JP3152491B2 - 芳香族複素環ブロックコポリマーの製造方法 - Google Patents

芳香族複素環ブロックコポリマーの製造方法

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JP3152491B2 JP09708092A JP9708092A JP3152491B2 JP 3152491 B2 JP3152491 B2 JP 3152491B2 JP 09708092 A JP09708092 A JP 09708092A JP 9708092 A JP9708092 A JP 9708092A JP 3152491 B2 JP3152491 B2 JP 3152491B2
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基本的には剛直性を有
し、耐熱性、機械的性質、耐薬品性、電気的性質等に優
れるとともに、伸びや屈曲性をも有するような芳香族複
素環ブロックコポリマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チアゾール環、イミダゾール環、オキサ
ゾール環、オキサジノン環等の複素環を繰り返し単位内
に有する高分子は剛直性が高く、また、高強度、高弾性
率、高耐熱性を有しており、単独で又は他のエンジニア
リングプラスチックと複合して、金属材料に代替するプ
ラスチック材料としての使用が期待されている。
【0003】しかしながら、芳香族ポリチアゾールを始
めとする剛直ポリマーは、その高い剛直性のために一般
に溶解性に乏しく、メタンスルホン酸やクロロスルホン
酸などのごく一部の強酸にしか溶解しない。また、伸び
も小さく屈曲性に劣るために成形において問題があり、
単体では材料として使用しにくいものであった。
【0004】また、このような剛直ポリマーを補強材と
し、他のポリマーをマトリックスとした複合材を形成す
る場合においても、上述の理由で成形性に難点が残る。
さらに、このような複合材とする場合、剛直ポリマーと
マトリックスとなる他のポリマーとの相溶性は一般にそ
れほど良好とはならず、剛直ポリマーとマトリックスポ
リマーとを所望の割合で複合することは難しい。
【0005】このような欠点を解決する手段の一つとし
て、剛直ポリマーの一部に屈曲性を発現する部位を設
け、成形性を向上することが考えられる。また他のポリ
マーとの相溶性を向上するために、剛直ポリマーの一部
を、複合するポリマーと相溶化しやすい構造(複合相手
となるポリマーの一部と同一又は類似の構造)とするこ
とが考えられる。
【0006】そのような構造のポリマーを製造する方法
の一例として、特開昭63−256622号には、チアゾール環
を有する特定の芳香族オリゴマーと、少なくともカルボ
キシル基とアミノ基とをベンゼン環に有する特定のモノ
マーとをポリリン酸中で反応させて芳香族複素環ブロッ
クコポリマーを製造する方法が開示されている。この方
法によると、得られる芳香族複素環ブロックコポリマー
中に、剛直分子鎖部と、柔軟分子鎖部とが形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法では、芳香族複素環ブロックコポリマーの合成をポ
リリン酸中で加熱しながら行わなければならない。ま
た、この方法によって得られる芳香族複素環ブロックコ
ポリマーを補強材として用い、他のポリマーと組み合わ
せて複合材(たとえば分子複合材)とする場合、このブ
ロックコポリマーにはチアゾール環等の剛直性を有する
分子鎖部がすでに形成されているので、マトリックスポ
リマーとの相溶性はそれほど大きくならず、複合材への
使用にもそれほど好適ではない。
【0008】したがって本発明の目的は、他のポリマー
と組み合わせて複合材を製造する場合に応用でき、ゆる
やかな条件で、かつ、有機溶媒中で実施することができ
る芳香族複素環ブロックコポリマーの製造方法を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、チオール基の水素原子を置換又は
無置換のアルキル基により置換した芳香族ジアミノジチ
オール化合物、及び芳香族ジアミノ化合物を、別々に有
機溶媒中でジカルボン酸誘導体と反応させることにより
2種類のオリゴマーをまず製造し、次に、この2種類の
オリゴマーを反応させて前駆体コポリマーを製造し、得
られた前駆体コポリマーを加熱すれば、前駆体コポリマ
ーにおいてチアゾール閉環反応が起こり、もって芳香族
複素環ブロックコポリマーを安定的にかつ効率よく製造
することができ、また、分子複合材等の製造のように、
他のポリマーと分子レベルで均一に混合する必要がある
