JPH05287078A - ブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

ブロック共重合体及びその製造方法

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JPH05287078A
JPH05287078A JP11670492A JP11670492A JPH05287078A JP H05287078 A JPH05287078 A JP H05287078A JP 11670492 A JP11670492 A JP 11670492A JP 11670492 A JP11670492 A JP 11670492A JP H05287078 A JPH05287078 A JP H05287078A
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block copolymer
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JP11670492A
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Toshio Tagami
敏雄 田上
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリシロキサンの熱分解特性を改善し、かつ
製造上の問題を特に考慮する必要のない新規なポリシロ
キサン−ポリアミド系ブロック共重合体とその容易な製
造方法とを提供する。 【構成】 両末端にアミノアリール基を有しブタジェン
単量体単位を含むポリシロキサンと両末端にカルボキシ
ル基を有し、かつ、構造中にフェノール性水酸基を4モ
ル%以上含むポリアミドとを、芳香族亜りん酸エステル
とピリジン誘導体の存在下で、重縮合させることによっ
て得られるポリシロキサン−ポリアミド系ブロック共重
合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なブロック共重合
体及びその製造方法に関し、より詳しくは反応性のフェ
ノール性水酸基を有するポリシロキサン−ポリアミド系
ブロック共重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリシロキサンは選択透過膜、例えば酸
素富化膜としての応用分野や電子部品周辺材料、例えば
フォトレジスト材料への応用等最近注目されてきている
分野での展開が計られている材料の一つである。そのた
め、様々な合成方法が提案されているが、ポリシロキサ
ン単独では思うような性能が得られず、複合化が計られ
ているのが現状である。複合化の方法としては、ポリマ
ーブレンド、ポリマーアロイ(広義では、ポリマーブレ
ンド、グラフト重合物、ブロック共重合物等を含む)化
が挙げられる。しかしながら、ポリマーブレンドの場合
は、機能性や付加価値を高める点では好都合であって
も、相溶性の点では問題が多く、またグラフト化やブロ
ック化は相溶性の問題を解決するけれど、グラフト重合
やブロック共重合による複合材料化の技術は難しく、生
産コストの点では満足のいくものではなく、限られた用
途に採用されているに過ぎない。これらの手法のうち、
比較的低コストのブロック共重合化の手法を示すと、例
えばポリシロキサン−芳香族ポリアミドブロック共重合
体の製造方法として、脂肪族アミン末端ポリシロキサン
を用いた亜りん酸エステル法が知られているが(特開昭
61−293224)、高重合度、高強度のポリシロキ
サン−芳香族ポリアミドブロック共重合体は製造するこ
とができなかった。そのため、高強度のポリシロキサン
−芳香族ポリアミドブロック共重合体の製造に関して
は、ジカルボン酸ジクロライドと上述の脂肪族アミン末
端ポリシロキサンを用いた低温界面重縮合法が提案され
ている(特開昭62−257933)。
【0003】しかしながら、従来提案されている上記の
ポリシロキサン−芳香族ポリアミドブロック共重合体の
製造方法である低温界面重縮合法は、合成上使用するモ
ノマー類の精製が必要であり、また製造時の反応制御や
反応副生成物である塩酸ガスの処理が必要である等種々
の問題があり、必ずしも満足できるものではなかった。
また、ポリシロキサンは、耐熱性のポリマーであるが、
シロキサン部分は一旦熱分解が始まると、重量減少速度
が早まるという問題を有しているので、高度に耐熱性を
必要とする場合には、安定した使用ができないという問
題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上述のような問題点に鑑みてなされたものであ
る。従って、本発明の目的は、従来のポリシロキサンの
熱分解挙動を改善し、かつ上記のような製造上の問題を
考慮する必要のないフェノール性水酸基を有する新規な
ポリシロキサン−ポリアミド系ブロック共重合体を提供
することにある。本発明の他の目的は、フェノール性水
酸基を有する新規なポリシロキサン−ポリアミド系ブロ
ック共重合体を容易に製造できる方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の技術
に於ける上述の問題点を解決するために研究を進めた結
果、亜りん酸エステル法においてポリシロキサン−芳香
族ポリアミドブロック共重合体を製造する際に、ポリシ
ロキサンの末端にアミノアリール基を有しブタジェン単
量体単位を含むポリシロキサンマクロモノマーを用いる
ことにより、かつ、ジカルボン酸をフェノール性水酸基
を有するジカルボン酸とフェノール性水酸基を有しない
ジカルボン酸とを混合使用する事により、上記の問題が
解決できることを見出し、本発明を完結するに至った。
即ち、本発明の反応性基であるフェノール性水酸基を有
するポリアミド−ポリシロキサン系ブロック共重合体
は、両末端にアミノアリール基を有しブタジェン単量体
単位を含むポリシロキサンマクロモノマーと両末端にカ
ルボキシル基を有し且つ構造中に少なくとも4モル%の
フェノール性水酸基を有するポリアミドとの重縮合体で
