JP3062767B2 - セラミック接合体およびその製造方法 - Google Patents

セラミック接合体およびその製造方法

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JP3062767B2
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義勝 樋口
泰伸 川上
祐二 磯谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミック接合体、特
に、Si3 4 よりなる二つのセラミック焼結材を、反
応焼結法の適用下で生成されたSi3 4 よりなるセラ
ミック焼結層を介して接合したセラミック接合体および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種セラミック接合体として、
特開昭58−79880号公報に開示されたものが知ら
れており、この接合体においては、そのセラミック焼結
層の厚さが約1mmに設定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】反応焼結法により得ら
れるセラミック焼結層は、その気孔率が比較的高いのが
普通である。そのため、従来のようにセラミック焼結層
の厚さを約1mmといったように厚く設定すると、その厚
さに応じて気孔の存在確立が高くなり易く、高強度なセ
ラミック焼結層を定常的に生成させることが難しい、と
いった問題がある。
【0004】本発明は前記に鑑み、セラミック焼結層の
厚さを減少させることによって、その層の高強度化を定
常的に達成し得るようにした接合強度の高い前記接合体
およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、Si3 4
りなる二つのセラミック焼結材を、反応焼結法の適用下
で生成されたSi3 4 よりなるセラミック焼結層を介
して接合したセラミック接合体において、前記セラミッ
ク焼結層の厚さTを50μm≦T≦270μmに設定し
たことを特徴とする。
【0006】本発明に係るセラミック接合体の製造方法
は、平均粒径Mdが4μm≦Md≦7μmの金属Si粉
末および溶媒を含み、且つ粘度Vが700ポアズ≦V≦
10000ポアズのスラリを、Si3 4 よりなる二つ
のセラミック焼結材の両接合面間に介在させ、次いで前
記スラリを乾燥して固化層を形成し、その後前記固化層
に窒素雰囲気中で反応焼結処理を施して、Si3 4
りなり、且つ両セラミック焼結材を接合するセラミック
焼結層を生成させることを特徴とする。
【0007】
【実施例】図1,図2において、セラミック接合体A
は、Si3 4 よりなる二つのセラミック焼結材2,3
を、反応焼結法の適用下で生成されたSi3 4 よりな
るセラミック焼結層4を介して接合したものである。両
セラミック焼結材2,3は同一の寸法を有し、縦aが3
mm、横bが20mm、長さcが20mmであり、セラミック
焼結層4の厚さTは50μm≦T≦270μmに設定さ
れている。
【0008】次に、セラミック接合体の製造方法につい
て説明する。
【0009】その製造には、金属Si粉末を調製する、
金属Si粉末等を用いてスラリを調製する、スラリを両
セラミック焼結材2,3の接合面5,6間に介在させ
る、スラリを乾燥して固化層を形成する、固化層に窒素
雰囲気中で反応焼結処理を施してSi3 4 よりなり、
且つ両セラミック焼結材2,,3を接合するセラミック
焼結層4を生成させる、といった各工程が順次実施され
た。このような反応焼結処理においては、セラミック焼
結層4の厚さはスラリの厚さと略同じである。
【0010】金属Si粉末の調製に当っては、ボールミ
ルのアルミナポット(2リットル)内に直径10mmのS
3 4 ボール1kgと粗金属Si粉末(金生興業社製、
商品名#600)300gとを投入して、50時間粉砕
を行った。これにより平均粒径4.3μmの金属Si粉
末を得た。
【0011】スラリとしては4種類用意した。第1〜第
4スラリの組成は表1,表2の通りである。各表におい
て、PVAはポリビニルアルコール(和光純薬社製、重
合度約1500)であってバインダに該当し、また水お
よびエタノールは溶媒に該当する。各スラリの調製に当
っては、各配合物を自動乳鉢に入れて5分間の混練を行
