JP2567781B2 - ブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

ブロック共重合体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なブロック共重合体
及びその製造方法に関し、より詳しくは、ポリシロキサ
ン−ポリアミド系ブロック共重合体及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリシロキサンは選択透過膜、例えば酸
素富化膜としての応用分野や電子部品周辺材料、例えば
フォトレジスト材料への応用等最近注目されてきている
分野において、工業的に有用な材料である。しかしなが
ら、ポリシロキサン単独では思うような性能のものを得
ることができず、そのため、ポリシロキサンと他の材料
との複合化がはかられているのが現状である。複合化の
方法としては、ポリマーアロイ(広義のポリマーブレン
ド、グラフト重合体、ブロック共重合物等を含む)が挙
げられている。しかしながら、ポリマーブレンドの場合
は機能性や付加価値を高める点では好都合であっても相
溶性の点では問題が多く、またグラフト化やブロック化
は相溶性の問題を解決するけれど、グラフト重合やブロ
ック共重合による複合材料化の技術は難かしく、生産コ
ストの点では満足の行くものでなく、限られた用途に採
用されているに過ぎない。これらの手法のうち、比較的
低コストのブロック共重合化の手法を示すと、例えばポ
リシロキサン−芳香族ポリアミドブロック共重合体の製
造方法として脂肪族アミン末端ポリシロキサンを用いた
亜りん酸エステル法が知られているが(特開昭61−2
93224号公報)、高重合度、高強度のポリシロキサ
ン−芳香族ポリアミドブロック共重合体は製造すること
ができなかった。そのため、高強度ポリシロキサン−芳
香族ポリアミドブロック共重合体の製造に関しては、ジ
カルボン酸ジクロライドと上述の脂肪族アミン末端ポリ
シロキサンを用いた低温界面重縮合法が提案されてい
る。(特開昭62−257933号公報)
【0003】しかしながら、従来提案されている上記の
ポリシロキサン−芳香族ポリアミドブロック共重合体の
製造方法である低温界面重縮合法は合成上、使用するモ
ノマー類の精製が必要であり、また製造時の反応制御や
反応副生成物である塩酸ガスの処理が必要である等、種
々の問題があり必ずしも満足できるものではなかった。
また、ポリシロキサンは、耐熱性のポリマーであるが、
シロキサン部分は一旦熱分解が始まると、重量減少速度
が早まるという問題を有しているので、高度に耐熱性を
必要とする場合には安定した使用ができないという問題
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上述の問題点に鑑みてなされたものである。従
って、本発明の目的は、従来のポリシロキサンの熱分解
挙動を改善し、かつ上記のような製造上の問題を考慮す
る必要のないすぐれた耐熱性を有する新規なポリシロキ
サン−ポリアミド系ブロック共重合体を提供することに
ある。本発明の他の目的は、新規なポリシロキサン−ポ
リアミド系ブロック共重合体を容易に製造する方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の技術
に於ける上述の問題点を解決するために研究を進めた結
果、亜りん酸エステル法においてポリシロキサン−芳香
族ポリアミドブロック共重合体を製造する際に、ポリシ
ロキサンの末端にアミノアリール基を有しブタジェン単
量体単位を含むポリシロキサンマクロモノマーを用いる
ことにより、上記の問題が解決できることを見出し、本
発明を完結するに至った。即ち、本発明のポリシロキサ
ン−ポリアミド系ブロック共重合体は両末端にアミノア
リール基を有しブタジェン単量体単位を含むポリシロキ
サンマクロモノマーと両末端にカルボキシル基を有する
ポリアミドとの重縮合体であって、下記一般式(I)で
示されるブロック単位(A)と、下記一般式(II)で示
されるブロック単位(B)とがアミド結合により結合し
てなり、かつ数平均分子量10000〜300000を
有することを特徴とする。
【化5】 (式中、R1 は二価の芳香族基を示し、R2 及びR3
アルキル基、フェニル基、またはアルキル置換フェニル
基を示し、R4 は二価の有機基を示し、Zは連結基を示
す炭素数2〜40の有機基であり、Arは下記一般式
(1)〜(8)で示される構造を有し、m、n、xは平
均重合度を示しており、mは1〜30、nは1〜10
0、xは1〜20の整数を示す。)
【化6】
【0006】本発明のポリシロキサン−ポリアミド系ブ
ロック共重合体は、下記一般式(III)で示される両末端
にアミノアリール基を有し、ブタジェン単量体単位を含
むポリシロキサンと、
【化7】 (式中、n、x、R1 、R2 、R3 、Zは上記したもの
と同意義を有する。)下記一般式(IV)で示される両末
端にカルボキシル基を有するポリアミドとを、
【化8】 (式中、R4 、Ar、mは、前記したものと同意義を有
