JP3022606B2 - ポリアミド−水素添加型アクリロニトリル変性ポリブタジエン系共重合体およびその製造方法 - Google Patents

ポリアミド−水素添加型アクリロニトリル変性ポリブタジエン系共重合体およびその製造方法

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JP3022606B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な共重合体に関
し、より詳しくはポリアミド−水素添加型アクリロニト
リル変性ポリブタジエン系共重合体およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブタジエンは柔軟な分子構造を有
し、また、スチレン−ブタジエン共重合体は優れた熱可
塑性弾性体であることが知られている。しかしながら、
この共重合体はポリマー連鎖は低温で軟化し、120℃
を越える温度域では満足な性能を示さないという問題が
あった。この問題を解決するために、スチレン成分をポ
リアミド成分に変えたポリアミド−ポリブタジエン系ブ
ロック共重合体が提案されている(特開昭60−490
26号公報及び特公昭62−3171号公報)。このブ
ロック共重合体は有機溶媒への溶解性、他のポリマーと
の相溶性に問題があり、耐熱性を損なわず改良させたポ
リアミド−アクリロニトリル−ブタジエン系ブロック共
重合体が提案されている(特願平1−63493号)。
しかし、このブロック共重合体は溶融成形できないとい
う問題があったため、さらにその点を改良したポリアミ
ド−水素添加型ポリブタジエン系ブロック共重合体が提
案された(特願平2−72192)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されている上記ポリアミド−アクリロニトリル−ブタ
ジエン系ブロック共重合体、ポリアミド−ポリブタジエ
ン系ブロック共重合体等は耐熱性、溶媒溶解性、相溶性
等を有するものの、熱分解時にガスの発生(特にブタジ
エンユニット及びニトリル系有毒ガス)を伴い、また、
溶融成形できないという問題があった。更にその点を改
良したポリアミド−水素添加型ポリブタジエン系ブロッ
ク共重合体は、溶融成形可能なものの、特定の高分子材
料等との複合化に於いて相溶性、密着性、接着性等が十
分でなく、問題があった。本発明は、従来の技術に於け
る上述のような問題点に鑑みてなされたものである。従
って、本発明の目的は、耐熱性が良好であり、溶媒への
溶解性、他のポリマーとの相溶性に優れ、且つ、溶融成
形可能な新規な共重合体およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の技術
における上記の問題点を解決するために研究を進めた結
果、ポリアミド−アクリロニトリル変性ポリブタジエン
系ブロック共重合体を製造する際に、ブタジエンユニッ
トのオレフィン部分が95%以上に水素添加され、且
つ、両末端がカルボキシル化された水素添加型アクリロ
ニトリル変性ポリブタジエンオリゴマーを使用するとと
もに、高分子構造の規則性を乱す事により、上記の問題
が解決できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明の第1のものは、水素添加型アクリロ
ニトリル変性ポリブタジエンユニットを構造中に有する
共重合体であって、下記式(I)で示される構造を有す
ることを特徴とする。
【0005】
【化6】 (式中、Arは下記(1) 〜(6) の構造を有する二価の芳
香族基、Rは二価の有機基を示し、l′m′n′はそれ
ぞれの組成比を示し、m′≧l′+n′である。また、
x,y,zはそれぞれ平均重合度であって、x=3〜
7、y=1〜4、z=5〜15の整数を示す)
【0006】
【化7】
【0007】本発明のポリアミド−水素添加型アクリロ
ニトリル変性ポリブタジエン系共重合体は、下記一般式
(II) で示される両末端にカルボキシル基を有する水素
添加型アクリロニトリル変性ポリブタジエンオリゴマー
【化8】 (式中、x,y,zは前記の意味を有する)と下記一般
式(III)で示される芳香族ジアミン
【化9】 (式中、Arは前記の意味を有する)と、下記一般式
(IV)で示されるジカルボン酸
【化10】 (式中、Rは前記の意味を有する)とを芳香族亜リン酸
エステルとピリジン誘導体の存在下で重縮合させること
によって製造することができる。
【0008】換言すれば、本発明の共重合体は、一般式
(III)と一般式(IV)で示される芳香族ジアミンとジカ
