JP3051897B2 - グラファイト分散セラミックス成形体の製造方法 - Google Patents

グラファイト分散セラミックス成形体の製造方法

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JP3051897B2
JP3051897B2 JP3145220A JP14522091A JP3051897B2 JP 3051897 B2 JP3051897 B2 JP 3051897B2 JP 3145220 A JP3145220 A JP 3145220A JP 14522091 A JP14522091 A JP 14522091A JP 3051897 B2 JP3051897 B2 JP 3051897B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度、高寸法精度セ
ラミックスの製造方法に係り、特にグラファイト分散
されたセラミックス成形体製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスの成形法には、粉末プレス
成形法、射出成形法、押出し成形法、鋳込み成形法など
が知られている。この成形工程は、極めて重要であり、
製品の性能に影響を及ぼす。例えば、射出成形法では、
寸法精度良く成形できるが、空気の巻き込みによるボイ
ドあるいはクラックの発生を防ぐことは難しい。また、
射出による材料の流れによって成形体にウェルドライン
を生じ、これが焼結後機械的強度の欠陥と成る。また、
通常の成形法では、成形体中の粒子充填率が60%以下
と低いために焼結時に大きく収縮、変形を伴う。そし
て、上記の成形法には熱可塑性バインダが良く用いられ
ている。なぜなら、熱可塑性バインダは加熱することに
より流動性が得られるためにセラミックス粉末との均一
な混合が容易であるためである。しかし、熱可塑性バイ
ンダでは、以下の欠点が有る。1)バインダの除去の際
にガスが発生し、フクレやクラックの原因となり、焼結
後機械的強度の欠陥と成る。2)成形時に金型あるいは
原料を加熱し、冷却後製品を取り出す必要が有り、成形
工程が長い。3)金型の加熱、冷却により金型が脆化す
る。4)成形品(製品)の冷却時に歪を生ずる。5)成
形品を冷却してから取り出す必要が有り、時間がかか
る。
【0003】それに対して、熱可塑性樹脂は加熱により
流動性を得たのち、硬化することが出来る。成形品を冷
却しなくても取り出すことが出来る。しかし、熱硬化性
樹脂は溶剤に溶けないためセラミックス粉末との均一な
混合が困難であり、充填ムラを生じる。さらに、熱硬化
性樹脂量を多くするとセラミックス粒子充填率が小さく
なるとともに、バインダ除去の際、製品形状が崩れてし
まう問題点を有る。また、熱硬化性樹脂を用いていて
も、焼結を大気中で行っていたため、セラミックス中に
グラファイトを分散させた成形品を得ることはできなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
バインダに熱硬化性樹脂のプレポリマーを用いて、グラ
ファイト分散セラミックス成形体を高密度、高寸法精度
製造する方法を提供することに有る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では熱硬化性樹脂のプレポリマーとセラミッ
クス粉末との混合物を、加圧形成する工程と、不活性ガ
ス中で樹脂中の有機分を除去し遊離炭素を残す工程と、
不活性ガス中で焼結する工程とで、順次処理することを
特徴とするグラファイト分散セラミックス成形体製造
法としたものである。本発明の製造方法において、前
記混合物は、前記セラミックス粉末の表面が前記熱硬化
性樹脂のプレポリマーで覆われている混合物を用いるこ
とができる。また、本発明では、セラミックス中にグラ
ファイトが分散されたグラファイト分散セラミックス成
形体において、前記グラファイトは、セラミックス粉末
と混合された熱硬化性樹脂が、不活性ガス中で有機分が
除去され遊離炭素が残されてできたものであることを特
徴とするグラファイト分散セラミックス成体としたも
のである。
【0006】前記の本発明の製造方法において、原料混