する。)芳香族亜りん酸エステルとピリジン誘導体の存
在下で、重縮合せしめることによって製造することがで
きる。
【0007】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明のポリシロキサン−ポリアミド系ブロック共重合体
を構成する上記一般式(III)で示される両末端にアミノ
アリール基を有し、ブタジェン単量体単位を含むポリシ
ロキサンは、例えば下記反応式で示される方法によって
合成することが可能である。
【化9】 (式中、R1 は二価の芳香族基を示し、Zは連結基を示
す炭素数2〜40の有機基を示し、Xは1〜20の整数
を示す。)
【0008】上記反応式中に用いられるパラジウム系触
媒は、ブタジェンの導入量を制御するのに必要であり、
中でも、リガンドとしてトリフェニルホスフィンやベン
ゾニトリルを複数個持つものが好ましく、一般式 [Pd
(P(C6 5)4-n n ] や一般式 [Pd(C6 5
N)4-n n ] で表わされる化合物が好ましく使用され
る(式中、Xはハロゲン原子を示す)。また、白金系の
触媒としては、塩化白金酸や白金黒が例示される。なお
上記の反応で得られるポリシロキサンにおいて、シロキ
サン部分の重合度nは1〜100の範囲であるが、その
熱分解挙動を考慮すると、重合度nは5〜20の範囲が
好ましい。重合度nが1より低い場合は、耐熱性が劣
り、また100を越えると反応性に種々の問題が生じ
る。これら重合度は任意に調製できるが、重合度nが5
〜20のものが、耐熱性および反応性に富むマクロモノ
マーとして好適な使用できる。
【0009】本発明のポリシロキサン−ポリアミド系ブ
ロック共重合体の製造に用いられる上記一般式(IV)で
示される両末端にカルボキシル基を有するポリアミド
は、下記一般式(V)で示される芳香族ジアミン(1モ
ル当量)と、下記一般式(VI)で示される脂肪族、脂環
式または芳香族ジカルボン酸またはその誘導体(2モル
当量)とを反応させることにより製造することができ
る。反応は、下記反応式にしたがって進行する。
【化10】 (式中、Xはヒドロキシル基、メトキシ基などのアルコ
キシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基、エチル
チオ基などのアルキルチオ基、フェニルチオ基などのア
リールチオ基、塩素などのハロゲン原子などを表わし、
Ar、R4 及びmは、それぞれ前記したと同意義を有す
る)上記一般式(V)で表わされる芳香族ジアミンと、
上記一般式(VI)で示されるジカルボン酸の過剰量との
反応は、如何なる方法によって行なっても差し支えな
い。製造される上記一般式(IV)で示されるポリアミド
の平均重合度mは、生成するブロック共重合体の引張り
強度、引張り弾性率等の機械的特性を考慮すると、通常
1〜30の範囲が好適である。
【0010】本発明において使用される上記一般式
(V)で示される芳香族ジアミンとしては、例えば、ビ
ス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3′−ジアミ
ノベンゾフェノン、ビス(4−アミノフェニル)メタ
ン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、m−フェニレンジアミン、P−フェニレン
ジアミン、3,4′−オキシジアニリン、4,4′−オ
キシジアニリン、3,3′−スルホニルジアニリン、
4,4′−スルホニルジアニリン、1,4−ナフタレン
ジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフ
タレンジアミン、1,3−ビス(メタアミノフェニル)
−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、4,
4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホ
ン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニ
ルスルホン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゾフェノン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(4−アミノフェ
ニルメルカプト)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(4
−アミノフェニルメルカプト)ベンゾフェノン、2,
2′−ビス(4−(2−トリフルオロメチル−4−アミ
ノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2′−ビス(4−(3−トリフルオロメチル−5−
アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2′−ビス(4−(3−トリフルオロメチル−
4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロ
