JP2524271B2 - フェノ―ル性水酸基を有する構造の規制されたトリブロック共重合体およびその製造方法 - Google Patents

フェノ―ル性水酸基を有する構造の規制されたトリブロック共重合体およびその製造方法

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JP2524271B2 JP3276107A JP27610791A JP2524271B2 JP 2524271 B2 JP2524271 B2 JP 2524271B2 JP 3276107 A JP3276107 A JP 3276107A JP 27610791 A JP27610791 A JP 27610791A JP 2524271 B2 JP2524271 B2 JP 2524271B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフェノール性水
酸基を有する構造の規制されたトリブロック共重合体及
びその製造方法に関し、より詳しくはフェノール性水酸
基を有するポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニト
リル系ブロック共重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブタジエンは柔軟な分子構造を有
し、また、スチレンーブタジエンブロック共重合体によ
って代表されるポリブタジエン系のブロック共重合体は
優れた熱可塑性弾性体となることが知られている。しか
しながら、このブロック共重合体のポリマー連鎖は低温
で軟化し、120℃を越える温度域では満足な性能を示
さないという問題があった。この問題を解決するため
に、スチレン成分をポリアミド成分に代えたポリアミド
−ポリブタジエン系ブロック共重合体が提案されている
(特開昭60−49026号公報及び特公昭62−31
71号公報)。このブロック共重合体は、有機溶媒への
溶解性、他のポリマーとの相溶性に問題があるため、そ
の耐熱性を損なわずに改良したものとして、ポリアミド
−アクリロニトリル−ブタジエン系ブロック共重合体が
提案されている(特開平2−245032号公報)。ま
た、他の反応性材料との複合化において、機能性を発現
するフェノール性水酸基を有するポリアミド−アクリロ
ニトリル−ブタジエンマルチブロック共重合体が提案さ
れている(特開平3−47836号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されている上記ポリアミド−ポリブタジエン系ブロッ
ク共重合体、ポリアミド−アクリロニトリル−ブタジエ
ン系ブロック共重合体或いはポリアミド−アクリロニト
リル−マルチブタジエンブロック共重合体は、耐熱性、
溶媒溶解性或いは相溶性等において改善されたものであ
るが、そのポリマー構造および分子量分布が規制されて
いないため、他の材料とのブレンドにおいて、粘度が異
常に上昇し、加工困難である等の問題があった。本発明
は、従来の技術における上記のような問題点を解決する
目的でなされたものである。したがって、本発明の目的
は、耐熱性が良好であり、溶媒への溶解性、他のポリマ
ーとの相溶性に優れ、かつ成形加工時に異常な粘度上昇
を伴わず、活性水素と反応可能な材料と複合化可能な、
新規なトリブロック共重合体及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の技
術における上記の問題点を解決するために研究を進めた
結果、ポリアミド−アクリロニトリル−ブタジエン系ト
リブロック共重合体を製造する際に、両末端にカルボキ
シル基を有するアクリロニトリル−ブタジエン共重合体
の代わりに、片末端にのみカルボキシル基を有するアク
リロニトリル−ブタジエン共重合体を使用することによ
り、上記の問題が解決できることを見出だし、本発明を
完成するに至った。
【0005】即ち、本発明のポリアミド−アクリロニト
リル−ブタジエン系トリブロック共重合体は、片末端に
のみカルボキシル基を有する数平均分子量1000〜5
000のポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体
と、両末端にアミノアリール基を有し、かつ、高分子主
鎖中にフェノール性水酸基を有する数平均分子量200
0〜200000のポリアミドとの重縮合体であって、
下記一般式(I)で示されるブロック単位(A)と、下
記一般式(II)で示されるブロック単位(B)とよりな
ることを特徴とする。
【0006】
【化4】 (式中、xおよびyは共重合比であって、y/(x+
y)=0.10〜0.27の範囲にあり、zは重合度で
