JP3114995B2 - 飲食品の製法 - Google Patents

飲食品の製法

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JP3114995B2
JP3114995B2 JP05509146A JP50914693A JP3114995B2 JP 3114995 B2 JP3114995 B2 JP 3114995B2 JP 05509146 A JP05509146 A JP 05509146A JP 50914693 A JP50914693 A JP 50914693A JP 3114995 B2 JP3114995 B2 JP 3114995B2
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伸子 吉田
伸夫 緒方
衷 江木
秀夫 奈須
洋一 小岩
惠教 太田
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協和醗酵工業株式会社
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    • A23L27/00Spices; Flavouring agents or condiments; Artificial sweetening agents; Table salts; Dietetic salt substitutes; Preparation or treatment thereof
    • A23L27/20Synthetic spices, flavouring agents or condiments
    • A23L27/24Synthetic spices, flavouring agents or condiments prepared by fermentation

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は動物由来の特定のエステル合成活性を有する
酵素もしくはその含有物を飲食品の製造中に存在させる
ことにより好ましい香り、特にエステル香を飲食品に付
与し、好ましい味の飲食品を製造する方法に関する。
従来の技術 食品からは一般に多くの香気成分が検出される。中で
もエステル香はフルーティーなフレーバーとして知ら
れ、その増強の試みがなされてきた。
食品におけるエステル香の増強を試みた例として、芳
香性脂肪酸を有する油脂にアルコールを加え、リゾープ
ス・キネンシス由来またはキャンディダ・シリンドラッ
セ由来のリパーゼを作用させてエステル化合物を生成さ
せる方法〔特公昭56−50554号公報、日本食品工業学会
誌、第30巻、第10号、572頁(1983)〕、果汁にリゾプ
ス・デレマー、アスペルギルス・ニガーまたはキャンデ
ィダ・シリンドラッセ由来のリパーゼを添加し香りを増
強させる方法(特公昭52−39904号公報)等が知られて
いる。
微生物、例えば、パン酵母及びビール酵母〔J.Inst.B
rew.,82,170(1976)〕、清酒用酵母〔醗酵工学、64,17
5(1986)〕、清酒用麹〔醗酵工学、64,247(198
6)〕、ワイン酵母〔Tr.Tashk.Politekh.Inst.,107,94
(1973)〕、ブドウに付着する真菌(ボトリティス・シ
ネレア)〔Izv.Akad.Nauk Mold.SSR.Ser.Biol.Khim,Nau
k.,78(1975)〕、乳酸菌〔J.Dairy Sci.,57,1432(1
974),ibid,57,535(1974)〕等由来のエステラーゼが
エステル合成に関与していることが知られている。
動物組織から得られるエステラーゼ、リパーゼがエス
テル合成能を有することは知られている〔Am.Chem.J.2
4,491(1900)〕。しかしこれらの酵素を飲食品に適用
することについてはこの文献には何の記載も見られな
い。
リパーゼは多量の水の系で酵素反応させると、該反応
が加水分解側に傾くので、エステル合成反応を行わせる
ために反応系の水の含量を制限して行うことが記載され
ている〔Sience,224,1249(1984)、特公昭63−39233号
公報、特開昭58−116629号公報〕。
哺乳動物の喉頭由来のエステラーゼ及び微生物由来の
リパーゼを利用したチーズフレーバーの製造法が知られ
ている(特開昭59−113869号公報、特開昭59−66856号
公報、特開昭47−14369号公報)。本発明者らが、微生
物及び動物の喉頭もしくは膵臓由来の酵素含有物につい
てエステル合成活性を検討した結果、満足すべきエステ
ル合成活性を有していなかった。(後述の第1表参照) 動物の臓器由来のエステル合成活性を有する酵素の作
用によって生成する香り、さらにはこの香りを付与した
飲食品の味は極めて好ましいものであることが見出され
た。
特に、この酵素はアルコール含有量の極めて低い水溶
液においてもエステル合成活性を有し、飲食品へのエス
テル香付与に有用であることが見出された。
発明の開示 本発明によれば、動物由来のエステル合成活性を有す
る酵素もしくはその含有物であって、かつ0.5%(w/w)
〔以下、%は%(w/w)を意味する〕エタノールと2.6%
酪酸とを基質として酵素反応させた時の酪酸エチルのエ
ステル合成活性が0.1単位/mg蛋白以上である酵素もしく
はその含有物(以下エステル合成酵素源という)を飲食
品の製造中に存在させることによって飲食品に好ましい
香りを付与し、好ましい味を有する飲食品を製造するこ
とができる。
上記において1単位とは、後に詳述されるように当該
条件における酵素反応において1分間に1マイクロモル
の酪酸エチルを生成する活性を意味する。
本発明を適用して効果の期待される飲食品としては、
その製造工程に酵素反応に適した工程が伴う場合であれ
ば、いずれの飲食品にも適用できる。特に醗酵工程が伴
う飲食品、例えばパン(食パン、菓子パン等)、醸造調
味料(味噌、醤油等)、酒類(清酒、ワイン、ビール、
焼酎、ウイスキー、ブランデー、ジン、ラム、ウオッ
カ、黄酒、白酒等)、アルコール含有調味料(酒類の製
造中に酒税法で定められた不可飲処置したもの;例え
ば、みりん、清酒風調味料等)、食肉加工品(ハム、ベ
ーコン、ソーセージ、コンビーフ、くん鶏、焼き豚、ス
モークドタン、ハンバーグ、ミートボール、ギョーザ、
シューマイ等)、乳製品〔発酵乳(ヨーグルト等)、チ
ーズ、発酵バター、発酵クリーム等〕、漬物(醤油漬、
味噌漬、粕漬、麹漬、酢漬、糠漬、からし漬、もろみ
漬、すぐき漬、発酵ピクルス、キムチ、サワークラフト
等)に本発明を適用することによって著しい効果が期待
できる。
本発明で用いられる酵素源としては、動物由来であっ
て、アルコール類と有機酸の存在下にエステルを生成す
る能力を有し、エタノール(0.5%)と酪酸(2.6%)と
を基質として反応させたときに0.1単位/mg蛋白以上の酪
酸エチルを生成する能力を有する限り、精製酵素、粗酵
素、酵素含有物等何れも用いることができる。
特に5%エタノール濃度でのエステル合成活性を100
としたとき、0.5%エタノール濃度でのエステル合成活
性が30以上、好ましくは60以上のエステル合成酵素限は
酵素活性が強く、好ましい。
一般的にエステル合成活性を有する酵素(リパーゼ)
はアルコール濃度が低い水溶液中では反応が加水分解に
偏って、エステルが生成しにくいとされているが、0.5
%アルコール中でかかる活性を有する酵素は食品、特に
水分含有量の多い飲食品に対しても香りを付与するに充
分なエステルを生成している。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、
イソブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコ
ール、フェネチルアルコール、ヘキサノール等があげら
れる。
有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、酪酸、イソ酪
酸、葉酸、イソ葉酸、カプロン酸、エナント酸、カプリ
ル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ
酸、クエン酸、酒石酸、ピルビン酸、レブリン酸、グル
コン酸、フェニル酢酸等があげられる。
エステル合成酵素源は、豚、牛、馬、山羊等の動物の
臓器例えば、肝臓、腎臓、心臓等から採取して用いられ
る。これらの臓器から好ましい酵素源を製造する方法に
ついては後に詳述されている。
本発明において、エステル合成酵素源は酵素が失活し
ない限り飲食品の製造工程中のいずれの時期に加えるこ
ともできるが、発酵工程が伴う飲食品の製造において
は、発酵の段階に添加するのが好ましい。
酵素反応でエステルが生成するためには前記アルコー
ル類および有機酸の存在が必要であるが、製造工程中に
生成する場合には添加しなくてもよい。例えば、発酵特
に酵母の発酵が伴う飲食品の製造にあっては、アルコー
ル類と有機酸とを生成する場合が多く、これらを添加し
なくてもよい。アルコール類および有機酸が全く存在し
ないか、量が少ない飲食品に本発明を適用する場合適当
な基質をエステル合成酵素源とともに飲食品に加えてエ
ステル生成反応を行わせることにより飲食品に好ましい
香りを付与できる。
香りと味の関係は微妙であるので、アルコールおよび
有機酸の種類の選択、さらにはこれらの基質の添加時期
等については添加する飲食品について実験的に求めるの
がよい。かかる実験は当業者にとって容易に行うことが
できる。
エステル合成酵素源は、飲食品の種類、飲食品の原料
配合、飲食品の製造条件、飲食品の製造中に生成される
エステル香の求める強度等にもよるが、通常、飲食品1k
g当り0.0001〜10.0、好ましくは0.0002〜5.0単位加えら
れる。該単位は後記エステル合成活性の測定法(反応系
のエタノール濃度0.5%)で定めまれる単位である。
次に、酵素源の調製方法について説明する。調製の際
の酵素活性、即ち、エステル合成活性の測定法、エステ
ル分解活性の測定法は下記の方法によって行われた。本
発明における酵素活性は下記の方法に従って測定されて
いる。
(1) エステル合成活性の測定法 エステル合成活性はエタノール及び酪酸を基質として
生成する酪酸エチル量を測定して求める。基質として0.
