JP3626579B2 - 速硬化性の2液型接着剤組成物 - Google Patents

速硬化性の2液型接着剤組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2液型接着剤組成物およびそれを用いる接着方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、特に初期硬化速度が大きくて、接着時の作業性に優れる2液型接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、木材製品工業においては生産工程をコンベアーシステムで連続化することが検討されており、そのため接着速度の大きい接着剤が要望されている。
この目的のために、シアノアクリレート系瞬間接着剤が提案されているが、価格が極めて高く、実用的ではない。また、ユリヤ樹脂系接着剤を第1液とし、ポリビニルアルコール(PVA)などの高分子化合物の水溶液に燐酸などの強酸を混合したものを第2液とする2液分別塗布型の接着剤組成物が提案されている。しかしながら、この接着剤組成物は、強酸を使用していることから、接着剤中に含まれる樹脂成分の老化が生じ易く、しかも被着材の汚染や劣化などをも生じ易いという欠点がある。
【0003】
また、分子内にイミド基を有する高分子化合物(イソブチレン−無水マレイン酸共重合体)の水溶液、またはこの高分子化合物を含む合成樹脂エマルジョンを第1液とし、アルデヒド化合物の水溶液を第2液とする2液分別塗布型の接着剤組成物が知られている(特開昭56−90867号公報)。しかし、この接着剤組成物は接着強度が低いという欠点がある。
また、分子内にアセトアセチル基を有する高分子化合物の水溶液および/または水性エマルジョンを第1液とし、アルデヒド化合物又はヒドラジン化合物を含む液を第2液とする2液分別塗布型の接着剤組成物が知られている(特開昭60−202176号公報および特開昭61−78883号公報)。しかし、この接着剤組成物では、第1液の保存安定性が悪く、接着性能の再現性に問題がある。
【0004】
更に、特開平3−281683号公報においては、分子内に1級または2級アミノ基を有する高分子化合物(ポリアミン)の水溶液、またはこの高分子化合物と合成樹脂エマルジョンを混合したものを第1液とし、アルデヒド化合物を第2液とする2液分別塗布型の接着剤組成物が提案されている。しかし、この接着剤組成物は、第1液の保存安定性が悪く、アルデヒド化合物との架橋効率が低いため、十分な速硬化性が得られないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した従来技術の有する欠点を解消し、室温下に短時間のうちに硬化して高い初期接着強度を発現して、接着作業を極めて円滑に、低エネルギーコストで生産性良く行うことができる2液型接着剤組成物を提供することである。さらに、本発明の目的は、上記した速硬化性という特性と共に、保存安定性や機械的安定性に優れていて、放置しておいても成分の沈降や分離、凝集などが生じにくく、また搬送時や取り扱い時に外部から揺動、攪拌などの作用を受けた場合にも成分の沈降や分離、凝集などが生じにくく、その接着性能を良好に保持することのできる2液型接着剤組成物を提供することである。
さらに、本発明の目的は、そのような優れた特性を有する2液型接着剤組成物を用いる接着方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、フェニル基に結合したアミノ基を有するビニルアルコール系重合体を含む水性液を第1液とし、これに水溶性酸化剤を含む液を第2液として2液型接着剤組成物を調製し、この2液型接着剤組成物を用いて接着を行うと、特に、第1液を一方の被着面に塗布し、第2液を別の被着面に塗布して、その被着面同士を密着させると、室温下に短時間のうちに高い初期接着強度(被着面同士を密着後概ね10分以内の接着強度)を発現すること、それにより接着作業を良好な作業性で生産性よく且つ低いエネルギー消費量で実施できることを、そしてそれにより得られる被接着物は高い最終接着強度(被着面同士を密着後概ね24時間以上経過後の接着強度)を発現することを見出した。さらに、本発明者らは、そのような2液型接着剤組成物は、その第1液および第2液をそれぞれ非混合状態で個別に保存したときに、成分の分離、沈降、凝集などが生じず安定であること、そして長期間保存後もその接着性能が低下せず良好に保たれていることを見出した。さらに、本発明者らは、かかる2液型接着剤組成物において第2液として水溶性酸化剤を含む液を用いる際に、第1液および第2液の少なくとも一方に多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物および多価イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を更に含有させた場合には、最終接着強度が更に向上することを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、フェニル基に結合したアミノ基を有するビニルアルコール系重合体を含む水性液よりなる第1液と、水溶性酸化剤を含む第2液からなる2液型接着剤組成物である。
【0008】
さらに、本発明は、第1液および第2液の少なくとも一方が多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物および多価イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を更に含有する上記の2液型接着剤組成物を本発明の範囲に包含する。
【0009】
そして、本発明は、上記のいずれかの2液型接着剤組成物の第1液を第1の被着面に塗布し、第2液を第2の被着面に塗布し、両方の塗布面同士を密着させて接着を行うことを特徴とする接着方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の2液型接着剤組成物では、第1液として、フェニル基に結合したアミノ基を有するビニルアルコール系重合体(以下これを「アニリン基含有PVA」と略称する)を含む水性液を用いる。
本発明ではアニリン基含有PVAとして、フェニル基に結合したアミノ基を有するビニルアルコール系重合体であればいずれも使用可能である。その場合に、アニリン基含有PVAにおけるフェニル基に結合したアミノ基を有する構造単位の種類は特に制限されない。その具体例としては下記の化3または化4の構成単位を有するPVA、PVAに芳香族アミノ基を有するアルデヒドをアセタール化反応させて得られたフェニル基に結合したアミノ基を有するPVA、アミノ安息香酸ビニル単位を有するPVA等が挙げられ、その中でも下記の化3または化4の構成単位を有するPVAが最も適している。
