JP3195408B2 - 多色写真要素 - Google Patents

多色写真要素

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JP3195408B2 JP12099192A JP12099192A JP3195408B2 JP 3195408 B2 JP3195408 B2 JP 3195408B2 JP 12099192 A JP12099192 A JP 12099192A JP 12099192 A JP12099192 A JP 12099192A JP 3195408 B2 JP3195408 B2 JP 3195408B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反転色素画像を生じる
ように適合させた改良型写真要素に関する。より詳細に
は、本発明は、平板状粒子乳剤を含有する改良された色
素画像反転写真要素に関する。
【0002】
【従来の技術】
「反転写真要素」という語句は、像様露光及び現像して
見るべき画像のネガを作り、次いで残存ハロゲン化銀を
均一露光及び/またはカブラせ、そして処理して第二の
可視画像を形成させることによって、観察するための写
真画像を形成する写真要素を示すものである。Koda
chrome(商標)及びEktachrome(商
標)から製造されたもののようなカラースライドが、反
転写真要素の一般的な例を構成する。圧倒的多数の用途
において、第一画像はネガで、第二画像はポジである。
【0003】拡大された粒子及び粒子レプリカの最も初
期の観察に始まり、平板状粒子は臭化銀や臭ヨウ化銀の
写真乳剤において認められていたが、1980年初頭に
なって初めて、写真上の利点、例えば改良されたスピー
ドと粒状度の関係、より迅速な現像性、向上した熱安定
性、青色画像形成スピード及びマイナスブルー画像形成
スピードの向上した分解能、並びに単一乳剤層フォーマ
ット及び多乳剤層フォーマットの両方における改良され
た画像鮮鋭度、がハロゲン化銀乳剤から達成できること
が認識された。このようなハロゲン化銀乳剤において
は、粒子投影面積に基づく総粒子集団の大部分が、以下
の平均平板度(T)の関係式: D/t2 >25 (上式中、Dは平板状粒子の等価円直径(ECD)(単位
マイクロメートル)であり、そしてtは平板状粒子の厚
み(単位マイクロメートル)である)を満たす平板状粒
子によって占められている。平板状粒子の臭化銀及び臭
ヨウ化銀乳剤を使用した写真上の利点が例示されると、
塩化銀のみを含有する平板状粒子または他のハロゲン化
銀と組み合わせた平板状粒子を製造する技法が提案され
てきた。
【0004】平板状粒子の多くの確立された利点にもか
かわらず、該技術は、これら乳剤が、規則的な非双晶粒
子集団、例えば六面体粒子、八面体粒子、及び六−八面
体粒子、の製造において達成できるものよりもさらに分
散した粒子集団に向かう傾向があることを認めている。
このことが、平板状粒子乳剤のある写真用途(しかしす
べてではない)における一つの関心となっている。
【0005】初期の平板状粒子乳剤の分散度における関
心は、目的の粒子構造に一致する平板状粒子中のそれに
一致しない粒子形状物の有意な集団の存在に主に集中し
た。平板状粒子乳剤中の不一致性粒子形状物の存在が、
狭い粒子分散度の達成を妨害し続けてきたが、平板状粒
子の製造手順が改良されて、不一致性粒子形状物の不注
意な取り込みが減少するにつれ、平板状粒子の分散度を
低減することに関心が増してきた。
【0006】非平板状及び平板状両方の粒子乳剤に適用
されてきた粒子分散度の定量技法は、個別の粒子投影面
積の統計的に有意なサンプリングを得、各粒子に対応す
るECDを算出し、粒子のECDの標準偏差を決定し、
粒子母集団の標準偏差値をサンプリングした粒子の平均
ECDで割り、そして100を掛けて粒子集団の変動係
数(COD)を百分率として得ることである。規則的な
非平板状粒子を含有する非常に高い単分散(COD<1
0%)の乳剤が得られる一方、最も注意深く制御して沈
澱させた場合であっても、平板状粒子乳剤では20%未
満のCODを達成することは稀であった。Research Di
sclosure, Vol.232 、1983年8月、Item23212(Mignotの
仏国特許第2,534,036号明細書に対応)は、1
5まで低められたCODを有する臭化銀平板状粒子の製
造を開示している。Research DisclosureはKenneth Ma
son Publication Ltd.(Dudley Annex, 21a North Stree
t,Emsworth, Hampshire P010 7DQ, England) により発
行されている。
【0007】Saitouら(米国特許第4,797,
354号明細書)は、例9において11.1%のCOD
を報告しているが、この数値はMignotによる報告
の数値とは比較できない。Saitouらは、選択され
た平板状粒子集団の範囲内のCODだけを報告してい
る。粒子の分散度や全体のCODの増加に最大の影響を
与える粒子集団である乳剤中の不一致性粒子集団が、こ
れらCODの算出から除外されている。Saitouら
の乳剤の粒子集団全体をサンプリングしたところ、CO
Dの結果が著しく増加した(20%を十分に上回っ
た)。
【0008】もともと非平板状粒子乳剤用に開発され、
後に平板状粒子乳剤に適用されるようになった乳剤粒子
の分散度の定量評価技法が、ECDの分散度の測定値を
提供する。非平板状粒子の大部分が本質的に等しい形状
であるならば、ECDに基づく分散度の測定は定量的で
ある。平板状粒子乳剤において、最初は不一致性粒子集
団に、次いで平板状粒子自体の直径の分散度に限定され
てきたが、当業者は、これらの二つとは違い、COV測
定によっては取り扱われていない平板状粒子乳剤の第三
の分散パラメーターを取り扱い始めた。平板状粒子の厚
みの分散を制御することの重要性が徐々に認識されてき
た。COVは、主として平板状粒子のECDに基づくも
のであり、粒子厚の変動を考慮に入れないため、例え
ば、粒子−粒子間の分散に有意な差があるにもかかわら
ず同じ測定COVを示す二種の平板状粒子乳剤を入手す
ることが理論的には可能である。
【0009】定量性のある統計的測定技法の水準にまで
は発展していないが、これらの沈澱性平板状粒子乳剤
は、平板状粒子乳剤の厚さの分散度が可視化でき、しか
もそれらの異なる粒子反射率の関数として定性的に比較
できることが認識されている。顕微鏡を通して観測され
る平板状粒子に向けて白色光を直接当てると、各平板状
粒子からの反射光は、その上部及び下部の主結晶面から
反射される。若干長い移動距離(平板状粒子厚の2倍)
によって、底部主結晶面からの反射光は、上部主結晶面
からの反射光に関して位相のずれを生じる。位相のずれ
は、異なる波長で観測される反射を異なる程度に変化さ
せ、その結果異なる波長の平板状粒子は異なる色相を示
す。この効果の説明が、Research Disclosure, Vol.25
3、1985年5月、Item25330 に記載されている。約0.
08〜0.30μmの範囲の平板状粒子厚では、反射光
の色相の明確な相違が、しばしば0.01μm以下の厚
みの差異として視覚的に検出される。色相における同じ
差異は、重なっている粒子が示した範囲内に併せた厚み
を有する場合に観測されうる。平板状粒子厚の分散度が
低い平板状粒子乳剤は、視覚的に類似の色相を示す平板
状粒子の比率によって定性的に区別することができる。
反射した色相から測定された平板状粒子厚分散度の正確
な定量的測定に関する報告はいまだにない。
【0010】色素画像反転写真要素において、平板状粒
子乳剤の粒子の分散度を低減することに一般の写真上の
関心があるが、Sowinskiら(米国特許第4,6
56,122号明細書)は、より小さな粒子乳剤を平板
状粒子乳剤と配合した結果、向上したしきい値画像形成
スピード、低減したトウ領域濃度、増大した最大濃度、
及び向上したコントラスト、が達成され、よって得られ
た乳剤の全体の分散度が増加したことを報告した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、改良
された画像特性を有するカラー反転写真要素を提供する
ことである。
【0012】本発明の特別な目的は、改良されたスピー
ド−粒状度関係を示す画像を生ぜしめることができる少
なくとも一つの層を含有する、カラー反転写真要素を提
供することである。
【0013】本発明の別の特別な目的は、少なくとも一
つの発色層単位中により鮮鋭な色素画像を付与できる、
カラー反転写真要素を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】一つの態様にお
いて、本発明は、支持体と、前記支持体上に塗布されて
いる、青色記録イエロー色素画像形成層単位、緑色記録
マゼンタ色素画像形成層単位、及び赤色記録シアン色素
画像形成層単位(前記各層単位は、総銀量を基準として
塩化物0〜5モル%、ヨウ化物0.1〜20モル%、及
び臭化物80〜99.9モル%のハロゲン化物粒子含量
を有するハロゲン化銀乳剤を、少なくとも一つの層中に
含有する)を含んで成る、可視反転色素画像を形成でき
る多色写真要素に関する。
【0015】該写真要素は、ハロゲン化銀乳剤層の少な
くとも一つが、平板状粒子乳剤の変動係数が、乳剤の総
粒子集団を基準として15%未満であり、しかも平板状
乳剤の総粒子集団が、0.3μm未満の平均厚み及び2
5を超える平均平板度を示す平板状粒子から本質的に成
り、さらに平板状粒子の分散度を低減することができる
少なくとも一種のポリアルキレンオキシドブロックコポ
リマー界面活性剤が存在する、そのような平板状粒子乳
剤層であることを特徴とする。
【0016】本発明の利点を提供できる平板状粒子乳剤
を提供することにおいて、最初の目的は、粒子沈澱処理
の際に、不一致粒子性集団を平板状粒子乳剤から除外す
るかまたは無視できるレベルに低減することである。平
板状粒子を優勢に含有する乳剤中に、一つ以上の不一致
性粒子集団(通常は非平板状粒子)が存在することは、
最小粒子分散度を示す乳剤を求める上で重要なことであ
る。平板状粒子乳剤中の不一致性粒子集団は、平板状粒
子よりも大きな厚み及び小さな投影面積を示すことが代
表的である。露光の際、非平板状粒子と平板状粒子とで
は、光との相互作用に違いがある。大部分の平板状粒子
の表面積は被覆面に平行に配向されている一方、非平板
状粒子は、ほぼランダムな結晶切子面配向を示す。表面
積対粒子体積の比率は、非平板状粒子よりも平板状粒子
の方がはるかに高い。最後に、平行な双晶面がないの
で、非平板状粒子は一致性平板状粒子とは内部的に異な
る。これら非平板状粒子の差異はすべて、不一致性の厚
い(単双晶の)平板状粒子にも当てはまる。
【0017】第二の目的は、一致性平板状粒子間のEC
D変動を最小限にすることである。平板状粒子乳剤の不
一致性粒子集団がうまく制御されたら、次の段階の重要
性は、平板状粒子間の直径変動である。乳剤を露光した
際の特定の粒子による光子捕捉の確率は、ECDの関数
となる。同じECDを有する分光増感平板状粒子は、同
じ光子捕捉能を示す。
【0018】第三の目的は、一致性平板状粒子集団内の
平板状粒子の厚みの変動を最小限にすることである。分
散度制御における最初の二つの目的の達成は、COVに
関して測定でき、それが粒子分散度に基づく乳剤の区別
を行うのに実行可能な判定基準を提供する。同様に、類
似のCOVを示す平板状粒子乳剤間では、粒子厚の分散
度の評価に基づいてさらに分散度を等級化することがで
きる。現在のところ、これはCOVの算出と同じ定量精
度では達成できないが、にもかかわらず平板状粒子集団
を区別する重要な基準である。ECD1.0μm及び厚
み0.01μmを示す平板状粒子は、同じECD及び厚
み0.02μmを示す平板状粒子の半分の銀だけ含有す
る。後者の粒子の固有感度の分光領域における光子捕捉
能は、前者の粒子のそれの2倍である。なぜなら、粒子
内の光子捕捉能は粒子体積の関数となるからである。さ
らに、二種の粒子の光反射率は全然違う。
【0019】上述の利点はすべて、青色記録イエロー色
素画像形成層単位、緑色記録マゼンタ色素画像形成層単
位、及び赤色記録シアン色素画像形成層単位のそれぞれ
において実現可能ではあるが、本発明は、本発明の要件
を満たす低分散度の平板状粒子乳剤が、青色記録イエロ
ー色素画像形成層単位の少なくとも一つの乳剤層に取り
込まれている場合に特に有利である。本発明の低分散度
の平板状粒子乳剤を青色記録イエロー色素画像形成層単
位中に取り込むことの利点の一つは、この層単位が通
常、輻射線の露光源に最も近いところに配置されている
