JP2008274101A - 炭化ケイ素セラミックス用の接着剤組成物および炭化ケイ素セラミックスの接着方法 - Google Patents

炭化ケイ素セラミックス用の接着剤組成物および炭化ケイ素セラミックスの接着方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、およびホウ素(B)からなる(A)成分、6ホウ化ケイ素(SiB)及び/または4ホウ化ケイ素(SiB)からなる(B)成分、及びフェノール樹脂からなる(C)成分を含有する炭化ケイ素セラミックス用の接着剤組成物、及びこれを用いた接着方法。
【効果】本発明に係わる接着剤組成物および接着方法は、炭化ケイ素セラミックス部材を含む被接着部材を容易にかつ強固に接着することができ、また接合剤が被接着部材間から漏出することを防止できるので、接合体の外観を損なうことなく、また接合時における歩留まりを高く維持し、かつ強固に接着させることができる。半導体製造プロセスに使用される炭化ケイ素セラミックス成形体、エンジン部品、ケミカルプラント部品、あるいはエレクトロニクスプラント用品等の製造あるいは修理に好適に利用することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化ケイ素セラミックス部材を接着するための接着剤組成物、およびその接着剤組成物を用いて炭化ケイ素セラミックス部材を接着する接着方法に関する。
炭化ケイ素セラミックスは、高温で物理的および化学的に安定した性質を示すことから、エンジン部品、ケミカルプラント部品、あるいはエレクトロニクスプラント用品等に使用されている。
炭化ケイ素粉末にホウ化ケイ素および炭素または炭化性有機化合物を混合して無加圧焼結法を適用すると、メカニカルシールやベアリング等の摺動部品に有用な高品質の炭化ケイ素焼結体が製造できることが、特開昭62−275066号公報に記載されている。また、ホウ化チタン粉末に炭化ケイ素ウイスカーまたは同粉末を加えて焼結する際に、ホウ化ケイ素を添加すると高強度化が図られ、バルブ、コック、容器、パイプ、バーナー等に適した製品が得られることが、特開平4−132667号公報に記載されている。
従来炭化ケイ素セラミックス部材から製品を製造し、あるいはそれらの製品を修理する際に、部材間の接合が必要になる。しかし前記した公報には、炭化ケイ素にホウ化ケイ素等を混合して焼結すると、高強度かつ高安定性の製品が得られることは記載されているが、その接合に使われる接着剤や具体的な接合方法については、前記の公報には何も記載されていない。
炭化ケイ素セラミックス部材間の接合に際して、産業界では粉状、塊状、あるいは板状のシリコンからなる接合剤を、接合する部材間に塗布またはその他の方法で挟み込み、その後シリコンの融点(mp1420℃)以上の温度に加熱する方法がとられて来た。
この方法によると、接合時に接合剤であるシリコンをその融点以上に加熱して流動化させるために、接合作業時に接合面を水平に保たないとシリコンが偏在してしまうことから、均一な接合を実現することは難しかった。また、シリコンの使用量が少ないと、接合が十分に行なわれないばかりか、接合強度が著しく低下しがちであった。そこでシリコンを必要量よりやや多めに用いると、特に大型品の接合においては、前記したと同様にシリコンの過剰分が接合部から流出してしまう。このシリコンの流出は、全体的に染み出すようなささやかな状況ではなく、接合部材間の一部から集中的に流出する大がかりな事態になる。仮に接合体内部に溝を形成した構造体構成の場合には、流れ出たシリコンが溝を塞いでしまう事故にも発展し、このような場合には流れ出たシリコンを除去する方法がないので、接合体は補修することができず、結局は廃棄する以外の処置方法はなかった。
また、接合した炭化ケイ素セラミックス体を半導体用冶具として用いる時には、純度が低下するのを防ぐため、高純度処理が可能なカーボン材を、前記半導体用冶具を支え、かつ固定するための冶具として用いることが多い。カーボン材は、耐熱性がありかつ易加工性であるために、安価な支え冶具として汎用性が高い。しかし、カーボンはシリコンとの反応性が高く、接合剤であるシリコン及び炭化ケイ素セラミックス中に含有されているシリコンが流れ出てカーボンと接触すると反応して炭化ケイ素を生じるが、その反応時の体積膨張によって炭化ケイ素セラミックス体に割れや変形が生じ易い。このような割れや変形が生じると、その再使用は非常に難しく、大型接合冶具の場合には大きな損害が発生する。