【0011】
【化3】
Figure 0003626579
【0012】
【化4】
Figure 0003626579
【0013】
(ここで、R ,R ,R ,R およびR は水素原子または炭素数8以下の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、Aは2価の炭化水素基または窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を少なくとも1種含む2価の炭化水素基を表し、Sは硫黄原子を表し、Xはフェニル基に結合したアミノ基を含有する1価の基を表す。)
【0014】
上記の化3または化4で表される構成単位中のR,R,R,RおよびRは水素原子または炭素数8以下の置換基を有していてもよい炭化水素基であれば特に制限はないが、Rが水素原子であり、Rが水素原子またはメチル基であり、R,RおよびRは水素原子または炭素数8以下(好ましくは炭素数6以下)の炭化水素が好ましい。なお、RとR(またはR)が環を形成していてもよい。
化4で表される構成単位中のAは、2価の炭化水素基または窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を少なくとも1種含む2価の炭化水素基であればその構造に特に制限はなく、例えば、−(CH )n−(n=1〜10、好適には1〜8)、−CH OCH −、−OCH −、−CONH−ph−OCH −、−CONHCH −、−CONHCH OCH −、−CONHCH OCH CH −、−CONHCH OCH CH CH −、−CONHCH OCH CH CH CH −、−CONHCH −ph(CH −CH −等が例示される。(なお、phはフェニル基を意味する。)
化3または化4で表される構成単位中のXは、フェニル基に結合したアミノ基を含有する一価の基であればその構造に特に制限はなく、たとえば、−ph−NH (1,2−)、−ph−NH (1,3−)、−ph−NH (1,4−)、−CH −ph−NH (1,2−)、−CH −ph−NH (1,3−)、−CH −ph−NH (1,4−)、−CH CH −ph−NH (1,2−)、−CH CH −ph−NH (1,3−)、−CH CH −ph−NH (1,4−)、−ph(CH )−NH (1,2,3−)、−ph(CH )−NH (1,2,4−、−ph(CH )−NH (1,2,5−)、−ph(CH )−NH (1,2,6−)、−nph−NH (1,2−)、−nph−NH (1,4−)、−nph−NH (1,8−)等が例示される。(なお、phはフェニル基を意味し、nphはナフタレン基を意味する。)
【0015】
フェニル基に結合したアミノ基を含有する構成単位の含有量は0.01〜30モル%であり、重合体中における該構成単位の分布に特に制限はない。該構成単位の含有量が0.01モル%未満になると、導入効果が十分に発現されず、30モル%を越えると耐水性組成物の保存安定性に問題(たとえばゲル化の発生)を生じる。該構成単位の含有量のさらに好ましい範囲は0.02〜20モル%であり、特に好ましい範囲は0.05〜15モル%である。
【0016】
PVAの粘度平均重合度(以下重合度と略記する)およびけん化度は目的に応じて適宜選択され、特に制限はない。重合度としては通常50〜10000、好ましくは100〜7000、より好ましくは100〜5000である。けん化度としては50モル%以上、好ましくは70モル%以上である。けん化度が50モル%より低い場合には水溶性が低下する。
【0017】
また、アニリン基含有PVAにおけるフェニル基に結合したアミノ基の含有量は、特に制限はなく、接着剤組成物の用途や使用態様、第1液や第2液に含まれる成分の種類や量などの各種の状況に応じて適宜選定することができる。通常は、アニリン基含有PVAを構成する全構造単位に基づいて、フェニル基に結合したアミノ基を有する構造単位の割合が0.1〜30モル%程度であることが好ましく、0.5〜25モル%であることがより好ましい。アニリン基含有PVAにおけるフェニル基に結合したアミノ基を有する構造単位の割合が0.1モル%未満であるか又は30モル%を超えると初期接着強度や最終接着強度が十分に高くならない場合がある。
【0018】
また、アニリン基含有PVAの重合度は、接着剤組成物の使用目的、接着剤組成物に含まれる他の成分の種類や量、接着剤組成物の相形態などに応じて異なり得るが、通常、その重合度が100以上であることが初期接着強度や最終接着強度の点から好ましく、200〜8000であることがより好ましい。また、アニリン基含有PVAのケン化度についても上記したような種々の要件に応じて異なるが、一般的にはビニルアルコールに基づく構造単位の50モル%以上がケン化していることが水溶性の点から好ましく、80〜99.9モル%がケン化していることがより好ましい。
また、アニリン基含有PVAは、本発明の効果の妨げにならない限りは、ビニルアルコールに基づく構造単位並びにフェニル基に結合したアミノ基を有する構造単位と共に、他の構造単位を含有していてもよい。
【0019】
アニリン基含有PVAの製造方法は特に制限されず、様々な方法により得ることができるが、例えば、
(1) フェニル基に結合したアミノ基を有するエチレン性不飽和単量体、または加水分解等によりフェニル基に結合したアミノ基を生成しうる置換基を有するエチレン性不飽和単量体と、酢酸ビニルとを共重合させた後、ケン化する方法;
(2) アリルグルシジルエーテルなどのエポキシ基を有する不飽和単量体と酢酸ビニルを共重合体させた後、それにより得られる共重合体中の側鎖のエポキシ基に、フェニル基に結合したアミノ基を有するメルカプタンを水酸化ナトリウム触媒の存在下で付加反応させ、次いでケン化する方法;
(3) フェニル基に結合したアミノ基を有し且つポリビニルアルコールの水酸基と反応しうる官能基を有する化合物を、ポリビニルアルコールと反応させてポリビニルアルコール中にフェニル基に結合したアミノ基を導入する方法;
(4) メルカプト基を有するポリビニルアルコールに対して、フェニル基に結合したアミノ基を有するエチレン性不飽和単量体をブロック重合させて、ポリビニルアルコールブロックとフェニル基に結合したアミノ基を有する重合体ブロックからなるブロック共重合体を製造する方法;
などを挙げることができる。
【0020】
そして、本発明の2液型接着剤組成物では、第1液は、アニリン基含有PVAを少なくとも含み且つ水を媒体とする水性液であり、接着作業に使用する前は、成分の分離、沈降、凝集などが生じず、安定な水性液の状態を保ち得るものであることが望ましい。
本発明の2液型接着剤組成物で用いる第1液の代表例としては、
(a) アニリン基含有PVA水溶液から主としてなる水性液[以下これを「第1(a)液」ということがある];および
