JPH0314328B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0314328B2
JPH0314328B2 JP19790782A JP19790782A JPH0314328B2 JP H0314328 B2 JPH0314328 B2 JP H0314328B2 JP 19790782 A JP19790782 A JP 19790782A JP 19790782 A JP19790782 A JP 19790782A JP H0314328 B2 JPH0314328 B2 JP H0314328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emulsion
silver
tabular
grain
grains
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP19790782A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS58111936A (ja
Inventor
Uei Jonnshin
Sejiuitsuku Uirugasu Za Saado Haabaato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eastman Kodak Co filed Critical Eastman Kodak Co
Publication of JPS58111936A publication Critical patent/JPS58111936A/ja
Publication of JPH0314328B2 publication Critical patent/JPH0314328B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
(a) 発明の分野 本発明は写真の分野に有用である。この出願の
第1の発明は分散媒とハロゲン化銀粒子とを含む
放射線感応性乳剤に関する。この出願の第2の発
明は前記乳剤の製造方法に関する。 (b) 先行技術 塩化銀を含む放射線感応性ハロゲン化銀写真乳
剤は公知であり、特別の利点を与える。たとえ
ば、写真に有効な他のハロゲン化銀よりもスペク
トルの可視部分に対してより低いネガ感度を有す
る。さらに、塩化銀は写真に有効な他のハロゲン
化銀よりもより可溶性であつて、そのため現像お
よび定着がより短時間内に達成されうる。ヨウ塩
化銀乳剤は、グラフイツクアートの如き高いコン
トラストを必要する用途及び黒白及びカラー印刷
製品の如き急速処理を必要とする用途において特
別の有用性が得られている。 極めて種々の粒子形状がハロゲン化銀写真乳剤
に観察されている。粒子成長改質剤又は熟成剤の
存在又はダブルジエツト又は単一ジエツト沈澱の
選択の如き種々の因子は結晶形態に対して実質的
な影響を有するけれども、粒子沈澱の間に存在す
るハライドよりも重要な因子は他に存在しない。 塩化銀が極めて{100}結晶面を有する結晶を
形成しやすいという事は当業者によく認識されて
いる。圧倒的多数の写真乳剤において、塩化銀結
晶が存在する場合それらは立方体粒子の形にあ
る。幾分かの困難はあるけれども、塩化銀の結晶
特性を変えることは可能であつた。クライス
(claes)他は、「溶媒和を決定する不純物による
Agclの結晶特性の変更(Crystal Habit
Modification of Agcl by Impurities
Determing the Solvation)」、ザ・ジヤーナル・
オブ−フオトグラフイツク・サイエンス、21巻、
39〜50ページ、1973年、において、種々の粒子成
長改質剤の使用による{110}および{111}面を
有する塩化銀結晶の形成を教示する。ウイルシユ
(wyrsch)は、「{111}、{110}および{100}結
晶特性を有する単一寸法化塩化銀乳剤の硫黄増感
(Sulfur Sensitization of Monosized Silver
Chloride Emulsions、with{111}、{110}and
{100}Crystal Habit)」、ペーパー−13、イン
ターナシヨナル・コングレス・オブ・フオトグラ
フイツク・サイエンス、122〜124ページ、1978
年、においてアンモニアおよび少量の2価のカド
ミウムイオンの存在下に塩化銀を沈澱せしめるト
リプルジエツト沈澱プ漏セスを開示している。カ
ドミウムイオンの存在におけるpAgおよびPHのコ
ントロールは斜方12面体{110}、8面体{111}、
および立方体{100}結晶特性を生じせしめた。 平板状臭化銀粒子が広く研究されてきたが、ほ
とんどマクロ−サイズのものであつて写真分野で
は利用できないものであつた。ここで平板状粒子
とは、粒子の他のいかなる単結晶面よりも実質的
に大きな2つの平行な又は実質的に平行な結晶面
を有する粒子を指す。平板状粒子のアスペクト比
(即し、厚さに対する直径の比率)は実質的に
1:1より大きい。高アスペクト比平板状粒子臭
化銀乳剤はクナツク(Cugnac)およびシヤトー
(Chateau)、「物理的熟成時の臭化銀結晶の形態
学の進展(Evolution of the Morphology of
Silver Bromide Crystals During Physical
Ripening)」、サイエンエ・エ・インダストリ
エ・フオトグラフイー、33巻、No.2(1962)、
pp.121−125に報告されている。 1937年から1950年代にかけてイーストマン・コ
ダツク社はデユプリタイズド(登録商標)放射線
写真フイルム製品をノー・スクリーン・X線コー
ド5133なる名称で販売した。この製品はフイルム
支持体の互いに反対側の主要面に硫黄増感臭化銀
乳剤コーテイング層をもつていた。この乳剤はX
線照射に露出する為のものであつたから分光増感
されていない。この平板状粒子は平均アスペクト
比約5〜7:1をもつていた。この粒子は、その
投影面積の50%を越える部分を平板状粒子が占
め、投影面積の25%を越える部分を非平板状粒子
が占めていた。これらの乳剤を何回か複製するう
ち、最高の平均アスペクト比を持つ乳剤は平均平
板状粒子直径2.5マイクロメートル、平均平板状
粒子厚0.36マイクロメートルおよび平均アスペク
ト比7:1を示した。他の複製品の乳剤はより厚
く、より直径の大きい平板状粒子であつて、その
平均アスペクト比は小さいものであつた。 平板状粒子ヨウ臭化銀乳剤は写真業界において
知られているけれども、ヨージドの存在はアスペ
クト比を制限することが知られている。平板状ヨ
ウ臭化銀粒子はダフイン(Duffin)、「写真乳剤化
学(Photographic Emulsion Chemistry)」、フ
オーカル・プレス、1966、pp.66−72およびトリ
ベリ(Trivelli)およびスミス(Smith)、「ヨウ
臭化物沈澱系列の構造におよぼすヨウ化銀の影響
(The Effect of Silver Iodide Upon the
Structure of Bromo−Iodide Precipitation
Series)」、ザ・フオトグラフイツク・ジヤーナ
ル、LXXX巻、1940、7月、pp.285−288に説明
されている。トリベリおよびスミスはヨウ化物の
導入により粒子サイズおよびアスペクト比両者の
顕著な低減を観察している。グトフ(Gutoff)
「ハロゲン化銀写真乳剤の沈澱生成における核生
成および成長速度(Nucleation and Growth
RatesDuring the Precipitation of Silver
Halide Photographic Emulsions)」、フオトグ
ラフイツク・サイエンシーズ・アンド・エンジニ
アリング、14巻、No.4、1970、7月−8月、
pp.248−257には、連続沈澱装置を用いて単一ジ
エツト沈澱生成により調製されるタイプの臭化銀
およびヨウ臭化銀乳剤の調製が報告されている。 ハロゲン化銀の大部分が平板状粒子の形で存在
するような乳剤を調製するための方法が最近にな
つて公けとなつた。米国特許第4063951号には、
{100}立方体面によつて規定され、1.5〜7:1
のアスペクト比を有する平板状のハロゲン化銀結
晶を形成することが教示されている。これらの平
板状粒子は方形及び長方形主要面が{100}結晶
面の特性を示す。米国特許第4067739号には、種
晶を形成し、ハロゲン化銀溶剤の存在下にオスト
ワルド熟成により種晶のサイズを増大せしめ、そ
してPBr(臭化物イオン濃度の対数の逆数)を制
御しながら再核生成またはオストワルド熟成を行
うことなく粒子成長を完了することによつて、大
部分が双晶を成す8面体結晶である単一寸法のハ
ロゲン化銀乳剤を調製することが説明されてい
る。米国特許第4067739号は塩化銀については触
れていない。米国特許第4150994号および同第
4184877号、英国特許第1570581号並びにドイツ特
許公開第2905655号および同第2921077号には少な
くとも90モル%がヨウ化物である種晶を用いるこ
とによつて平坦な双晶8面体状ハロゲン化銀粒子
の形成が教示されている。ここで、特に断わらな
い限り、ハロゲン化物の百分率はすべて対応する
乳剤または粒子領域に存在する銀に基づく。例え
ば、60モル%のブロミドを含む臭塩化銀からなる
粒子はまた40モル%のクロリドをも含む。上述の
引例のいくつかには、増大した被覆力を有する乳
剤が報告され、これらが黒白およびカラー両カメ
ラフイルムとして有用であることが説明されてい
る。米国特許第4063951号には具体的にアスペク
ト比の上限が7:1であると報告されているが、
その実施例には非常に低いアスペクト比即ち2:
1が記載されているに過ぎず、ここに記載される
7:1アスペクト比は現実的なものでないと考え
られる。実施例および顕微鏡写真から見ると他の
上述の引例に見られるアスペクト比は5:1より
小さい。これらの引例は、平板状粒子ハロゲン化
銀乳剤の調製を広く扱つているけれども、平板状
粒子臭塩化銀乳剤の調製に向けられた特定の実施
例又は教示を有してはいない。 日本特許公開第55−142329号(1980年11月6
日)には米国特許第4150994号と実質的に同様な
教示がなされているが、種粒子としてヨウ化銀の
使用に限定されてはいない。また、この刊行物は
特に50モル%未満のクロリドを含む平板状臭塩化
銀粒子の形成に触れている。そのような乳剤の特
定の実施例は与えられていないけれども、与えら
れた情報を検討してみれば、この刊行物に従えば
比較的低い割合の平板状ハロゲン化銀粒子が得ら
れ、また得られる平板状粒子は米国特許第
4150944号のそれよりも高いアスペクト比を有し
てはいないものと見受けられる。 (c) 発明の開示 本発明の目的は、分散媒とハロゲン化銀粒子と
からなる放射線感応性乳剤、及びその製造方法を
提供することにあり、この乳剤は公知の変換臭塩
化銀乳剤よりも高い現像速度を有する。 本発明に従えば、先ず、分散媒とハロゲン化銀
粒子とからなり、 平板状粒子は対向する平行な{111}主要面を
有し、 前記平板状粒子が少なくとも環状の粒子領域に
おいてクロリドとブロミドとを含み、かつ、前記
環状の粒子領域によつて横方向を囲まれた中央領
域において、環状領域のものと等しいか又はそれ
より低い溶解度を有するハロゲン化銀組成を含
み、 前記平板状粒子が0.3マイクロメートル未満の
厚さ、少なくとも0.6マイクロメートルの直径及
び少なくとも7:1の平均アスペクト比を有し、
かつ前記ハロゲン化銀粒子の全投影面積の少なく
とも35%を占め、そして 前記平板状粒子が少なくとも前記環状の粒子領
域において、1:99〜2:3のクロリド対ブロミ
ドの平均モル比を有する放射線感応性乳剤が提供
される。 本発明に従えば、また、分散媒とハロゲン化銀
粒子とかなり、 平板状粒子は対向する平行な{111}主要面を
有し、かつ少なくとも環状の粒子領域において、
クロリドとブロミドを含み、かつ、前記環状の粒
子領域によつて横方向を囲まれた中央領域におい
て、環状領域のものと等しいか又はそれより低い
溶解度を有するハロゲン化銀組成を含み、 前記平板状粒子が0.3マイクロメートル未満の
厚さ、少なくとも0.6マイクロメートルの直径及
び少なくとも7:1の平均アスペクト比を有し、
かつ前記ハロゲン化銀粒子の全投影面積の少なく
とも35%を占め、 前記平板状粒子が少なくとも前記環状の粒子領
域において、1:99〜2:3のクロリド対ブロミ
ドの平均モル比を有する放射線感応性乳剤を、分
散媒の少なくとも一部を含む反応容器中に銀、ク
ロリド及びブロミド塩を同時に導入することによ
り製造する方法であつて、 反応容器内のクロリドイオン対ブロミドイオン
のモル比を1.6:1〜1〜258:1に保持し、そし
て 反応容器内のハロゲンイオンの合計濃度を0.10
〜0.90規定の範囲に保持することからなる放射線
感応性乳剤の製造方法が提供される。 好ましい態様においては、本発明の乳剤は高ア
スペクト比を有する。本発明の乳剤に適用される
ような「高アスペクト比」なる語は、少なくとも