場合には、前駆体の段階(複素環の形成前)で他のポリ
マーと混合でき、芳香族複素環ブロックコポリマーを良
好に他のポリマー中に分散できることを発見した。ま
た、上記の方法で得られる芳香族複素環ブロックコポリ
マーは成形性、機械的強度に優れていることを発見し
た。本発明は以上の発見に基づくものである。
【0010】すなわち、芳香族複素環ブロックコポリマ
ーを製造する本発明の方法は、(i)(a) チオール基の水
素原子を置換又は無置換のアルキル基で置換した芳香族
ジアミノジチオール化合物、及び(b) 芳香族ジアミノ化
合物を別々に、有機溶媒中でジカルボン酸誘導体(c) と
反応させることにより2種類のオリゴマーを合成し、
(ii) 前記2種類のオリゴマーを有機溶媒中で反応させ
て前駆体コポリマーを合成し、(iii)前記前駆体コポリ
マーを加熱してチアゾール閉環反応を起こし、もって、
芳香族複素環ブロックコポリマーを製造することを特徴
とする。
【0011】本発明を以下詳細に説明する。(a) チオール基の水素原子を置換又は無置換のアルキル
基で置換した芳香族ジアミノジチオール化合物
【0012】本発明で用いるチオール基の水素原子を置
換又は無置換のアルキル基で置換した芳香族ジアミノジ
チオール化合物(以下、簡単のために化合物(a) と呼
ぶ)は、下記一般式
【化1】 (ただしArは芳香族残基であり、Rは置換又は無置換
のアルキル基である)で表されるものである。ここで芳
香族残基Arはベンゼン環に限らず2つ以上のベンゼン
環が縮合した芳香族環でもよく、またビフェニル等のよ
うに2つ以上のベンゼン環が結合したものでもよい。ま
た両側のアミノ基及びチオエーテル基の位置関係は芳香
族残基を中心として左右対称でも点対称でもよい。この
化合物(a)の例としては、
【化2】 等が挙げられる。
【0013】化合物(a) は、芳香族残基の両側にそれぞ
れアミノ基及びチオール基を有する化合物である芳香族
ジアミノジチオール化合物から合成することができる。
芳香族ジアミノジチオール化合物としては、上述した化
2に示す各化合物のアルキル基Rを水素原子で置き換え
たものを使用することができるが、この芳香族ジアミノ
ジチオール化合物は、劣化を防ぐために塩酸塩等の塩の
形で使用する。
【0014】化合物(a) 中のアルキル基Rは、置換又は
無置換のアルキル基である。無置換のアルキル基として
は、イソプロピル基、エチル基、n−プロピル基、n−
ブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ
る。アルキル基としては2級及び3級のアルキル基が特
に好ましい。
【0015】また置換アルキル基としては、カルボキシ
ル基、エステル基、シアノ基又はベンゼン基等により置
換されたアルキル基が好適である。なお、このような置
換基を有する場合には、アルキル基は特に2級のもので
ある必要はない。置換基を有するアルキル基としては、
例えば、
【化3】 等が挙げられる。
【0016】なお、上記の6つの置換アルキル基のう
ち、上位に示すエステル基を置換してなる2つのアルキ
ル基においては、エステル結合中の酸素原子に結合する
アルキル基がメチル基に限らず、炭素数2〜10のアル
キル基であっても良い。
【0017】特に、芳香族ジアミノジチオール化合物の
チオール基の水素原子を、シアノ基を有するアルキル基
又はエステル基を有するアルキル基で置換しておくと、
得られる芳香族複素環ブロックコポリマー前駆体(この
前駆体については後に詳述する)におけるチアゾール閉
環反応が比較的低温で起こるので好ましい。またこのよ
うな芳香族複素環ブロックコポリマー前駆体とすると、
N-メチル-2- ピロリドン等の有機溶媒への溶解度が向上
する。
【0018】用いるアルキル基の炭素鎖の長さを適度な
もの(炭素数が2〜5程度)にしておけば、後述するよ
うに、本発明の方法により得られる芳香族複素環ブロッ
クコポリマーを用いて、優れた物理的及び化学的物性を
有する分子複合材を製造することができる。なお、ここ
で言う分子複合材とは、ポリチアゾールがマトリックス
ポリマーとなるポリマー中に分子レベルまで微細に分散
してなるポリマーブレンド系複合材のことである。この
複合材は、本発明の方法で中間生成物として得られる芳
香族複素環ブロックコポリマー前駆体とマトリックスポ
リマーとをブレンド後、加熱閉環することにより得られ
る。
【0019】上記したアルキル基は、そのハロゲン化物
であるアルキルハライドとして用い、これと、さきに述
べた芳香族ジアミノジチオール化合物(の塩)とから、
以下に述べる方法により化合物(a) を合成する。なおハ
ロゲン化物としては、上記したアルキル基の臭素化物、
塩素化物、ヨウ化物等が使用できる。