(b) アニリン基含有PVAと有機重合体水性エマルジヨンとから主としてなる水性液(有機重合体水性エマルジヨンにアニリン基含有PVAを直接または水性液にして混合して得られる水性液)[以下これを「第1(b)液」ということがある];
を挙げることができる。
【0021】
そこで、本発明の2液型接着剤組成物における第1液として好ましく用いられる上記した第1(a)液について具体的に説明する。
本発明の2液型接着剤組成物における第1液として好ましく用いられる上記の第1(a)液は、アニリン基含有PVAの水溶液から主としてなる水性液である。
この第1(a)液の調製法は特に制限されず、通常、上記したアニリン基含有PVAを適当な温度、好ましくは50〜100℃の温度で水に溶解させることによって調製することができる。
第1(a)液におけるアニリン基含有PVAの濃度は、2液型接着剤組成物の用途や接着剤組成物中に含まれる他の成分の種類や濃度などに応じて調節し得るが、一般には5〜20重量%の濃度の水溶液にしておくことが、保存安定性、取り扱い性、接着性能などの点から好ましい。
また、第1(a)液は、目的を阻害しない範囲内の量で、アニリン基含有PVAと共に、アミノ基を持たないポリビニルアルコールを含有していてもよい。
【0022】
次に、本発明の2液型接着剤組成物における第1液として好ましく用いられる第1(b)液について説明する。
この第1(b)液は、アニリン基含有PVAと有機重合体水性エマルジヨンとから主としてなる水性液であり、一般に、予め製造されている有機重合体水性エマルジヨンに、アニリン基含有PVAを直接そのまま混合するか、またはアニリン基含有PVAの水溶液を混合することによって得ることができる。
その場合の有機重合体水性エマルジヨン、不飽和単量体、例えば、酢酸ビニル等のビニルエステル系不飽和単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル系不飽和単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン含有不飽和単量体、スチレン系単量体、プロピレンなどのオレフィン系単量体、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体の1種または2種以上を、通常の乳化重合に用いられているのと同様の乳化剤を用いて通常の乳化重合反応におけるのと同様に、ラジカル重合開始剤を使用して重合させることによって得られる。その際の重合開始剤としては、例えば過酸化水素、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、キュメンハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、過硫酸塩(カリウム、ナトリウムあるいはアンモニウム塩)、過酢酸t−ブチル、安息香酸t−ブチルなどが単独で、あるいは前記した化合物と亜硫酸ナトリウム、トリエタノールアミン、ロンガリット、L−アスコルビン酸、酒石酸などとのレドックス系触媒が用いられる。
【0023】
そして、第1(b)液では、有機重合体(上記した不飽和単量体の重合により得られる有機重合体)とアニリン基含有PVAとの比率は各々の状況に応じて調節することができるが、有機重合体100重量部に対してアニリン基含有PVAの割合を好ましくは0.5〜300重量部、より好ましくは1〜200重量部としておくことによって、固形分濃度の高い、保存安定性および機械的安定性に優れるエマルジヨン形態の第1(b)液が得られ、しかもそのような第1(b)液を用いてなる本発明の2液型接着剤組成物は、特に初期接着強度に優れたものとなる。
【0024】
また、第1(b)液も、目的を阻害しない範囲内の量で、アニリン基含有PVAと共に、アニリン基を持たないポリビニルアルコールを含有していてもよい。そして、第1(b)液においても、水性液中における全重合体の合計濃度が約20〜70重量%であることが、第1(b)液の分散安定性、接着剤組成物の初期接着力や最終的な接着力、取り扱い性、接着作業性などの点から好ましい。
【0025】
そして、本発明の2液型接着剤組成物では、上記した第1液と共に、第2液として水溶性酸化剤を含む液を用いる。
【0026】
第2液で用いる水溶性酸化剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、過酸化水素、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、キュメンハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド、臭素酸カリウム、過酢酸t−ブチル、安息香酸t−ブチル等を挙げることができ、これらの水溶性酸化剤の1種または2種以上を用いることができる。そして、本発明の2液型接着剤組成物において、第2液は、水溶性酸化剤を水に溶解させた状態にしておくことが、取り扱い性、接着作業を行った際の初期接着強度の向上などの点から好ましく、通常水溶性酸化剤を1〜50%の水溶液の状態にして用いことが好ましい。
【0027】
また、本発明の2液型接着剤組成物においては、第2液および第1液の一方または両方が、必要に応じて多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物および多価イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含んでいてもよい。そして本発明の2液型接着剤組成物において、第2液および第1液の少なくとも一方が多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物および多価イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含んでいると、接着剤組成物の最終接着強度を一層大きなものとすることが可能である。
その場合の多価エポキシ化合物としては、第1液および/または第2液と容易に溶液状および/またはエマルジョン状で混合でき、第1液および第2液の保存安定性や機械的安定性、接着力などをあまり阻害せず、接着時に第1液と第2液を密着または混合した際に良好な架橋作用を示す多価エポキシ化合物であればいずれも使用可能である。そのような多価エポキシ化合物としては、例えばポリオールのポリエポキサイドなどが好ましく用いられ、具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
【0028】