環状の粒子領域においてクロリド及びブロミドを
含み、0.3マイクロメートル未満の厚さ及び少な
くとも0.6マイクロメートルの直径を有する平板
状ハロゲン化銀粒子が8:1より大きい平均アス
ペクト比を有し、かつハロゲン化銀粒子の全投影
面積の少なくとも35%を占めることを意味する。
全ての平均アスペクト比及び後で検討する投影面
積は、他に断らない限り、同様に決定される。 本発明に係る乳剤は、7:1の平均アスペクト
比を有していてもよいけれども、8:1よりも高
い高平均アスペクト比を有するのが好ましい。平
均アスペクト比は15:1まで、30:1まで、ある
いはそれ以上にまでなることができる。本発明の
好ましい乳剤は0.2マイクロメートル未満の平均
厚を有する。本発明の好ましい態様においては、
これらの平板状粒子は少なくとも環状の粒子領域
においてクロリドとブロミドとを含むハロゲン化
銀粒子の全投映面積の少なくとも50%、最適には
少なくとも70%を占める。 投影面積の所定百分率を占める平板状粒子の厚
さが薄ければ薄い程、乳剤の平均アスペクト比は
高くなる。通常、平板状粒子は少なくとも0.10マ
イクロメートルの平均厚を有するが、原理的には
それより薄くてもよい。平板状粒子の厚さは特殊
な用途に適合させるために増加させ得るというこ
とが知られている。例えば、0.5マイクロメート
ルまでの平均厚を有する平板状粒子は画像転写フ
イルムユニツトに用いることができる。そのよう
な用途に対しては、アスペクト比の決定に関する
0.3マイクロメートルという言及は全て0.5マイク
ロメートルに修正されるべきである。しかしなが
ら、粒子径を不当に増加せしることなくより高い
アスペクト比を達成するためには、この発明の乳
剤の平板状粒子が0.3マイクロメートル未満の平
均厚を有することは通常可能である。 本発明に係る乳剤の上述の粒子特性は当業者に
おいて周知の手法により容易に確めることができ
る。この明細書において用いる用語「アスペクト
比」とは粒子の厚さに対する直径の比を示す。粒
子の「直径」とは、乳剤を顕微鏡または電子顕微
鏡で観察した時粒子の投影面積と等しい面積を有
する円の直径を指すものとする。乳剤試料の陰影
のある電子顕微鏡写真からそれぞれの粒子の厚さ
及び直径を測定することができ、厚さ0.3マイク
ロメートル未満及び直径少なくとも0.6マイクロ
メートルを有する平板状粒子を同定することがで
きる。このようにして測定せる直径と厚さからそ
れぞれの平板状粒子のアスペクト比を計算するこ
とができ、そして、厚さ0.3マイクロメートル未
満および直径少なくとも0.6マイクロメートルと
いう基準を満足する試料中の全ての平板状粒子の
アスペクト比を平均化して平均アスペクト比を得
ることができる。このことから明らかなように平
均アスペクト比とは個々の平板状粒子のアスペク
ト比の平均である。実際には、通常厚さ0.3マイ
クロメートルおよび直径少なくとも0.6マイクロ
メートルを有する平板状粒子の平均厚さ及び平均
直径を求め、これら2つの平均値の比を計算して
平均アスペクト比を求めるのが簡便である。平均
アスペクト比を決定するのに個々のアスペクト比
の平均値をとつても、また厚さ及び直径の平均値
から算出しても可能な粒子測定の許容範囲内であ
りさえすれば得られる平均アスペクト比は実質上
差がない。厚さ及び直径基準を満足する平板状ハ
ロゲン化銀粒子の投影面積を積算し、またその顕
微鏡写真中の残りのハロゲン化銀粒子の投影面積
を別に積算し、そしてこれら2つの積算値から、
厚さおよび直径基準を満足する平板状粒子がハロ
ゲン化銀粒子全体の投影面積中に占める百分率を
算出することができる。 上述の決定において厚さ0.3マイクロメートル
未満の標準平板状粒子を、写真特性に劣るより厚
い平板状粒子と区別するために選定した。標準粒
子としては少なくとも0.6マイクロメートルの直
径を有するものを選んだ。というのは、直径がよ
り小さいと顕微鏡写真で平板状粒子と非平板状粒
子とを必ずしも区別できないからである。当業界
で広く使われている用語「投影面積(プロジエク
シヨン・エーリアまたはプロジエクテイブ・エー
リア)」については例えばジエームズ(James)
およびヒギンス(Higgins)、「写真理論の基礎
(Fundamentals of Photographic Theory)」、
モルガン・アンド・モルガン,ニユーヨーク,
p.15を参照されたい。 本発明の特定の好ましい態様においては、乳剤
のハロゲン化銀粒子は本質的にはヨウ塩化銀から
なる。クロリドのブロミドに対するモル比は2:
3までの範囲をとり得る。写真的に有効な改質効
果は約1モル%と低いクロリド濃度により生じ
る。1〜30%のクロリド濃度が好ましく、本発明
の実施には5〜20モル%の濃度が最適である。残
りのハライドは本質的にはブロミドからなつてい
てよい。クロリドのブロミドに対する割合は粒子
を通じて実質的に均一であり、上述した範囲内に
おいて所望に変え得る。クロリド対ブロミドの割
合を中央領域から周囲の環状粒子領域まで増加す
るようにすることができる。この増加は不連続の
ものであつてもよく、あるいは徐々に変化するも
のであつてもよい。クロリド対ブロミドの割合が
逆になつてもよい。また、クロリド対ブロミドの
割合は粒子表面に隣接する環状粒子領域に対して
増加されても、減少されてもよい。 本発明の平板状粒子は、銀、クロリド及びブロ
ミドに加えて、必要というわけではないけれど
も、ヨージドを含むことができる。平板状粒子中
に存在するヨージドの量は、既述のクロリド対ブ
ロミドの割合が保持される限り、広く変え得る。
ヨージドの可能な範囲はその粒子内における位置
に依存する。ヨージド濃度は、粒子の核形成即ち
粒子の中央又はその付近の形成の間、約3モル%
未満、最適には0.05%未満であるのが一般に好ま
しい。核形成後(即ち横方向周囲の環状粒子部分
が成長されつつある間)においては、ヨウ化銀の
成長しつつある臭塩化銀結晶領域における溶解度
限界までのはるかに高いヨージド濃度が可能であ
る。従つて、環状粒子領域におけるヨージド濃度
はより高くてもよいが、しかし好ましくは20モル
%未満、最適には15モル%未満である。環状粒子
領域のヨージド濃度が平板状粒子の核形成の間に
存在するヨージド濃度より高い場合には、完成さ
れた乳剤に対する効果は、ヨージドのマイグレー
シヨンが沈澱の間に生じるので、中央粒子領域の
ヨージド濃度を上げることとなる。ヨージドのマ
イグレーシヨンの程度はもちろん沈澱の条件、特
にハロゲン化銀の溶解性及び熟成に影響を与える
条件とともに変わるであろう。 本発明の平板状ハロゲン化銀粒子のヨージド濃
度は、上記の考慮点によつて、全体に均一であつ
てもよく、あるいは所望に変えられてもよい。環
状粒子領域においてはより高い(少なくとも1モ
ル%高い)ヨージド濃度を有することができる。
粒子中のヨージド濃度増加を急激にあるいは徐々
に増すことができる。ヨージド濃度を中央粒子領
域と環状粒子領域との間で増加させ、次いで粒子
の外側のエツジに向つて再び低下させることがで
きる。 クロリドとブロミドとを含む環状粒子領域を少
なくとも有する平板状粒子ハロゲン化銀乳剤は沈
澱プロセスにより調製することができ、このプロ
セスもまた本発明の一部を形成する。効率的な攬
拌機構を備えた常用されるハロゲン化銀沈澱生成
用反応器中に分散媒を入れる。通常最初の段階で
反応器中に入れる分散媒の量は最終粒子沈澱生成
段階で乳剤中に存在する分散媒の合計重量に対し
て少なくとも約10重量%、好ましくは20〜100重
量%である。ベルギー特許第866645号(フランス
特許第2471620号に対応する)に教示される如く、
分散媒は粒子沈澱生成過程で遠心分離によつて反
応器から除去することができるので、最初に反応
器中に存在せしめる分散媒の量は最終粒子沈澱生
成段階で反応器中に存在する乳剤の量と等量また
はそれ以上にさえすることができる。反応器中に
最初に入れる分散媒としては、水または解膠剤の
水中分散体であつて、この分散媒は必要に応じて
他の成分、例えば1または2以上のハロゲン化銀
熟成剤および/または後で詳述する金属ドープ剤
(ドーパント)を配合する。解膠剤を最初に存在
せしめる場合その濃度は沈澱生成の最終段階で存
在する解膠剤全量の少なくとも10%、特に少なく
とも20%であることが好ましい。銀およびハライ
ド塩と共に反応器中に追加の分散媒を加えるが、
これは別のジエツトから導入することができる。
一般には、特に解膠剤の割合を増大するためにハ
ライド塩導入を完了した後に分散媒の割合を調節
する。 クロリド及びブロミドを中央粒子領域に含む平
板状ハロゲン化銀粒子が形成されるようなプロセ
スの好ましい実施においては、平板状粒子の生成
に用いるクロリド及びブロミド塩の少量、通常は
10モル%未満を最初に反応容器中存在せしめて、
沈澱生成の開始時における分散媒中のハロゲンイ
オン濃度を調整する。クロリド及びブロミドイオ
ンが下記のような濃度及び量比において存在し得
るけれども、反応器中の分散媒は初めに0.05モル
濃度未満のヨージドイオンを含み、当初はヨージ
ドイオンを含まないのが好ましい。というのは、
銀、クロリド及びブロミド塩の同時導入の前に反
応器中にヨージドイオンが存在すると、アスペク
ト比の低い平板状粒子が生成し易いからである。 沈澱を生成せしめる間、当業者に周知の技法に
従つて、銀、クロリド、ブロミドおよび所望によ
りヨージド塩を反応器に加える。通常ハライド塩
の導入と同時に反応器中に硝酸銀のような可溶性
銀塩の水溶液を導入する。また、ハライド塩は通
常、1または2以上の可溶性アンモニウム、アル
カリ金属(例えば、ナトリウムまたはカリウム)
またはアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム
またはカルシウム)ハライド塩の水溶液のような
塩水溶液として導入する。銀塩は少なくとも当初
はハライド塩とは別に反応器中に導入する。ハラ
イド塩は反応器中に別々に加えてもよいし、混合
物として導入してもよい。 銀およびハライド塩を水溶液として導入するの
に代えて、銀およびハライド塩を分散媒に懸濁せ
る微細なハロゲン化銀粒子の形態で当初にまたは
成長段階で導入することができる。粒子サイズ
は、反応器中に導入された時に、存在し得るより
大きな粒子核上へ容易にオストワルド熟成する程
度である。有用な最大粒子サイズは反応器内の条
件、即ち温度並びに可溶化及び熟成剤の存否に依
存するであろう。臭化銀、塩化銀および/または
混合ハロゲン化銀粒子を導入することができる。
ハロゲン化銀粒子は非常に微細な、例えば、平均
直径が0.1マイクロメートル未満のものであるこ
とが望ましい。 クロリドを上記に述べた割合で平板状粒子中に
配合せしめるためには、クロリドイオンがブロミ
ドイオンよりもはるかに高い割合で反応容器中に
存在することが必須である。特に、平板粒子中の
クロリド対ブロミドのモル比を1:99にするため
には、1.6:1のクロリド対ブロミドイオンのモ
ル比を反応容器中に存在させなければならない。
平板粒子中のクロリド対ブロミドのモル比を2:
3に高めるためには、沈澱生成の温度に依存し
て、反応容器中のクロリドイオン対ブロミドイオ
ンのモル比を258:1に増加させることが必要で
あろう。反応容器中のクロリド及びブロミドイオ
ン量比の及び平板状粒子中に得られるクロリド及
びブロミドの代表的なモル比関係を、30及び90℃
という極端な沈澱生成温度及び40〜80℃の好まし
い沈澱生成温度範囲内の55℃という沈澱生成温度
に対して、下記の表に示す。
【表】 表には代表的な値のみが与えられているけれ
ども、その他の値は外挿又は内挿により求めるこ
とができる。 本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子を得るた
めには、反応容器中に存在するハロゲンイオンの
合計濃度をコントロールすることが更に必要であ
る。約0.10〜0.90Nの範囲の反応容器内合計ハロ
ゲンイオン濃度がクロリド及びブロミドの沈澱に
平板状結晶特性を与えるために必要である。共沈
澱の間に生成される所望のアスペクト比の平板状
粒子の割合を最大にするためには、反応容器中の
合計ハロゲンイオン濃度を約0.30〜約0.60Nの範
囲に保持するのが好ましい。 上記の沈澱生成プロセスは、クロリド及びブロ
ミドを含む平板状粒子の核の形成及び粒子核の所
望の平板状粒子厚さ及びアスペクト比への成長の
両方のために用いることができる。あるいは、沈
澱生成プロセスは、平板結晶特性のクロリド及び
ブロミドを予め形成され又は反応容器中に導入さ
れたハロゲン化銀粒子上に共沈澱させるために用
いることができる。この態様において、本発明の
方法は銀、クロリド、ブロミド及び、所望によ
り、ヨージドを含む環状粒子領域のみを生成させ
るために用いられる。 この発明の方法が環状粒子領域のみを形成する
ために用いられる場合、得られる粒子の中央領域
を形成するハロゲン化銀は粒子の横周囲の環状領
域を形成するために導入されたハロゲン化銀の溶
解度と等しいか又はそれよりも低い溶解度を有す
るようないかなるハロゲン組成を有していてもよ
い。本発明の好ましい態様においては、中央粒子
領域を形成するハロゲン化銀粒子は平板状であ