【0020】化合物(a) の合成では、上述した芳香族ジ
アミノジチオール化合物の塩とアルキルハライドとをア
ルカリ性水溶液中で反応させる。使用するアルカリ性水
性溶媒としては、水、又は水とアルコール(たとえばエ
タノール及び/又はメタノール)との混合溶媒に、水酸
化ナトリウム等の塩基性塩を溶解したものを使用するこ
とができる。溶媒をアルカリ性とすることで、芳香族ジ
アミノジチオール化合物の塩を容易に溶解することがで
きる。またチオール基の求核性を増大させ、置換反応を
助長する。なお、アルカリ性水性溶媒のアルカリ濃度は
30重量%以下とするのが良い。
【0021】この置換反応は0℃〜 100℃の範囲で行う
ことができる。温度が0℃未満であると反応速度が遅く
なり好ましくない。また 100℃を超す温度とすると副反
応が起こってしまい好ましくない。より好ましい反応温
度は0℃〜95℃である。
【0022】反応時間は特に制限はないが、一般に2〜
24時間程度で良い。
【0023】なお、反応速度を高めるために、溶液の撹
拌を行うことが好ましい。またアルキルハライドの量を
過剰にすることで反応速度を高めることができる。
【0024】さらに、セチルトリメチルアンモニウムク
ロライド、臭化n-ブチルトリフェニルホスホニウム、臭
化テトラフェニルホスホニウム、18−クラウン-6等を相
間移動触媒として加えると、反応速度を高めることがで
きる。このような相間移動触媒は、芳香族ジアミノジチ
オール化合物の塩とアルキルハライドとの反応を速やか
に進行させる。
【0025】以上の条件で置換反応を行うことにより、
芳香族ジアミノジチオール化合物の塩のチオール基の水
素原子をアルキル基で置換したモノマー(化合物(a) )
を得ることができる。
【0026】化合物(a) を合成する反応において、芳香
族ジアミノジチオール化合物の塩とアルキルハライドと
の反応は以下の通り進行する。ここで、芳香族ジアミノ
ジチオール化合物の塩の例として2,5-ジアミノ-1,4- ベ
ンゼンジチオール二塩酸塩を用いる。また式中X-R はア
ルキルハライドを表す。
【化4】
【0027】(b) 芳香族ジアミノ化合物 本発明で用いる芳香族ジアミノ化合物(以下、簡単のた
めに化合物(b) と呼ぶ)としては、屈曲可能な構造を有
する芳香族ジアミノ化合物が好ましく、ジフェニルエー
テル、ビフェニル等の芳香族残基を有するジアミンを好
適に用いることができる。化合物(b) としては、具体的
には、下記式
【化5】 で表される芳香族残基を有するものを使用することがで
きる。特に、上記した化5中の芳香族残基のうち、上位
に示す2種のジフェニルエーテル基が好ましい。このよ
うなジフェニルエーテル基を用いれば、得られる芳香族
複素環ブロックコポリマーに十分な屈曲性を付与するこ
とができる。
【0028】なお、最終的に得られる芳香族複素環ブロ
ックコポリマーを分子複合材等に用いる場合、これと、
分子複合材のマトリックスとなるポリマーとの相溶性を
向上させる必要があるが、その場合には、この化合物
(b) として、混合相手となるマトリックスポリマーの一
部と同一又は類似の構造を有するものを選択するのがよ
い。
【0029】(c) ジカルボン酸誘導体 また、本発明において使用するジカルボン酸の誘導体と
しては、各カルボキシル基を以下のように置換したもの
が挙げられる。
【化6】
【0030】また上記ジカルボン酸誘導体の残基として
は、比較的短鎖(炭素数2〜10)のアルキレン基や、
以下に示すような芳香族系残基が挙げられる。
【化7】
【0031】なお、ジカルボン酸としては芳香族系のジ
カルボン酸が好ましく、特にテレフタル酸及びイソフタ
ル酸の誘導体が好ましい。ジカルボン酸誘導体は、一種
類に限らず二種以上を併用してもよい。
【0032】次に芳香族複素環ブロックコポリマーの製
造方法について説明する。
【0033】(1) 前駆体コポリマー用のオリゴマーの合
本発明では、まず、上述した化合物(a) 、及び化合物
(b) をそれぞれ別々にジカルボン酸誘導体(c) と反応さ
せて2種類のオリゴマーを製造する。ここで、説明の簡
単のために、化合物(a) とジカルボン酸誘導体(c) とを
反応させて得られるオリゴマーをオリゴマーIと呼び、
化合物(b) とジカルボン酸誘導体(c) とを反応させて得
られるオリゴマーをオリゴマーIIと呼ぶ。
【0034】化合物(a) とジカルボン酸誘導体(c) とを
有機溶媒に溶解し、所望の温度下で撹拌してオリゴマー
Iを合成する。
【0035】オリゴマーIの合成において、化合物(a)
のモル量とジカルボン酸誘導体(c)のモル量とは基本的
には等量とするが、以下の理由: オリゴマーIと、後述するオリゴマーIIとが良好に反
