JPH075728B2 - ポリアミド―水素添加型ポリブタジエン系ブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

ポリアミド―水素添加型ポリブタジエン系ブロック共重合体及びその製造方法

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JPH075728B2
JPH075728B2 JP7219290A JP7219290A JPH075728B2 JP H075728 B2 JPH075728 B2 JP H075728B2 JP 7219290 A JP7219290 A JP 7219290A JP 7219290 A JP7219290 A JP 7219290A JP H075728 B2 JPH075728 B2 JP H075728B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なブロック共重合体に関し、さらに詳し
くは、ポリアミド−水素添加型ポリブタジエン系ブロッ
ク共重合体及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
ポリブタジエンは柔軟な分子構造を有し、また、スチレ
ン−ブタジエン共重合体は優れた熱可塑性弾性体である
ことが知られている。しかしながら、この共重合体は、
ポリマー連鎖が低温で軟化し、120℃を越える温度域で
は満足な性能を示さないという問題があった。この問題
を解決するために、スチレン成分をポリアミド成分に変
えたポリアミド−ポリブタジエン系ブロック共重合体が
提案されている。(特開昭60−49026号公報及び特公昭6
2−3171号公報)。
このブロック共重合体は、有機溶媒への溶解性、他のポ
リマーとの相溶性に問題があり、耐熱性を損なわず、改
良されたポリアミド−アクリロニトリル−ポリブタジエ
ン系ブロック共重合体が提案されている(特開平2−24
5032号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来提案されている上記ポリアミド−ポ
リブタジエン系ブロック共重合体やポリアミド−アクリ
ロニトリル−ポリブタジエン系ブロック共重合体は、耐
熱性、溶媒溶解性、相溶性等には優れているが、熱分解
時にガスの発生(特に、ブタジエンユニット及びニトリ
ル系有毒ガス)を伴い、また、溶融成形ができないとい
う問題があった。
本発明は、従来の技術における上記の様な問題点に鑑み
てなされたものである。
したがって、本発明の目的は、耐熱性が良好であり、溶
媒への溶解性、他のポリマーとの相溶性に優れ、熱分解
時にガスの発生を伴わず、かつ、溶融成形可能な新規な
ブロック共重合体、及びその製造方法を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、従来の技術における上記の問題点を解決
するために研究を進めた結果、ポリアミド−ポリブタジ
エン系ブロック共重合体を製造する際に、オレフィン部
分が95%以上に水素添加され、かつ、両末端にカルボキ
シル化された水素添加型ブタジエン低重合体を使用する
ことにより、上記の問題が解決できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1のポリアミド−水素添加型ポリ
ブタジエン系ブロック共重合体は、両末端にカルボキシ
ル基を有する水素添加型ブタジエン低重合体と、両末端
にアミノアリール基を有するポリアミドとの重縮合体で
あって、下記式(I)で示されるブロック単位(A)
と、下記式(II)で示されるブロック単位(B)とより
なり、 (式中、Buは、平均重合度2〜70の水素添加ポリブタジ
エン残基、Rは二価の芳香族基を示し、Arは下記(1)
〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、 mは平均重合度であって、m=2〜30の数を示す)か
つ、ブロック単位(A)及びブロック単位(B)がそれ
ぞれ2〜20の範囲で存在することを特徴とする。
本発明の上記第1のポリアミド−水素添加型ポリブタジ