さらに接合処理は、一般に炭化ケイ素セラミックスの形状加工等が終了した最終工程近くで行われるために、流出した接合剤がそのまま固まってしまうと、除去に手間がかかるだけでなく、製品が損傷したり、時には破壊したりする場合も出てくる。
特開平4−132667号公報
そこで本発明は、前記した従来技術が抱える状況を改善するためになされたもので、炭化ケイ素セラミックスの部材を強固に接着し、また接合剤の流出による製品の損傷等を回避しうる接着剤組成物の提供を目的にする。また本発明は、炭化ケイ素セラミックス部材の接着を、歩留まりよく、かつ接合体の外観を損なうことなく容易に行える炭化ケイ素セラミックスの接着方法の提供を目的にする。
すなわち本発明は、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、およびホウ素(B)からなる(A)成分、6ホウ化ケイ素(SiB)及び/または4ホウ化ケイ素(SiB)からなる(B)成分、及びフェノール樹脂からなる(C)成分を含有してなり、(A)成分の含有割合が、(A)成分と(B)成分との合計量に対して70〜99質量%であり、(B)成分の含有割合が、(A)成分と(B)成分との合計量に対して1〜30質量%であり、(C)成分の含有割合が、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して30〜70質量部である炭化ケイ素セラミックス用の接着剤組成物に関する。
また本発明は、シリコン含浸炭化ケイ素セラミックスで構成された被接着部材間に、前記炭化ケイ素セラミックス用の接着剤組成物を介在させ、非酸化性の雰囲気下で1200〜1500℃の温度に加熱する炭化ケイ素セラミックスの接着方法、及び常圧焼結炭化ケイ素セラミックスで構成された被接着部材間に、前記炭化ケイ素セラミックス用の接着剤組成物を介在させ、非酸化性の雰囲気下で1300〜2000℃の温度に加熱する炭化ケイ素セラミックスの接着方法に関する。
本発明に係わる接着剤組成物によれば、炭化ケイ素セラミックス部材を含む被接着部材を容易にかつ強固に接着することができる。またこの接着剤を用いれば、非酸化性雰囲気下で加熱して接着することにより、以下に述べるように接合剤の流出による製品の損傷等を回避することができる。
また、本発明に係わる接着方法によると、6ホウ化ケイ素( SiB)および/または4ホ
ウ化ケイ素(SiB)からなる(B)成分が高温の接合温度でフェノール樹脂からなる(C
)成分と反応して、部材である炭化ケイ素(SiC)の結晶構造に類似した結晶構造を持っ
た炭化ケイ素(SiC)および炭化ホウ素(B4C)になる。従って例え過剰の接着剤組成物を用いても、その中のシリコンが反応して粘性が高く、流動性が乏しい生成物になるので、その接着剤組成物が被接着部材間から漏出することを防止できる。このため接合体の外観を損なうことなく、また接合時における歩留まりを高く維持し、かつ強固に接着させることができる。
従って、本発明に係わる接着剤組成物および接着方法は、半導体製造プロセスに使用される炭化ケイ素セラミックス成形体の製造および修理に好適に適用させることができるばかりでなく、エンジン部品、ケミカルプラント部品、あるいはエレクトロニクスプラント用品等の製造あるいは修理に好適に利用することができる。
本発明に係わる接着剤組成物は、少なくとも次の3種類の成分(A)、(B)および(C)を含有する。
その内(A)成分は、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、およびホウ素(B)から構成されており、ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、およびホウ素(B)の混合割合は、ケイ素(Si)を1質量部としたときに、炭化ケイ素(Si C)は0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部、ホウ素(B)は0.01〜1質量部、好ましくは0.05〜0.5
質量部の範囲が望ましい。各要素がこの範囲にあると、ケイ素(Si)とホウ素(B)はモ
ル比1:6の比率で反応が起きてホウ化ケイ素(SiB)になる。さらに、生成したホウ
化ケイ素(SiB)はフェノール樹脂からなる(C)成分と反応してホウ化ケイ素(SiB4)になり、その結果、炭化ケイ素(SiC)部材とのなじみがよくなるので、互いの接合に好