り、完成された平板状粒子の所望の厚さよりも大
きくない厚さを有する。中央粒子領域を形成する
粒子は高アスペクト比のものであつてよいが、し
かし1:1より大きいアスペクト比を有する必要
はない。中央粒子領域を形成するハロゲン化銀粒
子のための許容可能なアスペクト比は中央領域に
より形成されるべき粒子の割合に依存して変わる
であろう。例えば、もし中央粒子領域が粒子全体
の99%を占めるべきであるならば、それが平板状
であるというだけでなく、完成された粒子が7:
1の平均アスペクト比を示すためには7:1に極
めて近いアスペクト比をも有していなければなら
ないことは明らかである。一方、もし中央粒子領
域が完成された粒子の1%だけを占めるのであれ
ば、中央粒子領域を形成する粒子の初期アスペク
ト比は1:1であつてよく、本発明の方法は初め
に存在する粒子状への沈澱において環状粒子領域
中に存在するクロリド及びブロミドにより少なく
とも7:1の平均アスペクト比の平板状粒子を容
易に生成することができる。中央粒子領域に対す
るハロゲン組成の個々の選定及び中央粒子領域に
より占められる全体粒子の割合は特定の写真用途
に依存して変わるであろう。 本発明の方法を用いて環状粒子領域を形成する
ことにより、中央及び環状粒子領域が異なるハロ
ゲン組成を有するような本発明に係る平板状粒子
ハロゲン化銀乳剤を生成することができる。例え
ば、中央粒子領域が臭化銀からなり、塩化銀及び
臭化銀が環状粒子領域に存在するような本発明に
係る平板状粒子乳剤を生成することができる。特
定の態様では、中央粒子領域それ自体が高アスペ
クト比を有する。平板状粒子ヨウ臭化銀乳剤を形
成し、次いで本発明に従つて塩化銀及び臭化銀を
含む環状粒子領域を形成することが全面的に又は
部分的に可能である。塩化銀から主としてなる組
成の中央粒子領域を形成することも可能である。
また、本発明の方法を成長の間のアスペクト比を
高めるために用いることができるから、中央粒子
領域は必ずしも完成粒子に必要なアスペクト比に
成長させられる必要がない。 中央粒子領域のエツジ上に銀、クロリド、ブロ
ミド及び、所望により、ヨージドを沈澱させて異
なるハロゲン含量の環状粒子領域を形成させる過
程において、環状粒子領域の形成で沈澱するハロ
ゲン化銀は、平板状粒子の主要面が形成されるの
と同時に、環状粒子エツジ上に選択的に沈澱す
る。従つて、沈積が進むにつれて粒子のアスペク
ト比は更に高くなる。選ばれた特定の沈澱生成条
件によつては、沈澱生成の間にコアー粒子領域が
幾分厚くなることが経験されることがある。しか
し、形成されつつある平板状粒子の主要面上の沈
積は、もしあるとしても、平板状粒子の環状エツ
ジ上における沈積よりも低速で起る。 上述の条件が満足されることを条件として、銀
およびハライド塩の濃度および導入速度は従来慣
用されるものと同様であつてもよい。特に好まし
い沈澱生成技法は、操業の間における銀およびハ
ライド塩の導入速度を増大せしめて沈澱生成時間
を短縮せしめることである。銀およびハライド塩
の導入速度は、分散媒並びに銀およびハライド塩
を導入する速度を増大することによつて、または
導入される分散媒中の銀およびハライド塩の濃度
を増大することによつて増大せしめることができ
る。銀およびハライド塩導入速度は増大すること
が望ましいが、米国特許第3650757号、同第
3672900号、同第4242445号、ドイツ特許出願公開
第2107118号、ヨーロツパ特許出願第80102242号
およびウエイ(Wey)及びストログ(Strong)、
「ゼラチン溶液中におけるAgBr結晶の成長機構
(Growth Mechanism of AgBr Crystals in
Gelatin Solution)」、フオトグラフイツク・サイ
エンス・アンド・エンジニアリング、21巻、No.
1、1977年1月−2月、P・14以降に教示される
ように導入速度を新しい粒子核の生成が起こり易
い限界値未満に保持する(即ち再核生成を回避す
るために)ことが特に望ましい。 改質用化合物をハロゲン化銀沈澱生成過程で存
在せしめることができる。そのような化合物は反
応器中に最初に存在せしめてもよいし、また常法
に従つて1もしくは2以上の塩を加えると共に添
加することもできる。米国特許第1195432号、第
1951933号、第2448060号、第2628167号、第
2950972号、第3488709号、第3737313号、第
3772031号および第4269927号並びにリサーチ・デ
イスクロージヤー、134巻、1975年6月、アイテ
ム134号に記載されるように銅、タリウム、鉛、
ビスマス、カドミウム、亜鉛、中間カルコゲン
(即ち、硫黄、セレン及びテルル)、金および第
属貴金属の化合物のような改質用化合物をハロゲ
ン化銀沈澱生成過程で存在せしめることができ
る。リサーチ・デイスクロージヤー及びその前身
であるプロダクト・ライセンシング・インデツク
スは英国,PO9−1EF,ハンプシヤー,ハーバン
ド,ホームウエル,インダストリアル・オポチユ
ニテイーズ・リミテイツドの刊行物である。モイ
ザー(Moiser)等、ジヤーナル・オブ・フオト
グラフイツク・サイエンス,25巻,1977,PP.19
−27に記載されるように平板状粒子乳剤は沈澱生
成過程において内部還元増感することができる。 それぞれの銀塩およびハライド塩は、米国特許
第3821002号、同第3031304号およびクラエス
(Cjaes)等、フオトグラフイツシエ・コレスポン
デンツ,102巻,10号,1967,P.162に記載されよ
うに分配割合を調整し且つ反応器内容物のPH,
PBrおよび/またはpAgを調整するために分配装
置を利用してまたは重量供給を利用して表面もし
くは表面下供給管を通じて反応器に加えることが
できる。反応器中に反応成分を急速に分配するた
めに、米国特許第2996287号、同第3342605号、同
第3415650号、同第3785777号、同第4147551号及
び同第4171224号、英国特許出願第2022431A、ド
イツ特許出願公開第2555364号および同第2556885
号並びにリサーチ・デイスクロージヤー,166巻,
1978年2月,アイテム16662に記載されるように
特別にマイクロメートルされた混合装置を用いる
ことができる。この明細書に規定するように、
PH、pBr及びpAgはそれぞれ水素、臭素及び銀イ
オン濃度の負対数として定義される。 平板状粒子乳剤の調製において分散媒は反応器
中に最初に入れておく。好ましい形態において分
散媒は解膠剤の水性分散液からなる。反応器中の
乳剤成分全重量に基づいて0.2〜約10重量%の解
膠剤濃度を採用することができる。ハロゲン化銀
を生成する前および生成中に反応器中における解
膠剤濃度を全重量に基づき約6%未満に維持し、
且つ、最適のコーテイング特性が得られるように
後から乳剤ビヒクルを加えることによつて乳剤ビ
ヒクル濃度を高濃度に調節するのが一般的な方法
である。最初に形成される乳剤にはハロゲン化銀
モル当たり約5〜50gの解膠剤、好ましくは約10
〜30gの解膠剤を含ませることができる。追加の
ビヒクルは後から加えることによつてその濃度を
ハロゲン化銀モル当たり1000gという高い値にま
で高めることができる。好ましくは最終エマルジ
ヨン中のビヒクル濃度はハロゲン化銀モル当たり
50gより大である。写真要素の製作時においてコ
ーテイングおよび乾燥を行う際ビヒクルは乳剤層
の約30〜70重量%を占めることが望ましい。 ビヒクル(バインダーおよび解膠剤の両者を含
む)はハロゲン化銀乳剤の調製に常用されるもの
の中から選ぶことができる。好ましい解膠剤は親
水性コロイドであつて、これらは単独でもまた疎
水性物質と組合わせて用いることもできる。適当
な親水性物質には、蛋白質、蛋白質誘導体、例え
ばセルロースエステルのようなセルロース誘導
体、例えばアルカリ処理ゼラチン(牛骨または皮
革ゼラチン)または酸処理ゼラチン(豚皮ゼラチ
ン)のようなゼラチン、例えばアセチル化ゼラチ
ンよびフタル化ゼラチンのようなゼラチン誘導体
の如き物質が含まれる。これらのビヒクルおよび
その他のビヒクルはリサーチ・デイスクロージヤ
ー,176巻,1978年12月,アイテム17643,セクシ
ヨンに記載されている。特に親水性コロイドを
含めビヒクル物質は(またそれと共に用いる疎水
性物質も)本発明に係る写真要素の乳剤層中のみ
ならず、上塗層、中間層並びに乳剤層下に位置す
る層のような他の層中に配合することができる。 本発明に係る乳剤の調製過程で粒子の熟成が起
こり得る。塩化銀はその溶解度が高いために熟成
剤による影響が他のハロゲン化銀よりも少ない。
熟成を促進するのに既知のハロゲン化銀溶剤が有
用である。例えば、熟成を促進するのに過剰量の
ブロマイドイオンを反応器中に存在せしめること
が知られている。それ故、ブロマイド塩溶液を反
応器中に導入するだけで熟成を促進し得ることは
明らかである。他の熟成剤を用いることもできる
し、これらの熟成剤は銀およびハライド塩を添加
する前に反応器中の分散媒中に全量を配合してお
くことができるそ、また1もしくは2以上のハラ
イド塩、銀塩または解膠剤を加えると共に反応器
中に導入することもできる。別の変形態様とし
て、熟成剤をハライド塩および銀塩添加段階で独
立して導入することもできる。 本発明に係る平板状粒子乳剤は好ましくは洗浄
して可溶性塩類を除去する。可溶性塩類の除去
は、リサーチ・デイスクロージヤー,176巻,
1978年12月,アイテム17643,セクシヨンに説
明されるように、傾しや、過、および/または
冷却沈降およびリーチングのようなよく知られた
技法によつて行うことができる。本発明において
は、平板状粒子の厚さの増大、アスペクト比の低
減および/または直径の過度の増大を回避するた
めに、沈澱生成が完了した後平板状粒子の熟成を
終了する際に洗浄することが特に有利である。使
用に先立つて、増感剤を含むまたは含まない乳剤
は乾燥し貯蔵する。 上述の平板状ハロゲン化銀粒子調製方法に従え
ば、アスペクト比に対する厚さ及び直径基準を満
足する平板状粒子が全ハロゲン化銀粒子の合計投
映面積の少なくとも35%を占める高アスペクト比
平板状粒子乳剤を調製することができるが、その
ような平板状粒子の割合を増大することによつて
より大きな利点が達成されることが認められる。
厚さ及び直径基準を満足する平板状ハロゲン化銀
粒子が全投映面積の少なくとも50%、更に好まし
くは少なくとも70%(最適には少なくとも90%)
を占めることが望ましい。少量の非平板状粒子が
存在しても多くの写真用途分野では全く問題が起
こらず、平板状粒子の利点が得られるが、平板状
粒子の割合を増大することができる。大きな平板
状ハロゲン化銀粒子は、常用される分離技術、例
えば、遠心分離またはハイドロサイクロンを用い
て粒子混合物中の小さな非平板状粒子から分離す
ることができる。ハイドロサイクロンによる分離
は米国特許第3326641号に教示されている。 本発明の方法により一旦形成された平板状粒子
乳剤は当業界において周知の技法によつて鞘で包
み、芯鞘乳剤とすることができる。本発明方法に
より調製される高アスペクト比平板状粒子乳剤に
鞘を形成するのにいかなる写真的に有用な銀塩も
用いることができる。銀塩鞘を形成する技法は米
国特許第3367778号、同第3206313号、同第
3317322号、同第3917485号、同第4150994号、同
第4184877号および同第4184878号に記載されてい
る。常用される鞘形成技法は高アスペクト比平板
状粒子の形成には有利ではない。鞘形成が進むと
乳剤の平均アスペクト比が低減するからである。
鞘形成過程において平板状粒子生成に有利な条件
が反応器中に存在するならば、上記に更に詳しく
述べたように、鞘形成は粒子の外縁に優先的に起
こり、その結果アスペクト比は必ずしも低下しな
い。 本発明に係る高アスペクト比平板状粒子ハロゲ
ン化銀乳剤は化学的に増感される。化学的増感は
T・H・James,ザ・セオリ・オブ・ザ・フオト
グラフイツク・プロセス,第4版,マクミラン,
1977,pp.67−76に記載されるように活性ゼラチ
ンを用いて行うことができるし、またリサーチ・
デイスクロージヤー120巻,1974年4月,アイテ
ム12008、,リサーチ・デイスクロージヤー,134
巻,1975年6月,アイテム13452,米国特許第
1623499号、同第1673522号、同第2399083号、同
第2642361号、同第3297447号、同第3297446号、
同第3772031号、同第3761267号、同第3857711号、
同第3565633号、同第3901714号および同第
3904415号並びに英国特許第1315755号および同第
1396696号に記載されるようにpAg5〜10,PH5〜
8および温度30〜80℃において硫黄、セレン、テ
ルル、金、白金、パラジウム、イリジウム、オス
ミウム、ロジウム、レニウムもしくは燐増感剤ま
たはこれら増感剤の複数の組合わせを用いて行う
ことができる。化学増感は最適には、米国特許第
2642361号に記載されるようにチオシアネート化
合物の存在下に、また米国特許第2521926号、同