合物中の熱硬化性樹脂のプレポリマーとセラミックス粉
末との比率は30:70から5:95vol%の範囲で
あり、焼結して得られたグラファイト分散セラミックス
成形体の粒子充填率70vol%以上であり、前記加
圧形成する工程は、金型内で前記混合物が硬化する金型
温度で加圧形成し、また、前記混合物を熱硬化しない温
度で予備成形し、予備成形を組み合わせて、前記成
形体が硬化する温度で加圧形成することができる。
た、原料の表面が熱可塑性樹脂のプレポリマーで覆われ
ている成形用セラミックス系粉末は、フローテスターに
よる見掛け粘度が、0.1MPa・sから0.3MPa
・s(但し、ノズル形状φ6×6.8mm、圧力39M
Pa)であるものがよい。本発明の製造方法は次の各工
程を含むものである。 (a)架橋前の熱硬化性樹脂のプレポリマーとセラミッ
クス粉末及び溶剤を混合する工程、(b)溶剤を除去す
る工程、(c)粉砕工程、(d)常温金型内で加圧成形
し、予備成形体を作製する工程、(e)不活性ガス中で
樹脂中の有機分を分解する工程、(f)不活性ガス中で
焼結する工程、以上の工程を含む。
【0007】上記において、前記セラミックス粉末は、
無機化合物及び/又は金属の粒子、短繊維、長繊維の少
なくとも一種から成る。この金属粒子は、最終焼結体で
は窒化物、酸化物、炭化物などに変化する。本発明で
は、熱硬化性樹脂のプレポリマーが溶剤に溶けるため、
粒子、短繊維、長繊維との混合、分散が容易である。該
粒子は、粒径10nmから1mm程度のものを使用するこ
とができるが、この範囲には限定されない。また、繊維
は、径0.1μmから1mm程度のもの、アスペクト比
は、10から100を使用することが好ましいが、この
範囲には限定されない。前記熱硬化性樹脂は、付加反応
型ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アル
キド樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂の少なくとも一種から成り、必要により、硬化
剤を混合する。特に、エポキシ樹脂は、硬化時の収縮が
小さいので高寸法精度成形に有効である。成形時におい
て、金型内で流動開始温度以上で加圧成形した後、硬化
する必要がある。上記熱硬化性樹脂と硬化剤の組合せを
行なうことにより、硬化時間を数十秒から数分以内に制
御することができ、成形工程の短縮化に有効である。ま
た、金型温度を一定にできるため、金型の脆化を防止で
きる。金型温度は、熱硬化性樹脂のプレポリマーとセラ
ミックス粉末の混合物が流動性を持つとともに、硬化す
る温度が好ましい。金型温度を制御することによって
も、硬化時間を制御可能である。一般には、100℃か
ら200℃の範囲にするのが好ましい。
【0008】熱硬化性樹脂のプレポリマーとセラミック
ス粉末の混合物が硬化する際の収縮率は0.5%以下、
特に高寸法精度を要求する場合は0.1%以下にするの
が好ましい。この硬化収縮により、金型との離型が容易
になる。本発明において、熱硬化性樹脂のプレポリマー
とセラミックス粉末の混合は、ポットミル、らいかい
機、スプレードライなどの方法により、セラミックス粉
末表面に熱硬化性樹脂のプレポリマーを付着させればよ
い。したがって、その方法は一般概念にとらわれない。
本発明において、複雑形状品を作製する場合、熱硬化し
ない温度で予備成形体を作製し、最終成形体が1個以上
の予備成形体を組み合わせたセラミックスの成形法を行
なうことも可能である。
【0009】
【作用】本発明において、熱硬化性樹脂のプレポリマー
とセラミックス粉末との比率を30:70から5:95
vol%の混合物とする理由について述べる。セラミッ
クス原料粉末自体は脆性の固体粒子から成っているた
め、そのままの加圧では充填が困難であり、バインダの
添加により流動性を助ける必要がある。このバインダの
添加量によって、焼結体の強度が左右される。例えば、
金属Siの反応焼結法によるSi3 4 焼結体の曲げ強
度と熱硬化性樹脂のプレポリマー添加量の関係を図1に
示す。また、成形体粒子充填率と熱硬化性樹脂のプレポ
リマー添加量との関係を図2に示す。このように、熱硬
化性樹脂のプレポリマー添加量により成形体の粒子充填
率及び焼結体の強度が左右される。最適添加量の場合の
