JPH0449989B2 - - Google Patents

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JPH0449989B2
JPH0449989B2 JP63270195A JP27019588A JPH0449989B2 JP H0449989 B2 JPH0449989 B2 JP H0449989B2 JP 63270195 A JP63270195 A JP 63270195A JP 27019588 A JP27019588 A JP 27019588A JP H0449989 B2 JPH0449989 B2 JP H0449989B2
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koji
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seafood
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、魚介類原料、主として魚の乾燥粉
末(以下、「魚粉」という)を使用して、風味、
香り、外観、性状などにおいて大豆から作つた醤
油と殆ど変わらない魚醤油を製造する方法に関す
る。
〔従来の技術〕
これまで一般に魚醤油と呼ばれている、魚介類
を原料とした調味料は、東洋諸国で作られている
ニヨクマンやパテイス等、欧米のアンチヨビー・
ソース、さらには我国で作られている「しよつつ
る」や「いかなご醤油」などのように、魚介類原
料に食塩を大量に、例えば20%程度まぶしながら
樽に漬け込み、重石を載せて冷暗所で、例えば1
年間、少量の食塩を補いながら数回撹拌しつつ放
置して液化、熟成させ、この熟成物を濾過して残
渣を除き、さらに火入れした後浮遊物を除いて、
さらに数カ月保存するなどして沈澱物を除去する
方法で製造されている。
この従来の製法によつて作られる魚醤油は、独
特のうま味に富んでいるが、魚介類に特有の生臭
さや、魚介類を塩漬けする際に生じる、腐敗臭に
似た独特の臭気のために、我国ではそれほど普及
していない。一方、我国で醤油と言えば、大豆を
麹菌により発酵分解させて製造される醤油を指
し、独特の風味とともに芳醇な香りを有し、古く
から液体調味料として愛用されてきた。
そこで、魚介類を原料として、魚介類に特有の
良好な風味を有し、しかも魚介類が持つ生臭さな
どのない液体調味料を得ようとする試みが種々行
なわれている。例えば、特開昭53−66499合公報
には、魚介類原料よりエキス分を浸出、除去した
浸出残渣、例えば、フイツシユミール、カツオ節
のだし浸出残渣、或いは煮干浸出残渣などに、炭
水化物原料、例えば麦類、雑穀類、米類等、特に
好ましくは小麦を剥皮したもの、精白米などを加
熱変性したものを加え、次いでこれに糸状菌、例
えばアスペルギルス・オリーゼ、アルペルギル
ス・ソーヤ等の麹菌を接種、培養し、酵素分解し
たものを加熱処理して調味料を製造する方法が開
示されている。
また、特公昭60−3463号公報には、魚類の加工
の際に生じる煮汁もしくは魚体の廃棄物を煮熟し
て得られる煮汁などを原料とし、それに含まれて
いる水溶性蛋白を濃縮することによつて製造され
るフイツシユ・ソルブル又はその濃縮途中のもの
を、麦類、米類、雑穀類等の穀類のデンプン粉
末、特にこれら穀類の剥皮されたもののデンプン
粉末に均一に混合させた後、その混合物を蒸煮
し、次いでこれに糸状菌、特に望ましくはアスペ
ルギルス・ソーヤ等の醤油麹菌を接種して30〜45
℃の温度にて製麹した後、さらに食塩による防腐
環境下に酵母を添加して発酵させ、そしてその後
得られた発酵液から必要に応じ固形成分をプレス
などによつて分離除去して調味素材を製造する方
法が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
特開昭53−66499号公報及び特公昭60−3463号
公報に開示されている方法は、大豆から作られる
一般的な醤油と同様に麹菌等の糸状菌を利用する
ことにより、魚介類に特有の不快臭、例えばトリ
メチルアミン等による魚臭さを糸状菌が産生する
酵素の作用によつて分解除去しようとするもので
ある。
しかしながら、上記公報に載置されているの
は、大豆から作られる一般的な醤油の製造におけ