応できるように、オリゴマーI、オリゴマーIIのうちの
一方における末端を−COClとし、他方のオリゴマーの末
端を−NH2 とするため、及び オリゴマー1の分子量を適切なものとするために、化
合物(a) に対してジカルボン酸誘導体(c) のモル量を適
宜増減するのがよい。このジカルボン酸誘導体(c) の量
の調節については後述する。
【0036】また、有機溶媒中における化合物(a) とジ
カルボン酸誘導体(c) の合計量の濃度は、0.5 〜 5モル
/リットル程度とするのが良い。濃度が 5 モル/リッ
トルを超す濃度とすると、各成分の溶解が難しくなり好
ましくない。
【0037】有機溶媒としてはアミド系有機溶媒を好適
に用いることができる。アミド系有機溶媒としては、N-
メチル-2- ピロリドン、ヘキサメチルフォスフォリック
トリアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等が挙げられ、
それらの単独又は混合溶液を使用することができる。ま
た反応性を高めるために最大限5%のLiCl、CaCl2 等の
塩化物を添加しても良い。
【0038】化合物(a) とジカルボン酸誘導体(c) とを
重合してオリゴマーIを合成するときの重合反応温度
は、-20 〜 200℃とするのがよい。温度が -20℃未満で
あると十分な重合反応が起こらない。一方、250 ℃程度
の温度ではチアゾール閉環反応が起こる可能性があるの
で、重合反応の温度の上限を200 ℃とする。より好まし
くは、-10 〜50℃の範囲とする。
【0039】上記のオリゴマーIの製造においては、反
応速度を高めるために、溶液の撹拌を行うことが好まし
い。また、反応時間は、1 〜120 分程度とするのがよ
い。
【0040】化合物(a)とジカルボン酸誘導体(c)との重
合反応は、以下の通り進行するものと考えられる。ここ
で、化合物(a)の例として2,5-ジアミノ-1,4-ベンゼンジ
チオール二塩酸塩のアルキル基置換体を用い、ジカルボ
ン酸誘導体(c)の例としてテレフタル酸ジクロライドを
用いる。なお、mは重合度を表す。なお、オリゴマーI
の固有粘度はηinh=0.1 〜1.0 (N-メチル-2-ピロリド
ン、30℃) 程度である。
【化8】
【0041】また、オリゴマーIIも、上述したオリゴマ
ーIの合成方法と同様にして合成することができる。
【0042】オリゴマーIIの合成の場合も、ジカルボン
酸誘導体(c) の量は基本的には化合物(b) のモル量と等
量とするが、オリゴマーIの合成時のジカルボン酸誘導
体(c) の量の調節に合わせて、オリゴマーIIの合成にお
けるジカルボン酸誘導体(c)の量も調節するのがよい。
これについては後述する。
【0043】有機溶媒中における化合物(b) 及びジカル
ボン酸誘導体(c) の合計量の濃度は、0.5 〜5 モル/リ
ットル程度とするのが良い。
【0044】また、重合反応温度は、-20 〜300 ℃とす
るのがよい。温度が -20℃未満であると十分な重合反応
が起こらない。一方、400 ℃程度の温度では熱分解を生
じるので、確実にそのような熱分解を防止するために重
合反応の温度の上限を300 ℃とする。より好ましくは、
-10 〜50℃の範囲とする。
【0045】なお、オリゴマーIIの合成において用いる
有機溶媒としては、上述のオリゴマーIの合成に用いた
ものと同様のものが挙げられる。
【0046】反応時間は、特に制限はないが一般に1 〜
120 分程度でよい。
【0047】オリゴマーIIへの重合反応は、以下の通り
進行するものと考えられる。ここで、化合物(b)の例と
して4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(4-アミノ-p-フ
ェノキシアニリン)を用い、ジカルボン酸誘導体(c)の
例としてテレフタル酸ジクロライドを用いる。なお、n
は重合度を表す。なお、オリゴマーIIの固有粘度はη
inh=0.1〜1.0(N-メチル-2-ピロリドン、30℃) 程度で
ある。
【化9】
【0048】次に、オリゴマーI及びオリゴマーIIの合
成におけるジカルボン酸誘導体(c)の量の調節について
説明する。
【0049】各オリゴマーの合成においては、基本的に
化合物(a) 又は化合物(b) と等モル量のジカルボン酸誘
導体(c) を用いるが、上述した理由により、化合物(a)
又は化合物(b) に対するジカルボン酸誘導体(c) の量を
多少増減するのがよい。
【0050】本発明者等の研究によれば、後述する前駆
体コポリマーの製造において、オリゴマーIを比較的多
く用いる場合には(すなわち、最終的に得られる芳香族
複素環ブロックコポリマー中に、チアゾール環を有する