5%又は5%のエタノール及び水酸化ナトリウムにてpH
を6に調整した2.6%酪酸を含有する0.1Mリン酸緩衝液
(pH6)を基質液とする。基質液1.9mlに後記方法で調製
した酵素源液0.1mlを添加し混合する。混合液を30℃で1
0分間保持した後、これにアセトン1mlを添加し反応を停
止する。次に内部標準物質として50μMカプロン酸エチ
ルを含有するエーテル溶液2.0mlを添加し混合した後、
遠心分離(3000×g、10分間)する。得られた上層をガ
スクロマトグラフィーにかけ、生成した酪酸エチル量を
測定する。なお、同様の基質液にアセトン1mlをあらか
じめ加え、酵素源液を添加、反応操作を行ったものをブ
ランクとする。酵素活性の表示は、前記条件(反応系の
エタノール濃度0.5%)で1分間に1μmolの酪酸エチル
を生成する酵素量を1単位とする。
(2) エステル分解活性測定法 エステル分解活性はMethods in Enzymology 77,333
(1981)に記載の方法を参考に次のように測定する。
p−ニトロフェニルアセテート178.1mgを1mlのアセト
ニトリルに溶解した後、トリスマレイドバッファー(50
mM、pH7.0)で100mlとしたものを基質液とする。酵素源
液0.2mlに基質液1.8mlを加え混合後、30℃で10分間反応
を行い、アセトン1mlを加え反応を停止し、405nmで吸光
度を測定する。この方法で、吸光値が0.2から1.0の間で
酵素量と吸光度との間の直線性が確認された。前記条件
で1分間に1μmolのp−ニトロフェニルアセテートを
分解する酵素量を1単位とする。
(3) 比活性の測定法 蛋白質の定量は牛血清アルブミンを標準液として、蛋
白アッセイキット(PROTEIN ASSAY、Bio−Rad Labora−
tories)を使用して行う。
(4) 本発明で用いられる酵素源の調製方法 1)動物臓器からの酵素含有液の調製方法 臓器をミンチした後、蔗糖を含む緩衝液(pH6〜7)
を加え破砕した後、遠心分離する。得られた上清液を酢
(酢酸等)でpHを4.5〜5.5に調整した後、遠心分離して
沈澱物を得る。この沈澱物を溶媒(アセトン等)にて脱
脂後、緩衝液(pH6〜7)に懸濁する。この懸濁液を遠
心分離して得た上清液に70%飽和になるよう硫酸アンモ
ニウムに懸濁し酵素含有液を得る。
2)比較テストのために用いられる微生物からの酵素含
有液の調製方法 酵母、真菌類の培養は、例えばグルコース、マルトエ
キス、イーストエキス、ペプトンより成るYM培地で、乳
酸菌については、例えば一般乳酸菌接種用培地(日水製
薬)を用いて35〜40℃で培養する。培養液を遠心分離に
より菌体(沈澱物)と上清液に分ける。菌体について
は、蒸留水で洗浄後、緩衝液(pH5.5〜6.5)に懸濁、破
砕し、70%飽和になるよう硫酸アンモニウムを添加後、
遠心分離して得た沈澱物を緩衝後(pH5.5〜6.5)に溶解
して、酵素源とする。
また、培養液については、膜過した後、70%飽和に
なるよう硫酸アンモニウムを添加し、遠心分離して得た
沈澱物を3.2M硫酸アンモニウムに懸濁して酵素含有液を
得る。
3)比較テストに用いられた市販リパーゼ製剤からの酵
素含有液の調製方法 市販リパーゼ製剤を緩衝液(pH5.5〜6.5)に溶解後、
遠心分離し、さらに膜過して酵素含有液を得る。
また、酵素の粉末製品は前記で得られた酵素含有液を
常法により乾燥、例えば、凍結乾燥することにより得ら
れる。
各酵素含有物のエステル合成活性及びエステル分解活
性を第1表に示す。
第1表から、豚肝臓、豚腎臓、牛肝臓、牛腎臓及び牛
心臓由来の酵素源のエステル合成活性が高いことが理解
される。
次に、各飲食品に本発明を適用する1例を示す。
1)パンの製法 中種法を用いてパンを製造する場合は、例えば次のご
とくして行う。小麦粉、パン酵母を主成分とする中種原
料にエステル合成酵素源及び水を加え混捏し、25〜35℃
で2〜5時間発酵(中種発酵)する。この発酵物に小麦
粉、砂糖、ショートニングを主成分とする本捏原料と水
を加えて混捏し、生地を得る。この生地を通常25〜35℃
で10〜40分間(フロアータイム)放置する。ついで、生
地を分割し、15〜35℃で10〜30分間(ベンチタイム)放
置する。生地を成型し、型に入れ、生地が一定の高さに
膨張するまで35〜45℃で最終発酵を行った後、180〜240
℃で10〜30分間焼成を行いパンを製造する。
ストレート法を用いてパンを製造する場合は例えば次
のごとくして行う。
小麦粉、砂糖、ショートニング、イーストフードなど
を主成分とする原料にエステル合成酵素源及び水を加
え、混捏した後、25〜35℃で60〜180分間発酵する。つ
いで、生地を分割し、10〜30分間(ベンチタイム)、15
〜35℃で放置する。放置後、生地を成型し、型に入れ、
生地が一定の高さに膨張するまで35〜45℃で最終発酵を
行う。180〜240℃で10〜30分間焼成してパンを製造す
る。
2)醸造調味料の製法 味噌は例えば次のごとく製造する。原料大豆を洗浄
し、原料大豆の2.5〜3.5倍の水に10〜24時間浸漬してか
ら水を切り、0.5〜2.0kg/cm2の蒸気圧下において5〜80
分間蒸す。これを30〜40℃に冷却した後に、1〜5mm網
目の大きさにチョパーを用いて押し出す。別に、精白し
た米もしくは小麦を洗浄後、水に10〜24時間浸漬し水を
切り、蒸煮した後、放冷し、品温35℃くらいの時に種麹
を添加し培養し麹を調製しておく。先に蒸し大豆に、
麹、食塩、水を加え、場合によっては味噌用酵母を加え
て混合した後、20〜40時間に1回程度切返しによる通気
をしながら、15〜37℃で1〜12ヶ月間発酵し、発酵物を
得る。この発酵物にエステル合成酵素源を加え、さらに
15〜37℃で1〜10日間発酵して味噌を得る。さらに必要
により味噌を火入れ(例えば65〜85℃、10〜30分間)し
て製品としてもよい。
味噌は例えば次のごとく製造する。表面に焦げ目のつ
く程度炒った小麦を、粉砕機にて4〜5割程度割砕す
る。同量の脱脂大豆を熱湯で120〜130%まで散水し、蒸
煮後、割砕小麦と混合する。混合物の品温を40℃以下に
冷却した後、種麹を散布し、よく混合した後、通気製麹
機にて製麹する。これに食塩水を加え、場合によって醤
油用酵母を加え、1週間に1回程度攪拌しながら15〜30
℃で4〜15ヶ月発酵してモロミを得る。ついで、このモ
ロミを搾汁して生醤油を得る。この生醤油にエステル合
成酵素源を加え、さらに15〜30℃で1〜10日間発酵して
醤油を得る。さらに必要により、醤油を火入(例えば、
80〜85℃、10〜30分間)し、ろ過し、製品としてもよ
い。
3)酒類の製法 例えば、次のごとく製造する。
炭素源を酵素又は麹で糖化し酵母を加えて発酵させ
る。この発酵中にエステル合成酵素源が添加される。清
酒、焼酎の製造においては、発酵の開始時に糖質原料の
一部を仕込み、発酵の経過と共に残りを追加する段仕込
が一般に行われている。
炭素源としては、目的とする酒類の種類により糖質及
びデンプン質を選択する。例えば、イモ類、そば、米
(うるち米、もち米等)、麦、あわ、ひえ、とうもろこ
し、こうりゃん、きび等、もしくはこれらのデンプン及
び、これらの麹、ブトウ等の果実、糖蜜、グルコース等
が用いられる。
糖化酵素としては、アスペルギルス・オリゼー(Aspe
rgillus oryzae)アスペルギルス・アワモリ(Aspergil
lus awamori)、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus
Kawachii)等の麹菌の生産するもの、麦芽中の酵素、
アミラーゼ、プロテアーゼ等の酵素製剤が用いられる。
酵母としては、サッカロマイセス属に属するもの等が用