あって、下記一般式(I)で示されるブロック単位
(A)と、下記一般式(II)で示されるブロック単位
(B)とがアミド結合により結合してなり、かつ数平均
分子量1000〜10000を有することを特徴とす
る。
【化5】 (式中、R1は炭素数2以上の二価の有機基を示し、R2
及びR3は、アルキル基、フェニル基またはアルキル置
換フェニル基を示し、R4は二価の有機基を示し、R5
構造中にフェノール性水酸基を有する有機基であって、
Arは下記一般式(1)〜(8)で示される構造を有
し、n、xは平均重合度を示しており、n=1〜10
0、x=1〜20の整数を示し、m及びkは共縮重合比
であってk/(m+k)≧0.04を示し、pは平均重
合度でありp=1〜30の整数である。)
【化6】
【0006】本発明のポリシロキサン−ポリアミド系ブ
ロック共重合体は、下記一般式(III)で示される両末
端にアミノアリール基を有しブタジェン単量体単位を含
むポリシロキサンと、
【化7】 (式中、n、x、R1 、R2 、R3 は上記一般式(I)
と同様である。)下記一般式(IV)で示される両末端に
カルボキシル基を有するポリアミドとを、
【化8】 (式中、R4、R5 、Ar、m、k、pは前記一般式(I
I)と同じ意味を有する。)芳香族亜りん酸エステルと
ピリジン誘導体の存在下で重縮合せしめることによって
製造することができる。
【0007】本発明のポリシロキサン−ポリアミド系ブ
ロック共重合体を構成する上記一般式(III)で示される
両末端にアミノアリール基を有しブタジェン単量体単位
を含むポリシロキサンは、例えば、下記反応式で示され
る方法によっても合成することが可能である。
【化9】 (式中、Rは二価の有機基を示し、Z、Xは前記したも
のと同意義を有する。)
【0008】上記反応式中に用いられるパラジウム系触
媒は、ブタジェンの導入量を制御するために必要であ
り、中でもリガンドとしてトリフェニルホスフィンやベ
ンゾニトリルを複数個持つものが好ましく、一般式[P
d〔P(C654-nn]や一般式[Pd(C65
N)4-nn]で表わされる化合物が好ましく使用される
(式中、Xはハロゲン原子を表わす)。また白金系の触
媒としては、塩化白金酸や白金黒が例示される。なお、
上記の反応で得られるポリシロキサンにおいて、シロキ
サン部分の重合度nは1〜100の範囲であるが、その
熱分解挙動を考慮すると、nは5〜20の範囲が好まし
い。重合度が1以下の場合は耐熱性が劣り、100を越
えると反応性に種々の問題が生じるので好ましくない。
重合度が5〜20の場合、耐熱性及び反応性に富むシロ
キサンモノマーとして特に有用である。また、一般式C
2=CH−Z−R−NH2で示されるアミン化合物とし
ては、O−アミノスチレン、m−アミノスチレン、p−
アミノスチレン等の芳香環を有しかつ、末端二重結合を
有する芳香族アミンが好ましい。
【0009】本発明のポリシロキサン−ポリアミド系ブ
ロック共重合体を製造するのに用いられる上記一般式
(IV)で示される両末端にカルボキシル基を有し、か
つ、構造中にフェノール性水酸基を有するポリアミド
は、下記一般式(V)で示される芳香族ジアミンと、下
記一般式(VI)及び(VII)で示されるジカルボン酸とジ
カルボン酸誘導体とを反応させることにより合成するこ
とができる。反応は下記反応式によって進行する。
【化10】 (式中、Xはヒドロキシル基、メトキシ基などのアルコ
キシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基、エチル
チオ基などのアルキルチオ基、フェニルチオ基などのア
リールチオ基などを表わし、R4、R5、Ar、m、k、
pは上記したものと同意義を有する。)
【0010】本発明において使用される上記一般式
(V)で示される芳香族ジアミンとして、例えば、メタ
フェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、3,
3’−ジアミノベンゾフェノン、ビス(4−アミノフェ
ニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、
2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、3,4′−オキシジアニリン、4,4′−オキ
シジアニリン、3,3′−スルホニルジアニリン、4,
4′−スルホニルジアニリン、1,4−ナフタレンジア
ミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレ
ンジアミン、1,3−ビス(メタアミノフェニル)−
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、4,4′
−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、
4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルス
ルホン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゾフェノン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)
ベンゾフェノン、4,4′−ビス(4−アミノフェニル
メルカプト)ベンゾフェノン、2,2′−ビス(4−
(2−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキシ)フ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビス(4
−(3−トリフルオロメチル−5−アミノフェノキシ)
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビス
(4−(3−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキ
シ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビ
ス(4−(2−トリフルオロメチル−5−アミノフェノ
キシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2′−
ビス(4−(4−トリフルオロメチル−5−アミノフェ
ノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2′
−ビス(4−(2−ノナフルオロブチル−5−アミノフ
ェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,
2′−ビス(4−(4−ノナフルオロブチル−5−アミ
ノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、
4,4′−ジアミノジフェニルメタン、o−トリジン、
o−ジアニシジン等を挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。又、これらの芳香族ジアミン
を単独または複数併用して実施しても良い。
【0011】本発明で用いられる上記一般式(VI)及び
(VII)で示されるジカルボン酸としては、脂肪族、脂
環式、芳香族等、如何なるジカルボン酸でも差し支えな
い。例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4′−
ビフェニルジカルボン酸、3,3′−メチレン二安息香
酸、4,4′−メチレン二安息香酸、4,4′−オキシ
二安息香酸、4,4′−チオ二安息香酸、3,3′−カ
ルボニル二安息香酸、4,4′−カルボニル二安息香
酸、4,4′−スルホニル二安息香酸、1,4−ナフタ
レンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタル
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカ
ン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メチルマロ
ン酸、ジメチルマロン酸、アジピン酸、1,10−デカ
ン二酸、フェニルマロン酸、ベンジルマロン酸、フェニ
ルスクシン酸、3−フェニルグルタル酸、ホモフタル
酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二
酢酸、4−カルボキシフェニル酢酸、5−ブロモ−N−
(カルボメチル)アントラニル酸、2,5−ジヒドロキ
シ−1,4−ベンゼン二酢酸、m−カルボキシシナモン
酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシイソ
フタル酸、4,6−ジヒドロキシイソフタル酸等のジカ
ルボン酸及びこれらの誘導体をあげることができるが、
これらに限定されるものではない。又、これらを単独ま
たは複数併用し実施しても良い。
【0012】本発明においては上記一般式(V)で表わ
される芳香族ジアミンの過剰量と、上記一般式(VI)及
び(VII)で示されるジカルボン酸との反応は、如何な
る方法によって行っても差し支えない。製造される上記
一般式(IV)で示されるポリアミドの平均重合度Pは、
生成するブロック共重合体の引張り強度、引張り弾性率
等の機械的特性を考慮すると、通常1〜30の範囲が好
適である。
【0013】本発明においてポリシロキサン−ポリアミ
ド系ブロック共重合体を得るためには、上記一般式(II
I)で示される両末端にアミノアリール基を有しブタジ
ェン単量体単位を含むポリシロキサンと、上記一般式
(IV)で示される両末端にカルボキシル基を有し、かつ
構造中にフェノール性水酸基を有するポリアミドとを重
縮合させるが、該重縮合反応は、芳香族亜りん酸エステ
ルとピリジン誘導体の存在下で行われる。その際、助触
媒として長鎖アルキル基を有する第四級アンモニウム塩
とハロゲン化アルカリ金属塩とを共存させて行われる。
【0014】重縮合反応は、例えば両末端にアミノアリ
ール基を有しブタジェン単量体単位を含むポリシロキサ
ンと、両末端にカルボキシル基を有するポリアミドとを
単に混合加熱して実施することもできるが、その場合に
は重縮合反応を高温下で行う必要があり、その結果アミ
ド交換反応などの副反応を伴うことが避けられない。し
かしながら、芳香族亜りん酸エステルとピリジン誘導体
の存在下で重縮合反応を実施すると、重縮合反応に際し
て高温を必要とせず、アミド交換反応、構造中に含まれ
るフェノール性水酸基とカルボキシル基やアミノ基との
縮合反応、フェノールオキシデェーション等の副反応を
避けることができ、構造の規制されたブロック共重合体
を容易に製造することができるという大きな利点を有し
ている。
【0015】本発明において上記のブロック共重合体を
製造するために使用する芳香族亜りん酸エステルとして
は、亜りん酸トリフェニル、亜りん酸ジフェニル、亜り
ん酸トリ−o−トリル、亜りん酸ジ−o−トリル、亜り
ん酸トリ−m−トリル、亜りん酸ジ−m−トリル、亜り
ん酸トリ−p−トリル、亜りん酸ジ−p−トリル、亜り
ん酸ジ−o−クロロフェニル、亜りん酸トリ−p−クロ
ロフェニル、亜りん酸ジ−p−クロロフェニル等をあげ
ることが出来るが、これらに限定されるものではない。
更に、本発明において芳香族亜りん酸エステルと共に使
用するピリジン誘導体として、ピリジン、2−ピコリ
ン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,4−ルチジン、
2,6−ルチジン、3,5−ルチジン等を挙げることが
できる。
【0016】本発明においては、上記の重縮合反応を芳
香族亜りん酸エステルとピリジン誘導体の存在下に行な
わせるが、この反応に際しては、通常、ピリジン誘導体
を含む混合溶媒を用いる溶液重合法が採用される。ここ
で使用する有機溶媒は、両反応成分や芳香族亜りん酸エ
ステルと実質的に反応しない溶媒という点で制限を受け
るが、このほかに反応成分に対する良溶媒であって、し
かも反応生成物であるブロック共重合体に対する良溶媒
であることが望ましい。この場合に使用できる有機溶媒
の代表的なものとしてN−メチル−2−ピロリドンやジ
