JP3457491B2 - 接着剤 - Google Patents

接着剤

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JP3457491B2 JP02300197A JP2300197A JP3457491B2 JP 3457491 B2 JP3457491 B2 JP 3457491B2 JP 02300197 A JP02300197 A JP 02300197A JP 2300197 A JP2300197 A JP 2300197A JP 3457491 B2 JP3457491 B2 JP 3457491B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、保存安定性、初期
接着性、接着強度、耐水性等に優れた接着剤に関する。 【0002】 【従来の技術】水溶性高分子,水性エマルジョンおよび
イソシアネート系化合物を主成分とする接着剤は、従来
のアミノプラスト系接着剤とは異なりホルマリンの発生
がなく、常温で比較的短時間圧締するだけで、極めて高
い接着強度および耐水性が得られることから、木材用接
着剤として賞用されている(例えば特開昭48−947
39号公報,同50−69139号公報)。また、同様
の接着剤として、アリルアルコール,2−ヒドロキシエ
チルアクリレート,N−メチロール化アクリルアミド等
の水酸基含有単量体と酢酸ビニルなどとの共重合体エマ
ルジョンおよび2価イソシアネート化合物よりなる水性
接着剤組成物(特開昭49−26346号公報)やポリ
ビニルアルコールを分散剤(保護コロイド)としたポリ
酢酸ビニルエマルジョンおよび多価イソシアネート化合
物よりなる耐水性接着剤組成物(特開平3−33178
号公報)が提案されている。さらに、ポリビニルアルコ
ールで安定化されたエマルジョンポリマーからなり、該
エマルジョンポリマーが、第一段階が10〜40℃の範
囲内のガラス転移温度を有する酢酸ビニルコポリマーを
製造し、第二段階が50〜120℃のガラス転移温度を
有するメチルメタクリレートコポリマーを製造すること
からなる2段階重合法によって製造され、酢酸ビニルコ
ポリマーとメチルメタクリレートコポリマーとの比率が
10:1〜10:6の範囲である接着剤が報告されてい
る(特開平2−302485号公報)。このような状況
下で、近年、水性高分子およびイソシアネート系化合物
からなる木材接着剤についてのJISも制定されてい
る。 【0003】近年、接着対象の拡大とともに、接着性能
のレベルアップの必要が生じてきている。具体的には、
構造用接着剤としてはさらに高度な耐久性が要求される
こと、また個々の用途でも初期接着性の一層の向上が要
求される場合がある。後者の場合、ポリビニルアルコー
ル(以下、PVAと略記する)を分散剤とする酢酸ビニ
ル系樹脂の水性エマルジョンを多用すると、初期接着性
は向上するものの耐水性が十分でないという問題があっ
た。また、この種の接着剤に配合される水性高分子であ
るPVAも、接着剤の性能に大きく関与している。具体
的には、完全鹸化あるいはアセトアセチル基を有するP
VAを用いると、耐水接着性は向上するものの、部分鹸
化PVAを用いた場合に比較して水性エマルジョンとP
VAからなる主剤の低温粘度安定性や保存安定性が低下
する問題があった。また、上述のような従来の接着剤
は、ある程度の性能の発現は認められるが、主剤の粘度
安定性、初期接着性、接着強度および耐水性の全ての点
で満足すべき性能を併せ持つものは、未だ開発されてい
ないのが現状である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解消し、保存安定性、接着強度および耐水性に優
れ、しかも初期接着性の良好な水性接着剤を提供するこ
とを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、アリルグルシ
ルエーテルと酢酸ビニルとの共重合体の側鎖のエポキシ
基に、アミノ基を有するメルカプタンを付加反応させ、
鹸化して得た分子内に一級アミノ基または二級アミノ基
0.1〜30モル%含有する変性ポリビニルアルコー
ルを分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系
単量体から選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体単位
からなる重合体を分散質とする水性エマルジョン(A)
ならびに多価イソシアネート化合物(B)からなる接着
剤を見出し、本発明を完成させるに至った。 【0006】 【発明の実施の形態】分散剤として使用される分子内に
一級アミノ基または二級アミノ基を有する変性PVA
は、アリルグルシジルエーテルと酢酸ビニルとの共重合
体の側鎖のエポキシ基に、アミノ基を有するメルカプタ
ンをNaOH等を触媒として付加反応させた後、鹸化す
ことにより得られる。 【0007】分子内に一級アミノ基または二級アミノ基
から選ばれた少なくとも一種の官能基を有する変性PV
Aは、分子内に一級アミノ基または二級アミノ基以外の
官能基を有していても差し支えない。そのような単量体
単位としては、エチレン,イソブチレン,アクリロニト
リル,メタクリロニトリル,アクリル酸,メタクリル
酸,(無水)フマル酸,(無水)マレイン酸,イタコン
酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルス
ルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸、メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、アクリル酸スルホプロピル、メタクリル酸スルホプ
ロピル及びそれらのアルカリ塩、アクリルアミド,メタ
クリルアミド,トリメチル−(3−アクリルアミド−3
−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド,エチル