いられる。
発酵は、ブドウ等の果実、糖蜜、グルコース糖の糖質
を用いる場合は、直接酵母を加えて発酵させる単発酵が
行われる。イモ類、米、麦、そば、とうもろこし、こう
りゃん、きび、ひえ等の穀類を用いる場合には、穀類で
あるデンプン質をまず糖化酵素により糖類に分解し、つ
いで酵母を加えて発酵させる平行複発酵が行われる。
発酵の温度及び期間は、例えば、清酒では10〜20℃で
12〜25日間、ワインでは15〜30℃で5〜20日間、ビール
では0〜15℃で5日間〜2ヶ月間、ウイスキー、ウォッ
カ、ジン、ライム等の蒸留酒では、15〜35℃で2〜30日
間、中国酒(黄酒、白酒等)では土中の仕込み槽の中で
短いもので4〜5日間、長いもので1〜9ヶ月間行われ
る。
つぎに、酵母の発酵によって生成されたモロミを酒類
の形態にするには、目的とする酒類によって種々の方法
が取られる。例えば、ワイン、ビール、清酒、黄酒で
は、モロミ発酵終了後、圧搾過などによって発酵残
物、酵母菌体を分離し、原酒を得る。ウイスキー、ブラ
ンデー、ラム、ジン、ウォッカ、白酒の場合は、モロミ
を蒸留器等を用いて蒸留し、原酒を得る。これらの方法
で得た酒類は原酒として利用される他、長期における保
存及び品質の安定化の為、火入れ、調合が行われる。火
入れは、製品の殺菌及び熟成を止める目的で、品温60〜
80℃の加熱処理が行われる。調合においては、清酒、ワ
イン等の醸造酒は、一定の製品を維持する為、また蒸留
酒は、アルコール分を調節するために別途アルコールを
添加したり、他の製品を混合したりする。
4)アルコール含有調味料の製法 例えば、次のごとく製造する。
酒類と同様な原料を用い、製造も同様な方法で行われ
る。両者の違いは、アルコール含有調味量においては、
発酵終了前にモロミに食塩、酢酸等を添加する処置(酒
税法で定められた不可飲処置)を行った後過するこ
と、また調味に適した組成物を得る為に、糖、有機酸、
アミノ酸、動植物抽出エキス、果汁、ビタミン、香料、
香辛料等の調味素材を調合する点にある。又、みりんに
おいては、その製造工程で酵母による発酵過程はなく、
もち米を糖化した後、あらかじめ製造された焼酎または
アルコールを加えることで製造される。
5)食肉加工品の製法 代表例であるロースハム、ベーコン、ソーセージの製
法を説明する。
(1)ロースハム、ベーコンの製法 主原料である肉類を適当な大きさに切り成型後、副原
料及びエステル合成酵素源を添加し塩漬する。塩漬した
ものを例えば、ケーシングに充填した後、乾燥、くん
煙、加熱して製品を得る。
肉類としては、牛、豚、山羊、馬、家兎、トナカイ、
ラクダ、家きん、クジラ、魚等のものがあげられる。
副原料としては、食塩、甘味料(砂糖、グルコース、
乳糖等)、蛋白(乳蛋白、セガイン等)、結着剤(リン
酸類等)、保存料(ソルビン酸等)、酸化防止剤(アス
コルビン酸塩、エリソルビン酸塩等)、発色剤(硝酸
塩、亜硝酸塩等)、香辛料(コショウ、ナツメッグ、カ
ルダモン、パプリカ、ショウガ、コリアンダー等)があ
げられる。
原料等から混入する微生物としてはストレプトコッカ
ス(Streptococcus)、ロイコノストック(Leuconosto
c)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、マイクロコッ
カス(Micrococcus)、デバリオマイセス(Debaryo−my
ces)、ムコア(Mucor)、リゾプス(Rhizopus)、ペニ
シリウム(Penicillium)、アスペルギルス(Aspergill
us)属等に属する微生物があげられる。
塩漬は、副原料からなる塩漬剤を原料肉に浸漬、注
入、すり込み等し、通常、1〜40℃で15時間〜1ヶ月間
行う。充填は例えばスタッファー等により動物の腸等の
ケーシングに充填する。
乾燥は15〜80℃で30分間〜5日間行う。くん煙は15〜
140℃で30分間〜5日間行う。加熱は肉の中心温度60〜7
0℃に達するまで行う。
(2) ソーセージの製法 主原料である肉類をひき肉にした後、副原料及びエス
テル合成酵素源を添加し、塩漬し、以下、ロースハム、
ベーコンの製法と同様に行い製品を得る。肉類、副原料
としてはロースハム、ベーコン製造の場合と同様なもの
が用いられる。
また、発酵ソーセージを製造する場合は、前記ソーセ
ージの製法において、塩漬時にスターターとして微生物
を添加する。
微生物としては、ラクトバチルス(Lactobacillu
s)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ペデオコ
ッカス(Pediococcus)、デバリオマイセス(Debaryomy
ces)、ミクロコッカス(Micrococcus)、スタフィロコ
ッカス(Staphylococcus)、ペニシリウム(Penicilliu
m)属等に属する微生物があげられる。
6)乳製品の製法 代表例であるヨーグルト、チーズの製法について説明
する。
(1) ヨーグルトの製法 原料乳又は原料乳に安定剤を添加した混合物を加熱し
た後、これにエステル合成発酵源及びスターターとして
の微生物を添加し、発酵してヨーグルトを得る。
原料乳としては、牛、山羊、らくだ、ヤク、馬、ろ
ば、となかい等の哺乳動物のものが用いられる。その形
態としては、いずれの形態でもよく、例えば生乳、濃縮
物、乾燥物、脱脂乳等があげられる。
安定剤としては、キサンタンガム、寒天、ゼラチン、
ペクチン等が用いられる。
さらに必要により、甘味料(グルコース、サッカロー
ス等)、香料、色素等を添加してもよい。
加熱は60〜100℃で10分間〜1時間行われる。
スターターに用いる微生物としては、ストレプトコッ
カス(Strepto−coccus)、ラクトバチルス(Lacto−ba
cillus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)
属等に属する微生物があげられる。
発酵は20〜40℃で2〜10時間行われる。
(2) チーズの製法 原料乳に必要により水酸化カルシウムを添加し、カル
シウムを補強した後、加熱する。ついで、エステル合成
発酵源、微生物(スターター)を添加し発酵した後、さ
らにレンネットを添加し、原料乳を凝固する。その後、
細切、場合によって加熱、ホエー除去(水分除去)、型
詰め、圧搾整形して生チーズを得る。これに加塩、場合
によっては、カビ付けおよび食用チーズワックスで被覆
した後、熟成しチーズとする。又、こうして製造された
ナチュラルチーズを加熱融解、乳化、整形することによ
り、プロセスチーズを製造する。
原料乳としてはヨーグルトの製造のときと同様なもの
が用いられる。
微生物としてはストレプトコッカス(Streptococcu
s)、ロイコノストック(Leuconostoc)、ラクトバチル
ス(Lactobacillus)、ビフィドバクテリウム(Bifidob
acterium)、ペニシリウム(Penicillium)、キャンデ
ィダ(Candida)、デバリオマイセス(Debaryomyce
s)、ゲオトリカム(Geotrichum)属等に属する微生物
があげられる。
発酵は20〜40℃で2〜10時間行われる。
7)漬物の製法 漬物用原料を食塩、醤油、味噌、粕(酒粕、みりん粕
等)、麹、酢、糠(米糠、ふすま等)、からし、もろみ
(醤油、味噌もろみ等)等から成る漬床又は前記漬床の
原料にさらに糖(グルコース、シュークロース等)、有
機酸(クエン酸、コハク酸等)、アミノ酸(グルタミン
酸ソーダ等)、ビタミン類(ビタミンC、ビタミンB
2等)、みりん、焼酎、香辛料、香味料、着色料、甘味
料、保存料、増粘剤等を配合した調味液に、エステル合
成酵素源と共に漬込み、漬物を得る。漬込み中に微生物
