JP2002292613A - セラミック成形体の製造方法 - Google Patents

セラミック成形体の製造方法

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JP2002292613A
JP2002292613A JP2001093562A JP2001093562A JP2002292613A JP 2002292613 A JP2002292613 A JP 2002292613A JP 2001093562 A JP2001093562 A JP 2001093562A JP 2001093562 A JP2001093562 A JP 2001093562A JP 2002292613 A JP2002292613 A JP 2002292613A
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ceramic
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JP2001093562A
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Hirobumi Terasono
博文 寺園
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内部に中空部を有する複雑形状品や、脱型不可
能な複雑な形状を有するセラミックなどからなる粉体成
形体であっても、一体で精度良く、低コストかつ量産性
の高い製造方法を提供する。 【解決手段】内部に樹脂型3、4を装着した金型1に、
射出成形法により、セラミック粉末を含むスラリー5を
充填し、前記金型1を加熱及び/又は冷却することによ
って前記スラリー5を固化し、成形体を得た後、該成形
体を樹脂型3、4とともに、金型1から取り出し、該成
形体及び樹脂型3、4を加熱して前記樹脂型3、4を前
記成形体よりも収縮させた後、前記成形体から前記樹脂
型3、4を取り外すことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック成形体
の製造方法、特に、内部に中空部を有する大型及び/又
は複雑形状を有し、高温での信頼性が要求される熱機関
用部品等に用いられるセラミックスの製造に好適なセラ
ミック成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、エンジニアリングセラミックスとし
て知られている窒化珪素質焼結体は、耐熱性、耐熱衝撃
性、耐摩耗性及び耐酸化性に優れることから、特に自動
車エンジン部品、ガスタービン又はターボロータ等の熱
機関用部品としての応用が進められている。
【0003】窒化珪素は難焼結材であることから焼結性
を向上させるため、窒化珪素粉末に対し、焼結助剤を含
む成形体を焼成することが知られている。例えば、焼結
助剤としてY23等の希土類元素酸化物や酸化アルミニ
ウム等を用いる場合、これらが添加された成形体を加圧
焼成し、窒化珪素結晶相を主体とし、希土類元素、珪
素、アルミニウム、酸素及び窒素とからなる非晶質の粒
界相より構成された焼結体を得ることができる。
【0004】それら機構部品等に用いられる複雑な3次
元構造の窒化珪素質焼結体の成形方法として、金型プレ
ス成形法や、ラバープレス成形法が多く用いられてき
た。この方法では、あらかじめ焼成前のセラミック粉体
の塊を成形し、焼成前または焼成後に機械加工を施し、
所望の形状、寸法を得ていた。
【0005】しかし前記成形方法は量産化が出来ず、か
つ中空形状の内部など機械加工による捨て代が多いため
製品コストが著しく高価なものとなり、セラミック製の
機構部品の実用化を困難ならしめている。
【0006】また、その他にも前述のような複雑な形状
のセラミック部材を得る成形法の一つとして、従来から
一般に行われてきた石嚢型にセラミツク泥漿を注入し、
型の着肉や吸水を利用して成形体を得る泥漿鋳込み成形
法が用いられてきた。この方法は、一般に溶媒として
水、または有機溶媒を使用し、セラミックスと少量の解
膠剤を、前記溶媒を為す水、または有機溶媒に分散させ
スラリーを得、前記スラリーを石膏等からなる多孔質型
に注入し、型の吸水を利用し着肉せしめる。着肉の状態