ビニルエーテル,ブチルビニルエーテル,N−ビニルピ
ロリドン,塩化ビニル,臭化ビニル,フッ化ビニル,塩
化ビニリデン,フッ化ビニリデン,テトラフルオロエチ
レンなどが挙げられる。また、チオール酢酸,メルカプ
トプロピオン酸などのチオール化合物存在下で、酢酸ビ
ニルなどのビニルエステル系単量体を重合することによ
って得られる末端に官能基を有するものでも良い。 【0008】本発明に使用される変性PVAにおける一
級アミノ基または二級アミノ基の含有量は、該官能基を
含有する単量体単位として0.1〜30モル%が好まし
く、0.5〜25モル%がより好ましい。該官能基の含
有量が0.1モル%未満ではその効果が十分に発現しな
い場合があり、一方、30モル%をこえるとPVA本来
の特性が十分に発現しなくなる恐れがある。変性PVA
の重合度は、100以上が好ましく、200〜8000
がより好ましい。変性PVAの鹸化度についても特に制
限はないが、50モル%以上が好ましく80〜99.9
モル%がより好ましい。 【0009】本発明の水性接着剤を構成する水性エマル
ジョンの分散質は、エチレン性不飽和単量体及びジエン
系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単
量体単位からなる(共)重合体である。 【0010】エチレン性不飽和単量体としては、エチレ
ン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン類、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデ
ン等のハロゲン化オレフィン類、蟻酸ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバ
リン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロ
ピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸オクタデシル、アクリル酸ヒドロキシプロピル
トリメチルアンモニウムクロライド等のアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸
i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸
i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル
酸オクタデシル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド等のメタクリル酸エステ
ル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸お
よびそのナトリウム塩のアクリルアミド、トリメチル−
(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アン
モニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミド
プロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−メチ
ルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、ジアセ
トンアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のニトリル類、酢酸アリル、塩化アリル等のア
リル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、P−メチ
ルスチレンスルホン酸およびそのナトリウム、カリウム
塩等のスチレン系単量体類、その他N−ビニルピロリド
ン等が挙げられ、またジエン系単量体としては、ブタジ
エン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。 【0011】本発明の水性接着剤における水性エマルジ
ョンは、アリルグリシジルエーテルと酢酸ビニルとの共
重合体の側鎖のエポキシ基に、アミノ酸を有するメルカ
プタンをNaOH等を触媒として付加反応させた後、鹸
化することによって得られる分子内に一級アミノ基また
は二級アミノ基を有する変性PVAを分散剤とし、エチ
レン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一
種あるいは二種以上の不飽和単量体単位からなる(共)
重合体を分散質とするものであれば特に制限はなく、該
変性PVAの存在下にエチレン性不飽和単量体及びジエ
ン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和
単量体を水性媒体中で乳化(共)重合して得られる水性
エマルジョン、あるいは、従来公知のPVA系重合体、
水溶性セルロース系重合体、アニオン性、ノニオン性、
カチオン性、あるいは両性の界面活性剤等を分散安定剤
としてエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から
選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体を水性媒
体中で乳化(共)重合して得られる水性エマルジョンに
該変性PVAを添加した水性エマルジョンが使用でき
る。 【0012】上記の水性エマルジョンを得るための乳化
重合を実施するにあたっては、上記単量体を一時または
連続的に添加して、加熱、撹拌するような通常の乳化重
合法が実施しうるし、また、単量体を予め分散剤水溶液
と混合乳化したものを連続的に添加する方法も実施し得
る。 【0013】分散剤の使用量は、分散質100重量部に
対して、1〜200重量部が好ましく、2〜100重量
部がより好ましい。分散剤の使用量が1重量部未満ある
いは200重量部を越える場合には、耐水接着力が十分
に発現しないことがある。 【0014】本発明に用いられる水性エマルジョンは、