が関与する。
さらに、漬床又は調味液に漬込んだ原料をそのままも
しくは水さらしなどによって塩抜き後、新しい漬床又は
調味液に漬けて二次加工(本漬)する場合もある。この
場合、原料に含まれる余分な水分を除く為にあらかじめ
塩漬することを下漬といい、同様に二次加工される。漬
物用原料としては、例えば、高菜、白菜、キャベツ、か
らし菜、らっきょう、とうがらし、にんにく、たけの
こ、ふき、わらび、ぜんまい、セロリー、たまねぎ、大
根、かぶ、しょうが、わさび、ごぼう、なす、きゅう
り、瓜、もやし、みょうが、きく、カリフラワー等の野
菜類、あんず、梅実等の果実類、こんぶ、わかめ等の海
草類、しいたけ、えのきだけ、しめじ、マッシュルーム
等のきのこ類等が例えば、生のままもしくは加熱、乾燥
したものとして用いられる。
微生物としては、ロイコノストック(Leuconosto
c)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ラクトバ
チルス(Lactobacillus)、ペデオコッカス(Pediococc
us)、サッカロマイセス(Saccharomyecs)、ザイゴサ
ッカロマイセス(Zygosaccharomyces)、トルロプシス
(Torulopisis)、ハンセヌラ(Hansenula)、フィチィ
ア(Pichia)、マイコデルマ(Mycoderma)、デバリオ
マイセス(Debaryomyces)、キャンディダ(Candid
a)、クロエッケラ(Kloeckera)属等に属するものがあ
げられる。
漬込みは、目的とする漬物の種類、原料処理、食塩濃
度、pH等によるが、例えば0〜40℃で1日間から12ヶ月
間行われる。
図面の簡単な説明 第1図は後記比較例の中種パン生地中の香気成分の分
析において、エステル合成酵素源添加の場合のガスクロ
マトグラフを示す。
第2図は後記比較例の中種パン生地中の香気成分の分
析において、エステル合成酵素源無添加の場合のガスク
ロマトグラフを示す。
符号の説明 1 二硫化炭素 2 酢酸エチル 3 エタノール 4 酪酸エチル 5 酢酸ブチル 6 ベンゼン 7 プロパノール 8 酢酸−2−メチルエチルエステル 9 吉草酸エチル 10 1−プロパノール−2−メチル 11 酢酸ペンチル 12 3−ペンテン−2−オン−4−メチル 13 2−ブテン−2−メチル 14 カプロン酸エチル 15 ヘキサノール 16 1−プロパノール−3−エトキシ 17 酢酸 発明を実施するための最良の形態 以下に実施例、比較例及び参考例を示す。
実施例1 食パンの製法 下記原料配合及び製造工程により食パンを製造した。
尚、実施例中の配合はパン製造に用いる全小麦粉を100
としたときの重量部で示す。
中種原料配合 小麦粉 70重量部 イースト 2 〃 イーストフード 0.1〃 水 42 〃 酵素源 第2表に示される (添加量:単位/小麦粉100重量部) 本捏原料配合 小麦粉 30重量部 砂糖 5 〃 塩 2 〃 ショートニング 5 〃 脱脂粉乳 2 〃 水 26 〃 製造工程 前記の中種原料及び酵素源を縦型ミキサー〔SS−151
型:関東混合機工業(株)製、以下同じ〕を用い低速
(30rpm;以下省略)で3分間、中速(60rpm;以下省略)
で1分間混捏した後、28℃で4時間中種発酵を行った。
このときの捏上温度は24℃であった。
中種発酵後の生地と本捏原料の中のショートニングを
除いた原料とを縦型ミキサーを用い低速で3分間、中速
で2分間混捏した。これにショートニングを添加した
後、低速で2分間、中速で3分間、高速(90rpm;以下省
略)で2分間混捏した。ついで、室温で20分間のフロア
タイムをとり、分割、丸めを行った後、室温で20分間
(ベンチタイム)放置し、ついでモルダーを用いて成型
した。38℃、相対湿度85%のホイロで50分間発酵した
後、220℃で28分間焼成し食パンを得た。
得られた食パンを室温で2時間放置した後、包装し、
さらに室温で20時間放置して冷却した後、専門パネラー
による官能検査を行い、食パンの品質を評価した。
その結果を第2表に示す。
表から明らかな如く、参考例1の酵素源をパン生地に
添加すると、パン中の好ましい香りであるエステル香が
増加し、かつ、ムレ臭が減少していた。酵素源の添加量
が0.02単位のパンが一番好まれた。
一方、市販のリパーゼMYを用いたパンは好ましい香り
であるエステル香は増加しておらず、またムレ臭は減少
していなかった。そして、このパンを好んだ人はいなか
った。
実施例2 食パンの製法 あらかじめ小麦粉、水、イースト及び酵素源〔参考例
1の豚肝臓由来の酵素源及びリパーゼLP〕を用い発酵物
をつくり、これをパン用発酵調味料としてパン製造に添
加したときの例を示す。尚、実施例中の配合はパン用発
酵調味料またはパン製造に用いる小麦粉を100としたと
きの重量部で示す。
パン用発酵調味料原料配合 小麦粉 100重量部 水 180 〃 イースト 2 〃 砂糖 10 〃 酵素源 第3表に示される (添加量:単位/小麦粉100重量部) 前記のパン用発酵調味料原料を30℃で24時間静置発酵
を行い、パン用発酵調味料として以下に示すパン製造の
添加物とした。
パン原料配合 小麦粉 100重量部 砂糖 5 〃 塩 2 〃 ショートニング 5 〃 脱脂粉乳 2 〃 イースト 3 〃 水 69 〃 パン用発酵調味料 10 〃 前記のパン原料を縦型ミキサーを用い低速で3分間、
中速で8分間、高速で6分間混捏した。その後、混捏物
を28℃で40分間発酵した。発酵物を分割、丸めた後、室
温で20分間(ベンチタイム)放置し、ついでモルダーを
用いて成型した。以下実施例1と同様にして食パンを得
た。食パンの官能検査を実施例1と同様に行い、その結
果を第3表に示す。
表から明らかな如く、参考例1の発酵源をパン生地に
添加すると、パン中の好ましい香りであるエステル香が
増加していた。酵素源の添加量が0.0002単位のパンが一
番好まれた。一方、市販のリパーゼLPを用いたパンは、
好ましい香りであるエステル香が増加していなかった。
そして、このパンを好んだ人はいなかった。
実施例3 食パンの製法 次の配合原料及び製造工程により食パンを製造した。
尚、実施例中の配合はパン製造に用いる全小麦粉を100
としたときの重量部で示す。
液種原料配合 小麦粉 30重量部 砂糖 2 〃 塩 1 〃 イースト 2 〃 水 50 〃 酵素源 第4表に示される (添加量:単位/小麦粉100重量部) 本捏原料配合 小麦粉 70重量部 砂糖 5 〃 塩 1 〃 ショートニング 5 〃 脱脂粉乳 2 〃 イースト 0.5 〃 水 20 〃 製造工程 前記の液種原料を混合した後、30℃で2.5時間発酵し
た。この発酵物全量と本捏原料の中のショートニングを
除いた原料とを縦型ミキサーを用い低速で3分間、中速
で2分間混捏した。これにショートニングを添加した
後、低速で2分間、中速で3分間、高速で5分間混捏し
た。以下、実施例1と同様にして食パンを得、官能検査
を実施し、第4表に示す結果を得た。
表から明らかな如く、参考例2の酵素源をパン生地に
添加すると、パン中の好ましいエステル香が増加し、か
つ好ましくないムレ臭が減少していた。一方、市販のリ
パーゼPを用いたパンは好ましいエステル香は増加して
おらず、また好ましくないムレ臭は減少していなかっ
た。参考例2の酵素源を添加したパンの方がリパーゼP
を添加したものより好まれた。
比較例 中種パン生地中の香気成分の分析を行った。
中種生地原料配合 小麦粉 131g イースト 3.8g 水 78.8ml 参考例1の酵素源(添加量:0.02 単位/小麦粉100
g) 上記中種生地原料を縦型ミキサーを用い低速で3分
間、中速で1分間混捏した。これを2リットルの容器に