ルボン酸とを予じめ反応させて、両末端にアミノアリー
ル基を有するポリアミドを作成し、然るのち該ポリアミ
ドと一般式(II) で示される両末端にカルボキシル基を
有するオリゴマーと重縮合するのではなく、該一般式
(II) のオリゴマーと芳香族ジアミンとジカルボン酸と
を直接重縮合させることを特徴とする。
【0009】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明において使用される両末端にカルボキシル基を有する
水素添加型アクリロニトリル変性ポリブタジエンオリゴ
マーは、ブタジエンとアクリロニトリルをアニオン重合
またはラジカル重合によって製造した両末端にカルボキ
シル基を有するアクリロニトリル変性ポリブタジエン
を、適当な水素添加触媒(例えばPt,Pd,ラネーN
i,Ru,Ro系等)を単独或いは助触媒(有機配位子
及び無機塩類)と共存して用い、高圧下に水素添加する
ことにより製造することができる。(特開昭60-60106、
ドイツ国特許第658172号及び同国特許第2,529,132号、
米国特許第3,700,637 号)。
【0010】なお、両末端にカルボキシル基を有する水
素添加型アクリロニトリル変性ポリブタジエンオリゴマ
ーとしては、ブタジエンの1,2−または1,4−位で
連結された構造のものであれば、いかなる方法で製造さ
れたものでもよい。この場合、両末端にカルボキシル基
を有する水素添加型アクリロニトリル変性ポリブタジエ
ンオリゴマーを構成するアクリル変性ポリブタジエンの
平均重合度Zは、引っ張り強度、引っ張り弾性率等の機
械的物性を考慮すると、5〜15の範囲が必要である。
【0011】本発明において使用される上記一般式(II
I)で示される芳香族ジアミンとしては、請求項1で規定
されたAr、すなわち式 (1)〜(6) で示される二価の芳
香族基を有するものが適用され、例えば、m−フェニレ
ンジアミン,P−フェニレンジアミン、4,4′−エチ
レンジアミン、4,4′−イソプロピリデンジアミン、
3,4′−オキシジアニリン、4,4′−オキシジアニ
リン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4
−アミノフェニル)スルホン、1,4−ナフタレンジア
ミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレ
ンジアミン、1,3−ビス(メタアミノフェニル)−
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、4,4′
−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、
4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルス
ルホン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,
4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、
4,4′−ビス(4−アミノフェニルメルカプト)ベン
ゾフェノン、4,4′−ビス(4−アミノフェニルメル
カプト)ベンゾフェノン、2,2′−ビス(4−アミノ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビス
(4−(2−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキ
シ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビ
ス(4−(3−トリフルオロメチル−5−アミノフェノ
キシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2′−
ビス(4−(3−トリフルオロメチル−4−アミノフェ
ノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2′
−ビス(4−(2−トリフルオロメチル−5−アミノフ
ェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,
2′−ビス(4−(4−トリフルオロメチル−5−アミ
ノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2′−ビス(4−(2−ノナフルオロブチル−5−
アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2′−ビス(4−(4−ノナフルオロブチル−