剛直部位を多く導入する場合には)、オリゴマーIの合
成におけるジカルボン酸誘導体(c) の量を化合物(a)の
モル数より多少多めにするのがよい。一方、前駆体コポ
リマーの製造において、オリゴマーIの量をオリゴマー
IIより少なくする場合には、オリゴマーIの合成におけ
るジカルボン酸誘導体(c) の量を化合物(a) のモル数よ
りわずかに少なめにするのがよい。ただし、一方のオリ
ゴマーの合成においてジカルボン酸誘導体(c) の量を少
々減じた場合には、その減じた分だけ、他方のオリゴマ
ーの合成においてジカルボン酸誘導体(c) の量を増や
す。
【0051】具体的に、化合物(a) として、下記式
【化10】 を用い、また化合物(b) として、下記式
【化11】 を用いてそれぞれオリゴマーIとオリゴマーIIを合成
し、これから前駆体コポリマーを製造する場合を考える
と、オリゴマーIとオリゴマーIIの配合比(モル比)の
変化によって、オリゴマーIの製造に用いるジカルボン
酸誘導体(c) の量を表1のように調節するのが望まし
い。ここで、上記化10で示す化合物(a) のモル数をa
とし、上記化11で示す化合物(b) のモル数をbとして
いる。
【0052】 表1 オリゴマーI:オリゴマーII オリゴマーIの合成時の (モル比) ジカルボン酸誘導体(c) の量 8:2 a+0.1 b 6:4 a+0.1 (a+b) 3:7 a−0.16b 2:8 a−0.1 (a+b)
【0053】(2)前駆体コポリマーの製造 上述した方法により得られたオリゴマーIとオリゴマー
IIとを有機溶媒中で反応させ、前駆体コポリマーを合成
する。有機溶媒としては、上記のオリゴマーI(及びオ
リゴマーII)の合成で用いたものを使用することができ
る。
【0054】具体的には、オリゴマーIを溶解した有機
溶媒と、オリゴマーIIを溶解した有機溶媒を混合し、-1
0 〜50℃で撹拌して前駆体コポリマーを合成する。特に
-20℃未満では重合が進まず、また250 ℃を超す温度と
するとチアゾール閉環反応が進行してしまう。
【0055】以上の条件で重合反応を行うことにより、
チアゾール閉環反応を起こすことなく大きな重合度を有
する芳香族複素環ブロックコポリマー前駆体が得られ
る。得られる芳香族複素環ブロックコポリマー前駆体の
固有粘度はηinh = 0.5〜2.0(N-メチル-2- ピロリド
ン、30℃) 程度である。
【0056】オリゴマーIとオリゴマーIIとの重合反応
は、以下の通りに進行し、芳香族複素環ブロックコポリ
マー前駆体(前駆体コポリマー)が得られる。ここで、
オリゴマーIとして、先に化8で示した反応により得ら
れたものを用い、オリゴマーIIとしては化9で示した反
応により得られたものを用いているが、本発明はこれに
限定されない。なお、m及びnは重合度を表している。本
発明においては、m:nは0.01:99.99 〜99.99:0.01の
範囲をとることができる。
【化12】
【0057】得られた芳香族複素環ブロックコポリマー
前駆体は、公知の方法により洗浄及び乾燥することがで
きる。
【0058】(3) 前駆体コポリマーの閉環反応 前駆体コポリマーの閉環反応は 250℃〜 500℃の加熱に
より行う。なお 250℃未満の加熱であればチアゾール環
の形成が見られない。また 600℃を超える加熱を行うと
ポリチアゾールが熱分解を開始するので好ましくなく、
安全をみて500℃を上限とするのが望ましい。特に、チ
オール基の水素原子を、カルボキシル基、シアノ基又は
エステル基等を有するアルキル基で置換したアルキル基
置換芳香族ジアミノジチオール化合物から得られる前駆
体コポリマーを用いれば、閉環反応は、250 ℃〜 400℃
の低い温度で閉環反応を行うことができる。なお、この
閉環反応は、ポリベンゾチアゾールの前駆体(上述した
化12において、n=0とした場合)における閉環反応
より10〜20℃程度低い温度で進む。
【0059】前駆体コポリマーを加熱するとアルキル基
(R)が脱離するとともに、その部位でチアゾール環が形
成され、芳香族複素環ブロックコポリマーが得られる。
前駆体として上記した化12に示す反応式で得られたもの
を用いれば、下記構造式の芳香族複素環ブロックコポリ
マーを得ることができる。
【化13】
【0060】上記化13において、m及びnはそれぞれ
剛直部及び柔軟部(屈曲部)の重合度を表す。剛直部と
柔軟部はそれぞれ適度な長さを有して交互に配列して連
続し、ブロックコポリマーを形成している。
【0061】なお、本発明の方法により得られる芳香族
複素環ブロックコポリマーを用いて分子複合材を製造す
る場合には、あらかじめ芳香族複素環ブロックコポリマ
ーを製造して、それとマトリックスポリマーとを混合す