アルデヒド化合物としては、水に溶解あるいは分散した時に実質的にアルデヒド基をもつ化合物またはその水和物として存在し得るアルデヒド化合物であればいずれでもよく、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキザール、マロンアルデヒド、フクシンジアルデヒド、グルタルアルデヒド、ビメリンジアルデヒド、スベリンジアルデヒド、ジアルデヒド澱粉等を挙げることができる。
【0029】
また、多価イソシアネート化合物の種類も特に制限されず、第1液中のアニリン基含有PVAなどと反応硬化し得るものであればいずれも使用可能であり、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、水素化TDI、トリメチロールプロパン−TDIアダクト(例えばバイエル社製:商品名DesmodurL)、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビスジフェニルイソシアネート(MDI)、水素化MDI、重合MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの水不溶性イソシアネート化合物、それらのブロック化物、前記した水不溶性イソシアネートにポリメトキシエチレングリコール等を付加して水分散性にしたもの(例えば、日本ポリウレタン社製:商品名コロネートC−3053)などを挙げることができる。
多価イソシアネート化合物は、液状のものはそのまま使用してもまたはイソシアネートと反応しない溶媒、例えば、ジブチルフタレート、キシレン等の活性水素原子を持たない溶媒に溶解して用いてもよく、溶媒に溶解して用いるのが好ましい。また、水分散性の多価イソシアネート化合物の場合は水に分散させて用いてもよい。
【0030】
多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物および多価イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物は単独で用いてもまたは2種以上を併用してもよい。
【0031】
多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物および多価イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物の使用量は、接着剤組成物の用途や接着剤組成物で用いる他の成分の種類や量などに応じて調節し得るが、多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物および多価イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を第1液および第2液の一方にのみ添加する場合、および両方に添加する場合のいずれの場合にも、第1液中に含まれるアニリン基含有PVA100重量部に対して、1〜200重量部になるようにすることが、接着剤組成物の最終接着強度の点から好ましく、3〜150重量部になるようにすることがより好ましい。
【0032】
そして、上記の説明から明らかように、本発明の2液型接着剤組成物には、
(1) 第1液が第1(a)液であり、第2液が水溶性酸化剤を含む液である2液型接着剤組成物;
(2) 第1液が第1(b)液であり、第2液が水溶性酸化剤を含む液である2液型接着剤組成物;
(3) 第1液が第1(a)液または第1(b)液であり、第2液が水溶性酸化剤と多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物および多価イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む液である2液型接着剤組成物;
(4) 第1液が、多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物および多価イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む第1(a)液または第1(b)液であり、第2液が水溶性酸化剤を含む液である2液型接着剤組成物;
(5) 第1液が、多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物および多価イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む第1(a)液または第1(b)液であり、第2液が水溶性酸化剤と多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物および多価イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む液である2液型接着剤組成物;
などのような種々の態様の2液型接着剤組成物が包含される。
そして上記した種々の態様のうちで、(1)から(3)の態様を用いるものが好ましい。
【0033】
また、本発明の2液型接着剤組成物において、その第1液は、必要に応じて、増量と強化の目的で充填剤を含有していてもよく、充填剤の例としては、炭酸カルシウム、カオリン、バライタ、木粉、植物穀粉などを挙げることができ、それらの1種または2種以上を含有することができる。さらに、第1液は、必要に応じて、可塑剤、着色剤、その他の配合剤を含有していてもよい。
また、本発明2液型接着剤組成物における第2液も、第2液の性能を損なわない範囲で、必要に応じて着色剤、界面活性剤、粘度調整剤などの1種または2種以上を適宜含有していてもよい。
【0034】
本発明の2液型接着剤組成物において、第1液と第2液の割合は、接着剤組成物の用途や使用状況、両方の液に含まれる成分の種類、被着材への接着液の施し方、被着材の種類などに応じて異なり得るが、通常は、第1液100重量部に対して、好ましくは第2液を0.2〜150重量部、より好ましくは第2液を1〜100重量部の割合で用いるのがよい。
【0035】
本発明の2液型接着剤組成物は、接着作業に使用する前は、第1液と第2液を互いに分離した状態(非混合状態)にして、容器やその他に入れて、保存、流通、販売される。
そして、本発明の2液型接着剤組成物を用いて接着作業を行うに当たっては、2液型接着剤組成物の第1液を第1の被着面に塗布し、第2液を第2の被着面に塗布し、両方の塗布面同士を密着させて接着剤組成物を反応硬化させて接着させる方法(すなわち2液分別塗布方法)、または接着を行う直前に第1液と第2液とを混合しその混合液を速やかに被着材に施して接着を行う方法を採用することができるが、本発明の2液型接着剤組成物では、第1液と第2液を接触させると通常室温下でも反応硬化が速やかに進行するので、前者の2液分別塗布方法が好ましく用いられる。そして、本発明の2液型接着剤組成物を用いて2液分別塗布方法によって接着を行うと、その速硬化性、高い初期接着強度などの特性が十分に発揮されて、極めて良好な作業性で且つ低エネルギーコストで、短時間で生産性よく接着作業を行うことができる。そのため、本発明の2液型接着剤組成物は、2液分別塗布型の接着剤組成物として特に適している。