(すなわち、この層単位が残りの層単位上に塗布されて
いる)ということにある。この乳剤層中の望ましくない
光の散乱や反射を低減することによって、下部の各乳剤
層単位の画像形成性能が改善される。
【0020】本発明は、反転色素画像形成に有用なハロ
ゲン化銀写真要素における改良に関するものである。該
反転写真要素は、支持体と、一つ以上の青色記録イエロ
ー色素画像形成層単位、一つ以上の緑色記録マゼンタ色
素画像形成層単位、及び一つ以上の赤色記録シアン色素
画像形成層単位とから成る。層単位配置は、とりわけK
ofronらの米国特許第4,439,520号明細書
に記載されているもののいずれかを含む、慣例のいずれ
の配置でも用いることができる。
【0021】各乳剤層単位は少なくとも一つのハロゲン
化銀乳剤層を含有する。低感度乳剤層の上に高感度乳剤
層を塗布した乳剤層単位を構築することが共通の慣例と
なっており、しかも多くの場合、単一の乳剤層単位内に
は三つの乳剤層が存在する。該乳剤層単位の各々は、そ
の層の少なくとも一層中に、そして好ましくは各層中
に、総銀量を基準として塩化物0〜5モル%、ヨウ化物
0.1〜20モル%、及び臭化物80〜99.9モル%
のハロゲン化物粒子含量を示すハロゲン化銀乳剤を含有
する。ヨウ化物は、高いレベルの感度や有利なインター
イメージ効果を達成する上で重要である。好ましいヨウ
化物濃度は、総銀量を基準として代表的には約1〜15
モル%であり、そして10モル%未満であることが最適
である。低濃度の塩化物は粒子内に許容されうる。ここ
で称される塩化物イオンは、結晶構造内の臭化銀と固溶
体を形成するものであって、そして粒子構造の一部とし
てではなく、粒子増感剤として考えられるエピタキシャ
ル塩化銀を含まない。従来より、反転画像形成には臭ヨ
ウ化銀乳剤が最も広く使用されてきており、そしてこれ
らは本発明の実施における使用を特に意図される。
【0022】少なくとも一つの色素画像形成層単位内の
少なくとも一つの乳剤は、高平板度(D/t2 >25)
で低分散度(COV<15%)の平板状粒子乳剤であ
り、そして最小の分散度(COV<10%)の乳剤であ
ることが最適である。単一の高平板度且つ低分散度の平
板状粒子乳剤は、色素画像形成層単位のいずれか一単位
のうちのいずれか一層に配置された場合に、上述の一つ
以上の画像形成利点を提供するが、単一の高平板度且つ
低分散度の平板状粒子乳剤が存在する場合には、それ
が、露光輻射線を最初に受ける色素画像形成層単位(す
なわち、支持体から最も離れた層単位)内に配置されて
いることが好ましい。この配置において、乳剤が、反転
写真要素の各層単位の画像鮮鋭性を向上させるのに寄与
する。最も通常の層単位配置では、高平板度且つ低分散
度の平板状粒子乳剤層は青色記録色素画像形成層単位内
に配置される。高平板度且つ低分散度の乳剤を各色素画
像形成層単位内に配置することは意図される。色素画像
形成層単位内では、高平板度且つ低分散度の乳剤が各乳
剤層及び全乳剤層を構成することができる。乳剤層がす
べて高平板度且つ低分散度の乳剤層であるというわけで
はない場合には、高平板度且つ低分散度の乳剤を最高感
度の乳剤層中に配置することが最も有利である。これは
代表的には、露光輻射線源に最も近く且つ支持体から最
も遠い層単位内に配置される。この配置が選ばれると、
高平板度且つ低分散度の乳剤層が、それが構成する乳剤
層の画像形成品質のみならず、下部の各乳剤層の画像形
成品質をも改良する。
【0023】本発明の反転色素画像形成写真要素は、高
平板度且つ低分散度の平板状粒子乳剤の新規沈澱法の発
明及び最適化によって実現された。平均厚み0.080
〜0.3μm及び平均平板度(先に定義した)25超を
示す平板状粒子から本質的に成る粒子集団が、以下に記
載した沈澱手順により十分に製造できる。これらの範囲
は、写真用途に適当であるように選択されるべきいずれ
の平均平板状粒子のECDをも許容する。換言すれば、
本発明は、慣例の平板状粒子乳剤の平均ECDの全範囲
に適合する。約10μmの平均ECDは、代表的には写
真用途の上限値であるとみなされている。ほとんどの用
途では、平板状粒子は5μm以下の平均ECDを示す。
増大したECDはより高い平均アスペクト比及び平板度
を達成するのに寄与するので、平板状粒子の平均ECD
が少なくとも約0.4μmであることが一般に好まし
い。高平板度且つ低分散度の乳剤が青色記録層単位内に
存在する場合には、平板状粒子並びに(もし存在するな
らば)いずれの分光増感色素によっても青色光を吸収す
ることができる。青色記録層単位内では、0.3μm以
下の平板状粒子厚またはそれ以上でさえも使用すること
ができるが、通常は、平板状粒子の平均厚みを0.2μ
m未満に限定して、平均平板度を増大させ且つ緑色光や
赤色光の平行光透過率を増加させることが好ましい。緑
色及び赤色記録層単位内では、ほとんどすべての吸収さ
れる緑色光または赤色光は、平板状粒子によるよりも分
光増感色素によって吸収される。それゆえ、平板状粒子
は0.2μm未満の厚みを示すことが好ましく、そして
さらに薄い平板状粒子、例えば0.1μm未満のものも
意図される。
【0024】先に示した平均平板状粒子厚及び平板度の
範囲内のいずれの平板状粒子の平均アスペクト比をも意
図される。該平板状粒子の平均平板状粒子アスペクト比
は、好ましくは3〜100またはそれ以上である。大多
数の写真用途には、平均平板状粒子アスペクト比約5〜
50が最も実用的である。
【0025】該技術分野では、平板状粒子乳剤の寸法を
特性付けるのに平均アスペクト比が最も広く用いられて
きたが、平均平板度(先に定義したD/t2 )は、平板
状粒子集団と非平板状粒子集団とを区別するさらに定量
性のよい品質測定値を提供する。本発明の乳剤は、25
を超える平板度を示す。代表的には、該平板状粒子乳剤
の平均平板度は約500以下の範囲にある。平板度は、
平板状粒子の平均厚みの減少とともに指数的に増加する
ので、1000またはそれ以上に至る非常に高い平板度
を実現することが可能である。
【0026】本発明の反転写真要素に用いられる高平板
度且つ低分散度の乳剤は、次の二つの点における各場合
で慣例の乳剤とは違う。 (1)第一に、該乳剤は本質的に平板状粒子から成る。
すなわち、該乳剤の実質的に総粒子投影面積が平板状粒
子によって占められている。定量的な観点でより詳細に
説明すると、すなわち、光を顕著に散乱するのに十分大
きな有効円直径を示す粒子の総投影面積の97%超(最
適には98%超)が、平板状粒子によって占められてい
るという意味である。 (2)第二に、該乳剤は、乳剤中に存在する総粒子集団
を基準として、15%未満、最適には10%未満のCO
Vを示す。上述の(1)を達成できないので、いままで
は非平板状粒子を除外することによってしか低いCOV
を生ぜしめることができなかった。このようなCOV
は、総粒子集団に基づくものとはもちろん比べものには
ならない。
【0027】最小のCOVを示す他に、本発明の実施に
使用される乳剤はまた、共沈澱平板状粒子集団の厚みに
おいて低い粒子−粒子間変動をも示す。これは、平板状
粒子集団からの反射光の低い色分散によって観測されて
きた。平板状粒子の大部分が一つの色相または密接に関
係のある色相族のものである平板状粒子乳剤が製造され
てきた。本発明の要件を満たし製造された平板状粒子乳
剤は、平板状粒子の大部分が白色、黄色、淡黄色、褐
色、紫色、青色、シアン、緑色、オレンジ色、マゼンタ
色、または赤色のいずれかのものである。これらの観測
から、平板状粒子の平均厚みの±0.01μmの範囲内
の厚み変動を表す色相を示す総平板状粒子投影面積の5
0%超、好ましくは70%超、そして最適には90%超
を有する本発明の最小COV乳剤を製造できることが決
定された。
【0028】より均一な厚みの平板状粒子集団を入手す
ることによって、より効率的な多色画像形成を達成する
ことが可能である。例えば、青色記録乳剤層単位の平板
状粒子を選択して、青色光を優先的に吸収し、且つ下部
層へ緑色及び赤色光を高いレベルで透過する厚みを持た
せることができる。平板状粒子の粒子−粒子間の均一性
がより高いので、不規則な厚みの平板状粒子による青色
記録層単位内での緑色及び赤色光の反射がより少なくな
る。同様に、下部の緑色記録層単位は、より均一に赤色
光を下部の赤色記録乳剤層単位へ透過するか、あるいは
青色光を上部の青色記録層単位へ反射する平板状粒子を
含有することができる。支持体に最も近い層単位(通常
は赤色記録層単位)でさえも、より均一な厚みの平板状
粒子集団を含有することによって、画像形成特性に利益
を与えることができる。赤色記録層単位は、青色または
緑色光をより均一に反射するように選ばれた厚みの平板
状粒子を含有することができる。上述の新規な構造的特
徴(1)及び(2)は、粒子−粒子間の厚み変動を低減
しなくても、上述の種類の顕著な写真上の利点を提供す
ることができるが、実際には、高平板度且つ低分散度の
平板状粒子乳剤が、上述の三つの構造的利点をすべて含
有することが普通である。
【0029】使用を意図される乳剤は、(a)粒子核の
集団を最初に形成し、(b)熟成剤の存在下で粒子核の
一部を熟成し、そして(c)後熟成粒子成長を行うこと
による、平板状粒子乳剤の改良された製造方法の発見及
び最適化によって、利用できるようになった。本発明の
要件を満足する平板状粒子から本質的に成る共沈澱粒子
集団乳剤は、粒子核の集団を形成させる特別な技法の発
見の結果得られた。
【0030】できるだけ低い分散度を達成するための第
一段階は、均一性を促進する条件下でハロゲン化銀粒子
核を形成させることである。粒子核を形成させる前に、
分散媒体に臭化物イオンを加える。分散媒体に銀と一緒
に他のハロゲン化物を加えることはできるが、銀を導入
する前には、分散媒体中のハロゲン化物イオンは本質的
に臭化物イオンから成る。
【0031】粒子核の平衡(balanced)ダブル
ジェット沈澱法が特に意図され、該方法では、水性銀塩
溶液と水性臭化物塩とを、水及び親水性コロイド解こう
剤(peptizer)を含有する分散媒体に同時に導
入する。塩化物塩及びヨウ化物塩の一方または両方を、
臭化物ジェットを通して導入するか、あるいは別のジェ
ットを通して別の水溶液とすることができる。粒子核形
成の際には、塩化物及び/またはヨウ化物の濃度を上述
の全体濃度以下に限定することが好ましい。硝酸銀が最
も普通に利用される銀塩であり、一方最も普通に利用さ
れるハロゲン化物塩は、ハロゲン化アンモニウムやアル
カリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、またはカリ
ウム)のハロゲン化物である。アンモニウム対イオン
は、分散媒体が酸性pH(すなわち7.0未満)にあるの
で、熟成剤としては働かない。
【0032】別々のジェットを通して水性銀及びハロゲ
ン化物塩を導入する代わりに、リップマン乳剤を分散媒
体に導入することによって均一な核形成を達成すること
ができる。リップマン乳剤粒子は、代表的には平均EC
D0.05μm未満を有するので、最初に導入されたリ
ップマン粒子の少量が沈着部位として働き、一方残るす
べてのリップマン粒子が銀イオンとハロゲン化物イオン
とに解離して粒子核表面上に沈澱析出する。乳剤沈澱用
の供給原料として小さな予備形成ハロゲン化銀粒子を使
用する方法が、Mignot(米国特許第4,334,
012号明細書)、Saitou(米国特許第4,30
1,241号明細書)、及びSolbergら(米国特
許第4,433,048号明細書)に記載されている。
【0033】用途を意図される低COV乳剤は、熟成に
先立ち、選ばれた界面活性剤の存在下で平行双晶面を含
有する粒子核の集団を生成させることによって製造する
ことができる。とりわけ、本発明の平板状粒子乳剤の分
散度が、ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー界
面活性剤の一種または組合せの存在において、粒子核中
に平行双晶面を導入することによって、低減されうるこ
とを発見した。一般的なポリアルキレンオキシドブロッ
クコポリマー及び特に本発明の乳剤の製造に用いられる
ことを意図されるものは、周知であり、しかも様々な目
的に広く使用されている。それらは、非イオン性界面活
性剤の主要なカテゴリーを構成することが一般に認識さ
れている。界面活性剤として機能する分子としては、一
緒に結合した少なくとも一つの親水性単位と少なくとも
一つの親油性単位とを含有しなければならない。ブロッ
クコポリマー界面活性剤についての一般的論評は、I.R.
Schmolkaの「A Review of Block Polymer Surfactants
」(J. Am. Oil Chem.Soc.,Vol. 54, No. 3, 1977, pp.