パン、2,2′−ビス(4−(2−トリフルオロメチル
−5−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2′−ビス(4−(4−トリフルオロメチ
ル−5−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロ
プロパン、2,2′−ビス(4−(2−ノナフルオロブ
チル−5−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、2,2′−ビス(4−(4−ノナフルオロ
ブチル−5−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフル
オロプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
o−トリジン、o−ジアニシジン等を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。又、これらの
芳香族ジアミンを単独または複数併用して実施しても良
い。
【0011】本発明において使用される上記一般式(V
I)で示されるジカルボン酸としては、脂肪族、脂環
式、芳香族等、如何なるジカルボン酸でも差し支えな
い。例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4′−
ビフェニルジカルボン酸、3,3′−メチレン二安息香
酸、4,4′−メチレン二安息香酸、4,4′−オキシ
二安息香酸、4,4′−チオ二安息香酸、3,3′−カ
ルボニル二安息香酸、4,4′−カルボニル二安息香
酸、4,4′−スルホニル二安息香酸、1,4−ナフタ
レンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタル
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカ
ン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メチルマロ
ン酸、ジメチルマロン酸、アジピン酸、1,10−デカ
ン二酸、フェニルマロン酸、ベンジルマロン酸、フェニ
ルスクシン酸、3−フェニルグルタル酸、ホモフタル
酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二
酢酸、4−カルボキシフェニル酢酸、5−ブロモ−N−
(カルボメチル)アントラニル酸、2,5−ジヒドロキ
シ−1,4−ベンゼン二酢酸、m−カルボキシシナモン
酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシイソ
フタル酸、4,6−ジヒドロキシイソフタル酸等のジカ
ルボン酸及びこれらの誘導体をあげることができるが、
これらに限定されるものではない。又、これらを単独ま
たは複数併用し実施しても良い。
【0012】本発明において、ポリシロキサン−ポリア
ミド系ブロック共重合体を得るためには、上記一般式
(III)で示される両末端にアミノアリール基を有し、ブ
タジェン単量体単位を含むポリシロキサンと、上記一般
式(IV)で示される両末端にカルボキシル基を有するポ
リアミドとを重縮合させるが、該重縮合は、芳香族亜り
ん酸エステルとピリジン誘導体の存在下で行われる。そ
の際助触媒として、長鎖アルキル基を有する第四級アン
モニウム塩とハロゲン化アルカリ金属塩とを共存させて
行われる。
【0013】重縮合反応は、例えば両末端にアミノアリ
ール基を有しブタジェン単量体単位を含むポリシロキサ
ンと両末端にカルボキシル基を有するポリアミドとを単
に混合加熱して実施することもできるが、その場合には
重縮合反応を高温下で行なう必要があり、その結果アミ
ド交換反応などの副反応を伴うことが避けられない。し
かしながら、芳香族亜りん酸エステルとピリジン誘導体
の存在下で重縮合反応を実施すると、重縮合反応に際し
て高温を必要とせず、アミド交換反応等の副反応を避け
ることができ、構造の規制されたブロック共重合体を容
易に製造することができるという大きな利点を有してい
る。
【0014】本発明において上記のブロック共重合体を
製造するために使用する芳香族亜りん酸エステルとして
は、亜りん酸トリフェニル、亜りん酸ジフェニル、亜り
ん酸トリ−o−トリル、亜りん酸ジ−o−トリル、亜り
ん酸トリ−m−トリル、亜りん酸ジ−m−トリル、亜り
ん酸トリ−p−トリル、亜りん酸ジ−p−トリル、亜り
ん酸ジ−o−クロロフェニル、亜りん酸トリ−p−クロ
ロフェニル、亜りん酸ジ−p−クロロフェニル等があげ
ることが出来るが、これらに限定されるものではない。
更に、本発明において芳香族亜りん酸エステルと共に使
用するピリジン誘導体として、ピリジン、2−ピコリ
ン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,4−ルチジン、
2,6−ルチジン、3,5−ルチジン等を挙げることが
できる。
【0015】本発明においては、上記重縮合反応を芳香
