JP3770596B2 - 瞬間硬化水性接着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着強度および耐水接着強度に優れ、特に初期接着力が発現するまでの時間が短く、初期接着強度が高い2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
木材やスレート板などの接着剤には、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、ラテックス、尿素樹脂、ゴムのり、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物などが用いられてきたが、これらの従来の接着剤は、一部の有機溶剤系接着剤を除き、初期接着力が低いという問題がある。一方、初期接着力の比較的高い有機溶剤系接着剤も工場などの密閉された場所で使用する場合には、有機溶剤による毒性と火災の危険があり、用途が限定されるという問題がある。また、水性の接着剤の中でも近年環境問題への関心が高まるとともに、ホルマリン等の有害成分を放出する尿素樹脂等の使用は減少し、それらの問題のない水性エマルジョンは耐水接着強度が低く、初期接着力、耐水接着強度、安全性の観点から、すべてのレベルを満足させる接着剤がないというのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この問題を解決する手段として、2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤が提案されており、この接着剤は、第1液と第2液を別々に調製し、保管しておき、接着に際しては、第1液を一方の被着面に塗布し、第2液を他方の被着面に塗布し、塗布面同士を接触、反応させて接着するものであって、特公平1−60192号公報には分子内にアセトアセチル基を有する高分子化合物の水溶液および/または水性エマルジョンからなる第1液とヒドラジン化合物の水溶液からなる第2液とからなる2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤が提案されている。
【0004】
この接着剤は、調製直後に使用した場合には、初期接着力は比較的高いが、アセトアセチル基がヒドラジン化合物以外にもアルデヒド化合物とも架橋反応をするため、第1液として保管中に大気中あるいはエマルジョン中に存在するアルデヒド化合物と架橋反応することにより第1液の保存安定性が劣り、水溶液、エマルジョンの状態で保存した場合、経時的な粘度上昇が見られると同時に、第2液と接触した場合の架橋反応性が保存時間の経過とともに低下するという問題がある。また、上記のアセトアセチル基を有する高分子化合物として、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)を製造する場合には、固体状のPVAと液体状のジケテンを不均一系で反応させるため、アセトアセチル基の導入にむらが生じ、耐水接着強度等の性能が良くないという問題がある。
【0005】
また、本発明者らは、このような従来の欠点を解決する方法として、ジアセトンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエステルの共重合体のケン化物を乳化・分散剤とし、エチレン性不飽和単量体の重合体を分散質とする水性エマルジョンを含有する第1液とヒドラジン系化合物を含有する水性液の第2液とからなる2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤(特開2000−86997号公報)を提案している。この接着剤は第1液と第2液を別々の状態で長期間保管してもそれぞれ安定であり、しかも接着に際して、別々に被接着面に塗布された第1液と第2液を接着させた場合、架橋反応して高度な耐水接着強度を示すが、用途によっては作業スピードを一層、向上させるために、両者を接触させてから接着力が発現するまでの時間がより短い2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤が要望されており、この接着剤でも、初期接着力が発現するまでの時間が十分に短いとはいえなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、前記の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤の第2液に使用するヒドラジン系化合物の中で、3官能ヒドラジド化合物を使用すると、初期接着力が発現するまでの時間が短くなり、言い換えると、初期接着強度が高くなることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、ジアセトンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエステルの共重合体のケン化物を乳化・分散剤とし、エチレン性不飽和単量体の重合体を分散質とする水性エマルジョンを含有する第1液(A)と、3官能ヒドラジド化合物を含有する水性液からなる第2液(B)とからなることを特徴とする2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤、および第1液(A)、第2液(B)の少なくとも一方に酸性化合物(C)を配合してなることを特徴とする2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤は、第1液(A)と第2液(B)とからなるものであって、第1液(A)は、ジアセトンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエステルの共重合体のケン化物を乳化・分散剤とし、エチレン性不飽和単量体の重合体を分散質とする水性エマルジョンを含有する水性液であり、第2液(B)は、3官能ヒドラジド化合物を含有する水性液からなるものである。
【0008】
第1液(A)において用いられるジアセトンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエステル共重合体のケン化物(以下、DAVESと略記する)は、脂肪酸ビニルエステルとジアセトンアクリルアミドとを共重合して得た重合体をケン化するなどの公知の方法により製造することができる。