るのではなく、芳香族複素環ブロックコポリマーの前駆
体の段階で、これとマトリックスポリマーとを有機溶媒
中で混合するのが良い。芳香族複素環ブロックコポリマ
ー前駆体をマトリックスポリマー中に均一に分散したの
ち、溶媒の除去後加熱し、前駆体コポリマーの閉環反応
を起こして分子複合材とする。したがって、前駆体コポ
リマーは用いる有機溶媒に対して良好な溶解度を有する
ことが必要であるが、前述したような大きさ(長さ)及
び種類のアルキル基がチオール基に結合してなる前駆体
コポリマーとすれば、有機溶媒への溶解度は大きくな
る。さらに本発明においては、オリゴマーIIに由来する
部分を有機溶媒に対して高い親和性を有するように設定
することができるので、得られる前駆体コポリマーの有
機溶媒への溶解度はさらに大きくなる。
【0062】なお、分子複合材のマトリックスポリマー
として用いることのできるものとしては、芳香族ポリア
ミド、ジアミンと酸無水物とからなるポリアミド酸、及
びポリイミド等がある。
【0063】また、前述したようなアルキル基を置換し
てなる芳香族複素環ブロックコポリマー前駆体の溶液は
液晶性が大きくなり、前駆体を溶解している有機溶媒か
ら容易に前駆体を紡糸することができる。したがって、
本発明の方法を用いれば、フィルム状のもののみなら
ず、ポリチアゾール環を有する芳香族複素環ブロックコ
ポリマーの繊維を製造することも容易となる。前駆体の
溶液の液晶性を大きくするには、基本的にはチオール基
に結合するアルキル基を長くするほうが良いが、実際に
は有機溶媒への溶解度等を考慮して適切な長さとするの
が良い。
【0064】
【作用】本発明では、芳香族複素環ブロックコポリマー
の製造において、まず、2種類のオリゴマーを製造し、
次にこのオリゴマー同士を重合することにより芳香族複
素環ブロックコポリマーの前駆体コポリマーを合成して
おり、アミド系の有機溶媒を用いて、ゆるやかな条件で
(高い加熱温度を必要とせず)前駆体コポリマーを製造
できる。
【0065】本発明によれば、得られる芳香族複素環ポ
リマーの分子鎖中に、屈曲性を有する構造部位がある程
度の長さを有して配置されるので、本発明による芳香族
複素環ブロックコポリマーは良好な屈曲性を有し、成形
性も向上する。
【0066】また、この屈曲性を有する構造部位(オリ
ゴマーIIに由来する部位)を水素結合可能部位とするこ
とができ、そのために他のポリマーとの親和性を良好に
することができる。
【0067】さらに、本発明の方法を用いれば、芳香族
複素環ブロックコポリマーの合成の第一段階が終わった
時点で(前駆体を合成した時点で)、前駆体とマトリッ
クスポリマーとを混合し、良好な分子複合材を製造する
ことが可能となる。
【0068】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例により詳細に説
明する。実施例1 (1)オリゴマーI及びオリゴマーIIの合成 乾燥したアルゴン気流下で、よく乾燥した50mlのフラス
コにN-メチル-2- ピロリドン(以下NMPと呼ぶ)5ml
を採り、これに、下記式
【化14】 で表される化合物(a) 3ミリモル(0.835g)を加
えて溶解し、均一なNMP溶液を調製した。
【0069】この溶液を容器ごと氷冷した状態で、さら
に化合物(c) として2−クロロテレフタル酸クロライド
1.85ミリモル(0.439g)を加えて5分間撹拌し、
オリゴマーIを合成した。
【0070】上記したオリゴマーIの合成と同時に、乾
燥したアルゴン気流下で、よく乾燥した50mlのフラスコ
にNMP10mlを入れ、これに下記式
【化15】 で表される化合物(b) 7ミリモル(1.4014g)を
加えて溶解し、均一なNMP溶液を調製した。
【0071】この溶液を容器ごと氷冷した状態で、さら
に化合物(c) として2−クロロテレフタル酸クロライド
8.15ミリモル(1.936g)を加えて5分間撹拌し、
オリゴマーIIを合成した。
【0072】(2)芳香族複素環ブロックコポリマー前駆
体の合成 上記の操作で得られたオリゴマーIのNMP溶液を、オ
リゴマーIIのNMP溶液に加えた。なお、オリゴマーI
のNMP溶液をオリゴマーIIのNMP溶液に加えた後、
オリゴマーIのNMP溶液のフラスコをさらに2mlのN
MPで洗い、この洗ったNMPもオリゴマーIIのNMP
溶液に加えた。
【0073】混合したオリゴマー溶液を氷冷したまま1
時間撹拌し、さらに、撹拌しながら温度を室温まで上げ
てゆき、室温に保持してさらに4時間撹拌を続けた。
【0074】得られた溶液を大量のメタノール中に注い
だ。なおこの操作はメタノールを撹拌しながら行った。
【0075】次に、このメタノール溶液を濾過し、得ら