都合である。
(B)成分は6ホウ化ケイ素(SiB)および/または4ホウ化ケイ素(SiB4)である
。両者を混合して使用するときには、SiB:SiB=1:0.5〜1:1の質量比の範囲で使用するのが好ましい。SiBとSiBとの混合割合が前記の範囲にあると、6ホウ化ケイ素(SiB6)および4ホウ化ケイ素( SiB)からなる(B)成分がフェノール樹脂からなる(C)成分と反応して、部材である炭化ケイ素(SiC)の結晶構造に類似した結晶構造を持った炭化ケイ素(SiC)および炭化ホウ素(B4C)になるので、接着に好都合である。
(C)成分は、フェノール樹脂であり、好ましくは分子量500以上の液状の熱硬化性フェノール樹脂であり、さらに固定炭素率(フェノール樹脂単位量当り炭素に変わる比率)が30〜45%と高く、強固なカーボンボンドを形成し易く、また2.5〜6.5(pa・s)(25℃)の粘度を有する耐火物用途のフェノール樹脂であることが望ましい。このフェノール樹脂はカーボン原料として使用されるものであって、後述する加熱処理時にカーボンへと変化し、(A)成分及び部材中のSi成分や(B)成分と化学反応を起こす。
この接着剤組成物において、(A)成分及び(B)成分の合計量中に占める(A)成分の割合は、70〜99質量%、好ましくは75〜97質量%、より好ましくは80〜95質量%であり、(B)成分の割合は、1〜30質量%、好ましくは3〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%である。さらに(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して、(C)成分の配合割合は、30〜70質量部、好ましくは35〜65質量部、より好ましくは40〜60質量部である。(A)(B)および(C)が前記の範囲内にあると、後述する実施例1〜3で調べ、図4に示した接合部のX線分析結果から明らかなように、角度(Degree)(Cu・Kα)20〜80度の範囲内にはシリコンやホウ素の回折ピークはあらわれず、SiCやBCの回折ピークのみがあらわれる。つまり(A)(B)および(C)が前記の範囲内にあると、このような反応が進むことにより、接合界面の状況は均一になり、高い接着強度が示される。
この組成物中には、必要に応じて、アルコール、ケトンおよび炭化水素等の有機化合物が配合されて、粘度が調整されていてもよい。各成分は共に不純物をできるだけ含まない高純度品が使用される。
この接着剤組成物において、(A)成分を構成するSi、SiC、およびBの要素は常に3要素が共存していることが必要であって、各要素の単独で、あるいは2要素の組み合わせに対して(B)成分および(C)成分を混合しても、接着強度の高い、好適な接着剤組成物を形成することはむずかしい。
この組成物は、(A)および(B)成分、必要に応じて他の成分を、粒径0.5〜5μ
mの微粒子状に粉砕して使用することが望ましい。その粉砕操作に際して、超音波分散法、ボールミル法、震動ミル法などが利用できる。(C)成分は、液状ないし流動状態にあるので、(C)成分を(A)および(B)成分等の微粒子と混合することにより、粘着性のある接着剤組成物が調製される。混合物の流動状態が低い粘着状態にある場合には、アルコール類やケトン類等の揮発性有機溶剤を加えて粘度を低下させ、調整することができる。このようにして混合された組成物は、粘着性があるのでそのまま被接着部材表面に塗布したり、或いはシートないしフィルム状に成形できることから、シートないしフィルム状に成形した組成物を被接着材間に挟み込むことにより、接着操作を容易に行うことができる。
前記した接着剤組成物が適用される被接着部材は、炭化ケイ素セラミックスから加工された部材である。ここで使用しうる炭化ケイ素セラミックスは、炭化ケイ素が100質量%のものであってもよいし、その中にシリコンが15〜20質量%含有されているものであってもよいし、別の成分が混合されていてもよい。そのような炭化ケイ素セラミックスは、出発原料にαまたはβ型炭化ケイ素粉末を用い、必要に応じてホウ素、炭素等を少量焼結助剤として添加し、あるいはシリコン、アルミナ等を少量複合材として添加して、1800℃以上の非酸化性雰囲気下で、常圧ないし加圧下で焼結して製造することができる。このセラミックスとしては、常圧焼結炭化ケイ素セラミックスを例示することができる。この常圧焼結炭化ケイ素セラミックスは、実質的にシリコンを含まず、実質的に炭化ケイ素のみからなるセラミックスであり、少量の添加物を含むことができる。また前述したような炭化ケイ素粉末を一次焼結した後、シリコンを15〜20質量%加えて二次焼結して製造したシリコン含浸炭化ケイ素セラミックスを例示することができる。