族亜りん酸エステルとピリジン誘導体の存在下に行なわ
せるが、この反応に際しては、通常、ピリジン誘導体を
含む混合溶媒を用いる溶液重合法が採用される。ここで
使用する有機溶媒は、反応成分や芳香族亜りん酸エステ
ルと実質的に反応しない溶媒という点で制限を受ける
が、このほかに反応成分に対する良溶媒であって、しか
も反応生成物のブロック共重合体に対する良溶媒である
ことが望ましい。使用することができる有機溶媒の代表
的なものとしてN−メチル−2−ピロリドンやジメチル
アセトアミド等のアミド系溶媒があげられる。
【0016】本発明の製造方法においては、助触媒とし
て塩化リチウム、臭化リチウム等のハロゲン化アルカリ
金属塩と長鎖アルキル基を有する第四級アンモニウム塩
とを、この反応系に添加することにより、重合度の大き
いブロック共重合体を得ることができる。上記長鎖アル
キル基を有する第四級アンモニウム塩としては、テトラ
メチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモ
ニウムブロミド、セチルトリエチルアンモニウムクロリ
ド等のアルキルトリメチルアンモニウム塩やアルキルト
リエチルアンモニウム塩を例示できるが、これらに限定
されるものではない。この場合、第四級アンモニウム塩
100重量部に対してハロゲン化アルカリ金属塩5〜1
5重量部の配合比率が好ましく、より好ましくは5〜1
0重量部である。
【0017】本発明の製造方法をさらに詳しく説明す
る。本発明のポリシロキサン−ポリアミド系ブロック共
重合体を得るために使用する一般式(IV)のポリアミド
は上記芳香族ジアミンとジカルボン酸の過剰量とを、前
記芳香族亜りん酸エステルとピリジン誘導体の存在下
に、または、該芳香族亜りん酸エステルとピリジン誘導
体の存在化、助触媒として長鎖アルキル基を有する第四
級アンモニウム塩とハロゲン化アルカリ金属塩とを共存
させてN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒中で、
窒素等の不活性雰囲気下で加熱撹拌することによって合
成する。このようにして得られたポリアミド含有溶液
に、両末端にアミノアリール基を有し、ブタジェン単量
体単位を含むポリシロキサン溶液を添加し、加熱して重
縮合反応を行う。
【0018】本発明における上記の重縮合反応で使用す
る芳香族亜りん酸エステルの量は、通常、カルボキシル
基に対して等モル量以上であるが、30倍モル量以上の
使用は経済的に好ましくない。また、ピリジン誘導体
は、カルボキシル基に対して等モル量以上が必要である
が、実際には反応溶媒としての役割を含めて大過剰使用
するのが好ましい。
【0019】本発明においては特にピリジン誘導体とN
−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒との混合溶媒を
使用する場合、その使用量は、反応成分を5〜30重量
%含むような量であることが好ましい。
【0020】本発明において反応は最高の重合度を意味
する最高粘度が得られるまで反応系を撹拌するのが好ま
しい。反応温度は一般に60〜140℃の範囲が好まし
い。また反応時間は反応温度により大きく影響される
が、多くの場合数分から20時間の間で終了する。
【0021】本発明においては、上記反応条件下で反応
成分を等モル量使用すると数平均分子量10000〜3
00000の範囲のブロック共重合体を製造することが
できるが、数平均分子量が300000を越えるとブロ
ック共重合体の溶剤への溶解性が低下するなどして加工
性等の点で好ましくない。なお数平均分子量は、GPC
測定装置(N−メチル−2−ピロリドンの0.1%リチ
ウムブロマイド溶液、流量:0.1ml/分、カラム:
KF−8、検出器:RI屈折計)によって行った。反応
終了後は、反応混合物をメタノール、ヘキサン等の非溶
媒中に投じて生成ブロック共重合体を分離し、更に再沈
澱法により精製を行って副生成物や無機塩類等を除去す
ることにより、精製ブロック共重合体を得ることができ
る。
【0022】以下に実施例をあげて本発明を詳細に述べ
るが、本発明はこれのみによって限定されるものではな
い。 実施例1 (A)両末端にアミノアリール基を有しブタジェン単量
体単位を含むポリシロキサンの合成 1)ヘキサメチルジシランの合成 乾燥窒素導入管とジムロート冷却管を装備した500m
l四つ口丸底フラスコ中に、粒状金属リチウム7.63
g(1.1モル)と乾燥テトラヒドロフラン200ml
を入れ、0℃に冷却した後、トリメチルクロロシラン9
9.62g(1モル)を含む乾燥テトラヒドロフラン溶
液250mlを発熱しないように、2時間かけて滴下
し、そのまま1時間反応させた。ついで55℃まで昇温
させ、更に60時間反応を続けた。反応終了後、グラス
フィルターで生成した塩化リチウムと過剰の前記金属リ
チウムを濾別し、充分にテトラヒドロフランで洗浄し
た。濾液を常圧下で留去し、テトラヒドロフランと未反
応のトリメチルクロロシランを除去した。収率は、74
%であった。