エン系ブロック共重合体は、両末端にカルボキシル基を
有する重合度2〜70の水素添加型ブタジエン低重合体
と、下記一般式(II′)で示される両末端にアミノアリ
ール基を有するポリアミド (式中、R、Ar及びmは、上記したと同意義を有す
る。) とを、芳香族亜りん酸エステル及びピリジン誘導体の存
在下で、直接重縮合させることによって製造することが
できる。
本発明の第2のポリアミド−水素添加型ポリブタジエン
系ブロック共重合体は、両末端にカルボキシル基を有す
る重合度2〜70の水素添加型ブタジエン低重合体と、芳
香族ジアミノ化合物と、芳香族ジカルボン酸との重縮合
体であって、下記式(I)で示されるブロック単位
(A)と、下記式(III)で示される単量体単位(C)
と、下記式(VI)で示される単量体単位(D)とが、ア
ミド結合によってランダムに結合してなり、 NH-Ar-NH (III) (式中、Bu、R及びArは、上記したと同意義を有する)
かつ、ブロック単位(A)が2〜20の範囲で存在し、単
量体単位(C)及び単量体単位(D)がそれぞれ2〜60
0の範囲で存在することを特徴とする。
本発明の上記第2のポリアミド−水素添加型ポリブタジ
エン系ブロック共重合体は、両末端にカルボキシル基を
有する重合度2〜70の水素添加型ブタジエン低重合体
と、一般式(III′)で示される芳香族ジアミノ化合物 H2N−Ar−NH2 (III′) (式中、Arは上記したと同意義を有する。) と、下記一般式(IV′)で示される芳香族ジカルボン酸 HOOC−R−COOH (IV′) (Rは、上記したと同意義を有する。) とを、芳香族亜りん酸エステル及びピリジン誘導体の存
在下で、重縮合させることによって製造することができ
る。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明において、ブロック単位(A)の構成に使用され
る両末端にカルボキシル基を有する水素添加型ブタジエ
ン低重合体は、平均重合度2〜70、水素添加率95モル%
以上のものであって、例えば、ブタジエンのアニオン重
合またはラジカル重合によって製造した両末端にカルボ
キシル基を有するブタジエン低重合体を、適当な水素添
加触媒(例えば、Pt、Pd、ラネ−Ni等)を用いて水素添
加することによって製造することができ、例えば、日本
曹達(株)製のC1-1000(MW=1000〜4000)等として容
易に入手できる。なお、両末端にカルボキシル基を有す
るブタジエン低重合体としては、ブタジエンの1,2-また
は1,4-位で連結された構造のものであれば如何なる構造
のものでも使用できる。
本発明の第1のポリアミド−水素添加型ポリブタジエン
系ブロック共重合体の製造に使用される上記一般式(I
I′)で示される両末端にアミノアリール基を有するポ
リアミドは、下記一般式(III′)で示される芳香族ジ
アミノ化合物の過剰量と、一般式(IV′)で示される芳
香族ジカルボン酸またはその誘導体とを、公知の方法で
反応させることによって製造することができる。反応
は、下記反応式にしたがって進行する。
(式中、Xは、ヒドロキシル基、メトキシ基などのアル
コキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基、エチ
ルチオ基などのアルキルチオ基、フェニルチオ基などの
アリールチオ基、塩素などのハロゲン原子を表わし、A
r、R及びmは、それぞれ上記したと同意義を有する。
この場合、得られるポリアミドの平均重合度は、最終的
に得られるブロック共重合体の引張り強度、引張り弾性
率等の機械的特性を考慮して、2〜30の範囲のものが得
られるようにすることが必要である。
本発明において使用される上記一般式(III′)で示さ
れる芳香族ジアミノ化合物としては、3,4′‐オキシジ
アニリン、4,4′‐オキシジアニリン、ビス(4-アミノ
フェニル)メタン、3,3′‐ジアミノベンゾフェノン、
4,4′‐ジアミノベンゾフェノン、ビス(4-アミノフェ
ニル)スルフィド、ビス(4-アミノフェニル)スルホン
及び2,2-ビス(アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン等をあげることができる。