第3021215号および同第4054457号に記載されるタ
イプの硫黄含有化合物の存在下に行う。仕上げ
(化学増感)改質剤の存在下に化学的に増感する
ことができる。用いられる仕上げ改質剤には、ア
ザインデン、アザピリダジン、アザピリミジン、
ベンゾチアゾリウム塩、並びに1もしくは2以上
の複素環核を有する増感剤のように、化学増感の
過程でカブリを抑制し且つ感度を増大するものと
して知られた化合物が用いられる。仕上げ改質剤
の例は、米国特許第2131038号、同第3411914号、
同第3554757号、同第3565631号および同第
3901714号、カナダ特許第778723号およびダフイ
ン(Duffin),フオトグラフイツク・エマルジヨ
ン・ケミストリー,フオーカル・プレス(1966),
ニユーヨーク,pp.138−143に記載されている。
化学増感に加えて、または代替にて、米国特許第
3891446号および同第3984249号に記載されるよう
に、例えば水素を用いて還元増感することができ
るし、また米国特許第2983609号、オフテダール
(Oftedahl)他、リサーチ・デイスクロージヤ
ー,136巻,1975年8月,アイテム13654、米国特
許第2518698号、同第2739060号、同第2743182号、
同第2743183号、同第3026203号および同第
3361564号に記載されるように塩化第一錫、二酸
化チオウレア、ポリアミンよびアミンボランよう
な還元剤を用いて、または低pAg(例えば5未満)
及び/または高PH(例えば8より大)処理によつ
て還元増感することができる。米国特許第
3917485号および同第3966476号に記載される表面
下増感を含め表面化学増感を行うことができる。 化学増感に加えて、本発明の高アスペクト比平
板状粒子塩化銀乳剤は、分光増感することがで
る。高アスペクト比平板状粒子乳剤と組合わせ
て、可視スペクトルの青およびマイナス青(即ち
緑および赤)部分に吸収極大を示す分光増感色素
を用いることができる。加えて、特別の利用分野
では、分光増感色素を用いて、可視スペクトルを
越える分光感応を改良することができる。例え
ば、赤外線吸収分光増感剤の使用が可能である。 本発明の乳剤は種々の色素を用いて分光増感す
ることができる。用いられる色素には、シアニ
ン、メロシアニン、錯シアニンおよび錯メロシア
ニン(即ち、トリ−、テトラ−および多−核ミア
ニンおよびメロシアニン)、オキソノール、ヘミ
オキソール、スチリル、メロスチリルおよびスト
レプトシアニンを含むポリメチン色素が含まれ
る。 シアニン分光増感色素には、キノリニウム、ピ
リジニウム、イソキノリニウム、3H−インドリ
ウム、ベンツ〔e〕インドリウム、オキサゾリウ
ム、オキサゾリニウム、チアゾリウム、チアゾリ
ニウム、セレナゾリウム、セレナゾリニウム、イ
ミダゾリウム、イミダゾリニウム、ベンゾキサゾ
リニウム、ベンゾチアゾリウム、ベンゾセレナゾ
リウム、ベンツイミダゾリウム、ナフトキサゾリ
ウム、ナフトチアゾリウム、ナフトセレナゾリウ
ム、チアゾリニウム、ジヒドロナフトチアゾリウ
ム、ピリリウムおよびイミダゾピラジニウム第四
級塩から導かれるような、メチン結合によつて結
合された2つの塩基性複素環核が含まれる。 メロシアニン分光増感色素には、バルビツール
酸、2−チオバルビツール酸、ローダニン、ヒダ
ントイン、2−チオヒダントイン、4−チオヒダ
ントイン、2−ピラゾリン−5−オン、2−イソ
キサゾリン−5−オン、インダン−1,3−ジオ
ン、シクロヘキサン−1,3−ジオン、1,3−
ジオキサン−4,6−ジオン、ピラゾリン−3,
5−ジオン、ペンタン−2,4−ジオン、アルキ
ルスルホニルアセトニトリル、マロノニトリル、
イソキノリン−4−オンおよびクロマン−2,4
−ジオンから誘導されるような酸性核とシアニン
色素型の塩基性複素環核とがメチン結合により結
合されたものを含む。 1または2以上の分光増感色素を用いることが
でる。可視スペクトル全体に亘る波長に最大感度
を有し且つ非常にバラエテイに富む分光感度曲線
形状を有する色素が知られている。色素の選択お
よび相対的な割合は増感が望まれているスペクト
ルの領域並びに望まれている分光感度曲線の形状
に依存むる。重複せる分光感度曲線を有する色素
はしばしば、重複領域のそれぞれの波長における
感度が個々の色素の感度の和とほぼ等しい組合わ
された形の曲線を示す。従つて、異なる最大感度
を有する複数の色素を組合わせて用いることによ
つて、個々の色素の最大感度の中間に最大値を有
する分光感度曲線を得ることができる。 複数の分光増感色素を組合わせ使用することが
でき、それによつて超増感、即ち、ある分光領域
において、それらの分光増感色素の一方を単独で
いかなる濃度において用いた場合よりも大きく、
またそれらの分光増感色素の加成的効果に由来す
る増感よりも大きな分光増感が達成される。超増
感は、分光増感色素並びに他の添加剤(例えば安
定剤及びカブリ防止剤、現像促進剤または抑制
剤、コーテイング助剤、蛍光増白剤および帯電防
止剤)の選ばれた組合せによつて達成される。超
増感の原因となり得るいくつかの機構および化合
物についてはいずれもジルマン(Gilman)、「超
増感機構の概観(Review of the Mechanisms
of Supersensitization)」、フオトグラフイツク・
サイエンス・アンド・エンジニアリング,18巻,
1974,pp.418−430に記載されている。 分光増感色素はまた他の方法で乳剤に影響を与
える。また、分光増感色素は、米国特許第
2131038号および同第3930860号に開示されるよう
にハロゲン受容体または電子受容体、カブリ防止
剤または安定剤、現像促進剤または抑制剤として
作用する。 ハロゲン化銀乳剤を増感するのに有用な分光増
感剤の中にはリサーチ・デイスクロージヤー、
176巻,1978年12月,アイテム17643,セクシヨン
に記載されるものがある。ヨージドを分光増感
を改善するために用いる場合に、粒子表面に存在
するハライドを置き換えることができ、これによ
り粒子をヨウハロゲン化銀粒子に変換することが
できる。 非平板状又は低アスペクト比平板状ハロゲン化
銀粒子を含む乳剤層を分光増感するのに常用され
る量の色素を用いることができる。本発明の完全
な利点をもたらすために、最適量(即ち、露光条
件下に粒子から達成し得る最大写真感度の少なく
とも60%を達成するに十分な量)の分光増感色素
を高アスペクト比平板状粒子乳剤の粒子表面に吸
収せしめることが望ましい。使用する色素の量
は、用いる特定の色素もしくは選ばれた染料の組
合わせ並びに粒子の大きさ及びアスペクト比に基
づいて変わるであろう。最適の分光増感が、表面
増感ハロゲン化銀粒子の利用可能な合計表面積の
約25〜100%もしくはそれ以上に相当する単分子
層被覆量において有機色素を用いる場合に達成さ
れることは写真技術分野において知られている。
即ち、このことは例えば、ウエスト(West)等、
「写真乳剤における増感色素の吸着(The
Adsorption of Sensitizing Dyes in
Photographic Emulsions)」,ジヤーナル・オ
ブ・フイジカル・ケミストリー,56巻,p1065,
1952;スペンス(Spence)等、「増感色素の減感
(Desensitzation of Sensitizing Dyes)」,ジヤ
ーナル・オブ・フイジカあ・アンド・コロイド・
ケミストリー,56巻,6号,1948年6月,
pp.1090〜1103;および米国特許第3979213号に記
載されてる。最適な色素濃度レベルは、メーズ
(Mees)、セオリー・オブ・ザ・フオトグラフイ
ツク・プロセス,1942,マクミラン,pp.1067〜
1069,に教示される手法により選ばれる。 分光増感は、これまで有用であると知られてい
る乳剤調製のいかなる段階において行うこともで
る。最も普通には、分光増感は化学増感の完了後
に引続いて行われる。しかしながら、米国特許第
3628960号及び同第4225666号に教示されるように
分光増感は化学増感と同時に行うことができ、ま
た化学増感に全く先立つて行うこともでき、さら
にハロゲン化銀粒子沈澱生成の完了前に分光増感
を開始することもできる。米国特許第4225666号
に教示されるように、分光増感色素を分けて乳剤
中に導入すること、即ち、分光増感色素の一部を
化学増感に先立つて存在せしめ、残部を化学増感
の後で導入することが可能である。米国特許第
4225666号とは相違して、ハロゲン化銀の80%が
沈澱した後に分光増感色素を乳剤に加えることが
できる。化学および/または分光増感の過程で循
環を含めpAg調節によつて増感を高めることがで
る。pAg調節の例はリサーチ・デイスクロージヤ
ー,181巻,1979年5月,アイテム18155に記載さ
れている。 1つの好ましい形態において、分光増感剤はハ
ロゲン化銀の沈澱の生成の完了後で、化学増感の
前に、本発明に係る乳剤中に混入することができ
る。また、ある場合には、仕上げ変性剤のような
他の吸着可能物質を化学増感に先立つて乳剤中に
導入することにより同様な結果が達成された。 吸着可能物質を前もつて混入することとは独立
して、米国特許第2642361号に教示されるように
化学増感の過程で銀に基づいて約2×10-1〜2モ
ル%のチオシアネートを用いることが望ましい。
化学増感の過程で他の熟成剤を用いることもでき
る。 上述の技法のいずれか一方または両者と組合わ
せて、またはこれらとは独立して、第3の技法と
して、分光増感せる高アスペクト比平板状粒子乳
剤を、平板状粒子の1または2以上の所定の別々
の位置で化学増感するのが好ましい。分光増感色
素が平板状粒子の主要表面を形成する結晶表面に
優先的に吸着されることによつて、化学増感が平
板状粒子の互いに異なる結晶表面で選択的に起こ
り得るものと思われる。選択的に吸収された色素
とともに生ずる平板状粒子のコーナーにおけるハ
ロゲン化銀の沈積は粒子の感度を増大せしめ、そ
の後通常の化学増感は乳剤の感度を増大せしめる
ことができる。 すべての利点を達成するために必ずしも必要で
はないが、本発明に係る乳剤は代表的な実用的製
造法に従えば最適に化学および分光増感される。
即ち、可能な使用および処理条件下に増感スペク
トル領域においてそれらの粒子から達成される最
大log感度の少くとも60%に相当する感度を達成
することが望ましいのである。ここでlog感度と
は100(1−logE)を意味し、この式においてE
はカブリ上0.1の濃度においてメートル−キヤン
ドル−秒で表示せる露光量である。乳剤層中のハ
ロゲン化銀粒子を一旦特徴づけたならば、ある生
成物が他の製造者の匹敵し得る商品に関して最適
に化学および分光増感されているか否かはさら製
品分析および性能評価を行うことにより判断する
ことができる。本発明の鮮鋭度の利点を達成する
ためには、ハロゲン化銀乳剤が効率的に又は非効
率的に化学増感又は分光増感されているかどうか
ということは重要ではない。 上述のように沈澱生成方法によつて一旦平板状
粒子乳剤を生成せしめ、洗浄し、増感したなら
ば、常用される写真用添加剤を配合することによ
りそれらの調製を完了することがでる。そして、
これらは銀像を生成すべき写真応用分野、例え
ば、通常の黒白写真に応用することができる。 銀像を形成することを意図せる本発明に係る乳
剤を有する写真要素は、処理の間に追加の硬膜剤
を配合する必要がない程度に十分硬膜化すること
ができる。この硬膜化によつて。同様に硬膜化し
且つ処理せるが非平板状または高アスペクト比よ
り低いアスペクト比の平板状粒子乳剤を用いた写
真要素と比較して銀被覆力を増大することができ
る。特に、黒白写真要素の高アスペクト比平板状
粒子乳剤層およびその他の親水性コロイド層を、
それらの層の膨潤度が200%未満に低減するに十
分な程度硬膜化することができる。ここで、膨潤
度%は、(a)写真要素を38℃および相対湿度50%に
おいて3日間維持し、(b)層の厚さを測定し、(c)写
真要素を20℃の蒸留水中に3分間浸漬し、次いで
(d)層の厚さ変化を測定することにより決定され
る。銀像の形成を意図せる写真要素を処理液中に
硬膜剤を配合する必要がない程度に硬膜化するこ
とは特に望ましいけれども、本発明に係る乳剤の
硬膜化の程度はいかなる常用される水準であつて
もよい。さらに、処理液中に硬膜化を配合するこ
とも可能であり、このことは、特にラジオグラフ
イー材料の処理に関してではあるが、例えば、リ
サーチ・デイスチロージヤー,184巻,1979年8
月,アイテム18431,K項に記載されている。 代表的な配合硬膜剤(前硬膜剤)はリサーチ・
デイスクロージヤー,176巻,1978年12月,アイ
テム17643,項に記載されている。 リサーチ・デイスクロージヤー,176巻,1978
年12月,アイテム17643,項に記載されるよう
に、安定剤、カブリ防止剤、キンク防止剤、潜像
安定剤および同様な添加剤をコーテイング前に乳
剤及び隣接層に混入することにより、ネガ型乳剤
コーテイングにおける最小濃度(即ちカブリ)を
増大し、または直接ポジ型乳剤コーテイングにお
ける最小濃度を増大し、もしくは最大濃度を低減
せしめる不安定性から解放することができる。C.