る製麹方法を単に転用し、大豆原料の代わりに魚
介類原料を使用しただけものであり、このため、
次のような問題がある。
すなわち、大豆原料に比べて魚介類原料は極め
て腐敗しやすく、一方、大豆原料から醤油麹を作
る場合には、48〜72時間の製麹時間を要し、特開
昭53−66499号公報に記載されている方法におい
ても、常法により約25〜35℃で48〜72時間程度糸
状菌を培養して製麹するようにしており、また特
公昭60−3463号公報に記載されている方法におい
ても、30〜45℃の温度下に常法に従い3〜6日程
度糸状菌を繁殖させて製麹が行なわれる。このた
め、大豆原料から醤油麹を作る場合と同様の製麹
環境下で魚麹を作ろうとすると、製麹工程中に魚
介類の腐食が起こることになる。従つて、上記各
公報に記載されているような方法により、腐敗を
起こすことなく魚麹を作るには、腐敗に関係する
雑菌類を完全に排除した製麹環境をつくる必要が
ある。そのためには、相当な高度な設備が要求さ
れ、実験室的規模であればともかく、工業的規模
になると、実施に非常な困難を伴う。
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされ
たものであり、魚介類を原料としながら、通常の
製造条件の下で、製麹工程中に魚介類原料の腐敗
などを起こすことがなく、大豆から作られる醤油
麹とほとんど変わらない魚麹を作り、魚介類に特
有の呈味性を有し、かつ一般的な醤油とほとんど
変わらない芳醇な香りと外観・性状を持つた魚醤
油を製造することができる新規な方法を提供する
ことを技術的課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
上述課題を達成するための手段として、請求項
1に記載の発明は、魚介類原料とおからとを乾物
重量比で5:1〜1:2の割合に混合し、それを
水分含量が20〜80%になるように調製した混合物
に、重量でその重合物の1/20〜1倍の廃麹を接種
し、20〜40時間で製麹して魚麹を作り、この魚麹
を食塩水と混合して仕込み熟成させることにより
魚醤油を製造することを要旨として構成されてい
る。
ここで、廃麹とは、種麹(胞子)の製造過程で
出る廃棄物であり、米粒に麹菌を繁殖させたもの
から胞子を分別して取り去つた残渣であつて、米
粒と菌糸とからなり、従来は廃棄処理されていた
ものである。
上記製造方法において、魚介類原料としては魚
の乾燥粉末を使用し、その魚の乾燥粉末とおから
とを乾物重量比で4:1〜1:2の割合に混合し
て水分含量30〜70%に調製した混合物に、重量で
その混合物の1/20〜1/2倍の廃麹を接種し、30時
間で製麹して魚麹を作ることが好ましい。
また、請求項3に記載の発明は、滅菌した含水
おからに麹菌を培養しておから麹を作つておき、
魚介類原料とおからとを乾物重量比で5:1〜
1:2の割合に混合し、それを水分含量が20〜80
%になるように調製した混合物に、重量でその混
合物の1/20〜1倍の前記おから麹を接種し、20〜
40時間で製麹して魚麹を作り、この魚麹を食塩水
と混合して仕込み熟成させることにより魚醤油を
製造することを要旨として構成されている。
上記製造方法において、滅菌した含水おからに
麹菌を48時間培養しておから麹を作つておき、魚
介類原料としては魚の乾燥粉末を使用し、その魚
の乾燥粉末とおからとを乾物重量比で4:1〜
1:2の割合に混合して水分含量30〜70%に調製
した混合物に、重量でその混合物の1/20〜1/2倍
のおから麹を接種し、30時間で製麹して魚麹を作
ることが好ましい。
〔作用〕
上記した魚醤油の製造方法においては、魚粉等
の魚介類原料におからを混合することにより、麹
菌の培地としての条件が非常に良好になる。この
ことについてより詳しく説明すると、魚粉等の魚
介類原料そのものは、麹菌の培地としては著しく
栄養バランスを欠いたものであり、また、魚粉に
水を加えて練つたりなどすると団子状に固まつて
しまい、培地は過剰な水分を保有して腐敗の原因
となる雑菌が繁殖しやすい状態となり、また培地
内部に空気を含んでいないので麹菌の増殖が艱難
である。このため、通常の製造条件下では、魚介
類原料に種麹を接種しても、製麹行程中にバシラ
ス・スブチイリス(Bacillus Subtilis)等の腐敗