メチルアセトアミド等のアミド系溶媒があげられる。
【0017】本発明の製造方法においては、助触媒とし
て塩化リチウム、臭化リチウム等のハロゲン化アルカリ
金属塩と長鎖アルキル基を有する第四級アンモニウム塩
とを、この反応系に添加することにより、重合度の大き
いブロック共重合体を得ることができる。上記長鎖アル
キル基を有する第四級アンモニウム塩としては、テトラ
メチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモ
ニウムブロミド、セチルトリエチルアンモニウムクロリ
ド等のアルキルトリメチルアンモニウム塩やアルキルト
リエチルアンモニウム塩を例示できるが、これらに限定
されるものではない。この場合、第四級アンモニウム塩
100重量部に対して、ハロゲン化アルカリ金属塩5〜
15重量部の配合比率が好ましく、より好ましくは5〜
10重量部である。
【0018】本発明によるブロック共重合の製造方法を
さらに詳しく説明する。本発明のポリシロキサン−ポリ
アミド系ブロック共重合体を得るために用いる一般式
(IV)のポリアミドは、上記芳香族ジアミン類と、該ジ
アミン類に対して過剰量の混合ジカルボン酸とを前記亜
りん酸エステルとピリジン誘導体の存在下に、N−メチ
ル−2−ピロリドン等の有機溶媒中で、窒素等の不活性
雰囲気下で加熱撹拌することによって合成が容易に行わ
れる。この様にして得られたポリアミド溶液に、両末端
にアミノアリール基を有しブタジェン単量体単位を含む
ポリシロキサンの溶液を添加し、加熱して重縮合を起こ
させることにより本発明のブロック共重合体が得られ
る。
【0019】本発明における、これらの重縮合反応で使
用する芳香族亜りん酸エステルの量は、通常カルボキシ
ル基に対して等モル量以上であるが、30倍モル量以上
の使用は経済的に見て好ましくない。また、ピリジン誘
導体の量は、カルボキシル基に対して等モル量以上であ
ることが必要であるが、実際には反応溶媒としての役割
を含めて大過剰の量を使用するのが好ましい。特にピリ
ジン誘導体とN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒
からなる混合溶媒を使用する場合、その使用量は、反応
成分を5〜30重量%含むような量が好ましい。反応温
度は一般に、通常60〜140℃の範囲が好ましい。ま
た、反応時間は反応温度により大きく影響されるが、多
くの場合、数分から20時間の間で終了する。
【0020】本発明においては、上記の反応条件下で、
反応成分を等モル量使用すると、数平均分子量1000
0〜300000の範囲のブロック共重合体を製造する
ことができるが、数平均分子量が10000以下では、
耐熱性が十分に得られず、また300000を越える
と、ブロック共重合体の溶剤への溶解性が低下するなど
して加工性の点で好ましくない。なお、数平均分子量
は、GPC測定装置(N−メチル−2−ピロリドンの
0.1%リチウムブロマイド溶液、流量:0.1ml/
分、カラム:KF−8、検出器:1R屈折計)によって
行った。反応終了後は、反応混合物をメタノール、ヘキ
サン等の非溶媒中に投じて生成ブロック共重合体を分離
し、更に再沈澱法により精製を行なって副生成物や無機
塩類等を除去することにより、精製ブロック共重合体を
得ることができる。また、フェノール性水酸基を有する
本発明のブロック共重合体は、その水酸基によって、イ
ソシアナート、イソチオシアナート、ジケテン、エチレ
ンイミン、エポキシ等の基を有する化合物と容易に反応
し、架橋構造を形成することができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を詳細に述べる
が、本発明はこれのみによって限定されるものではな
い。 実施例1 (A)両末端にアミノアリール基を有しブタジェン単量
体単位を含むポリシロキサンの合成 1) ヘキサメチルジシランの合成 乾燥窒素導入管とジムロート冷却管を装備した500m
l四口丸底フラスコ中に粒状金属リチウム7.63g
(1.1モル)と乾燥テトラヒドロフラン200mlを
入れ、0℃に冷却した後、トリメチルクロロシラン9
9.62g(1モル)を含む乾燥テトラヒドロフラン溶
液250mlを発熱しないように、2時間かけて滴下
し、そのまま1時間反応させた。ついで55℃まで昇温
させ、更に60時間反応を続けた。反応終了後、グラス
フィルターで生成した塩化リチウムと過剰の前記金属リ
チウムを濾別し、充分にテトラヒドロフランで洗浄し
た。濾液を常圧下で留去し、テトラヒドロフランと未反
応のトリメチルクロロシランを除去した。収率は、74
%であった。
【0022】2) ジクロロテトラメチルジシランの合
成 300ml三口丸底フラスコ中に無水塩化アルミニウム
98.66g(740ミリモル)を入れ、塩化アセチル
58.12g(740ミリモル)を発熱しないように徐
々に加え、反応器を氷浴上に移し、前記1)で得られた
ヘキサメチルジシラン54.1g(369ミリモル)を
1時間かけて滴下し、そのまま30分攪拌して反応させ
たのち50℃まで昇温させ、更に16時間反応を続け
た。反応終了後、窒素気流中でろ過し、固形物を乾燥ヘ
キサンで洗浄し、該洗浄液と濾液を集め、蒸留してジク
ロロテトラメチルジシランを収率85%で得た。なお、
下記に示すNMRおよびIRの測定結果から、ジクロロ
テトラメチルジシランであることを確認した。1 H−NMR 0.4ppm(Si−CH3:溶媒 C2
2Cl413 C−NMR 18.0ppm(Si−CH3) IR(cm-1):2960 2900 1460 14
00 (Si−CH3)1290 760 630
(Si−C) 470(−C1)
【0023】3) α,ω−ビス(ジメチルクロロシリ
ル)−2−ブテン類の合成 (a)X=1の場合 前記2)で得られたジクロロテトラメチルジシラン1
8.73g(100ミリモル)と乾燥テトラヒドロフラ
ン30mlとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(0)[Pd〔P(C6534(0)]0.