また、本発明で使用される上記一般式(IV′)で示され
る芳香族ジカルボン酸としては、例えば、イソフタル
酸、テレフタル酸、4,4′‐ビフェニルジカルボン酸、
3,3′‐メチレン二安息香酸、4,4-メチレン二安息香
酸、4,4′‐オキシ二安息香酸、4,4′‐チオ二安息香
酸、3,3′‐カルボニル二安息香酸、4,4′‐カルボニル
二安息香酸、4,4′‐スルホニル二安息香酸、1,4-ナフ
タレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,
6-ナフタレンジカルボン酸、5-ヒドロキシイソフタル
酸、4-ヒドロキシイソフタル酸、4,6-ジヒドロキシイソ
フタル酸であげることができる。
本発明において、第1のポリアミド−水素添加型ポリブ
タジエン系ブロック共重合体を得るためには、上記両末
端にカルボキシル基を有する水素添加型ブタジエン低重
合体と上記一般式(II)で示される両末端にアミノアリ
ール基を有するポリアミドとを重縮合させるが、その重
縮合反応は、両原料成分を単に混合加熱して実施するこ
ともできる。しかしながら、芳香族亜りん酸エステル及
びピリジン誘導体の存在下で実施するのが好ましい。何
故ならば、両原料成分を単に混合加熱する場合には、重
縮合反応を高温下で行う必要があり、その結果、アミド
交換反応等の副反応を伴うことが避けられないからであ
る。芳香族亜りん酸エステル及びピリジン誘導体の存在
下で重縮合反応を実施する場合には、高温を必要とせ
ず、アミド交換反応等の副反応を避けることができ、構
造の規制されたブロック共重合体を容易に製造すること
ができるという大きな利点を有している。
また、本発明において、第2のポリアミド−水素添加型
ポリブタジエン系ブロック共重合体を得るためには、上
記両末端にカルボキシル基を有する水素添加型ブタジエ
ン低重合体と、上記一般式(IV)で示される芳香族ジア
ミノ化合物と、芳香族ジカルボン酸とを重縮合させる
が、その重縮合反応は、三者の原料成分を単に混合加熱
して実施することもできる。しかしながら、上記したと
同様な理由で、芳香族亜りん酸エステル及びピリジン誘
導体の存在下で実施するのが好ましい。
ブロック共重合体の製造に使用される亜りん酸エステル
としては、亜りん酸トリフェニル、亜りん酸ジフェニ
ル、亜りん酸トリ‐o-トリル、亜りん酸ジ‐o-トリル、
亜りん酸トリ‐m-トリル、亜りん酸ジ‐m-トリル、亜り
ん酸トリ‐p-トリル、亜りん酸ジ‐p-トリル、亜りん酸
ジ‐o-クロロフェニル、亜りん酸トリ‐p-クロロフェニ
ル、亜りん酸ジ‐p-クロロフェニル等をあげることがで
きるが、これらに限定されるものではない。さらに、本
発明において亜りん酸エステルと共に使用するピリジン
誘導体としては、ピリジン、2-ピコリン、3-ピコリン、
4-ピコリン、2,4-ルチジン、2,6-ルチジン、3,5-ルチジ
ン等をあげることができる。
本発明においては、上記重縮合反応を亜りん酸エステル
とピリジン誘導体の存在下に行うが、反応に際しては、
通常、ピリジン誘導体を含む混合溶媒を用いる溶液重合
法が採用される。ここで使用される有機溶剤は、反応成
分や亜りん酸エステルと実質的に反応しない溶媒である
という点において制限を受けるが、そのほかに、反応成
分に対して良溶媒であって、しかも反応生成物であるブ
ロック共重合体に対して良溶媒であることが望ましい。
使用することができる有機溶媒の代表的なものとして、
N-メチル‐2-ピロリドンやN,N-ジメチルアセトアミド等
のアミド系溶媒があげられる。
本発明において、重合度の大きいブロック共重合体を得
る場合には、塩化リチウム、塩化カルシウム等の無機塩
類を反応系に添加してもよい。
本発明の製造方法について、さらに詳細に説明する。
第1のポリアミド−水素添加型ポリブタジエン系ブロッ
ク共重合体を得るためには、上記一般式(IV′)で示さ
れる芳香族ジカルボン酸と、それに対して過剰量の一般
式(III′)で示される芳香族ジアミノ化合物とを、亜
りん酸エステル及びピリジン誘導体の存在下、N-メチル
‐2-ピロリドン等の有機溶媒中で、窒素等の不活性雰囲
気下に加熱撹拌することによって反応させ、一般式(I
