合わせて圧力を加えて固定する圧締法などに使用することができる。また、本発明の接着剤組成物の乾燥方法は加熱圧締法、常温圧締法のいずれの方法でも十分な接着強度を得ることができる。
【0016】
本発明の接着剤組成物は、優れた耐久性、耐水性および耐熱水接着力を提供することができ、イソシアネート基を有する化合物を添加した後も粘度の上昇が少なく、発泡もほとんどなく、且つ可使時間を著しく長くして作業性を改善したものである。すなわち、本発明の接着剤組成物は、既に記述したようにきわめて大きな利点と特長を有しているので、広範な用途が期待できる。特に可使時間が長いこと、加熱硬化にとどまらず常温硬化が可能なこと、優れた強度や作業性、ホルムアルデヒドを含有しないこと、さらにはヤニ分の多い針葉樹等の接着も可能であることなどから、木材、合板、化粧合板、繊維ボード、繊維製品、紙製品など、幅広い用途の接着剤として有用である。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例により限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」および「%」は特に断りのない限り、重量基準を示すものとする。
【0018】
(実施例1)
(A)合成樹脂エマルジョンの合成
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを備えた1リットルセパラブルフラスコに、アラビアゴムの20%水溶液250部とイオン交換水260部を仕込み、窒素ガスを送入しつつ、反応容器内を80℃に昇温した。その後、メタアクリル酸メチル225部とアクリル酸ブチル225部との単量体混合液を4時間かけて滴下した。また、過硫酸アンモニウム2部にイオン交換水を加え、全量を50gとした水溶液を、上記単量体混合液と同時に滴下し、乳化重合を行った。なお、このときフラスコの内温が80〜85℃になるよう外温をコントロールした。滴下終了後、80〜85℃で1時間保持した後、30℃以下に冷却しエマルジョンを得た。得られた合成樹脂エマルジョンの不揮発分(105℃−1時間乾燥)は49.5%、粘度(BH型粘度計、No.5ローター、10rpm、23℃)は9,000mPa・s、ゲル分率は38%であった。
上記で得られた合成樹脂エマルジョンの固形分100部に対しポリビニルアルコールPVA117(クラレ製、完全ケン化)の15%水溶液を固形分が100部となるように混合して配合エマルジョンとし、この配合エマルジョン100重量部に炭酸カルシウム20重量部を加えて混合したものを主剤とした。主剤100部に対しイソシアネートを有する化合物、ミリオネートMR−100(日本ポリウレタン製、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート)を10部添加し、十分混合して実施例1の接着剤組成物として性能評価を行った。
【0019】
(実施例2)
実施例1の合成樹脂エマルジョンの合成において、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル25部、メタアクリル酸メチル255部およびアクリル酸ブチル170部の単量体混合液を用いた以外は、実施例1と全く同様に合成して合成樹脂エマルジョンを得た。得られた合成樹脂エマルジョンの不揮発分(105℃―1時間乾燥)は49.5%、粘度(BH型粘度計、No.5ローター、10rpm、23℃)15,000mPa・s、ゲル分率は42%であった。
上記合成樹脂エマルジョンを使用したこと以外はすべて実施例1に準拠して実施し、実施例2の接着剤組成物として性能評価を行った。
【0020】
(実施例3)
上記実施例1の合成樹脂エマルジョンの固形分100部に対しポリビニルアルコールPVA117(クラレ製、完全ケン化)の15%水溶液を固形分が30部となるように混合して配合エマルジョンとした以外は、すべて実施例1に準拠して実施し、実施例3の接着剤組成物として性能評価を行った。
【0021】
(実施例4)
上記実施例1の合成樹脂エマルジョンの固形分100部に対しポリビニルアルコールPVA217(クラレ製、部分ケン化)の15%水溶液を固形分が100部となるように混合して配合エマルジョンとした以外は、実施例1に準拠して実施し、実施例4の接着剤組成物として性能評価を行った。
【0022】
(比較例1)
上記実施例1の合成樹脂エマルジョンのみを使用して配合エマルジョンとした以外は、実施例1に準拠して実施し、比較例1の接着剤組成物として性能評価を行った。
【0023】
(比較例2)
上記実施例1において、ポリビニルアルコールPVA117のかわりに、合成樹脂エマルジョンの固形分100部に対しアラビアゴムの20%水溶液を固形分が100部となるように混合して配合エマルジョンとした以外は、実施例1に準拠して実施し、比較例2の接着剤組成物として性能評価を行った。
【0024】
(比較例3)
上記実施例1の合成樹脂エマルジョンの合成において、アラビアゴムの20%水溶液の代わりに、ポリビニルアルコールPVA M−205(クラレ製、メルカプト基変性)の20%水溶液を用いて合成した以外は、実施例1と全く同様に合成して合成樹脂エマルジョンを得た。得られた合成樹脂エマルジョンの固形分濃度(105℃−1時間乾燥)は49.2%、粘度(BH型粘度計、No.5ローター、10rpm、23℃)は11,000mPa・s、ゲル分率は29%であった。