538g(1ミリモル)を乾燥窒素下で、内容量100
mlのガラスオートクレーブの中に入れた後、該オート
クレーブを液体窒素中で冷却し、真空下で脱気を3回繰
り返した。次に室温まで昇温させた後、ブタジェンガス
を2気圧まで圧入し、攪拌して反応させた。反応が進行
するに従い、圧力ゲージ下がるので、1気圧になった時
点で、更にブタジェンガスを圧入し、圧力ゲージの低下
が無くなるまでブタジェンガスの圧入を繰り返した。反
応終了後、ブタジェンガスを放出し、内容物をセライト
でろ過した後、充分にセライトを乾燥テトラヒドロフラ
ンで洗浄し、該洗浄液と濾液を濃縮し、粗生成物を得
た。該粗生成物を減圧下に蒸留し、83−84℃/40
mmHgの留分を収率48%(シス体のみ)で得た。該
留分のNMR、及びIRを測定した結果、下記式(1
6)で示されるα,ω−ビス(ジメチルクロロシリル)
−2−ブテンであることを確認した。
【化11】 1H−NMR(溶媒 CDCl3) 0.4ppm(s) 12H(Si−CH3 :α) 1.30ppm(d) 4H(Si−CH2 −CH=:
β) 5.3ppm(q) 2H(C=C:γ)13 C−NMR(溶媒 CDCl3) 18.1ppm (Si−3:α) 34.3ppm (−Si−2−CH=:β) 123.1ppm (=H−CH2:γ) IR(cm-1):2965 2910 2800(−C
3、−CH2−、=CH−の伸縮)1461 1409
1293 765 637 (Si−Cの変角)16
40(−CH=CH−面内変角)962 694(−C
H=CH−面外変角)472(−C1)
【0024】(b)X=2の場合 X=1の場合のパラジウム系触媒をテトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(0)[Pd〔P(C6
534(0)]0.538g(1ミリモル)からジ
クロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)[Pd
Cl2(C65CN)2(II)]0.383g(1ミリモ
ル)に代えた以外は同様の操作を行い、99−100℃
/0.38mmHgの留分を収率57%で得た。該留分
のNMRおよび1Rを測定した結果、下記式(17)で
示されるα,ω−ビス(ジメチルクロロシリル)−2,
6−オクタジェンであることを確認した。
【化12】 1H−NMR(溶媒 CDCl3) 0.4ppm(s) 12H(Si−CH3 :α) 5.3ppm(q) 2H(C=CH:γ) 5.0ppm(q) 2H(C=CH:γ’) 1.30ppm(d) 4H(Si−CH2 −CH=:
β) 1.60ppm(q) 4H(Si−CH2 −CH=:
β’)(cis/trns=15/8)13 C−NMR(溶媒 CDCl3) 18.3ppm (Si−3:α) 34.2ppm (−Si−2−CH=:β) 37.2ppm (−CH22−CH=:β’) 123.1ppm (H=CH2:γ) 128.1ppm (H=CH2:γ’) IR(cm-1):2962 2905 2879(−C
3、−CH2−、=CH−の伸縮)1464 1405
1297 763 636 (Si−Cの変角)16
42(−CH=CH−面内変角)965 692(−C
H=CH−面外変角)468(−C1)
【0025】4) 還元体の合成 (a)X=1の場合 前記3)で得られたα,ω−ビス(ジメチルクロロシリ
ル)−2−ブテン2.50g(10.3ミリモル)と乾
燥テトラヒドロフラン40mlとを乾燥窒素導入管とジ
ムロウト還流冷却器と30ml並行管付き滴下漏斗を装
備した100ml三口フラスコ中に入れ、−10℃に調
整した氷浴中に浸し、滴下漏斗より、リチウムアルミニ
ウムハイドライド(LiAlH4)0.39g(1ミリ
モル)を溶解したテトラヒドロフラン溶液40mlを発
熱しないように40分かけて滴下し、そのまま−10℃
にて1時間反応させた。次に、該反応液を室温まで昇温
し、そのまま24時間反応を続けた。反応終了後、過剰
のリチウムアルミニウムハイドライドを塩化アンモニウ
ムで中和処理した後、固形物と溶液を乾燥窒素下で濾別
し、得られた濾液を濃縮後、減圧蒸留により83−84
℃/40mmHgの留分を収率70%で得た。該留分
は、下記に示したNMRおよびIRの測定結果から、下
記式(18)で示されるα,ω−ビス(ジメチルハイド
ロシリル)−2−ブテンであることを確認した。
【化13】 1H−NMR(溶媒 CDCl3) 0.4ppm(s) 12H(Si−CH3 :α) 0.20ppm(s) 2H(Si−:δ) 1.30ppm(d) 4H(Si−CH2 −CH=:
β) 5.3ppm(q) 2H(C=C:γ)13 C−NMR(溶媒 CDCl3) 18.1ppm (Si−3:α) 34.3ppm (−Si−2−CH=:β) 123.1ppm (=H−CH2:γ) IR(cm-1):2965 2910 2880(−C