あって、z=5〜15の範囲の整数を示し、Arは下記
化学式(1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示
し、その芳香族基には置換基が存在してもよく、
【0007】
【化5】
【0008】Ar1 は、フェノール性水酸基を有する二
価の芳香族基を示し、Ar2 は二価の有機基を示し、l
およびmは共重合比であって、l/(m+l)の値が
0.01〜1.0の範囲にあり、nは平均重合度であっ
て、n=2〜100の整数を示す)
【0009】本発明の上記ポリアミド−アクリロニトリ
ル−ブタジエン系トリブロック共重合体は、下記一般式
(I′)で示される片末端にカルボキシル基を有する数
平均分子量1000〜5000のポリブタジエン−アク
リロニトリル共重合体と、下記一般式(II′)で示され
る両末端にアミノアリール基を有するポリアミドとを
【0010】
【化6】 (式中x、y、z、Ar、Ar1 、Ar2 、l、m、お
よびnは、それぞれ前記と同意義を有する。)芳香族亜
リン酸酸基エステルおよびピリジン誘導体の存在下で、
直接重縮合させることによって製造することができる。
【0011】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明において、ブロック単位(A)に使用される一般式
(I′)で示される片末端にカルボキシル基を有するア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体は、数平均分子量
1000〜5000程度のものであって、例えば、アク
リロニトリルのモル分率が10〜27モル%になるよう
に、アクリロニトリルとブタジエンをアニオン重合させ
ることによって製造することができ、例えば、Good
rich社製のHycar CTBNとして入手するこ
とができる。
【0012】また、ブロック単位(B)に使用される一
般式(II′)で示される片末端にアミノアリール基を有
するポリアミドは、数平均分子量2000〜20000
0を有するものであって、下記一般式 (III)で示される
芳香族ジアミンと、下記一般式(IV)および(V)で示
される芳香族ジカルボン酸又はその誘導体とを、下記反
応式で示される公知の方法で反応させることによって製
造することができる。ただし、その場合、フェノール性
水酸基が反応に関与しないような条件で行われる。
【0013】
【化7】 (式中Ar、Ar1 、Ar2 、l、mおよびnは、前記
と同意義を有し、Xはヒドロキシル基、メトキシ基等の
アルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、エ
チルチオ基等のアルキルチオ基、フェニルチオ基等のア
リールチオ基等を表わす。)
【0014】この場合、得られるポリアミドの平均重合
度は、得られるトリブロック共重合体の引っ張り強度、
引っ張り弾性率等の機械的特性を考慮して、1〜100
0程度の範囲で、数平均分子量が2000〜20万の範
囲のものになるようにすることが必要である。
【0015】上記一般式(III) で示される芳香族ジアミ
ンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フ
ェニレンジアミン、4,4′−エチレンジアニリン、
4,4′−イソプロピリデンジアニリン、3,4′−オ
キシジアニリン、4,4′−オキシジアニリン、3,
3′−スルホニルジアニリン、4,4′−スルホニルジ
アニリン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフ
タレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、1,3
−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、4,4′−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4′−ビス(3−
アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4′−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,4′
−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,
4′−ビス(3−アミノフェニルメルカプト)ベンゾフ
ェノン、4,4′−ビス(4−アミノフェニルメルカプ
ト)ベンゾフェノン、2,2′−ビス[4−(2−トリ
フルオロメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘ
キサフルオロプロパン、2,2′−ビス[4−(3−ト
リフルオロメチル−5−アミノフェノキシ)フェニル]
ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビス[4−(3−
トリフルオロメチル−4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビス[4−
(2−トリフルオロメチル−5−アミノフェノキシ)フ
ェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビス[4
−(4−トリフルオロメチル−5−アミノフェノキシ)
フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビス
[4−(2−ノナフルオロブチル−5−アミノフェノキ
シ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビ
ス[4−(4−ノナフルオロブチル−5−アミノフェノ
キシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン等があげられるが、これらに
限定されるものではない。これらの芳香族ジアミンは単
独で使用しても、又は複数併用してもよい。
【0016】上記一般式(IV)で示されるフェノール性
水酸基を有する芳香族ジカルボン酸としては、4−ヒド
ロキシイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、2
−ヒドロキシフタル酸、3−ヒドロキシフタル酸、4−
ヒドロキシテレフタル酸、2−ヒドロキシテレフタル酸
およびこれらの誘導体等をあげることができるが、これ
らに限定されるものではない。これらの芳香族ジカルボ
ン酸は、単独で使用しても、又は複数併用してもよい。
【0017】上記一般式(V)で示されるジカルボン酸
としては、脂肪族、脂環式、芳香族等の如何なるジカル
ボン酸でも差支えない。例えば、イソフタル酸、テレフ
タル酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、3,3′
−メチレン二安息香酸、4,4′−メチレン二安息香
酸、4,4′−オキシ二安息香酸、4,4′−チオ二安
息香酸、3,3′−カルボニル二安息香酸、4,4′−
カルボニル二安息香酸、4,4′−スルホニル二安息香
酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ウンデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、マ
ロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、アジピン
酸、1,10−デカン二酸、フェニルマロン酸、ベンジ
ルマロン酸、フェニルスクシン酸、3−フェニルグルタ
ル酸、ホモフタル酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,
4−フェニレン二酢酸、4−カルボキシフェニル酢酸、
5−ブロモ−N−(カルボメチル)アントラニル酸、
2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼン二酢酸、m−
カルボキシシンナモン酸等のジカルボン酸およびこれら
の誘導体を挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。これらは単独で使用しても、また複数併
用してもよい。上記一般式(III) で示される芳香族ジア
ミンと、一般式(IV)および(V)で示される芳香族ジ
カルボン酸との重縮合反応は、芳香族ジアミンをジカル
ボン酸成分に対して1モル相当過剰の量仕込むことによ
って実施される。また、反応に際しては、後記する芳香
族亜リン酸エステルおよびピリジン誘導体の存在下で実
施するのが好ましい。反応に際しては、式(IV)および
(V)で示される芳香族ジカルボン酸の混合物を使用し
てもよいが、式(IV)で示される芳香族ジカルボン酸と
一般式(III)で示される芳香族ジアミン、および式
(V)で示される芳香族ジカルボン酸と一般式(III) で
示される芳香族ジアミンとを、それぞれ予備重縮合さ
せ、それらの予備重縮合物をさらに重縮合させることに
よってマルチブロックの形態のポリアミドを合成しても
よい。これらの反応によって、平均重合度が1〜100
0の範囲、より好ましくは1〜100の範囲であり、か
つ、ポリスチレン換算の数平均分子量が2、000〜2
0万のポリアミドを製造する。数平均分子量が20万を
越えると、加工性などの点で好ましくない。