【0023】2)ジクロロテトラメチルジシランの合成 300ml三口丸底フラスコ中に無水塩化アルミニウム
98.66g(740ミリモル)を入れ、塩化アセチル
58.12g(740ミリモル)を発熱しないように徐
々に加え、反応器を氷浴上に移し、前記1)で得られた
ヘキサメチルジシラン54.1g(369ミリモル)を
1時間かけて滴下し、そのまま30分撹拌して反応させ
たのち、50℃まで昇温させ、さらに16時間反応を続
けた。反応終了後、窒素気流中で濾過し、触媒等の固形
物を乾燥ヘキサンで洗浄し、該洗浄液と濾液を集めて蒸
留し、ジクロロテトラメチルジシランを収率85%で得
た。得られた生成物のNMRおよびIRの測定結果か
ら、ジクロロテトラメチルジシランであることを確認し
た。1 H−NMR 0.4ppm(Si−CH3 :溶媒C2 2 Cl4)13 C−NMR 18.0ppm(Si−CH3) IR(cm-1):2960 2900 1460 14
00(Si−CH3) 1290 760 630(Si−C) 470(−C
l)
【0024】3)α,ω−ビス(ジメチルクロロシリ
ル)−2−ブテン類の合成 (a)X=1の場合 前記2)で得られたジクロロテトラメチルジシラン1
8.73g(100ミリモル)と乾燥テトラヒドロフラ
ン30mlとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(0) [Pd [P(C6 5)3]4 (0)]0.5
38g(1ミリモル)を乾燥窒素下で、内容量100m
lのガラスオートクレーブの中に入れた後、該オートク
レーブを液体窒素で冷却し、真空下で脱気を3回繰り返
した。つぎに室温まで昇温させた後、ブタジェンガスを
2気圧まで圧入し、撹拌して反応させた。反応が進行す
るに従い、圧力ゲージ下がるので、1気圧になった時点
で、更にブタジェンガスを圧入し、圧力ゲージの低下が
無くなるまでブタジェンガスの圧入を繰り返した。反応
終了後、ブタジェンガスを放出し、残留した内容物をセ
ライトでろ過した後、充分にセライトを乾燥テトラヒド
ロフランで洗浄し、該洗浄液と濾液を濃縮して粗生成物
を得た。該粗生成物を減圧下に蒸留し、83−84℃/
40mmHgの留分を収率48%(シス体のみ)で得
た。該留分は、下記に示すNMRおよびIRの測定結果
から、下記式(16)で示されるα、ω−ビス(ジメチ
ルクロロシリル)−2−ブテンであることを確認した。
【化11】 1H−NMR(溶媒 CDCl3) 0.4ppm(s)12H(Si−CH 3 :α) 1.30ppm(d) 4H(Si−CH 2 :β) 5.3ppm(q) 2H(C=C:γ)13 C−NMR(溶媒 CDCl3) 18.1ppm(Si−CH 3 :α) 34.3ppm(−Si−2 −CH=:β) 123.1ppm(=H−CH2 :γ) IR(cm-1):2965 2910 2880(−C
3 ,−CH2 −,=CH−の伸縮) 1461 14
09 1293 765 637(Si−Cの変角)
1640(−CH=CH−面内変角) 962 694
(−CH=CH−面外変角) 472 (−Cl)
【0025】(b)X=2の場合 前記X=1の場合のパラジウム系触媒をテトラキス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム(0) [Pd [P
(C6 5)3]4 (0)]0.538g(1ミリモル)をジ
クロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II) [Pd
Cl2(C6 5 CN)2(II)] 0.383g(1ミリモ
ル)に代えた以外は同様の操作を行い、99−100℃
/0.38mmHgの留分を収率57%で得た。該留分
は、下記に示したNMRおよびIRの測定結果から、下
記式(17)で示されるα、ω−ビス(ジメチルクロロ
シリル)−2,6−オクタジェンであることを確認し
た。
【化12】 1H−NMR(溶媒 CDCl3) 0.4ppm(s)12H(Si−CH 3 :α) 5.3ppm(q) 2H(C=CH:γ) 5.0ppm(q) 2H(C=CH:γ′) 1.30ppm(d) 4H(Si−CH 2 −CH=:
β) 1.60ppm(q) 4H(Si−CH 2 −CH=:
β′) (cis/trns=15/8)13 C−NMR(溶媒 CDCl3) 18.3ppm(Si−CH 3 :α) 34.2ppm(−Si−2 −CH=:β) 37.2ppm(−CH22 −CH=:β′) 123.1ppm(H=CH2 :γ) 128.1ppm(H=CH2 :γ′) IR(cm-1):2962 2905 2879(−C
3 ,−CH2 −,=CH−の伸縮) 1464 14
05 1297 763 636(Si−Cの変角)
1642(−CH=CH−面内変角) 965 692
(−CH=CH−面外変角) 468(−Cl)
【0026】4)還元体の合成 (a)X=1の場合 前記3)で得られたα,ω−ビス(ジメチルクロロシリ
ル)−2−ブテン2.50g(10.3ミリモル)と乾
燥テトラヒドロフラン40mlとを乾燥窒素導入管とジ