3、−CH2−、=CH−の伸縮)1461 1409
1293 765 637 (Si−Cの変角)16
40(−CH=CH−面内変角)962 694(−C
H=CH−面外変角)
【0026】(b)X=2の場合の合成 上記の合成で、α,ω−ビス(ジメチルクロロシリル)
−2−ブテン2.50g(10.3ミリモル)をα,ω
−ビス(ジメチルクロロシリル)−2,6−オクタジェ
ン2.95g(10ミリモル)に代えた以外は同様の反
応処理を行い89−90℃/0.45mmHgの留分を
収率72%で得た。該留分は、下記に示したNMRおよ
びIRの測定結果から、下記式(19)で示されるα,
ω−ビス(ジメチルハイドロシリル)−2,6−オクタ
ジェンであることを確認した。
【化14】 1H−NMR(溶媒 CDCl3) 0.41ppm(s) 12H(Si−CH3 :α) 5.25ppm(q) 2H(C=CH:γ) 5.10ppm(q) 2H(C=CH:γ’) 1.36ppm(d) 4H(Si−CH2 −CH=:
β) 1.64ppm(q) 4H(Si−CH2 −CH=:
β’)(cis/trns=15/8) 0.20ppm(s) 4H(Si−:δ)13 C−NMR(溶媒 CDCl3) 18.1ppm (Si−3:α) 34.4ppm (−Si−2−CH=:β) 37.0ppm (−CH22−CH=:β’) 123.7ppm (H=CH2:γ) 128.0ppm (H=CH2:γ’) IR(cm-1):2964 2902 2878(−C
3、−CH2−、=CH−の伸縮)1461 1408
1294 765 632 (Si−Cの変角)16
40(−CH=CH−面内変角)967 693(−C
H=CH−面外変角)
【0027】5) シロキサン部分の鎖長延長 J.F.Hyde"J.Am.Chem.Soc.,75,2166(1953)"、E.N.Tinyak
ova et al.,"J.Polym.Sci.,52,159(1961)"等のオリゴシ
ラノール間における脱水素を伴う重縮合の方法を用いて
シロキサン部分の鎖長を延長し、種々組成の異なるオリ
ゴマーを定量的に得た。
【化15】
【0028】6) 末端に二重結合を有する芳香族アミ
ンとのカップリング反応 (a)X=1、n=8の場合 上記5)で得られたシロキサン部分の鎖長が延長された
ブタジェン単量体単位を含むシオキサンオリゴマーのう
ち、X=1、n=8の化合物2.716g(2ミリモ
ル)をジムロウト型還流冷却器と滴下漏斗と乾燥窒素導
入管を装備した100ml三口丸底フラスコに入れ、乾
燥テトラヒドロフラン50mlを加え、塩化白金酸を5
ml注射器より2滴加え室温で15分攪拌した。次い
で、m−アミノスチレン0.262g(2.2ミリモ
ル)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)を20分か
けて滴下し、そのまま24時間室温で攪拌して反応させ
た。反応終了後、0.1N水酸化ナトリウム水溶液を加
え、分液漏斗中に移し、激しく振り混ぜ、水相とテトラ
ヒドロフラン相を分離し、塩化白金酸を水相に抽出して
除去した。水相と分離したテトラヒドロフラン相を無水
硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、減圧乾燥し収
率87%で下記式(21)で示されるブタジェン単量体
単位を含む末端アミノアリール基含有ポリシロキサンを
得た。
【化16】 1H−NMR(溶媒 CDCl3) 0.41−0.45 36H(Si−CH3 :α、α’) 5.20ppm(q) 2H(C=C:γ) 3.40ppm(c) 4H(NH2) 1.34ppm(d) 4H(Si−CH2 −CH=:
β) 0.90〜1.62ppm(m) 8H(δ) 6.8〜7.4ppm 8H(ε) IR(cm-1):3100−3400(−NH 2 ) 3
015(ベンゼン環)2962 2905 2874
(−CH3、−CH2−、=CH−の伸縮) 1622
(−NH 2) 1464 1413 1294 765
631(Si−Cの変角) 1640(−CH=CH−
面内変角)965 694(−CH=CH−面外変角)
【0029】(b)X=2、n=2の場合 前記6)(a)のブタジェン単量体単位を含むシロキサ
ンオリゴマー(X=1、n=8)を他のシロキサンオリ
ゴマー(X=2、n=2)に代えた以外は同様の方法に
より、収率91%で下記式(22)で示されるブタジェ
ン単量体単位を含む末端アミノアリール基含有ポリシロ
キサンを得た。
【化17】 1H−NMR(溶媒 CDCl3) 0.41−0.45 36H (Si−CH3 :α、
α’) 5.20ppm(q) 2H(C=CH:γ) 3.40ppm(c) 4H(NH2) 5.05ppm(q) 2H(C=CH:γ’) 1.34ppm(d) 4H(Si−CH2 −CH=:
β) 1.64ppm(q) 4H(CH2CH2 −CH=:
β’) 0.90ppm(t) 4H(δ) 6.8〜7.4ppm(m) 8H(ε) IR(cm-1):3100−3400(−NH 2 ) 2
960 2900 2875(−CH3、−CH2−、=CH−の伸縮) 1
622 (− 2) 1462 1410 1290
768 635(Si−Cの変角) 1643(−C
H=CH−面内変角) 967 693(−CH=CH
−面外変角)
【0030】(B)ブロック共重合体の合成 100ml三口丸底フラスコ中に5−ヒドロキシイソフ
タル酸2.002g(11ミリモル)、3,4’−オキ
シジアニリン2.002g(10ミリモル)、塩化リチ
ウム0.12g、塩化セチルトリメチルアンモニウム
1.200g、N−メチル−2−ピロリドン20ml、
ピリジン3ml、亜りん酸トリフェニル6.2gを加
え、乾燥窒素雰囲気下100℃で4時間重合させ、末端
がカルボキシル基である芳香族ポリアミドオリゴマーを
調整した(固有粘度0.14dl/gP=11、k/
(m+k)=1)。次に、前記6)(a)で得られた末
端にアミノアリール基を有するブタジェン単量体単位を
含むシロキサンオリゴマー(X=1、n=8)1.35
7g(ジアミンとして1ミリモルに相当する)をピリジ
ン5mlに溶解し、反応器中に添加し、更に、4時間反
応させた。反応終了後、1リットルのメタノール中に該
反応溶液を注ぎ入れ、共重合体を析出させた。ろ過後、
熱メタノール中で未反応のモノマー類及び塩化セチルト
リメチルアンモニウムを除去し、更に熱四塩化炭素中で
未反応のポリシロキサンを除去した。ろ過後、真空乾燥
し、収率87%で本発明のポリシロキサン−ポリアミド
系ブロック共重合体を得た。このブロック共重合体の固
有粘度はN,N−ジメチルアセトアミド中30℃におい
て、0.36dl/g、数平均分子量Mnは約2000
0であった。また、IRスペクトル(KBr錠剤法)を
測定したところ、1650cm-1付近にアミドカルボニ
ル基に基づく吸収が、2850cm-1付近に珪素上の置
換基であるメチル基の吸収が、1010−1100cm
-1にシロキサン骨格に基づく吸収が認められ、ポリシロ
キサン−ポリアミド系ブロック共重合体であることを確
認した。
【0031】実施例2 実施例1で使用した末端にアミノアリール基を有するブ
タジェン単量体単位を含むシロキサンオリゴマー(X=
1、n=8)1.357gを前記6)(b)で得られた
末端にアミノアリール基を有するブタジェン単量体単位
を含むシロキサンオリゴマー(X=2、n=2)0.7
25g(ジアミンとして1ミリモルに相当する)に代
え、両末端がカルボキシル基である芳香族ポリアミドオ
リゴマー(固有粘度0.14dl/g、P=11、k/
(m+k)=1)に添加し、同様に操作を行い本発明の
ポリシロキサン−ポリアミド系ブロック共重合体を収率
85%で得た。このブロック共重合体の固有粘度はN,
N−ジメチルアセトアミド中30℃において、0.48
dl/g、数平均分子量はMn=30000であった。
また、IRスペクトル(KBr錠剤法)を測定したとこ
ろ、実施例1と同様の吸収スペクトルを示した。
【0032】実施例3 実施例1で使用した3,4’−オキシジアニリン2.0
02g(10ミリモル)を3,3’−ジアミノベンゾフ
ェノン2.121g(10ミリモル)に代えた以外は同
様の操作を行い本発明のポリシロキサン−ポリアミド系
共重合体を得た。この共重合体の固有粘度は0.56d
l/g(N,N−ジメチルアセトアミド中、30℃)、
数平均分子量Mnは41000であった。このブロック
共重合体のIRスペクトル(アナレクト社製FX616
0)を測定したところ、実施例1以外の吸収として、1
657cm-1に−NHCOに基づくカルボニルの吸収
が、1720cm-1ケトンカルボニル基に基づく吸収が
認められた。
【0033】実施例4 実施例1で使用した3,4’−オキシジアニリンをビス
(4−アミノフェニル)スルホン2.480g(10ミ
リモル)に代え、5−ヒドロキシイソフタル酸2.00
2g(11ミリモル)を5−ヒドロキシイソフタル酸
0.910g(5ミリモル)とイソフタル酸0.996
g(6ミリモル)の混合ジカルボン酸に代えた以外は同
様の操作を行い本発明のポリシロキサン−ポリアミド系
ブロック共重合体を得た。この共重合体の固有粘度は
0.74dl/g(N,N−ジメチルアセトアミド中、
30℃)、数平均分子量は64000であった。このブ
ロック共重合体のIRスペクトル(アナレクト社製FX
6160にて測定)を測定したところ、実施例1以外の
吸収として、1661cm-1に−NHCOに基づくカル
ボニルの吸収が、1217付近及び1368cm-1に−
SO2−に基づく吸収が認められた。
【0034】実施例5 実施例1の3,4’−オキシジアニリンをビス(4−ア
ミノフェニル)メタン1.801g(10ミリモル)に
代えた以外は同様の操作を行い本発明のポリシロキサン
−ポリアミド系ブロック共重合体を得た。このブロック