110-116)や、A.S.Davidsohn と B.MilwidskyのSynthet
ic Detergent (John Wiley & Sons, N.Y. 1987, pp.2
9-40,特にpp. 34-36)に記載されている。
【0034】該乳剤の製造に有用であることがわかった
一つのカテゴリーのポリアルキレンオキシドブロックコ
ポリマー界面活性剤は、該コポリマーの分子量の少なく
とも4%を占めている親水性アルキレンオキシドブロッ
ク単位によって結合された二つの末端の親油性アルキレ
ンオキシドブロック単位を含んで成る。これらの界面活
性剤を以降カテゴリーS−I界面活性剤と称する。
【0035】カテゴリーS−I界面活性剤は、親水性ア
ルキレンオキシドブロック単位によって結合されている
少なくとも二つの末端の親油性アルキレンオキシドブロ
ック単位を含有しており、そして以下の図式I、
【0036】
【化1】
【0037】(上式中、各場合ともLAO1は末端の親
油性アルキレンオキシドブロック単位を表し、そしてH
AO1は親水性アルキレンオキシドブロック結合単位を
表す)で示されるように概略的に単純に表すことができ
る。
【0038】一般に、親水性ブロック単位がブロックコ
ポリマーの全分子量を基準として4〜96%を構成する
ように、HAO1を選択することが好ましい。
【0039】もちろん上記のブロック図式Iが、親水性
ブロック単位により結合された少なくとも二つの末端親
油性ブロック単位を有するポリアルキレンオキシドブロ
ックコポリマーの一つの例にすぎないことは認識されて
いる。共通の変型構造において、ポリアルキレンオキシ
ド鎖のLAO1ブロック単位とHAO1ブロック単位と
の界面の一方または両方に三価のアミン結合基を挿入す
ることによって、3個または4個の末端親油性基をもた
らすことができる。
【0040】できるだけ単純な態様では、カテゴリーS
−Iのポリアルキレンオキシドブロックコポリマー界面
活性剤は、まずエチレングリコールとエチレンオキシド
とを縮合して親水性ブロック単位として役立つオリゴマ
ーまたはポリマーのブロック反復単位を生成させ、次い
で1,2−プロピレンオキシドを用いて反応を完結させ
ることによって調製される。プロピレンオキシドは、エ
チレンオキシドブロック単位の各端に付加する。親油性
ブロック反復単位を生成させるには、少なくとも6個の
1,2−プロピレンオキシド反復単位が必要である。得
られたポリアルキレンオキシドブロックコポリマー界面
活性剤は、以下の化学式II、
【0041】
【化2】
【0042】(上式中、x及びx′は各々少なくとも6
であり、且つ120以下またはそれ以上であることがで
き、そしてyは、エチレンオキシドブロック単位が界面
活性を保持するのに必要な親水性及び親油性のバランス
を維持するように、選ばれる)で表すことができる。一
般に、親水性ブロック単位がブロックコポリマー全体の
4〜96重量%を構成するように、yを選択することが
好ましい。xとx′が上記範囲内にあるときには、yは
2〜300またはそれ以上の範囲にあることができる。
【0043】一般に、界面活性剤の分散特性を保持する
いずれのカテゴリーS−I界面活性剤ブロックコポリマ
ーでも使用できる。該界面活性剤が、反応容器中で十分
有効に溶解するかまたは物理的に分散することが認めら
れた。ポリアルキレンオキシドブロックコポリマーの分
散は、平板状粒子乳剤の製造の際に代表的に用いられる
激しい攪はんによって促進される。一般に、分子量約1
6,000未満、好ましくは約10,000未満を有す
る界面活性剤が、使用を意図される。
【0044】第二のカテゴリー(以降カテゴリーS−II
界面活性剤と称する)では、ポリアルキレンオキシドブ
ロックコポリマー界面活性剤は、親油性アルキレンオキ
シドブロック単位により結合された二つの末端の親水性
アルキレンオキシドブロック単位を含有し、そして以下
の図式III 、
【0045】
【化3】
【0046】(上式中、各場合ともHAO2は末端の親
水性アルキレンオキシドブロック単位を表し、そしてL
AO2は親油性アルキレンオキシドブロック結合単位を
表す)に示されるように概略的に単純に表すことができ
る。
【0047】一般に、親油性ブロック単位がブロックコ
ポリマーの全分子量を基準として4〜96%を構成する
ように、LAO2を選択することが好ましい。
【0048】もちろん上記のブロック図式III が、親油
性ブロック単位により結合された少なくとも二つの末端
親水性ブロック単位を有するカテゴリーS−IIのポリア
ルキレンオキシドブロックコポリマーの一つの例にすぎ
ないことは認識されている。共通の変型構造において、
LAO2ブロック単位とHAO2ブロック単位との界面
の一方または両方に三価のアミン結合基を挿入すること
によって、3個または4個の末端親水性基をもたらすこ
とができる。
【0049】できるだけ単純な態様では、カテゴリーS
−IIのポリアルキレンオキシドブロックコポリマー界面
活性剤は、まず1,2−プロピレングリコールと1,2
−プロピレンオキシドとを縮合して親油性ブロック単位
として役立つオリゴマーまたはポリマーのブロック反復
単位を生成させ、次いでエチレンオキシドを用いて反応
を完結させることによって調製される。エチレンオキシ
ドは、1,2−プロピレンオキシドブロック単位の各端
に付加する。親油性ブロック反復単位を生成させるに
は、少なくとも13個の1,2−プロピレンオキシド反
復単位が必要である。得られたポリアルキレンオキシド
ブロックコポリマー界面活性剤は、以下の化学式IV、
【0050】
【化4】
【0051】(上式中、xは少なくとも13であり、且
つ490以下またはそれ以上であることができ、そして
y及びy′は、エチレンオキシドブロック単位が界面活
性を保持するのに必要な親水性及び親油性のバランスを
維持するように、選ばれる)で表すことができる。一般
に、親油性ブロック単位がブロックコポリマー全体の4
〜96重量%を構成するように、xを選択することが好
ましい。xが上記範囲内にあるときには、y及びy′は
1〜320またはそれ以上の範囲にあることができる。
【0052】界面活性剤の分散特性を保持するいずれの
カテゴリーS−IIブロックコポリマー界面活性剤でも使
用できる。該界面活性剤が、反応容器中で十分有効に溶
解するかまたは物理的に分散することが認められた。ポ
リアルキレンオキシドブロックコポリマーの分散は、平
板状粒子乳剤の製造の際に代表的に用いられる激しい攪
はんによって促進される。一般に、分子量約30,00
0末端、好ましくは約20,000末端を有する界面活
性剤が、使用を意図される。
【0053】第三のカテゴリー(以降カテゴリーS−II
I 界面活性剤と称する) では、ポリアルキレンオキシド
界面活性剤は、親油性アルキレンオキシドブロック結合
単位により結合された少なくとも三つの末端の親水性ア
ルキレンオキシドブロック単位を含有し、そして以下の
式V、
【0054】
【化5】
【0055】(上式中、各場合ともHAO3は末端親水
性アルキレンオキシドブロック単位を表し、LOLは親
油性アルキレンオキシドブロック結合単位を表し、zは
2であり、そしてz′は1または2である)で示される
ように概略的に単純に表すことができる。
【0056】使用されるポリアルキレンオキシドブロッ
クコポリマー界面活性剤は、以下の式VI、
【0057】
【化6】
【0058】(上式中、HAO3は各場合とも末端親水
性アルキレンオキシドブロック単位を表し、LAO3は
各場合とも末端親油性アルキレンオキシドブロック単位
を表し、Lは結合基例えばアミンまたはジアミンを表
し、zは2であり、そしてz′は1または2である)で
示される態様をとることができる。
【0059】結合基Lは便利ないずれの態様をとること
もできる。一般に、それ自体が親油性である結合基を選
択することが好ましい。z+z′が3に等しい場合に
は、該結合基は三価でなければならない。アミンを三価
の結合基として使用することができる。アミンを使用し
て結合単位Lを形成した場合、使用されるポリアルキレ
ンオキシドブロックコポリマー界面活性剤は、以下の式
VII 、
【0060】
【化7】
【0061】(上式中、HAO3及びLAO3は先に定
義したとうりであり;R1 ,R2 、及びR3 は、独立に
選択された炭化水素結合基、好ましくは炭素原子1〜1
0個を含有するアルキレン基またはフェニレン基であ
り;そしてa,b、及びcは独立に0または1である)
で示される態様をとることができる。立体障害を回避す
るため、一般に、a,b、及びcの少なくとも一つ(最
適には少なくとも二つ)が1であることが好ましい。オ
キシアルキル化反応に関与するヒドロキシ官能基を有す
るアミン(好ましくは第2または第3アミン)は、化学
式VII を満たすポリアルキレンオキシドブロックコポリ
マーを生成させるために意図される出発原料である。
【0062】z+z′が4に等しい場合には、結合基は
四価でなければならない。ジアミンが好ましい四価の結
合基である。ジアミンを使用して結合単位Lを形成した
場合には、使用されるポリアルキレンオキシドブロック
コポリマー界面活性剤は、以下の式VIII、
【0063】
【化8】
【0064】(上式中、HAO3及びLAO3は先に定
義したとうりであり;R4 ,R5 ,R 6 ,R7 、及びR
8 は独立に選択された炭化水素結合基、好ましくは炭素
原子1〜10個を含有するアルキレン基またはフェニレ
ン基であり;そしてd,e,f、及びgは独立に0また
は1である)で示される態様をとることができる。一般
に、LOL親油性ブロック単位が、コポリマーの分子量
の4〜96%未満、好ましくは15〜95%、最適には
20〜90%を占めるように、LAO3が選択されるこ
とが好ましい。
【0065】第四のカテゴリー(以降カテゴリーS−IV
界面活性剤と称する) では、使用されるポリアルキレン
オキシドブロックコポリマー界面活性剤は、親水性アル
キレンオキシドブロック結合単位によって結合された少
なくとも3個の末端の親油性アルキレンオキシドブロッ
ク単位を含有し、そして以下の式IX、
【0066】
【化9】
【0067】(上式中、LAO4は各場合とも末端親油
性アルキレンオキシドブロック単位を表し、HOLは親
水性アルキレンオキシドブロック結合単位を表し、zは
2であり、そしてz′は1または2である)で示される
ように、概略的に単純に表すことができる。
【0068】使用されるポリアルキレンオキシドブロッ
クコポリマー界面活性剤は、以下の式X、
【0069】
【化10】
【0070】(上式中、HAO4は各場合とも親水性ア
ルキレンオキシドブロック単位を表しLAO4は各場合
とも末端親油性アルキレンオキシドブロック単位を表
し、L′は結合基例えばアミンまたはジアミンを表し、
zは2であり、そしてz′は1または2である)で示さ
れる態様をとることができる。
【0071】結合基L′は便利ないずれの態様をとるこ
ともできる。一般に、それ自体が親水性である結合基を
選択することが好ましい。z+z′が3に等しい場合に
は、該結合基は三価でなければならない。アミンを三価
の結合基として使用することができる。アミンを使用し
て結合単位L′を形成した場合、使用されるポリアルキ
レンオキシドブロックコポリマー界面活性剤は、以下の
式XI、
【0072】
【化11】
【0073】(上式中、HAO4及びLAO4は先に定
義したとうりであり;R1 ,R2 、及びR3 は、独立に
選択された炭化水素結合基、好ましくは炭素原子1〜1
0個を含有するアルキレン基またはフェニレン基であ
り;そしてa,b、及びcは独立に0または1である)
で示される態様をとることができる。立体障害を回避す
るため、一般に、a,b、及びcの少なくとも一つ(最
適には少なくとも二つ)が1であることが好ましい。オ
キシアルキル化反応に関与するヒドロキシ官能基を有す
るアミン(好ましくは第2または第3アミン)は、化学
式XIを満たすポリアルキレンオキシドブロックコポリマ
ーを生成させるために意図される出発原料である。
【0074】z+z′が4に等しい場合には、結合基は
四価でなければならない。ジアミンが好ましい四価の結
合基である。ジアミンを使用して結合単位L′を形成し
た場合には、使用されるポリアルキレンオキシドブロッ
クコポリマー界面活性剤は、以下の式XII 、
【0075】
【化12】
【0076】(上式中、HAO4及びLAO4は先に定
義したとうりであり;R4 ,R5 ,R 6 ,R7 、及びR
8 は独立に選択された炭化水素結合基、好ましくは炭素
原子1〜10個を含有するアルキレン基またはフェニレ
ン基であり;そしてd,e,f、及びgは独立に0また
は1である)で示される態様をとることができる。一般
に、HOL親水性ブロック単位が、コポリマーの分子量
の4〜96%、好ましくは5〜85%を占めるように、
LAO4が選択されることが好ましい。
【0077】できるだけ単純な態様では、カテゴリーS
−III 及びS−IVのポリアルキレンオキシドブロックコ
ポリマー界面活性剤は、エチレンオキシド反復単位を使
用して親水性(HAO3及びHAO4)ブロック単位を
形成し、そして1,2−プロピレンオキシド反復単位を
使用して親油性(LAO3及びLAO4)ブロック単位
を形成する。親油性ブロック反復単位を生成するには、
少なくとも3個のプロピレンオキシド反復単位が必要で
ある。そのように形成された場合、H−HAO3−LA
O3−またはH−LAO4−HAO4−基は、それぞれ
以下の化学式XIIIa またはXIIIb 、すなわち、
【0078】
【化13】
【0079】(上式中、xは少なくとも3であり、且つ
250以下またはそれ以上であることができ、そしてy
は、エチレンオキシドブロック単位が界面活性を保持す
るのに必要な親油性と親水性のバランスを維持するよう
に選択される)を満足する。yは、親水性ブロック単位
の合計がブロックコポリマー全体の4超〜96重量%
(最適には10〜80重量%)を構成するように、選ば
れることが許される。この場合、1,2−プロピレンオ
キシド反復単位と結合部分とを含む親油性アルキレンオ
キシドブロック結合単位は、ブロックコポリマーの総重
量の4〜96%(最適には20〜90%)を構成する。
上述の範囲内では、yは1(好ましくは2)〜340ま
たはそれ以上の範囲にあることができる。
【0080】カテゴリーS−III 及びS−IVのポリアル
キレンオキシドブロックコポリマー界面活性剤の全体の