入れた後、30℃で保温した。発酵開始と同時に容器の一
方より毎分500mlの窒素ガスを17時間流し、容器の出口
に吸着剤〔TENAX GC:ガスクロ工業(株)〕0.05gを詰
めたガラス管を装着して、フレーバー成分を吸着した。
吸着終了後、TENAX GCの詰まったガラス管部分を取り
外し、ヘッドスペース分析用のバイアルびん(10ml容)
に入れ、150℃で10分間加熱することにより得たヘッド
スペース成分をガスクロマトグラフィー/質量分析器
(GC−MS)で分析した。そのガスクロマトグラフを第1
図に示す。
また、対照として酵素源無添加の場合のガスクロマト
グラフィーを第2図に示す。
分析条件: 分析機器:HP5971A,19395A(ヒューレットパッカード
社) カラム:DB−WAX(Polyethylene Glycol 20M)長さ30m,
内径0.25mm,膜厚0.25μm(J & W社) キャリアガス:He 流速1ml/min 試料注入量:1ml(スプリット比1:10) オーブン温度:38℃ 4分→2℃/minで60℃まで昇温→
5℃/minで150℃まで昇温 注入口温度:150℃ インターフェース温度:250℃ 検出
器:イオン化法:EIイオン化電圧:70eV 第1及び2図から明らかな如く、参考例1の酵素源を
添加した中種生地は酵素源を添加しないものに比較して
酪酸エチル、酢酸ブチル、吉草酸エチル、酢酸ペンチ
ル、カプロン酸エチル等のエステル類が多量に検出さ
れ、酵素源からパン生地中の各種エステル類の合成に関
与していることが認められた。
実施例4 味噌の製法 大豆を洗浄後、3倍の水に一晩浸漬した。この大豆の
蒸気圧0.5kg/cm2下において60分間蒸煮した後、35℃に
冷却し、1.9mm網目のチョッパーを用いて押し出した。
別に、精白した米を17時間水に浸漬し、水を除いた後、
無圧で50分間蒸した。品温35℃くらいのときに味噌用種
麹〔アスペルギルス オリゼー(Aspergillus oryzae
(秋田今野商店)〕を加え、35℃麹室にて42時間目に1
回の切り返し48時間発酵し米麹を得た。先の蒸し大豆6k
g、米麹2kg、食塩1.36kg及び水600mlを混合し、35℃で3
0日間発酵し発酵物を得た。この発酵物1kgに対し第5表
に示される発酵源を添加混合した後、さらに35℃で3日
間発酵して味噌を得た。また、酵素源を添加しないもの
を同様に35℃で3日間発酵し酵素源無添加味噌を得た。
尚、酵素源は35℃で30日間発酵した発酵物1kgに対し、
豚肝臓酵素源各々0.01、0.1、1及び10単位、リパーゼM
Y0.01及び10単位添加した。
得られた味噌については、それぞれ1.5gを150mlの湯
水(80℃)に溶解し専門パネラーによる官能検査を行
い、品質を評価した。その結果を第5表に示す。
表から明らかな如く、参考例1の酵素源を添加した味
噌は、味噌中の好ましい香りであるエステル香が増加
し、穀物臭が減少していた。一方、市販のリパーゼMYを
添加した味噌は、好ましい香りであるエステル香は減少
しており、逆に好ましくないワックス臭が発生してい
た。そしてこのリパーゼMYを添加した味噌を好んだパネ
ラーはいなかった。
実施例5 醤油の製法 小麦5kgを回転円筒式加熱機にて表面に焦げ目の付く
程度炒た後、小麦割砕機にて割砕した。別に、5kgの脱
脂大豆を熱湯で120%まで散水後、蒸気圧1kg/cm2におい
て40分間蒸煮した。この蒸煮した大豆と先の割砕小麦を
混合した。この混合物の温度が40℃に下ったとき、醤油
用種麹〔アスペルギルス オリゼー(菱六)〕を加え、
通風式製麹機にて27℃で45時間培養して麹を調製した。
この麹に、水17.3リットルに食塩3kgを溶解して作った
食塩水を加え、18℃で5ヶ月間発酵させたモロミを得
た。ついでこのモロミを棒締式圧搾機にて搾汁して生醤
油を得た。この生醤油1kgに対し第6表に示される酵素
源を添加混合した後、さらに18℃で3日間発酵し醤油を
得た。また、酵素源を添加しないものを同様に18℃で、
3日間発酵し、酵素源無添加醤油を得た。尚、酵素源は
18℃で5ヶ月間発酵した醤油1kgに対し、牛肝臓酵素源
各々0.05、0.5、1単位、リパーゼLP0.05及び1単位添
加した。
得られた醤油については、それぞれ1.5gを150mlの湯
水(80℃)に混合し専門パネラーによる官能検査を行
い、品質を評価した。その結果を第6表に示す。
表から明らかな如く、参考例3の酵素源を添加した醤
油は、醤油の好ましい香りであるエステル香が増加して
いた。一方、市販のリパーゼLPを添加した醤油は、好ま
しい香りであるエステル香は減少しており、逆に好まし
くないワックス臭が発生していた。そしてこのリパーゼ
LPを添加した醤油を好んだパネラーはいなかった。
実施例6 清酒の製造 汲水200mlの麹米*460g、酒母*51ml及び95%乳酸
0.9mlを分散混合した後、15℃で4時間放置した。これ
に蒸米120gを添加混合(添え仕込)し、15℃で2日間発
酵した。その後、麹米70g、蒸米250g及び汲水420mlを添
加(仲仕込)し、さらに15℃で1日間発酵した。最後に
麹米70g、蒸米430g及び汲水680mlを添加混合(留め仕
込)した後、さらに15℃で12日間発酵した。
留め仕込時に酵素源(参考例1の豚肝臓酵素源又はリ
パーゼMY)を添加し、無添加品と比較した。酵素源添加
量は、モロミ1kgに対し豚肝臓酵素源0.05、0.5、5、10
単位、リパーゼMY0.05及び10単位である。
(注) *4 麹菌は清酒用麹菌(アスペルギルス・オリゼー)
を使用した。
*5 日本醸造協会清酒用9号酵母をYPD培地(酵母エ
キス1%、ポリペプトン1%、グルコース2%)にて、
30℃で2日間培養した培養物を7000Gで3分間遠心分離
した後、上清を除いて得た酒母。
発酵後のモロミを圧搾機にかけ上槽した後、官能検査
を行い、品質を評価した。その結果を第7表に示す。
表から明らかな如く、参考例1の酵素源を清酒に添加
すると、酵素源の添加量が多くなるに従い、好ましい香
りであるエステル香が増加していた。一方、リパーゼMY
を添加した清酒にエステル香は増加しておらず、味及び
香りの改良はできなかった。
実施例7 焼酎の製法 汲水400mlの酒母*750ml及び米麹*8280gを分散さ
せ(1次仕込)、20℃で6日間発酵した。次に大麦560g
及び汲水800mlを添加し(2次仕込)、さらに20℃で10
日間発酵した。
2次仕込時に酵素源(参考例2の豚腎臓酵素源又はリ
パーゼLP)を添加し、無添加品と比較した。
酵素源添加量はモロミ1kgに対し豚腎臓酵素源各々0.0
1、0.1、1、10単位、リパーゼLP0.01及び10単位であ
る。
(注)*7 日本醸造協会焼酎用2号酵母をYPD培地に
て30℃で24時間培養した培養液を5℃で15時間自然沈降
させた後、上層液を取り除いて得た酒母。
*8 麹菌は焼酎用麹菌(アスペルギルス・オリ
ゼー)を使用した。
発酵後のモロミを60℃で減圧蒸留した後、5℃で4日
間放冷し、発生した油分をろ過したものを官能検査に供
した。
その結果を第8表に示す。
表から明らかな如く、参考例2の酵素源を焼酎に添加
すると、酵素源の添加量が多くなるに従いエステル香が
強くなることがわかった。一方、リパーゼLPを添加した
焼酎はエステル香が増加しておらず、味及び香りの改良
はできなかった。
実施例8 白ワインの製法 ブドウ果汁(ヴェルデレ)1kgにワイン酵母(日本醸
造協会OC−2)を添加し(果汁1kg当り5千万個の酵母
菌体を添加)、20℃で14日間発酵した。ワイン酵母仕込
時に発酵源(参考例2の豚腎臓酵素源又はリパーゼLP)
を添加し酵素源無添加品と比較した。
酵素源添加量はモロミ1kgに対し豚腎臓酵素源各々0.