共重合体の固有粘度は0.43dl/g(N,N−ジメ
チルアセトアミド中、30℃)、数平均分子量Mnは2
6000であった。このブロック共重合体のIRスペク
トル(アナレクト社製FX6160にて測定)を測定し
たところ、実施例1以外の吸収として、1664cm-1
に−NHCOに基づくカルボニルの吸収が認められた。
【0035】実施例6 実施例1の3,4’−オキシジアニリンを2,2−ビス
(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.0
29g(10ミリモル)に代えた以外は同様の操作を行
い本発明のポリシロキサン−ポリアミド系ブロック共重
合体を得た。このブロック共重合体の固有粘度は0.3
9dl/g(N,N−ジメチルアセトアミド中、30
℃)、数平均分子量Mnは22000であった。このブ
ロック共重合体のIRスペクトル(アナレクト社製FX
6160にて測定)を測定したところ、実施例1以外の
吸収として、1300cm-1付近に−C−Fに対応する
吸収が、1667cm-1にNHCOに基づくカルボニル
の吸収が認められた。
【0036】
【発明の効果】本発明のポリシロキサン−ポリアミド系
ブロック共重合体は、ブタジェン単量体単位を含むポリ
シロキサンと、フェノール性水酸基を含有するポリアミ
ドを用いた重縮合体であって、従来のポリシロキサンの
共重合体と比べて、それらの特性を損なうことなく、反
応性に富み、且つ、耐熱性の高い熱可塑性弾性体である
ので、より利用範囲の広い素材として有用性を有してい
る。また、本発明の製造方法は、高い加熱温度を必要と
しないため、副生成物の発生が少なく、極めて、容易に
目的とするブロック共重合体を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両末端にアミノアリール基を有しブタジ
    エン単量体単位を含むポリシロキサンと、両末端にカル
    ボキシル基を有するポリアミドとの重縮合体であって、
    下記一般式(I)で示されるブロック単位(A)と、下
    記一般式(II)で示されるブロック単位(B)とが、ア
    ミド結合によって結合してなり、かつ、数平均分子量1
    0000〜300000を有することを特徴とするポリ
    シロキサン−ポリアミド系ブロック共重合体。 【化1】 (式中、R1は炭素数2以上の二価の有機基を示し、R2
    及びR3は、アルキル基、フェニル基またはアルキル置
    換フェニル基を示し、Zは連結基を示す炭素数2〜40
    の有機基であり、R4は二価の有機基を示し、R5は構造
    中にフェノール性水酸基を有する有機基であって、Ar
    は下記一般式(1)〜(8)で示される構造を有し、
    n、xは平均重合度であって、nは1〜100、xは1
    〜20の整数を示し、m、kは共縮重合比であって、k
    /(m+k)≧0.04を示す。pは平均重合度であ
    り、pは1〜30の整数を示す。) 【化2】
  2. 【請求項2】 下記一般式(III)で示される両末端に
    アミノアリール基を有しブタジェン単量体単位を含むポ
    リシロキサンと、 【化3】 (式中、R1は炭素数2以上の二価の有機基を示し、R2
    及びR3は、アルキル基、フェニル基またはアルキル置
    換フェニル基を示し、Zは連結基を示す炭素数2〜40
    の有機基であり、n、xは平均重合度であって、nは1
    〜100、xは1〜20の整数である。)下記一般式
    (IV)で示される両末端にカルボキシル基を有するポリ
    アミドとを 【化4】 (式中、R4は二価の有機基を示し、R5は構造中にフェ
    ノール性水酸基を有する有機基であって、Arは前記一
    般式(1)〜(8)で示される構造を有し、mおよびk
    は共縮重合比であってk/(m+k)≧0.04を示
    し、pは平均重合度でありp=1〜30の整数であ
    る。)芳香族亜りん酸エステルとピリジン誘導体の存在
    下で重縮合させることを特徴とするポリシロキサン−ポ
    リアミド系ブロック共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 助触媒として長鎖アルキル基を有する第
    四級アンモニウム塩とハロゲン化アルカリ金属塩の存在
    下に重縮合せしめることを特徴とする請求項2に記載ポ
    リシロキサン−ポリアミド系ブロック共重合体の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114805793A (zh) * 2022-04-25 2022-07-29 北京化工大学 一种稀土配位型自修复有机硅弹性体及其制备方法

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