分子量は、1,100を超える分子量、好ましくは少な
くとも2,000の分子量を示す。一般に、界面活性剤
の分散特性を保持するこのようないずれのブロックコポ
リマーでも使用できる。該界面活性剤が、反応容器中で
十分有効に溶解するかまたは物理的に分散することが認
められた。ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー
の分散は、典型的には、平板状粒子乳剤の製造の際に用
いられる激しい攪はんによって促進される。一般に、分
子量約60,000未満、好ましくは約40,000未
満を有するカテゴリーS−III 界面活性剤が、使用を意
図され、そして分子量50,000未満、好ましくは約
30,000未満を有するカテゴリーS−IV界面活性剤
が、使用を意図される。
【0081】工業上の界面活性剤製造業者は、その圧倒
的多数の製品において、コストを基準として非イオン性
ブロックコポリマー界面活性剤の親油性及び親水性ブロ
ック単位を形成するための特定の1,2−プロピレンオ
キシド及びエチレンオキシドの反復単位を有する。しか
しながら、所期の親油性及び親水性が保持されるなら
ば、カテゴリーS−I,S−II,S−III 、及びS−IV
界面活性剤のいずれかにおいて、所望であれば他のアル
キレンオキシド反復単位を代用できることは認識されて
いる。例えば、プロピレンオキシド反復単位は、以下の
化学式XIV 、
【0082】
【化14】
【0083】(上式中、R9 は炭化水素基、例えば炭素
原子1〜10個を含有するアルキル基または炭素原子6
〜10個を含有するフェニルやナフチルのようなアリー
ル基、のような親油性基である)で示すことができる反
復単位族の一つにすぎない。
【0084】同様に、エチレンオキシド反復単位は、以
下の化学式XV、
【0085】
【化15】
【0086】(上式中、R10は水素、あるいは一つ以上
の極性置換基例えば1個、2個、または3個以上のヒド
ロキシ及び/またはカルボキシ基をさらに有する上述の
9 を形成するタイプの炭化水素基のような親水性基で
ある)で示すことができる反復単位族の一つにすぎな
い。
【0087】界面活性剤のカテゴリーの各々において、
各ブロック単位は、ブロック単位に望ましい親水性また
は親油性を付与するように選択された単一のアルキレン
オキシド反復単位を含有する。工業上利用できる界面活
性剤の親水性−親油性間のバランス値(HLB)が一般
に利用でき、そして適当な界面活性剤を選択する上で考
慮されうる。
【0088】平行双晶面が粒子核に導入されて、生成さ
れる乳剤の粒子分散度を低減するときには、非常に低レ
ベルの界面活性剤が必要であるにすぎない。界面活性剤
の重量濃度は、当座の銀重量、すなわち双晶面が粒子核
に導入されている間の乳剤中に存在する銀の重量、を基
準として0.1%程度を意図される。界面活性剤の好ま
しい最低濃度は、当座の銀重量を基準として1%であ
る。幅広い範囲の界面活性剤濃度が有効であることが観
測されている。カテゴリーS−I界面活性剤を用いた場
合の当座の銀重量の100%を超える界面活性剤濃度、
あるいはカテゴリーS−II,S−III 、またはS−IV界
面活性剤を用いた場合の当座の銀重量の50%を超える
界面活性剤濃度は、さらなる利点を実現することはなか
った。しかしながら、カテゴリーS−I界面活性剤を用
いた場合の当座の銀重量の200%以上の界面活性剤濃
度、あるいはカテゴリーS−II,S−III 、またはS−
IV界面活性剤を用いた場合の当座の銀重量の100%以
上の界面活性剤濃度は実行可能であると考えられる。
【0089】製造方法は、平行双晶面を粒子核に導入す
る二つの最も普通の技法のどちらにも適合する。これら
の技法の好ましく且つ最も普通のものは、最終的に平板
状粒子へと成長する粒子核集団を生成させると同時に、
同じ沈澱工程で平行双晶面を導入する方法である。換言
すれば、双晶化に導かれる条件下で粒子核形成が起こる
ということである。第二の方法は、安定な粒子核集団を
生成させ、次いで中間の乳剤のpAgを双晶化に導くレ
ベルに調節する方法である。
【0090】どちらの方法を採用するかには関係なく、
沈澱生成の初期工程で双晶面を粒子核に導入することが
有利である。平板状粒子乳剤を調製するために用いられ
る総銀量の2%未満を使用して、平行双晶面を有する粒
子核集団を得ることが意図される。通常は、総銀量の少
なくとも0.05%を使用して、平行双晶面を有する粒
子核集団を調製することが便利であるが、これはさらに
少ない量でさえも達成できる。安定な粒子核集団の生成
後の平行双晶面の導入が遅れれば遅れるほど、粒子分散
度の増加する傾向が大きくなる。
【0091】初期の粒子核形成の際かまたはその直後
の、粒子核に平行双晶面を導入する工程では、最終乳剤
中の粒子分散度の達成できる最低レベルが、分散媒体の
制御によって達成される。
【0092】分散媒体のpAgは、10%未満のCOV
を達成するためには、好ましくは5.4〜10.3の範
囲、最適には7.0〜10.0の範囲に維持する。1
0.3を上回るpAgでは、平板状粒子のECD及び厚
み分散度の増加する傾向が認められる。pAgをモニタ
ーし且つ調節する慣例の便利ないずれの技法でも使用で
きる。
【0093】粒子分散度の低減はまた、分散媒体のpHの
関数としても観測された。非平板状粒子の発生と非平板
状粒子集団の厚み分散度との両方が、平行双晶面が粒子
核に導入されている時点での分散媒体のpHが6.0未満
である場合に、減少することが観測された。分散媒体の
pHは慣例の便利ないずれの方法でも調節できる。この目
的には、強い鉱酸例えば硝酸を使用することができる。
【0094】粒子の核形成及び成長は、水と、溶解塩
と、及び慣例の解こう剤とを含んで成る分散媒体中で起
こる。親水性のコロイド解こう剤、例えばゼラチンやゼ
ラチン誘導体が特に意図される。核形成工程の際に導入
される銀1モル当たり20〜800(最適には40〜6
00)グラムの解こう剤濃度によって、最低の粒子分散
度レベルを示す乳剤が製造されることが観測された。
【0095】平行双晶面を含む粒子核の形成は、写真乳
剤に慣例の沈澱温度において起こり、とりわけ20〜8
0℃の温度範囲が好ましく、そして20〜60℃の温度
範囲が最適である。
【0096】平行双晶面を含む粒子核の集団が上述のよ
うに確立されたら、次の工程は、その粒子核集団の分散
度を熟成によって低減することである。平行双晶面を含
む粒子核を熟成する目的は、Himmelwright
(米国特許第4,477,565号明細書)及びNot
torf(米国特許第4,722,886号明細書)に
開示されている。濃度約0.01〜0.1Nのアンモニ
アやチオエーテルが、好ましい熟成剤群を構成する。
【0097】ハロゲン化銀溶剤を導入して熟成を誘導す
る代わりに、pHを高い水準、例えば9.0超、に調節す
ることによって熟成工程を達成することが可能である。
このタイプの熟成方法は、Buntaine及びBra
dy(米国特許第5,013,641号明細書、199
1年5月7日発行)により開示されている。この方法で
は、後核形成熟成工程が、塩基例えばアルカリ水酸化物
(例、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、または水酸
化カリウム)を用いて分散媒体のpHを9.0超に調節
し、次いで短時間(代表的には3〜7分)消化すること
によって行われている。熟成工程の終了時点で、慣例の
酸性化剤、例えば鉱酸(例、硝酸)を加えることによっ
て、ハロゲン化銀沈澱に慣例的に選ばれている酸性pH範
囲(例、6.0未満)に乳剤を再度戻す。
【0098】熟成期間がどんなに短縮されても、分散度
の低減がいくらかは起こる。総銀量の少なくとも約20
%が可溶化し、且つ残る粒子核上に再沈着するまで熟成
を継続することが好ましい。熟成期間がより延長される
と、残存する核の数はより少なくなる。このことは、続
く成長工程において目的とするECDの平板状粒子を調
製するために必要な付加的なハロゲン化銀沈澱がしだい
に少なくなることを意味する。別の観点から見ると、長
い熟成は、沈澱した銀の総グラム数に関して、乳剤組成
の寸法を低減する。最適な熟成は、目的とする乳剤の要
件を関数として変化し、そして所望のとうりに調節する
ことができる。
【0099】核形成及び熟成が完了すると、さらに乳剤
の成長を、所望の最終平均粒子厚及びECDを達成する
のに適合する慣例のいずれかの方法において行うことが
できる。粒子成長の際に導入されるハロゲン化物は、核
形成に選ばれたハロゲン化物とは独立に選択することが
できる。平板状粒子乳剤は、同じまたは異なるハロゲン
化銀組成の粒子を含有することができる。
【0100】最小分散度レベルの平板状粒子を製造する
方法の最適化において、最適化が、粒子へのヨウ化物の
取込みの作用、並びに界面活性剤及び/または解こう剤
の選択、によって相違することが観測された。
【0101】慣例のいずれの親水性コロイド解こう剤で
も使用できるが、沈澱の際にはゼラチン解こう剤を使用
することが好ましい。ゼラチン解こう剤は、いわゆる
「レギュラー」ゼラチン解こう剤と「酸化」ゼラチン解
こう剤とに分けられるのが普通である。レギュラーゼラ
チン解こう剤は、1グラム当たり少なくとも30マイク
ロモルの固有のメチオニンを含有するものであり、通常
はかなり高濃度のメチオニンを含有する。酸化ゼラチン
解こう剤とは、1グラム当たり30マイクロモル未満の
メチオニンを含有するゼラチン解こう剤を意味する。レ
ギュラーゼラチン解こう剤は、強い酸化剤で処理される
と酸化ゼラチン解こう剤に転化する。これは、例えばM
askasky(米国特許第4,713,323号明細
書)やKingら(米国特許第4,942,120号明
細書)により教示されている。酸化剤がメチオニン部分
の二価の硫黄原子を攻撃し、それを四価形または好まし
くは六価形に転換する。1グラム当たり30マイクロモ
ル未満のメチオニン濃度が、酸化ゼラチン解こう剤の性
能特性を提供することがわかったが、メチオニン濃度は
1グラム当たり12マイクロモル未満に低減することが
好ましい。一般に、効率的ないずれの酸化でもメチオニ
ンを検出可能レベル未満に低減する。ゼラチンは、稀で
はあるが、低濃度のメチオニンを固有に含有するので、
「レギュラー」及び「酸化」という語句は表現の利便性
のために用いられ、しかるに真に区別している特徴は、
酸化工程を行ったか否かではなく、メチオニン濃度であ
るということが認識される。
【0102】酸化ゼラチン解こう剤を使用する場合、最
低COV(10%未満)を達成するためには双晶面形成
の際のpHを5.2未満に維持することが好ましい。レギ
ュラーゼラチン解こう剤を使用する場合、最低COVを
達成するためには双晶面形成の際のpHを3.0未満に維
持する。
【0103】後熟成粒子成長の前にレギュラーゼラチン
及びカテゴリーS−I界面活性剤を各々使用する場合に
は、カテゴリーS−I界面活性剤は、親水性ブロック
(例えば、HAO1)が界面活性剤の全分子量の4〜9
6%(好ましくは5〜85%、最適には10〜80%)
を占めるように選ばれる。(化学式IIの)x及びx′が
少なくとも6であり、しかも界面活性剤の最低分子量が
少なくとも760、最適には少なくとも1,000で、
最高分子量が16,000以下、好ましくは10,00
0未満であることが好ましい。
【0104】カテゴリーS−I界面活性剤をカテゴリー
S−II界面活性剤に置き換えた場合、後者は、親油性ブ
ロック(例えばLAO2)が界面活性剤の全分子量の4
〜96%(好ましくは15〜95%、最適には20〜9
0%)を占めるように選ばれる。(化学式IV)のxが少
なくとも13であり、しかも界面活性剤の最低分子量が
少なくとも800、最適には少なくとも1,000で、
最高分子量が30,000以下、好ましくは20,00
0未満であることが好ましい。
【0105】カテゴリーS−III 界面活性剤をこの工程
に選択した場合、それは、親油性アルキレンオキシドブ
ロック結合単位(LOL)が、界面活性剤の全分子量の
4〜96%、好ましくは15〜95%、最適には20〜
90%を占めるように選ばれる。化学式(XIIIa)に示さ
れているエチレンオキシド及び1,2−プロピレンオキ
シドの態様では、xは3〜250、yは2〜340の範
囲にあることができ、そして界面活性剤の最低分子量は
1,100超、最適には少なくとも2,000で、最高
分子量は60,000以下、好ましくは40,000未
満である。界面活性剤の濃度レベルは、ヨウ化物濃度が
上昇するにつれ制限されることが好ましい。
【0106】カテゴリーS−IV界面活性剤をこの工程に
選択した場合、それは、親水性アルキレンオキシドブロ
ック結合単位(HOL)が、界面活性剤の全分子量の4
〜96%、好ましくは5〜85%、最適には10〜80
%を占めるように選ばれる。化学式(XIIIb)に示されて
いるエチレンオキシド及び1,2−プロピレンオキシド
の態様では、xは3〜250、yは2〜340の範囲に
あることができ、そして界面活性剤の最低分子量は1,
100超、最適には少なくとも2,000で、最高分子
量は50,000以下、好ましくは30,000未満で
ある。
【0107】後熟成粒子成長の前に酸化ゼラチン解こう
剤を使用し、しかも後熟成粒子成長の際にヨウ化物を加
えない場合には、親水性ブロック(例えばHAO1)が
界面活性剤の全分子量の4〜35%(最適には10〜3
0%)を占めるように選ばれたカテゴリーS−I界面活
性剤を用いて、最小COV乳剤を製造することができ
る。界面活性剤の最低分子量は、x及びx′(化学式I
I)の最小値6により決定され続ける。最適化された態
様では、x及びx′(化学式II)は少なくとも7であ
る。親油性ブロック(例えばLAO2)が界面活性剤の
全分子量の40〜96%(最適には60〜90%)を占
めるように選ばれたカテゴリーS−II界面活性剤を用い
て、最小COV乳剤を製造することができる。界面活性
剤の最低分子量は、x(化学式IV) の最小値13により
決定され続ける。上述のレギュラーゼラチン解こう剤を
用いた場合と同じ分子量範囲を、カテゴリーS−I及び
S−II界面活性剤の両方に適用できる。
【0108】ポリアルキレンオキシドブロックコポリマ
ー界面活性剤は、所望であれば、乳剤が完全に製造され
た後に乳剤から除去することができる。慣例の便利ない
ずれかの洗浄手順、例えばResearch Disclosure,Vol.