I′)で示されるポリアミドを合成する。得られたポリ
アミド含有溶液に、さらに、両末端にカルボキシル基を
持つ水素添加型ポリブタジエン低重合体を添加し、加熱
して上記ポリアミドと重縮合反応を行い、第1のポリア
ミド−水素添加型ポリブタジエン系ブロック共重合体を
得る。
また、第2のポリアミド−水素添加型ポリブタジエン系
ブロック共重合体を得るためには、上記一般式(IV′)
で示される芳香族ジカルボン酸と、それに対して過剰量
の一般式(III′)で示される芳香族ジアミノ化合物
と、両末端にカルボキシル基を持つ水素添加型ポリブタ
ジエン低重合体とを、N-メチル‐2-ピロリドン等の有機
溶媒中に混在させ、亜りん酸エステル及びピリジン誘導
体の存在下で重縮合反応を行えばよい。
本発明におけるこれらの重縮合反応で使用する亜りん酸
エステルの量は、通常カルボキシル基に対して等モル量
以上であるが、30倍モル以上の使用は経済的にみて得策
ではない。また、ピリジン誘導体の量は、カルボキシル
基に対して等モル量以上であることが必要であるが、反
応溶媒としての役割を含めて大過剰の量使用するのが好
ましい。本発明において、特に、ピリジン誘導体とN-メ
チル‐2-ピロリドン等の有機溶媒との混合溶媒を使用す
る場合、その使用量は、反応成分を5〜30重量%含有す
るような量であることが好ましい。
本発明において、反応は、最高の重合度を意味する最高
粘度が得られるまで、反応系を撹拌して行うのが好まし
い。反応温度は、一般に、60〜140℃の範囲が好まし
い。また、反応時間は、反応温度により大きく影響され
るが、多くの場合、数分ない20時間の間である。反応終
了後、反応混合物をメタノール、ヘキサン等の非溶媒中
に投じて生成ブロック重合体を分離し、さらに再沈澱法
により精製を行って、副生成物や無機塩類を除去するこ
とにより精製重合体を得ることができる。
本発明の第1のポリアミド−水素添加型ポリブタジエン
系ブロック共重合体の場合、両末端にカルボキシル基を
有する水素添加型ポリブタジエン低重合体とポリアミド
との重縮合比は、モル比で2:3〜3:2の範囲にあり、そし
て各原料成分の仕込量によって決まるが、一般には、水
素添加型ポリブタジエン低重合体の重量比が増すに従
い、弾性率、溶媒溶解性が増加し、耐熱性が低下する。
また、上記反応条件下で、反応成分を等モル量使用する
と、平均重合度=2〜20のブロック共重合体を製造す
ることができるが、平均重合度が20を越えると、加工性
等の点で好ましくない。
本発明の第2のポリアミド−水素添加型ポリブタジエン
系ブロック共重合体の場合、両末端にカルボキシル基を
有する水素添加型ポリブタジエン低重合体と、芳香族ジ
アミノ化合物と、芳香族ジカルボン酸との重縮合比は、
カルボキシル基とアミノ基のモル比が1:1になるような
割合であればよい。各原料成分の仕込量によって決まる
が、一般には、水素添加型ポリブタジエン低重合体の重
量比が増すに従い、弾性率、溶媒溶解性が増加し、耐熱
性が低下する。
〔実施例〕
以下に実施例をあげて本発明を詳記するが、本発明はこ
れらによって限定されるものではない。
実施例1 イソフタル酸1.661g(10mmol)、3,4′‐オキシジアニ
リン2.202g(11mmol)、水素添加型ブタジエンオリゴマ
ー(C1-1000、日本曹達(株)製)3.6g(約1mmol)、塩
化リチウム0.33g、塩化カルシウム1.01g、N-メチル‐2-
ピロリドン20ml、ピリジン20mlを100mlの3口丸底フラ
スコ中に入れ、撹拌して溶解させた後、亜リン酸トリフ
ェニル6.2gを加えて、100℃で4時間反応させた。室温
まで冷却した後、得られた反応溶液を1のメタノール
中に投入し、水素添加型ポリブタジエン部分を約50重量
%含有するポリアミド−水素添加型ポリブタジエンラン
ダムブロック共重合体を析出させた。
得られたランダムブロック共重合体の固有粘度は、0.33
dl/g(N,N-ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。
このランダムブロック共重合体の赤外スペクトル(アナ
レクト社製FX6160にて測定)を第1図に示す。第1図か