この接着剤組成物は、従来の接合剤と同様に、被接着部材間に塗布またはその他の方法で挟み込み、加熱することにより接合をすることができる。ここで接合に際して接合面に酸素が取り込まれないようにすると、(A)、(B)、(C)成分 及び炭化ケイ素部材間の反応が円滑に進むと共に、強固な接着層を形成するという利点がある。また酸素が多量に存在して酸化反応が進行すると、接着剤組成物は粉末状態へと変化し、強固な接着層は形成されない。接合に際して接合面に酸素が取り込まれることを防止するためには、非酸化性の雰囲気で接合を行うとよい。たとえば前記した材質から構成された複数の部材を、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下に、あるいは真空下に置き、互いの接着面が向かい合うように設置し、そしてその接着面間に前記したシート状の接着剤組成物を挟み込ませる。その後、接着面間が密着した同じ状態が保てるように設置し、必要ならば接着面を両側から加圧状態にする。
そして被接着部材がシリコン含浸炭化ケイ素セラミックスの場合には、1200℃〜1500℃、好ましくは1300〜1400℃、常圧焼結炭化ケイ素セラミックスの場合には、1300〜2000℃、好ましくは1600〜1800℃で加熱処理を施す。加熱処理時間は、被接着部材の形状や大きさ、また接着剤組成物の種類によって変わるが、通常は20〜120分の範囲内で十分である。この範囲内で行えば、被接着部材の形状を変形させることなく、そして各成分間の反応が良好に進行し、均質な接着層が形成して、高い接着強度で接合することができる。
実際のこの熱処理操作において、被接着部材の材質、形状或いは大きさによって異なるが、前記温度まで昇温する際には、時間をかけてゆっくりと、或いは段階的に温度を高めていくことが望ましく、ゆっくりと加熱する場合には、例えば毎分3〜5℃の昇温速度で行うことができる。段階的に加熱する場合には、例えば、4〜7段階に分けて、100〜300℃づつ段階的に昇温させ、各段階の保持時間は20〜120分間とすることができる。目標温度に到達したら、その温度にしばらく放置することが望ましい。各段階で適度の保持時間をおくと、(C)成分の炭素率を高め、また焼結時の反応性を良好にする。こ
のような理由から、段階的に加熱する方法が好ましい。その後徐冷するが、例えば毎分5〜10℃の速度で降温すると、被接着部材が接着剤組成物によって強固に接合された状態の成形体を得ることができる。
次に図1を参照して本発明の一例を説明する。図1において、被接合体1、2は、各々炭化ケイ素セラミックス焼結体であって、両者の接合面が密着する形状に形成されている。接合面には(A)成分、(B)成分および(C)成分を含むシート状接着剤組成物3の所要量を塗布し、或いは挟み込むように配置される。このような炭化ケイ素セラミックス焼結体を不活性ガス雰囲気中または真空中に置き、接着剤組成物が反応する温度で所要時間加熱すると、強固に接合した接合体が得られる。実施例で接合した接合面の顕微鏡写真を図5に示したが、接合した両層が均質に接合していることがわかる。
本発明では、接着剤組成物中の(A)成分、(B)成分および(C)成分が反応し、その結果SiCとBCが生成し、それらが強固な接着に寄与しているものと、接着層のX線分
析及び界面の顕微鏡観察から、発明者は考えている。
次に実施例を通して本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示した横20mm、幅10mm、高さ10mmの炭化ケイ素セラミックス板材のほぼ中央に、横7mm、幅7mm、深さ5mmの穴を掘削加工した。次に横6.5mm、幅6.5mm、高さ10mmの炭化ケイ素セラミックス棒材を準備した。ここで使用した炭化ケイ素セラミックス製の板材および棒材は、シリコン含浸炭化ケイ素セラミックスで、Si−SiCであった。
次に、板材に設けた穴に棒材を挿入するが、板穴と棒材との隙間には次の組成の粘着状接着剤1gを挿入し、棒材の上方から圧力を加えて固定した。