った。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】先ず、各スラリを一方のセラミック焼結材
2の接合面5にハケ等により塗布し、その接合面5に他
方のセラミック焼結材3の接合面6を合せた。
【0015】次いで、セラミック焼結材2,3を室温下
に24時間放置することによりスラリを乾燥して、固化
層を形成した。
【0016】その後、セラミック焼結材2,3を焼結炉
内に設置して窒素雰囲気中で反応焼結を行い、セラミッ
ク接合体A1 〜A5 を得た。
【0017】この反応焼結には次のような各工程が順次
実施された。即ち、図3に示すように、室温から100
0℃まで20℃/min で昇温する工程(点d1 〜点
2 )、1000℃〜1380℃まで6℃/min で昇温
する工程(点d2 〜点d3 )、1380℃を5時間に亘
って維持する1次焼結工程(点d3 〜点d4 )、138
0℃から1450℃まで2℃/min で昇温する工程(点
4 〜点d5 )、1450℃を5時間に亘って維持する
2次焼結工程(点d5 〜点d6 )、1450℃から12
00℃まで6℃/min で降温する工程(点d6 〜点
7 )および1200℃から室温まで炉冷する工程(点
7 〜点d8)である。
【0018】表3は、各セラミック接合体A1 〜A5
おけるセラミック焼結層の厚さと、4点曲げ強さとの関
係を示す。その曲げ試験はJIS R1601に則って
行われた。
【0019】
【表3】
【0020】図4は、各セラミック接合体A1 〜A5
おけるセラミック焼結層4の厚さと4点曲げ強さとの関
係をグラフで示したものである。図中、点A1 〜A5
セラミック接合体A1 〜A5 にそれぞれ対応する。一般
に機械部品として要求される4点曲げ強さは約18kgf
/mm2 以上であり、したがってセラミック焼結層4の厚
さTは、セラミック接合体A3 ,A4のように50μm
≦T≦270μmに設定される。
【0021】このようなセラミック焼結層4は、両焼結
材2,3を確実に接合するに足る厚さを有し、また窒化
も十分に行われると共に気孔率も低いので高強度であ
り、これにより前記要求が定常的に満たされるものであ
る。
【0022】セラミック焼結層4の厚さTがT<50μ
mでは、その層4が薄過ぎるため、両接合面5,6間
に、それらの凹、凸部に起因してSi3 4 の無い箇所
が発生したり、また両セラミック焼結材2,3間におけ
る固化層の露出面積が狭いためその層へ窒素が十分に進
入しないことに起因して窒化が不完全になる、といった
不具合があり、その結果、セラミック焼結層4の強度が
低くなってセラミック接合体A1 ,A2 のように4点曲
げ強さが低下する。一方、セラミック焼結層4の厚さT
がT>270μmでは気孔の存在確立が高くなって、セ
ラミック接合体A 5 のように4点曲げ強さが低下する。
またスラリを270μmを超えるように塗布するために
はスラリの粘度を10000ポアズを上回るように高め
なければならないが、このような高粘度下ではスラリの
流動性が悪くなるため、空気の巻込みが発生し易く、そ
の結果セラミック焼結層4の気孔率が高くなる。
【0023】次に、金属Si粉末の平均粒径とセラミッ
ク焼結層4の強度との関係について述べる。
【0024】前記同様の粗金属Si粉末およびボールミ
ルを用いて金属Si粉末を調製した。その際、粉砕時間
を変えることによって金属Si粉末の平均粒径を調節し
た。
【0025】表4は粉砕時間と金属Si粉末の平均粒径
との関係を示す。
【0026】
【表4】
【0027】各金属Si粉末50gとエチレングリコー
ル(溶媒)5.75gとを自動乳鉢に入れて10分間混
練し、比較的高粘度のスラリを調製した。次いで、その
スラリを金型に注入して、加圧力1t/cm2 の条件下で
成形を行い、縦5mm、横5mm、長さ50mmの成形体を成
形した。さらに成形体を真空下で昇温速度10℃/hに
て500℃に加熱した後、その温度に1時間保持して乾
燥および脱ガス処理を行った。
【0028】その後、成形体を焼結炉内に設置して窒素
雰囲気中で反応焼結を行い、セラミック焼結層4に対応
する焼結体を得た。
【0029】この反応焼結には次のような各工程が順次
実施された。即ち、図5に示すように、室温から120
0℃まで6℃/min で昇温する工程(点e1 〜点
2 )、1200℃から1450℃まで2℃/min で昇
温する工程(点e2 〜点e3 )、1450℃を4時間に
亘って維持する焼結工程(点e3 〜点e4 )、1450