【0036】
上記した2液分別塗布方法によって接着作業を行う場合は、第1液を塗布した被着面と第2液を塗布した被着面を密着させて、圧締、プレスすると、室温において極めて短い時間(通常1〜5分以内)で高い初期接着強度を発現するので、圧締、プレスを短時間で解放することができ作業時間の短縮、作業工程の簡便化、装置の簡便化、エネルギーコストの削減などを達成することができる。そして、圧締、プレスによって十分に高い接着強度を得ることのできた被着体は、圧締やプレス状態を解放して、放置・養生することによって、充分に高い最終接着強度を有する被着体を得ることができる。水を媒体とする従来の接着剤の場合は、一般に、室温下で長時間の圧締、プレスを行わないと充分な最終接着強度が得られないが、本発明の2液型接着剤組成物を用いると、その速硬化性という特性によって、圧締、プレスは短時間であっても放置、養生後の最終接着強度の充分なる接着を行うことができ、かかる点で極めて有用である。
【0037】
また、本発明の2液型接着剤組成物を用いて接着作業を行うに当たっては、第2液を一方の被着面に予め塗布し乾燥しておいた後に、第1液を他の被着面に塗布し、両方の被着面を密着貼り合わせて、所望の接着を行うことができるので、本発明の2液型接着剤組成物を木工作業などに用いると連続的なコンベアーシステム化が可能である。
【0038】
本発明の2液型接着剤組成物を用いて2液分別塗布方法によって接着を行う場合の被着面への第1液および第2液の塗布量は特に制限されず、被着材の種類や状態、接着剤組成物の成分内容などに応じて調節することができるが、一般に、第1の被着面への第1液の塗布量を10〜500g/m程度とし、第2の被着面への第2液の塗布量を5〜100g/m程度として、両方の塗布面を密着させて接着を行うのが、第1液および第2液を無駄なく有効に用いながら高い接着強度を得ることができるので好ましい。
【0039】
本発明の2液型接着剤組成物を用いて接着を行うと、第2液に含まれる水溶性酸化剤により第1液中に含まれるアニリン基含有PVAのゲル化反応が生じて初期接着強度が向上する。更に、第1液および/または第2液中に多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物および多価イソシアネートから選ばれる少なくとも一種の化合物が含まれる場合には、アニリン基含有PVAの強固な架橋反応が生じ、弾性および耐水性に優れる接着皮膜が形成されて、最終接着強度が顕著に向上する。
【0040】
本発明の2液型接着剤組成物は、各種の木質材料、例えば木材、チップボード、ハードボードの如き材料、スレート板、硅カル板の様な木質材料;メラミン樹脂化粧材、ベークライト、その他のプラスチック材料;段ボール紙板紙、クラフト紙などの紙質材料;布帛やその他の繊維製品;無機質板などの接着に有効に用いることができる。本発明の2液型接着剤組成物を用いて前記した各種素材の接着を行うに当たっては、同種の素材同士の接着、および異なる素材間の接着のいずれにも使用でき、特に木材同士の接着に適している。しかしながら、勿論それに限定されるものではない。したがって、本発明の2液型接着剤組成物を用いることにより、何ら限定されるものではないが、例えば、フラッシュパネル、集成材などの平面接着や縁貼り、ホゾ、ダボ、トメ、ハギ、角木、箱体の製造や組み立て、その他の組立や接着作業が、迅速化され且つ省力化され、しかも室温でも良好に接着できるので省エネルギー下に実施できる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例と比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下の例中、特に断りのない限りは、「%」および「部」はそれぞれ「重量%」および「重量部」を意味する。
【0042】
《合成例1》[アニリン基含有PVAの合成]
(1) 攪拌機、還流冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた反応器に、酢酸ビニルモノマー405部、アリルグリシジルエーテル11部およびメタノール30部を仕込み、窒素ガスを15分バブリングして脱気した。別途、メタノール15部に2,2−アゾイソブチロニトリル4.5部を溶解した開始剤溶液を調し、窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、別途調した開始剤溶液を添加し重合を開始した。60℃で4時間重合し冷却して重合を停止した。この時の固形分濃度は54.8%であった。続いて30℃、減圧下にメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液(濃度44.5%)を得た。このメタノール溶液の一部をエーテル中に投入してポリマーを回収し、アセトン/エーテルで2回再沈精製した後、40℃で減圧乾燥した。この精製ポリマーについて、CDCl を溶媒にしてプロトンNMR(日本電子株式会社製「GSX−270」)測定を実施したところ、アリルグリシジルエーテル単位(エポキシ基)を2.1モル%含有するポリ酢酸ビニル共重合体であった。
【0043】
(2) 攪拌機、還流冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた反応器に上記(1)で得られたエポキシ基を有する重合体のメタノール溶液(濃度44.5%)100部を計り取り15分間窒素ガスをバブリングした後、2−アミノチオフェノール8.0部と水酸化ナトリウム0.03部をメタノール48部に溶解したものを仕込んだ。攪拌しながら50℃で2時間反応させた後、40℃に冷却してから10%濃度の水酸化ナトリウムのメタノール溶液を40部添加しケン化を行った。40℃で5時間放置した後粉砕し、酢酸8部を加えて中和してからソックスレー抽出器を用いてメタノールで48時間以上洗浄し、60℃で20時間以上乾燥して、アニリン基含有PVAを得た。アニリン基含有PVAのIRおよびプロトンNMR(d6−DMSO)を測定したところ、エポキシ基は完全に消失しており、2.1モル%のアニリン基の導入が確認でき、ビニルアルコール含量は97.0モル%であった。また、このアニリン基含有PVAの重合度は900であった(以下これにより得られたアニリン基含有PVAを「アニリン基含有PVA」という)。
【0044】
《実施例1》[2液型接着剤組成物の調製および接着試験]
(1) 合成例1で得られたアニリン基含有PVAの10%水溶液100部に対して、炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル製;商品名P−30)50部を配合して第1液を調製した。
