JPH08269159A - エマルジョン組成物および接着剤 - Google Patents

エマルジョン組成物および接着剤

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JPH08269159A
JPH08269159A JP7077673A JP7767395A JPH08269159A JP H08269159 A JPH08269159 A JP H08269159A JP 7077673 A JP7077673 A JP 7077673A JP 7767395 A JP7767395 A JP 7767395A JP H08269159 A JPH08269159 A JP H08269159A
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adhesive
emulsion
pva
mol
parts
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JP7077673A
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English (en)
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Masato Nakamae
昌人 仲前
Takeshi Kusufuji
健 楠藤
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
    • C08F2/16Aqueous medium
    • C08F2/20Aqueous medium with the aid of macromolecular dispersing agents

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)下記の化1で示される構造単位を有す
る変性ポリビニルアルコールを分散剤に用いて、エチレ
ン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種
あるいは二種以上の不飽和単量体を乳化重合して得られ
た水性エマルジョンおよび(B)多価イソシアネート化
合物からなる組成物。 【化1】 (n:2〜20の整数) 【効果】 本発明の組成物は、接着剤をはじめとして各
種の用途に供される。特に接着剤として用いた場合、初
期接着力に優れ、接着強度,耐水性が飛躍的に向上した
ものとなる。本発明の接着剤は、各種のものを接着する
場合に適用できるが、特に木材用接着剤に好適に使用で
きる。また、木材同士の接着の他、木材と紙、繊維製品
類、無機質板、フィルム等との接着にも使用可能であ
る。さらに、本発明の組成物は耐水性に優れる皮膜を利
用して、無機物のバインダー、無機板あるいは木質パネ
ル等の下地塗料にも有効に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は組成物および接着剤に関
する。さらに詳しくは各種用途、特に接着剤として有用
な組成物、該組成物からなる初期接着性、接着強度およ
び耐水性等にすぐれた接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】水溶性高分子、水性エマルジョンおよび
イソシアネート系化合物を主成分とする接着剤は、従来
のアミノプラスト系接着剤とは異なりホルマリンの発生
がなく、常温で比較的短時間圧締するだけで、極めて高
い接着強度および耐水性が得られることから、木材用接
着剤として賞用されている(例えば特開昭48−947
39号公報,同50−69139号公報)。また、同様
の接着剤として、アリルアルコール、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、N−メチロール化アクリルアミド等
の水酸基含有単量体と酢酸ビニルなどとの共重合体エマ
ルジョンおよび2価イソシアネート化合物よりなる水性
接着剤組成物(特開昭49−26346号公報)やポリ
ビニルアルコールを分散剤(保護コロイド)としたポリ
酢酸ビニルエマルジョンおよび多価イソシアネート化合
物よりなる耐水性接着剤組成物(特開平3−33178
号公報)が提案されている。さらに、ポリビニルアルコ
ールで安定化されたエマルジョンポリマーからなり、該
エマルジョンポリマーが、第一段階が10〜40℃の範
囲内のガラス転移温度を有する酢酸ビニルコポリマーを
製造し、第二段階が50〜120℃のガラス転移温度を
有するメチルメタクリレートコポリマーを製造すること
からなる2段階重合法によって製造され、酢酸ビニルコ
ポリマーとメチルメタクリレートコポリマーとの比率が
10:1〜10:6の範囲である接着剤が報告されてい
る(特開平2−302485号公報)。このような状況
下で、近年、水性高分子およびイソシアネート系化合物
からなる木材接着剤についてのJISも制定されてい
る。
【0003】ところが、接着する対象の拡大とともに、
場合によっては現在の接着性能レベルをさらに向上する
必要も生じてきている。具体的には、構造用接着剤とし
てはさらに高度な耐久性が要求されること、また個々の
用途でも初期接着性の一層の向上が要求される場合があ
る。後者の場合、ポリビニルアルコール(以下、PVA
と略記することがある)を分散剤とする酢酸ビニル系樹
脂の水性エマルジョンを多用すると、初期接着性は向上
するものの耐水性が十分でないという問題があった。ま