308,1989年12月、Item308,119, Section II 、に説明さ
れている手順が使用できる。ポリアルキレンオキシドブ
ロックコポリマー界面活性剤は、総銀量を基準として
0.02%を超える濃度で存在する場合には、最終乳剤
の検出可能な成分を構成する。
【0109】上述の特徴とは別に、本発明の反転色素画
像形成写真要素が、慣例の特徴、例えばKofronら
(米国特許第4,439,520号明細書)及びSow
inskiら(それぞれ先に引用されており、乳剤配合
を提案する)を用いて構築されうる。像様露光の際の光
捕捉に寄与しない粒子集団、例えばリップマン乳剤の粒
子集団は、上述の粒子集団には含まれず、そしてそれと
は別に存在することができる。さらに、先に引用したRe
search Disclosure, Item 308,119に開示されている反
転色素画像形成写真要素の構成に適合する特徴を用いる
ことができる。Item308,119 を参照すると、乳剤は、洗
浄され(Section II)、化学増感され(Sec
tion III)、分光増感され(Section IV、
但しG及びL節を除く)、そして一種以上のカブリ防止
剤や増感剤(Section VI)及び硬膜剤(Sec
tion X)の包含によって保護されることができ
る。色素画像形成層単位の各々は、乳剤層中または隣接
する層中に、SectionVII に記載されているもの
のような、色素を解放または生成するカプラー並びに他
の写真的に有用な群を解放するカプラーの両方を含む、
一種以上のカプラーを含有することができる。写真要素
の乳剤層及び他の層は、塗布助剤(Section X
I)、可塑剤及び滑剤(Section XII)、帯電防
止層(Section XIII) 、並びに艶消剤(Sec
tion XVI)を含むことができる。慣例のいずれかの
透明フィルム支持体、例えばSection XVIIに記
載された各種構成のいずれかの透明フィルム支持体を使
用することができる。慣例のコーティング及び乾燥手順
を採用して乳剤を調製することができ、そしてSect
ion XVに記載されている任意の付加的な層例えば下
塗り層やオーバーコート層を使用することができる。S
ection XVIII 及びXIX(D)にそれぞれ説明されて
いる慣例の露光及び処理が意図される。当業者により一
般によく認識されているように、色素を生成または解放
するカプラーを、写真要素に取り込むか、あるいは処理
の際に取り込むことのどちらも可能である。
【0110】特に好ましい反転色素画像形成写真要素の
構成は、以下のようなものである:
【0111】上記構成において、写真支持体は、透明な
セルロースエステル例えば酢酸セルロースであるか、ま
たは透明なポリエステル例えばポリ(エチレンテレフタ
レート)であることが好ましい。下塗り層は、天然ゼラ
チンまたは変性ゼラチンの層であることが好ましい。青
色、緑色、及び赤色記録層単位は各々2層または3層の
乳剤層から成り、各層は、支持体から最も離れた最高感
度乳剤層と、支持体に最も近い最低感度乳剤層とを含有
している。中間層は、天然ゼラチンまたは変性ゼラチン
層中に酸化現像主薬掃去剤を含有している。イエローフ
ィルター層は、天然ゼラチンまたは変性ゼラチン層中
に、酸化現像主薬掃去剤及び処理溶液除去性色素または
Carey Lea銀を含有している。オーバーコート
層は、天然ゼラチンまたは変性ゼラチン並びに艶消剤、
界面活性剤、及び帯電防止剤を含有している。
【0112】
【実施例】実施例1 (AKT−615) この例の目的は、後熟成粒子成長工程の際に注入された
ヨウ化物を用いて製造された、非常に小さなCOVを示
す臭ヨウ化銀乳剤を例示することである。
【0113】4リットルの反応容器に、水性ゼラチン溶
液(水1リットルと、アルカリ処理済ゼラチン1.3g
と、4N硝酸溶液4.2mlと、臭化ナトリウム2.44
gとから成り、前記化学式IIのx=15、x′=15、
y=4を満たす界面活性剤PLURONIC(商標)−
17Rlを、導入された銀の総重量を基準として2.7
6%含有し、そしてpAg=9.71を示す)を入れ、
そしてその温度を45℃に保ちながら、そこへ(硝酸銀
1.13gを含有する)硝酸銀水溶液13.3mlと、等
量の(臭化ナトリウム0.69gを含有する)臭化ナト
リウム水溶液とを、一定速度で1分間にわたって同時に
注加した。次いで、1分間混合した後、その混合物に
(臭化ナトリウム1.46gを含有する)水性臭化ナト
リウム溶液14.2mlを加えた。混合物の温度を9分間
にわたって60℃に上昇させた。その時点で、反応容器
に(硫酸アンモニウム1.68gと2.5N水酸化ナト
リウム溶液16.8mlとを含有する)水性アンモニア性
溶液33.5mlを加えて9分間混合した。次いで、その
混合物に(アルカリ処理済ゼラチン16.7gと4N硝
酸溶液5.5mlとを含有する)水性ゼラチン溶液88.
8mlを、2分間にわたって加えた。その後、(硝酸銀2
2.64gを含有する)水性硝酸銀溶液83.3mlと、
(臭化ナトリウム12.5gとヨウ化カリウム2.7g
とを含有する)水性ハロゲン化物溶液78.7mlとを4
0分間にわたって一定速度で加えた。次いで、(硝酸銀
81.3gを含有する)水性硝酸銀溶液299mlと(臭
化ナトリウム45gとヨウ化カリウム9.9gとを含有
する)水性ハロゲン化物溶液284.1mlとを、それぞ
れ2.08ml/分及び2.05ml/分の速度から始まる
一定のランプで次の35分間にわたって前記混合物に同
時に加えた。続いて、(硝酸銀94.9gを含有する)
水性硝酸銀溶液349mlと(臭化ナトリウム52.3g
とヨウ化カリウム11.5gとを含有する)水性ハロゲ
ン化物溶液330mlとを、23.3分間にわたって一定
速度で前記混合物に同時に加えた。こうして得られたハ
ロゲン化銀乳剤は、ヨウ化物12.4モル%を含有して
いた。
【0114】この乳剤の粒子の特性は、以下のとうりで
あることがわかった: 平均粒子ECD;1.10μm 平均粒子厚さ;0.211μm 平板状粒子投影面積;約100% 粒子の平均アスペクト比;5.2 粒子の平均平板度;24.6 総粒子の変動係数;8.2%
【0115】実施例2(MK−92) この例の目的は、後熟成粒子成長工程の際にヨウ化物を
反応容器に投入することによって製造された、非常に小
さな変動係数を示す臭ヨウ化銀乳剤を例示することであ
る。
【0116】4リットルの反応容器に、水性ゼラチン溶
液(水1リットルと、アルカリ処理済ゼラチン1.3g
と、4N硝酸溶液4.2mlと、臭化ナトリウム2.5g
と、前記化学式IIのx=25、x′=25、y=7を満
たす界面活性剤PLURONIC(商標)−31R1と
から成り、pAg=9.72を示す)を入れた。該界面
活性剤は、後熟成粒子成長工程の始まる前に導入された
銀の総量の15.76重量%を構成した。その温度を4
0℃に保ちながら、そこへ(硝酸銀1.13gを含有す
る)硝酸銀水溶液13.3mlと、等量の(臭化ナトリウ
ム0.69gとヨウ化カリウム0.0155gとを含有
する)水性ハロゲン化物溶液とを、一定速度で1分間に
わたって同時に注加した。次いで、1分間混合した後、
その混合物に(臭化ナトリウム1.46gを含有する)
水性臭化ナトリウム溶液14.2mlを加えた。1分間混
合した後、混合物の温度を6分間にわたって50℃に上
昇させた。その後、反応容器に(硫酸アンモニウム1.
68gと2.5N水酸化ナトリウム溶液15.8mlとを
含有する)水性アンモニア性溶液32.5mlを加えて9
分間混合した。次いで、その混合物に(アルカリ処理済
ゼラチン25.0gと4N硝酸溶液5.5mlとを含有す
る)水性ゼラチン溶液83.3mlを、2分間にわたって
加えた。その後、(硝酸銀22.64gを含有する)水
性硝酸銀溶液83.3mlと、(臭化ナトリウム14.5
gとヨウ化カリウム0.236gとを含有する)水性ハ
ロゲン化物溶液84.7mlとを40分間にわたって一定
速度で加えた。次いで、(硝酸銀81.3gを含有す
る)水性硝酸銀溶液299mlと(臭化ナトリウム51g
とヨウ化カリウム0.831gとを含有する)水性ハロ
ゲン化物溶液298mlとを、それぞれ2.08ml/分及
び2.12ml/分の速度から始まる一定のランプで次の
35分間にわたって前記混合物に同時に加えた。続い
て、(硝酸銀34.8gを含有する)水性硝酸銀溶液1
28mlと(臭化ナトリウム21.7gとヨウ化カリウム
0.354gとを含有する)水性ハロゲン化物溶液12
7mlとを、8.5分間にわたって一定速度で前記混合物
に同時に加えた。ヨウ化カリウム3.9gを含有するヨ
ウ化物溶液125ccを41.7cc/分の速度で3分間加
え、次いで一定の条件下で2分間保持した。その後、
(硝酸銀60gを含有する)水性硝酸銀溶液221ml
と、等量の(臭化ナトリウム38.2gを含有する)水
性ハロゲン化物溶液とを、前記混合物に一定速度で1
6.6分間にわたって同時に注加した。こうして得られ
たハロゲン化銀乳剤は、ヨウ化物2.7モル%を含有し
ていた。
【0117】この乳剤の粒子の特性は、以下のとうりで
あることがわかった: 平均粒子ECD;0.65μm 平均粒子厚さ;0.269μm 平板状粒子投影面積;約100% 粒子の平均アスペクト比;2.4 粒子の平均平板度;9 総粒子の変動係数;9.9%
【0118】実施例3及び4 この例の目的は、低レベルの分散度を達成することに対
するカテゴリーS−I界面活性剤の効果を例示すること
である。
【0119】実施例3(対照例)(AKT−702) 4リットルの反応容器に、水性ゼラチン溶液(水1リッ
トルと、酸化アルカリ処理済ゼラチン1.3gと、4N
硝酸溶液4.2mlと、臭化ナトリウム0.035gとか
ら成り、そしてpAg=7.92を示す)を入れ、そし
てその温度を45℃に保ちながら、そこへ(硝酸銀1.
13gを含有する)硝酸銀水溶液13.3mlと、等モル
量の(臭化ナトリウム0.677gとヨウ化ナトリウム
0.017gとを含有する)臭化ナトリウム及びヨウ化
ナトリウムの水溶液とを、一定速度で1分間にわたって
同時に注加した。次いで、1分間混合した後、その混合
物に(臭化ナトリウム2.49gを含有する)水性臭化
ナトリウム溶液24.2mlを加えた。混合物の温度を9
分間にわたって60℃に上昇させた。その時点で、反応
容器に(硫酸アンモニウム1.68gと2.5N水酸化
ナトリウム溶液16.8mlとを含有する)水性アンモニ
ア性溶液33.5mlを加えて9分間混合した。次いで、
その混合物に(酸化アルカリ処理済ゼラチン16.7g
と4N硝酸溶液5.5mlとを含有する)水性ゼラチン溶
液88.8mlを、2分間にわたって加えた。その後、
(硝酸銀22.64gを含有する)水性硝酸銀溶液8
3.3mlと、(臭化ナトリウム14.6gを含有する)
水性臭化ナトリウム溶液81.3mlとを40分間にわた
って一定速度で加えた。次いで、(硝酸銀81.3gを
含有する)水性硝酸銀溶液299mlと(臭化ナトリウム
51.4gを含有する)水性臭化ナトリウム溶液28
5.3mlとを、それぞれ2.08ml/分及び2.07ml
/分の速度から始まる一定のランプで次の64分間にわ
たって前記混合物に同時に加えた。続いて、(硝酸銀9
4.9gを含有する)水性硝酸銀溶液349mlと(臭化
ナトリウム59.8gを含有する)水性臭化ナトリウム
溶液331.9mlとを、23.3分間にわたって一定速
度で前記混合物に同時に加えた。こうして得られたハロ
ゲン化銀乳剤を洗浄した。
【0120】この乳剤の粒子の特性は、以下のとうりで
あることがわかった: 平均粒子ECD;4.80μm 平均粒子厚さ;0.086μm 平板状粒子投影面積;約100% 粒子の平均アスペクト比;55.8 粒子の平均平板度;649 総粒子の変動係数;36.1%
【0121】実施例4(AKT−244) 実施例3を繰り返したが、但し、銀塩を導入する前に、
前記化学式IIのx=25、x′=25、y=7を満たす
界面活性剤PLURONIC(商標)−31R1を反応
容器中にさらに存在させた。該界面活性剤は、後熟成粒
子成長工程の始まる前に導入された銀の総量の12.2
8重量%を構成した。
【0122】この乳剤の粒子の特性は、以下のとうりで
あることがわかった: 平均粒子ECD;1.73μm 平均粒子厚さ;0.093μm 平板状粒子投影面積;約100% 粒子の平均アスペクト比;18.6 粒子の平均平板度;200 総粒子の変動係数;7.5%
【0123】実施例5(AKT−612) この例の目的は、カテゴリーS−II界面活性剤を使用し
て、非常に小さい変動係数を示す平板状粒子乳剤の製造
を例示することである。
【0124】4リットルの反応容器に、水性ゼラチン溶
液(水1リットルと、アルカリ処理済ゼラチン1.3g
と、4N硝酸溶液4.2mlと、臭化ナトリウム2.44
gとから成り、前記化学式IVのx=32、y=9、y′
=9を満たす界面活性剤PLURONIC(商標)−L
63を、核形成に使用された銀の総重量を基準として
1.39%含有し、そしてpAg=9.71を示す)を
入れ、そしてその温度を45℃に保ちながら、そこへ
(硝酸銀1.13gを含有する)硝酸銀水溶液13.3
mlと、等量の(臭化ナトリウム0.69gを含有する)
臭化ナトリウム水溶液とを、一定速度で1分間にわたっ
て同時に注加した。次いで、1分間混合した後、混合物
の温度を9分間にわたって60℃に上昇させた。その時
点で、反応容器に(硫酸アンモニウム1.68gと2.
5N水酸化ナトリウム溶液16.8mlとを含有する)水
性アンモニア性溶液33.5mlを加えて9分間混合し
た。次いで、その混合物に(アルカリ処理済ゼラチン1
6.7gと4N硝酸溶液5.5mlとを含有する)水性ゼ
ラチン溶液88.8mlを、2分間にわたって加えた。そ
の後、(硝酸銀22.64gを含有する)水性硝酸銀溶
液83.3mlと、(臭化ナトリウム14gとヨウ化カリ
ウム0.7gとを含有する)水性ハロゲン化物溶液80
mlとを40分間にわたって一定速度で加えた。次いで、
(硝酸銀81.3gを含有する)水性硝酸銀溶液299
mlと(臭化ナトリウム49.8gとヨウ化カリウム2.