ムロウト還流冷却器と30ml並行管付き滴下漏斗を装
備した100ml三口フラスコ中に入れ、−10℃に調
整した氷浴中に浸し、滴下漏斗より、リチウムアルミニ
ウムハイドライド(LiAlH4)0.39g(1ミリモ
ル)を溶解したテトラヒドロフラン溶液40mlを発熱
しないように40分かけて滴下し、そのまま−10℃に
て1時間反応させた。つぎに該溶液を室温まで昇温さ
せ、そのまま24時間反応を続けた。反応終了後、過剰
のリチウムアルミニウムハイドライドを塩化アンモニウ
ムで中和処理した後、固形物と溶液を乾燥窒素下で濾別
し、得られた濾液を濃縮後、減圧蒸留により83−84
℃/40mmHgの留分を収率70%で得た。該留分
は、下記に示したNMRおよびIRの測定結果から、下
記式(18)で示されるα,ω−ビス(ジメチルハイド
ロシリル)−2−ブテンであることを確認した。
【化13】 1H−NMR(溶媒 CDCl3) 0.4ppm(s)12H(Si−CH 3 :α) 0.20ppm(s) 2H(Si−:δ) 1.30ppm(d) 4H(Si−CH 2 −CH=:
β) 5.3ppm(q) 2H(C=C:γ)13 C−NMR(溶媒 CDCl3) 18.1ppm(Si−CH 3 :α) 34.3ppm(−Si−2 −CH=:β) 123.1ppm(=H−CH2 :γ) IR(cm-1): 2965 2910 2880(−
CH3 ,−CH2 −,=CH−の伸縮) 1461 1
409 1293 765 637(Si−Cの変角)
1640(−CH=CH−面内変角) 962 69
4(−CH=CH−面外変角)
【0027】(b)X=2の場合 上記の合成でα,ω−ビス(ジメチルクロロシリル)−
2−ブテン2.50g(10.3ミリモル)をα,ω−
ビス(ジメチルクロロシリル)−2,6−オクタジェン
2.95g(10ミリモル)に代えた以外は同様の反応
処理を行い89−90℃/0.45mmHgの留分を収
率72%で得た。得られた留分は、下記に示したNMR
およびIRの測定結果から、下記式(19)で示される
α,ω−ビス(ジメチルハイドロシリル)−2,6−オ
クタジェンであることを確認した。
【化14】 1H−NMR(溶媒 CDCl3) 0.41ppm(s)12H(Si−CH 3 :α) 5.25ppm(q) 2H(C=CH:γ) 5.10ppm(q) 2H(C=CH:γ′) 1.36ppm(d) 4H(Si−CH 2 −CH=:
β) 1.64ppm(q) 4H(Si−CH 2 −CH=:
β′) (cis/trns=15/8) 0.20ppm(s) 4H(Si−:δ)13 C−NMR(溶媒 CDCl3) 18.1ppm(Si−CH 3 :α) 34.4ppm(−Si−2 −CH=:β) 37.0ppm(−CH2 2 −CH=:β′) 123.7ppm(H=CH2 :γ) 128.0ppm(H=CH2 :γ′) IR(cm-1): 2964 2902 2878(−
CH3 ,−CH2 −,=CH−の伸縮) 1461 1
408 1294 765 632(Si−Cの変角)
1640(−CH=CH−面内変角) 967 69
3(−CH=CH−面外変角) 465(−Cl)
【0028】5)シロキサン部分の鎖長延長 J.F.Hyde“J.Am.Chem.Soc.,75,2166(1953)”、E.N.Tiny
akova et al., “J.Polym.Sci.,52,159(1961) ”等のオ
リゴシラノール間における脱水素を伴う重縮合の方法を
用いて、シロキサン部分の鎖長を延長し、種々組成の異
なるオリゴマーを定量的に得た。
【化15】
【0029】6)末端に二重結合を有する芳香族アミン
とのカップリング反応 (a)X=1,n=8の場合 上記5)で得られたシロキサン部分の鎖長が延長された
ブタジェン単量体単位を含むシロキサンオリゴマーのう
ち、X=1,n=8の化合物2.716g(2ミリモ
ル)をジムロウト型還流冷却器と滴下漏斗と乾燥窒素導
入管を装備した100ml三口丸底フラスコに入れ、乾
燥テトラヒドロフラン50mlを加え、塩化白金酸を5
ml注射器より2滴加え室温で15分撹拌した。次い
で、m−アミノスチレン0.262g(2.2ミリモ
ル)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)を20分か
けて滴下し、そのまま24時間室温で撹拌して反応させ
た。反応終了後、0.1N水酸化ナトリウム水溶液を加
え、分液漏斗中に移し、激しく振り混ぜ、水相とテトラ
ヒドロフラン相を分離し、塩化白金酸を水相に抽出して
除去した。水相から分離したテトラヒドロフラン相を無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、減圧乾燥し
収率87%で下記式(21)で示されるブタジェン単量
体単位を含む末端アミノアリール基含有ポリシロキサン
を得た。
【化16】 1H−NMR(溶媒 CDCl3) 0.41−0.45 36H(Si−CH 3 :α,