た、この種の接着剤に配合される水性高分子であるポリ
ビニルアルコールも、接着剤の性能に大きく関与してい
る。具体的には、完全鹸化あるいはアセトアセチル基を
有するPVAを用いると、耐水接着性は向上するもの
の、部分鹸化PVAを用いた場合に比較して水性エマル
ジョンとPVAからなる主剤の低温粘度安定性や保存安
定性が低下する問題があった。また、上述のような従来
の接着剤は、ある程度の性能の発現は認められるが、主
剤の粘度安定性、初期接着性,接着強度および耐水性の
すべての点で満足すべき性能を併せ持つものは、未だ開
発されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術における問題点を解消し、主剤の保存安定性、接着
強度および耐水性に優れ、しかも初期接着性の良好な接
着剤を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
の下に鋭意研究を重ねた結果、(A)下記の化2で示さ
れる構造単位を有する変性ポリビニルアルコールを分散
剤に用いて、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量
体から選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体を
乳化重合して得られた水性エマルジョンおよび(B)多
価イソシアネート化合物からなる組成物を見出だし本発
明を完成させるに至った。
【0006】
【化2】 (n:2〜20の整数)
【0007】また本発明は、上記の組成物を提供すると
ともに、その組成物からなる接着剤をも提供する。さら
に、本発明は、上記の接着剤により接着して得られた木
質製品をも提供する。
【0008】本発明の組成物を構成する水性エマルジョ
ンの分散剤に使用される変性PVAは、上記の化2の構
造単位を有することが必須である。上記の構造単位にお
けるnは、2〜20の整数であり、2〜15が好まし
く、2〜10がより好ましい。上記の構造単位の例示と
しては、3−ブテン−1−オール、5−ヘキセン−1−
オール、7−オクテン−1−オール、9−デセン−1−
オール等の単量体に由来する構造単位が挙げられる。こ
れらの化2の構造単位の含有量としては、0.2〜20
モル%が好ましく、0.5〜10モル%がより好まし
い。本発明の組成物を構成する水性エマルジョンの分散
剤である上記の変性PVAは、ビニルエステルと上記単
量体との共重合体を鹸化することにより得られる。ビニ
ルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、
酢酸ビニルが好ましい。
【0009】本発明の変性PVAは、本発明の効果を損
なわない範囲で、エチレン性不飽和単量体を共重合した
ものでも良い。このようなエチレン性不飽和単量体とし
ては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブテン、ア
クリル酸、メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)
マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチル
プロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩、
エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビ
ニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオ
ロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスル
ホン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、チオール酢
酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存
在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体とエ
チレンを共重合し、それを鹸化することによって得られ
る末端変性PVAも用いることができる。本発明の変性
PVAは、上記の化2の構造単位のみによる変性が最も
好ましい。変性PVAの水溶性もしくは水分散性の点な
どから、上記の化2で示される構造単位以外を与えるコ
モノマーにより本発明の変性PVAをさらに変性する場
合には、該コモノマーの含有量は5.0モル%未満が好
ましく、3.0モル%未満がより好ましく、2.0モル
%未満がさらにより好ましい。また、変性PVAの鹸化
度は、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がよ
り好ましく、85モル%以上がさらに好ましい。また、
変性PVAの重合度は、100〜8000の範囲が好ま
しく、200〜2000がより好ましい。本発明の組成
物における水性エマルジョンの分散質は、エチレン性不
飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種あるい
は二種以上の不飽和単量体単位からなる(共)重合体で
ある。
【0010】エチレン性不飽和単量体としては、エチレ
ン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン類、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデ
ン等のハロゲン化オレフィン類、蟻酸ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバ
リン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロ
ピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸オクタデシル、アクリル酸ヒドロキシプロピル
トリメチルアンモニウムクロライド等のアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸
i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸
i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル
酸オクタデシル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド等のメタクリル酸エステ
ル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸お
よびそのナトリウム塩のアクリルアミド、トリメチル−
(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アン
モニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミド
プロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−メチ
ルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、ジアセ
トンアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のニトリル類、酢酸アリル、塩化アリル等のア
リル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、P−メチ
ルスチレンスルホン酸およびそのナトリウム、カリウム
塩等のスチレン系単量体類、N−ビニルピロリドン等の
その他の単量体が挙げられる。またジエン系単量体とし
ては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げ
られる。
【0011】本発明の水性エマルジョンを得るための乳
化重合を実施するにあたっては、水、上記の変性PV
A、および重合開始剤の存在下に、上記単量体を一時ま
たは連続的に添加して、加熱、撹拌するような通常の乳
化重合法が実施しうるし、また、単量体を予め分散剤水
溶液と混合乳化したものを連続的に添加する方法も実施
し得る。
【0012】変性PVAの使用量については特に制限は
ないが、エチレン性不飽和単量体あるいはジエン系単量
体からなる重合体100重量部に対して好ましくは1〜
30重量部、より好ましくは2〜20重量部の範囲であ
る。該使用量が1重量部未満および30重量部を越える
場合には、重合安定性が低下したり、初期接着力や耐水
接着力が低下することがある。本発明に用いられる水性
エマルジョンは、上記の方法で得られる水性エマルジョ
ンをそのまま用いても良いが、必要があれば、従来公知
のポリ酢酸ビニルエマルジョン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体エマルジョン、(メタ)アクリル酸エステル系
重合体エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体エ
マルジョン、エポキシエマルジョン、ウレタンエマルジ
ョン等を本発明の効果を損なわない範囲で添加すること
ができる。なお、本発明の水性エマルジョンにおける分
散剤としては、化2で表される構造単位を有する変性P
VAが用いられるが、必要に応じて、従来公知のアニオ
ン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の界面活性
剤や、PVA系重合体、ヒドロキシエチルセルロースな
どを併用することもできる。
【0013】本発明における水性エマルジョンの分散剤
の使用量としては、特に制限はないが、通常単量体10
0重量部に対して0.2〜50重量部、好ましくは0.
5〜20重量部である。分散剤が0.2重量部より少な
い場合は、重合安定性が低下し、50重量部より多い場
合には粘度が高くなりすぎる。
【0014】重合開始剤としては、特に制限されるもの
ではなく、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、2、2’−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、クメンハイド
ロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、イソプ
ロピルベンゼンパーオキサイド等が単独あるいは重亜硫
酸ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、ホルムア
ルデヒドナトリウムスルホキシレート、硫酸第一鉄等の
還元剤と併用したレドックス系で用いられる。
【0015】本発明の組成物は、上記(A)水性エマル
ジョンと(B)成分である多価イソシアネート化合物か
らなる。ここで多価イソシアネート化合物は、分子中に
2個以上のイソシアネート基を有するものであり、例え