性の雑菌が優先的に繁殖してしまい、雑菌汚染の
少ない正常な魚麹が得られない。一方、魚粉等の
魚介類原料におからを混合すると、麹菌の培地と
しての栄養バランスが非常に良くなるとともに、
魚粉等におからが添加されて所定水分量に調製さ
れることにより培地全体が膨潤化した状態になつ
て、培地内部に大量の空気が包含され、また培地
に保有される水分が培地全体に適度に分散され、
さらに麹菌が培地内部にまで全体的に行き渡りや
すくなる。このように、魚介類原料におからを混
合することによつて、培地の栄養バランス及び物
理的条件が良好になり、麹菌の繁殖を促すような
製麹環境がつくられる。
また、一般的な醤油を製造する場合において種
麹は物料に対し約0.05%(重量)程度の割合で接
種されるだけであるのに対して、この発明に系る
方法では、魚介類原料とおからとの混合物に、重
量でその混合物の1/20〜1倍といつた大量の廃麹
又はおから麹を接種することにより、麹菌の繁殖
速度が早まり、一般的な醤油麹の製麹時間(通常
48〜72時間)の半分程度の時間で魚麹が作られ
る。そして、20〜40時間で製麹を終えるようにし
ていることにより、魚介類原料が腐敗性雑菌によ
り汚染される程度を可及的に低く抑えることがで
きる。これらの点について、第1図及び第2図を
参照しながらさらに詳しく説明する。
第1図は、製麹時間と細菌数との関係を示した
線図であり、折線Aが、物料に対して廃麹を10%
(重量)添加したもの、折線Bが、物料に対して
種麹を0.05%(重量)添加したものをそれぞれ示
す。さらに詳しくは、魚粉1.6Kgと乾燥おから0.8
Kgとの混合物に水3を加え、100℃で60分間蒸
気殺菌したものに、折線Aに示したものは廃麹
0.6Kgを、折線Bに示したものは種麹2.7gをそれ
ぞれ添加した。尚、細菌数の測定法としては、抗
黴培地「ダイゴ」を使用して、30℃で48時間培養
した後のコロニー数を読み取り、そのコロニー数
から細菌数を測定するようにした。
折線Aから分かるように、製麹時間が40時間近
くになると、通常の細菌数(物料1g当り107
を越え、腐敗が始まり、60時間経過した時点では
完全に腐敗する(物料1g当りの細菌数109)。
尚、物料に対して種麹を0.05%添加したものは、
廃麹を大量に添加したものよりも腐敗の進行程度
が早く1日(24時間)経過すると腐敗が始まり、
2日(48時間)経過した時点では完全に腐敗す
る。そして、このように腐敗性雑菌の増殖が盛ん
であるため、麹菌の繁殖が阻害されて麹菌の増殖
は殆どみられず、最終的に魚麹も出来なかつた。
上述したように、廃麹を大量に添加したものが
種麹を少量添加したものに比べて腐敗の進行程度
が遅いのは、前者の場合に麹菌が腐敗性雑菌より
も優先的に繁殖するためであると考えられ、廃麹
の大量接種は、腐敗性雑菌の繁殖を抑制して腐敗
の進行程度を遅らせるといつた点においても有利
に作用する。そして、従来の魚醤油の製造におい
て問題となつていた腐敗臭に似た悪臭の発生が防
止される。
一方、第2図は、蛋白質の分解に必要な酵素で
ある中性プロテアーゼの活性と製麹時間との関係
を示す線図である。尚、中性プロテアーゼ活性の
測定は、「国税庁所定分析法」によつて行ない、
60分間に1μgのチロシンを生成させる酵素量を
1PUとした。この線図から分るように、中性プロ
テアーゼの、必要十分量の産生には、20時間以上
の製麹時間が必要であり、他方、30時間以上製麹
しても、中性プロテアーゼ活性は製麹時間の割に
はそれほど向上しない。従つて、20時間以上製麹
すれば魚麹が作られる。
また、麹菌は増殖時にトリメチルアミン等の悪
臭成分を分解除去することが知られているが、20
時間以上製麹すると、アスペルギルス・オリーゼ
(Aspergillus Oryzae)等の麹菌が十分に繁殖し
て、魚介類に特有の生臭さが消失する。
尚、一般的な醤油麹の製麹においては、製麹時
間を短縮する目的で種麹を大量に接種する、とい
つたようなことは行なわれない。。この理由とし
ては、経済的な負担が増すのを避けるということ
とともに、種麹を大量に接種すると、麹菌が繁殖
し始めるまでに、種麹に含有されているアミラー
ゼが炒煎割砕小麦等のデンプン質原料を糖にまで
分解してしまい、その結果、物料をべたつかせ、
しばしば雑菌繁殖の原因となつたりするからであ
