JP3272022B2 - 組成物および接着剤 - Google Patents
組成物および接着剤Info
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Description
し、詳しくは各種用途、特に接着剤として有用な組成
物,該組成物からなる初期接着性,接着強度,耐水性等
にすぐれた接着剤に関するものである。
イソシアネート系化合物を主成分とする接着剤は、従来
のアミノプラスト系接着剤とは異なりホルマリンの発生
がなく、常温で比較的短時間圧締するだけで、極めて高
い接着強度および耐水性が得られることから、木材用接
着剤として賞用されている(例えば特開昭48−947
39号公報,同50−69139号公報)。また、同様
の接着剤として、アリルアルコール,2−ヒドロキシエ
チルアクリレート,N−メチロール化アクリルアミド等
の水酸基含有単量体と酢酸ビニルなどとの共重合体エマ
ルジョンおよび2価イソシアネート化合物よりなる水性
接着剤組成物(特開昭49−26346号公報)やポリ
ビニルアルコールを分散剤(保護コロイド)としたポリ
酢酸ビニルエマルジョンおよび多価イソシアネート化合
物よりなる耐水性接着剤組成物(特開平3−33178
号公報)が提案されている。さらに、ポリビニルアルコ
ールで安定化されたエマルジョンポリマーからなり、該
エマルジョンポリマーが、第一段階が10〜40℃の範
囲内のガラス転移温度を有する酢酸ビニルコポリマーを
製造し、第二段階が50〜120℃のガラス転移温度を
有するメチルメタクリレートコポリマーを製造すること
からなる2段階重合法によって製造され、酢酸ビニルコ
ポリマーとメチルメタクリレートコポリマーとの比率が
10:1〜10:6の範囲である接着剤が報告されてい
る(特開平2−302485号公報)。このような状況
下で、近年、水性高分子およびイソシアネート系化合物
からなる木材接着剤についてのJISも制定されてい
る。
場合によっては現在の接着性能レベルをさらに向上する
必要も生じてきている。具体的には、構造用接着剤とし
てはさらに高度な耐久性が要求されること、また個々の
用途でも初期接着性の一層の向上が要求される場合があ
る。後者の場合、ポリビニルアルコール(以下、PVA
と略記することがある)を分散剤とする酢酸ビニル系樹
脂の水性エマルジョンを多用すると、初期接着性は向上
するものの耐水性が十分でないという問題があった。ま
た、上述のような従来の接着剤は、ある程度の性能の発
現は認められるが、初期接着性,接着強度および耐水性
のすべての点で満足すべき性能を併せ持つものは、未だ
開発されていないのが現状である。
技術における問題点を解消し、接着強度および耐水性に
優れ、しかも初期接着性の良好な接着剤を提供すること
を目的とするものである。
の下に鋭意研究を重ねたところ、(A)ビニルエステル
系重合体ならびにメタクリル酸エステル単位とアクリ
ル酸エステル単位のうちの少なくとも一種(以下、(メ
タ)アクリル酸エステル単位ということがある)および
1級水酸基含有エチレン性不飽和単量体単位からなるガ
ラス転移温度50℃未満の共重合体からなる分散質に
おいて、重合体と共重合体との重量比率が9:1〜
1:9である分散質およびポリビニルアルコールからな
る分散剤を含有する水性エマルジョンが、所期の目的に
適うものであることを見出した。
分散剤の存在下で、ビニルエステル系モノマーを乳化重
合してビニルエステル系重合体を製造し、しかる後に
メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルのうちの少
なくとも一種および1級水酸基含有エチレン性不飽和単
量体を乳化重合して、メタクリル酸エステル単位とアク
リル酸エステル単位のうちの少なくとも一種および1級
水酸基含有エチレン性不飽和単量体単位からなるガラス
転移温度50℃未満の共重合体を製造することからな
り、重合体と共重合体との重量比率が9:1〜1:
9である分散質およびポリビニルアルコールからなる分