ら、2800cm-1附近に末端メチルに相当する吸収が、ま
た、1300cm-1附近に‐C-C-Hに対応する吸収が、1658cm
-1附近に‐NHCOに基づく吸収が認められる。
また、このランダムブロック共重合体の動的粘弾性を調
べたところ、室温〜200℃付近にかけての弾性率に、温
度依存性が少ないことが確認された。またそのガラス転
移温度は、アラミド構造及び水素添加型ポリブタジエン
構造に基づくものが、それぞれ−7.9〜−14.0℃と156℃
付近に存在することが確認された。
また、上記ランダムブロック共重合体から形成された膜
厚105μmのキャストフィルムについてテンシロン試験
器によって試験を行ったところ、引張り強さ:2.68kg/15
mm、伸び:25.7%、引張り応力1.7kg/mm2、破断エネルギ
ー5.12+2kg f−mm、引張りヤング率2235kg f/cm2であ
った。
実施例2 イソフタル酸1.661g(10mmol)、3,4′‐オキシジアニ
リン2.202g(11mmol)、塩化リチウム0.33g、塩化カル
シウム1.01g、N-メチル‐2-ピロリドン20ml、ピリジン3
mlを100mlの3口丸底フラスコ中に入れ、撹拌して溶解
させた後、亜リン酸トリフェニル6.2gを加えて、100℃
で2時間反応させ、末端アミンアラミドオリゴマーを生
成させた。これに、両末端にカルボキシル基を有する水
素添加型ブタジエンオリゴマー(C1-1000、日本曹達
(株)製)3.6g(約1mmol)をピリジン20mlに添加し、
反応器中に加え、更に4時間反応させた。室温まで冷却
した後、得られた反応溶液を1のメタノール中に投入
し、水素添加型ポリブタジエン部分を約50重量%含有す
るポリアミド−水素添加型ポリブタジエンブロック共重
合体を析出させた。
得られたブロック共重合体の固有粘度は、0.22dl/g(N,
N-ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。このブロ
ック共重合体の赤外スペクトル(アナレクト社製FX6160
にて測定)を第2図に示す。第2図から、2800cm-1附近
に末端メチルに相当する吸収が実施例1の場合に比べて
明瞭に認められる。また、1300cm-1附近に‐C-C-Hに対
応する吸収が認められる。このことから、生成したブロ
ック共重合体は、実施例1の場合に比して構造がより規
制されていることが分かった。
また、このブロック共重合体の動的粘弾性を調べたとこ
ろ、室温〜200℃付近にかけての弾性率に、温度依存性
が少ないことが確認された。またそのガラス転移温度
は、アラミド構造及び水素添加型ポリブタジエン構造に
基づくものが、それぞれ−31.9〜−34.9℃と218℃付近
に存在することが確認された。
また、上記ブロック共重合体から形成された膜厚102μ
mのキャストフィルムについてテンシロン試験器によっ
て試験を行ったところ、引張り強さ:2.97kg/15mm、伸
び:57.6%、引張り応力1.94kg/mm2、破断エネルギー1.6
7+2kg f−mm、引張りヤング率5385kg f/cm2であった。
実施例3 イソフタル酸0.830g(5mmol)、5-ヒドロキシイソフタ
ル酸0.910g(5mmol)、3,4′‐オキシジアニリン2.202g
(11mmol)、塩化リチウム0.33g、塩化カルシウム1.01
g、N-メチル‐2-ピロリドン20ml、ピリジン3mlを100ml
の3口丸底フラスコ中に入れ、撹拌して溶解させた後、
亜リン酸トリフェニル6.2gを加えて、100℃で2時間反
応させ、末端アミンアラミドオリゴマーを生成させた。
これに、両末端にカルボキシル基を有する水素添加型ブ
タジエンオリゴマー(C1-1000、日本曹達(株)製)3.6
g(約1mmol)をピリジン20mlに添加し、反応器中に加
え、更に4時間反応させた。室温まで冷却した後、得ら
れた反応溶液を1のメタノール中に投入し、水素添加
型ポリブタジエン部分を約50重量%含有するポリアミド
−水素添加型ポリブタジエンブロック共重合体を析出さ
せた。
得られたブロック共重合体の固有粘度は、0.21dl/g(N,