【0018】続いて、上記のようにして合成された前記
一般式(II′)で示される両末端にアミノアリール基を
有するポリアミドを、前記一般式(I′)で示される片
末端にカルボキシル基を有する数平均分子量1000〜
5000のポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体
と重縮合させるが、その場合、上記合成された前記一般
式(II′)で示されるポリアミドの反応溶液をそのまま
用いて、それに前記一般式(I′)で示されるポリブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体を添加して、続けて
反応させるのが好ましい。重縮合反応は、上記ポリブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体のカルボキシル基
と、上記ポリアミドのアミノアリール基とのモル比が1
/1になるように原料を使用して行われる。
【0019】重縮合反応は、縮合剤として、芳香族亜リ
ン酸酸基エステルおよびピリジン誘導体の存在下で実施
するのが好ましい。なお、縮合反応は、上記片末端にカ
ルボキシル基を有するポリブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体と、上記両末端にそれぞれアミノアリール基
とカルボキシル基を有するポリアミドとを、単に混合
し、加熱することによって実施することもできるが、そ
の場合には、縮合反応を高温下で行う必要があり、その
結果、アミド交換反応、フェノール性水酸基とジカルボ
ン酸とのエステル化反応およびエステル交換反応等の副
反応を伴うことが避けられず、したがって、フェノール
性水酸基を保護する必要がある。しかしながら、芳香族
亜リン酸エステルおよびピリジン誘導体の存在下では、
フェノール性水酸基を保護することなく重縮合反応を実
施することができ、重縮合させるに際して高温を必要と
せず、アミド交換反応、エステル化反応、エステル交換
反応等の副反応を避けることができ、目的のトリブロッ
ク共重合体を高収率で容易に製造することができるとい
う大きな利点を有している。
【0020】上記重縮合反応に使用する亜リン酸エステ
ルとしては、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニ
ル、亜リン酸トリ−o−トリル、亜リン酸ジ−o−トリ
ル、、亜リン酸トリ−m−トリル、亜リン酸ジ−m−ト
リル、亜リン酸トリ−p−トリル、亜リン酸ジ−p−ト
リル、亜リン酸ジ−o−クロロフェニル、亜リン酸トリ
−p−クロロフェニル、亜リン酸ジ−p−クロロフェニ
ル等があげられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0021】さらに亜リン酸エステルと共に使用するピ
リジン誘導体としては、ピリジン、2−ピコリン、3−
ピコリン、4−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−
ルチジン、3,5−ルチジン等をあげることができる。
【0022】本発明においては、上記重縮合反応を、芳
香族亜リン酸エステルとピリジン誘導体の存在下で行わ
せるが、この反応に際しては、通常の場合、ピリジン誘
導体を含む混合溶媒を用いる溶液重合法が採用される。
混合溶媒として使用される有機溶媒としては、両反応成
分や、芳香族亜リン酸エステルと実質的に反応しない溶
媒であるという制限を受けるが、このほかに、両反応成
分に対する良溶媒であって、しかも反応生成物であるト
リブロック共重合体に対する良溶媒であることが望まし
い。このような有機溶媒として代表的なものとしては、
N−メチル−2−ピロリドンやN,N−ジメチルアセト
アミド等のアミド系溶媒があげられる。
【0023】本発明における上記の重縮合反応におい
て、亜リン酸エステルの量は、通常カルボキシル基に対
して等モル量以上使用するが、30倍モル量以上の使用
は経済的にみて得策ではない。また、ピリジン誘導体の
使用量は、カルボキシル基に対して等モル量以上である
ことが必要であるが、実際には、反応溶媒としての役割
を含めて、大過剰使用されることが好ましい。
【0024】好ましい実施態様において、ピリジン誘導
体とN−メチル−2−ピロリドンによって代表される有
機溶媒からなる混合溶媒が使用されるが、混合溶媒の使
用量は、通常、反応成分を5〜30重量%含むような量
で使用される。反応温度は、通常60〜140℃の範囲
が好ましい。反応時間は、反応温度により大きく影響さ
れるが、如何なる場合にも最高粘度が得られるまで、反
応系を攪拌するのが望ましく、多くの場合、数分から2