散剤を含有する水性エマルジョンおよび(B)多価イソ
シアネート化合物からなる組成物を提供するものであ
る。 また、本発明は、上記の組成物からなる接着剤、さ
らに、本発明は、上記の接着剤により接着して得られた
木質製品をも提供する。
分散質および分散剤を含有するが、ここで分散質は、ビ
ニルエステル系重合体ならびに(メタ)アクリル酸エ
ステル単位および1級水酸基含有エチレン性不飽和単量
体単位からなるガラス転移温度が50℃未満の共重合体
から構成される1個の分散質の集合体である。このビ
ニルエステル系重合体は、様々なものが挙げられる
が、一般には酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,ピバリ
ン酸ビニルや炭素数8〜10の3級カルボン酸のビニル
エステル(例えばシェル化学社製,商品名:Veova
10),ステアリン酸ビニル、さらにはギ酸ビニル,バ
レリン酸ビニル,カプリン酸ビニル,ラウリン酸ビニ
ル,安息香酸ビニル等のビニルエステル単位を主体とす
る(共)重合体であり、これらビニルエステル単位に3
0重量%以下のエチレン,塩化ビニルその他共重合可能
な単量体単位や少量のカルボキシル基やアミド基等の官
能基を持つ単量体単位からなる共重合体も含まれる。な
お、このビニルエステル系重合体は、そのガラス転移
温度(Tg)については特に制限はないが、−10℃〜
40℃の範囲にあることが好ましい。Tgが−10℃未
満または40℃より高いと、この水性エマルジョンを接
着剤として使用した場合に、接着強度が低下することが
ある。
エステル単位および1級水酸基含有エチレン性不飽和単
量体単位からなる共重合体であり、Tgが50℃未満で
あることが必要であり、好ましくは5℃以上50℃未
満、より好ましくは10〜40℃のものである。Tgが
5℃未満の場合には、この水性エマルジョンを接着剤と
して使用した場合に、凝集力不足により接着強度が低下
することがあり、50℃以上の場合には、造膜性が低下
し、その結果接着強度が低下する。
リル酸エステル単位としては、メタクリル酸エステル単
位またはアクリル酸エステル単位であり、そのなかでも
メタクリル酸エステル単位およびアクリル酸エステル単
位の両方の単位を含有するのが好ましい。ここで、メタ
クリル酸エステル単位としては、炭素数1〜12、特に
炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸エステ
ル(例えば、メチルメタクリレート,エチルメタクリレ
ート,プロピルメタクリレート,ブチルメタクリレー
ト)単位が好ましい。一方、アクリル酸エステル単位に
ついては、炭素数1〜12のアルキル基を有するアクリ
ル酸エステル(例えば、メチルアクリレート,エチルア
クリレート,プロピルアクリレート,ブチルアクリレー
ト,2−エチルヘキシルアクリレート,デシルアクリレ
ートなど)単位が好ましい。さらに、1級水酸基含有エ
チレン性不飽和単量体単位は、様々なものがあるが、好
適なものとしては、ヒドロキシエチルアクリレート,ヒ
ドロキシエチルメタクリレートやカプロラクトン変性
(メタ)アクリル酸エステル,炭素数3〜10のα,β
−エチレン性不飽和カルボン酸のN−アルキロールアミ
ド類(N−メチロールアクリルアミド,N−エタノール
アクリルアミド,N−プロパノールアクリルアミド,N
−メチロールメタクリルアミド,N−エタノールメタク
リルアミド,N−メタノールマレアミド等)、さらには
アリルアルコールなどの1級水酸基含有エチレン性不飽
和単量体単位が挙げられる。これらの(メタ)アクリル
酸エステル単位あるいは1級水酸基含有エチレン性不飽
和単量体単位は、それぞれ一種類ずつ用いてもよく、ま
た二種以上を組み合わせて用いてもよい。
囲にあれば、(メタ)アクリル酸エステル単位および1
級水酸基含有エチレン性不飽和単量体単位とともに、共
重合可能な単量体単位も含有されていてもよく、例えば
スチレン単位あるいはブタジエン,イソプレン等のジエ
ン単位を含有してしてもよい。さらに1級水酸基以外の