れた沈殿(ポリマー)を真空中、100 ℃で24時間乾燥し
た。収率は99.8%であった。
【0076】このポリマーの固有粘度ηinh は0.92であ
った。なお固有粘度の測定はNMP中で、ポリマーの濃
度を0.5g/dlとし、30℃にてウベローデ法により行っ
た。
【0077】得られたポリマー(前駆体ポリマー)の構
造は以下の通りであると思われる。
【化16】 なお、このポリマーにおいて、オリゴマーIに由来し、
熱処理後に剛直性を発現する部位の重合度mと、オリゴ
マーIIに由来し、柔軟性を発現する部位の重合度nの比
(m:n)は、3:7となる。
【0078】得られた前駆体ポリマーをNMPに溶解
し、これをガラス板上にキャストして透明な等方性のフ
ィルム(厚さ30μm)を得た。
【0079】このフィルムについて引張弾性率及び引張
強度をJIS K 7127に準拠して測定したところ、引張弾性
率が361kgf/mm 2 、引張強度が11.9kgf/mm2 であった。
【0080】(3) 芳香族複素環ブロックコポリマーへの
閉環反応 上記(2)で得たフィルムを真空中において350 ℃で30分
間加熱し、茶褐色調の透明なフィルムを得た。TG-DTA測
定及びIRスペクトルの観測から、イオウ原子に結合して
いた置換アルキル基の脱離及びチアゾール環の形成が確
認された。また、TG-DTA測定によると、チアゾール環の
形成は306 ℃で進行することがわかった。
【化17】 このフィルムに対しても上述の前駆体コポリマーのフィ
ルムと同様にして引張弾性率及び引張強度を測定した。
引張弾性率は650 kgf/mm2、引張強度は18.6kgf/mm2であ
った。
【0081】実施例2〜5 実施例1で用いたと同様のモノマー(化合物(a) 、化合
物(b) 、及びジカルボン酸誘導体(c) )を用い、各モノ
マーの濃度を変化させた以外は実施例1と同様にして、
剛直部(オリゴマーIに由来し、チアゾール環を有する
部位)と、柔軟部(オリゴマーIIに由来する部位)との
比率(m:n)を変化させた3種の芳香族複素環ブロッ
クコポリマー(実施例2〜4)を製造した。
【0082】また、ジカルボン酸誘導体(c) として、2
−クロロテレフタル酸クロライドの代わりにイソフタル
酸クロライドを用い、また、各モノマーの濃度を変化さ
せた以外は実施例1と同様にして芳香族複素環ブロック
コポリマー(実施例5)を製造した。
【0083】各実施例において、前駆体コポリマーの閉
環温度(チアゾール閉環温度)、及び閉環前と閉環後の
物性(引張弾性率、引張強度)を実施例1と同様にして
測定した。
【0084】各芳香族複素環ブロックコポリマーにおけ
る全剛直部と全柔軟部との比率(m:n)、収率、固有
粘度(ηinh )、チアゾール閉環温度、閉環前及び閉環
後の弾性率と強度を表2に示す。なお、上述した実施例
1の結果も表2に合わせて示す。
【0085】 表2例No. 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 m:n(1) 3:7 8:2 6:4 2:8 1:9 収率 (2) 99.8 99.8 99.8 99.8 99.9 ηinh (3) 0.92 0.93 0.86 0.63 0.65 閉環温度 A点(4) − 367 351 − 329 B点(5) 306 338 337 298 300 閉環前の物性 弾性率(6) 361 − − 366 − 強度 (7) 11.9 − − 8.7 − 閉環後の物性 弾性率(6) 650 − − 669 − 強度 (7) 18.6 − − 17.3 −
【0086】表2注(1) :ブロックコポリマー中の剛直
部(オリゴマーI由来の部分)と柔軟部(オリゴマーII
由来の部分)の比率を表す。 (2) :単位は%である。 (3) :固有粘度であり、ウベローデ法により、NMP中
でポリマーの濃度を0.5g/dlとし、30℃で測定した値で
ある。 (4) :単位は℃であり、TG−DTA測定により、N2
中昇温速度10℃/分で昇温した時に、閉環による重量減
少がチャ−ト上で止まった点である。 (5) :単位は℃であり、上記(4) と同じ条件でTG−D
TA測定を行った場合に、閉環による重量減少の終わり
の変曲点である。 (6) :単位はkgf/mm2 である。 (7) :単位はkgf/mm2 である。
【0087】実施例6 前駆体コポリマーの熱処理温度と、得られる芳香族複素
環ブロックコポリマーの引張弾性率又は引張強度との関
係を調べるために、実施例1と同様にして複数の前駆体
コポリマーフィルムを製造した。そして、この前駆体コ
ポリマーからなるフィルムに対し、熱処理温度(熱処理
の最高温度)を約225 ℃から350 ℃まで変化させて芳香