ば、トリレンジイソシアネート(TDI);水素化TD
I;トリメチロールプロパン−TDIアダクト(例えば
バイエル社製,商品名:Desmodur L);トリ
フェニルメタントリイソシアネート;メチレンビスジフ
ェニルイソシアネート(MDI);水素化MDI;重合
MDI;ヘキサメチレンジイソシアネート;キシリレン
ジイソシアネート;4,4−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート;イソホロンジイソシアネート等があげ
られる。その他、ポリオールに過剰のポリイソシアネー
トで予めポリマー化した末端基がイソシアネート基を持
つプレポリマーを用いてもよい。
【0016】本発明の組成物は、上述した(A)水性エ
マルジョンを主成分とする主剤に、(B)多価イソシア
ネート化合物を配合してなる。ここで、(A)水性エマ
ルジョンと(B)多価イソシアネート化合物の配合割合
は、固形分比で(A)/(B)=99/1〜10/90
(重量比)の範囲であることが好ましく、95/5〜2
0/80の範囲がより好ましい。多価イソシアネート化
合物がこの範囲より少ない場合、接着強度、耐水性が低
くなり、また、この範囲を越えて多くなると、多価イソ
シアネート配合後のポットライフが短くなり実用的では
ないという問題がある。
【0017】また、本発明の組成物中には、必要に応じ
て、各種ポリビニルアルコール、でんぷん、変性でんぷ
ん、酸化でんぷん、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、無水マレイン酸−イソブテン共重合体、無水
マレイン酸−スチレン共重合体、無水マレイン酸−メチ
ルビニルエーテル共重合体等の水溶性高分子化合物や尿
素−ホルマリン樹脂、尿素−メラミン−ホルマリン樹
脂、フェノール−ホルマリン樹脂等、一般に接着剤とし
て使用されている熱硬化性樹脂もそれぞれ適宜使用する
ことができる。さらに、本発明の組成物には、クレー、
カオリン、タルク、炭酸カルシウム、木粉等の充填剤、
小麦粉等の増量剤、ホウ酸、硫酸アルミニウム等の反応
促進剤、酸化チタン等の顔料あるいはその他、防腐剤、
防錆剤等の各種添加剤を必要に応じて適宜添加すること
ができる。
【0018】本発明の接着剤は、各種の被着体の接着に
使用されるが、なかでも木材の接着に好適である。塗布
量は各種の状況に応じて適宜選定すればよい。塗布方法
としては、ハケによる塗工、ロールによる塗工などが挙
げられる。接着剤を塗布した後の乾燥は、室温から20
0℃での加熱乾燥でも良いが、本発明の接着剤は室温乾
燥する場合であっても十分な接着力が発現する。本発明
の接着剤の特徴は、主剤の放置安定性が優れている上、
初期接着性および煮沸水中での耐水接着性の両方の接着
性が優れていることにある。接着剤を塗布した後の乾燥
時間は、30分間から5時間程度が好ましい。接着剤の
乾燥は圧締した状態で行うのが好ましい。圧締時の圧力
としては、5〜20kg/cm2の範囲で選択され、硬
い木材が被着体である場合には圧締の圧力は高い方が好
ましく、柔い木材が被着体である場合には木材が破壊し
ない程度の高い圧力が好ましい。
【0019】本発明の木質製品は、上記の接着剤により
接着した木質製品であり、集成材、家具などが挙げられ
る。木質製品における木材の種類としては特に制限はな
く、その一例としては、カバ、ツガ、杉、ラワン、ケヤ
キ、ペルポック、ゴム、オークなどが挙げられる。
【0020】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。尚、実施例および比較例中、
「部」および「%」は特に断りのない限り重量基準を示
すものとする。 実施例1 温度計、撹拌機、窒素吹き込み口を備えたガラス製重合
容器に7−オクテン−1−オール単位の含有量2.0モ
ル%の変性PVA(PVA−1:重合度1400、鹸化
度99.0モル%)10部、イオン交換水90部を仕込
み95℃で加熱溶解した。窒素置換を行った後、温度を
70℃とし、酢酸ビニル10部を仕込み、過酸化水素/
酒石酸系レドックス開始剤で重合を開始した。重合開始
30分後に温度を80℃とし、酢酸ビニル90部を2時
間にわたって均一に滴下した。滴下終了後、1時間熟成
を行い、固形分濃度51.8%の変性PVAを保護コロ
イドとするポリ酢酸ビニルエマルジョンが得られた。部
分鹸化ポリビニルアルコール(PVA−217、クラレ
製)の15%水溶液35部と炭酸カルシウム65部を混
合したものに、上記エマルジョン100部を加え主剤を
調製した。それに、ポリメチレンポリフェニルイソシア
ネート(日本ポリウレタン社製、商品名:ミリオネート
MR−100)を30部添加を添加し組成物を調製し
た。これを用いて、以下の条件により試験を行った。結
果を表1および表2に示す。
【0021】〔試験条件〕 1.接着試験 上記組成物を用いて、以下の条件で接着試験を行った。 被着材:カバ/カバ(マサ目)含水量8% 塗布量:250g/m2 (両面塗布) 堆積時間:1分 圧締条件:20℃,24時間,圧力10kg/cm (常態強度、煮沸繰返し試験片のみ) JIS K−6852による圧縮剪断接着強度を測定 常態強度 :20℃、7日間養生後そのままの状態で測
定 煮沸繰返し:20℃で7日間養生後、試験片を煮沸水中
に4時間浸漬した後、60℃の空気中で20時間乾燥
し、更に煮沸水中に4時間浸漬してから、室温の水中に
冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供した。 初期接着性:貼りあわせ後、20℃で10kg/cm