上記合成樹脂エマルジョンを使用したこと以外はすべて実施例1に準拠して実施し、比較例3の接着剤組成物として性能評価を行った。
【0025】
(比較例4)
上記比較例3の合成樹脂エマルジョンの固形分100部に対しアラビアゴムの20%水溶液を固形分が100部となるように混合して配合エマルジョンとした以外は、実施例1に準拠して実施し、比較例4の接着剤組成物として性能評価を行った
【0026】
(比較例5)
上記実施例1の合成樹脂エマルジョンの合成において、連鎖移動剤としてN−ドデシルメルカプタンをさらに2部加えたものを単量体混合液とした以外は、実施例1と全く同様に合成して合成樹脂エマルジョンを得た。得られた合成樹脂エマルジョンの固形分濃度(105℃−1時間乾燥)は49.2%、粘度(BH型粘度計、No.5ローター、10rpm、23℃)は7,000mPa・s、ゲル分率は12%であった。
上記合成樹脂エマルジョンを使用したこと以外はすべて実施例1に準拠して実施し、比較例5の接着剤組成物として性能評価を行った。
【0027】
(比較例6)
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(昭和高分子製、製品名 ポリゾールOLY−3880)の固形分100部に対しポリビニルアルコールPVA117(クラレ製、完全ケン化)の15%水溶液を固形分が100部となるように混合して配合エマルジョンとした以外は、実施例1に準拠して実施し、比較例6の接着剤組成物として性能評価を行った。
【0028】
(ブロック圧縮剪断試験)
実施例および比較例で得られた接着剤組成物を用いて試験片を作製し、接着性能を測定した。測定方法と測定条件を以下に記す。また、測定結果を表1に示す。
(1)接着条件
基材:カバ柾目板、含水率11%
塗布量:250g/m2(両面塗布)
圧締:常温 10kg/cm2−30分。
(2)試験方法
JIS K−6852による圧縮剪断試験。
(3)測定方法
常態接着強度:20℃、65%RH下の標準状態で測定。
煮沸繰り返し接着強度:煮沸水中に4時間浸漬した後、60℃で20時間乾燥し、さらに煮沸水中で4時間浸漬してから、室温の水中に冷めるまで浸漬してから測定。
また、配合4時間経過後の粘度上昇率および強度保持率も合わせて測定した。なおここでいう強度保持率とは、配合直後の接着剤組成物を用いて作製した試験片の煮沸繰り返し接着強度を100%としたときの、配合4時間経過後および8時間経過後の接着剤組成物を用いて作製した試験片の煮沸繰り返し接着強度の相対値である。結果を併せて表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
(合板による接着試験)
実施例および比較例で得られた接着剤組成物を用いて針葉樹単板を接着し、合板の引張り剪断強度を測定した。測定方法と測定条件を以下に記す。また、測定結果を表2に示す。
(1)接着条件
基材:カラマツ単板(厚さ2/3/2/3/2mm、クロス貼り5ply)、含水率8%。
塗布量:250g/m2(片面塗布)
圧締:常温 8kg/cm2−30分。
(2)試験方法
JAS構造合板用規格のスチーミング繰返し試験(JAS特類)。
(3)測定方法
常態接着強度:20℃、65%RH下の標準状態で測定
スチーミング繰り返し試験(JAS特類):室温の水中で2時間以上浸漬した後、130℃で2時間スチーミングし,室温の流水に1時間浸漬し、さらに130℃で2時間スチーミングしてから、冷めるまで室温の水中に浸漬後、濡れたままの状態で測定。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、ホルムアルデヒドを放散せず、高接着強度、優れた耐久性、耐水性および耐熱水接着性を有し、しかも可使時間が長いために作業性が著しく改善された接着剤組成物が提供される。
Claims (2)
- (A)合成樹脂エマルジョン、(B)ポリビニルアルコールおよび(C)イソシアネート基を有する化合物を含有してなる接着剤組成物において、前記(A)合成樹脂エマルジョンが下記(1)〜(3)の要件をすべて満足することを特徴とする接着剤組成物。
(A)合成樹脂エマルジョン:
(1)アラビアゴム、ガッティゴム、トラガカントガム、ダムソンゴム、サクラゴム、セイヨウスモモゴムおよびグアーガムからなる群より選択される多糖類を保護コロイドとして、ラジカル重合性不飽和単量体を乳化重合して得られる;
(2)前記保護コロイドとしての多糖類が、全ラジカル重合性不飽和単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲で使用される;および
(3)ゲル分率が20%以上である。 - (A)合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して、(B)ポリビニルアルコールの固形分が2〜300重量部の範囲である請求項1に記載の接着剤組成物。
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