α′) 5.20ppm(q) 2H(C=CH:γ) 3.40ppm(c) 4H(NH2 ) 1.34ppm(d) 4H(Si−CH 2 −CH=:
β) 0.90〜1.62ppm(m) 8H(δ) 6.8〜7.4ppm(C) 8H(ε) IR(cm-1): 3100−3400(−NH 2
3015(ベンゼン環) 2962 2905 2874(−CH3 ,−CH2
−,=CH−の伸縮) 1622(−NH 2 ) 1464 1413 1294
765 631(Si−Cの変角) 1640(−C
H=CH−面内変角) 965 694(−CH=CH
−面外変角)
【0030】(b)X=2,n=2の場合 前記6)(a)のブタジェン単量体単位を含むシロキサ
ンオリゴマー(X=1,n=8)を他のシロキサンオリ
ゴマー(X=2,n=2)に代えた以外は同様の方法に
より、収率91%で下記式(22)で示されるブタジェ
ン単量体単位を含む末端アミノアリール基含有ポリシロ
キサンを得た。
【化17】 1H−NMR(溶媒 CDCl3) 0.41−0.45 36H(Si−CH 3 :α,
α′) 5.20ppm(q) 2H(C=CH:γ) 3.40ppm(c) 4H(NH2 ) 5.05ppm(q) 2H(C=CH:γ′) 1.34ppm(d) 4H(Si−CH 2 −CH=:
β) 1.64ppm(q) 4H(CH2 CH 2 −CH
=:β′) 0.90ppm(t) 4H(δ) 6.8〜7.4ppm(m) 8H(ε) IR(cm-1): 3100−3400(−NH 2
2960 2900 2875(−CH3 ,−CH2 −,=CH−の伸縮)
1622(−NH 2 ) 1462 1410 1290 768 635(Si
−Cの変角) 1643(−CH=CH−面内変角) 967 693
(−CH=CH−面外変角)
【0031】(B)ブロック共重合体の合成 100ml三口丸底フラスコ中にイソフタル酸1.82
7g(11ミリモル)、3,4′−オキシジアニリン
2.002g(10ミリモル)、塩化リチウム0.12
g、塩化セチルトリメチルアンモニウム1.200g、
N−メチル−2−ピロリドン20ml、ピリジン3m
l、亜りん酸トリフェニル6.2gを加え、乾燥窒素雰
囲気下100℃で4時間重合させ、末端がカルボキシル
基である芳香族ポリアミドオリゴマーを調整した(m=
約10、固有粘度0.14dl/g、N,N−ジメチル
アセトアミド中、30℃)。次に、前記6)(a)で得
られた末端にアミノアリール基を有するブタジェン単量
体単位を含むシロキサンオリゴマー(X=1,n=8)
1.357g(ジアミンとして1ミリモルに相当する)
をピリジン5mlに溶解し、反応器中に添加し、更に、
4時間反応させた。反応終了後、1リットルのメタノー
ル中に該反応溶液を注ぎ入れ、共重合体を析出させた。
ろ過後、熱メタノール中で未反応のモノマー類及び塩化
セチルトリメチルアンモニウムを除去し、更に熱四塩化
炭素中で未反応の該ポリシロキサンを除去した。ろ過
後、真空乾燥し、収率87%で本発明のポリシロキサン
−ポリアミドブロック共重合体を得た。このブロック共
重合体の固有粘度はN,N−ジメチルアセトアミド中3
0℃において、0.36dl/g、数平均分子量Mnは
約20000であった。また、IRスペクトル(KBr
錠剤法)を測定したところ、1650cm-1付近にアミ
ドカルボニル基に基づく吸収が、2850cm-1に珪素
上の置換基であるメチル基の吸収が、1010−110
0cm-1にシロキサン骨格に基づく吸収が認められ、ポ
リシロキサン−ポリアミド系ブロック共重合体であるこ
とを確認した。
【0032】実施例2 実施例1で使用した末端にアミノアリール基を有するブ
タジェン単量体単位を含むポリシロキサンオリゴマー
(X=1,n=8)1.357gを前記6)(b)で得
られた末端にアミノアリール基を有するブタジェン単量
体単位を含むシロキサンオリゴマー(X=2,n=2)
0.725g(ジアミンとして1ミリモルに相当する)
に代え、両末端がカルボキシル基である芳香族ポリアミ
ドオリゴマー(m=約10、固有粘度0.14dl/
g、N,N−ジメチルアセトアミド中、30℃)に添加
し、同様に操作を行い本発明のポリシロキサン−ポリア
ミド系ブロック共重合体を収率85%で得た。このブロ
ック共重合体の固有粘度はN,N−ジメチルアセトアミ
ド中30℃において、0.48dl/g、数平均分子量
Mnは約29000であった。また、IRスペクトル
(KBr錠剤法)を測定したところ、実施例1と同様の
スペクトルを示した。
【0033】実施例3 実施例1で使用した3,4′−オキシジアニリン2.0
02g(10ミリモル)を3,3′−ジアミノベンゾフ
ェノン2.121g(10ミリモル)に代えた以外は同
様の操作を行い本発明のポリシロキサン−ポリアミド系
ブロック共重合体を得た。このブロック共重合体の固有
粘度は0.56dl/g(N,N−ジメチルアセトアミ
ド中、30℃)数平均分子量Mnは約48000であっ
た。このブロック共重合体のIRスペクトル(アナレク
ト社製FX6160)を測定したところ、実施例1以外
の吸収として、1657cm-1に−NHCOに基づくカ