官能基を有する単量体単位やエチレングリコールジメタ
クリレート等のジビニル系単量体単位を含有していても
よい。この共重合体は、上述の如く(メタ)アクリル
酸エステル単位および1級水酸基含有エチレン性不飽和
単量体単位からなる。これら各構成単位の割合は共重合
体のTgが50℃未満の範囲であれば特に制限はない
が、通常は共重合体の全体に対して、(メタ)アクリ
ル酸エステル単位85〜99.8重量%、好ましくは90
〜99.5重量%の範囲で選定すればよい。また、(メ
タ)アクリル酸エステル単位として、メタクリル酸エス
テル単位およびアクリル酸エステル単位の両方を用いる
場合には、メタクリル酸エステル単位を20〜70重量
%、好ましくは30〜65重量%、アクリル酸エステル
単位を20〜50重量%、好ましくは25〜45重量%
の範囲で選定する。さらに、1級水酸基含有エチレン性
不飽和単量体単位を0.1〜50重量%、好ましくは0.2
〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%の範囲
で選定する。1級水酸基含有エチレン性不飽和単量体単
位の割合が少なすぎると、得られる接着剤の耐水性の向
上が十分でない。
合体および共重合体からなる1個の分散質の集合体
であり、重合体は主として分散質の中心部に存在し、
共重合体は主として分散質の周辺部に存在する二層構
造となっている。すなわち、重合体は主として(具体
的には70重量%以上、好ましくは80重量%以上、特
に好ましくは90重量%以上)分散質の中心部に存在
し、共重合体は主として(具体的には70重量%以
上、好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重
量%以上)分散質の周辺部に存在する構成となってい
る。分散質を構成する重合体および共重合体の形状
は、必ずしも球状に限らず、例えば図1に示すように種
々の形状となることができる。なお、図1は分散質の構
造を拡大して模式的に示したものであり、ここでは1が
重合体を示し、2が共重合体を示す。また、このよ
うな分散質の二層構造は、透過型電子顕微鏡で確認する
ことができる。分散質における重合体と共重合体と
の重量比率は9:1〜1:9、好ましくは8:2〜2:
8である。重合体の重量比率が、重合体と共重合体
の合計量に対して90重量%を超えると、得られる接
着剤の耐水性が低下し、逆に、10重量%を下回ると、
エマルジョンの安定性が低下する。
と分散剤を含有するものであり、この分散剤としてはP
VAからなるものが用いられる。このPVAは、従来公
知のものが充当され、例えばけん化度80〜99モル
%,重合度200〜8000のPVAや主鎖,側鎖ある
いは分子末端に官能基を導入された所謂変性PVAも好
適である。また、この分散剤としては、初期接着性その
他の性能を損なわない範囲で、従来公知のPVA以外の
乳化安定剤を併用することもできる。また、この水性エ
マルジョンの分散質の平均粒径は、特に制限はないが、
0.5〜2μmが好ましく、0.8〜1.5μmがより好まし
い。さらに、この水性エマルジョンにおける分散質濃度
は、各種の状況により適宜選定すればよいが、40〜6
0重量%が好ましく、45〜55重量%がより好まし
い。また、分散剤濃度についても、特に制限はないが、
分散質100重量部に対して0.2〜50重量部が好まし
く、1〜10重量部がより好ましい。
がPVAからなる分散剤によって分散安定化したもので
あり、また、この水性エマルジョンには、所望により各
種の水性エマルジョンを添加することができる。かかる
水性エマルジョンとしては、酢酸ビニルエマルジョン,
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン,ポリクロ
ロプレンエマルジョン,ポリブタジエンエマルジョン,
スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン,ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体エマルジョン,ブチルゴ