(2) 一方、15%過硫酸アンモニウム水溶液を第2液として準備した。
(3) 上記で調製または準備した第1液と第2液を組み合わせて、2液型接着剤組成物とした。
(4) 縦×横×厚さ=25×25×10mmの2片の試験片(カバ材、マサ目)からなる被着材対を、各接着剤組成物ごとに1組当たり5対ずつ用意した。1対の被着材の一方の試験片の接着面に上記(1)で調製した第1液を塗布し(塗布量約200g/m )、もう一方の試験片の接着面に上記(2)で準備した第2液を塗布し(塗布量約50g/m)、両塗布面を貼り合わせて圧締した(圧 締圧力約10kg/cm )。次いで、各被着材対ごとに、表1中に示す時間に亙って圧締し、各圧締時間後に解圧し、それぞれを5分間または24時間養生した後に、その接着強度を、JIS K−6852「接着剤の圧縮せん断接着強さ試験方法」に準じた方法で測定して、5対の平均値を採って、接着強度(圧縮せん断接着強さ)とした。
また、上記した24時間養生後の接着強度の試験時に、被着体の接着塗布面で接着剥離が生じずに、被着材の部分で破壊が生じた割合[破壊率(%)]を同時に求めて、下記の表の括弧内に併記した。破壊率の値が高い程、接着剤組成物の接着強度が大きいことを示す。
なお、上記の接着操作および試験は全て20℃の雰囲気中で行った。
その結果を下記の表1に示す。
【0045】
《比較例1》[接着試験]
第2液の過硫酸アンモニウム水溶液を用いずに第1液のみを用いて接着を行った他は、実施例1と同様の接着試験を行い、接着強度を測定すると共に被着材の破壊率を求めた。その結果を表1に示す。
【0046】
《比較例2》[2液型接着剤組成物の調製および接着試験]
(1) フェニル基に結合したアミノ基を含有しない無変性PVA(重合度1110、けん化度98.5%)を用いた以外は実施例1と同様にして2液型接着剤組成物をつくり、それを用いて実施例1と同様にして接着試験を行って接着強度を測定すると共に被着材の破壊率を求めた。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003626579
【0048】
1) PVA水溶液の内容
▲1▼: 合成例1で得られたアニリン基含有PVAの10%水溶液
▲2▼: 無変性PVA(重合度1110、けん化度98.5モル%)の10%水溶液
2) 圧締解放後の養生時間
3) 圧縮せん断強さ(接着強度)は5対の試験片の平均値を示す。
また、24時間養生後の圧縮せん断強さの数値の後の括弧内の数値は、圧縮せん断強さの試験を行ったときに生じた被着材の破壊率(%)を示す。
4) 15%過硫酸アンモニウム水溶液
【0049】
上記の表1の結果から、アニリン基含有PVAを用いて調製した水性液[第1(a)液]を第1液とし、水溶性酸化剤の水溶液を第2液とする2液型接着剤組成物を用いて、2液分別塗布法によって接着を行った実施例1による場合は、圧締時間1分後に既にかなり高い接着強度を示し接着された被着材対の剥離が生じなくなっており、良好な作業性で接着が行われ得ること、しかも24時間養生した後は極めて高い接着強度を示し、良好な接着性能を有していることがわかる。それに対して、アニリン基含有PVAを用いて調製した水性液[第1(a)液]のみを用いて接着を行っている比較例1の場合、およびフェニル基に結合したアミノ基を含有しない無変性PVAを用いて調製した水性液を第1液とし、水溶性酸化剤水溶液を第2液とする2液型接着剤組成物を用いて接着を行っている比較例2による場合は、圧締時間5分後でも接着強度が低いかまたは漸くある程度の接着強度が発現されているに過ぎないこと、しかも24時間養生した後でも実施例1に比べてその接着強度が大幅に低くなっていることがわかる。
【0050】
《実施例2》[2液型接着剤組成物の調製および接着試験]
合成例1で得られアニリン基含有PVAの10%水溶液100部に対して炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル製;商品名P−30)50部を配合して、第1液を調製した。一方、15%過酸化水素水溶液を第2液として準備した。前記で調製または準備した第1液と第2液を用いて、実施例1と同様に接着試験を行って接着強度を測定すると共に、被着材の破壊率を求めた。その結果を表2に示す。
【0051】
《比較例3》[2液型接着剤組成物の調製および接着試験]
比較例2のフェニル基に結合したアミノ基を含有しない無変性のPVAを用いて第1液を調製した以外は実施例2と同様にして2液型接着剤組成物をつくり、それを用いて実施例1と同様にして接着試験を行って接着強度を測定すると共に、被着材の破壊率を求めた。その結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
Figure 0003626579
【0053】
1) PVA水溶液の内容
▲1▼: 合成例1で得られたアニリン基含有PVAの10%水溶液
▲2▼: 無変性PVA(重合度1110、けん化度98.5モル%)の10%水溶液
2) 圧締解放後の養生時間
3) 圧縮せん断強さ(接着強度)は5対の試験片の平均値を示す。
また、24時間養生後の圧縮せん断強さの数値の後の括弧内の数値は、圧縮せん断強さの試験を行ったときに生じた被着材の破壊率(%)を示す。
4) 15%過酸化水素水溶液
【0054】
上記の表2の結果から、アニリン基含有PVAを用いて調製した水性液を第1液とし、過酸化水素を含む液を第2液とする2液型接着剤組成物を用いて、2液分別塗布法によって接着を行った実施例2による場合は、圧締時間1分後に既にかなり高い接着強度を示し接着された被着材対の間の剥離が生じなくなって、良好な作業性で接着が行われ得ること、しかも24時間養生した後は極めて高い接着強度を示し、良好な接着性能を有していることがわかる。
それに対して、フェニル基に結合したアミノ基を含有しない無変性PVAを用いて調製した水性液を第1液とし、過酸化水素を含む液を第2液とする2液型接着剤組成物を用いて接着を行っている比較例3による場合は、圧締時間3分後に漸くある程度の接着強度が発現されているに過ぎず、しかも24時間養生した後でも実施例2に比べてその接着強度が大幅に低くなっていることがわかる。
【0055】
《実施例3》[2液型接着剤組成物の調製および接着試験]
合成例1で得られたアニリン基含有PVAの10%水溶液100部に対して炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル製;商品名P−30)50部を配合して、第1液を調製した。一方、15%過硫酸アンモニウム水溶液100部に対して、親水性多価エポキシ化合物(エチレングリコールジグリシジルエーテル)10部を配合して第2液を調製した。前記で調製した第1液および第2液を用いて実施例1と同様にして接着試験を行って接着強度を測定すると共に、被着材の破壊率を求めた。その結果を表3に示す。