によっては、スラリーに圧力を付与し、吸水を速め、前
記着肉が型内の全てのスラリーについて終了した後、脱
型を行い、成形体を得ていた。
【0007】しかし、この様な、鋳込み成形法において
は、使用回数とともに石膏型の吸水率が劣化し、成形体
の着肉速度が遅くなり成形におけるタクトタイムが長く
なるため、石膏型に金属リング等を接合し型を高強度化
し、スラリーにより高圧力を付与し吸水を速める等の対
策が提案されている。例えば、複雑形状の石膏型の外周
に、高強度多孔質体を囲繞して一体化した複合型を使用
する加圧泥漿鋳込み成形用型(実開昭61−16680
8)、湿式成形用鋳型(実開平07−42687)、セ
ラミック製品成形用型(特開昭54−129011)等
が提案されている。
【0008】しかし、このような成形型を用いてスリッ
プキャスティング成形体を作成する場合、良好な成形体
を得るために型に工夫をし、多くの費用を掛ける必要が
あり、これがコストを増加させる原因になっていた。ま
た、そのように型を工夫しなくとも、石膏型の吸水率が
劣化し、使用回数が限られ、型を交換する必要があるた
め、これもコストを増加させる原因になっていた。さら
に、型のコストを低減するため、型の使用回数を限界以
上に多く使用すると、吸水率の劣化から成形体に残留す
る水分が多くなり、乾燥中に割れが発生するという問題
点があった。
【0009】さらには、上記のような成形法において
は、内部に中空部を有するセラミックなどからなる粉体
成形品や、複雑な形状を有し、鋳込み終了後に吸水性の
成形型などを脱型することが困難な成形体に関しては、
成形する事が困難な状態にあった。また、このような中
空部、脱型困難な部分を有する大型複雑形状のセラミッ
ク焼結体を機械加工により作製することは、成形体の加
工において大型、高価な工作機械を要したり、また複雑
で、煩雑な加工が必要になり、時には複雑すぎて加工が
困難となることがある。
【0010】そこで、上記の課題を解決するために、脱
型不可能な樹脂型部分にポリエチレンなどからなる熱可
塑性樹脂を用い、この周囲に成形用バインダーを含有す
る粉体を配置したものをゴム型に充填し、10MPa以
上の圧力で一体成形した後、焼成により樹脂型を消失さ
せ、中空状成形体を得ることが特開平8−59348号
公報に提案されている。
【0011】また、樹脂型部分にポリスチレンなどから
なる発泡材料を用い、これを吸収性、多孔性の型内に配
置し、スラリー状の成形材料を流し込み、鋳込み成形に
より一体成形した後、脱脂工程、焼成工程における加熱
により消失させ、中空状成形体を得ることが、特開平8
−300333号公報に記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−59348号公報に記載の方法では、成形用型にゴ
ム型を用い等方加圧(CIP)することにより成形体を
得るため、樹脂型の位置決めを正確に行うことは困難
で、複雑形状の成形体を効率良く成形することができな
いという問題があった。
【0013】また、外径形状の切削加工が必要である。
しかも、CIPを行った成形体の外径は変形するため、
大きな削り代が設けられており、これを切削屑として原
料が無駄になるため、製品価格が上昇するという問題が
あった。
【0014】また、特開平8−300333号公報に記
載の方法は、成形用型に吸水性、多孔性の型を用いるた
め、製品全体の形状精度や、型との接触面の面粗度があ
まり良くないという問題があった。
【0015】また、多孔性型の吸水を利用し成形するた
め、成形時間が長くなること、型の吸水率が劣化し、型
の使用回数が限られるため、型を交換する必要があり、
製造コストが増加してしまうという問題があった。
【0016】従って、本発明の目的は、内部に中空部を
有する複雑形状品や、脱型不可能な複雑な形状を有する
セラミックなどからなる粉体成形体であっても、一体で
精度良く、低コストかつ量産性の高い製造方法を提供す
ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミック成形
体の製造方法は、樹脂型を装着した金型を用いて射出成
型法、特に低圧射出法により成形体を形成し、樹脂型と
金型とを加熱して分離することによって、複雑形状や中
