JPH0776134B2 - 炭化珪素質成形体用接着剤と炭化珪素質焼結体の製造方法 - Google Patents

炭化珪素質成形体用接着剤と炭化珪素質焼結体の製造方法

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JPH0776134B2
JPH0776134B2 JP28357586A JP28357586A JPH0776134B2 JP H0776134 B2 JPH0776134 B2 JP H0776134B2 JP 28357586 A JP28357586 A JP 28357586A JP 28357586 A JP28357586 A JP 28357586A JP H0776134 B2 JPH0776134 B2 JP H0776134B2
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安博 阿久根
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日本ピラ−工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、2以上の炭化珪素質成形体を接合するのに用
いる接着剤と、複雑な形状であったり大型であるため、
2以上に分解した成形体を接合することによって所望の
形状の炭化珪素焼結体を得るようした炭化珪素質焼結体
の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
炭化珪素質焼結体は、成形体が軟弱で取扱いが難しいこ
とや寸法精度の問題から、複雑な形状のものや大型のも
のとして成形することが困難である。このため、こうし
た形状が複雑であったり大型である炭化珪素質焼結体を
製造する方法として、所望の形状のものを複数の単純な
形状に分割して成形し、成形後これらを接合することに
よって得る方法がばしば用いられている。
こうした炭化珪素質焼結体の製造においては、炭化珪素
質体を接合するために種々の接着法が考えられており、
例えば分解した個々の成形体を焼結後、焼結体間に酸化
物系ガラス層を介在させてガラス溶着する方法やアルミ
ニウム,モリブデン,マンガン等炭化珪素とのヌレ性が
良い金属を介在させ真空加圧接合させる方法がある。
しかしながら、上記のような接着法では、炭化珪素質の
間に異種の介在物が存在することとなり、衝撃が加えら
れたとき接合部において破壊が起こり強度的に好ましく
なかった。
このため、近時、炭化珪素粉末を混入したフェノール樹
脂系接着剤もしくはエポキシ樹脂系接着剤により炭化珪
素質成形体を接合し、接合後、反応焼結により成形体及
び接着剤を焼成する方法が開示されている。(特開昭61
−132562号公報) 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上述したような炭化珪素粉末を混入した
フェノール樹脂系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤では、
成形体との珪素量の違いが大きいため、焼結後の接合部
分においても、異種介在物は残らないが成形体部分との
均質性に問題が残ると考えられる。
また、従来における炭化珪素質焼結体の製造方法におい
ても、上記の如き従来の接着剤を用いていることに加え
て、反応焼結である事により遊離の珪素が残存するた
め、接着剤組成の制御及び接合体の耐熱,耐アルカリ性
等に問題が残る。また、成形体原料を得る工程と接着剤
を得る工程が全く別であるため、設備もそれぞれ別個に
用意しなければならないという問題があった。さらに、
従来の製造方法においては成形体を型によって成形した
後すぐに接合工程に入っており、成形体は型において加
工の必要がないものとして形成されていた。したがっ
て、分割して比較的単純な形にされているとはいっても
ある程度複雑な形状部分も型によって得なければなら
ず、金型のコストを低減する上で障害となっていた。ま
た、型から出した強度の低い成形体を接合するため、接
合時の若干の加圧によっても成形体が損傷してしまうこ
とがあった。
本発明は上記のような事情に鑑みなされたものであっ
て、焼結後の接合部を成形体部分に対してより均一なも
のとすることができる炭化珪素質成形物用接着剤と、こ
の接着剤を使用することによる効果の他さらに設備コス
トの低減を図ることができるとともに製造工程における
成形体の破損を防止することもできる炭化珪素質焼結体
の製造方法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明による炭化珪素質成
形体用接着剤は、焼結助剤を含むとともに粘結剤として