【0056】
《実施例4》[2液型接着剤組成物の調製および接着試験]
合成例1で得られたアニリン基含有PVAの10%水溶液100部に対して炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル製;商品名P−30)50部を配合して、第1液を調製した。一方、15%過硫酸アンモニウム水溶液100部に対して、15%グリオキザール水溶液10部を配合して第2液を調製した。前記で調製した第1液と第2液を用いて実施例1と同様にして接着試験を行って接着強度を測定すると共に、被着材の破壊率を求めた。その結果を表3に示す。
【0057】
《比較例4》[2液型接着剤組成物の調製および接着試験]
比較例2のフェニル基に結合したアミノ基を含有しない無変性PVAを用いて第1液を調製した以外は実施例3と同様にして2液型接着剤組成物をつくり、それを用いて実施例1と同様にして接着試験を行って接着強度を測定すると共に被着材の破壊率を求めた。その結果を表3に示す。
【0058】
《比較例5》[2液型接着剤組成物の調製および接着試験]
比較例2のフェニル基に結合したアミノ基を含有しない無変性PVAを用いて第1液を調製した以外は実施例4と同様にして2液型接着剤組成物をつくり、それを用いて実施例1と同様にして接着試験を行って接着強度を測定すると共に被着材の破壊率を求めた。その結果を表3に示す。
【0059】
【表3】
Figure 0003626579
【0060】
1)PVA水溶液の内容
▲1▼:合成例1で得られたアニリン基含有PVAの10%水溶液
▲2▼:無変性PVA(重合度1110、けん化度98.5モル%)の10%水溶液
2)圧締解放後の養生時間
3)圧縮せん断強さ(接着強度)は5対の試験片の平均値を示す。
また、24時間養生後の圧縮せん断強さの数値の後の括弧内の数値は、圧縮せん断強さの試験を行ったときに生じた被着材の破壊率(%)を示す。
4)A:15%過硫酸アンモニウム水溶液
5)B:エチレングリコールジグリシジルエーテル
6)C:15%グリオキザール水溶液
【0061】
上記の表3の結果から、アニリン基含有PVAを用いて調製した水性液を第1液とし、水溶性酸化剤と共に多価エポキシ化合物あるいはアルデヒド化合物を含む液を第2液とする2液型接着剤組成物を用いて、2液分別塗布法によって接着を行った実施例3〜4による場合は、圧締時間1分後に既にかなり高い接着強度を示し接着された被着材(1対の試験片)の剥離が生じなくなって、良好な作業性で接着が行われ得ること、しかも24時間養生した後は極めて高い接着強度を示し、良好な接着性能を有していることがわかる。
それに対して、フェニル基に結合したアミノ基を含有しない無変性PVAを用いて調製した水性液を第1液とし、水溶性酸化剤と共に多価エポキシ化合物またはアルデヒド化合物を含む液を第2液とする2液型接着剤組成物を用いて、2液分別塗布法により接着を行った比較例4および5による場合は、圧締時間5分後に漸くある程度の接着強度が発現されているに過ぎず、しかも24時間養生した後でも実施例3〜4に比べてその接着強度が大幅に低くなっていることがわかる。
【0062】
《実施例5》[2液型接着剤組成物の調製および接着試験]
合成例1で得られたアニリン基含有PVAの10%水溶液100部に対して、多価エポキシ化合物(エチレングリコールジグリシジルエーテル)10部および炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル製、商品名P−30)50部を配合して第1液を調製した。一方、15%過硫酸アンモニウム水溶液を第2液として準備した。前記で調製または準備した第1液と第2液を用いて実施例1と同様にして接着試験を行って接着強度を測定すると共に、被着材の破壊率を求めた。その結果を表4に示す。
【0063】
《比較例6》[2液型接着剤組成物の調製および接着試験]
比較例2で調製したフェニル基に結合したアミノ基を含有しない無変性PVAを用いて第1液を調製した以外は実施例と同様にして2液型接着剤組成物をつくり、実施例1と同様にして接着試験を行って接着強度を測定すると共に、被着材の破壊率を求めた。その結果を表4に示す。
【0064】
【表4】
Figure 0003626579
【0065】
1) PVA水溶液の内容
▲1▼: 合成例1で得られたアニリン基含有PVAの10%水溶液
▲2▼: 無変性PVA(重合度1110、けん化度98.5モル%)の10%水溶液
2) 圧締解放後の養生時間
3) 圧縮せん断強さ(接着強度)は5対の試験片の平均値を示す。
また、24時間養生後の圧縮せん断強さの数値の後の括弧内の数値は、圧縮せん断強さの試験を行ったときに生じた被着材の破壊率(%)を示す。
4) B:エチレングリコールジグリシジルエーテル
5)15%過硫酸アンモニウム水溶液
【0066】
上記の表4の結果から、アニリン基含有PVAおよび多価エポキシ化合物を用いて調製した水性液を第1液とし、水溶性酸化剤の水溶液を第2液とする2液型接着剤組成物を用いて、2液分別塗布法によって接着を行った実施例5による場合は、圧締時間1分後に既にかなり高い接着強度を示し接着された被着材(1対の試験片)の剥離が生じなくなって、良好な作業性で接着が行われ得ること、しかも24時間養生した後は極めて高い接着強度を示し、良好な接着性能を有していることがわかる。
それに対して、フェニル基に結合したアミノ基を含有しない無変性PVAおよび多価エポキシ化合物を含む水性液を第1液とし、水溶性酸化剤を含む液を第2液として用いて接着を行っている比較例6による場合は、圧締時間5分後に漸くある程度の接着強度が発現されているに過ぎず、しかも24時間養生した後でも実施例5に比べてその接着強度が大幅に低くなっていることがわかる。
【0067】
《実施例6》[2液型接着剤組成物の調製および接着試験]
合成例1で得られたアニリン基含有PVAの10%水溶液100部に対して、炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル製;商品名P−30)50部および有機重合体水性エマルジヨン(エチレン−酢酸ビニル共重合体水性エマルジヨン;固形分濃度55%;株式会社クラレ社製「OM−4200」)100部を配合して第1液を調製した。一方、15%過硫酸アンモニウム水溶液を第2液として準備した。前記で調製または準備した第1液と第2液を用いて実施例1と同様にして接着試験を行って接着強度を測定すると共に、被着材の破壊率を求めた。その結果を下記の表5に示す。
【0068】
《実施例7》[接着試験]