E.K.メーズ(Mees),ザ・セオリー・オブ・ザ・
フオトグラフイツク・プロセス,第2版,マクミ
ラン,1954,pp.677−680に記載されるように、
乳剤に有効なカブリ防止剤の多くはまた現像剤に
配合することができ、また2,3の一般的な見出
しのもとに分類することができる。 アルデヒドタイプの硬膜剤が用いられる場合、
乳剤層は通常のカブリ防止剤により保護すること
ができる。 増感剤、硬膜剤、並びにカブリ防止剤及び安定
剤の他に種々の常用される写真用添加剤を存在せ
しめることができる。使用する添加剤の具体的な
選出は写真利用分野における特性に依存し、当業
者ならば容易に達成し得る。種々の有用な添加剤
はリサーチ・デイスクロージヤー,176巻,1978
年12月,アイテム17643に記載されている。同文
献アイテム17643,項に記載されるように蛍光
増白剤を配合することができる。また、同文献
項に記載される如く、本発明に係る乳剤および写
真要素の別々の層中に吸収性及び散乱性物質を用
いることができる。また、XI項に記載される如
く、コーテイング助剤およびXII項に記載される如
く可塑剤および滑剤を存在せしめることができ
る。項に記載されるように帯電防止層を存在
せしめることができる。添加物の添加方法は
項に記載されている。項に記載されるように
艷消剤を配合することができる。所望ならば、
項およびXI項に記載されるように現像剤およ
び現像変性剤を配合することができる。本発明に
係る乳剤を含む写真要素ラジオグラフイー分野で
利用する場合にはラジオグラフイー要素の乳剤お
よびその他の層を上に引用せるリサーチ・デイス
クロージヤー,アイテム18431に具体的に記載さ
れるいかなる形態とすることもできる。本発明に
係る乳剤並びに写真要素中に他の常用されるハロ
ゲン化銀乳剤層、中間層、オーバーコートおよび
下塗層を存在せしめる場合これらはリサーチ・デ
イスクロージヤー,176巻,1978年12月,アイテ
ム17643,項に記載される如くコーテイング
し、乾燥することができる。 当業者間に確立された慣行に従つて本発明に係
る高アスペクト比平板状粒子乳剤を相互にまたは
これらと常用される乳剤とをブレンドすることに
よつて特定の乳剤層に要求される特性を満足せし
めることができる。例えば、複数の乳剤をブレン
ドすることによつて、所定目的を満足するように
写真要素の特性曲線を調節することができる。ブ
レンドによつて、露光および処理によつて達成さ
れる最大強度を増大し、または低減し、最小濃度
を低減し、または増大し、且つ特性曲線の形状を
つま先と肩部の間で調節することができる。この
為に本発明に係る乳剤を上記リサーチ・デイスク
ロージヤー,176巻,1978年12月,アイテム
17643,項に記載されるような常用されるハロ
ゲン化銀乳剤とブレンドすることができる。 本発明に係る乳剤を用いた写真要素は、最も単
純な形態では、本発明に係る平板状粒子臭塩化銀
乳剤を含む単一乳剤層と写真支持体を含む。もち
ろん、2以上のハロゲン化銀乳剤層並びにオーバ
ーコート、下塗層および中間層を含ませることが
できる。上述のように乳剤をブレンドすることに
代えてブレンドすべき乳剤をそれぞれ別の層とし
てコーテイングすることによつて同様な効果を達
成することができる。乳剤層を別々にコーテイン
グして露光許容範囲を得ることは写真技術分野に
おいて周知であつて、ツエリクマン(Zelikman)
およびレビ(Levi)、メーキング・アンド・コー
テイング・フオトグラフイツク・エマルジヨン
ズ,フオーカルプレス,1964年,pp.234−238,
米国特許第3663228号および英国特許第923045号
に記載されている。さらに、高感度および低感度
乳剤をブレンドではなく別々の層にコーテイング
することによつて写真感度を増大せしめ得ること
も写真技術分野において周知である。通常高感度
乳剤層は低感度乳剤層よりも露光源に近い位置に
コーテイングする。この技法は3またはそれ以上
積層せる乳剤層の調製に応用することができる。
このような層構成は本発明に係る乳剤の実施にお
いても利用可能である。 写真要素の層は種々の支持体上にコーテイング
形成することができる。代表的な写真支持体には
重合体フイルム、木材繊維(例えば紙)、金属シ
ートおよびフオイル、ガラスおよびセラミツク支
持体要素があり、これらは支持体表面の接着性、
帯電防止性、寸法安定性、耐摩耗性、硬さ、摩擦
特性、ハレレーシヨン防止性および/またはその
他の特性を向上する為に1または2以上の下塗層
を形成することができる。これらの支持体は当業
界において周知であつて、例えばリサーチ・デイ
スクロージヤー,176巻,1978年12月,アイテム
17643,項に記載されている。 単数または複数の乳剤層は通常対定せる平らな
主要表面を有する支持体上に連続層としてコーテ
イングされるが、必ずしもそうでなくともよい。
乳剤層は平らは支持体表面上に複数の横方向に変
位せる層セグメントとしてコーテイングすること
ができる。単数または複数の乳剤層をセグメント
とする場合、微孔性支持体を用いることが望まし
い。有用な微孔性支持体はPCT出願公告第
W080/01614(1980年8月7日公告;ベルギー特
許第881513号,1980年8月1日,に対応)および
米国特許第4307165号に開示されている。微細孔
の大きさは幅1〜200マイクロメートル、深さ
1000マイクロメートル以下とすることができる。
一般に、通常の黒白写真分野、特に写真像を引伸
ばす場合には、微細孔の大きさは幅少くとも4マ
イクロメートル、深さ200マイクロメートル未満
が好ましく、最良の大きさは幅および深さいずれ
も約10〜100マイクロメートルである。 本発明に係る乳剤を有する写真要素は常用され
るいかなる方法によつても像状に露光することが
できる。これについては上記リサーチ・デイスク
ロージヤー,アイテム17643,項を参照され
たい。本発明は特に、存在する分光増感剤が最大
吸収を示すスペクトル領域において電磁線を用い
て像状露光を行う場合有用である。写真要素に青
色、緑色、赤色または赤外露光を記録する場合
は、青色、緑色、赤色またはスペクトルの赤外部
分に吸収される分光増感剤を存在せしめる。黒白
像の分野では写真要素をオルソクロマチツクまた
はパンクロマチツクに増感せしめて可視ペクトル
内における感度を延ばすことが望ましい。レーザ
ーによつて生成される露光に用いられる輻射線は
非干渉性(ランダム相)または干渉性(イン・フ
エイズ)のいずれであつてもよい。高もしくは低
強度露光、間欠的もしくは連続的露光、数分から
数ミリ秒〜マイクロ秒という比較的短い時間に亘
る露光時間およびソラリゼーシヨン露光を含め、
常温、高温もしくは低温および/または常圧、高
圧もしくは低圧における像露光いずれも、テイ・
エイチ・ジエイムズ,ザ・セオリー・オブ・ザ・
フオトグラフイツク,プロセス,第4版,マクミ
ラン,1977年,第4,6,17,18および23章に記
載される如く、常用されるセンシトメトリー技法
により決定される有用な感応範囲内において用い
ることができる。 写真要素に含まれる感光性ハロゲン化銀は、露
光に引続いて、アルカリ性媒体または写真要素中
に含まれる現像剤の存在下にハロゲン化銀を水性
アルカリ媒体と組合わせることによつて常法に従
つ処理し、可視像を形成することができる。 写真要素中に一旦銀像を形成せしめた後、未現
像のハロゲン化銀を定着するのが普通の方法であ
る。本発明に係る高アスペクト比平板状粒子乳剤
は特により短時間に定着を完了可能とする点で有
利である。これによつて加速された処理が可能と
なる。 銀像を生成するための上述の写真要素および技
法は色素を用いてカラー像を生成するのに容易に
適用することができる。おそらく投映可能なカラ
ー像を得る最も簡単な技法においては、常用され
る色素を写真要素の支持体中に混入することがで
き、そして上述の如く銀像の形成を行うことがで
きる。銀像が形成される領域においては写真要素
は実質的に光透過性でなくなり、その他の領域で
は支持体の色に対応して光を透過する。このよう
にしてカラー像が容易に形成され得る。これと同
一効果はまた、別の色素フイルター層または色素
フイルター要素と透明支持体要素を有する要素と
を用いることによつて達成することができる。 ハロゲン化銀写真要素は色素の選択的破壊また
は形成によつて色素像を形成するのに用いること
がでる。上述の銀像を形成するための写真要素
は、リサーチ・デイスクロージヤー,176巻,
1978年12月,アイテム17643,,D項に記載
されるようにカラーカプラーのような色素像形成
剤を含有する現像剤を用いることによつて色素像
を形成するのに用いることができる。このような
形態において、現像剤は、酸化された形態におい
てカプラーと反応(カプリング)して色素像を形
成し得るカラー現像剤(例えば、第一級芳香族ア
ミン)を含む。 色素形成性カプラーはあるいは常法に従つて写
真要素中に混入することもできる。色素形成性カ
プラーは異なる写真効果を達成するために異なる
量で混入することがでる。例えば、銀被覆量に関
しカプラーの濃度は高感度及び中間感度乳剤層に
通常用いられる量より低く制限することができ
る。 色素形成性カプラーは通常、減法混色原色(即
ち、黄、マゼンタおよびシアン)画像色素を形成
するように選ばれ、これらのカプラーは非拡散性
無色カプラーである。特定の写真応用分野で望ま
れ効果を達成するために単一または複数の別々の
層における反応速度が相違する色素形成性カプラ
ーを用いることができる 色素形成性カプラーはカプリングによつて、現
像抑制剤みさや促進剤、漂白促進剤、現像剤、ハ
ロゲン化銀溶剤、トナー、硬膜剤、カブリ剤、カ
ブリ防止剤、競争カプラー、化学または分光増感
剤および減感剤のような写真的に有用なフラグメ
ントを放出する。現像抑制剤放出性(DIR)カプ
ラーは写真分野において周知である。それらは、
米国特許第4248962号に記載されるようにカプリ
ング時に種々の写真的に有用な基を放出する非色
素性化合物、並びに色素形成性カプラーである。
酸化せるカラー現像剤と反応する際色素を形成し
ないDIR化合物をまた用いることができる。リツ
プマン乳剤のように比較的感光性に乏しいハロゲ
ン化銀乳剤は現像抑制剤フラグメントの移行を阻
止または抑制するために中間層およびオーバーコ
ート層として利用した。 写真要素には、ネガカラー像用積層マスクを形
成性カプラーのような着色せる色素形成性カプラ
ー及び/または競争カプラーを混入することがで
きる。写真要素にはさらに画像色素安定剤を配合
することができる。これらはすべてリサーチ・デ
イスクロージヤー,176巻,1978年12月,アイテ
ム17643,項に記載されている。 色素画像形成性還元剤に組合わせて不活性遷移
金属イオン錯体の形態を有する酸化剤、及び/又
はペルオキシド酸化剤を用いる方法を採用するこ
とによつて色素画像を形成しまたは増幅すること
ができる。写真要素は色素画像を形成するのに特
に適合する。 銀−色素−漂白法のような色素または色素前駆
物質の選択的破壊によつて写真要素に色素像を形
成することができる。 漂白によつて現像せる銀を除去するのはハロゲ
ン化銀写真要素に色素画像を形成する技法におけ
る普通の慣行である。そのような銀の除去は処理
溶液または写真要素のある層に漂白促進剤または
その前駆物質を混入することにより促進すること
ができる。ある場合には、特に上述のように色素
画像を増幅する時は、現像により形成される銀の
量は生成する色素の量と比較して小さい。従つ
て、実質的に目に見える影響なく銀漂白が省略さ
れる。さらに他の応用においては、銀像が保持さ
れ、そして色素画像はこの銀像により提供される
濃度を高めまたは補うために活用される。銀像の
濃度を色素で高める場合中性の単一色素または全
体として中性像を生成し得る複数の色素を組合わ
せ用いることが通常望ましい。 本発明品は多色写真像を生成するのに用いるこ
とができる。一般に少なくとも1つのハロゲン化