5−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロ
パン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、o−トリジ
ン、o−ジアニシジン等を挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。又、これらの芳香族ジア
ミンを2種以上併用して実施しても良く、特に好ましく
は、前述した如く、3,4′−オキシジアニリン、3,
3′−ジアミノベンゾフェノン、ビス(4″−アミノフ
ェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)メタ
ン、2,2′−(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン等である。
【0012】本発明で、使用される上記一般域(IV)で
示されるジカルボン酸としては、前述の如くRで示され
る二価の有機基として脂肪族、脂環式、芳香族等を含む
ものならいずれでも適用でき、例えば、イソフタル酸、
テレフタル酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、
3,3′−メチレン二安息香酸、4,4′−メチレン二
安息香酸、4,4′−オキシ二安息香酸、4,4′−チ
オ二安息香酸、3,3′−カルボニル二安息香酸、4,
4′−カルボニル二安息香酸、4,4′−スルホニル二
安息香酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−
ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、1,3−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、マロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、ア
ジピン酸、1,10−デカン二酸、フェニルマロン酸、
ベンジルマロン酸、フェニルスクシン酸、3−フェニル
グルタル酸、ホモフタル酸、1,3−フェニレン二酢
酸、1,4−フェニレン二酢酸、4−カルボキシフェニ
ル酢酸、5−ブロモ−N−(カルボメチル)アントラニ
ル酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼン二酢
酸、m−カルボキシシナモン酸等のジカルボン酸及びこ
れらの誘導体をあげることができるが、これらに限定さ
れるものではない。又、これらを2種以上併用し実施し
ても良い。
【0013】本発明において、ポリアミド−水素添加型
アクリロニトリル変性ポリブタジエン系共重合体を得る
ためには、両末端にカルボキシル基を有する水素添加型
アクリロニトリル変性ポリブタジエンオリゴマーと、上
記一般式(III)で示される芳香族ジアミンと上記一般式
(IV)で示されるジカルボン酸とを重縮合させるが、そ
の重縮合反応は、三者の原料成分を単に混合加熱して実
施することもできるが、この場合には、重縮合反応を高
温下で行なう必要があり、その結果アミド交換反応など
の副反応を伴うことが避けられないという問題がある。
したがって本発明では芳香族亜リン酸エステルとピリジ
ン誘導体の存在下で重縮合反応を実施する。このような
本発明の製造方法によれば重縮合反応に際して高温を必
要とせず、アミド交換反応等の副反応を避けることがで
き、本発明の共重合体を容易に製造することができる。
【0014】本発明の共重合体を製造するために使用す
る亜リン酸エステル系縮合剤としては、亜リン酸トリフ
ェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリ−o−トリ
ル、亜リン酸ジ−o−トリル、亜リン酸トリ−m−トリ
ル、亜リン酸ジ−m−トリル、亜リン酸トリ−p−トリ
ル、亜リン酸ジ−p−トリル、亜リン酸ジ−o−クロロ
フェニル、亜リン酸トリ−p−クロロフェニル、亜リン
酸ジ−p−クロロフェニル等をあげることが出来るが、
これらに限定されるものではない。更に、本発明におい
て亜リン酸エステルと共に使用するピリジン誘導体とし
て、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコ
リン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,5−
ルチジン等を挙げることができる。
【0015】本発明においては、上記縮合反応を亜リン
酸エステルとピリジン誘導体の存在下に重縮合を行なわ