ムエマルジョン,ポリアクリル酸エステルエマルジョ
ン,ポリ塩化ビニルエマルジョン,ポリ塩化ビニリデン
エマルジョン等が挙げられる。
を(A)成分とし、これと(B)成分である多価イソシ
アネート化合物からなる。ここで(B)多価イソシアネ
ート化合物は、分子中に2個以上のイソシアネート基を
有するものであり、例えば、トリレンジイソシアネート
(TDI);水素化TDI;トリメチロールプロパン−
TDIアダクト(例えばバイエル社製,商品名:Des
modurL);トリフェニルメタントリイソシアネー
ト;メチレンビスジフェニルイソシアネート(MD
I);水素化MDI;重合MDI;ヘキサメチレンジイ
ソシアネート;キシリレンジイソシアネート;4,4−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;イソホロン
ジイソシアネート等があげられる。その他、ポリオール
に過剰のポリイソシアネートで予めポリマー化した末端
基がイソシアネート基を持つプレポリマーを用いてもよ
い。
マルジョンを主成分とする主剤に、(B)多価イソシア
ネート化合物を配合してなるが、ここで、両成分の配合
割合は、各種の状況に応じて適宜選定すればよい。しか
し、好ましい配合割合は、(A)水性エマルジョンを主
成分とする主剤100重量部(固形分換算)に対して、
(B)多価イソシアネート化合物10〜150重量部、
特に好ましくは20〜100重量部である。本発明の組
成物には、水性エマルジョンに分散剤として含有される
PVAが含まれているが、更に必要に応じてPVAを追
加して添加することもできる。この場合のPVAについ
ても、従来公知のものが使用される。
て、でんぷん,変性でんぷん,酸化でんぷん,アルギン
酸ソーダ,カルボキシメチルセルロース,メチルセルロ
ース,ヒドロキシメチルセルロース,無水マレイン酸−
イソブテン共重合体,無水マレイン酸−スチレン共重合
体,無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体等
の水溶性高分子化合物や尿素−ホルマリン樹脂,尿素−
メラミン−ホルマリン樹脂,フェノール−ホルマリン樹
脂等、一般に接着剤として使用されている熱硬化性樹脂
もそれぞれ適宜使用することができる。さらに、本発明
の組成物には、クレー,カオリン,タルク,炭酸カルシ
ウム,木粉等の充填剤、小麦粉等の増量剤、ホウ酸,硫
酸アルミニウム等の反応促進剤、酸化チタン等の顔料あ
るいはその他、防腐剤,防錆剤等の各種添加剤を必要に
応じて適宜添加することができる。
使用されるが、なかでも木材の接着に好適である。固形
分換算の塗布量としては20〜300g/m2 が好まし
く、30〜200g/m2 がより好ましい。塗布方法と
しては、ハケによる塗工,ロールによる塗工などが挙げ
られる。接着剤を塗布した後の乾燥は、室温から200
℃での加熱乾燥でも良いが、本発明の接着剤は室温乾燥
する場合であっても十分な接着力が発現する。本発明の
接着剤の特徴は、初期接着性および煮沸水中での耐水接
着性の両方の接着性が優れていることにある。接着剤を
塗布した後の乾燥時間は、30分間から5時間程度が好
ましい。接着剤の乾燥は圧締した状態で行うのが好まし
い。圧締時の圧力としては、5〜20kg/cm2 の範
囲で選択され、硬い木材が被着体である場合には圧締の
圧力は高い方が好ましく、柔い木材が被着体である場合
には木材が破壊しない程度の高い圧力が好ましい。
接着した木質製品であり、集成材(プライウッド),家
具などが挙げられる。木質製品における木材の種類とし
ては特に制限はなく、その一例としては、カバ,ツガ,
杉,ラワン,ケヤキなどが挙げられる。
するにあたっては、様々な手法が考えられるが、なかで
も効率よく、しかも高品質の水性エマルジョンが製造で
きる方法は、PVAからなる分散剤の存在下で、ビニル
エステル系モノマーを乳化重合してビニルエステル系重