族複素環ブロックコポリマーからなるフィルムを製造し
た。
【0088】得られた各フィルムについて、実施例1と
同様にして引張弾性率及び引張強度を測定した。結果を
図1及び図2に示す。
【0089】参考例1 芳香族複素環ブロックコポリマー中の剛直部(オリゴマ
ーIに由来する部分)の重合度(分子量)を測定するの
は困難である。そこで、この剛直部がどれぐらいの重合
度(分子量)を有しているのかをみるために、実施例1
及び実施例3のそれぞれで中間生成物として得られた各
オリゴマーIの分子量を、各オリゴマーIの固有粘度を
調べることにより調べた。
【0090】実施例1におけるオリゴマーIの固有粘度
はηinh =0.36(N-メチル-2- ピロリドン、30℃) であ
った。また、実施例3におけるオリゴマーIの固有粘度
はηinh =0.43(N-メチル-2- ピロリドン、30℃) であ
った。
【0091】以上から、実施例1及び3で得られた芳香
族複素環ブロックコポリマー中の剛直部分の重合度は比
較的短いものであることが想定される。
【0092】
【発明の効果】以上に詳述した通り、本発明の方法にお
いては、まず、(a) チオール基の水素原子を置換又は無
置換のアルキル基で置換した芳香族ジアミノジチオール
化合物、及び(b) 芳香族ジアミノ化合物をそれぞれ別々
に、有機溶媒中で(c) ジカルボン酸誘導体と反応させる
ことにより2種類のオリゴマーを合成し、次に、この2
種類のオリゴマーを有機溶媒中で反応させて前駆体コポ
リマーを合成し、さらにこの前駆体コポリマーを加熱し
てチアゾール閉環反応を起こして芳香族複素環ブロック
コポリマーを製造している。したがって、本発明による
芳香族複素環ブロックコポリマーは、剛直性を発現する
部位と柔軟性を発現する部位とがそれぞれある程度の長
さを有して交互に配列したものとなる。このような構造
とすると、機械的強度、耐熱性及び耐溶媒性等の諸特性
が良好となるとともに、屈曲性、伸び等も付与され、成
形性が向上する。また、柔軟性を発現する部位を適切な
構造に設定してやることで、この部分を水素結合可能な
部位とすることができ、他のポリマーとの相溶性が良好
となる。
【0093】さらに、本発明の方法において中間生成物
として得られる芳香族複素環ブロックコポリマー前駆体
を用いることにより、優れた分子複合材を製造すること
ができる。
【0094】本発明による芳香族複素環ブロックコポリ
マーは、単独でまたは複合材の補強成分として、自動車
部品、航空部品等の高強度高耐熱性エンジニアリングプ
ラスチック材料に幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例5における前駆体コポリマーの熱処理
温度と引張弾性率との関係を示すグラフである。
【図2】 実施例5における前駆体コポリマーの熱処理
温度と引張強度との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 啓人 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 75/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)(a) チオール基の水素原子を置換又
    は無置換のアルキル基で置換した芳香族ジアミノジチオ
    ール化合物、及び(b) 芳香族ジアミノ化合物を別々に、
    有機溶媒中で(c) ジカルボン酸誘導体と反応させること
    により2種類のオリゴマーを合成し、(ii) 前記2種類
    のオリゴマーを有機溶媒中で反応させて前駆体コポリマ
    ーを合成し、(iii)前記前駆体コポリマーを加熱してチ
    アゾール閉環反応を起こし、もって、芳香族複素環ブロ
    ックコポリマーを製造することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、前記
    (b) 芳香族ジアミノ化合物中の芳香族残基が、ジフェニ
    ルエーテル基であることを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の方法において、
    前記(c) ジカルボン酸誘導体が、芳香族ジカルボン酸誘
    導体であることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の方法において、前記芳
    香族ジカルボン酸誘導体が置換又は無置換のテレフタル
    酸ジクロリド又はイソフタル酸ジクロリドであることを
    特徴とする方法。
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