み高強度品が得られる。これは、原料粉末にバインダ添
加量を増していくと、混合物の流動性は良好と成り、成
形が容易になる。その結果、成形体の密度が向上する。
しかし、原料粉末が理想的な密充填に有るときの空隙の
割合以上にバインダーを添加すると原料粉末はバインダ
ー中に孤立した状態になる。この場合、混合物の流動性
は良くなり、射出成形でも可能になるが、成形体中の粒
子充填率が低下する。そして、脱バインダー処理を行な
うと結合分である熱硬化性樹脂が分解するため、製品の
形状が崩れてしまう現象が生じる場合が有る。このよう
に、最適量の熱硬化性樹脂のプレポリマーを添加するこ
とにより、成形体の粒子充填率を70vol%以上にす
ることが出来る。
【0010】本発明において、表面が熱硬化性樹脂で覆
われている成形用セラミックス粉末のフローテスターに
よる見掛け粘度が、0.1MPa・sから0.3MPa
・s(但し、ノズル形状φ6×6.8mm、圧力39M
Pa)とする。フローテスターによる見掛け粘度と成形
体粒子充填率の関係を図3に示す。これは、図2と全く
同様の傾向に有り、原料の粘度が成形体粒子充填率に影
響していることが判る。その理由は、上記と全く同様で
ある。このように、最適の見掛け粘度とすることによ
り、成形体の粒子充填率を70vol%以上にすること
が出来る。上記の最終成形体については、含有されてい
る熱硬化性樹脂を不活性ガス中で熱分解した後、さら
に、不活性ガス中で、加圧焼結、ホットプレス焼結など
の方法により焼結体を作製する。ここで、含有されてい
る熱硬化性樹脂を熱分解するとグラファイトとして残留
し、焼結体中に点在し、摺動特性向上に有効であること
から、摺動部材に適している。また、セラミックス成形
体の成形方法は、プレス成形、鋳込み成形、ラバープレ
ス成形、押出成形、金型粉末成形など、成形体の形状と
焼結体に要求される特性等に応じて選択する。
【0011】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されない。 実施例1 平均粒径2μmのSiC粒子と平均粒径0.1μmの金
属Siを20:80vol%の割り合いの原料配合比の
混合粉末に成形用バインダとしてエポキシ樹脂のプレポ
リマーを1〜50vol%添加し、溶剤としてアセトン
を添加しポットミルで24時間混合した。そして、混合
物中の溶剤を乾燥除去した後、この原料をメカニカルプ
レスを用いて成形圧力1000kgf/cm2 、温度1
60℃で、2分間保圧し、直径50mm、厚さ20mm
のものを成形した。得られた成形体の粒子体積充填率と
エポキシ樹脂のプレポリマー量との関係を図2に示す。
これより、エポキシ樹脂のプレポリマー量5から30v
ol%では成形体の粒子充填率が70vol%以上ある
ことが判る。この各成形体から不活性ガス中で成形バイ
ンダ中の有機分を除去し遊離炭素分を残し、窒素雰囲気
中1100℃から1350℃を3℃/hの昇温速度で長
時間かけて加熱した。これにより遊離カーボン1〜6v
ol%、Si3 4 ウイスカ/粒子=5/95vol%
の焼結体を得た。3点曲げ試験強度とエポキシ樹脂のプ
レポリマー量の関係を図1に示す。エポキシ樹脂のプレ
ポリマー量20vol%のものでは、620MPaの曲
げ強度が得られた。焼結体中の気孔形状は、5μm以下
と小さく、原料とバインダが均一に混合されていること
が判った。なお、エポキシ樹脂のプレポリマー量40v
ol%以上の成形体は脱バインダ後、形状が崩れてしま
った。
【0012】比較のために上記の原料粉末に架橋後のエ
ポキシ樹脂粉末20vol%を加え、アセトンを混合し
ポットミルで24時間混合した。そして、混合物中の溶
剤を乾燥除去した後、この原料をメカニカルプレスを用
いて成形圧力1000kgf/cm2 、温度160℃
で、2分間保圧し、直径50mm、厚さ20mmのもの
を成形した。この成形体から成形バインダを除去した
後、窒素雰囲気中1100℃から1350℃を3℃/h
の昇温速度で長時間かけて加熱した。得られた焼結体の
3点曲げ強度は230MPaと本発明に比較して1/2
以下である。これは、原料とバインダの混合が均一に出
来なかったために、大きな気孔(50μm)が欠陥とし
て残存したためである。