【0009】
上記の共重合に使用する脂肪酸ビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルが挙げられ、中でも酢酸ビニルが工業的に好ましい。
【0010】
上記の脂肪酸ビニルエステルとジアセトンアクリルアミドとの共重合方法は、従来から公知の塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの各種の方法を採用することができ、中でもメタノールを溶剤として用いる溶液重合が工業的に好ましい。
【0011】
脂肪酸ビニルエステルとジアセトンアクリルアミドとを共重合して得た重合体のケン化方法は、従来から公知のアルカリケン化および酸ケン化を適用することができ、中でも重合体のメタノール溶液またはメタノールと水、酢酸メチル、ベンゼン等の混合溶液に水酸化アルカリを添加して加アルコール分解する方法が工業的に好ましい。
【0012】
上記のDAVESは、本発明の効果を阻害しない範囲で、脂肪酸ビニルエステルまたはジアセトンアクリルアミドと共重合可能な、例えばクロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸およびそのエステル・塩・無水物・アミド・ニトリル類、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびその塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モノアルキルエステル類、炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン類とともに共重合したものであっても良い。この他、得られたDAVESを本発明の効果を阻害しない範囲で、アセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化、アセトアセチル化などの反応によって後変性したものでも良い。
【0013】
上記のDAVESのジアセトンアクリルアミド単位の含有量は特に制限はないが、0.1〜15モル%が望ましく、より好ましくは0.5〜10モル%である。ジアセトンアクリルアミド単位の含有量が少なすぎると、耐水接着強度および初期接着力が小さくなるおそれがあり、またDAVESは水溶性ポリマーであるが、含有量が多くなりすぎると、水溶性が低下し、作業性に問題を生じるおそれがある。
【0014】
また、上記のDAVESの重合度、ケン化度は特に制限されないが、20℃における4質量%水溶液粘度が3mPa.s以上、ケン化度85モル%以上が好ましい。
【0015】
第1液(A)の水性エマルジョンの分散質に使用されるエチレン性不飽和単量体の例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの4級化物、さらには、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのアクリルアミド系単量体、その他N−ビニルピロリドン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体などが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を混合して用いられる。
【0016】
また、上記水性エマルジョンの製造方法としては、DAVESの水溶液を乳化・分散剤に用いて重合開始剤の存在下に前記エチレン性不飽和単量体を一時または連続的に添加して乳化重合させる方法、またエチレン性不飽和単量体をDAVESの水溶液を用いて乳化した混合物を、連続的に反応系に添加して乳化重合させる方法などがあり、その他にも、界面活性剤およびPVA等の水溶性高分子を用いて従来公知の方法で得られた水性エマルジョンにDAVESを後添加する方法などが挙げられる。
【0017】
なお、前記水性液中のDAVESの含有量については、水性液100質量部に対して、DAVES0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは2質量部以上である。DAVESの含有量が少なすぎる場合は耐水接着強度、初期接着力の改良効果が小さくなるおそれがある。
【0018】
また、第1液(A)のDAVESを含有する水性液には、DAVES以外の水溶性樹脂、例えばPVA、変性PVA、でんぷん、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸誘導体、ゼラチン等の天然高分子、合成高分子、クレー、カオリン、タルク、シリカ、炭酸カルシウム等の無機充填剤、グリセリン、ソルビトール等の可塑剤、界面活性剤、消泡剤、キレート剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0019】
第2液(B)において用いられる3官能ヒドラジド化合物としては、化学式−CO−NH−NHで示されるヒドラジド基を分子内に3個有する化合物であり、例えばブタントリカルボヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、1,2,4−ピロメリット酸トリヒドラジドなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0020】
第2液(B)において用いられる3官能ヒドラジド化合物の水性液は、3官能ヒドラジド化合物を含有する水溶液または水分散液であって、その濃度は特に制限は無いが、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは2〜25質量%である。
【0021】
第1液(A)、第2液(B)の少なくとも一方に酸性化合物(C)を配合することができる。ここで(C)として用いられる酸性化合物としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸、リン酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アスコルビン酸、スルホン酸、シュウ酸、乳酸、グルコン酸、硫酸アルミニウム、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウムなどが挙げられるが、これらに限られない。また、酸性化合物(C)の添加量には、特に制限は無いが、第1液(A)、第2液(B)の少なくとも一方に混合した際の溶液、または分散液のpHが2.0〜6.0になることが好ましい。
