JP2003201455A - 瞬間硬化水性接着剤 - Google Patents

瞬間硬化水性接着剤

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JP2003201455A JP2001403096A JP2001403096A JP2003201455A JP 2003201455 A JP2003201455 A JP 2003201455A JP 2001403096 A JP2001403096 A JP 2001403096A JP 2001403096 A JP2001403096 A JP 2001403096A JP 2003201455 A JP2003201455 A JP 2003201455A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着に際して、別々に塗布された第1液と第
2液を接触させた場合、耐水接着強度が高く、特に接着
強度が発現するまでの時間が短く、高い接着強度を有す
る2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤を提供する。 【解決手段】 ジアセトンアクリルアミド−脂肪酸ビニ
ルエステルの共重合体のケン化物を乳化・分散剤とし、
エチレン性不飽和単量体の重合体を分散質とする水性エ
マルジョンを含有する第1液(A)と、3官能ヒドラジ
ド化合物を含有する水性液からなる第2液(B)からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着強度および耐
水接着強度に優れ、特に初期接着力が発現するまでの時
間が短く、初期接着強度が高い2液別塗布型の瞬間硬化
水性接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木材やスレート板などの接着剤には、酢
酸ビニル系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジ
ョン、ラテックス、尿素樹脂、ゴムのり、エポキシ樹
脂、イソシアネート化合物などが用いられてきたが、こ
れらの従来の接着剤は、一部の有機溶剤系接着剤を除
き、初期接着力が低いという問題がある。一方、初期接
着力の比較的高い有機溶剤系接着剤も工場などの密閉さ
れた場所で使用する場合には、有機溶剤による毒性と火
災の危険があり、用途が限定されるという問題がある。
また、水性の接着剤の中でも近年環境問題への関心が高
まるとともに、ホルマリン等の有害成分を放出する尿素
樹脂等の使用は減少し、それらの問題のない水性エマル
ジョンは耐水接着強度が低く、初期接着力、耐水接着強
度、安全性の観点から、すべてのレベルを満足させる接
着剤がないというのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この問題を解決する手
段として、2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤が提案さ
れており、この接着剤は、第1液と第2液を別々に調製
し、保管しておき、接着に際しては、第1液を一方の被
着面に塗布し、第2液を他方の被着面に塗布し、塗布面
同士を接触、反応させて接着するものであって、特公平
1−60192号公報には分子内にアセトアセチル基を
有する高分子化合物の水溶液および/または水性エマル
ジョンからなる第1液とヒドラジン化合物の水溶液から
なる第2液とからなる2液別塗布型の瞬間硬化水性接着
剤が提案されている。
【0004】この接着剤は、調製直後に使用した場合に
は、初期接着力は比較的高いが、アセトアセチル基がヒ
ドラジン化合物以外にもアルデヒド化合物とも架橋反応
をするため、第1液として保管中に大気中あるいはエマ
ルジョン中に存在するアルデヒド化合物と架橋反応する
ことにより第1液の保存安定性が劣り、水溶液、エマル
ジョンの状態で保存した場合、経時的な粘度上昇が見ら
れると同時に、第2液と接触した場合の架橋反応性が保
存時間の経過とともに低下するという問題がある。ま
た、上記のアセトアセチル基を有する高分子化合物とし
て、アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール
(以下、PVAと略記する)を製造する場合には、固体
状のPVAと液体状のジケテンを不均一系で反応させる
ため、アセトアセチル基の導入にむらが生じ、耐水接着
強度等の性能が良くないという問題がある。
【0005】また、本発明者らは、このような従来の欠
点を解決する方法として、ジアセトンアクリルアミド−
脂肪酸ビニルエステルの共重合体のケン化物を乳化・分
散剤とし、エチレン性不飽和単量体の重合体を分散質と
する水性エマルジョンを含有する第1液とヒドラジン系
化合物を含有する水性液の第2液とからなる2液別塗布
型の瞬間硬化水性接着剤(特開2000−86997号
公報)を提案している。この接着剤は第1液と第2液を
別々の状態で長期間保管してもそれぞれ安定であり、し
かも接着に際して、別々に被接着面に塗布された第1液
と第2液を接着させた場合、架橋反応して高度な耐水接
着強度を示すが、用途によっては作業スピードを一層、
向上させるために、両者を接触させてから接着力が発現
するまでの時間がより短い2液別塗布型の瞬間硬化水性
接着剤が要望されており、この接着剤でも、初期接着力
が発現するまでの時間が十分に短いとはいえなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行った結果、前記の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着