ルボニルの吸収が、1720cm-1にケトンカルボニル
基に基づく吸収が認められた。
【0034】実施例4 実施例1の3,4′−オキシジアニリンをビス(4−ア
ミノフェニル)スルホン2.480g(10ミリモル)
に代えた以外は同様の操作を行い本発明のポリシロキサ
ン−ポリアミド系ブロック共重合体を得た。このブロッ
ク共重合体の固有粘度は0.74dl/g(N,N−ジ
メチルアセトアミド中、30℃)数平均分子量Mnは約
57000であった。このブロック共重合体のIRスペ
クトル(アナレクト社製FX6160にて測定)を測定
したところ、実施例1以外の吸収として、1661cm
-1に−NHCOに基づくカルボニルの吸収が、1217
付近及び1368cm-1に−SO2 −に基づく吸収が認
められた。
【0035】実施例5 実施例1の3,4′−オキシジアニリンをビス(4−ア
ミノフェニル)メタン1.801g(10ミリモル)に
代えた以外は同様の操作を行い本発明のポリシロキサン
−ポリアミド系ブロック共重合体を得た。このブロック
共重合体の固有粘度は0.43dl/g(N,N−ジメ
チルアセトアミド中、30℃)数平均分子量Mnは約2
2000であった。このブロック共重合体のIRスペク
トル(アナレクト社製FX6160にて測定)を測定し
たところ、実施例1以外の吸収として、1664cm-1
に−NHCOに基づくカルボニルの吸収が認められた。
【0036】実施例6 実施例1の3,4′−オキシジアニリンを2,2−ビス
(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.0
29g(10ミリモル)に代えた以外は同様の操作を行
い本発明のポリシロキサン−ポリアミド系ブロック共重
合体を得た。このブロック共重合体の固有粘度は0.3
9dl/g(N,N−ジメチルアセトアミド中、30
℃)数平均分子量Mnは約20000であった。このブ
ロック共重合体の赤外スペクトル(アナレクト社製FX
6160にて測定)を測定したところ、実施例1以外の
吸収として、1300cm-1付近に−C−Fに対応する
吸収が、1667cm-1に−NHCOに基づくカルボニ
ルの吸収が認められた。
【0037】
【発明の効果】本発明のポリシロキサン−ポリアミド系
ブロック共重合体は、ブタジェン単量体単位を含むポリ
シロキサンを用い、耐熱性の高い熱可塑性の弾性体を構
成しているので、従来のポリシロキサンに比べて熱挙動
が改善された、より利用範囲の広い素材として有用であ
る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両末端にアミノアリール基を有し、ブタ
    ジェン単量体単位を含むポリシロキサンと、両末端にカ
    ルボキシル基を有するポリアミドとの重縮合体であっ
    て、下記一般式(I)で示されるブロック単位(A)
    と、下記一般式(II)で示されるブロック単位(B)と
    がアミド結合によって結合してなり、かつ数平均分子量
    10000〜300000を有することを特徴とするポ
    リシロキサン−ポリアミド系ブロック共重合体。 【化1】 (式中、R1 は二価の芳香族基を示し、R2 及びR3
    アルキル基、フェニル基、またはアルキル置換フェニル
    基を示し、R4 は二価の有機基を示し、Zは連結基を示
    す炭素数2〜40の有機基であり、Arは下記一般式
    (1)〜(8)で示される構造を有し、m、n、xは平
    均重合度を示しており、mは1〜30、nは1〜10
    0、xは1〜20の整数を示す。) 【化2】
  2. 【請求項2】 下記一般式(III)で示される両末端にア
    ミノアリール基を有し、ブタジェン単量体単位を含むポ
    リシロキサンと、 【化3】 (式中、R1 は二価の芳香族基を示し、R2 及びR3
    アルキル基、フェニル基またはアルキル置換フェニル基
    を示し、Zは連結基を示す炭素数2〜40の有機基であ
    り、n,xは平均重合度を示しており、nは1〜10
    0、xは1〜20の整数を示す。)下記一般式(IV)で
    示される両末端にカルボキシル基を有するポリアミドと
    を、 【化4】 (式中、R4 は二価の有機基を示し、Arは前記一般式
    (1)〜(8)で示される構造を有し、mは平均重合度
    を示し、m=1〜30の整数である。)芳香族亜りん酸
    エステルとピリジン誘導体の存在下で重縮合させること
    を特徴とするポリシロキサン−ポリアミド系ブロック共
    重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 助触媒として長鎖アルキル基を有する第
    四級アンモニウム塩とハロゲン化アルカリ金属塩の存在
    下に重縮合せしめることを特徴とする請求項2に記載の
    ポリシロキサン−ポリアミド系ブロック共重合体の製造
    方法。
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