せるが、この反応に際しては、通常、ピリジン誘導体を
含む混合溶媒を用いる溶液重合法が採用される。この場
合、使用する有機溶媒は、両反応成分や亜リン酸エステ
ルと実質的に反応しない溶媒という点において制限を受
けるが、このほかに反応成分に対する良溶媒であって、
しかも反応生成物である共重合体に対する良溶媒である
ことが望ましい。使用することができる有機溶媒として
代表的なものは、N−メチル−2−ピロリドンやジメチ
ルアセトアミド等のアミド系溶媒がある。
【0016】本発明において、重合度の大きい共重合体
を得るためには、塩化リチウム、塩化カルシュウム等の
無機塩類をこの反応系に添加することも出来る。本発明
のポリアミド−水素添加型アクリルニトリル変性ポリブ
タジエン系共重合体を得るためには、上記ジカルボン酸
と芳香族ジアミンと上記両末端にカルボキシル基を持つ
水素添加型アクリロニトリル変性ポリブタジエンオリゴ
マーとをN−メチル−2−ピロリドン等の溶媒中に存在
させた状態で、亜リン酸エステルとピリジンの共存下で
反応させ本発明の共重合体を得ることが出来る。本発明
におけるこれらの重縮合反応で使用する亜リン酸エステ
ル系縮合剤の量は、通常、カルボキシル基に対して等モ
ル量以上であるが、30倍モル量以上の使用は経済的に
見て好ましくはない。又ピリジン誘導体の量は、カルボ
キシル基に対して等モル量以上であることが必要である
が、実際には反応溶媒としての役割を含めて大過剰の量
を使用することが多い。本発明においてはピリジン誘導
体とN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒からなる
混合溶媒が好ましく使用されるが、その混合溶媒の使用
量は、反応成分を5−30重量%含むような量であるこ
とが好ましい。
【0017】本発明における反応温度は、一般に60〜
140℃の範囲が好ましい。また反応時間は、反応温度
により大きく影響されるが、反応は最高の重合度を意味
する最高粘度が得られるまで反応系を攪拌して行うのが
好ましく、多くの場合数分から20時間の間である。
【0018】反応終了後、反応混合物をメタノール、ヘ
キサン等の非溶媒中に投じて生成重合体を分離し、さら
に再沈澱法により精製を行って副生成物や無機塩類等を
除去することにより、本発明の重合体を得ることができ
る。
【0019】本発明のポリアミド−水素添加型アクリロ
ニトリル変性ポリブタジエン系共重合体の場合、上記反
応条件下で、両末端にカルボキシル基を有する水素添加
型アクリロニトリル変性ポリブタジエンオリゴマーと、
芳香族ジアミンとジカルボン酸との重縮合比は、カルボ
キシル基とアミノ基とが等モル量になるような割合であ
ればよく、その場合の平均重合度は2〜20の範囲のラ
ンダム共重合体を製造することができる。平均重合度が
20を越えると加工性の低下を招くなどするため好まし
くない。
【0020】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を詳細に述べる
が、本発明はこれのみによって限定されるものではな
い。 実施例1 イソフタル酸1.661g(10ミリモル)、3,4′
−オキシジアニリン2.202g(11ミリモル)、水
素添加型アクリロニトリル変性ポリブタジエンオリゴマ
ー3.6g(約1ミリモル)、塩化リチウム0.33
g、塩化カルシウム1.01g、N−メチル−2−ピロ
リドン20ml、ピリジン20mlを100ml三ッ口丸底フ
ラスコの中に入れ、攪拌して溶解させた後、亜リン酸ト
リフェニル6.2gを加えて、100℃で4時間反応さ
せた。室温まで冷却した後、得られた反応溶液を11の
メタノール中に投入し、水素添加型アクリロニトリル変
性ポリブタジエン部分を約50wt%含有した本発明のポ
リアミド−水素添加型アクリロニトリル変性ポリブタジ
エン系共重合体を析出させた。得られた共重合体の固有
粘度は0.34 dl/g (ジメチルアセトアミド中、30
℃)であった。この共重合体の赤外スペクトル(アナレ
クト社製FX6160にて測定)は2800cm-1付近に
メチレン鎖に相当する吸収が、1300cm-1付近に−C
−C−Hに対応する吸収が、1658cm-1に−NHCO
に基づくカルボニルの吸収認められた。
【0021】実施例2 実施例1の3,4′−オキシジアニリンを3,3′−ジ
アミノベンゾフェノン2.334g(11ミリモル)に
代えた以外は実施例1と同様の操作を行い本発明のポリ
アミド−水素添加型アクリロニトリル変性ポリブタジエ
ン系共重合体を得た。得られた共重合体の固有粘度は
0.58 dl/g (ジメチルアセトアミド中、30℃)で