【0013】実施例2 平均粒径1μmのTiN粒子と平均粒径0.1μmの金
属Siを20:80vol%の割り合いの原料配合比の
混合粉末に成形用バインダとしてフェノールノボラック
樹脂のプレポリマーを20vol%添加し、溶剤として
アセトンを添加しポットミルで24時間混合した。そし
て、混合物中の溶剤を乾燥除去した後、この原料をメカ
ニカルプレスを用いて成形圧力1000kgf/c
2 、温度160℃で、2分間保圧し、直径50mm、
厚さ20mmのものを成形した。これより、成形体の粒
子充填率が77vol%得られた。この成形体から不活
性ガス中で成形バインダ中の有機分を除去し遊離炭素分
を残し、窒素雰囲気中1100℃から1350℃を3℃
/hの昇温速度で長時間かけて加熱した。この焼結時の
寸法変化率は、0.12vol%と小さかった。3点曲
げ試験の結果、630MPaの曲げ強度が得られた。焼
結体中の気孔形状は、1μm以下と小さく、原料とバイ
ンダが均一に混合されていることが判った。
【0014】実施例3 平均粒径1μmのAlN粒子と平均粒径0.2μmの金
属Siを50:50vol%の割り合いの原料配合比の
混合粉末に成形用バインダとしてエポキシ樹脂のプレポ
リマーを19vol%、硬化触媒としてテトラフェニル
ホスホニウムを1vol%添加し、溶剤としてアセトン
を添加しポットミルで24時間混合した。そして、混合
物中の溶剤を乾燥除去した後、この原料をメカニカルプ
レスを用いて成形圧力1000kgf/cm2 、温度1
60℃で、30秒保圧し、直径50mm、厚さ20mm
のものを成形した。これより、成形体の粒子充填率が7
5vol%得られた。この成形体から不活性ガス中で成
形バインダ中の有機分を除去し遊離炭素分を残し、窒素
雰囲気中1100℃から1350℃を4℃/hの昇温速
度で長時間かけて加熱した。3点曲げ試験の結果、63
0MPaの曲げ強度が得られた。焼結体中の気孔形状
は、2μm以下と小さく、原料とバインダが均一に混合
されていることが判った。また、硬化触媒を添加するこ
とにより、成形時間を短く出来ることが判った。本発明
において、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂やステアリ
ン酸などの滑剤を微量添加することにより、流動性(成
形性)を向上させることも出来る。本発明において、熱
可塑性樹脂のプレポリマーとセラミックス粉末と溶媒か
らなる混合物を、鋳込み成形法により成形し、溶剤を石
膏などにより除去する方法も可能であり、複雑形状の成
形に有効である。
【0015】実施例4 直径1μm、アスペクト比100のSiC繊維と平均粒
径0.1μmのSi3 4 を25:75vol%の割り
合いの原料配合比の混合粉末に、焼結助剤としてY2
3 を2vol%、Al23 を2vol%添加し、そし
て成形用バインダとしてフェノールノボラック樹脂のプ
レポリマーを25vol%添加し、溶剤としてアセトン
を添加しポットミルで24時間混合した。そして、混合
物中の溶剤を乾燥除去した後、この原料をメカニカルプ
レスを用いて成形圧力1000kgf/cm2 、温度1
50℃で、3分間保圧し、直径50mm、厚さ20mm
のものを成形した。これより、成形体の粒子充填率が7
3vol%得られた。この成形体から成形バインダを除
去し遊離炭素分を残し、窒素雰囲気中1450℃で2時
間加熱処理した。そして、窒素雰囲気中1750℃で5
時間処理し焼結体を作製した。630MPaの3点曲げ
強度、K1C=11.3の特性を持つ焼結体が得られた。
焼結時の収縮量は約7%と一般の常圧焼結品に比較して
1/2以下である。
【0016】実施例5 平均粒径3μmのTiN粒子と平均粒径0.5μmの金
属Siを50:50vol%の割り合いの原料配合比の
混合粉末に成形用バインダとしてエポキシ樹脂のプレポ
リマーを19vol%、硬化触媒としてテトラフェニル
ホスホニウムを1vol%添加し、溶剤としてアセトン
を添加しポットミルで24時間混合した。そして、混合
物中の溶剤を乾燥除去した後、この原料をメカニカルプ
レスを用いて成形圧力500kgf/cm2 で直径40
mm、厚さ10mmの予備成形体を作製する。同様
に、平均粒径10μmのAl2 3 粒子と平均粒径0.