合体を製造する第一段階と、その後に(メタ)アクリ
ル酸エステルおよび1級水酸基含有エチレン性不飽和単
量体を乳化重合して、既に形成された重合体の周りに
前記共重合体を製造する第二段階とからなる2段重合
法が好ましい。この方法の第一段階では、実質的にビニ
ルエステル系モノマーの重合を完結するのが望ましい
が、70%程度の重合転化率で第二段階の重合に移行し
ても差し支えない。また第一段階,第二段階とも、必ず
しも同一の重合反応器で重合する必要はなく、予め別に
ビニルエステル系重合体の水性エマルジョンを調製し、
これを、(メタ)アクリル酸エステルおよび1級水酸基
含有エチレン性不飽和単量体の乳化共重合を行う前に、
系に添加するいわゆるシード重合の手法で製造すること
もできる。なお、この乳化重合における開始剤として
は、特に制限はないが、例えば過酸化水素,クメンヒド
ロパーオキシド,t−ブチルヒドロパーオキシド,過硫
酸塩(カリウム,ナトリウムあるいはアンモニウム
塩),過酢酸t−ブチル,過安息香酸t−ブチル等の酸
化性物質とロンガリットやl(エル)−アスコルビン酸
等の還元性物質などの水溶性開始剤が好ましく用いられ
る。
分散剤の存在下で、第一段階,第二段階の乳化重合を行
うことが必要である。PVAを分散剤として使用しない
場合には、得られた水性エマルジョンを接着剤として使
用した場合に、初期接着性に劣り、本発明の目的を達成
することができない。なお、ここで使用するPVAは、
本発明の水性エマルジョンの説明で述べたものと同じで
ある。また、このPVAの使用量は、特に制限はない
が、第一段階の重合体と第二段階の共重合体の合計
量に対して0.2〜50重量%、好ましくは1〜10重量
%の範囲である。また、このPVAは、初期の仕込みに
全量を加えてもよく、また一部を重合系に連続的あるい
は間欠的に加えてもよい。また、初期接着性、その他の
性能を損なわない範囲で従来公知のPVA以外の乳化安
定剤を併用することもできる。
ニルエステル系モノマーは、前述したビニルエステル系
重合体の原料となるものであり、その種類について
は、このビニルエステル系重合体の種類に対応したも
のとすればよい。また、第二段階で用いる(メタ)アク
リル酸エステルおよび1級水酸基含有エチレン性不飽和
単量体についても、前述した共重合体の原料となるも
のであり、その種類や使用割合については、この共重合
体の種類や組成に対応したものとすればよい。さら
に、第一段階で製造すべきビニルエステル系重合体と
第二段階で製造すべき共重合体の重量比率について
も、前述した本発明の水性エマルジョンにおける重合体
と共重合体との重量比率に対応するように選定すれ
ばよい。
強度を測定 常態強度:20℃、7日間養生後そのままの状態で測定 煮沸繰返し:20℃で7日間養生後、試験片を煮沸水中
に4時間浸漬した後、60℃の空気中で20時間乾燥
し、更に煮沸水中に4時間浸漬してから、室温の水中に
冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供した。 初期接着性:貼りあわせ後、20℃で10kg/cm2
の圧力で10分間圧締し、直ちに圧縮剪断接着強度を測
定
0,けん化度88モル%の部分けん化PVA4部をイオ
ン交換水85部に溶解し、酢酸ビニルを8部添加し、6
0℃,40kg/cm2 のエチレン加圧下、過硫酸カリ
ウムとロンガリット水溶液を添加し、重合を開始した。
なお、開始剤の添加量は、実施例1に準じて適当な重合
速度になるように設定した(以下の実施例においても同
じ)。次いで、酢酸ビニル36部を3時間かけて連続添
加し、重合系の酢酸ビニルモノマー濃度が4%になるま
で重合した。 (2)第二段階 次いで、MMA/2−エチルヘキシルアクリレート(2
−EHA)/2−ヒドロキシエチルアクリレート(HE
A)=28/15/2(重量比)の混合モノマーを2時
間かけて連続添加し、重合した。なお、第一段階で用い
たのものと同じPVA1部を15%水溶液にして重合中
に添加した。得られた水性エマルジョンの固形分濃度は