ポリビニルブチラール樹脂が1〜10重量部配合された炭
化珪素粉末を、メタノールを溶媒として混練することに
よりスラリー状になしてあることを特徴としている。
また、本発明による炭化珪素質焼結体の製造方法は、焼
結助剤及びポリビニルブチラール樹脂を含む炭化珪素粉
末をメタノールを溶媒として混練することによりスラリ
ー状混合物を得、このスラリー状混合物もしくはこの混
合物を主材とする配合混合物を粉末化して原料粉末を生
成し、この原料粉末により2以上の炭化珪素質成形体を
形成し、これら炭化珪素質成形体を加工可能な硬度に硬
化し、前記スラリー状混合物にポリビニルブチラール樹
脂を0〜10重量部加えてさらに混練することにより炭化
珪素質成形物用接着剤を得、この接着剤を前記炭化珪素
成形体の接合面に塗布後、この接合面において各炭化珪
素質成形体を接合し、接合後真空もしくは不活性ガス雰
囲気中で無加圧焼成を行って焼結体を得ることを特徴と
している。
〔作 用〕
本発明による炭化珪素質成形体用接着剤は、焼結によっ
て接合すべき炭化珪素質成形体と融着一体化し、成形体
部分と略均一な状態の接合部分を形成する。
また、本発明による炭化珪素質焼結体の製造方法は、炭
化珪素質成形体とこの成形体を接着する接着剤を同一の
スラリー状混合物から製造し、前記接着剤によって2以
上の成形体を接合することにより、接合部分が成形体部
分と略均一な炭化珪素質焼結体を得る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて詳説する。
まず、0.3〜1μmの粒径を有するα型もしくはβ型の
微粉末を原料とし、この原料100重量部に対し、焼結助
剤として炭化ホウ素(B4C)0.2重量部,酸化アルミニウ
ム(Al2O3)1重量部を添加するとともに、成形助剤と
してポリエチレングリコール(PEG)を2重量部、造粒
助剤としてポリビニルブチラール(PVB)を1重量部、
さらに炭素源としてレゾール系のフェノール樹脂を12重
量部配合する。
このようにして得られた配合物を、メタノールを溶媒と
してボールミル等により100時間程度混合し、スラリー
状の混合物を生成する。
次に、この混合物をスプレードライヤによって造粒乾燥
して粉末状の混合物となし、この粉末状混合物を成形型
に入れて適当な面圧をかけることによって、所望品の部
分成形体を作る。そして、この成形体に硬化処理を施し
て加工可能な強度にまで硬化させる。硬化条件は例えば
180℃、15時間程度とするが、後述する接着時における
溶着一体化をより十分なものとするために、加工可能な
最小限の硬度を含めた適宜な硬化条件(例えば120℃,1
〜15時間)を選択することが望ましい。
一方、前記スラリー状混合物にポリビニルブチラール樹
脂をさらに0〜10重量部追加配合し、ボールミルにより
再度1〜5時間程度混合して同じくスラリー状の炭化珪
素物接合用接着剤(以下、端に接着剤という)を製造す
る。
次に、前述のようにして硬化させた成形体の所望の加工
を施す。但し、この加工は必要がなければ行われなくて
もよいのはもちろんである。
次いで、2以上の硬化させた成形体を接合して所望の形
状とするが、この接合に際しては、まず硬化させた成形
体の接合面を平滑に加工する。そして、一方の成形体の
接合面に前述したようにして製造した接着剤を塗布後、
この接合面に他の成形体の接合面を重ね合わせる。第1
図は面圧2000kg/cm2で幅6mm,高さ5mm,長さ40mmの角棒状
に成形された成形体試料1,1を上記接着剤2を介して重
ね合わせ接合した図を示している。
以上のようにして2以上の成形体を接合することによっ
て所望の形状となした後、180℃で15時間程度加熱して
上記接着剤を乾燥させ、次いで、不活性ガス(例えばア
ルゴンガス)雰囲気中で、例えば2150℃,1時間の処理条
件で無加圧焼結することにより、成形体及び接着剤を焼
結させ同時に2以上の成形体を接着する。この場合、接
着剤成形体の接合プロセスは必ずしも明確ではないが、
接着剤の溶媒であるメタノールが成形体の接合面を微少
溶解して融着一体化するものと考えられる。特にフェノ
ールの未硬化状態(不完全硬化状態)にすれば、メタノ
ールを含むスラリー状接着剤を塗布することにより、接
合面の極表面が溶解し、接合面間の接触面積が増大す
る。したがって、上述したように硬化条件を適宜選択す
ることによって融着一体化をより充分なものとすること
ができるのである。
このようにして焼結された炭化珪素質焼結体は、さら
に、温度2000℃,圧力2000kg/cm2,媒体ガス:アルゴン
ガス,昇温速度800℃/hr,保持時間60分でHIP処理(熱間
静水圧プレス法)を行うことにより、各成形体間の焼結