銀乳剤層を含むいかなる常用される多色像要素
も、本発明に係る高アスペクト比平板状粒子乳剤
を添加または該乳剤で置換することのみによつて
改良可能である。本発明は加法多色像および減法
多色像のいずれにも応用可能である。 まず、本発明の加法多色像への応用について説
明すると、銀像を生成し得る本発明に係る乳剤を
含む写真要素と組合わせて、内部配置青色、緑色
および赤色フイルター要素を含むフイルター装置
を用いることができる。パンクロマテイツクに感
光され且つ写真要素の1つの層を形成する本発明
に係る高アスペクト比平板状粒子乳剤は加法混色
原色フイルター装置を通して像露光される。銀像
を生成する処理を施し、フイルター装置を通して
視ると多色像がみられる。そのような像は投映に
よつて最も良く視られる。それ故、写真要素及び
フイルター装置はいずれも透明支持体を保有する
かまたは共同して分担する。 減法混色原色画像生成色素の組合わせによつて
多色像を生成する多色写真要素に本発明の乳剤を
応用することにより格別の利点をもたらすことが
できる。そのような写真要素は支持体並びに通
常、青色光、緑色光および赤色光をそれぞれイエ
ロー,マゼンタおよびシアン色素像として別々に
記録する重なり合つた少なくとも3組のハロゲン
化銀乳剤層からなる。 上記に述べた如き高アスペクト比平板状粒子塩
化銀乳剤が1種のみ必要とされるが、多色写真要
素はそれぞれ青、緑及び赤色光を記録するための
少なくとも3種の別々の乳剤を含む。必要とされ
る高アスペクト比平板状粒子緑又は赤記録乳剤以
外の乳剤は常用されるどのような形態にあつても
よい。種々の通常の乳剤が上記のリサーチ・デイ
スクロージヤー,アイテム17643,項に説明さ
れている。2つ以上の乳剤層がスペクトルの青、
緑及び/又は赤部を記録するために与えられてい
れば、少なくとも感度の高い方の乳剤層が前述し
た如き高アスペクト比平板状粒子乳剤を含むのが
好ましい。もちろん、写真要素の青、緑及び赤記
録乳剤層の全てが、所望により、本発明に係る平
板状粒子乳剤からなるのが有利であるということ
が確認されている。 多色写真要素はしばしばカラー形成性層ユニツ
トについて説明される。最も普通の多色写真要素
は3つの重なり合つた色形成性層ユニツトを含
み、それぞれの色形成層ユニツトはスペクトルの
異なる1/3を記録することができ且つ補色減法混
色原色色素像を生成し得る少なくとも1つのハロ
ゲン化銀乳剤層を含む。即ち、青色、緑色および
赤色記録カラー形成性層ユニツトがそれぞれイエ
ロー,マゼンタおよびシアン色素像を生成するの
に用いられる。色素像生成物質は必ずしもいかな
るカラー形成性層ユニツト中に存在せしめなくと
もよく、処理溶液から全く供給することができ
る。色素像生成物質を写真要素中に設けるに際し
ては、ある乳剤層中に配置することもでき、また
同じカラー形成性層ユニツトの隣接乳剤層から酸
化させる現像または電子移動剤を受容すべく位置
せる層中に配置することができる。 カラー形成性層ユニツト間で酸化せる現像また
は電子移動剤が移動して色が劣化するのを阻止す
るために一般にはスカベンジヤーが用いられる。
スカベンジヤーは米国特許第2937086号に教示さ
れるように乳剤層自身中に位置せしめることがで
き、および/または米国特許第2336327号に記載
されるように中間層を隣接カラー形成性層ユニツ
ト間に配置することもできる。 各カラー形成性層ユニツトには単一の乳剤層を
含ませることができるが、単一のカラー形成性層
ユニツト中にしばしば2,3またはそれ以上の写
真感度の異なる乳剤層が設けられる。所望層構成
が感度の異なる複数の多色乳剤層を単一カラー形
成性層ユニツト中に配置するのを許さぬ場合は、
単一写真要素中に複数の(通常2または3)青
色、緑色および/または赤色記録カラー形成性層
ユニツトを設けるのが一般である。 多色写真要素は上述の要求を満たす限り常用さ
れるいかなる形態であつてもよい。ゴロコフスキ
イ(Gorokhovskii),スペクトル・スタデイズ・
オブ・ザ・フオトグラフイツク・プロセス,フオ
ーカル・プレス,ニユーヨーク,P.211,表27aに
記載される6つの可能な層配置のいずれも採用可
能である。簡易かつ明確に説明するならば、常用
される多色ハロゲン化銀写真要素の調製過程にお
いてそのような写真要素に、スペクトルのマイナ
ス青色部分に感応され、且つ他の乳剤層に先立つ
て放射線曝露を受けるように1または2以上の高
アスペクト比平板状粒子乳剤層を設けることがで
きる。しかしながら、大低の場合、必要に応じて
層配置を改変したうえ従来のマイナス青色記録乳
剤層を1または2以上の高アスペクト比平板状粒
子マイナス青色記録乳剤層で置き替えることが望
ましい。他の層配置は下記の好ましい例を参照す
ればより明らかとなろう。
【表】
【表】
【表】
【表】 上記において、B,G、及びRはそれぞれ通常
のタイプの青、緑、及び赤記録カラー形成性層単
位を示し、カラー形成性層単位B,G、又はRの
前にあるTは乳剤層が前記においてよりくわしく
説明したごとき平板状粒子乳剤を含むことを示し
ており、カラー形成性層単位B,G、又はRの前
にあるFはカラー形成性層単位が同一の層順位配
置においてスペクトルの同一の1/3における露光
を記録する少なくとも1つの他のカラー形成性層
単位よりも高い写真感度を有するということを示
し、カラー形成性層単位B,G、又はRの前にあ
るSはカラー形成性層単位が同一の層順位配置に
おけるスペクトル同一の1/3において露光を記録
する少なくとも1つの他のカラー形成性層単位よ
りも低い写真感度を有するということ示し、そし
てILはスキヤベンジヤーを含み、ただし黄色フ
イルター材料を実質的に含まない中間層を示す。
高感度または低感度のカラー形成性層単位はそれ
ぞれ、層順位配置において占める位置のために、
スペクトルの同一の1/3における露光を記録する
他のカラー形成性層単位とは、その写真感度、固
有の感度特性、または両者の組合わせにおいて異
なることができる。 層順位配置ないしにおいて、支持体の位置
は示されていない。慣例によれば、支持体ほとん
どの場合露光放射線源からもつとも遠い位置、す
なわち示された層の下にあるであろう。支持体が
無色で正透過性すなわち透明であるならば、露光
源と示された層との間につてもよい。より一般的
にいえば、支持体は露光源と支持体がそれに対し
て透明であるような光を記録するためのカラー形
成性層単位との間におくことができる。 減法混色の原色色素の組合わせからなる多色画
像を形成するための写真乳剤は通常は配合された
色素形成性カプラーのごとき色素形成性材料を含
む複数の重ね合わせ層の形をとるけれども、これ
はもはや必要ではない。それぞれ可視スペクトル
の1/3における光を記録するためのハロゲン化銀
乳剤と補色減法混色の原色色素を形成することの
できるカプラーとを含む、通常はバケツトと呼ば
れる、3種のカラー形成性成分は多色画像を生成
するための単一層の写真要素中に一緒におくこと
ができる。典型的な混合パケツト多色写真要素は
米国特許第2698794号及び同第2843489号に開示さ
れている。 本発明の高アスペクト比平板状塩化銀乳剤は、
非平板状及び低アスペクト比平板状粒子乳剤と比
較してハイアングルの光散乱が少ないために、有
利である。これは定量的に示すことができる。第
6図において、本発明に係る乳剤1のサンプルが
1.08g/m2の銀被覆量において透明な(正透過性
の)支持体3上に塗布される。図示されていない
けれども、乳剤及び支持体は、支持体及び乳剤の
表面におけるフレスネル反射を最小にするため
に、実質的につり合つた屈折率を有する液体中に
浸漬されるのが好ましい。乳剤層は平行光源5に
より支持体平面に対して直角に露光される。光軸
を形成する点線7で示される通路に続く光源から
の光は点Aにおいて乳剤層にあたる。支持体及び
乳剤を通過する光は半球形の検出表面9において
乳剤から一定の距離において検出することができ
る。初期光路の延長と検出表面との交点にある点
Bにおいて最大強度レベルの光が検出される。 任意に選択された点Cが第5図において検出表
面上に示されている。AとCの間の点線は乳剤層
に対して角度φを形成する点Cを検出表面上を移
動させることによりφを0から90゜まで変えるこ
とができる。散乱光の強度を角度φの関数として
測定することにより、累積光分布を角度φの関数
として決定することができる(これは光軸7のま
わりにおける光散乱が回転対称であるからであ
る)。累積光散乱の背景的な記述としては、デパ
ルマ(Depalma)及びギヤスパー(Gasper)、
「モンテカルロ法による写真乳剤の光学特性の測
定(Determining the Optical Properties of
Photographic Emulsions by the Monte Carlo
Method)」、フオトグラフイツク・サイエンス・
アンド・エンジニアリング、16巻、3号、1971年
5〜6月、181〜191頁を参照されたい。 本発明に係る乳剤1に対して0〜90゜の値にお
ける角度φの関数として累積光分布を決定後、支
持体3の他の部分に同じ銀被覆量で塗布した同じ
平均粒子容積の通常の乳剤を用いて同じ操作を繰
りかえした。2種のエマルジヨンに対する70゜ま
で(及びある場合には80°まで及びそれ以上)の
φの値に関する角度φの関数としての累積光分布
の比較において、散乱光の量は本発明に係る乳剤
の方が少ない。第6図において、角度θは角度φ
の成分として示されている。散乱の角度はこの明
細書では角度θに関して議論している。したがつ
て、この発明の高アスペクト比平板状粒子乳剤
は、より低いハイアングル散乱を示す。ハイアン
グル光散乱は画像の鮮鋭度における過度の低下を
きたすから、本発明の高アスペクト比平板状粒子
乳剤はそれぞれの場合により鮮鋭な画像を与える
ことができるのである。 ここに定義するように、「集合角」なる語は検
出表面にあたる光の半分が線ACを極軸のまわり
に角度θで回転させることにより形成されるコー
ンによつて規定される領域内にあり、一方検出表
面にあたる光の半分が残りの領域以外の検出表面
にあたるような角度θの値である。 本発明に係る高アスペクト比平板状粒子乳剤の
低下されたハイアングル散乱特性を特別の理論に
よつて説明しようとするつもりではないけれど
も、高アスペクト比平板状粒子により提供される
大きく平らな主結晶面ならびに塗布層中の粒子の
配向が観察される鮮鋭度に改良を与えるものと考
えられる。特に、ハロゲン化銀乳剤層中に存在す
る平板状粒子はその上に粒子がおかれる平らな支
持体表面と実質的に平行になつているということ
が観察された。したがつて、乳剤層にあたる、写
真要素に対して直角にむけられた光は1つの主結
晶面に対して実質的に直角に平板状粒子にあたる
こととなる。平板状粒子が薄いことならびにそれ
らが塗布された時の配向はこの発明の高アスペク
ト比平板状粒子乳剤層が通常の乳剤層よりも実質
的により薄くなることを許容し、このこともまた
鮮鋭度を与えることができる。しかしながら、こ
の発明の乳剤層はそれらが通常の乳剤層と同じ厚
さに塗布された場合にも鮮鋭度の向上を示す。 この発明の特定の好ましい態様においては、高
アスペクト比平板状粒子(臭塩化銀)乳剤層は少
なくとも1.0マイクロメートル、もつとも好まし
くは少なくとも2マイクロメートルの最小平均粒
子直径を示す。改良された感度及び鮮鋭度はとも
に平均粒子径が増大されるにつれて達成可能とな
る。最大有効平均粒子径は特定の画像形成用途に
対して耐えることのできる粒状度とともにかわる
であろうけれども、本発明に係る高アスペクト比
平板状粒子乳剤の最大平均粒子径は全ての場合に
30ミクロン、好ましくは10ミクロンよりも小さ
く、最適には10ミクロンより大きい。 本発明に係る高アスペクト比平板状粒子乳剤の
単一層コーテイング物により低下された集合角を
得ることが可能であるけれども、低い集合角は必
らずしも多色コーテイング物において実現される
ものでもない。ある種の多色コーテイングフオー