5gとを含有する)水性ハロゲン化物溶液285.3ml
とを、それぞれ2.08ml/分及び2.07ml/分の速
度から始まる一定のランプで次の35分間にわたって前
記混合物に同時に加えた。続いて、(硝酸銀94.9g
を含有する)水性硝酸銀溶液349mlと(臭化ナトリウ
ム57.8gとヨウ化カリウム2.9gとを含有する)
水性ハロゲン化物溶液331.9mlとを、23.3分間
にわたって一定速度で前記混合物に同時に加えた。こう
して得られたハロゲン化銀乳剤はヨウ化物3.1モル%
を含有していた。次いでその乳剤を洗浄した。
【0125】この乳剤の粒子の特性は、以下のとうりで
あることがわかった: 平均粒子ECD;1.14μm 平均粒子厚さ;0.179μm 平板状粒子投影面積;約100% 粒子の平均アスペクト比;6.4 粒子の平均平板度;35.8 総粒子の変動係数;6.0%
【0126】実施例6及び7 この例の目的は、平板状粒子乳剤の非常に低レベルの分
散度を達成することに対するカテゴリーS−III 界面活
性剤の効果を例示することである。
【0127】実施例6(対照例)(MK−103) 界面活性剤は使用しなかった。4リットルの反応容器
に、水性ゼラチン溶液(水1リットルと、アルカリ処理
済ゼラチン1.3gと、4N硝酸溶液4.2mlと、臭化
ナトリウム2.5gとから成り、そしてpAg=9.7
2を示す)を入れ、そしてその温度を45℃に保ちなが
ら、そこへ(硝酸銀1.13gを含有する)硝酸銀水溶
液13.3mlと、等量の(臭化ナトリウム0.69gを
含有する)臭化ナトリウム水溶液とを、一定速度で1分
間にわたって同時に注加した。次いで、1分間混合した
後、その混合物に(臭化ナトリウム1.46gを含有す
る)水性臭化ナトリウム溶液14.2mlを加えた。1分
間混合した後、混合物の温度を9分間にわたって60℃
に上昇させた。その後、反応容器に(硫酸アンモニウム
1.68gと2.5N水酸化ナトリウム溶液15.8ml
とを含有する)水性アンモニア性溶液32.5mlを加え
て9分間混合した。次いで、その混合物に(アルカリ処
理済ゼラチン41.7gと4N硝酸溶液5.5mlとを含
有する)水性ゼラチン溶液172.2mlを、2分間にわ
たって加えた。その後、(硝酸銀22.64gを含有す
る)水性硝酸銀溶液83.3mlと、(臭化ナトリウム1
4.2gとヨウ化カリウム0.71gとを含有する)水
性ハロゲン化物溶液84.7mlとを40分間にわたって
一定速度で加えた。次いで、(硝酸銀81.3gを含有
する)水性硝酸銀溶液299mlと(臭化ナトリウム50
gとヨウ化カリウム2.5gとを含有する)水性ハロゲ
ン化物溶液298mlとを、それぞれ2.08ml/分及び
2.12ml/分の速度から始まる一定のランプで次の3
5分間にわたって前記混合物に同時に加えた。続いて、
(硝酸銀34.8gを含有する)水性硝酸銀溶液128
mlと(臭化ナトリウム21.3gとヨウ化カリウム1.
07gとを含有する)水性ハロゲン化物溶液127mlと
を、8.5分間にわたって一定速度で前記混合物に同時
に加えた。その後、(硝酸銀60gを含有する)硝酸銀
水溶液221mlと、等量の(臭化ナトリウム37.1g
とヨウ化カリウム1.85gとを含有する)水性ハロゲ
ン化物溶液とを、一定速度で16.6分間にわたって同
時に注加した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤はヨ
ウ化物3モル%を含有していた。
【0128】この乳剤の粒子の特性は、以下のとうりで
あることがわかった: 平均粒子ECD;1.81μm 平均粒子厚さ;0.122μm 平板状粒子投影面積;約100% 粒子の平均アスペクト比;14.8 粒子の平均平板度;121 総粒子の変動係数;29.5%
【0129】実施例7(MK−162) 実施例6を繰り返したが、但し、銀塩を導入する前に、
TETRONIC(商標)−1508、N,N,N′,
N′−テトラキス{H(OCH2 CH2 y 〔OCH
(CH3 )CH2 −〕x }エチレンジアミン界面活性剤
(x=26、y=136)を反応容器中にさらに存在さ
せた。該界面活性剤は、後熟成粒子成長工程の始まる前
に導入された銀の総量の11.58重量%を構成した。
【0130】この乳剤の粒子の特性は、以下のとうりで
あることがわかった: 平均粒子ECD;1.20μm 平均粒子厚さ;0.183μm 平板状粒子投影面積;約100% 粒子の平均アスペクト比;6.6 粒子の平均平板度;36.1 総粒子の変動係数;9.1%
【0131】実施例8(MK−179) この例の目的は、平板状粒子乳剤の非常に低レベルの分
散度を達成することに対するカテゴリーS−IV界面活性
剤の効果を例示することである。
【0132】実施例7を繰り返したが、但し、銀塩を導
入する前に、TETRONIC(商標)−150R8,
N,N,N′,N′−テトラキス{H〔OCH(C
3 )CH2 x (OCH2 CH2 y −}エチレンジ
アミン界面活性剤(x=18、y=92)を反応容器中
にさらに存在させた。該界面活性剤は、後熟成粒子成長
工程の始まる前に導入された銀の総量の2.32重量%
を構成した。
【0133】この乳剤の粒子の特性は、以下のとうりで
あることがわかった: 平均粒子ECD;1.11μm 平均粒子厚さ;0.255μm 平板状粒子投影面積;約100% 粒子の平均アスペクト比;4.4 粒子の平均平板度;17 総粒子の変動係数;9.6%
【0134】実施例9及び10 これらの実施例の目的は、本発明の要件を満たす乳剤
と、該技術分野の類似の種類の乳剤とを比較することで
ある。
【0135】実施例9(MK202) Saitouらの米国特許第4,797,354号明細
書の実施例9を繰り返したが、但し沈澱70%の時点の
乳剤に銀の総モル量を基準としてヨウ化物3%を加え
た。沈澱70%の時点における形態及びCOVはよく確
立されており、ヨウ化物の添加がCOVに変化を与える
ことはない。
【0136】4リットルの反応容器に、水性ゼラチン溶
液(水1リットルと、脱イオン化アルカリ処理ゼラチン
7gと、臭化カリウム4.5gと、1N水酸化カリウム
溶液1.2mlとから成り、そしてpBr1.42を示
す)を入れ、溶液温度を30℃に維持した。(硝酸銀
8.0gを含有する)硝酸銀水溶液25mlと、(臭化カ
リウム5.8gを含有する臭化カリウム水溶液25mlと
を、反応容器に25ml/分の速度で1分間にわたって同
時に加えた。次いで、水性ゼラチン溶液(水1950ml
と、脱イオン水アルカリ処理ゼラチン90gと、1N水
酸化カリウム水溶液15.3mlと、臭化カリウム3.6
gとを含んで成る)を反応容器にさらに加えて、混合物
の温度を10分間にわたって75℃に上昇させた。その
後、50分間の熟成を行った。
【0137】続いて、その混合物を12リットルの容器
に移し、その中に、(硝酸銀90gを含有する)硝酸銀
水溶液200mlを20ml/分の速度で加えた。硝酸銀の
添加開始25秒後に、(臭化カリウム61.2gを含有
する)臭化カリウム水溶液191.6mlを20ml/分の
速度で12リットル容器に添加した。これら両方の溶液
添加は同時に完了した。その後、得られた混合物を2分
間攪はんし、次いで、(硝酸銀601.9gを含有す
る)硝酸銀水溶液1336mlと、(臭化カリウム42
5.4gを含有する)臭化カリウム水溶液1336mlと
を、最初の20分間は40ml/分の速度で、続く8.9
分間は60ml/分の速度で前記混合物に同時に添加し
た。
【0138】ヨウ化カリウム29.23gを含有するヨ
ウ化物溶液750mlを250ml/分の速度で3分間添加
し、その後2分間同じ状態を維持した。続いて、(硝酸
銀299.1gを含有する)硝酸銀水溶液664mlと、
等量の(臭化カリウム211.4gを含有する)臭化カ
リウム溶液とを、16.6分間にわたって40ml/分の
速度で同時に添加した。次いで、1分間攪はんした後、
こうして得られたハロゲン化銀乳剤を洗浄し、そして再
分散させた。
【0139】この乳剤の粒子特性は以下のとうりであっ
た。 平均粒子ECD;1.18μm 平均粒子厚さ;0.187μm 粒子の平均アスペクト比;6.31 粒子の平均平板度;33.7 総粒子の変動係数;32.6% 六角平板状粒子のみの変動係数を測定した場合には、約
13%であった。
【0140】実施例10(MK219) 4リットルの反応容器に、水性ゼラチン溶液(水1リッ
トルと、酸化アルカリ処理済ゼラチン0.83gと、4
N硝酸溶液4.0mlと、臭化ナトリウム1.12gとか
ら成り、そしてpAg9.39を示す)と、(前記化学
式IIのx=25、y=7、x′=25を満たす)PLU
RONIC(商標)−31R1の(後熟成粒子成長段階
の始まるまでに導入された銀の総重量を基準として)1
4.76重量%とを入れた。その反応容器温度を45℃
に保ちながら、(硝酸銀0.725gを含有する)硝酸
銀水溶液5.3mlと、等量の(臭化ナトリウム0.46
1gを含有する)臭化ナトリウム水溶液とを、一定速度
で1分間にわたって同時に注加した。次いで、1分間混
合した後、(臭化ナトリウム1.46gを含有する)臭
化ナトリウム水溶液14.2mlを混合物に添加した。混
合物の温度を9分間にわたって60℃に上昇させた。そ
の時点で、反応容器に(硫酸アンモニウム溶液3.36
gと2.5N水酸化ナトリウム溶液26.7mlとを含有
する)水性アンモニア性溶液65mlを加えて9分間混合
した。次いで、その混合物に(酸化アルカリ処理済ゼラ
チン16.7gと4N硝酸溶液11.4mlとを含有す
る)水性ゼラチン溶液83.3mlを、2分間にわたって
加えた。その後、(硝酸銀22.67gを含有する)水
性硝酸銀溶液83.3mlと、(臭化ナトリウム14.6
gを含有する)水性臭化ナトリウム溶液81.3mlとを
40分間にわたって一定速度で加えた。次いで、(硝酸
銀81.3gを含有する)水性硝酸銀溶液299mlと
(臭化ナトリウム51.5gを含有する)水性臭化ナト
リウム溶液285.8mlとを、それぞれ2.08ml/分
及び2.12ml/分の速度から始まる一定のランプで次
の35分間にわたって前記混合物に同時に加えた。続い
て、(硝酸銀4.43gを含有する)水性硝酸銀溶液1
6.3mlと(臭化ナトリウム2.81gを含有する)水
性臭化ナトリウム溶液15.6mlとを、1.08分間に
わたって一定速度で前記混合物に同時に加えた。ヨウ化
カリウム4.87gを含有するヨウ化物溶液125mlを
41.7ml/分の速度で3分間添加し、その後2分間同
じ状態を維持した。続いて、(硝酸銀46.8gを含有
する)硝酸銀水溶液172.2mlと、等量の(臭化ナト
リウム31.0gを含有する)臭化ナトリウム溶液と
を、20.7分間にわたって一定速度で前記混合物に同
時に添加した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤を洗
浄し、そして再分散させた。
【0141】この乳剤の粒子の特性は、以下のとうりで
あった: 平均粒子ECD;1.2μm 平均粒子厚さ;0.194μm 粒子の平均アスペクト比;6.2 粒子の平均平板度;31.8 総粒子の変動係数;4.5%
【0142】増感 実施例9及び10の各乳剤を最適に増感した。平板状粒
子のECD、厚み、及びヨウ化物配置は本質的に類似し
ているが、乳剤の最適写真応答を生み出す増感は、粒子
寸法の分布の違いを反映して異なるものとなった。
【0143】実施例9の乳剤は以下の増感によって最適
な写真性能を示した:銀1モル当たり0.95ミリモル
の色素A(5,5′−ジクロロ−3,3′−ジ(3−ス
ルホプロピル)チアシアニン、ナトリウム塩)、銀1モ
ル当たり1.8mgのジチオ硫酸金(I)ナトリウム2水
和物、銀1モル当たり0.9mgのチオ硫酸ナトリウム5
水和物、及び銀1モル当たり40mgの3−(2−メチル
スルファモイルエチル)ベンゾチアゾリウムテトラフル
オロボレート。乳剤と増感剤とを65℃に加熱し、15
分間保持することで増感を完結した。
【0144】実施例10の乳剤は以下の増感によって最
適な写真性能を示した:銀1モル当たり、0.90ミリ
モルの色素A、2.7mgのジチオ硫酸金(I)ナトリウ
ム2水和物、1.35mgのチオ硫酸ナトリウム5水和
物、及び40mgの3−(2−メチルスルファモイルエチ
ル)ベンゾチアゾリウムテトラフルオロボレート。乳剤
と増感剤とを65℃に加熱し、15分間保持することで
増感を完結した。
【0145】塗布及び処理 増感した乳剤を、透明な酢酸セルロースフィルム支持体
上に各々塗布した。塗布した各乳剤層は、1平方デシメ
ートル当たり、銀3.77mg、カプラーX(安息香酸、
4−クロロ−3−{〔2−4−エトキシ−2,5−ジオ
キソ−3−(フェニル)メチル−1−イミダゾリジニ
ル〕−3−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジオキ
ソプロピル〕アミノ}ドデシルエステル)9.68mg、
ゼラチン16.14mg、及び1,2,4−トリアザイン
ドリジン0.061mgを含有した。この乳剤層の上に、
1平方デシメートル当たり21.52mgのゲルオーバー
コートと、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテルゼ
ラチン硬膜剤を塗布した。
【0146】塗布した試料を、ステップタブレット、W
ratten2B(商標)フィルター、及び1.0中性