空を有する形状等を有する成形体を作製できるという知
見に基づくものであり、樹脂型は、熱処理による収縮差
又は気化温度差を利用して除去され、中空部が得られ、
この方法によって複雑形状の成形体を、高精度で、低コ
スト且つ量産性の高い成形体の製造方法を提供すること
ができる。
【0018】即ち、本発明のセラミック成形体の製造方
法は、内部に樹脂型を装着した金型に、射出成形法によ
り、セラミック粉末を含むスラリーを充填し、前記金型
を加熱及び/又は冷却することによって前記スラリーを
固化し、成形体を得た後、該成形体を樹脂型とともに、
金型から取り出し、該成形体及び樹脂型を加熱して前記
樹脂型を前記成形体よりも収縮させた後、前記成形体か
ら前記樹脂型を取り外すことを特徴とするものである。
【0019】特に、前記樹脂型が、ヒドロオキシ脂肪
酸、脂肪酸エステル及び脂肪酸アミドのうち少なくとも
1種を主成分とする樹脂と、前記有機溶媒にn−パラフ
ィン(n=10〜15)とを含み、前記樹脂に対する前
記有機溶媒の比が0.15〜0.5であることが好まし
い。これらの樹脂は、有機溶媒に用いるn−パラフィン
(n=10〜15)との混合比により収縮量を変えるこ
とが可能であり、前記樹脂に対する前記有機溶媒の比が
0.15〜0.5にすることにより、加熱処理により容
易に樹脂型を成形体から分離することができる。
【0020】また、本発明のセラミック成形体の製造方
法は、内部に樹脂型を装着した金型に、射出成形法によ
り、セラミック粉末を含むスラリーを充填し、前記金型
を加熱及び/又は冷却することによって前記スラリーを
固化し、成形体を得た後、該成形体を樹脂型とともに、
金型から取り出し、該成形体及び樹脂型を加熱して前記
樹脂型を熱分解して除去することを特徴とするものであ
り、特に、前記成形体と前記樹脂型の加熱収縮差が5%
以下であることが好ましい。これにより、収縮差による
クラックの発生を防止しながら、樹脂型は、熱処理によ
り分解して除去され、中空部が得られる。
【0021】また、前記樹脂型が、ヒドロオキシ脂肪
酸、脂肪酸エステル及び脂肪酸アミドのうち少なくとも
1種を主成分とする樹脂と、前記有機溶媒にn−パラフ
ィン(n=10〜15)とを含み、前記樹脂に対する前
記有機溶媒の比が0.01〜0.15であることが好ま
しい。これにより、前記樹脂型を熱分解して除去する際
に、加熱による樹脂型の消失時に発生するカーボン量を
減少させることができる。
【0022】さらに、前記スラリーが結合剤、分散剤及
び有機溶媒を含むことが好ましい。これにより、低粘度
かつ流動性に優れる成形用混合物を得ることができる。
【0023】さらにまた、前記結合剤がヒドロオキシ脂
肪酸、脂肪酸エステル及び脂肪酸アミドのうち少なくと
も1種を主成分とする樹脂、前記分散剤が非イオン系界
面活性剤、前記有機溶媒がn−パラフィン(n=10〜
15)であることが好ましい。これにより、金型から成
形体をはずす際、成形体の接着強度が低く、離型性が良
くなることから成形体の肉厚が薄い部分や、肉厚が急激
に変化する部分に割れ等が入らず、歩留り良く信頼性の
高い成形体を成形することができる。
【0024】また、前記セラミック粉末は、窒化珪素粉
末及び焼結助剤粉末を主体とする混合粉末であることが
好ましい。これにより、複雑形状を有する窒化珪素質成
形体を作製することができ、高温での機械特性に優れる
部材を作製することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明のセラミック成形体の製造
方法によれば、内部に中空部を有する複雑形状品や、脱
型不可能な複雑な形状を有するセラミック成形体を、射
出成型法を用いて作製することが重要であり、射出成型
法によって製品寸法の精度を高くすることができる。つ
まり、射出成型法に用いられる金型の精度及び表面平滑
性を成形体に転写するため、高い精度が期待できる。
【0026】成形体の作製に用いる金型には、脱型不可
能な内部の中空部や、複雑形状部に熱可塑性樹脂からな
る樹脂型を配置することが重要である。例えば、図1
は、樹脂を配設した金型の概略断面図を示したものであ
る。金型1は、3種類の金型部材1a、1b及び1cの
組合せで構成され、温度調節用流体流路2に流れる流体
により温度を調節することができる。