℃から1200℃まで6℃/min で降温する工程(点e
4 〜点e5 )および1200℃から室温まで炉冷する工
程(点e5 〜点e6 )である。
【0030】図6は各種焼結体における金属Si粉末の
平均粒径と4点曲げ強さとの関係を示す。図6より、焼
結体、したがってセラミック焼結層4の強度向上の観点
から金属Si粉末の平均粒径Mdは4μm≦Md≦7μ
mに設定されることが判る。
【0031】スラリの粘度Vは、セラミック焼結層4の
厚さとの関係から700ポアズ≦V≦10000ポアズ
に設定される。この場合、スラリの粘度VがV<700
ポアズではスラリの流動性が大きくなってセラミック焼
結層4の厚さTがT<50μmとなり易く、十分な接合
強度が得られない。一方、V>10000ポアズでは前
記のようにスラリの流動性が悪くなるため、空気の巻込
みが発生し易くなって強度が低下する。
【0032】セラミック焼結層4の密度Dは2.0g/
cm3 <D<2.7g/cm3 に設定される。その理由は、
D≦2.0g/cm3 ではセラミック焼結層4の気孔率が
高く低強度であり、一方、D≧2.7g/cm3 となるよ
うに固化層の密度を高めると、窒化が不十分となってセ
ラミック焼結層4の強度が上がらないからである。
【0033】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、反応焼結
法により生成されるセラミック焼結層の厚さを前記のよ
うに特定したので、その層の高強度化を定常的に達成す
ることが可能であり、これにより二つのセラミック焼結
材を強固に接合したセラミック接合体を安定して提供す
ることができる。
【0034】請求項2記載の発明によれば、前記セラミ
ック接合体を容易に量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミック接合体の斜視図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】セラミック焼結層生成時における時間と温度と
の関係を示すグラフである。
【図4】セラミック接合体におけるセラミック焼結層の
厚さと4点曲げ強さとの関係を示すグラフである。
【図5】セラミック焼結層に対応する焼結体成形時の時
間と温度との関係を示すグラフである。
【図6】焼結体における金属Si粉末の平均粒径と4点
曲げ強さとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
A セラミック接合体 2,3 セラミック焼結材 4 セラミック焼結層 5,6 接合面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 直樹 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平2−263769(JP,A) 特開 昭63−162584(JP,A) 特開 昭63−129078(JP,A) 特開 昭53−79880(JP,A) 特開 昭60−171273(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 37/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si3 4 よりなる二つのセラミック焼
    結材(2,3)を、反応焼結法の適用下で生成されたS
    3 4 よりなるセラミック焼結層(4)を介して接合
    したセラミック接合体において、前記セラミック焼結層
    (4)の厚さTを50μm≦T≦270μmに設定した
    ことを特徴とするセラミック接合体。
  2. 【請求項2】 平均粒径Mdが4μm≦Md≦7μmの
    金属Si粉末および溶媒を含み、且つ粘度Vが700ポ
    アズ≦V≦10000ポアズのスラリを、Si3 4
    りなる二つのセラミック焼結材(2,3)の両接合面
    (5,6)間に介在させ、次いで前記スラリを乾燥して
    固化層を形成し、その後前記固化層に窒素雰囲気中で反
    応焼結処理を施して、Si3 4 よりなり、且つ両セラ
    ミック焼結材(2,3)を接合するセラミック焼結層
    (4)を生成させることを特徴とするセラミック接合体
    の製造方法。
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