1、1、10単位、リパーゼLP0.1及び10単位である。
発酵終了後のワインの官能検査を行い、品質を評価し
た。その結果を第9表に示す。
表から明らかな如く、参考例2の酵素源をワインに添
加すると、酵素源の添加量が多くなるに従いエステル香
が強くなることがわかった。
一方、リパーゼLPを添加したワインはエステル香が増
加しておらず、味及び香りの改良はできなかった。
実施例9 清酒風調味料(アルコール含有調味料)の製
法 汲水380mlに麹米*4150g、酒母*51.5ml及び95%乳
酸1.9mlを添加混合した後、20℃で4時間放置した。こ
れに蒸米180gを添加混合(1次仕込)し、20℃で6日間
発酵した。その後、麹米210g、蒸米500g及び汲水1280ml
を添加(2次仕込)し、さらに20℃で7日間発酵した。
8日目に65gの食塩を添加する不可飲処置を行った。
2次仕込時に酵素源(参考例1の豚肝臓酵素源または
リパーゼMY)を添加し、酵素源無添加品と比較した。
酵素源添加量はモロミ1kgに対し豚肝臓酵素源各々0.0
1、0.1、10単位、リパーゼMY0.01及び10単位である。
(注)*4、*5:実施例6と同じ 不可飲処置後のモロミは、圧搾濾過によって不溶性成
分を除去した後、官能検査により品質を評価した。その
検査結果を第10表に示す。
表から明らかな如く、参考例1の酵素源を添加する
と、酵素源の添加量が多くなるに従い、エステル香が強
くなり、香り豊かな製品が得られた。一方、リパーゼNY
を添加した製品にエステル香が増加しておらず、香りの
改良はできなかった。
実施例10 みりん(アルコール含有調味料)の製法 精白歩合85%のもち米を水に5時間浸した後、蒸気圧
1.2kg/cm2で30分間蒸煮した。蒸しあがったもち米(蒸
米)260gと麹米*938gを混合した後、調味液*10400ml
を添加し、30℃で30日間糖化熟成した。
調味液添加時に酵素源(参考例3の牛肝臓酵素源また
はリパーゼP)を添加し、無添加品と比較した。酵素源
添加量はモロミ1kgに対し牛肝臓酵素源各々0.005、0.0
5、5単位、リパーゼP 0.005及び5単位である。
(注)*9 麹菌は清酒用麹菌(アスペルギルス・オリ
ゼー)を使用した。
*10 グルコース4%、95%エタノール17%、90
%乳酸0.07%及び水78.93%を混合したもの。
糖化、熟成終了後のモロミを遠心分離(7,000×g、2
0分間)することにより、かすを取り除いた後、官能検
査に用いた。その結果を第11表に示す。
表から明らかな如く、参考例3の酵素源をみりんに添
加すると、酵素源の添加量が多くなるに従い、好ましい
香りであるエステル香が増加し、麹臭が減少していた。
一方、リパーゼPを添加したみりんはエステル香が増加
しておらず、麹臭の減少も認められなかった。そして味
および香りの改良はできなかった。
実施例11 清酒の製造 汲水200mlに麹米60g、酒母1ml及び95%乳酸0.9mlを混
合した後、15℃で4時間放置した。これに蒸米120gを添
加混合(添え仕込)し、15℃で2日間発酵した。その
後、麹米70g、蒸米250g及び汲水420mlを添加(仲仕込)
し、さらに15℃で1日間発酵した。最後に麹米70g、蒸
米430g及び汲水680mlを添加混合(留め仕込)した後、
さらに15℃で12日間発酵した。
留め仕込時に酵素源(参考例1の豚肝臓酵素源又は参
考例36の豚肝臓酵素源)を添加した。酵素源添加量は、
モロミ1kgに対し参考例1の豚肝臓酵素源は0.43単位、
参考例36の豚肝臓酵素源は0.10単位である。発酵後のモ
ロミは圧搾機にかけ上槽した後、官能検査を行い、品質
を評価した。
その結果を第12表に示す。
実施例12 ロースハムの製法 豚ロース肉を1片の大きさが1kgになる様に整形、切
断した後、これに、第13表に示す組成からなる塩漬剤10
0gを注射器で注入した。
これをマッサージング装置にかけ、注入した塩漬剤を
肉中に分散(15℃、20分間)させた後、5℃で4日間塩
漬した。塩漬終了後の肉をケーシングに詰め、成形した
後、50℃で40分間乾燥した。
これを60℃で40分間桜の木片を用いてくん煙した後、
肉の中心温度が70℃になるよう加熱した。得られたロー
スハムを、氷水中で冷却後、5℃で2日間放置した。
塩漬剤添加時に酵素源(参考例1の豚肝臓由来酵素源
又はリパーゼMY)を添加し、無添加品と比較した。酵素
源添加量は、豚ロース肉1kgに対し豚肝臓由来酵素源0.0
1、0.1、1、10単位、リパーゼMY0.01、10単位とする。
結果を第14表に示す。
表から明らかな如く、参考例1の酵素源を添加したロ
ースハムは、香り及び味が良くなっていた。
一方、リパーゼMYを添加したロースハムは、香り及び
味が改良されていなかった。
実施例13 ソーセージの製法 牛背肉8.5kg及び豚背脂肪1.5kgを5mm網目のプレート
付チョッパーでひき肉とした。このひき肉に、第15表に
示す組成からなる塩漬剤(393g)を添加し、混合し、2
℃で24時間放置した。これを再度5mm網目のプレート付
チョッパーでひいた後、牛結腸に7cmの長さになる様に
充填した。ついで充填したソーセージを20℃で24時間、
表面を乾燥した後、40℃(相対湿度58%)で10時間、桜
の木片を用いてくん煙した。くん煙終了後、ソーセージ
の中心温度が65℃に達するまで加熱した。出来上がった
ソーセージを氷水中で冷却後、5℃で1日放置した。
塩漬剤添加時に酵素源(参考例2の豚腎臓由来酵素源
又はリパーゼP)を添加し、無添加品と比較した。酵素
源添加量は、ひき肉1kgに対して豚腎臓由来酵素源0.1、
1、10単位、リパーゼP0.1、10単位である。
結果を第16表に示す。
表から明らかな如く、参考例2の酵素源を添加したソ
ーセージは、香り及び味が良くなっていた。一方、リパ
ーゼPを添加したソーセージは、香り及び味が改良され
ていなかった。
実施例14 ソーセージの製法 牛背肉8.5kg及び豚背脂肪1.5kgを5mm網目のプレート
付チョッパーでひき肉とした。このひき肉に、実施例12
で用いたのと同じ塩漬剤(393g)を添加し混合した。こ
れに、ダイバーステックHP(乳酸菌スターターカルチャ
ー:ダイバー・ステック社)1.2gを水18.8gに溶解した
ものを混合した後、2℃で24時間放置した。これを再度
5mm網目のプレート付チョッパーでひいた後、牛結腸に7
cmの長さになる様に充填した。
充填の終了したソーセージを20℃で24時間、表面乾燥
した後、40℃(相対湿度58%)で10時間、桜の木片を用
いてくん煙した。くん煙終了後、ソーセージの中心温度
が65℃に達するまで加熱した。出来上がったソーセージ
を、氷水中で冷却後、5℃で1日間放置した。塩漬剤添
加時に酵素源(参考例2の豚腎臓由来酵素源、又はリパ
ーゼP)を添加し無添加品と比較した。酵素源添加量
は、ひき肉1kgに対して豚腎臓由来酵素源0.1単位、リパ
ーゼP0.1単位である。
結果を第17表に示す。
表から明らかな如く、参考例2の豚腎臓酵素源を添加
したソーセージは酸味が減少し、かつ味及び香りも良く
なっていた。一方、リパーゼPを添加したものではこの
様な効果は認められなかった。
実施例15 ヨーグルトの製法 牛乳(無脂乳固形分8.5%、乳脂肪3.6%)1kgに粉乳5
0gを混合した後、80℃で30分間加熱した。加熱した原料
乳を直ちに30℃冷却し、この温度で保温した。一方、殺
菌した10%脱脂粉乳培地にヨーグルト用種菌〔Yoghurt
CH1、クリスチャン・ハンセン社〕を添加し、37℃で20
時間培養した。得られた培養物を殺菌した10%脱脂粉乳
培地に添加し、37℃で20時間培養した(培養操作Aと称
す)。この培養操作Aをあと3回繰り返して、培養物
(スターター)50gを得た。前記原料乳1kgに得られたス
ターター50gを添加し、30℃で6時間発酵しヨーグルト
を得た。
スターター添加時に酵素源(参考例1の豚肝臓由来酵
素源又はリパーゼMY)を添加し無添加と比較した。酵素
源添加量は、原料乳1kgに対し豚肝臓由来酵素源0.000
1、0.001、0.1単位、リパーゼMY0.0001、0.1単位であ
る。
結果を第18表に示す。
表から明らかな如く、参考例1の豚肝臓由来酵素源を
添加したヨーグルトは酸味が減少し、香りが良くなって
いた。一方、リパーゼMYを添加したものはこの様な効果
は認められなかった。
実施例16 チーズの製法 実施例15で用いた牛乳1kgを63℃で30分間加熱した
後、直ちに30℃に冷却し、この温度で保温した。一方、
殺菌した10%脱脂粉乳培地にチーズ用種菌(CH−Normal
01クリスチャン・ハンセン社)を添加し、37℃で20時
間培養した。得られた培養物を殺菌した10%脱脂粉乳培
地に添加し、37℃で20時間培養した(培養操作Bと称
す)。この培養操作Bをあと3回繰返して、培養物(ス
ターター)50gを得た。前記原料乳1kgにスターター20g
を添加し、30℃で2時間発酵した(このときの酸度は0.