N-ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。このブロ
ック共重合体の赤外スペクトル(アナレクト社製FX6160
にて測定)を第3図に示す。第3図から、2800cm-1附近
に末端メチルに相当する吸収が、また、1300cm-1附近に
‐C-C-Hに対応する吸収が認められ、1651cm-1にアミド
カルボニル基に基づく赤外吸収が認められる。
溶解性の評価: 上記実施例1ないし3のブロック共重合体について、溶
解性の評価を行うために、各ブロック共重合体1mgを各
種溶媒2mlに添加した。その結果を後記第1表に示す。
実施例4 実施例2における3,4′‐オキシジアニリンを、3,3′‐
ジアミノベンゾフェノン2.334g(11mmol)に代えた以外
は、同様に操作を行い、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体の固有粘度は、0.59dl/g(N,
N-ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。このブロ
ック共重合体の赤外スペクトル(アナレクト社製FX6160
にて測定)の測定結果は、2800cm-1附近に末端メチルに
相当する吸収が、1657cm-1にアミドカルボニル基に基づ
く吸収が、また、1300cm-1附近に‐C-C-Hに対応する吸
収が認められた。
実施例5 実施例2における3,4′‐オキシジアニリンを、ビス(3
-アミノフェニル)スルフィド2.379g(11mmol)に代え
た以外は、同様に操作を行い、ブロック共重合体を得
た。
得られたブロック共重合体の固有粘度は、0.68gl/g(N,
N-ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。このブロ
ック共重合体について、同様に赤外スペクトルを測定し
たところ、2800cm-1附近に末端メチルに相当する吸収
が、1651cm-1にアミドカルボニル基に基づく吸収が、13
00cm-1付近に‐C-C-Hに対応する吸収が、1425cm-1に‐S
-に基づく吸収が認められた。
実施例6 実施例2における3,4′‐オキシジアニリンを、ビス(4
-アミノフェニル)スルホン2.731g(11mmol)に代えた
以外は、同様に操作を行い、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体の固有粘度は、0.71dl/g(N,
N-ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。このブロ
ック共重合体について、同様に赤外スペクトルを測定し
たところ、2800cm-1附近に末端メチルに相当する吸収
が、1661cm-1にアミドカルボニル基に基づく吸収が、13
00cm-1附近に‐C-C-Hに対応する吸収が、1217cm-1付近
及び1368付近に‐SO2-に基づく吸収が認められた。
実施例7 実施例2における3,4′‐オキシジアニリンを、ビス(4
-アミノフェニル)メタン2.218g(11mmol)に代えた以
外は、同様に操作を行い、ブロック共重合体を得た。
得られたブロック共重合体の固有粘度は、0.46dl/g(N,
N-ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。このブロ
ック共重合体について、同様に赤外スペクトルを測定し
たところ、2800cm-1附近に末端メチルに相当する吸収
が、1664cm-1にアミドカルボニル基に基づく吸収が、13
00cm-1附近に‐C-C-Hに対応する吸収が認められた。
実施例8 実施例2における3,4′‐オキシジアニリンを、2,2-ビ
ス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.677g
(11mmol)に代えた以外は、同様に操作を行い、ブロッ
ク共重合体を得た。
得られたブロック共重合体の固有粘度は、0.32dl/g(N,
N-ジメチルアセトアミド中、30℃)であった。このブロ
ック共重合体について、同様に赤外スペクトルを測定し
たところ、2800cm-1附近に末端メチルに相当する吸収