第2液として過酸化水素水溶液を用いるほかは実施例6と同様にして接着試験を行って接着強度を測定すると共に、被着材の破壊率を求めた。その結果を下記の表5に示す。
【0069】
《比較例7》[接着試験]
第2液の過硫酸アンモニウム水溶液を用いずに第1液のみを使用して、実施例6と同様にして接着試験を行って接着強度を測定すると共に、被着材の破壊率を求めた。その結果を下記の表5に示す。
【0070】
《比較例8》[2液型接着剤組成物の調製および接着試験]
フェニル基に結合したアミノ基を含有しない無変性PVA(重合度1110、ケン化度98.5%)の10%水溶液100部に対して、炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル製;商品名P−30)50部および有機重合体水性エマルジヨン(エチレン−酢酸ビニル共重合体水性エマルジヨン;固形分濃度55%;株式会社クラレ社製「OM−4200」)100部を配合して第1液を調製した。一方、15%過硫酸アンモニウム水溶液を第2液として準備した。前記で調製または準備した第1液と第2液を用いて実施例1と同様にして接着試験を行って接着強度を測定すると共に、被着材の破壊率を求めた。その結果を下記の表5に示す。
【0071】
【表5】
Figure 0003626579
【0072】
1)PVA水溶液の内容
▲1▼:合成例1で得られたアニリン基含有PVAの10%水溶液
▲2▼:無変性PVA(重合度1110、けん化度98.5モル%)の10%水溶液
2)重合体エマルジョンの内容
D:エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(株式会社クラレ製「OM−4200」)
3)圧締解放後の養生時間
4)圧縮せん断強さ(接着強度)は5対の試験片の平均値を示す。
また、24時間養生後の圧縮せん断強さの数値の後の括弧内の数値は、圧縮せん断強さの試験を行ったときに生じた被着材の破壊率(%)を示す。
5)15%過硫酸アンモニウム水溶液
6)15%過酸化水素水溶液
【0073】
上記の表5の結果から、アニリン基含有PVAと有機重合体水性エマルジヨンから主としてなる水性溶液を第1液とし、水溶性酸化剤の水溶液を第2液とする2液型接着剤組成物を用いて、2液分別塗布法によって接着を行った実施例6〜7による場合は、圧締時間1分後に既にかなり高い接着強度を示し、接着された被着材(1対の試験片)の剥離が生じなくなって、良好な作業性で接着が行われ得ること、しかも24時間養生した後は極めて高い接着強度を示し、良好な接着性能を有していることがわかる。
それに対して、アニリン基含有PVAと有機重合体水性エマルジヨンから主としてなる水性溶液のみを用いて接着を行っている比較例7、並びにフェニル基に結合したアミノ基を含有しない無変性PVAと有機重合体水性エマルジヨンから主としてなる水性液を第1液とし、水溶性酸化剤を含む液を第2液として用いて接着を行っている比較例8による場合は、圧締時間5分後に漸くある程度の接着強度が発現されているに過ぎず、しかも24時間養生した後でも実施例6〜7に比べてその接着強度が大幅に低くなっていることがわかる。
【0074】
【発明の効果】
本発明の2液型接着剤組成物は、第1液と第2液を接触させたときに、室温下に短時間のうちに反応硬化して高い初期接着強度を発現するので、本発明の2液型接着剤組成物を用いて接着を行う場合には、良好な作業性や工程性で、且つ低エネルギーコストで接着作業を行うことができる。特に、本発明の2液型接着剤組成物を用いて、一方の被着面に第1液を塗布し、もう一方の被着面に第2液を塗布し、両方の塗布面を密着させる2液分別塗布方法により接着を行うと、その速硬化性という特性によって、接着作業を極めて円滑に行うことができる。
そして、本発明の2液型接着剤組成物を用いて得られる被着体は高い最終接着強度を有しており、接着部分が剥がれるなどのトラブルを生じない。
さらに、本発明の2液型接着剤組成物は、保存安定性や機械的安定性に優れていて、放置しておいても成分の沈降や分離、凝集などが生じにくく、しかも搬送時や取り扱い時などに外部から揺動、攪拌などの作用を受けても成分の沈降や分離、凝集などが生じにくく、その接着性能を良好に保持することができる
したがって、本発明の2液型接着剤組成物は、上記した種々の優れた特性を活かして、各種の木質材料、例えば木材、チップボード、ハードボードの如き材料、スレート板、硅カル板の様な木質材料;メラミン樹脂化粧材、ベークライト、その他のプラスチック材料;段ボール紙板紙、クラフト紙などの紙質材料;布帛やその他の繊維製品;無機質板などの接着に有効に用いることができ、特に木材の接着に好適である。

Claims (6)

  1. フェニル基に結合したアミノ基を有するビニルアルコール系重合体を含む水性液よりなる第1液と、水溶性酸化剤を含む第2液からなる2液型接着剤組成物。
  2. 第1液が、フェニル基に結合したアミノ基を有するビニルアルコール系重合体と有機重合体水性エマルジヨンからなる水性液である請求項1記載の2液型接着剤組成物。
  3. フェニル基に結合したアミノ基を有するビニルアルコール系重合体が下記の化1または化2の構成単位を有するビニルアルコール系重合体である請求項1または2記載の2液型接着剤組成物。
    Figure 0003626579
    Figure 0003626579
    (ここで、R ,R ,R ,R およびR は水素原子または炭素数8以下の置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、Aは2価の炭化水素基または窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を少なくとも1種含む2価の炭化水素基を表し、Sは硫黄原子を表し、Xはフェニル基に結合したアミノ基を含有する1価の基を表す。)
  4. 第2液が、水溶性酸化剤を含む液であり、第1液および第2液の少なくとも一方が多価エポキシ化合物、アルデヒド化合物および多価イソシアネート化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を更に含有する請求項1、2または3記載の2液型接着剤組成物。
  5. 2液分別塗布型の接着剤組成物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の2液型接着剤組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の2液型接着剤組成物の第1液を第1の被着面に塗布し、第2液を第2の被着面に塗布し、両方の塗布面同士を密着させて接着を行うことを特徴とする接着方法。
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