【0027】金型部材1aの内部には樹脂型3が取り付
けられており、また、金型部材1bの内部には樹脂型4
が取り付けられている。樹脂型3、4は金型にボルトや
接着剤等を用いて取り付けることができる。スラリーの
圧力を考慮するとボルトによる締結で固定されることが
望ましい。
【0028】金型1にスラリー5を注入し、所望の温度
の流体を温度調節用流体通路2に流してスラリー5を固
化した後、金型部材1a、1b及び1cを取り外して成
形体を取り出す。
【0029】図2は、図1の金型1から取り出した成形
体である。樹脂型13及び14が成形体15と一体とな
っており、これを加熱処理して樹脂型14を収縮させ、
成形体15と分離させることができる。また、樹脂型1
3は、熱処理によって熱分解させ、消失させて樹脂型1
3を除去することにより、所望の形状の成形体15を得
ることができる。
【0030】本発明によれば、上記のようにセラミック
粉末、バインダ及び有機溶媒からなる混合物を、熱可塑
性樹脂と有機溶媒からなる樹脂型が装填された金型に充
填し、該金型を加熱及び/又は冷却して固化して成形体
を得た後、熱処理を行って前記樹脂型を収縮することに
よって脱型、あるいは消失することにより、内部に中空
部を有する成形体の中空部を精度よく、かつ効率的に形
成することができる。
【0031】ここで用いられるセラミック粉末は、アル
ミナ、ジルコニア等に代表される酸化物系セラミック
ス、または、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等
に代表される非酸化物系セラミックス、及びこれらのセ
ラミック材料と焼結助剤粉末、金属粉末の混合粉末のい
ずれにおいても適用できるものである。
【0032】これらの中で、高強度、高靭性で機械的信
頼性の高い窒化珪素質焼結体が、複雑形状の成形体を形
成するために用いられることが好ましい。なお、セラミ
ック粉末には主結晶相の窒化珪素粉末の他に、焼結助剤
として周期律表第2族又は第3族の元素等が含まれてお
り、混合粉末として用いられることが、焼成を容易にす
るために好ましい。
【0033】樹脂型は、成形体との熱収縮差を利用する
場合、加熱により大きな熱収縮が得られる材料を用いる
必要がある。例えば、樹脂型がヒドロオキシ脂肪酸、脂
肪酸エステル及び脂肪酸アミドのうち少なくとも1種を
主成分とする樹脂と、前記有機溶媒にn−パラフィン
(n=10〜15)とを含み、前記樹脂に対する前記有
機溶媒の比が0.15〜0.5であることが好ましい。
この比に設定することで、加熱処理により有機溶媒が揮
発するため、樹脂型の収縮率を大きくすることができ
る。一例として、ヒドロオキシ脂肪酸、n−パラフィン
(n=15)の組合せを示すことができる。そして、こ
の樹脂に対する有機溶媒の比を0.15〜0.5、特に
0.2〜0.4にすることにより、常温から120℃ま
でにn−パラフィン(n=15)が顕著に揮発性を示
し、乾燥が進展する。そして、大きく収縮するため、成
形体から分離することが可能となる。
【0034】また、樹脂型を熱分解する場合、例えば、
樹脂型がヒドロオキシ脂肪酸、脂肪酸エステル及び脂肪
酸アミドのうち少なくとも1種を主成分とする樹脂と、
前記有機溶媒にn−パラフィン(n=10〜15)とを
含み、前記樹脂に対する前記有機溶媒の比が0.01〜
0.15、特に0.03〜0.1であることが好まし
い。この比に設定することにより、熱収縮を抑制し、且
つ熱処理により熱分解が可能となる。一例として、ヒド
ロオキシ脂肪酸、n−パラフィン(n=15)の組合せ
を示すことができる。そして、この樹脂に対する有機溶
媒の比を0.01〜0.15にすることにより、120
℃までにn−パラフィン(n=15)が顕著に揮発性を
示し、乾燥が進展する。また、ここで大きく収縮する。
さらに、400℃までの温度域でヒドロオキシ脂肪酸の
分解が促進され、600℃までにほぼすべて消失され
る。熱処理の雰囲気としては、不活性ガス、窒素、酸化
性雰囲気のいずれでも良いが、カーボンの残留を減少さ
せるためには、酸化性雰囲気が好ましい。
【0035】また、前記成形体と樹脂型の加熱収縮差が
5%以下、特に3%以下であることが好ましく、これに
より、加熱により成形体及び樹脂型が乾燥、収縮、消失
する際に、収縮、膨張により、成形体に割れや欠けが発