濃度フィルターを通して5500°K光源に50分の1
秒間露光し、次いでBritish Journal of Photogra
phy (1977年、194-197)に記載されているKodak Ektach
rome(商標)E6法で現像処理した。
【0147】センシトメトリーの結果を以下の表1にま
とめる。 表 1 実施例 COV Dmax スピード(log E) コントラスト 粒子 9 32.6% 1.02 0 1.00 0 10 4.5% 1.10 −0.24 1.41 −9GU 本発明の要件を満たす実施例10の低COV乳剤は、平
板状粒子乳剤における従来の最低COVを代表する実施
例9の対照乳剤よりも、高い最大密度及び高いコントラ
ストを示した。実施例10の乳剤について明確な利点を
示している粒子単位の比較は、最低コントラスト正規化
粒状度(コントラストで割った粒状度)の比較に基づく
ものとした。カブリの比較(表1には示されていない)
は、実施例10の乳剤のカブリが、実施例9の対照乳剤
のそれよりも少ないことを示した。本発明の乳剤は、対
照乳剤よりも若干低感度であったが、この欠点は、沈澱
の際に乳剤のECDを単に増加することによって容易に
調整される。一般に、スピードにおける一段の絞り
(0.30 log E)の増加が、7粒子単位の粒状
度の増加になることが受け入れられている。こうして、
本発明の乳剤が、約0.24 log Eのスピードの
利点に相当する顕著な粒状度の利点を示すことが明らか
である。
【0148】実施例11及び12 これらの実施例の目的は、様々な構造の対照乳剤と本発
明を利用して、上述の本発明の利点を確証することであ
る。
【0149】実施例11 実施例2に従い「流入−投入」臭ヨウ化銀を製造した
が、但し以下の変更を行った。粒子核形成温度及び成長
温度は、それぞれ45℃及び60℃とし、温度上昇は9
分間で行った。核形成前の反応容器に、界面活性剤の7
5%だけ加えた。残りの界面活性剤は、粒子成長工程前
に加えられた水性ゼラチン溶液に加えた。水性ゼラチン
溶液は、161ml以上の水で希釈され、そして脱イオン
化ゼラチンを含有した。核形成塩溶液は、30%未満の
ヨウ化カリウムを含有した。使用した硫酸アンモニウム
の量は48%未満とし、そしてヨウ化カリウム溶液を使
用する代わりに、予備形成ヨウ化銀乳剤(約0.05μ
mECD)0.0238モルを成長期間後に加えた。
【0150】乳剤は、銀を基準として2.7モル%のヨ
ウ化物を含有していた。この乳剤の粒子の特性は以下の
とうりであった。 平均粒子ECD;1.12μm 平均粒子厚さ;0.201μm 粒子の平均アスペクト比;5.6 粒子の平均平板度;27.7 総粒子の変動係数;9%
【0151】実施例11の乳剤は以下の増感によって最
適な写真性能を示した:銀1モル当たり、100mgのチ
オシアン酸ナトリウム、1.15ミリモルの色素B(無
水−5′−クロロ−3,3′−ビス(3−スルホプロピ
ル)ナフト〔1,2−d〕オキサゾロチアシアニンヒド
ロキシドトリエチルアミン)、2.5mgのジチオ硫酸金
(I)ナトリウム2水和物、1.25mgのチオ硫酸ナト
リウム5水和物、及び24.2mgの3−(2−メチルス
ルファモイルエチル)ベンゾチアゾリウムテトラフルオ
ロボレート。乳剤と増感剤とを75℃に加熱し、その温
度で15分間保持することで増感を完結した。この乳剤
は、細かく且つ非平板状の粒子の含有量が少ないので、
最適な増感に必要な増感剤の量がより少なかった。
【0152】実施例12 対照として、ヨウ化物3モル%を含有する慣例の「流入
−投入」臭ヨウ化銀乳剤を使用した。
【0153】この乳剤の粒子の特性は以下のとうりであ
った。 平均粒子ECD;1.95μm 平均粒子厚さ;0.097μm 粒子の平均アスペクト比;20.1 粒子の平均平板度;207 総粒子の変動係数;31%
【0154】実施例12の乳剤は以下の増感によって最
適な写真性能を示した:銀1モル当たり、150mgのチ
オシアン酸ナトリウム、1.60ミリモルの色素B、
2.8mgのジチオ硫酸金(I)ナトリウム2水和物、
2.18mgのチオ硫酸ナトリウム5水和物、10mgのヨ
ウ化3−メチルベンゾチアゾリウム、及び251mgの塩
化カリウム。乳剤と増感剤とを70℃に加熱し、その温
度で10分間保持することで増感を完結した。
【0155】塗布及び処理 増感した乳剤を、透明な酢酸セルロースフィルム支持体
上に各々塗布した。各乳剤層は、1平方デシメートル当
たり銀8.07mgを含有した。該乳剤層は、1平方デシ
メートル当たり、カプラーY(安息香酸、4−クロロ−
3−{〔2−〔4−エトキシ−2,5−ジオキソ−3−
(フェニル)メチル−1−イミダゾリジニル〕−4,
4′−ジメチル−1,3−ジオキソプロピル〕アミノ}
ドデシルエステル)14.2mg、ゼラチン23.7mg、
及び4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラアザインデン0.131mgを含有した。この乳剤
層の上に、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル硬
膜剤を有する1平方デシメートル当たり23.7mgのゼ
ラチンオーバーコートを塗布した。塗布した試料を、実
施例9及び10に関して記載したようにステップタブレ
ットを通して露光し、次いでBritish Journal of
Photography (1977 年、194-197)に記載されているKoda
k Ektachrome(商標)E6法で現像処理した。
【0156】センシトメトリーの結果を以下の表2にま
とめる。 表 2実施例 COV Dmax スピード(log E) コントラスト 粒子 11 9% 2.38 −0.10 1.07 −5GU 12 31% 2.40 0 1.00 0
【0157】表1と表2のデータを比較することによっ
て、表1に関連して上述した利点が、表2の比較される
別の乳剤によって一般に確証され、実施例11の乳剤を
用いて製造された写真要素のスピード−粒状度の利点が
約3分の1の絞りであることが明らかである。
【0158】実施例13及び14 上述の乳剤の記述において、核形成は、ポリアルキレン
オキシドブロックコポリマー界面活性剤と、粒子成長が
起こる前に粒子核分散度を低減するために任意に導入さ
れるハロゲン化銀溶剤、例えばチオシアネート、チオエ
ーテル、またはアンモニアとの存在において行われる。
これらの実施例の目的は、粒子核形成の際のハロゲン化
銀溶剤と界面活性剤との適合性を例示し、一方で15%
未満の総粒子変動係数を含む望ましい平板状粒子特性を
なおも達成することである。
【0159】実施例13 比較用乳剤13A (SHK570) 2.7モル%ヨウ化物臭ヨウ化銀平板状粒子を、ダブル
ジェット法によって沈澱させた。
【0160】以下の手順で1モルの総銀を沈澱させた。
粒子核形成を達成するために、臭化ナトリウム2.5g
/L及び骨ゼラチン1.87g/LのpH1.85、温度
45℃の水溶液833mlを含有する容器に、塩溶液A
(1.97N臭化ナトリウム及び0.2Nヨウ化カリウ
ム)を添加することによってpAg=9.7を維持しな
がら、2N硝酸銀として0.0083モルの銀を1分間
導入した。この後、後核形成熟成工程を行った。臭化ナ
トリウムを添加することによってpAgを9.8に調節
した後、温度を60℃に上昇させて、0.76モル/L
の硫酸アンモニウム13.85mlを添加した。2.5N
水酸化ナトリウムの添加によって容器内のpHを9.5に
上げ、次いで9分間保持した。そこでさらなる粒子成長
を行った。次いで100g/Lの骨ゼラチンを含有する
水性ゼラチン溶液を添加することによってpAgを9.
2に調節し、そしてpHを5.8に調節した。次いで、
1.6N硝酸銀及び塩溶液B(1.66N臭化ナトリウ
ム及び0.0168Nヨウ化カリウム)の流入を加速し
て、pAg=9.2で55.83分間の粒子成長を行っ
た。3分後、1.6N硝酸銀及び1.68N臭化ナトリ
ウムを用いてpAg=8.7で13.3分間、残りの2
9.5%の総銀を沈澱させた。
【0161】得られた乳剤を限外濾過によって洗浄し、
そしてpH及びpAgをそれぞれ5.5及び8.2に調節
した。乳剤特性を以下の表3にまとめた。
【0162】比較用乳剤13B(SHK589) この乳剤は、比較用乳剤13Aと同様に沈澱させたが、
但し沈澱開始前に、チオエーテル、1,8−ジヒドロキ
シ−1,3−ジチオアセトンを反応容器に添加した。添
加したチオエーテルの量は、後熟成粒子成長工程の始ま
りまでに導入された総銀1モル当たり6.93グラムと
した。乳剤の特性を以下の表3にまとめた。
【0163】本発明の乳剤13C(SHK591) この乳剤は、比較用乳剤13Aと同様に沈澱させたが、
但し沈澱開始前に、前記化学式IIのx=25、x′=2
5、y=7を満たす界面活性剤Pluronic−31
R1(商標)を反応容器に添加した。添加した界面活性
剤の量は、後熟成粒子成長工程の始まりまでに導入され
た総銀量の9.84重量%とした。乳剤の特性を以下の
表3にまとめた。
【0164】本発明の乳剤13D(SHK590) この乳剤は、比較用乳剤13Aと同様に沈澱させたが、
但し、比較用乳剤13Bにあるようにチオエーテルを添
加し、且つ本発明の乳剤Cにあるように界面活性剤Pl
uronic−31R1(商標)を添加した。乳剤の特
性を表3にまとめた。
【0165】 表3 乳剤 ECD t ECD/t T COV 界面活性剤/チオエーテル μm μm % 13A 1.58 0.084 18.8 223.9 25 無し/無し 13B 1.69 0.132 12.8 97.0 25 無し/有り 13C 1.39 0.128 10.9 84.8 12 有り/無し 13D 1.35 0.169 8.0 47.3 13 有り/有り
【0166】表3から、核形成に際し界面活性剤が存在
しないと、平均の総粒子の変動係数が比較的高くなるこ
とが明らかである。乳剤13Cと13Dのみが、本発明
の要件を満たす変動係数を示した。乳剤Bと乳剤Cとを
比較することによって、核形成の際に界面活性剤の代わ
りにチオエーテルを用いると、粒子寸法(ECD)、粒
子厚(t)、及び変動係数(COV)を増加させる一
方、平均アスペクト比(ECD/t)及び平板度(T)
を低減する効果を有することが明白である。乳剤13D
は、粒子核形成の際に界面活性剤と一緒に存在するチオ
エーテルが、本発明の要件に適合することを例示してい
る。
【0167】実施例14 水6リットルを含有する反応容器に、低メチオニン脱イ
オン化ゼラチン4g、3,6−ジチア−1,8−オクタ
ンジオール0.25g、Pluronic(商標)L−
43(前記化学式IVのx=19、y=6、y′=6を満
たす界面活性剤)7.116g、pHを3.5に調節する
のに十分な酸、及びpAgを9.6に調節するのに十分
な臭化ナトリウム溶液を加えた。この温度40℃の混合
物に、硝酸銀溶液(0.9モル/L)と4モル%ヨウ化
物の臭化ナトリウム溶液とを15秒間にわたって同時に
添加し、臭ヨウ化銀の0.072モルを核形成させた。
【0168】核形成後、乳剤を40℃で15分間保持し
た。この時点で、低メチオニン脱イオン化ゼラチン12
2gを加え、pHを4.5に調節し、そしてpAgを9.
5に維持しながら、硝酸銀2.5モル/Lと上述と同じ
ハロゲン化物塩溶液とを使用してダブルジェット法沈澱
を再開した。沈澱は、7モルの総臭ヨウ化銀が沈澱する
まで継続した。
【0169】こうして得られた平板状臭ヨウ化銀粒子は
以下の特性を示した: ECD; 0.4523μm t; 0.070μm 平均ECD/t ;6.46 平均ECD/t2 ;92.3 全体のCOV ;13%
【0170】実施例15 この例の目的は、本発明の要件を満たす高平板度(T>
25%)且つ高単分散度(COV<15%)の乳剤(以
降高平板度単分散乳剤と称する)を、上部の色素画像形
成層単位内の従来の乳剤層の代わりに用いた場合に、そ
のカラー反転写真要素が、下部の色素画像形成層単位内
において改善された色素画像鮮鋭性を示すことができ
る、ということを例示することである。下部の色素画像
形成層単位の色素画像の鮮鋭度の増大に対する著しい寄
与は、ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー界面
活性剤の存在において製造された高平板度単分散乳剤
が、平板状粒子によって占められている非常に高い比率
の総粒子投影面積(小さ過ぎて光散乱に寄与しない粒子
を除く)を有するという異常な特性をも示す、という事
実によるものである。より詳細には、本明細書に開示し
た高平板度単分散乳剤は、総粒子投影面積の97%超
(最適には98%超)を平板状粒子が占めているという
理由によって、下部の色素画像形成層単位内の増加した
鮮鋭度に寄与する。ここではもちろん、光を散乱するに
は小さ過ぎる等価円直径を有する粒子は、総粒子投影面
積から除外されている。
【0171】対照カラー反転要素 以下の全体の構造を有する慣例のカラー反転写真要素
(以降CR−1と称する)を製造した。
【0172】CR−1においては、低感度イエロー乳剤
層を以下のように構築した。平板状臭ヨウ化銀粒子乳剤
を使用した。該乳剤は銀を基準として3モル%のヨウ化
物を含有した。粒子の被覆量は431mg/m2 とした。
ゼラチンの被覆量は2368mg/m2 とした。粒子は、
平均粒子ECD1.14μm及び平均粒子厚(t)0.