51.5%、粘度は1010mPas・sであった。ま
た、第一段階の重合体のDSCにより測定したTgは0
℃、第二段階のモノマー組成による共重合体のTgは1
5℃であった。また第一段階の重合体と第二段階の共重
合体の比は55:45であった。 (3)接着試験 上記水性エマルジョンを用いて、実施例1と同様に接着
試験を行った。結果を第1表に示す。
ル付加ノニルフェニルエーテル(三洋化成製,商品名:
ノニポール400)を使用した以外は、実施例2と同様
に第一段階および第二段階の(共)重合を実施した。そ
の結果、第一段階の重合体のTgが−3℃に低下してい
た(これはノニオン活性剤の可塑化作用によると思われ
る)。得られた水性エマルジョンは、固形分濃度が50.
9%、粘度が100mPas・sであった。また第一段
階の重合体と第二段階の共重合体の比は55:45であ
った。上記水性エマルジョンを用いて実施例1と同様に
接着試験を行った。結果を第1表に示す
0,けん化度88モル%の部分けん化PVA4部をイオ
ン交換水85部で加熱溶解した後、酢酸ビニル(VA
c)/MMA/BA/HEMA=60/21/16/3
(重量比)の混合モノマーを20部を添加し、70℃で
過硫酸カリウム水溶液を添加して重合を開始した。さら
に残りの80部を3時間かけて連続的に添加し、PVA
1部を15%水溶液で連続添加したが、重合末期に反応
が暴走し、反応器内に多量の凝集塊を生じた。
88モル%)3部を溶解し、VAc/Veova10
(商品名)=29/21(重量比)混合モノマーの10
部を添加し、70℃で過硫酸カリウム水溶液を添加して
重合を開始し、さらに該混合モノマー40部を2時間か
けて連続的に添加し、残存モノマー濃度が0.5%になる
まで重合を行った。 (2)第二段階 次いで、予めイオン交換水25部に上記PVA2部を溶
解した溶液を入れた別の反応器に、前記で得たVAc/
Veova10共重合体水性エマルジョンを全量仕込ん
だ。次に、MMA/BA=31/16(重量比)の混合
モノマーを10部添加し、70℃で過硫酸カリウムを用
いて重合を開始し、さらに該混合モノマー40部とN−
メチロールアクリルアミド(N−MAM)3部の20%
水溶液を2時間で連続添加した。得られた水性エマルジ
ョンの固形分濃度は49.5%、粘度は960mPas・
sであった。また第一段階で得られた重合体のTgは1
5℃、第二段階で得られた共重合体のTgは30℃であ
り、第一段階の重合体と第二段階の共重合体の比は5
0:50であった。上記水性エマルジョンを用いて実施
例1を同様に接着試験を行った。結果を第1表に示す
イオン交換水85部に溶解し、酢酸ビニル18部と塩化
ビニル18部を添加し、60℃でエチレンを35kg/
cm2 まで圧入した。過酸化水素水とロンガリット水溶
液を添加して重合を行った。3時間後、重合系中の酢酸
ビニル濃度が0.5%となったので、系外に取り出した。
この重合体のTgは35℃であった。 (2)第二段階 次いで、上記水性エマルジョンを常圧の反応缶に移し、
MMA/スチレン(St)/2−EHA/HEMA=1
8.5/18/22/1.5(重量比)の混合モノマーを1
0部添加し、70℃で過硫酸カリウム水溶液を添加して
重合を開始し、次いで、該混合モノマーの残量51.5部
を3時間かけて連続的に添加した。また、PVA2部を
15%水溶液として、重合中2時間かけて添加した。な
お第二段階で生成した共重合体のTgは15℃であり、
得られた水性エマルジョンの固形分濃度は50.8%、粘
度は850mPas・sであった。また第一段階の重合
体と第二段階の共重合体の比は40:60であった。上
記水性エマルジョンを用いて実施例1を同様に接着試験
を行った。結果を第1表に示す
5部に溶解し、酢酸ビニル72部を添加し、次いで50
℃で30kg/cm2 までエチレンを圧入した。過酸化
水素水とロンガリット水溶液を添加して重合し、2時間
で重合中の酢酸ビニル濃度が2%になった。 (2)第二段階 次に、MMA/2−EHA/HEA=11.6/6.4/2.