生することを防止できる。
【0036】この樹脂型を乾燥、収縮、消失させる際の
熱処理としては、常温から樹脂型の分解温度までの温度
範囲なら自由に選定できる。
【0037】また、本発明に用いられるスラリーは、セ
ラミック粉末に対して結合剤、分散剤及び有機溶媒を含
むことが好ましい。特に、結合剤にヒドロオキシ脂肪
酸、脂肪酸エステル及び脂肪酸アミドのうち少なくとも
1種を主成分とする樹脂、分散剤として1種以上の非イ
オン系界面活性剤からなる有機性分散剤、前記有機溶媒
にn−パラフィン(n=10〜15)を用いることが好
ましい。
【0038】これにより、低粘度かつ流動性に優れる成
形用混合物を得る事ができる。また、金型から成形体を
はずす際、成形体の接着強度が低く、離型性が良くなる
ことから成形体の肉厚が薄い部分や、肉厚が急激に変化
する部分に割れ等が入らず、歩留り良く信頼性の高い成
形体を成形することができる。
【0039】さらに、前記樹脂型を形成するために、ヒ
ドロオキシ脂肪酸、脂肪酸エステル及び脂肪酸アミドの
うち少なくとも1種を主成分とする樹脂、前記有機溶媒
にn−パラフィン(n=10〜15)を用いることが好
ましい。
【0040】これにより、樹脂型材料に成形用混合物と
同一の熱可塑性樹脂を用いる事により、成形体と樹脂型
の収縮差を少なくすることが可能となる。また、熱可塑
性樹脂にヒドロオキシ脂肪酸、脂肪酸エステル及び脂肪
酸アミドを主成分とするので、加熱による樹脂型の消失
時に発生するカーボン量を減少させることができる。
【0041】
【実施例】本発明の粉体成形品の製造方法を、セラミッ
クガスタービン部品用の一体型セラミックノズル(図
1)に適用した。
【0042】即ち、樹脂型は、ヒドロオキシ脂肪酸系樹
脂(以下、HSAとする)とn−パラフィン(n=1
4)とを、HSA70重量%、n−パラフィン30重量
%の比率で配合し、加熱により溶融したものを型に、次
いで、この樹脂型成形用型を冷却、樹脂材料を固化せし
めた後、型から脱型し、樹脂型4を得た。また、HSA
95重量%、n−パラフィン5重量%の比率で配合し、
同様にして樹脂型3を得た。
【0043】次に、セラミック成形用材料調製工程にお
いて、成形用混合物を混合した。セラミック成形用材料
は、ヒドロオキシ脂肪酸系樹脂、アクリル系樹脂やワッ
クスなどのバインダと、粉体であるセラミック粉にn−
パラフィン(n=14)からなる炭化水素系有機溶媒、
アクリル系ポリマーからなる有機性分散剤とを、セラミ
ック粉体100重量%に対し、バインダ20重量%、有
機溶媒10重量%、有機性分散剤5重量%の比率で加
熱、混合し、スラリー状にした。
【0044】次に、成形体を作製するために、加熱、冷
却用の温度調節可能な非吸収性の金型1内に樹脂型3及
び4を配置し、金型1、樹脂型3、4を加熱した後、ス
ラリー状の成形材料を3atmで注入し、射出成形を行
なった。
【0045】成形後に、金型を取りはずし、樹脂型1
3、14と一体となったセラミック成形体15を得た。
【0046】さらに、乾燥工程において、セラミック成
形体を0〜80度の温度下に、1〜3日間置くことによ
り、セラミック成形体15、樹脂型13、14中の有機
溶媒が乾燥し収縮した。さらに、5日間置くことにより
収縮し形成された空隙から樹脂型14を脱型することが
できた。
【0047】次に、脱脂工程において、セラミック成形
体を600℃の温度で3日間保持することにより、脱型
することが困難な形状の樹脂型13を消失させる事がで
きた。この際、樹脂型13はヒドロオキシ脂肪酸系樹脂
(以下、HSAとする)とn−パラフィンとを主成分と
しているので、成形体にカーボンが付着することがな
く、焼結体強度、表面状態に影響を及ぼすことがなかっ
た。
【0048】このようにして、樹脂型13、14を除去
した複雑形状を有するセラミックノズル成形体15を作
製することができた。そして、最後に、成形体15を1
750℃度の温度で焼成することによって、セラミック
ノズルが一体となった焼結体を得た。
【0049】
【発明の効果】本発明のセラミック成形体の製造方法
は、射出成型法において、樹脂型と金型とを加熱して分
離することによって、内部に中空部を有する複雑形状品
や、脱型不可能な複雑な形状を有するセラミックなどか