の圧力で10分間圧締し、直ちに圧縮剪断接着強度
を測定
【0022】実施例2 窒素吹き込み口、温度計、撹拌機を備えた耐圧オートク
レーブに3−ブテン−1−オール単位の含有量8.5モ
ル%の変性PVA(PVA−2:重合度700、鹸化度
98.0モル%)の4.5%水溶液100部を仕込み、
60℃に昇温してから、窒素置換を行った。酢酸ビニル
80部を仕込んだ後、エチレンを45kg/cm 2 まで加圧
し、0.5%過酸化水素水溶液/5%ロンガリット水溶
液を圧入し、重合を開始した。残存酢酸ビニル濃度が1
0%となったところで、エチレン放出し、エチレン圧力
20kg/cm 2 とし、3%過酸化水素水溶液を圧入し重合
を完結させた。固形分濃度49.6%の変性PVAを分
散剤とするエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン
が得られた。部分鹸化ポリビニルアルコール(PVA−
217、クラレ製)の15%水溶液35部と炭酸カルシ
ウム65部を混合したものに、上記エマルジョン100
部を加え主剤を調製した。それに、ポリメチレンポリフ
ェニルイソシアネート(日本ポリウレタン社製,商品
名:ミリオネートMR−100)を30部添加を添加し
組成物を調製した。これを用いて、実施例1と同様に試
験を行った。結果を表1および表2に示す。
【0023】実施例3 撹拌機、窒素吹き込み口、温度計を備えたガラス製重合
容器に、5−ヘキセン−1−オール単位の含有量3.4
モル%の変性PVA(PVA−3:重合度1200、鹸
化度96.2モル%)5部、アニオン性界面活性剤(A
erosolOT−75、三井サイテック製)1部、イ
オン交換水100部を添加し、加熱溶解した。窒素バブ
リングを行いながら70℃に昇温し、メタクリル酸メチ
ル10部とアクリル酸nーブチル10部を添加し、さら
に、1%過硫酸カリウム水溶液10部を添加し重合を開
始した。重合開始1時間後に、メタクリル酸メチル40
部、アクリル酸n−ブチル40部を2時間にわたって均
一に滴下した。滴下終了後、温度を80℃にし、1時間
放置した。固形分濃度48.5%のメタクリル酸メチル
−アクリル酸n−ブチル共重合体エマルジョンが得られ
た。部分鹸化ポリビニルアルコール(PVA−217、
クラレ製)の15%水溶液35部と炭酸カルシウム65
部を混合したものに、上記エマルジョン100部を加え
主剤を調製した。それに、ポリメチレンポリフェニルイ
ソシアネート(日本ポリウレタン社製,商品名:ミリオ
ネートMR−100)を30部添加を添加し組成物を調
製した。これを用いて、実施例1と同様に試験を行っ
た。結果を表1および表2に示す。
【0024】実施例4 実施例1において、PVA−1の代わりに7−オクテン
−1−オール単位の含有量4.0モル%(PVA−4:
重合度1200、鹸化度98.0モル%)10部を用い
る以外は実施例1と同様にしてポリ酢酸ビニルエマルジ
ョン(固形分濃度51.8%)を得た。このエマルジョ
ンを用いて実施例1と同様に試験した。結果を表1およ
び表2に示す。
【0025】実施例5 実施例1において、PVA−1の代わりに7−オクテン
−1−オール単位の含有量3.5モル%(PVA−5:
重合度500、鹸化度92.0モル%)10部を用いる
以外は実施例1と同様にしてポリ酢酸ビニルエマルジョ
ン(固形分濃度51.7%)を得た。このエマルジョン
を用いて実施例1と同様に試験した。結果を表1および
表2に示す。
【0026】実施例6 実施例1において、PVA−1の代わりに7−オクテン
−1−オール単位の含有量10.0モル%(PVA−
6:重合度500、鹸化度85.3モル%、アリルスル
ホン酸ナトリウム0.2モル%変性)10部を用いる以
外は実施例1と同様にしてポリ酢酸ビニルエマルジョン
(固形分濃度52.0%)を得た。完全鹸化ポリビニル
アルコール(PVA−117、クラレ製)の15%水溶
液35部と炭酸カルシウム65部を混合したものに、上
記エマルジョン100部を加え主剤を調製した。それ
に、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(日本ポ
リウレタン社製,商品名:ミリオネートMR−100)
を30部添加を添加し組成物を調製した。これを用い
て、実施例1と同様に試験を行った。結果を表1および
表2に示す。
【0027】比較例1 実施例1において、PVA−1の代わりに完全鹸化PV
A(PVA−117、クラレ製)10部を用いる以外は
実施例1と同様にしてポリ酢酸ビニルエマルジョン(固
形分濃度52.0%)を得た。このエマルジョンを用い
て実施例1と同様に試験した。結果を表1および表2に
示す。
【0028】比較例2 実施例1において、PVA−1の代わりに部分鹸化PV
A(PVA−217、クラレ製)10部を用いる以外は
実施例1と同様にしてポリ酢酸ビニルエマルジョン(固
形分濃度52.0%)を得た。このエマルジョンを用い
て実施例1と同様に試験した。結果を表1および表2に
示す。
【0029】
【表1】
【0030】 PVA−1 : 7−オクテンー1−オール単位の含有量2.0モル% 重合度1400, 鹸化度99.0モル% PVA−2 : 3ーブテンー1ーオール単位の含有量8.5モル% 重合度700, 鹸化度98.0モル% PVA−3 : 5ーヘキセンー1ーオール単位の含有量3.4モル% 重合度1200, 鹸化度96.2モル% PVA−4 : 7−オクテンー1−オール単位の含有量4.0モル% 重合度1200, 鹸化度98.0モル% PVA−5 : 7−オクテンー1−オール単位の含有量3.5モル% 重合度500, 鹸化度92.0モル% PVA−6 : 7−オクテンー1−オール単位の含有量10.0モル% アリルスルホン酸ナトリウム0.2モル% 重合度500, 鹸化度85.3モル% Aerosol OT−75 :アニオン性界面活性剤(三井サイテック製) PVA−117 : 完全鹸化PVA(クラレ製) PVA−217 : 部分鹸化PVA(クラレ製)