上記の水性エマルジョンをそのまま単独で用いても良い
が、必要があれば、従来公知のポリ酢酸ビニルエマルジ
ョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、
(メタ)アクリル酸エステル系重合体エマルジョン、ス
チレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、エポキシエ
マルジョン、ウレタンエマルジョン等を本発明の効果を
損なわない範囲で添加することができる。 【0015】本発明に用いられる多価イソシアネート化
合物(B)としては、分子中に2個以上のイソシアネー
ト基を有するものであり、例えば、トリレンジイソシア
ネート(TDI);水素化TDI;トリメチロールプロ
パン−TDIアダクト(例えばバイエル社製,商品名:
Desmodur L);トリフェニルメタントリイソ
シアネート;メチレンビスジフェニルイソシアネート
(MDI);水素化MDI;重合MDI;ヘキサメチレ
ンジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート;
4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;イ
ソホロンジイソシアネート等が挙げられる。その他、ポ
リオールに過剰のポリイソシアネートで予めポリマー化
した末端基がイソシアネート基を持つプレポリマーを用
いてもよい。 【0016】本発明の接着剤は、水性エマルジョン
(A)を主成分とする主剤に、多価イソシアネート化合
物(B)を配合してなる。水性エマルジョン(A)と多
価イソシアネート化合物(B)の配合割合は、固形分比
で(A)/(B)=99/1〜10/90(重量比)の
範囲が好ましく、95/5〜20/80の範囲がより好
ましい。多価イソシアネート化合物がこの範囲より少な
い場合には、接着強度、耐水性が低くなる。また、この
範囲よりも多くなると、多価イソシアネートを配合した
後のポットライフが短くなり実用性が低下する。 【0017】本発明の接着剤中には、必要に応じて、各
種ポリビニルアルコール、でんぷん,変性でんぷん,酸
化でんぷん,アルギン酸ソーダ,カルボキシメチルセル
ロース,メチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロー
ス,無水マレイン酸−イソブテン共重合体,無水マレイ
ン酸−スチレン共重合体,無水マレイン酸−メチルビニ
ルエーテル共重合体等の水溶性高分子化合物や尿素−ホ
ルマリン樹脂,尿素−メラミン−ホルマリン樹脂,フェ
ノール−ホルマリン樹脂等、一般に接着剤として使用さ
れている熱硬化性樹脂もそれぞれ適宜使用することがで
きる。さらに、本発明の接着剤には、クレー,カオリ
ン,タルク,炭酸カルシウム,木粉等の充填剤、小麦粉
等の増量剤、ホウ酸,硫酸アルミニウム等の反応促進
剤、酸化チタン等の顔料あるいはその他、防腐剤,防錆
剤等の各種添加剤を必要に応じて適宜添加することがで
きる。 【0018】本発明の接着剤は、各種の被着体の接着に
使用されるが、なかでも木材、合板、紙、繊維、各種プ
ラスチックス等の接着に好適である。塗布量は各種の状
況に応じて適宜選定すればよい。塗布方法としては、ハ
ケによる塗工,ロールによる塗工などが挙げられる。接
着剤を塗布した後の乾燥は、室温から200℃での加熱
乾燥でも良いが、本発明の接着剤は室温乾燥する場合で
あっても十分な接着力が発現する。本発明の接着剤の特
徴は、主剤の放置安定性が優れている上、初期接着性お
よび煮沸水中での耐水接着性の両方の接着性が優れてい
ることにある。 【0019】 【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。尚、実施例および比較例中、
「部」および「%」は特に断りのない限り重量基準を示
すものとする。 【0020】(水性エマルジョンの製造例) 製造例 撹拌機、還流冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた反
応器に、酢酸ビニルモノマー405部、アリルグリシジ
ルエーテル11部およびメタノール30部を仕込み、窒
素ガスを15分バブリングして脱気した。別途、メタノ
ール15部に2,2−アゾイソブチロニトリル4.5部
を溶解した開始剤溶液を調整し、窒素ガスのバブリング
により窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が6
0℃となったところで、別途調整した開始剤溶液を添加
し重合を開始した。60℃で4時間重合し冷却して重合
を停止した。この時の固形分濃度は54.8%であっ
た。続いて30℃、減圧下にメタノールを時々添加しな
がら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢
酸ビニル共重合体のメタノール溶液(濃度44.5%)
を得た。この共重合体は、アリルグリシジルエーテル単
位(エポキシ基)を2.1モル%含有する粘度平均分子
量が80×10 のポリ酢酸ビニル共重合体であっ
た。次に、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管及び温度計
を備えた反応器に、上記で得られたエポキシ基を有する
ポリ酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液(濃度44.
5%)100部を計り取り15分窒素ガスをバブリング
した後、2−アミノチオフェノール8.0部と水酸化ナ
トリウム0.03部をメタノール48部に溶解したもの
を仕込んだ。撹拌しながら50℃で2時間反応させた
後、40℃に冷却してから濃度10%の水酸化ナトリウ
ムのメタノール溶液を40部添加し鹸化を行った。40
℃で5時間放置した後粉砕し、酢酸8部を加えて中和
し、メタノールで48時間ソックスレー抽出を行った
後、60℃で20時間以上乾燥して、変性ポリビニルア
ルコールを得た。該変性ポリビニルアルコールは、2.