0時間の間である。
【0025】反応終了後は、反応混合物をメタノール、
ヘキサン等の非溶媒中に投じて生成したトリブロック共
重合体を分離し、更に再沈澱法により精製を行って、副
生成物や無機塩類などを除去し、精製されたトリブロッ
ク共重合体を得ることができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明は、これ等実施例によって限定されるもの
ではない。 実施例1 イソフタル酸0.831g(5ミリモル)、5−ヒドロ
キシイソフタル酸0.910g(5ミリモル)、3,
4′−オキシジアニリン2.202g(11ミリモ
ル)、塩化リチウム0.33g、塩化カルシウム1.0
1g、N−メチル−2−ピロリドン20ml、ピリジン
20mlを、100mlの3口丸底フラスコの中に入
れ、攪拌溶解させた後、亜リン酸トリフェニル6.2g
を加えて、100℃で2時間反応させた。得られたポリ
アミドは、固有粘度0.19dl/gであった。また、
l/(l+m)=0.5であった。次に、片末端にのみ
カルボキシル基を有するポリアクリロニトリル−ブタジ
エン共重合体(Hycar CTBN、BF Goodrich 社製、数平均
分子量:3600、x/(x+y)=0.17、z=1
0))3.60g(約1.0ミリモル相当)を20ml
のピリジンに溶解させ、得られた溶液を反応器に添加
し、2時間反応させた。室温まで冷却した後、得られた
反応液を1リットルのメタノール中に投入して、ポリア
ミド−アクリロニトリル−ブタジエン系トリブロック共
重合体を析出させた。得られたトリブロック共重合体の
固有粘度は、0.60dl/g(N,N−ジメチルアセ
トアミド、30℃)であった。このトリブロック共重合
体の赤外線吸収スペクトル(アナレクト社製、FX61
60)を測定したところ、2800cm-1付近にニトリ
ル基に対応する吸収が、1658cm-1に−NHCOに
基づくカルボニルの吸収が認められた。
【0027】実施例2 実施例1で使用した芳香族ジアミンを3,3′−ジアミ
ノベンゾフェノン2.334g(11ミリモル)に代
え、同様に処理して、固有粘度0.22dl/g、l/
(l+m)=0.5のポリアミドを得た。次に、ポリア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体として、数平均分
子量3600、x/(x+y)=0.10、z=10を
有するものを3.60g使用し、実施例1と全く同じ方
法で、ポリアミド−アクリロニトリル−ブタジエン系ト
リブロック共重合体を得た。得られたトリブロック共重
合体の固有粘度は、0.65dl/g(N,N−ジメチ
ルアセトアミド、30℃)であった。このトリブロック
共重合体の赤外線吸収スペクトル(アナレクト社製、F
X6160)を測定したところ、2820cm-1付近に
ポリアクリロニトリル−ブタジエン共重合体のC−Hに
基づく吸収が、2345cm-1付近にニトリル基に対応
する吸収が、1657cm-1に−NHCOに基づくカル
ボニルの吸収が、1720cm-1にケトンカルボニル基
に基づく吸収が認められた。
【0028】実施例3 実施例1で使用した芳香族ジアミンをビス(4−アミノ
フェニル)スルホン2.729g(11ミリモル)に代
え、同様に処理して、固有粘度0.15dl/g、l/
(l+m)=0.5のポリアミドを得た。次に、ポリア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体として、数平均分
子量3600、x/(x+y)=0.27、z=10を
有するものを3.60g使用し、実施例1と全く同じ方
法で、ポリアミド−アクリロニトリル−ブタジエン系ト
リブロック共重合体を得た。得られたトリブロック共重
合体の固有粘度は、0.80dl/g(N,N−ジメチ
ルアセトアミド、30℃)であった。このトリブロック
共重合体の赤外線吸収スペクトル(アナレクト社製、F
X6160)を測定したところ、2810cm-1付近に
ポリアクリロニトリル−ブタジエン共重合体のC−Hに
基づく吸収が、2343cm-1付近にニトリル基に対応
する吸収が、1661cm-1に−NHCOに基づくカル
ボニルの吸収が、1217cm-1および1368cm-1
に−SO2 −に基づく吸収が認められた。
【0029】実施例4 実施例1で使用した芳香族ジアミンをビス(4−アミノ
フェニル)メタン2.180g(11ミリモル)に代
え、同様に処理して、固有粘度0.11dl/g、l/
(l+m)=0.5のポリアミドを得た。このポリアミ
を用い、実施例1と全く同じ方法で、ポリアミド−ア
クリロニトリル−ブタジエン系ジブロック共重合体を得
た。得られたトリブロック共重合体の固有粘度は、0.