る。これに対し、この発明に係る魚醤油の製造方
法においては、小麦等のデンプン質原料は魚介類
原料に添加しておらず、魚介類原料におからを混
合している。このおからには、炭水化物が乾物と
して約4割程度含まれているが、デンプン質は極
めて少量しか含まれていないため、種麹(廃麹、
おから麹)の大量接種によつても、アミラーゼに
よる分解作用は少なく、従つて、短い製麹時間内
では物料のべたつきが起こつたりすることがな
く、麹菌の繁殖に先立つて雑菌が繁殖するような
ことはない。
製麹行程を経て作られた魚麹は、食塩水と混合
して仕込み熟成されることにより、麹菌によつて
産生される酵素の作用で魚介類蛋白質が発酵分解
され、うま味をかもし出す呈味成分である各種ア
ミノ酸がつくり出される。さらに、仕込み期間中
におからや廃麹中の炭水化物が徐々に分解される
ことにより、芳香成分であるアルコールやエステ
ル類がつくられてゆく。そして、アミノ酸を主に
した魚介類独特のうま味と、大豆を原料として製
造される一般的な醤油と同様の芳醇な香りとに富
んだ魚醤油が出来上がる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例について説明する。
まず、この発明に係る魚醤油の製造方法におい
て使用される魚介類原料としては、鰯を脱脂・乾
燥させて粉砕した魚粉(フイツシユ・ミール)が
好適である。鰯は、我国での漁獲高が非常に大き
く、安価に入手できる原料の1つである。但し、
それ以外の魚介類原料も使用できることは言うま
でもない。この魚粉に、大豆から豆腐を作る際に
出来る、豆乳を採つた搾り滓であるおからを、乾
物重量比で5:1〜1:2、好ましくは4:1〜
1:2の割合に混合するとともに、適当量の水を
加えて水分含量を20〜80%、好ましくは30〜70%
に調製した混合物を作る。そして、このようにし
て調製された魚粉とおからとの混合物を、例えば
100℃で60分間蒸気殺菌した後、その混合物に廃
麹を接種して製麹する。
ここで、廃麹は、前記したように、種麹の製造
過程で出る廃棄物であり、只同然で仕入れること
ができる。この廃麹を上記混合物に、重量で混合
物の1/20〜1培、好ましくは1/20〜1/2培という
ように大量に接種する。尚、技術的には種麹を大
量に使用しても構わないのであるが、その場合に
は経済面において莫大な費用を要し、工業的に成
り立たなくなる。このため、種麹の代替物として
廃麹を使用するのであるが、この廃麹は、米粒の
内部まで縦横に菌糸が繁殖しており、種麹の代替
物として充分に使用できるものである。
また、廃麹の代わりに、滅菌した含水おからに
麹菌を接種して、例えば48時間程度培養すること
によりおから麹を作つておき、そのおから麹を上
記した廃麹と同じ割合で接種して製麹することも
できる。
そして、約30℃で20〜40時間、好ましくは30時
間程度製麹することにより、魚麹(出麹)が出来
る。
上記のようにして得た魚麹は、食塩含量が約7
%(w/v)以上になるように食塩水と混合さ
れ、発酵タンクに仕込まれる。そして、このもろ
みを時々撹拌しながら、約25〜30℃で3〜6カ月
間発酵熟成する。その間に麹菌、酵母などの微生
物の作用を受けて、独特の香味が生成される。そ
して、熟成したもろみを圧搾することにより生揚
醤油と醤油粕とが得られ、生揚醤油を火入れし
て、魚醤油が得られる。
次に、具体的に実施した魚醤油の製法例を2つ
挙げる。
製法例 1 魚粉1.6Kgに乾燥したおから0.8Kgと水3とを
加えて混合し、100℃で60分間蒸気殺菌した後、
その混合物に廃麹0.6Kgを接種し、30℃で30時間
培養した。得られた魚麹に15%食塩水8.4を加
え、それを発酵タンクに仕込んで、30℃で3カ月
間発酵熟成させた。これにより、全窒素1.54、食
塩13.3%、PH5.1、窒素溶解利用率82.0%の非常に
良好な味覚で芳醇な香りを有する魚醤油が得られ
た。
製法例 2 滅菌した60%含水おからに麹菌を接種し、48時
間培養しておから麹を作り、魚粉1.6Kgに乾燥し
たおから0.8Kgと水3とを加えて混合し、100℃
で60分間蒸気殺菌した混合物に、前記おから麹を
0.6Kg接種し、この魚粉、おから及びおから麹の
混合物を30℃で30時間培養した。得られた魚麹に
15%食塩水8.4を加え、それを発酵タンクに仕