らなる粉体成形品であっても、一体で精度良く、低コス
ト、量産性に優れ、かつ確実に製造することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック成形体の製造方法における
樹脂を配設した金型の概略断面図である。
【図2】本発明における樹脂型を有するセラミック成形
体の概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・金型 1a、1b、1c・・・金型部材 2・・・温度調節用流体流路 3、4、13、14・・・樹脂型 5・・・スラリー 15・・・セラミック成形体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に樹脂型を装着した金型に、射出成形
    法により、セラミック粉末を含むスラリーを充填し、前
    記金型を加熱及び/又は冷却することによって前記スラ
    リーを固化し、成形体を得た後、該成形体を樹脂型とと
    もに、金型から取り出し、該成形体及び樹脂型を加熱し
    て前記樹脂型を前記成形体よりも収縮させた後、前記成
    形体から前記樹脂型を取り外すことを特徴とするセラミ
    ック成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記樹脂型が、ヒドロオキシ脂肪酸、脂肪
    酸エステル及び脂肪酸アミドのうち少なくとも1種を主
    成分とする樹脂と、前記有機溶媒にn−パラフィン(n
    =10〜15)とを含み、前記樹脂に対する前記有機溶
    媒の比が0.15〜0.5であることを特徴とする請求
    項1記載のセラミック成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】内部に樹脂型を装着した金型に、射出成形
    法により、セラミック粉末を含むスラリーを充填し、前
    記金型を加熱及び/又は冷却することによって前記スラ
    リーを固化し、成形体を得た後、該成形体を樹脂型とと
    もに、金型から取り出し、該成形体及び樹脂型を加熱し
    て前記樹脂型を熱分解して除去することを特徴とするセ
    ラミック成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記成形体と前記樹脂型の加熱収縮差が5
    %以下であることを特徴とする請求項3記載のセラミッ
    ク成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記樹脂型が、ヒドロオキシ脂肪酸、脂肪
    酸エステル及び脂肪酸アミドのうち少なくとも1種を主
    成分とする樹脂と、前記有機溶媒にn−パラフィン(n
    =10〜15)とを含み、前記樹脂に対する前記有機溶
    媒の比が0.01〜0.15であることを特徴とする請
    求項3又は4記載のセラミック成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記スラリーが結合剤、分散剤及び有機溶
    媒を含むことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれ
    かに記載のセラミック成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記結合剤がヒドロオキシ脂肪酸、脂肪酸
    エステル及び脂肪酸アミドのうち少なくとも1種を主成
    分とする樹脂、前記分散剤が非イオン系界面活性剤、前
    記有機溶媒がn−パラフィン(n=10〜15)である
    ことを特徴とする請求項6記載のセラミック成形体の製
    造方法。
  8. 【請求項8】前記セラミック粉末が窒化珪素粉末及び焼
    結助剤粉末を主体とする混合粉末であることを特徴とす
    る請求項1乃至7のうちいずれかに記載のセラミック成
    形体の製造方法。
JP2001093562A 2001-03-28 2001-03-28 セラミック成形体の製造方法 Pending JP2002292613A (ja)

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