剤の第2液に使用するヒドラジン系化合物の中で、3官
能ヒドラジド化合物を使用すると、初期接着力が発現す
るまでの時間が短くなり、言い換えると、初期接着強度
が高くなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ジアセトンアクリルアミド−脂肪
酸ビニルエステルの共重合体のケン化物を乳化・分散剤
とし、エチレン性不飽和単量体の重合体を分散質とする
水性エマルジョンを含有する第1液(A)と、3官能ヒ
ドラジド化合物を含有する水性液からなる第2液(B)
とからなることを特徴とする2液別塗布型の瞬間硬化水
性接着剤、および第1液(A)、第2液(B)の少なく
とも一方に酸性化合物(C)を配合してなることを特徴
とする2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤は、第1液
(A)と第2液(B)とからなるものであって、第1液
(A)は、ジアセトンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエ
ステルの共重合体のケン化物を乳化・分散剤とし、エチ
レン性不飽和単量体の重合体を分散質とする水性エマル
ジョンを含有する水性液であり、第2液(B)は、3官
能ヒドラジド化合物を含有する水性液からなるものであ
る。
【0008】第1液(A)において用いられるジアセト
ンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエステル共重合体のケ
ン化物(以下、DAVESと略記する)は、脂肪酸ビニ
ルエステルとジアセトンアクリルアミドとを共重合して
得た重合体をケン化するなどの公知の方法により製造す
ることができる。
【0009】上記の共重合に使用する脂肪酸ビニルエス
テルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ピバリン酸ビニルが挙げられ、中でも酢酸ビニ
ルが工業的に好ましい。
【0010】上記の脂肪酸ビニルエステルとジアセトン
アクリルアミドとの共重合方法は、従来から公知の塊状
重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの各種の方法
を採用することができ、中でもメタノールを溶剤として
用いる溶液重合が工業的に好ましい。
【0011】脂肪酸ビニルエステルとジアセトンアクリ
ルアミドとを共重合して得た重合体のケン化方法は、従
来から公知のアルカリケン化および酸ケン化を適用する
ことができ、中でも重合体のメタノール溶液またはメタ
ノールと水、酢酸メチル、ベンゼン等の混合溶液に水酸
化アルカリを添加して加アルコール分解する方法が工業
的に好ましい。
【0012】上記のDAVESは、本発明の効果を阻害
しない範囲で、脂肪酸ビニルエステルまたはジアセトン
アクリルアミドと共重合可能な、例えばクロトン酸、ア
クリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸お
よびそのエステル・塩・無水物・アミド・ニトリル類、
マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカル
ボン酸およびその塩、マレイン酸モノメチル、イタコン
酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モノアルキルエステル
類、炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニ
ルエーテル類、ビニルピロリドン類とともに共重合した
ものであっても良い。この他、得られたDAVESを本
発明の効果を阻害しない範囲で、アセタール化、ウレタ
ン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化、ア
セトアセチル化などの反応によって後変性したものでも
良い。
【0013】上記のDAVESのジアセトンアクリルア
ミド単位の含有量は特に制限はないが、0.1〜15モ
ル%が望ましく、より好ましくは0.5〜10モル%で
ある。ジアセトンアクリルアミド単位の含有量が少なす
ぎると、耐水接着強度および初期接着力が小さくなるお
それがあり、またDAVESは水溶性ポリマーである
が、含有量が多くなりすぎると、水溶性が低下し、作業
性に問題を生じるおそれがある。
【0014】また、上記のDAVESの重合度、ケン化
度は特に制限されないが、20℃における4質量%水溶
液粘度が3mPa.s以上、ケン化度85モル%以上が
好ましい。
【0015】第1液(A)の水性エマルジョンの分散質
に使用されるエチレン性不飽和単量体の例としては、エ
チレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン、
塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビ
ニリデンなどのハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル
などのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル
酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル、
アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチルおよびこれらの4級化物、さらには、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセ
トンアクリルアミドなどのアクリルアミド系単量体、そ
の他N−ビニルピロリドン、ブタジエン、イソプレン、
クロロプレンなどのジエン系単量体などが挙げられ、こ
れらは単独あるいは2種以上を混合して用いられる。
【0016】また、上記水性エマルジョンの製造方法と
しては、DAVESの水溶液を乳化・分散剤に用いて重
合開始剤の存在下に前記エチレン性不飽和単量体を一時
または連続的に添加して乳化重合させる方法、またエチ
レン性不飽和単量体をDAVESの水溶液を用いて乳化
した混合物を、連続的に反応系に添加して乳化重合させ
る方法などがあり、その他にも、界面活性剤およびPV
A等の水溶性高分子を用いて従来公知の方法で得られた
水性エマルジョンにDAVESを後添加する方法などが
挙げられる。
【0017】なお、前記水性液中のDAVESの含有量
については、水性液100質量部に対して、DAVES
0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは2質量部
以上である。DAVESの含有量が少なすぎる場合は耐
水接着強度、初期接着力の改良効果が小さくなるおそれ
がある。
【0018】また、第1液(A)のDAVESを含有す
る水性液には、DAVES以外の水溶性樹脂、例えばP
VA、変性PVA、でんぷん、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸誘導体、ゼラ
チン等の天然高分子、合成高分子、クレー、カオリン、
タルク、シリカ、炭酸カルシウム等の無機充填剤、グリ
セリン、ソルビトール等の可塑剤、界面活性剤、消泡
剤、キレート剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配
合することができる。
【0019】第2液(B)において用いられる3官能ヒ
ドラジド化合物としては、化学式−CO−NH−NH
で示されるヒドラジド基を分子内に3個有する化合物で
あり、例えばブタントリカルボヒドラジド、クエン酸ト
リヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘ
キサントリカルボン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベ
ンゼントリヒドラジド、1,2,4−ピロメリット酸ト
リヒドラジドなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0020】第2液(B)において用いられる3官能ヒ
ドラジド化合物の水性液は、3官能ヒドラジド化合物を
含有する水溶液または水分散液であって、その濃度は特
に制限は無いが、1〜50質量%が好ましく、より好ま
しくは2〜25質量%である。
【0021】第1液(A)、第2液(B)の少なくとも
一方に酸性化合物(C)を配合することができる。ここ
で(C)として用いられる酸性化合物としては、例えば
塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸、リン酸、クエン酸、コ
ハク酸、マレイン酸、フマル酸、アスコルビン酸、スル
ホン酸、シュウ酸、乳酸、グルコン酸、硫酸アルミニウ
ム、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミ
ニウムカリウムなどが挙げられるが、これらに限られな
い。また、酸性化合物(C)の添加量には、特に制限は
無いが、第1液(A)、第2液(B)の少なくとも一方
に混合した際の溶液、または分散液のpHが2.0〜
6.0になることが好ましい。
【0022】本発明の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着
剤は、接着に際しては、DAVESを含む水性液からな
る第1液を一方の被着面に塗布し、3官能ヒドラジド化
合物の水性液からなる第2液を他方の被着面に塗布し、
両被着面を密着、貼り合わせるのであるが、その際の塗
布量については特に制限はなく、第1液が5〜300g
/m(固形分として)であり、第2液が0.1〜50
g/m(3官能ヒドラジド化合物として)であること
が好ましい。
【0023】また、必要に応じて、本発明の接着剤の第
1液、第2液の少なくとも一方に3官能ヒドラジド化合
物以外の架橋剤を添加し、耐水接着強度をさらに向上さ
せることも可能で、その際使用される架橋剤の種類とし
ては、2官能のヒドラジン系化合物、多官能イソシアネ
ート、多官能ブロック化イソシアネート、イソブチレン
−マレイン酸共重合体、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェ
ノール樹脂などが挙げられる。中でも、最終的な耐水化
効果の点で、多官能イソシアネート、多官能ブロック化
イソシアネートなどのイソシアネート化合物を使用する
ことが好ましく、例えばトリフェニルメタントリイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、メチ
レンビス・ジ・フェニルイソシアネート(MDI)、ヘ
キサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチ
ロールプロパン−TDIアダクト、水素化TDI、水素
化MDI、HMDIのアダクト変性化合物、キシレンジ
イソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート等が例示されるが、これらに限らない。
また、その使用量としては特に制限はないが、DAVE
S100質量部に対し、0.1〜500質量部が、使用