2であった)。これに、原料乳1kgに対し2gの水に溶解し
たレンネット(クリスチャン・ハンセン社)0.03gを添
加し、攪拌した後30℃で40分間放置した。原料乳が凝固
していることを確認した後、0.8cm間隔に凝固乳(カー
ド)を細切した。品温が40℃になるまでゆるやかに混合
した後、カードをすくい取り、型(モールド)に詰め
た。このモールドをプレス式圧搾機にかけ、15℃で12時
間放置して出来た生チーズ100gに食塩2.0gをまぶし表面
が乾燥するまで放置した(15℃、24時間)。これをチー
ズワックス(クリスチャン・ハンセン社、167B赤)で被
覆した後、温度15℃、湿度85%で3ヶ月間熟成した。
スターター添加時に酵素源(参考例2の豚腎臓由来酵
素源又はリパーゼP)を添加し無添加と比較した。酵素
源添加量は、原料乳1kgに対して豚腎臓由来酵素源0.00
5、0.05、1単位、リパーゼP0.005、1単位とする。
結果を第19表に示す。
表から明らかな如く、参考例2の豚腎臓由来酵素源を
添加したチーズは酸味が減少し香り及び味も良くなって
いた。一方、リパーゼPを添加したものはこの様な効果
は認められなかった。
実施例17 麹漬の製法 米麹2kg、食塩70g及び水1kgを混合したものの1kgを麹
床とし、これに2%食塩(%は対使用する野菜の重量に
対する%、以下同じ)で5℃、3日間下漬した大根400g
を入れ、5℃で10日間漬込んだ。
漬込み時に酵素源(参考例1の豚肝臓由来の酵素源又
はリパーゼMY)を添加し無添加品と比較した。酵素源添
加量は、麹床1kgに対し豚肝臓由来の酵素源0.01、0.1、
1単位、リパーゼMY0.01、1単位である。
漬け上がった麹漬を、床より取り出し、付着している
麹床をガーゼで拭き取った後、官能検査を行い品質を評
価した。その結果を第20表に示す。
表から明らかな如く、参考例1の酵素源を添加した麹
漬は、エステル香が増加し、麹臭が減少しており、かつ
香り及び味が良くなっていた。また、野菜(大根)の青
臭さが減少していた。一方、市販のリパーゼMYを添加し
た麹漬は、エステル香が減少しており、また、味及び香
りも改良されていなかった。
実施例18 粕漬の製法 酒粕1.2kg、焼酎(アルコール35度)60ml及び食塩24g
を混合したものの1kgを30℃で2週間熟成した粕床とし
た。これに、15%食塩で10℃、3ヶ月間下漬した白瓜を
流水中で1晩塩抜きしたもの400gを入れ、10℃で20日間
漬込んだ。漬け上がった瓜は、粕をよく取り除いた後、
30℃で1ヶ月間熟成した同配合の粕床に漬け換えさらに
10℃で20日間漬込んだ。
2度目の漬込み時に酵素源(参考例2の豚腎臓由来酵
素源又はリパーゼLP)を添加し無添加品と比較した。酵
素源添加量は、漬け床1kgに対し豚腎臓由来酵素源0.000
5、0.005、0.05、1単位、リパーゼLP0.0005、1単位と
する。
漬け上がった粕漬を、床より取り出し、付着している
粕床をガーゼで拭き取った後、官能検査を行い品質を評
価した。その結果を第21表に示す。
表から明らかな如く、参考例2の酵素源を添加した粕
漬は、エステル香が増加しており、かつ香り及び味が良
くなっていた。一方、市販のリパーゼLPを添加した粕漬
は、エステル香が減少しており、また、味及び香りが改
良されていなかった。
実施例19 糠漬の製法 米糠1kgをきつね色になるまで煎った後、室温まで冷
却し、ついでこれに米糠500gを混合した。さらに食塩43
0g、水1.5kgを混合し、これにきゅうり200gを漬込ん
だ。1日に1回の十分な攪拌を行い、2日毎にきゅうり
を全て取り出し、新しいきゅうり200gを漬込んだ。20℃
で2ヶ月間この操作を繰り返し、熟成糠床を得た。この
熟成糠床をよく攪拌し、床中に残っていた野菜を取り除
いた後、新たに300gのきゅうりを入れ、20℃で1日間漬
込んだ。きゅうりを熟成糠床に漬込む時に、酵素源(参
考例1の豚肝臓酵素源又はリパーゼLP)を漬床に添加
し、無添加品と比較した。酵素源添加量は、熟成糠床1k
gに対し豚肝臓由来酵素源0.005、0.005、0.5、5単位、
リパーゼLP0.005、5単位とする。
漬上がった糠漬を、床より取り出し、付着している糠
床をガーゼで拭き取った後、官能検査を行い品質を評価
した。その結果を第22表に示す。
表から明らかな如く、参考例1の酵素源を添加した糠
漬は、エステル香が増加すると同時にきゅうりの青臭さ
が減少していた。また、香り及び味も良くなっていた。
一方、市販のリパーゼLPを添加した糠漬はエステル香が
減少しており、野菜の青臭さ、香り及び味は改良されて
いなかった。
実施例20 酢漬の製法 食酢360ml、食塩80g、砂糖800g、みりん20ml、クエン
酸4g、コハク酸0.4g、グルタミン酸ソーダ30g、ソルビ
ン酸カリウム10gを水1に溶解後、全量が2に成る
よう水で調整し、酢床とした。しょうがを千切りし、3
%食塩で5℃、7日間下漬した。このしょうが2.2kgを
酢床に入れ、5℃で2日間漬込んだ。
しょうが漬込み時に酵素源(参考例3の牛肝臓由来酵
素源又はリパーゼP)を添加し無添加品と比較した。酵
素源添加量は、酢床1kgに対し牛肝臓由来酵素源0.000
5、0.005、0.05、1単位、リパーゼP0.0005、1単位と
する。
漬け上がったしょうがを、床より取り出し、官能検査
を行い品質を評価した。その結果を第23表に示す。
表から明らかな如く、参考例3の酵素源を添加した酢
漬は、エステル香が増加していると同時に酸味が減少し
ていた。また、香り及び味も良くなっていた。一方、市
販のリパーゼPを添加した酢漬は、エステル香が増加し
ておらず、また、酸味、香り及び味も改良されていなか
った。
実施例21 味噌漬の製法 味噌1kg、みりん400ml、砂糖50gを混合して味噌床を
調製した。これに2%食塩で5℃、10日間、下漬したき
ゅうり1.2kgを入れ20℃で5日間漬込んだ。
漬込み時に酵素源(参考例1の豚肝臓由来酵素源又は
リパーゼMY)を添加し無添加品と比較した。酵素源添加
量は、味噌床1kgに対し豚肝臓由来酵素源0.005、0.05、
0.5、5単位、リパーゼMY0.005、5単位とする。漬上が
った味噌漬は、床より取り出し、付着している味噌床を
ガーゼで拭き取った後、官能検査を行い品質を評価し
た。その結果を第24表に示す。
表から明らかな如く、参考例1の酵素源を添加した味
噌漬は、エステル香が増加しており、香り及び味も良く
なってきた。一方、市販のリパーゼMYを添加した味噌床
は、エステル香は認められず、香り及び味は悪くなって
いた。
実施例22 キムチの製法 キムチの配合は第25表の如く行った。
工程) 白玉粉を水に分散後、加熱溶解した。とうがらしは細
切りし、にんにく、しょうがはすりおろした。白菜は1
枚ずつ葉をはずし3%食塩を添加し、同量の重石下、5
℃で3日間下漬した。にんにく、とうがらし、砂糖、食
塩、塩辛を室温まで冷やした白玉粉液中で混合した後、
下漬した白菜のあいだに塩と一緒に均等になる様はさ
み、10℃で3週間漬込んだ。
漬込み時に酵素源(参考例4の牛腎臓由来酵素源又は
リパーゼP)を添加し無添加品と比較した。酵素源添加
量は、漬込み原料1kgに対し牛腎臓由来酵素源0.005、0.