(A)Si:SiC:B=1:1:0.1(質量比) : 90 質量部
(B)SiB : 10 質量部
(C)フェノール樹脂 : 50 質量部
次いでこの組立体をArガス雰囲気中に置き、200℃で2時間乾燥した後、400℃、600℃及び1000℃へと各々10分かけて昇温し、各段階で20分間温度を保持した。引き続き1390℃に30分間放置した。次いで、3時間かけて室温まで徐冷して図2と図3に示すような接合体を得た。
得られた接合体を切断し、接合面を光学顕微鏡観察したところ、図5に示すように炭化ケイ素セラミックス板材と棒材とは接着剤層を介して均質に接着していた。そこでその接着面をX線分析したところ、図4の上から3番目の解析図に示したようにSiCとB4Cのピークが観察された。接着剤組成物を構成するSiB6とSiB4とが反応し、SiCとB4Cが接合体の接合部に生成したことがわかった。また接合面からの接着剤組成物が流出することはなかった。さらに接合体を、JIS R1601に準拠して3点曲げ強度を室温で測定し、その結果を表1に記した。
(実施例2〜3)
使用した接着剤組成物を表1に記載したとおりに変更した以外は、実施例1と同様に行った。接合面は、いずれも強固に接着していた。実施例2および3の接合面のX線分析結果をそれぞれ図4の上から2番目および1番目に、また接合体の曲げ強度を表1に併せて記した。このように、本発明の接着剤組成物により被接着部材が強固に接着されていることがわかった。
なお、実施例3において、SiBとSiBとは、1:1(モル比)の割合で使用した。
(実施例4)
(A)、(B)及び(C)成分を、それぞれ75、25及び35質量部とした以外は、実施例1と同様に行った。その結果、接合体の曲げ強度は8kgf/mm2を示し、強固に接合
していることがわかった。
(実施例5)
被接着部材として常圧焼結炭化ケイ素セラミックスを用い、200℃で2時間乾燥した後、1700℃へと7時間かけて段階的に昇温し、その温度で1時間保持し、その後5時間かけて室温まで徐冷した。それ以外の接着操作は、実施例1と同様に行った。その結果、接合体の曲げ強度は12kgf/mm2を示し、強固に接合していることがわかった。
(比較例1〜6)
(A)成分に代えて(A’)成分を用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返した。その結果を表2に記載したが、いずれも、接着しないか、あるいは接着してもすぐに剥がれる状態であったので、接着不良と判定した。なお、比較例4〜6において、A’成分は、1:1(モル比)で使用した。
本発明の接合体の1例を示す斜視図である。 実施例1で作成した接合体の1例を示す斜視図。 実施例1で作成した接合体の断面図。 実施例1〜3で得られた接合体の接合面をX線回折試験を行った解析図。 実施例1で得られた接合体の接合面の表面顕微鏡写真図。 比較例1で得られた接合体の接合面の表面顕微鏡写真図。
符号の説明
1、 2・・・被接合体
3・・・・・シート状接着剤組成物

Claims (3)

  1. ケイ素(Si)、炭化ケイ素(SiC)、およびホウ素(B)からなる(A)成分、6ホウ化ケイ素(SiB)及び/または4ホウ化ケイ素(SiB)からなる(B)成分、及びフェノール樹脂からなる(C)成分を含有してなり、(A)成分の含有割合が、(A)成分と(B)成分との合計量に対して70〜99質量%であり、(B)成分の含有割合が、(A)成分と(B)成分との合計量に対して1〜30質量%であり、(C)成分の含有割合が、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して30〜70質量部であることを特徴とする炭化ケイ素セラミックス用の接着剤組成物。
  2. シリコン含浸炭化ケイ素セラミックスで構成された被接着部材間に、請求項1に記載の炭化ケイ素セラミックス用の接着剤組成物を介在させ、非酸化性の雰囲気下で1200〜1500℃の温度に加熱することを特徴とする炭化ケイ素セラミックスの接着方法。
  3. 常圧焼結炭化ケイ素セラミックスで構成された被接着部材間に、請求項1に記載の炭化ケイ素セラミックス用の接着剤組成物を介在させ、非酸化性の雰囲気下で1300〜2000℃の温度に加熱することを特徴とする炭化ケイ素セラミックスの接着方法。
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