【0022】
本発明の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤は、接着に際しては、DAVESを含む水性液からなる第1液を一方の被着面に塗布し、3官能ヒドラジド化合物の水性液からなる第2液を他方の被着面に塗布し、両被着面を密着、貼り合わせるのであるが、その際の塗布量については特に制限はなく、第1液が5〜300g/m(固形分として)であり、第2液が0.1〜50g/m(3官能ヒドラジド化合物として)であることが好ましい。
【0023】
また、必要に応じて、本発明の接着剤の第1液、第2液の少なくとも一方に3官能ヒドラジド化合物以外の架橋剤を添加し、耐水接着強度をさらに向上させることも可能で、その際使用される架橋剤の種類としては、2官能のヒドラジン系化合物、多官能イソシアネート、多官能ブロック化イソシアネート、イソブチレン−マレイン酸共重合体、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。中でも、最終的な耐水化効果の点で、多官能イソシアネート、多官能ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物を使用することが好ましく、例えばトリフェニルメタントリイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、メチレンビス・ジ・フェニルイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチロールプロパン−TDIアダクト、水素化TDI、水素化MDI、HMDIのアダクト変性化合物、キシレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が例示されるが、これらに限らない。また、その使用量としては特に制限はないが、DAVES100質量部に対し、0.1〜500質量部が、使用目的に応じて使用される。
【0024】
本発明の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤の作用機構については十分解明されたわけではないが、DAVESの水性液からなる第1液と3官能ヒドラジド化合物の水性液からなる第2液がそれぞれ別々に塗布された被着面を貼り合わせる際に、DAVES分子中のカルボニル基と3官能ヒドラジド化合物のヒドラジド基が急速に架橋反応を生ずるため、高度な耐水接着強度が得られるとともに、3官能ヒドラジド化合物の使用によりカルボニル基とヒドラジド基の接触確率が最適に増加し、初期接着力の発現時間が良好に短縮できると考えられる。また、これらの第1液、第2液の少なくとも一方に酸性化合物を添加すると、反応時のpHが低下し、カルボニル基とヒドラジド基の反応速度が高くなるため、初期接着力がより高くなると考えられる。
【0025】
本発明の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤は、短時間の圧締で十分な初期接着力が得られ、比較的低温で乾燥しても優れた耐水性を示すことから、木材、合板、パーティクルボード、ハードボード等の繊維質材料、スレート板、珪カル板、モルタル、タイル等の無機質材料、メラミン化粧板、ベークライト、発泡スチロール等のプラスチック材料、段ボール、板紙、クラフト紙等の紙質材料などの高速接着に有用である。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例中の諸物性の測定方法を以下に示す。
【0027】
(1).初期接着強度
25mm×30mm×10mmの2片の木材試験片のうちの一方の試験片の接着面(25mm×30mm)に第1液を100g/m塗布し、他方の試験片の接着面に第2液を50g/m塗布した後、塗布面同士を密着し、直ちに19.8Nの荷重で圧締した。圧締開始後、30秒、60秒、120秒後に解圧して、すぐに東洋精機(株)製ストログラフを使用し、圧縮剪断接着強度(MPa)を測定した。
【0028】
(2).耐水接着強度
JISK−6852に基づき、25mm×30mm×10mmの2片の試験片の一方の接着面(25mm×30mm)に第1液を100g/m塗布し、他方の試験片の接着面に第2液を50g/m塗布した後、塗布面同士を密着し、直ちに49Nの荷重で4分間圧締した。解圧後、20℃×65%RHで72時間養生し、接着試験片を20℃の水に3時間浸漬した後、取り出して直ちに圧縮剪断接着強度(MPa)を測定した。
【0029】
実施例1
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えたガラス製重合容器に、イオン交換水500質量部、ジアセトンアクリルアミド単位を6.0モル%含有するジアセトンアクリルアミド−酢酸ビニル共重合体のケン化物(重合度1,700、ケン化度98.5モル%)39質量部を仕込み、95℃で完全に溶解した。これを70℃まで冷却し、過硫酸アンモニウム0.5質量部を添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、酢酸ビニル460質量部を2時間かけて連続的に添加した後、80℃に昇温し、さらに2時間熟成反応を行い、乳化重合を完結させ、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0030】
第1液として上記の酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、第2液としてブタントリカルボヒドラジドの10質量%水溶液を使用し、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなように、短時間で高い初期接着強度を示し、耐水接着強度も高かった。
【0031】
実施例2
第2液としてブタントリカルボヒドラジドに代えて、クエン酸トリヒドラジドの10質量%水溶液を使用した以外は実施例1と同様にして、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなように、短時間で高い初期接着強度を示し、耐水接着強度も高かった。
【0032】
実施例3