マツトにおいては、増大された鮮鋭度はこの発明
の高アスペクト比平板状粒子乳剤により達成する
ことができる。しかし、他の多色コーテイングフ
オーマツトにおいては、この発明の高アスペクト
比平板状粒子乳剤は下にある乳剤層の鮮鋭度を実
際上低下させることがある。 ふりかえつて層順位配置を参照するに、青記
録乳剤層は露光放射線源にもつとも近いところに
あり、一方その下にある緑記録乳剤層はこの発明
に係る平板状粒子であるということがわかる。一
方、この緑記録乳剤層は赤記録乳剤層の上にあ
る。青記録乳剤層が、多くの非平板状乳剤に通常
のごとく0.2〜0.6マイクロメートルの範囲の平均
直径を有する粒子を含む場合には、それを通過し
緑及び赤記録乳剤層に達する光の最大散乱を示す
であろう。もし運悪く光が緑記録乳剤層を形成す
る高アスペクト比平板状粒子乳剤に達する前に散
乱されてしまうならば、平板状粒子は通過して赤
記録乳剤層に達する光を通常の乳剤よりもさらに
高い程度にまで散乱させることがある。したがつ
て、乳剤及び層配置のこの特定の選択は、この発
明に係る乳剤が層順位配置中に存在しないような
場合に比較して、さらに高い程度に赤記録乳剤層
の鮮鋭度を低下させることになる。 本発明に係る平板状粒子乳剤層の下にある乳剤
層において鮮鋭度の利点を十分に実現するために
は、平板状乳剤層を明らかな散乱がない光を受け
るように位置させるのが好ましい(実質的に純理
論的に透過する光を受ける位置が好ましい)。い
いかえれば、平板状粒子乳剤層の下にある乳剤層
における鮮鋭度の改良は平板状粒子乳剤層がそれ
自体混濁層の下にない時にのみもつとも良く実現
されるのである。例えば、平板状粒子緑記録乳剤
層が赤記録乳剤層の上にあり、かつリツプマン乳
剤層及び/またはこの発明に係る高アスペクト比
平板状粒子青記録乳剤層の下にあらならば、赤記
録乳剤層の鮮鋭度は上にある平板状粒子乳剤層の
存在によつて改善されるであろう。定量的にいえ
ば、平板状粒子緑記録乳剤層の上にある集合角が
約10゜より小さい場合には、赤記録乳剤層の鮮鋭
度における改良が得られる。もちろん、上にある
層の鮮鋭度に対する影響に関する限り、赤記録乳
剤層それ自体がこの発明に係る平板状粒子乳剤層
であるかどうかは重要ではない。 重ね合わされたカラー形成性単位を含む多色写
真要素においては、少なくとも露光放射源にもつ
とも近いところにある乳剤層が平板状粒子乳剤で
あることが、鮮鋭度の利点を得るために好まし
い、特に好ましい態様においては、他の画像記録
乳剤層よりも露光放射線源により近いところにあ
る各乳剤層は平板状粒子乳剤層である。前述した
層順位配置、、、、及びは下にある
乳剤層の鮮鋭度を明らかに増加させることのでき
る多色写真要素層配置の例である。 平板状粒子ハロゲン化銀乳剤の多色写真要素に
おける画像鮮鋭度に対する有利な作用を多色写真
要素に関して特定的に説明したけれども、鮮鋭度
の利点は銀画像を形成るための多層黒白写真要素
においても得ることができる。黒白画像を与える
乳剤を高感度及び低感度層に分けることは通常の
ことである。この発明に係る平板状粒子乳剤を露
光放射線源にもつとも近い層に用いることにより
下にある乳剤層の鮮鋭度が改善されるであろう。 (d) 実施態様 実施例 下記の特定の例を参照することにより本発明を
よりよく理解することができる。 各例において、反応容器の内容物は銀及びハロ
ゲン塩の導入の間を通じて激しく攬拌された。
「%」なる誤は他にことわらない限り重量パーセ
ントを意味し、「M」なる語は他にことわらない
限りモル濃度をあらわし、「N」なる語は他にこ
とわらない限り規定度をあらわし、すべての溶液
は他にことわらない限り水溶液である。 例 1 激しく攬拌した55℃の3%ゼラチン、0.47M塩
化カリウム、0.01M臭化カリウム溶液6リツトル
に、ダブルジエツトにより5分間で、1.72M臭化
カリウム溶液(塩化カリウム1.24M)及び2.0M
硝酸銀溶液を添加し、ハライド及び銀の添加の開
始前に読み取つたpAgを保持した(用いた合計硝
酸銀の3.8%を消費)。次いで、2つの溶液の添加
を加速流において(開始から終了にかけて3倍即
ち終了時には開始時より3倍速い)、64分間続け、
その間pAgを変化させずに保持し、用いた全硝酸
銀の96.2%が消費された。沈澱生成の間の反応容
器中の塩素及び臭素イオンのモル濃度は0.48Mに
一定に保持され、塩素イオン対臭素イオンのモル
比は47:1であつた。合計で4モルの硝酸銀を用
いた。次に、乳剤を冷却し、米国特許第2614929
号の方法で凝固洗浄した。 第1図に示す如く、極めて高い割合で平板状粒
子を含む臭塩化銀乳剤が得られた。平板状粒子は
粒子の全投影面積の約80%を占めていた、乳剤の
平均アスペクト比は10:1であり、平板状粒子の
平均厚は0.1μmであつた。0.6μmより小さい直径
を有する平板状粒子が実施例で測定された平均ア
スペクト比及び投影面積を決定する際にいくぶん
かは包含されたようであるが、結果を有意に変え
るに十分な数は存在しなかつた。乳剤のハライド
含量はブロミドが85モル%で、クロリドが15モル
%であつた。 例 2〜5 例1の操作を繰り返した。ただし、反応容器内
の全ハライドイオンの規定度を変化させ(即ち沈
澱生成時のpAgを変化させ)、他のパラメータは
不変であつた。 例1〜5の結果を下記の表に示す。例1及び
4は本発明の好ましい実施態様を構成し、例2は
対照である。
【表】 * 非平板状粒子
例 6 激しく攬拌した80℃の1.5%ゼラチン、0.168M
臭化カリウム溶液1.95リツトルに、ダブルジエツ
トにより2分間で、2.20M臭化カリウム溶液を添
加し、用いた全硝酸銀の2.8%が消費される速度
で2.0M硝酸銀溶液を添加し、その間実験の開始
前に記録されたpAgを保持した。次いで、ブロミ
ド及び硝酸銀溶液の添加を加速流をもつて(開始
から終了にかけて11.4倍)6分間続け、その間同
じpAgを保持し、用いた全硝酸銀の52.6%を消費
した。 次に、30mlの0.68Mの塩化ナトリウム溶液を添
加し、次いで硝酸溶液を用いた全硝酸銀の22.5%
が消費される流速において1.5分間で添加した。
もとのpAg値よりも3pAg単位低いpAg値を与え
た。次に、1.4M臭化カリウム溶液(0.61M塩化
ナトリウム)及び2.0M硝酸銀溶液を、用いた全
硝酸銀の22.1%が消費される一定の同一流速にお
いて2.2分間で、同時に添加し、その間pAgを一
定に保持した。次に、pAgを0.4pAg単位だけ下
げた。合計で2.2モルの硝酸銀が用いられた。 粒子は臭化銀中央粒子領域と中央粒子領域を横
方向に囲む臭塩化銀から本質的になる環状粒子領
域を含んでいた。0.3μmより小さい厚さと少なく
とも0.6μmの直径を有する平板状粒子は10:1の
平均アスペクト比を示し、存在するハロゲン化銀
粒子の全投影面積の約90%を占めていた。粒子は
約0.16μmの平均厚と1.6μmの平均直径を有してい
た。乳剤の全ハライド含量はブロミド93モル%
で、クロリド7モル%であつた。 例 7 激しく攬拌した、55℃の、1.5%ゼラチンを含
む0.168M臭化カリウム溶液6.0リツトルに、ダブ
ルジエツトにより12分間で、2.0M臭化カリウム
溶液及び2.0M硝酸銀溶液を添加し、その間pAg
を添加前に記録された値に保持し、用いた全硝酸
銀の9.1%を消費した。これらの溶液の添加を停
止したときに、反応容器内容物を透析して反応容
器内のpAgを1.23pAg単位だけ低下させた。2.0リ
ツトルの1.88M塩化カリウム溶液(0.01M臭化カ
リウム)を添加して反応容器内の容量を8リツト
ルに上げ、これにより〔Cl-〕/〔Br-〕比は
47:1となつた。1.72M臭化カリウム溶液
(1.24M塩化カリウム)を、等しい一定の速度に
おいて2時間で、2.0M硝酸銀溶液とともに同時
に添加した。用いた全硝残銀の90.9%が消費され
た。臭塩化銀が沈澱する間、反応容器内のハロゲ
ン濃度は0.48Mであつた。乳剤の調製時に合計で
4モルの硝酸銀が用いられた。沈澱生成の完了時
に乳剤を例1の方法で沈浄した。 粒子は臭化銀中央粒子領域と中央粒子領域を横
周りを囲む臭塩化銀からなる環状粒子領域とを含
んでいた。0.3μmより小さい厚さと少なくとも
0.6μmの直径を有する平板状粒子は7.5:1の平均
アスペクト比を示し、存在するハロゲン化銀の全
投影面積の約85%を占めていた。粒子は約
0.17μmの平均厚と1.3μmの平均直径を有してい
た。乳剤の全ハライド含量はブロミド86モル%
で、クロリド14モル%であつた。 例8 (比較例) 臭塩化銀沈澱生成の間の全ハロゲンイオンの濃
度を0.048Mに減じた以外は、例7の操作を繰り
返した。生成した平板状粒子は、例7において
1.30μmであつたのに対して0.82μmmという、よ
り小さい直径を有し、例7の0.17μmに比較し
0.21μmとより厚いものであつた。 例 9 この例で用いる高アスペクト比平板状粒子
AgClBr乳剤は例1に述べた如くして調製したも
のである。得られた高アスペクト比平板状粒子
AsClBr(約15:85)乳剤は1.5μmの平均粒子直
径、0.15μmの平均粒子厚、及び10:1の平均ア
スペクト比を有していた。0.30μmより小さい厚
さ及び少なくとも0.6μmの直径を有する平板状粒
子は粒子の全投影面積の約80%を占めていた。こ
の平板状AgClBr乳剤は0.49μm3の平均容積/粒子
を有していた。 対照AgClBr乳剤Aを下記に述べるハライド変
換プロセスにより調製した。 460mlの40℃の蒸留水中170gの硝酸銀の溶液
を、攬拌下に約15分間で、1リツトルの65℃の蒸
留水中25gのPH感応性ゼラチン誘導体及び85gの
塩化カリウムの溶液に添加した。硝酸銀の添加直
後に、425mlの65℃の蒸留水中122gの臭化カリウ
ム溶液を製造容器中に約28分間で添加した。臭化
カリウムの添加の終了後、乳剤を攬拌下に65℃の
温度に約15分間保持し、次いで約33℃に冷却し
た。次に、乳剤のPHを3.8に下げ、凝固した乳剤
を約5℃に冷却し、沈積させ、次いで上澄液を除
去した。次に、乳剤をもとの容量の0℃蒸留水中
に再分散させ、PHを6.0に調整した。次に、PHを
4.0に下げ、温度を約5℃に下げ、凝固した乳剤
を再び沈積させ、上澄液を除去した。次に、乳剤
を40℃で再分散させ、ゼラチンを添加し、PH及び
pAgをそれぞれ5.5及び8.4に調整した。得られた
臭塩化銀乳剤のハロゲン濃度はブロミド約15モル
%で、ブロミド約85モル%であつた。得られた非
平板状AgClBr乳剤は0.69μm3の平均容積/粒子を
有していた。 高アスペクト比平板状AgClBrを下記のように
して光学増感した。 乳剤を4.0mgチオ硫酸ナトリウム5水塩/Agモ
ル及び4.0mgテトラクロロ金酸カリウムにより、
70℃で20分間、化学処理し、次いで400mgのアン
ヒドロ−5,6−ジメトキシ−5′−メチルチオ−
3,3′−ジ(3−スルホプロピル)チオシアニン
ヒドロキシド、トリエチレン塩/Agモルにより
分光増感した。 平板状粒子AgClBr乳剤及び対照AgClBr乳剤
Aの両者を別々にセルローストリアセテートフイ
ルム支持体上に2.15g銀/m2及び8.6gゼラチ
ン/m2で塗布した。 ハロゲン化乳剤の固有感度を参照点として測定
するために、塗布層を0〜4.0連続濃度タブレツ
トを介して365nmの波長の水銀蒸気ランプに1秒
間露光し、N−メチル−p−アミノフエノールス
ルフエート−ヒドロキノン現像剤(コダツクデベ
ロツパーDK−50 )中で20℃で3分間処理し
た。スペクトル応答を評価するために、塗布層を
0〜4.0連続濃度タブレツト及びラツトン
(Wratten)No.47フイルターを介して600W、5500
〓のタングステン光源1秒間に露光し、コダツク
デベロツパーDK−50中で20℃で3分間処理し
た。相対的感度値をフオグ点より上0.30濃度単位
で記録した。下記の表に示す如く、平板状粒子
及び非平板状粒子変換ハライドAgClBr乳剤層は