5μmの金属Siを50:50vol%の割り合いの原
料配合比の混合粉末に成形用バインダとしてエポキシ樹
脂のプレポリマーを19vol%、硬化触媒としてテト
ラフェニルホスホニウムを1vol%添加し、溶剤とし
てアセトンを添加しポットミルで24時間混合した。そ
して、混合物中の溶剤を乾燥除去した後、この原料をメ
カニカルプレスを用いて成形圧力500kgf/cm2
で直径40mm、厚さ10mmの予備成形体を作製す
る。そして、及びの予備成形体を金型に重ねて入れ
温度160℃で、30秒保圧し、直径40mm、厚さ2
0mmのものを成形した。この複合成形体から成形バイ
ンダを除去した後、窒素雰囲気中1100℃から135
0℃を4℃/hの昇温速度で長時間かけて加熱した。そ
の結果、導電性と絶縁性を有する構造体を作製すること
が出来た。複合材の接合(界面)部は、Siの窒化物で
あるSi3 4 で結合されていた。
【0017】実施例6 平均粒径1μmのSiC粒子と平均粒径0.2μmの金
属Siを25:75vol%の割り合いの原料配合比の
混合粉末に成形用バインダとしてエポキシ樹脂のプレポ
リマーを19vol%、硬化触媒としてテトラフェニル
ホスホニウムを1vol%添加し、溶剤としてアセトン
を添加しポットミルで24時間混合した。そして、混合
物中の溶剤を乾燥除去した後、この原料をメカニカルプ
レスを用いて成形圧力1000kgf/cm2 、温度1
60℃で、30秒保圧し、外径60mm、内径50m
m、厚さ20mmのリングを成形した。これより、成形
体の粒子充填率が72vol%得られた。この成形体か
ら成形バインダを除去し遊離炭素分を残し、窒素雰囲気
中1100℃から1350℃を4℃/hの昇温速度で長
時間かけて加熱した。3点曲げ試験の結果、570MP
aの曲げ強度が得られた。焼結体中の気孔形状は、3μ
m以下と小さく、原料とバインダが均一に混合されてい
ることが判った。摺動面を研摩した後、相手材にAl2
3 (相対密度:98%)を用いて摺動試験をおこなっ
た。摺動条件は、面圧10kgf/cm2 、すべり速度
3m/sec、大気中で行なった。その結果、摩擦係数
は0.005、摩耗量は0.01mg/cm2 /100
hと小さい。また、比較例としてSi3 4 /Al2
3 組合せの摺動試験の結果、摩擦係数は0.15、摩耗
量は0.21mg/cm2 /100hであり、本発明に
劣ることが判る。
【0018】
【発明の効果】従来の熱可塑性樹脂を用いたセラミック
ス成形法に比較して、製品の寸法安定性が向上し、金型
の寿命が延び、脱脂によるクラックが防止できる。熱硬
化性樹脂のプレポリマーを用いることにより、セラミッ
クス原料との混合に、溶媒を用いることができ、均一に
混合が可能である。上記の点から、量産品の成形法とし
て優れている。さらに、プレポリマー熱硬化性樹脂を分
解すると焼結体中にグラファイトが残存し、摺動効果を
もたらすため、ベアリング、ガイドレール、歯車、オル
ダムリング、軸受、フローティングシールなどの摺動部
材に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属Siの反応焼結法によるSi3 4 焼結体
の曲げ強度と熱硬化性樹脂のプレポリマー添加量の関係
を示すグラフである。
【図2】成形体粒子充填率と熱硬化性樹脂のプレポリマ
ー添加量との関係を示すグラフである。
【図3】フローテスターによる見掛け粘度と成形体粒子
充填率の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−187179(JP,A) 特開 昭59−137372(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/78 C04B 35/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂のプレポリマーとセラミッ
    クス粉末の混合物を、加圧形成する工程と、不活性ガス
    中で樹脂中の有機分を除去し遊離炭素を残す工程と、
    活性ガス中で焼結する工程とで、順次処理することを特
    徴とするグラファイト分散セラミックス成形体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記混合物は、前記セラミックス粉末の
    表面が前記熱硬化性樹脂のプレポリマーで覆われてい
    とを特徴とする請求項1記載のグラファイト分散セラ
    ミックス成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記混合物中の熱硬化性樹脂のプレポリ
    マーとセラミックス粉末との比率は、30:70から
    5:95vol%であることを特徴とする請求項1記
    のグラファイト分散セラミックス成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記得られたグラファイト分散セラミッ
    クス成形体は、粒子充填率が70vol%以上であるこ
    とを特徴とする請求項記載のグラファイト分散セラミ
    ックス成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記加圧形成する工程は、金型内で前記
    混合物が硬化する温度で加圧形成することを特徴とする
    請求項記載のグラファイト分散セラミックス成形体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記加圧形成する工程は、前記混合物を
    熱硬化しない温度で予備成形し、該予備成形体を組み合
    わせて、前記成形体が硬化する温度で加圧形成すること
    を特徴とする請求項1記載のグラファイト分散セラミッ
    クス成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記セラミックス粉末は、無機化合物及
    び/又は金属の粒子、短繊維、長繊維の少なくとも一種
    から成ることを特徴とする請求項1記載のグラファイト
    分散セラミックス成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記熱硬化性樹脂のプレポリマーは、ポ
    リイミド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
    脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキ
    ド樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレー
    ト樹脂の少なくとも一種から成ることを特徴とする請求
    1記載のグラファイト分散セラミックス成形体の製造
    法。
  9. 【請求項9】 セラミックス中にグラファイトが分散さ
    れたグラファイト分散セラミックス成形体において、前
    記グラファイトは、セラミックス粉末と混合された熱硬
    化性樹脂が、不活性ガス中で有機分が除去され遊離炭素
    が残されてできたものであることを特徴とするグラファ
    イト分散セラミックス成形体
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