05、0.5、5単位、リパーゼP0.005、5単位とする。漬
上がったキムチは、軽く水を切った後、官能検査を行い
品質を評価した。その結果を第26表に示す。
表から明らかな如く、参考例4の酵素源を添加したキ
ムチは、にんにく臭が弱くなっており、かつ、香り及び
味も酵素源の添加量が多くなるにつれて良くなってい
た。一方、市販のリパーゼPを添加したキムチは、にん
にく臭、味及び香りは改良されていなかった。
実施例23 サワークラウトの製法 1枚ずつ葉をはずし水洗した生キャベツを、日陰の風
通しのよい所で10日間乾燥させた。
しおらせたキャベツを細切りにし、2%の食塩(対乾
燥キャベツ)をまぶした後、キャベツと同量の重石を
し、15℃で30日漬込んだ。漬込み時に酵素源(参考例1
の豚肝臓酵素源又はリパーゼMY)を添加し無添加品と比
較した。酵素源添加量は、原料1kg対し豚肝臓酵素源0.0
05、0.05、0.5、5単位、リパーゼMY0.005、5単位とす
る。
漬上がったサワークラウトは、軽く水を切った後、官
能検査を行い品質を評価した。その結果を第27表に示
す。
表から明らかな如く、参考例1の酵素源を添加したサ
ワークロウトは、エステル香が増加すると同時に酸味が
減少していた。また、香り及び味が良くなっていた。一
方、市販のリパーゼMYを添加したサワークラウトはエス
テル香が減少しており、香り及び味は改良されていなか
った。
参考例1 豚肝臓1kgを肉挽器でミンチした後、0.25M蔗糖を含む
0.02Mリン酸緩衝液(pH6.5)3000mlを加え混合した後、
遠心分離(1000×g、30分間)した。上清液を2N酢酸で
pH5.3に調整し、4℃で10時間放置した後、ふたたび遠
心分離(10000×g、30分間)して沈澱物を得た。沈澱
物に冷アセトン(−20℃)1000mlを添加して攪拌後、吸
引濾過(東洋濾紙NO.2使用)した。このアセトンによる
脱脂操作を同様に3回繰り返した後、得た残渣を20℃の
真空乾燥機中で乾燥し、残留アセトンを除去した。この
乾燥物に0.05Mリン酸緩衝液(pH6.7)1000mlを添加し、
4℃で10時間攪拌した後、遠心分離(10000×g、30分
間)し上清液を得た。これに硫酸アンモニウムを50%飽
和になるよう添加した後、4℃で5時間放置した。この
液を遠心分離(10000×g、30分間)し、沈澱物を除い
た後、70%飽和になるよう硫酸アンモニウムを添加混合
し、4℃、5時間放置した。この液を遠心分離(10000
×g、30分間)して得た沈澱物を3.2Mの硫酸アンモニウ
ムで全量100mlとし、豚肝臓由来の酵素源液とした。こ
のときの豚肝臓由来の酵素源のエステル合成活性は0.37
単位/mg蛋白(反応系のエタノール濃度0.5%)であっ
た。
参考例2〜5 参考例1において豚肝臓の代わりに、豚腎臓、牛肝
臓、牛腎臓又は牛心臓を用いる以外は参考例1と同様に
して、第28表に示すエステル合成活性(反応系のエタノ
ール濃度0.5%)を有する臓器抽出酵素源を得た。
参考例6 焼酎用酵母(日本醸造協会)を10mlのYM培地(組成:
グルコース10g、ペプトン5g、イーストエキス3g、マル
トエキス3g、蒸留水1リットル:120℃で20分間オートク
レーブにて滅菌処理したもの)で30℃で24時間培養し
た。この培養液をさらに1リットルのYM培地に移し、30
℃で24時間培養した。
得られた培養液を遠心分離(10,000×g、30分間)
し、菌体(沈澱物)と上清液Aとに別けた。得られた菌
体を滅菌処理ずみ蒸留水200mlに添加し、混合した後、
遠心分離(10,000×g、30分間)して生じた上清液を捨
てた。この操作を再度行い菌体を洗浄した。洗浄した菌
体に50mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH6)を添加し、ホモジ
ナイザー(B.Braun社)で菌体を磨砕した。0.2μmメン
ブレンフィルター(東洋濾紙)で濾過することにより、
磨砕できなかった菌体を取り除いた液に、70%飽和にな
る様に硫酸アンモニウムを添加し混合した後、4℃で5
時間放置した。この液を遠心分離(10,000×g、30分
間)して得た沈澱物を3.2Mの硫酸アンモニウムで全量5m
lとし菌体からの酵素源液とした。
また、得られた上清液Aを0.2μmのメンブレンフィ
ルターで濾過することにより遠心分離で除去できなかっ
た菌体を取り除いた後、70%飽和になる様に硫酸アンモ
ニウムを添加し混合した後、4℃で5時間放置した。こ
の液を遠心分離(10,000×g、30分間)して得た沈澱物
を3.2Mの硫酸アンモニウムで全量5mlとし上清液Aから
の酵素源液とした。
参考例7〜12 参考例6において焼酎用酵母の代わりに味噌酵母(日
本醸造協会)、醤油酵母(日本醸造協会)、パン酵母
(ダイヤイースト)、清酒酵母(日本醸造協会7号)、
清酒酵母(日本醸造協会9号)又はワイン酵母(日本醸
造協会OCNo.2)を用いる以外は参考例6と同様にして菌
体及び上清液Aから酵素源液を得た。
参考例13〜16 アスペルギルス・オリーゼIFO 30104、アスペルギル
ス・アワモリIFO 4033、アスペルギルス・ソーヤATCC1
6320又はボトリティス・キネレアIFO 5881を10mlのYM
培地を用い30℃で24時間培養した。この培養液をさらに
1リットルのYM培地に移し、30℃で72時間培養した。得
られた培養液を遠心分離(10,000×g、30分間)し、菌
体(沈澱物)と上清液Bとにわけた。以下、参考例6と
同様にして菌体及び上清液Bからの酵素源液を得た。
参考例17〜22 ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシズ・ラクチ
スATCC15346、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピー
シズ・ラクチスIFO 3434、ラクトコッカス・ラクチス
・サブスピーシズ・クレモリスAHU1175、ラクトバチル
ス・プランタラムATCC21028、ラクトバチルス・カゼイ
ンIFO 3425又はラクトバチルス・スピーシズIFO 3914
を一般乳酸菌接種用培地100mlで30℃、24時間培養し
た。培養液をさらに一般乳酸菌接種用培地1リットルに
移し、30℃で24時間培養した。得られた培養液を遠心分
離(10,000×g、30分間)し、菌体(沈澱物)と上清液
Cとに分けた。以下、参考例6と同様にして菌体及び上
清液Cからの酵素原液を得た。
参考例23〜35 リパーゼM、リパーゼF、リパーゼA、リパーゼP、
リパーゼMY、リパーゼAu、リパーゼLP、PalataseM、ニ
ューラーゼF、タリパーゼ、PANCREATICリパーゼ250、
リパーゼ400又はリパーゼ600を0.1Mリン酸緩衝液(pH
6)に溶解した後、遠心分離(10,000×g、30分間)し
た。得られた液を0.2μmメンブレンフィルターで濾過
した。この液を酵素源液として用いた。
参考例36 参考例1で得られた酵素源を以下の様な方法でさらに
精製した。
参考例1で得られた酵素源液350mlに脱イオン水3,150
mlを加え、充分に攪拌した。この酵素源液を湯煎で、攪
拌しながら50℃になるまで加熱し、50℃に達したところ
で、1時間保持した。その後、すぐに氷水中で冷却し、
遠心分離した(10,000×g、30分間)。加熱中に凝集し
た不溶物はこの遠心分離によって沈澱した。得られた上
澄に70%飽和になるように硫安を加え、充分に溶解させ
て4℃で4時間放置した。さらに、遠心分離(10,000×
g、30分間)によって酵素源を沈澱物として回収し、3.
2M硫安懸濁物として4℃で保存した。
この酵素源液4mlに食塩0.1Mを含む100mMホウ酸バッフ
ァー(pH8.0)を加え、同じ100mMホウ酸バッファーで平
衡化したSephacryl S−300HR(Pharmacia社)を用いた
ゲル濾過クロマトグラフィーに供した。カラムは内径26
mm、長さ80cmのものを用い、流速5ml/minで行った。得
られた活性画分を集め、再び70%飽和硫安溶液とし、遠
心分離した(10,000×g、30分間)。
次に、この酵素源液10mlを50mMトリス塩酸バッファー
(pH8.0)に対して15時間透析した。得られた脱塩酵素
源液をおなじトリス塩酸バッファーで平衡化したDEAE S
epharose Fast Flow(Pharmacia社)に供し、0−250mM
のNaClグラジエントで溶出させた。得られた活性画分を
集め、70%飽和硫安溶液として遠心分離(10,000×g、
30分間)した後、3.2M硫安懸濁液(タンパク含量12.3mg
/ml)として4℃で保存した。得られた酵素源の比活性
は、1.59単位/mg蛋白(反応系のエタノール濃度0.5%)
であり、該酵素源は4から12%濃度のポリアクリルアマ
イドゲル電気泳動で分子量約18万に単一バンドを示し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/234 A23L 1/28 - 1/30

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動物由来のエステル合成活性を有する酵素
    もしくはその含有物であって、0.5%(w/w)エタノール
    及び水酸化ナトリウムにてpHを6に調整した2.6%(w/
    w)酪酸を含有する0.1Mリン酸緩衝液(pH6)からなる基
    質液1.9mlに該酵素もしくはその含有物から調製した酵
    素源液0.1mlを添加し混合した後、該混合液を30℃で10
    分間酵素反応させたときの酪酸エチルのエステル合成活
    性が0.1(単位/mg蛋白)以上である酵素もしくはその含
    有物(以下エステル合成酵素源という)を飲食品の製造
    中に存在させることを特徴とする飲食品に香りを付与す
    る方法。
  2. 【請求項2】当該飲食品の製造工程に発酵工程が含ま
    れ、該発酵工程にエステル合成酵素源が添加される請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】発酵が酵母の発酵である請求項2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】発酵が乳酸菌の発酵である請求項2記載の
    方法。
  5. 【請求項5】飲食品の製造工程中に請求項1記載のエス
    テル合成発酵源を存在させることを特徴とする飲食品の
    製法。
  6. 【請求項6】エステル合成酵素源が、さらに5%(w/
    w)エタノールと2.6%(w/w)酪酸とを基質としたとき
    のエステル合成活性を100としたとき、0.5%(w/w)エ
    タノールと2.6%(w/w)酪酸とを基質としたときのエス
    テル合成活性が30以上である請求項5記載の飲食品の製
    法。
  7. 【請求項7】動物が豚、牛、馬又は山羊である請求項5
    記載の飲食品の製法。
  8. 【請求項8】エステル合成酵素源が、動物の肝臓、腎臓
    又は心臓から採取されたものである請求項5記載の飲食
    品の製法。
  9. 【請求項9】飲食品が、パン、醸造調味料、酒類、アル
    コール含有調味料、食肉加工品、乳製品又は漬物である
    請求項5記載の飲食品の製法。
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