1モル%のアニリン基が導入されており、ビニルアルコ
ール含量は97.0モル%、重合度1000であった。
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(クラレ
製、OM−4200、固形分濃度55%)の100重量
部に対して上記変性ポリビニルアルコールの15%水溶
液100部を添加して水性エマルジョン()を調製し
た。 【0021】実施例 製造例1の水性エマルジョン()100部に部分鹸化
ポリビニルアルコール(PVA−217、クラレ製)の
15%水溶液35部と炭酸カルシウム65部を混合した
ものを加え主剤を調製した。それに、ポリメチレンポリ
フェニルイソシアネート(日本ポリウレタン社製,商品
名:ミリオネートMR−100)を30部添加し接着剤
を調製した。これを用いて、以下の条件により試験を行
った。結果を表1に示す。 【0022】〔試験条件〕 1.主剤の放置安定性: 上記主剤を、密閉容器に入れ、5℃及び40℃の恒温槽
中で2週間放置した。放置前後の状態を観察した。 ○:変化なし △:増粘あるいは沈降が僅かに認められる ×:ゲル化あるいは沈降物の流動性なし 2.接着試験 上記組成物を用いて、以下の条件で接着試験を行った。 被着材:カバ/カバ(マサ目)含水量8% 塗布量:250g/m (両面塗布) 堆積時間:1分 圧締条件:20℃,24時間,圧力10kg/cm (常態強度、煮沸繰返し試験片のみ) JIS K−6852による圧縮剪断接着強度を測定 常態強度 :20℃、7日間養生後そのままの状態で測
定 煮沸繰返し:20℃で7日間養生後、試験片を煮沸水中
に4時間浸漬した後、60℃の空気中で20時間乾燥
し、更に煮沸水中に4時間浸漬してから、室温の水中に
冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供した。 初期接着性:貼りあわせ後、20℃で10kg/cm
の圧力で10分間圧締し、直ちに圧縮剪断接着強度を
測定 【0023】比較例1無変性PVA(重合度1050、けん化度98.5モル
%)5部に水100部を加え、95℃でPVAを加熱溶
解した。PVA水溶液を耐圧オートクレーブに仕込み、
酢酸ビニル100部を添加して、窒素置換後、エチレン
を40kg/cm まで圧入した。次いで、内温を6
0℃に上げ、V−50(和光純薬製水溶性アゾ系重合開
始剤)の1%水溶液を逐次添加して共重合を行った。共
重合は3時間で完了し、固形分濃度53.0%、粘度1
120mPa・sの安定な酢酸ビニル- エチレン共重合
体エマルジョン{エマルジョン(2)}を得た。 このエ
マルジョン()を、実施例1の水性エマルジョン
(1)の代わりに用いる以外は、実施例1と同様に主剤
を調製し、それに、ポリメチレンポリフェニルイソシア
ネート(日本ポリウレタン社製,商品名:ミリオネート
MR−100)を添加し接着剤を調製した。これを用い
て、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1に示
す。 【0024】比較例2比較例1において、無変性PVA(重合度1050、け
ん化度98.5モル%)の代わりに無変性PVA(重合
度1050、けん化度88.5%)10部を用いる以外
は、比較例1と同様にしてエマルジョン(3)を得た。
このエマルジョン(3)を、比較例1のエマルジョン
(2)の代わりに用い、比較例1と同様にして接着剤を
調製した。 これを用いて、実施例1と同様に試験を行っ
た。結果を表1に示す。 【0025】 【表1】 【0026】 【発明の効果】本発明の接着剤は、主剤の放置安定性に
優れ、初期接着力に優れ、接着強度,耐水性が飛躍的に
向上したものとなる。本発明の接着剤は、各種のものを
接着する場合に適用できるが、特に木材用接着剤に好適
に使用できる。また、木材同士の接着の他、木材と紙,
繊維製品類,無機質板,フィルム等との接着にも使用可
能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 129/04

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 アリルグルシジルエーテルと酢酸ビニル
    との共重合体の側鎖のエポキシ基に、アミノ基を有する
    メルカプタンを付加反応させ、鹸化して得た分子内に一
    級アミノ基または二級アミノ基を0.1〜30モル%含
    有する変性ポリビニルアルコールを分散剤とし、エチレ
    ン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少な
    くとも一種の不飽和単量体単位からなる重合体を分散質
    とする水性エマルジョン(A)、ならびに多価イソシア
    ネート化合物(B)からなる接着剤。
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