目的に応じて使用される。
【0024】本発明の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着
剤の作用機構については十分解明されたわけではない
が、DAVESの水性液からなる第1液と3官能ヒドラ
ジド化合物の水性液からなる第2液がそれぞれ別々に塗
布された被着面を貼り合わせる際に、DAVES分子中
のカルボニル基と3官能ヒドラジド化合物のヒドラジド
基が急速に架橋反応を生ずるため、高度な耐水接着強度
が得られるとともに、3官能ヒドラジド化合物の使用に
よりカルボニル基とヒドラジド基の接触確率が最適に増
加し、初期接着力の発現時間が良好に短縮できると考え
られる。また、これらの第1液、第2液の少なくとも一
方に酸性化合物を添加すると、反応時のpHが低下し、
カルボニル基とヒドラジド基の反応速度が高くなるた
め、初期接着力がより高くなると考えられる。
【0025】本発明の2液別塗布型の瞬間硬化水性接着
剤は、短時間の圧締で十分な初期接着力が得られ、比較
的低温で乾燥しても優れた耐水性を示すことから、木
材、合板、パーティクルボード、ハードボード等の繊維
質材料、スレート板、珪カル板、モルタル、タイル等の
無機質材料、メラミン化粧板、ベークライト、発泡スチ
ロール等のプラスチック材料、段ボール、板紙、クラフ
ト紙等の紙質材料などの高速接着に有用である。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。実施例中の諸物性の測定方法を以下に示す。
【0027】(1).初期接着強度 25mm×30mm×10mmの2片の木材試験片のう
ちの一方の試験片の接着面(25mm×30mm)に第
1液を100g/m塗布し、他方の試験片の接着面に
第2液を50g/m塗布した後、塗布面同士を密着
し、直ちに19.8Nの荷重で圧締した。圧締開始後、
30秒、60秒、120秒後に解圧して、すぐに東洋精
機(株)製ストログラフを使用し、圧縮剪断接着強度
(MPa)を測定した。
【0028】(2).耐水接着強度 JISK−6852に基づき、25mm×30mm×1
0mmの2片の試験片の一方の接着面(25mm×30
mm)に第1液を100g/m塗布し、他方の試験片
の接着面に第2液を50g/m塗布した後、塗布面同
士を密着し、直ちに49Nの荷重で4分間圧締した。解
圧後、20℃×65%RHで72時間養生し、接着試験
片を20℃の水に3時間浸漬した後、取り出して直ちに
圧縮剪断接着強度(MPa)を測定した。
【0029】実施例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
ガラス製重合容器に、イオン交換水500質量部、ジア
セトンアクリルアミド単位を6.0モル%含有するジア
セトンアクリルアミド−酢酸ビニル共重合体のケン化物
(重合度1,700、ケン化度98.5モル%)39質
量部を仕込み、95℃で完全に溶解した。これを70℃
まで冷却し、過硫酸アンモニウム0.5質量部を添加
し、窒素雰囲気下で攪拌しながら、酢酸ビニル460質
量部を2時間かけて連続的に添加した後、80℃に昇温
し、さらに2時間熟成反応を行い、乳化重合を完結さ
せ、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0030】第1液として上記の酢酸ビニル系樹脂エマ
ルジョン、第2液としてブタントリカルボヒドラジドの
10質量%水溶液を使用し、木材の接着を行い、初期接
着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示
す。表1より明らかなように、短時間で高い初期接着強
度を示し、耐水接着強度も高かった。
【0031】実施例2 第2液としてブタントリカルボヒドラジドに代えて、ク
エン酸トリヒドラジドの10質量%水溶液を使用した以
外は実施例1と同様にして、木材の接着を行い、初期接
着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示
す。表1より明らかなように、短時間で高い初期接着強
度を示し、耐水接着強度も高かった。
【0032】実施例3 第2液としてブタントリカルボヒドラジドに代えて、ニ
トリロ酢酸トリヒドラジドの10質量%水溶液を使用し
た以外は実施例1と同様にして、木材の接着を行い、初
期接着強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1
に示す。表1より明らかなように、短時間で高い初期接
着強度を示し、耐水接着強度も高かった。
【0033】実施例4 第2液としてブタントリカルボヒドラジドの10質量%
水溶液100質量部に硫酸アルミニウム5質量部を添加
した混合水溶液を使用した以外は実施例1と同様にし
て、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強
度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなよ
うに、短時間で高い初期接着強度を示し、耐水接着強度
も高かった。
【0034】実施例5 第2液としてブタントリカルボヒドラジドの10質量%
水溶液100質量部に50質量%リン酸水溶液2質量部
を添加した混合水溶液を使用した以外は実施例1と同様
にして、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接
着強度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らか
なように、短時間で高い初期接着強度を示し、耐水接着
強度も高かった。