同等の固有感度を有していた。しかし、最適な化
学増感及び分光増感を行つた場合、平板状粒子
AgClBr乳剤層が青スペクトル領域において優れ
た感度を示した。
【表】 (e) 発明の効果及び利点 本発明の放射線感応性乳剤は公知の変換ハライ
ドクロロブロミド乳剤よりも大きい現像速度を有
する。 本発明は、主として、単一乳剤において、(1)存
在するクロリドの実質的割合をもつて主としてブ
ロミドからなる平板状ハロゲン化銀粒子形態の利
点、(2)少なくとも7:1のアスペクト比(及び
8:1よりも大きいアスペクト比即ち高アスペク
ト比)の利点、及び(3)ブロミド及びクロリドを含
む全粒子の大部分が平板状であるという利点を達
成するものである。特定の好ましい態様において
は、本発明は主としてハライドが主にブロミドで
あり、クロリドが有意の濃度で存在するような高
アスペクト比臭塩化銀乳剤を提供するものであ
る。この発明は、初めて、ハロゲン化銀コアー粒
子上における平板状臭塩化銀エツジ成長を可能に
する。この発明は、主として、中央領域がクロリ
ド及びブロミドを含む横周りの環状ハロゲン化銀
粒子領域とは異なるハロゲン化銀組成を有するこ
とのできる平板状粒子含有乳剤を提供するもので
ある。 本発明はこれらの乳剤の有利な製造方法を提供
し、この方法はアンモニア、粒子成長改質剤、特
殊解膠剤又は種粒子を必要とせず、従つてクロリ
ド及びブロミドを含む平板状粒子乳剤の製造に多
大の自由度を与える。 本発明はクロリド及びブロミドを含む主として
ブロミドからなるハロゲン化銀粒子が用いられる
ような写真用途、例えば、黒白及びカラープリン
ト材料に平板状粒子構造の利点を与える。本発明
はクロリド及びブロミドを含むブロミドを主成分
とするハロゲン化銀乳剤であつて、グラフイツク
アート用途に必要とされるような高いコントラス
トを示す乳剤の製造を可能とする。この発明の臭
塩化銀乳剤は、また、より高い青感度及びハライ
ド様組成の変換ハライド乳剤よりも早い写真処理
如き他の写真上の利点を与えることができる。 写真画像の感度−粒状度関係及び鮮鋭度は本発
明に係る乳剤、特に平均粒子径の大きい乳剤を用
いることにより改善することができる。本来の感
度を示すスペクトル領域の外側で分光増感された
場合、本発明の乳剤は、分光増感されたスペクト
ル領域と比較して、本来の感度を示すスペクトル
領域において大きな感度の分離を示す。 本発明に係る乳剤を放射線透過性支持体の両面
に塗布されたラジオグラフイー要素に用いると、
クロスオーバーを減少させることができ、あるい
は本発明の乳剤により、より低い銀塗布量によつ
て及び/又は改善された感度−粒状度関係を実現
しながら、相当なクロスオーバーレベルを達成す
ることがでる。 本発明に係る乳剤を含む画像転写フイルムユニ
ツトは、処理の開始後、短い時間経過をもつて、
可視画像を生成することができる。転写された画
像の高いコントラストを短時間の現像で実現する
ことができる。本発明の乳剤は一般に銀塗布量の
減少を可能とし、画像転写フイルムユニツトにお
けるより効率的な色素画像形成剤の使用及び有利
な層順位配列、黄色フイルター材料の除去又は減
少、並びにより低い画像の温度依存性を与える。
【図面の簡単な説明】
第1,3,4及び5図は本発明に係る乳剤の電
子顕微鏡であり、第2図は比較例である乳剤の電
子顕微鏡であり、第6図は鮮鋭度特性を説明する
ための模式図である。 1……乳剤、3……支持体、5……平行光源、
9……検出表面。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 分散媒とハロゲン化銀粒子とからなり、 平板状粒子は対向する平行な{111}主要面を
    有し、 前記平板状粒子が少なくとも環状の粒子領域に
    おいてクロリドとブロミドとを含み、かつ、前記
    環状の粒子領域によつて横方向を囲まれた中央領
    域において、環状領域のものと等しいか又はそれ
    より低い溶解度を有するハロゲン化銀組成を含
    み、 前記平板状粒子が0.3マイクロメートル未満の
    厚さ、少なくとも0.6マイクロメートルの直径及
    び少なくとも7:1の平均アスペクト比を有し、
    かつ前記ハロゲン化銀粒子の全投影面積の少なく
    とも35%を占め、そして 前記平板状粒子が少なくとも前記環状の粒子領
    域において、1:99〜2:3のクロリド対ブロミ
    ドの平均モル比を有する放射線感応性乳剤。 2 分散媒とハロゲン化銀粒子とかなり、 平板状粒子は対向する平行な{111}主要面を
    有し、かつ少なくとも環状の粒子領域において、
    クロリドとブロミドとを含み、かつ、前記環状の
    粒子領域によつて横方向を囲まれた中央領域にお
    いて、環状領域のものと等しいか又はそれより低
    い溶解度を有するハロゲン化銀組成を含み、 前記平板状粒子が0.3マイクロメートル未満の
    厚さ、少なくとも0.6マイクロメートルの直径及
    び少なくとも7:1の平均アスペクト比を有し、
    かつ前記ハロゲン化銀粒子の全投影面積の少なく
    とも35%を占め、 前記平板状粒子が少なくとも前記環状の粒子領
    域において、1:99〜2:3のクロリド対ブロミ
    ドの平均モル比を有する放射線感応性乳剤を、分
    散媒の少なくとも一部を含む反応容器中に銀、ク
    ロリド及びブロミド塩を同時に導入することによ
    り製造する方法であつて、 反応容器内のクロリドイオン対ブロミドイオン
    のモル比を1.6:1〜1〜258:1に保持し、そし
    て 反応容器内のハロゲンイオンの合計濃度を0.10
    〜0.90規定の範囲に保持することを特徴とする放
    射線感応性乳剤の製造方法。
JP19790782A 1981-11-12 1982-11-12 放射線感応性乳剤およびその製法 Granted JPS58111936A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US32089981A 1981-11-12 1981-11-12
US320899 1981-11-12
US431854 1982-09-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58111936A JPS58111936A (ja) 1983-07-04
JPH0314328B2 true JPH0314328B2 (ja) 1991-02-26

Family

ID=23248308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19790782A Granted JPS58111936A (ja) 1981-11-12 1982-11-12 放射線感応性乳剤およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS58111936A (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60194450A (ja) * 1984-03-16 1985-10-02 Konishiroku Photo Ind Co Ltd ハロゲン化銀カラ−写真感光材料
JP2651566B2 (ja) * 1984-06-29 1997-09-10 コニカ株式会社 ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀カラー写真感光材料
CA1259845A (en) * 1985-02-04 1989-09-26 Allan F. Sowinski Reversal photographic elements containing tabular grain emulsions
JPH0782209B2 (ja) * 1986-03-13 1995-09-06 コニカ株式会社 塩化銀含有表面層を有するハロゲン化銀粒子を含む写真感光材料
JPH04336536A (ja) * 1991-05-14 1992-11-24 Konica Corp ハロゲン化銀写真乳剤
JPH086191A (ja) 1994-06-17 1996-01-12 Konica Corp ハロゲン化銀粒子、該粒子を含有するハロゲン化銀乳剤及び該乳剤を含有するハロゲン化銀写真感光材料
US6787296B2 (en) 2001-05-29 2004-09-07 Konica Corporation Silver halide emulsion and silver halide photographic material by the use thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JPS58111936A (ja) 1983-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR890001542B1 (ko) 할로겐화은 감광유제를 함유한 사진 요소
CA1210624A (en) Silver halide emulsions and photographic elements containing composite grains
GB2110405A (en) Radiation-sensitive emulsion and process for its preparation
JPH0522902B2 (ja)
JPH0522901B2 (ja)
GB2109577A (en) Radiation-sensitive photographic silver halide emulsion and process for preparing the same
JPH0222366B2 (ja)
GB2111231A (en) Tabular grain silver halide emulsion
GB2110404A (en) Radiation-sensitive photographic emulsion and process for its preparation
GB2110830A (en) Photographic elements
GB2109576A (en) High aspect ratio photographic silver bromoiodide emulsions and processes for their preparation
JPH0345809B2 (ja)
IE54124B1 (en) Radiographic element
US4490458A (en) Multicolor photographic elements containing silver iodide grains
JPS58111937A (ja) 放射線感応性写真乳剤の製法
EP0111919B1 (en) Multicolor photographic elements containing silver iodide grains
JPH0221572B2 (ja)
JPH0428094B2 (ja)
JPH0314328B2 (ja)
US4692401A (en) Photographic emulsions and elements containing sensitizing dye in the form of host crystals
JP3193381B2 (ja) 平板状粒子の製造方法
JPH0522903B2 (ja)
JPS648324B2 (ja)
US6528227B2 (en) Film/screen system and image-forming system for use in direct X-ray applications
EP1195641B1 (en) Film/Screen system and image-forming system for use in direct X-ray applications