収縮率の差により発生していた接合不良や接合による残
留応力を除去する。尚、このHIP処理における上記処理
条件は焼結体の組成等により実験的に選択されるもの
で、必ずしも上記数値に限定されるものではない。
次に、以上のようにして製造される炭化珪素質焼結体の
接合部を、第1図に示したような成形体試料1,1を接着
剤2で接合した後焼結したものについて光学顕微鏡写真
により見てみる。第2図は上記製造過程における焼結後
の接合部を示し、第3図は焼結後さらにHIP処理を施し
た後の接合部を示している。第2図に示すように焼結後
の接合部の厚みa1は約30μmとなっており、しかも結晶
粒も略連続し全体として成形体に近い状態となって、接
合部と成形体部が均一化されていることが観察される。
また、さらにHIP処理を施すと第3図に示すように接合
部の厚みa2は7.5μmとさらに小さくなり、第2図では
見られた中央部の筋状大気孔も観察されなくなってい
る。このようにHIP処理は接合部と成形体部分をより高
度に均一化するものである。
また、上記のようにしてHIP処理を含む製造方法により
製造された第1図に示す試料の焼結体は、3点曲げ強度
測定においても40〜50Kg/mm2という炭化珪素単独の焼結
体と匹敵する強度を示し、熱衝撃や耐熱,耐食性におい
ても炭化珪素単独の焼結体と比較して劣化は見られなか
った。
尚、本発明による炭化珪素質成形体用接着剤においてそ
の原料とする炭化珪素粉末は、焼結助剤を含むとともに
粘結剤としてポリビニルブチラール樹脂が1〜10重量部
配合された炭化珪素粉末であれば、上記実施例のように
成形助剤等の他の添加物を含んでいなくてもよい。した
がって本発明による炭化珪素焼結体の製造方法において
も、原料粉末の生成に際しては、接着剤の原料となるス
ラリー状混合物を得たのち、この混合物を主材とする配
合混合物を得、この配合物を粉末化して原料粉末とする
ようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明による炭化珪素
質成形体用接着剤によれば、接合しようとする成形体と
極めて近似した成分を有するから、焼結時における炭化
珪素質成形体との融着一体化に際して、接合部を成形体
部と略均一な状態とすることができ焼結体を炭化珪素の
みによるものと変らない優れた特性を有するものとする
ことができる。
一方、本発明による炭化珪素質焼結体の製造方法によれ
ば、接合しようとする炭化珪素質成形体用の原料粉末を
製造する過程において得られるスラリー状混合物を使用
して接着剤を得、この接着剤により成形体を接着してい
るから、接合部と成形体部が略均一な炭化珪素質焼結体
を得ることができる。また、成形体用の原料粉末と接着
剤の製造過程が一部兼用されるから、設備コストの低減
を図ることもできる。さらに、成形体を接合させる前に
硬化させているから、成形体を型から取り出した後に加
工することが可能となり金型を単純化してコストダウン
を図れる他、接合時における成形体の破損も解消され
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は成形体試料の接合を示す斜視図、第2図は焼結
後の接合断面のエッチング面を示す光学顕微鏡写真(倍
率400倍)、第3図はHIP処理後の接合断面を示す光学顕
微鏡写真(倍率400倍)である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼結助剤を含むとともに粘結剤としてポリ
    ビニルブチラール樹脂が1〜10重量部配合された炭化珪
    素粉末を、メタノールを溶媒として混練することにより
    スラリー状になしてあることを特徴とする炭化珪素質成
    形体用接着剤。
  2. 【請求項2】焼結助剤及びポリビニルブチラール樹脂を
    含む炭化珪素粉末をメタノールを溶媒として混練するこ
    とによりスラリー状混合物を得、このスラリー状混合物
    もしくはこの混合物を主材とする配合混合物を粉末化し
    て原料粉末を生成し、この原料粉末により2以上の炭化
    珪素質成形体を形成し、これら炭化珪素質成形体を加工
    可能な硬度に硬化し、前記スラリー状混合物にポリビニ
    ルブチラール樹脂を0〜10重量部加えてさらに混練する
    ことにより炭化珪素質成形物用接着剤を得、この接着剤
    を前記炭化珪素成形体の接合面に塗布後、この接合面に
    おいて各炭化珪素質成形体を接合し、接合後真空もしく
    は不活性ガス雰囲気中で無加圧焼成を行って焼結体を得
    ることを特徴とする炭化珪素質焼結体の製造方法。
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