【0035】実施例6 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
ガラス製重合容器に、イオン交換水300質量部、ノニ
オン系界面活性剤(日本乳化剤(株)製ニューコール7
40)0.5質量部を添加し、70℃に昇温した後、過
硫酸アンモニウム0.5質量部を添加し、窒素雰囲気下
で攪拌しながら、メタクリル酸メチル200質量部、ア
クリル酸2−エチルヘキシル200質量部、アクリル酸
10質量部からなる混合モノマーとジアセトンアクリル
アミド単位6.0モル%含有するジアセトンアクリルア
ミド−酢酸ビニル共重合体のケン化物(重合度170
0、ケン化度98.5モル%)の10質量%水溶液15
0質量部をそれぞれ2時間かけて連続的に添加し、さら
に2時間熟成反応を行い、乳化重合を完結させ、アクリ
ル系樹脂エマルジョンを得た。
【0036】第1液として上記のアクリル系樹脂エマル
ジョン、第2液としてブタントリカルボヒドラジドの1
0質量%水溶液を使用し、木材の接着を行い、初期接着
強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示
す。表1より明らかなように、短時間で高い初期接着強
度を示し、耐水接着強度も高かった。
【0037】実施例7 第1液として実施例6で作製したアクリル系樹脂エマル
ジョン、第2液としてブタントリカルボヒドラジドの1
0質量%水溶液100質量部に50質量%リン酸水溶液
2質量部を添加した混合水溶液を使用した以外は、実施
例6と同様にして、木材の接着を行い、初期接着強度お
よび耐水接着強度を測定した。結果を表1に示す。表1
より明らかなように、短時間で高い初期接着強度を示
し、耐水接着強度も高かった。
【0038】比較例1 第1液として実施例1で作製した酢酸ビニル系樹脂エマ
ルジョンを使用し、第2液を使用せず、2片の木材の一
方に第1液だけを塗布し、木材の接着を行い、初期接着
強度および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示
す。表1より明らかなように、初期接着強度および耐水
接着強度は低かった。
【0039】比較例2 第2液としてブタントリカルボヒドラジドに代えて、2
官能ヒドラジド化合物であるアジピン酸ジヒドラジドの
10質量%水溶液を使用した以外は実施例1と同様にし
て、木材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強
度を測定した。結果を表1に示す。表1より明らかなよ
うに、初期接着強度は3官能ヒドラジド化合物を使用し
た実施例よりも低く、耐水接着強度は低かった。
【0040】比較例3 第2液としてブタントリカルボヒドラジドに代えて、2
官能ヒドラジド化合物であるカルボヒドラジドの10質
量%水溶液を使用した以外は実施例1と同様にして、木
材の接着を行い、初期接着強度および耐水接着強度を測
定した。結果を表1に示す。表1より明らかなように、
初期接着強度は3官能ヒドラジド化合物を使用した実施
例よりも低く、耐水接着強度は低かった。
【0041】比較例4 第1液として実施例6で作製したアクリル系樹脂エマル
ジョンを使用し、第2液としてブタントリカルボヒドラ
ジドに代えて、2官能ヒドラジド化合物であるアジピン
酸ジヒドラジドの10質量%水溶液を使用した以外は実
施例6と同様にして、木材の接着を行い、初期接着強度
および耐水接着強度を測定した。結果を表1に示す。表
1より明らかなように、初期接着強度は3官能ヒドラジ
ド化合物を使用した実施例よりも低く、耐水接着強度は
低かった。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、別々に被接着面に塗布された第1液と第2液
を接着させると急速に反応が開始し、両者を接触させて
短い圧締時間で十分な初期接着力が発現するので、各種
の接着の作業スピードを著しく向上させることが可能で
あり、しかも比較的低温で乾燥しても高い耐水接着強度
を発現する2液別塗布型の瞬間硬化水性接着剤を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 CA041 CA091 CA141 DA021 DA101 DA141 DC031 DC091 DE021 DF011 DF022 DF041 DF051 DF101 DF102 DG002 DH031 DH032 HA226 HA256 HB23 HB24 HB26 HC15 JA03 JA13 KA22 KA38 4J100 AG02Q AG03Q AG04Q AM47P BA03H BA12P CA04 HA09 HA61 HB39 HC09 HC33 HE08 HE13 JA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアセトンアクリルアミド−脂肪酸ビニ
    ルエステルの共重合体のケン化物を乳化・分散剤とし、
    エチレン性不飽和単量体の重合体を分散質とする水性エ
    マルジョンを含有する第1液(A)と、3官能ヒドラジ
    ド化合物を含有する水性液からなる第2液(B)からな
    ることを特徴とする2液別塗布型の瞬間硬化水性接着
    剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の第1液(A)と第2液
    (B)の少なくとも一方に酸性化合物(C)を配合して
    なることを特徴とする請求項1記載の2液別塗布型の瞬
    間硬化水性接着剤。
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