0(重量比)の混合モノマーを添加し重合を継続した。
得られた水性エマルジョンの固形分濃度は51.0%、粘
度は300mPas・sであった。なお第一段階で得ら
れた重合体のTgは10℃で、第二段階で生成した共重
合体のTgは15℃であり、第一段階の重合体と第二段
階の共重合体の比は80:20であった。上記水性エマ
ルジョンを用いて実施例1を同様に接着試験を行った。
結果を第1表に示す
けん化度88モル%)4部をイオン交換水85部に溶解
し、酢酸ビニルを74部添加し、60℃で40kg/c
m2 までエチレンを圧入した。過酸化水素水とロンガリ
ット水溶液を添加して重合したところ、重合中の酢酸ビ
ニル濃度が3時間で1%に低下した。 (2)第二段階 次いで、MMA/BA/HEA=3.5/2.5/2.0(重
量比)の混合モノマーを全量添加し、さらに重合を継続
した。なお、この時に前記と同じPVA1部を10%水
溶液として重合中に添加した。得られた水性エマルジョ
ンの固形分濃度は49.6%、粘度は2500mPas・
sであった。なお、第一段階で得られた重合体のTgは
0℃、第二段階で生成した共重合体のTgは15℃であ
り、第一段階の重合体と第二段階の共重合体の比は9
2:8であった。上記水性エマルジョンを用いて実施例
1を同様に接着試験を行った。結果を第1表に示す
20部に溶解し、酢酸ビニルを4部添加し、60℃で4
0kg/cm2 までエチレンを圧入し、過酸化水素水と
ロンガリット水溶液を添加して重合したところ、0.5時
間で重合中の酢酸ビニル濃度が1%以下になった。 (2)第二段階 次いで、イオン交換水65部に前記PVA4.5部を予め
溶解した水溶液を添加し、MMA/BA/HEA=52.