53dl/g(N,N−ジメチルアセトアミド、30
℃)であった。このトリブロック共重合体の赤外線吸収
スペクトル(アナレクト社製、FX6160)を測定し
たところ、2812cm-1付近にポリアクリロニトリル
−ブタジエン共重合体のC−Hに基づく吸収が、234
3cm-1付近にニトリル基に対応する吸収が、1664
cm-1に−NHCOに基づくカルボニルの吸収が認めら
れた。
【0030】実施例5 実施例1で使用した芳香族ジアミンを2,2−ビス(4
−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.666
g(11ミリモル)に代え、同様に処理して、固有粘度
0.13dl/g、l/(l+m)=0.5のポリアミ
を得た。このポリアミドを用い、実施例1と全く同じ
方法で、ポリアミド−アクリロニトリル−ブタジエン系
トリブロック共重合体を得た。このトリブロック共重合
体の固有粘度は、0.49dl/g(N,N−ジメチル
アセトアミド、30℃)であった。このトリブロック共
重合体の赤外線吸収スペクトル(アナレクト社製、FX
6160)を測定したところ、2814cm-1付近にポ
リアクリロニトリル−ブタジエン共重合体のC−Hに基
づく吸収が、2348cm-1付近にニトリル基に対応す
る吸収が、1300cm-1付近に−C−Fに対応する吸
収が、1667cm-1に−NHCOに基づくカルボニル
の吸収が認められた。
【0031】
【発明の効果】本発明のポリアミド−ポリブタジエン−
アクリロニトリル系トリブロック共重合体は、従来のポ
リアミド−ポリブタジエン系共重合体、ポリアミド−ブ
タジエン−アクリロニトリルブロック共重合体に比し
て、それらの特性を損なうことなく、相溶性が改善され
たものであり、さらに異種材料と複合化する際に、粘度
の上昇を伴わず、活性水素と反応可能な材料と複合化で
きるという利点があり、耐熱性の高い可塑性弾性体を与
え、より利用範囲の広い素材として有用性を有してい
る。また、本発明の製造方法によれば、高温を必要とせ
ず、アミド交換反応、エステル化反応、エステル交換反
応等の副反応を避けることができ、構造の規制された目
的のトリブロック共重合体を高収率で容易に製造するこ
とができるという大きな利点を有している。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片末端にのみカルボキシル基を有する数
    平均分子量1000〜5000のポリブタジエン−アク
    リロニトリル共重合体と、両末端にアミノアリール基を
    有し、かつ、高分子主鎖中にフェノール性水酸基を有す
    る数平均分子量2000〜200000のポリアミド
    の重縮合体であって、下記一般式(I)で示されるブロ
    ック単位(A)と、下記一般式(II)で示されるブロッ
    ク単位(B)とよりなることを特徴とするポリアミド
    ポリブタジエン−アクリロニトリル系トリブロック共重
    合体。 【化1】 (式中、xおよびyは共重合比であって、y/(x+
    y)=0.10〜0.27の範囲にあり、zは重合度で
    あって、z=5〜15の範囲の整数を示し、Arは下記
    化学式(1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示
    し、その芳香族基には置換基が存在してもよく、 【化2】 Ar1 は、フェノール性水酸基を有する二価の芳香族基
    を示し、Ar2 は二価の有機基を示し、lおよびmは共
    重合比であって、l/(m+l)=0.01〜1.0の
    範囲にあり、nは平均重合度であって、n=2〜100
    の整数を示す)
  2. 【請求項2】 下記一般式(I′)で示される片末端に
    カルボキシル基を有する数平均分子量1000〜500
    0のポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体と、下
    記一般式(II′)で示される両末端にアミノアリール基
    を有する数平均分子量2000〜200000のポリア
    ミドとを 【化3】 (式中x、y、z、Ar、Ar1 、Ar2 、l、m、お
    よびnは、それぞれ前記と同意義を有する。)芳香族亜
    リン酸酸基エステルおよびピリジン誘導体の存在下で、
    直接重縮合させることを特徴とする上記一般式(I)で
    示されるブロック単位(A)と、上記一般式(II)で示
    されるブロック単位(B)とよりなることを特徴とする
    ポリアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリル系トリ
    ブロック共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記ポリブタジエン−アクリロニトリル
    共重合体のカルボキシル基と、上記ポリアミドのアミノ
    アリール基とのモル比が1/1である請求項2記載の
    リアミド−ポリブタジエン−アクリロニトリル系トリブ
    ロック共重合体の製造方法。
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