が、1664cm-1にアミドカルボニル基に基づく吸収が、13
00cm-1附近に‐C-C-H及び‐C-Fに対応する吸収が認めら
れた。
〔発明の効果〕
本発明のポリアミド−水素添加型ポリブタジエン系ブロ
ック共重合体は、従来のポリアミド−ポリブタジエン系
ブロック共重合体やポリアミド−アクリロニトリル−ポ
リブタジエン系ブロック共重合体と比較して、それらの
特性を損なうことなく、熱分解時に有毒ガスを発生せず
に溶融するという特性を有し、耐熱性の高い熱可塑性弾
性体を与え、利用範囲のより広い素材として有用性を有
している。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は、それぞれ実施例1〜3のブロッ
ク共重合体の赤外吸収スペクトルを示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両末端にカルボキシル基を有する水素添加
    型ブタジエン低重合体と、両末端にアミノアリール基を
    有するポリアミドとの重縮合体であって、下記式(I)
    で示されるブロック単位(A)と、下記式(II)で示さ
    れるブロック単位(B)とよりなり、 (式中、Buは、平均重合度2〜70の水素添加ポリブタジ
    エン残基、Rは二価の芳香族基を示し、Arは下記(1)
    〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、 mは平均重合度であって、m=2〜30の数を示す)か
    つ、ブロック単位(A)及びブロック単位(B)がそれ
    ぞれ2〜20の範囲で存在することを特徴とするポリアミ
    ド−水素添加型ポリブタジエン系ブロック共重合体。
  2. 【請求項2】両末端にカルボキシル基を有する重合度2
    〜70の水素添加型ブタジエン低重合体と、下記一般式
    (II′)で示される両末端にアミノアリール基を有する
    ポリアミド (式中、Rは、Ar及びmは、前記と同意義を有する。) とを、芳香族亜りん酸エステル及びピリジン誘導体の存
    在下で、直接重縮合させることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項に記載のポリアミド−水素添加型ポリブタジ
    エン系ブロック共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】両末端にカルボキシル基を有する重合度2
    〜70の水素添加型ブタジエン低重合体と、芳香族ジアミ
    ノ化合物と、芳香族ジカルボン酸との重縮合体であっ
    て、下記式(I)で示されるブロック単位(A)と、下
    記式(III)で示される単量体単位(C)と、下記式(I
    V)で示される単量体単位(D)とが、アミド結合によ
    ってランダムに結合してなり、 NH-Ar-NH (III) (式中、Buは、重合度2〜70の水素添加ポリブタジエン
    残基、Rは二価の芳香族基を示し、Arは下記式(1)〜
    (6)で示される二価の芳香族基を示す。) かつ、ブロック単位(A)が2〜20の範囲で存在し、単
    量体単位(C)及び単量体単位(D)がそれぞれ2〜60
    0の範囲で存在することを特徴とするポリアミド−水素
    添加型ポリブタジエン系ブロック共重合体。
  4. 【請求項4】両末端にカルボキシル基を有する重合度2
    〜70の水素添加型ブタジエン低重合体と、一般式(II
    I′)で示される芳香族ジアミノ化合物 H2N−Ar−NH2 (III′) (式中、Arは上記したと同意義を有する。)と、一般式
    (IV′)で示される芳香族ジカルボン酸 HOOC−R−COOH (IV′) (Rは、上記したと同意義を有する。) とを、芳香族亜りん酸エステル及びピリジン誘導体の存
    在下で、重縮合させることを特徴とする特許請求の範囲
    第3項に記載のポリアミド−水素添加型ポリブタジエン
    系ブロック共重合体の製造方法。
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