第2液としてブタントリカルボヒドラジドに代えて、ニトリロ酢酸トリヒドラジドの10質量%水溶液を使用した以外は実施例1と同様にして、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなように、短時間で高い初期接着強度を示し、耐水接着強度も高かった。
【0033】
実施例4
第2液としてブタントリカルボヒドラジドの10質量%水溶液100質量部に硫酸アルミニウム5質量部を添加した混合水溶液を使用した以外は実施例1と同様にして、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなように、短時間で高い初期接着強度を示し、耐水接着強度も高かった。
【0034】
実施例5
第2液としてブタントリカルボヒドラジドの10質量%水溶液100質量部に50質量%リン酸水溶液2質量部を添加した混合水溶液を使用した以外は実施例1と同様にして、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなように、短時間で高い初期接着強度を示し、耐水接着強度も高かった。
【0035】
実施例6
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えたガラス製重合容器に、イオン交換水300質量部、ノニオン系界面活性剤(日本乳化剤(株)製ニューコール740)0.5質量部を添加し、70℃に昇温した後、過硫酸アンモニウム0.5質量部を添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、メタクリル酸メチル200質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル200質量部、アクリル酸10質量部からなる混合モノマーとジアセトンアクリルアミド単位6.0モル%含有するジアセトンアクリルアミド−酢酸ビニル共重合体のケン化物(重合度1700、ケン化度98.5モル%)の10質量%水溶液150質量部をそれぞれ2時間かけて連続的に添加し、さらに2時間熟成反応を行い、乳化重合を完結させ、アクリル系樹脂エマルジョンを得た。
【0036】
第1液として上記のアクリル系樹脂エマルジョン、第2液としてブタントリカルボヒドラジドの10質量%水溶液を使用し、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなように、短時間で高い初期接着強度を示し、耐水接着強度も高かった。
【0037】
実施例7
第1液として実施例6で作製したアクリル系樹脂エマルジョン、第2液としてブタントリカルボヒドラジドの10質量%水溶液100質量部に50質量%リン酸水溶液2質量部を添加した混合水溶液を使用した以外は、実施例6と同様にして、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなように、短時間で高い初期接着強度を示し、耐水接着強度も高かった。
【0038】
比較例1
第1液として実施例1で作製した酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを使用し、第2液を使用せず、2片の木材の一方に第1液だけを塗布し、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなように、初期接着強度および耐水接着強度は低かった。
【0039】
比較例2
第2液としてブタントリカルボヒドラジドに代えて、2官能ヒドラジド化合物であるアジピン酸ジヒドラジドの10質量%水溶液を使用した以外は実施例1と同様にして、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなように、初期接着強度は3官能ヒドラジド化合物を使用した実施例よりも低く、耐水接着強度は低かった。
【0040】
比較例3
第2液としてブタントリカルボヒドラジドに代えて、2官能ヒドラジド化合物であるカルボヒドラジドの10質量%水溶液を使用した以外は実施例1と同様にして、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなように、初期接着強度は3官能ヒドラジド化合物を使用した実施例よりも低く、耐水接着強度は低かった。
【0041】
比較例4
第1液として実施例6で作製したアクリル系樹脂エマルジョンを使用し、第2液としてブタントリカルボヒドラジドに代えて、2官能ヒドラジド化合物であるアジピン酸ジヒドラジドの10質量%水溶液を使用した以外は実施例6と同様にして、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなように、初期接着強度は3官能ヒドラジド化合物を使用した実施例よりも低く、耐水接着強度は低かった。
【0042】
【表1】
Figure 0003770596
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、別々に被接着面に塗布された第1液と第2液を接着させると急速に反応が開始し、両者を接触させて短い圧締時間で十分な初期接着力が発現するので、各種の接着の作業スピードを著しく向上させることが可能であり、しかも比較的低温で乾燥しても高い耐水接着強度を発現する2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤を提供することができる。

Claims (2)

  1. ジアセトンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエステルの共重合体のケン化物を乳化・分散剤とし、エチレン性不飽和単量体の重合体を分散質とする水性エマルジョンを含有する第1液(A)と、ブタントリカルボヒドラジドを含有する水性液からなる第2液(B)からなることを特徴とする2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤。
  2. 請求項1記載の第1液(A)と第2液(B)の少なくとも一方に酸性化合物(C)を配合してなることを特徴とする請求項1記載の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤。
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