込んで、30℃で3カ月間発酵熟成させた。これに
より、全窒素1.50、食塩13.2%、PH5.2、窒素溶解
利用率78.8%の非常に良好な味覚で芳醇な香りを
有する魚醤油が得られた。
〔発明の効果〕
この考案は以上説明したように構成されかつ作
用するので、この発明に係る方法によれば、大豆
から作られる一般的な醤油における場合と同様の
製造条件で、従来使用されている通常の設備によ
り、雑菌汚染が少なくて腐敗がなく、かつ魚臭さ
が消失した魚麹を作り、それから、魚介類に特有
のうま味を持ち、かつ大豆から作られる醤油とほ
とんど変わらない芳醇な香りと外観・性状を有す
る魚醤油を製造することができる。
そして、この魚醤油の製造において使用される
原料は、鰯の魚粉のように大豆に比べて安価で、
しかも我国において自給できる魚介類原料と、豆
腐を製造する際に出る廃棄物であるおからと、種
麹を製造する際に出る廃棄物である廃麹又はおか
らに少量の麹菌を培養して出来るおから麹とであ
り、製造コストの面から見ても、また原料の入手
のしやすさからみても、従来の大豆から作られる
醤油に比べて有利である。
また、味覚的特徴及び栄養面での特徴について
大豆から作られる醤油と比較した場合、この発明
に係る方法により魚介類を原料として製造される
魚醤油は、大豆醤油とは呈味物質であるアミノ酸
の組成が異なるため、独特のうま味を示す。さら
に、煮干し等に含まれている魚介類特有の濃厚な
味が魚醤油にも移行して優れた味覚を呈する。一
方、栄養的にみた場合、魚介類に由来の蛋白質は
必須アミノ酸含量が多く、また高血圧に効果があ
ると言われているタウリンを多量に含有してい
る。このように、この発明に係る方法によつて製
造された魚醤油は、味覚及び栄養面でも優れた特
徴を持つている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、製麹時間と細菌数との関係を示した
線図であり、第2図は、蛋白質の分解に必要な酵
素である中性プロテアーゼの活性と製麹時間との
関係を示す線図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 魚介類原料とおからとを乾物重量比で5:1
    〜1:2の割合に混合し、それを水分含量が20〜
    80%になるように調製した混合物に、重量でその
    混合物の1/20〜1倍の廃麹を接種し、20〜40時間
    で製麹して魚麹を作り、この魚麹を食塩水と混合
    して仕込み熟成させることを特徴とする魚醤油の
    製造方法。 2 魚介類原料として魚の乾燥粉末を使用し、そ
    の魚の乾燥粉末とおからとを乾物重量比で4:1
    〜1:2の割合に混合して水分含量30〜70%に調
    製した混合物に、重量でその混合物の1/20〜1/2
    倍の廃麹を接種し、30時間で製麹して魚麹を作る
    請求項1記載の魚醤油の製造方法。 3 滅菌した含水おからに麹菌を培養しておから
    麹を作つておき、魚介類原料とおからとを乾物重
    量比で5:1〜1:2の割合に混合し、それを水
    分含量が20〜80%になるように調製した混合物
    に、重量でその混合物の1/20〜1倍の前記おから
    麹を接種し、20〜40時間で製麹して魚麹を作り、
    この魚麹を食塩水と混合して仕込み熟成させるこ
    とを特徴とする魚醤油の製造方法。 4 滅菌した含水おからに麹菌を48時間培養して
    おから麹を作つておき、魚介類原料として魚の乾
    燥粉末を使用し、その魚の乾燥粉末とおからとを
    乾物重量比で4:1〜1:2の割合に混合して水
    分含量30〜70%に調製した混合物に、重量でその
    混合物の1/20〜1/2倍のおから麹を接種し、30時
    間で製麹して魚麹を作る請求項3記載の魚醤油の
    製造方法。
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JP3681210B2 (ja) * 1996-01-19 2005-08-10 日本水産株式会社 濃厚で風味の改良された魚醤油の製造法およびその製造法で得られた濃厚で風味の改良された魚醤油

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