087μmを示し、平均アスペクト比(ECD/t)1
3.1及び平均平板度(T)150を提供した。平板状
粒子は、等価円直径少なくとも0.2μmを示す粒子の
総投影面積の88.4%を占めていた。粒子は比較的単
分散されており、粒子の変動係数は、約20%であると
見積られた。
【0173】乳剤は、仕上げ改質剤として作用するヨウ
化3−メチルベンゾチアゾリウムの存在において最適に
硫黄増感及び金増感され、そして慣例のモノメチンシア
ニン色素(無水−5′−クロロ−3,3′−ビス(3−
スルホプロピル)ナフト〔1,2−d〕オキサゾロチア
シアニンヒドロキシド、トリエチルアンモニウム塩)を
用いてスペクトルの青色領域に分光増感された。さら
に、該乳剤は、慣例のイエロー色素生成カプラー、慣例
のアリールヒドラジド還元剤、慣例の金属イオン掃去
剤、及び慣例のカブリ防止剤の組合せを含有した。
【0174】本発明のカラー反転要素 上述と同じ層配列と本質的に同じ組成とを有する第二の
カラー反転要素(CR−2)を製造したが、但し以下の
低感度イエロー層構成を使用した。ここでまた、銀を基
準として3モル%のヨウ化物を含有する平板状臭ヨウ化
銀粒子乳剤を使用した。CR−1にあるのと同様の銀及
びゼラチンのコーティング被覆量を使用した。粒子は、
平均粒子ECD1.115μm及び平均粒子厚(t)
0.134μmを示し、平均アスペクト比(ECD/
t)8.34及び平均平板度(T)62.2を提供し
た。平板状粒子は、総粒子投影面積の98.3%を占め
ていた(ここでもまた、等価円直径0.2μm未満の粒
子を除外した)。粒子は単分散されており、粒子の変動
係数は14%であった。
【0175】以下の製造手順を使用して乳剤粒子を得
た。4リットルの反応容器に、水性ゼラチン溶液(水1
リットルと、アルカリ処理済ゼラチン1.3gと、4N
硝酸溶液3.9mlと、臭化ナトリウム2.44gとから
成り、前記化学式IVのx=19、y=6、y′=6を満
たす界面活性剤PLURONIC(商標)−L43を、
核形成に使用された銀の総重量を基準として2.78%
含有し、そしてpAg=9.71を示す)を入れ、そし
てその温度を45℃に保ちながら、そこへ(硝酸銀1.
13gを含有する)硝酸銀水溶液4.2mlと、等量の
(臭化ナトリウム0.76gを含有する)臭化ナトリウ
ム水溶液とを、一定速度で1分間にわたって同時に注加
した。次いで、1分間混合した後、混合物の温度を9分
間にわたって60℃に上昇させて、そして混合をさらに
9分間行った。その時点で、反応容器に(アルカリ処理
ゼラチン16.7gと2.5N水酸化ナトリウム溶液
6.4mlとを含有する)水性ゼラチン溶液250mlを2
分間にわたって加えた。その後、(硝酸銀9.06gを
含有する)水性硝酸銀溶液33.3mlと、(臭化ナトリ
ウム5.52gとヨウ化カリウム0.29gとを含有す
る)水性ハロゲン化物溶液31.7mlとを20分間にわ
たって一定速度で加えた。次いで、(硝酸銀83.5g
を含有する)水性硝酸銀溶液307.3mlと(臭化ナト
リウム51.0gとヨウ化カリウム2.72gとを含有
する)水性ハロゲン化物溶液292.6mlとを、それぞ
れ1.67ml/分及び1.68ml/分の速度から始まる
一定のランプで次の36.9分間にわたって前記混合物
に同時に加えた。続いて、(硝酸銀106.8gを含有
する)水性硝酸銀溶液393mlと(臭化ナトリウム6
4.9gとヨウ化カリウム3.46gとを含有する)水
性ハロゲン化物溶液372.5mlとを、26.2分間に
わたって一定速度で前記混合物に同時に加えた。
【0176】該乳剤を、CR−1のものと同様に化学増
感及び分光増感し、そしてCR−1と同じコーティング
被覆量において同じ追加で被覆した。
【0177】鮮鋭度の比較 実施例9に記載したように、CR−1とCR−2を同等
に露光して現像処理した。先に示した層構造のカラー反
転写真要素に典型的なように、CR−1のシアン色素画
像記録は、残りのイエロー及びマゼンタ色素画像記録よ
りも鮮鋭度が著しく低下していた。これは、シアン色素
画像形成層が、残りの画像色素形成層よりも露光源から
最も離れていることによる。低下したシアン画像鮮鋭度
は、1mm当たり約8〜60サイクルの周波数領域内にお
いて特に顕著であった。この周波数領域では、CR−2
のシアン色素画像アキュータンスは有意に高く、変調伝
達関数(MTF)は2〜5%高く、そしてこの周波数領
域全体のMTFの利点は約3%であると見積られた。C
R−2では、シアン色素画像記録の鮮鋭度は、イエロー
及びマゼンタ色素画像記録のそれにさらに一層近づい
た。
【0178】さらなる検討より、シアン色素画像記録鮮
鋭度の改善は、15〜30%の変動係数範囲において少
ししか減退しないことが決定された。この範囲内では、
シアン色素画像記録の鮮鋭度は、なおも対照のそれより
も優っていた。優れた鮮鋭度を示す色素画像記録は、少
なくとも一つの上部乳剤層が、総粒子投影面積の97%
超、最適には総粒子投影面積の98%超を占めている平
板状粒子(小さ過ぎて光を散乱しない粒子は総粒子投影
面積から除外する)を含有した場合に、得ることができ
ると結論された。上述の低感度イエロー乳剤層では、総
粒子投影面積は、より小さい直径の粒子を除外してもし
なくても本質的に同じであろう。しかしながら、画像形
成応答を改変する目的でカラー反転乳剤層に比較的小さ
な等価円直径の粒子を配合することが、共通の慣例であ
ることは認識されている(例えば、Sowinskiら
の米国特許第4,658,122号明細書を参照された
い)。光学的に透明(すなわち非散乱性)であることが
よく知られているリップマン乳剤を、特性曲線形状を制
御するためにより大きな直径の乳剤と配合することが普
通である。等価円直径0.2μm未満の粒子は、500
nmより長い波長の光を著しくは散乱しないので、緑色及
び/または赤色記録乳剤層の上に重なっている層の総粒
子投影面積の計算において除外することができる。下部
の乳剤層が青色光を記録することを意図される場合に
は、等価円直径0.15μm未満(最適には0.10μm未
満)を示す粒子のみを、本発明の要件を満たす重なって
いる高平板度単分散乳剤層の総粒子投影面積を決定する
ことにおいて除外することができる。下部の乳剤層の記
録波長とは無関係に、好ましい写真要素は、等価円直径
0.15μm未満を示す粒子のみを除外して、上述の総
粒子投影面積基準の97%超(最適には98%超)が平
板状粒子で満たされているものである。
【0179】さらなる検討において、重なっている青色
記録イエロー色素画像形成乳剤層における理想的な平板
状粒子の厚みが、0.1〜0.15μm、最適には0.
12〜0.14μmの範囲にあることが観測された。こ
れらの厚み範囲では、平板状粒子は緑色及び赤色光の最
小限の反射を示し、よって下部のマゼンタ及びシアン色
素画像形成乳剤層のスピードが改善される。さらにま
た、上に重なっている青色記録イエロー色素画像の平板
状粒子乳剤層中のこれらの範囲の平板状粒子厚では、マ
ゼンタ及びシアン色素画像記録の鮮鋭度が統計的に有意
な増加を示した。
【0180】実施例16 この実施例の目的は、本発明の要件を満たす低COV乳
剤、とりわけ実施例10の乳剤(総粒子を基準としてC
OV4.5%)のカラー反転写真要素が、Saitou
らの米国特許第4,797,354号明細書に開示され
ている種類の乳剤、とりわけ比較例9の乳剤(総粒子を
基準としてCOV32.6%)よりも有利であることを
例示することである。
【0181】4個のカラー反転写真要素を同等に構築し
たが、但し、二つの要素16E及び16Cでは、青色記
録総単位は銀被覆量8.1mg/dm2 でそれぞれ実施例1
0及び9の乳剤を含有し、一方残りの二つの要素16
E′及び16C′はそれぞれ16E及び16Cと同等で
あるが、但し、各青色記録乳剤層中の銀被覆量を3.8
mg/dm2 に低減した。
【0182】コーティングのフォーマットは以下のとう
りである。
【0183】赤色記録層単位は、赤色増感平板状臭ヨウ
化銀粒子乳剤(ヨウ化物4モル%、平均粒子ECD0.
5μm、平均粒子厚0.084μm、平均平板度71)
8.07mg/dm2 と、シアン色素生成カプラー2−
〔2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキ
シ〕−N−〔4−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプ
タフルオロ−1−オキソブチル)アミノ−3−ヒドロキ
シフェニル〕ヘキサナミド16.1mg/dm2 と、及びゼ
ラチン23.7mg/dm2 とを含有した。イエローフィル
ター層は、Shuttleworthの米国特許第4,
923,788号明細書にカラム4、構造1として示さ
れているイエローフィルター色素2.7mg/dm2 と、ゼ
ラチン11.8mg/dm2 とを含有した。青色記録層単位
は、上記実施例11及び12に記載したのと同様に塗布
された青色感応性乳剤を含有した。保護オーバーコート
層は、より高濃度の硬膜剤を含む実施例11及び12と
同じものとした。
【0184】表4に示した写真データは、以下の手順か
ら得られたものである。露光及び現像処理は実施例9〜
12について記載したものと同様とした。赤色記録層単
位の鮮鋭度は、コダックWratten29(商標)フ
ィルターを通した露光から生じたMTFを測定すること
によって評価した。35mmスライド及びスーパー8フィ
ルムについての計算MTF(CMT)応答は、MTF応
答から算出した。
【0185】 表4 コーティング 青色感応性 青色 青色 青色 青色 番号 乳剤 Dmax スピード コントラスト 粒子 16E 実施例10 2.27 −0.2 1.22 −6GU 16C 実施例 9 2.20 0 1.0 0 16E ′ 実施例10 1.13 −0.15 1.36 −6GU 16C ′ 実施例 9 1.04 0 1.0 0 ---- 赤色鮮鋭度 ---- コーティング 35mmCMT スーパー8CMT MTF25c/mm MTF50c/mm 16E 98.6 83.4 0.80 0.55 16C 98.3 82.2 0.76 0.49 △ +0.3 +1.2 +0.04 +0.06 16E ′ 98.8 85.2 0.83 0.66 16C ′ 98.4 83.0 0.78 0.47 △ +0.4 +2.2 +0.05 +0.19
【0186】本発明の要件を満たす実施例10の低CO
V乳剤は、比較用実施例9の高COV乳剤よりも、青色
記録層においてスピード−粒状度の利点を示した。青色
記録乳剤層中で本発明の要件を満たす乳剤は、下部の赤
色記録層単位における鮮鋭度を有意に改善した。鮮鋭度
の改善の程度は、青色記録層単位における銀被覆量が少
ない方が大きくなっていた。
【0187】
【発明の効果】可視反転色素画像を形成できる多色写真
要素を、非平板状粒子を実質的に含まず且つ高平板度
(>25)及び高単分散性(COV<15%)の平板状
粒子を含有する平板状粒子乳剤を使用して、少なくとも
一つの高平板度の平板状粒子乳剤層で構築した場合に、
慣例の平板状粒子乳剤を含有する色素画像反転写真要素
と比較して、様々な利点が実現できることを例示した。
中でも最も重要な利点は、画像の鮮鋭性とコントラスト
を向上させたことである。画像の鮮鋭性は、乳剤層また
は平板状粒子乳剤を含有する層のみならず、下部の乳剤
層においてもまた向上した。観測されたコントラストの
向上は、有用なインターイメージ効果を達成するために
色素画像反転写真要素に取り込まれるヨウ化物及び/ま
たは現像抑制剤がコントラストを低減する作用を有して
いるため、とりわけ重要である。本発明の要件を満たす
平板状粒子乳剤を使用することによって、ヨウ化物及び
/または現像抑制剤の存在に基因するコントラストの損
失を埋め合わせることが可能である。スピードの改善及
び平板度の低減もまた、低減された分散度を示す平板状
粒子乳剤を使用することによって達成することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03C 7/00 530 G03C 7/00 530 (72)発明者 アレン ケー−チャン ツァウア アメリカ合衆国,ニューヨーク 14450, フェアポート,カントリー コーナー レーン 71 (72)発明者 ジェイコブ アイザック コーヘン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14618, ロチェスター,イーストランド アベニ ュ 69 (72)発明者 リチャード アーサー デモーリアック アメリカ合衆国,ニューヨーク 14564, ビクター,ライス ロード 6934 (72)発明者 ジョージ ヘイウッド ホークス,ザ サード アメリカ合衆国,ニューヨーク 14618, ロチェスター,サザン パークウェイ 63 (72)発明者 ジョン デビッド バロガ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14616, ロチェスター,ヒドゥン ウッド ドラ イブ 62 (56)参考文献 特開 平2−838(JP,A) 特開 昭63−18556(JP,A) 特開 平4−261527(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/035 G03C 1/043 G03C 1/07

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、前記支持体上に塗布されてい
    る、 青色記録イエロー色素画像形成層単位、 緑色記録マゼンタ色素画像形成層単位、及び 赤色記録シアン色素画像形成層単位、 (前記各層単位は、総銀量を基準として塩化物0〜5モ
    ル%、ヨウ化物0.1〜20モル%、及び臭化物80〜
    99.9モル%のハロゲン化物粒子含量を有するハロゲ
    ン化銀乳剤を、少なくとも一つの層中に含有する)を含
    んで成る可視反転色素画像を形成できる多色写真要素で
    あって、 ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一つが、 平板状粒子乳剤の変動係数が、前記乳剤の総粒子集団を
    基準として15%未満であり、しかも、 平板状乳剤の総粒子集団が、0.3μm未満の平均厚み
    及び25を超える平均平板度を示す平板状粒子から本質
    的に成り、さらに、 平板状粒子の分散度を低減することができる少なくとも
    一種のポリアルキレンオキシドブロックコポリマー界面
    活性剤が存在する 、 平板状粒子乳剤層であることを特徴とする前記多色写真
    要素。
  2. 【請求項2】 前記平板状粒子の変動係数が10%未満
    であることをさらに特徴とする、請求項1記載の可視反
    転色素画像を形成できる多色写真要素。
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