あった。この共重合体の赤外スペクトル(アナレクト社
製FX6160にて測定)は2800cm-1付近にメチレ
ン鎖に相当する吸収が、1300cm-1付近に−C−C−
Hに対応する吸収が、1657cm-1に−NHCOに基づ
くカルボニルの吸収が、1720cm-1にケトンカルボニ
ル基に基づく吸収が認められた。
【0022】実施例3 実施例1の3,4′−オキシジアニリンをビス(4−ア
ミノフェニル)スルホン2.731g(11ミリモル)
に代えた以外は実施例1と同様の操作を行い本発明の共
重合体を得た。得られた共重合体の固有粘度は0.71
dl/g (ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。
この共重合体の赤外スペクトル(アナレクト社製FX6
160にて測定)は2800cm-1付近にメチレン鎖に相
当する吸収が、1300cm-1付近に−C−C−Hに対応
する吸収が、1661cm-1に−NHCOに基づくカルボ
ニルの吸収が、1217付近及び1368cm-1に−SO
2 −に基づく吸収が認められた。
【0023】実施例4 実施例1の3,4′−オキシジアニリンをビス(4−ア
ミノフェニル)メタン2.218g(11ミリモル)に
代えた以外は実施例1と同様の操作を行い本発明の共重
合体を得た。得られた共重合体の固有粘度は0.46 d
l/g (ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。こ
の共重合体の赤外スペクトル(アナレクト社製FX61
60にて測定)は2800cm-1付近にメチレン鎖に相当
する吸収が、1300cm-1付近に−C−C−Hに対応す
る吸収が、1664cm-1に−NHCOに基づくカルボニ
ルの吸収が認められた。
【0024】実施例5 実施例1の3,4′−オキシジアニリンを2,2′−ビ
ス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.
677g(11ミリモル)に代えた以外は実施例1と同
様の操作を行い本発明の共重合体を得た。得られた共重
合体の固有粘度は0.32 dl/g (ジメチルアセトアミ
ド中、30℃)であった。この共重合体の赤外スペクト
ル(アナレクト社製FX6160にて測定)は2800
cm-1付近にメチレン鎖に相当する吸収が、1300cm-1
付近に−C−C−H及び−C−Fに対応する吸収が、1
667cm-1に−NHCOに基づくカルボニルの吸収が認
められた。
【0025】
【発明の効果】本発明のポリアミド−水素添加型アクリ
ロニトリル変性ポリブタジエン系共重合体は、従来のポ
リアミド−ポリブタジエン系ブロック共重合体、ポリア
ミド−アクリロニトリル−ブタジエン系ブロック共重合
体、ポリアミド−水素添加型ポリブタジエン系ブロック
共重合体と比較して、それらの特性を損なうことなく溶
融し、且つ、他樹脂との相溶性に優れるという特徴があ
り、耐熱性の高い熱可塑性弾性体を与えるので、より利
用範囲の広い素材として有用性を有している。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示される両末端にカ
    ルボキシル基を有する水素添加型アクリロニトリル変性
    ポリブタジエンオリゴマーと芳香族ジアミンとジカルボ
    ン酸との重縮合体からなることを特徴とするポリアミド
    −水素添加型アクリロニトリル変性ポリブタジエン系共
    重合体。 【化1】 (式中、Arは下記(1) 〜(6) で示される二価の芳香族
    基を示し、Rは二価の有機基を示し、l′m′n′はそ
    れぞれの組成比を示し、m′≧l′+n′である。ま
    た、x,y,zはそれぞれ平均重合度であって、x=3
    〜7、y=1〜4、z=5〜15の整数を示す) 【化2】
  2. 【請求項2】 下記一般式(II) で示される両末端にカ
    ルボキシル基を有する水素添加型アクリロニトリル変性
    ポリブタジエンオリゴマー 【化3】 (式中、x,y,zは前記と同意義を有する)と一般式
    (III)で示される芳香族ジアミン 【化4】 (式中、Arは前記の意味を有する)と、下記一般式
    (IV)で示されるジカルボン酸 【化5】 (式中、Rは前記の意味を有する)とを芳香族亜リン酸
    エステルとピリジン誘導体の存在下で重縮合させること
    を特徴とするポリアミド−水素添加型アクリロニトリル
    変性ポリブタジエン系共重合体の製造方法。
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