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明の組成物は、接着剤をはじめとし
て各種の用途に供される。特に接着剤として用いた場
合、初期接着力に優れ、接着強度,耐水性が飛躍的に向
上したものとなる。本発明の接着剤は、各種のものを接
着する場合に適用できるが、特に木材用接着剤に好適に
使用できる。また、木材同士の接着の他、木材と紙、繊
維製品類、無機質板、フィルム等との接着にも使用可能
である。さらに、本発明の組成物は耐水性に優れる皮膜
を利用して、無機物のバインダー、無機板あるいは木質
パネル等の下地塗料にも有効に用いることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明の変性PVAは、本発明の効果を損
なわない範囲で、エチレン性不飽和単量体を共重合した
ものでも良い。このようなエチレン性不飽和単量体とし
ては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブテン、ア
クリル酸、メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)
マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチル
プロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩、
エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビ
ニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオ
ロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスル
ホン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、チオール酢
酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存
在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体と
記の化2で表される構造単位を与える単量体を共重合
し、それを鹸化することによって得られる末端変性PV
Aも用いることができる。本発明の変性PVAは、上記
の化2の構造単位のみによる変性が最も好ましい。変性
PVAの水溶性もしくは水分散性の点などから、上記の
化2で示される構造単位以外を与えるコモノマーにより
本発明の変性PVAをさらに変性する場合には、該コモ
ノマーの含有量は5.0モル%未満が好ましく、3.0
モル%未満がより好ましく、2.0モル%未満がさらに
より好ましい。また、変性PVAの鹸化度は、50モル
%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、8
5モル%以上がさらに好ましい。また、変性PVAの重
合度は、100〜8000の範囲が好ましく、200〜
2000がより好ましい。本発明の組成物における水性
エマルジョンの分散質は、エチレン性不飽和単量体及び
ジエン系単量体から選ばれる一種あるいは二種以上の不
飽和単量体単位からなる(共)重合体である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 寿昭 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記の化1で示される構造単位を
    有する変性ポリビニルアルコールを分散剤に用いて、エ
    チレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる
    一種あるいは二種以上の不飽和単量体を乳化重合して得
    られた水性エマルジョンおよび(B)多価イソシアネー
    ト化合物からなる組成物。 【化1】 (n:2〜20の整数)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成物からなる接着剤。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の接着剤により接着して得
    られた木質製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006104275A (ja) * 2004-10-04 2006-04-20 Kuraray Co Ltd 接着剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006104275A (ja) * 2004-10-04 2006-04-20 Kuraray Co Ltd 接着剤
JP4731868B2 (ja) * 2004-10-04 2011-07-27 株式会社クラレ 接着剤

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