9/40.1/2(重量比)の混合モノマーを共重合し
た。得られた水性エマルジョンには粗粒が認められ、濾
別すると固形分濃度は48.0%、粘度は620mPas
・sであった。なお、第一段階で得られた重合体のTg
は0℃、第二段階で生成した共重合体のTgは15℃で
あり、第一段階の重合体と第二段階の共重合体の比は
5:95であった。上記水性エマルジョンを用いて実施
例1を同様に接着試験を行った。結果を第1表に示す
85部に溶解し、酢酸ビニルを45部添加し、60℃で
40kg/cm2 の圧力までエチレンを圧入した。次い
で過酸化水素とロンガリット水溶液を添加して重合した
ところ、3時間で酢酸ビニル濃度が2%となった。 (2)第二段階 次いで、MMA/BA/HEMA=29.6/7.4/3
(重量比)の混合モノマー5部を添加して70℃で重合
し、さらに該混合モノマー38部を2時間かけて添加し
た。また同時に前記PVA2部を15%水溶液として添
加した。得られた水性エマルジョンは固形分濃度50.2
%、粘度1260mPas・sであった。なお、第一段
階で得られた重合体のTgは0℃、第二段階で生成した
共重合体のTgは55℃であり、第一段階の重合体と第
二段階の共重合体の比は60:40であった。上記水性
エマルジョンを用いて実施例1を同様に接着試験を行っ
た。結果を第1表に示す
第二段階でHEAを除いたMMA/2−EHA=29/
16(重量比)の混合モノマーを添加した以外は、実施
例2と同様に(共)重合を行った。得られた水性エマル
ジョンの固形分濃度は48.9%、粘度は1800mPa
s・sであった。なお、第一段階で得られた重合体のT
gは0℃、第二段階で生成した共重合体のTgは14℃
であり、第一段階の重合体と第二段階の共重合体の比は
55:45であった。上記水性エマルジョンを用いて実
施例1を同様に接着試験を行った。結果を第1表に示す
0,けん化度88モル%の部分けん化PVA3部をイオ
ン交換水85部で加熱溶解した後、MMA/BA/HE
MA=21/16/3(重量比)の混合モノマーを4部
添加し、70℃で過硫酸カリウム水溶液を添加して重合
を開始し、さらに3時間かけて残りのモノマー36部を
連続的に添加した。次いで酢酸ビニル60部およびPV
A2部を15%水溶液で3時間かけて連続添加したが、
反応器内に多量の凝集塊を生じ良好な水性エマルジョン
が得られなかった。結果を第1表に示す。
0重量部に対する量(重量部) PVA 217 :平均重合度 1700,けん化度88モル%のPVA,
(株)クラレ製,PVA 205 :平均重合度 500, けん化度
88モル%のPVA,(株)クラレ製 *2 VAc:酢酸ビニル,Et:エチレン,Veov
a:Veova10(商品名,シェル化学社製),VC
l:塩化ビニル,MMA:メチルメタクリレート,HE
MA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート,HEA:
2−ヒドロキシエチルアクリレート,N−MAM:N−
メチロールアクリルアミド,BA:ブチルアクリレー
ト,2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート,S
t:スチレン *3 ( )内は木破率を示す。 *4 組成物調製不能 *5 分散液中に粗粒発生
て各種の用途に供される。特に接着剤として用いた場
合、初期接着力に優れ、接着強度,耐水性が飛躍的に向
上したものとなる。この本発明の接着剤は、各種のもの
を接着する場合に適用できるが、特に木材用接着剤に好
適に使用できる。また、木材同士の接着の他、木材と
紙,繊維製品類,無機質板,フィルム等との接着にも使
用可能である。さらに、本発明の組成物は耐水性に優れ
る皮膜を利用して、無機物のバインダー,無機板あるい
は木質パネル等の下地塗料にも有効に用いることができ
る。
模式的に示した説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコールからなる分散剤の
存在下で、ビニルエステル系モノマーを乳化重合してビ
ニルエステル系重合体を製造し、しかる後にメタクリ
ル酸エステルとアクリル酸エステルのうちの少なくとも
一種および1級水酸基含有エチレン性不飽和単量体を乳
化重合して、メタクリル酸エステル単位とアクリル酸エ
ステル単位のうちの少なくとも一種および1級水酸基含
有エチレン性不飽和単量体単位からなるガラス転移温度
50℃未満の共重合体を製造することからなり、重合
体と共重合体との重量比率が9:1〜1:9である
分散質およびポリビニルアルコールからなる分散剤を含
有する水性エマルジョンおよび(B)多価イソシアネー
ト化合物からなる組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の組成物からなる接着剤。
- 【請求項3】 請求項2記載の接着剤により接着して得
られた木質製品。
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-
1992
- 1992-03-19 JP JP06298192A patent/JP3272022B2/ja not_active Expired - Fee Related
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