JP2511353B2 - フェノ―ル性水酸基を含有するトリブロック共重合体およびその製造方法 - Google Patents

フェノ―ル性水酸基を含有するトリブロック共重合体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール性水酸基を
有する構造の規制された新規なトリブロック共重合体お
よびその製造方法に関し、更に詳しくは、フェノール性
水酸基を有する反応可能なポリアミド−ポリブタジエン
トリブロック共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブタジエンは柔軟な分子構造を有
し、また、スチレン−ブタジエン共重合体は優れた熱可
塑性弾性体であることが知られている。しかしながら、
この共重合体は、低温で軟化し、120℃を越える温度
域では満足な性能を示さないという問題があった。この
問題を解決するために、スチレン成分をポリアミド成分
に変えたポリアミド−ポリブタジエン系ブロック共重合
体が提案されている(特開昭60−49026号公報及
び特公昭62−3171号公報)。このブロック共重合
体は、有機溶媒への溶解性、他のポリマーとの相溶性に
問題あるので、耐熱性を損なわずにそれらの問題点を改
良したものとして、本発明者は、ポリアミド−アクリロ
ニトリル−ブタジエン系ブロック共重合体提案し、ま
た、他の反応性材料との複合化において、機能性を発現
するフェノール性水酸基を有するポリアミド−アクリロ
ニトリルーブタジエン系ブロック共重合体を提案した。
(特開平3−47836号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で提案されている上記ポリアミド−ポリブタジエン系ブ
ロック共重合体、ポリアミド−アクリロニトリル−ポリ
ブタジエン系ブロック共重合体或いはフェノール性水酸
基を有するポリアミド−アクリロニトリル−ポリブタジ
エン系マルチブロック共重合体、耐熱性、溶剤溶解
性、相溶性を有するものの、そのポリマー構造および分
子量分布が規制されていないため、他の材料とのブレン
ドにおいて、粘度が異常に上昇し、加工困難である等の
問題があった。本発明は、上記のような問題点に鑑みて
なされたものである。したがって、本発明の目的は、耐
熱性が良好であり、高い溶剤溶解性を有し、他のポリマ
ーとの相溶性がよく、かつ、成形加工時に異常な粘度上
昇を伴わず、活性水素と反応可能な材料と複合化できる
新規なトリブロック共重合体およびその製造方法を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来提案
された技術における上記問題点を解決するために研究を
進めた結果、ポリアミド−ポリブタジエン系ブロック共
重合体を製造する際に、両末端にカルボキシル基を有す
るアクリロニトリル−ブタジエン共重合体の代わりに、
片末端にのみカルボキシル基を有するポリブタジエンを
使用することにより、上記の問題が解決されることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明のポリアミド−ポリブタ
ジエンジブロック共重合体は、片末端にのみカルボキシ
ル基を有するポリブタジエンと、両末端にアミノアリー
ル基を有し、かつ、高分子主鎖中にフェノール性水酸基
を有するポリアミドとの縮合体であって、下記一般式
(I)で示されるものである
【化7】 (式中、Ar1 はフェノール性水酸基を有する二価の芳
香族基を示し、Ar2 は二価の有機基を示し、Arは下
記式(1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、
【0006】
【化8】 nおよびxは、それぞれ平均重合度であって、n=2〜
100、x=20〜200の整数を示し、kおよびmは
共縮重合比であって、k/(k+m)の値が0.01〜
1.0であり、k+m=1の数である。)
【0007】また、本発明の、上記フェノール性水酸基
を持つポリアミド−ポリブタジエントリブロック共重合
体の製造方法は、下記一般式(II)で示される片末端に
カルボキシル基を有するポリブタジエン
【化9】 (式中、xは平均重合度であって、x=20〜200の
整数を示す。)と、下記一般式(III )で示される両末
端にアミノアリール基を有し、かつ、高分子主鎖中にフ
ェノール性水酸基を有するポリアミド
【化10】 (式中、Ar1 はフェノール性水酸基を有する二価の芳
香族基を示し、Ar2 は二価の有機基を示し、Arは下
記式(1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、
【化11】 nは平均重合度であって、n=2〜100、x=20〜
200の整数を示し、kおよびmは共縮重合比であっ
て、k/(k+m)の値が0.01〜1.0であり、k
+m=1の数である。)とを、芳香族亜リン酸エステル
とピリジン誘導体の存在下に実施することを特徴とする
【0008】本発明の製造方法によれば、官能基である
フェノール性水酸基を保護することなしに、又はこの水
酸基とカルボキシル基やアミノ基との反応を起こすこと
なしに、更には、これらの縮合に際して高温を必要とせ
ず、ブタジエン鎖の分解や反応などの副反応やアミド交
換反応をさけることができるばかりでなく、構造の規制
されたフェノール性水酸基を持つポリアミド−ポリブタ
ジエントリブロック共重合体を容易に製造できるとい
う、大きな利点を有する。
【0009】次に、本発明について詳細に説明する。本
発明において、原料として使用される一般式(II)で示
される片末端にカルボキシル基を有するポリブタジエン
は、数平均分子量が1000〜5000程度のものであ
って、例えば、ブタジエンをアニオン重合させ、次いで
片末端のみがプロトン化される量のプロトン供与性溶剤
を添加して、過剰の炭酸ガスを導入し、重合反応を停止
することによって製造することができるが、如何なる方
法によって製造されたものでもよい。
【0010】一方、本発明の他の原料である一般式(II
I )で示される両末端にアミノアリール基を有するポリ
アミドは、下記の反応式にしたがって、一般式(IV)で
示される芳香族ジアミンと、一般式(V)で示されるヒ
ドロキシ置換芳香族ジカルボン酸および一般式(VI)で
示されるジカルボン酸とを、公知の方法によって反応さ
せることによって製造することができる。ただし、その
際、フェノール性水酸基が反応によって影響を受けない
と言う制限がある。
【0011】
【化12】 (式中、Ar、Ar1 、Ar2 、k、mおよびnは、前
記と同意義を有し、Xはヒドロキシル基、メトキシ基等
のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、
エチルチオ基等のアルキルチオ基、フェニルチオ基等の
アリールチオ基等を表わす。)
【0012】得られる一般式(III )で示される両末端
にアミノアリール基を有するポリアミドの平均重合度
は、得られるジブロック共重合体の引っ張り強度、引っ
張り弾性率等の機械的特性を考慮して、2〜100の範
囲にする必要があり、数平均分子量は数千〜20万の範
囲が適当である。
【0013】一般式(IV)で示される芳香族ジアミンと
しては、例えば、ビス(4−アミノフェニル)メタン、
ビス(3−アミノフェニル)メタン、4,4′−エチレ
ンジアニリン、2,2′−ビス(p−アミノフェニル)
プロパン、3,4′−オキシジアニリン、4,4′−オ
キシジアニリン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、3,3′
−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾ
フェノン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス
(4−アミノフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−
アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン等があげられ
るが、これらに限定されるものではない。更に、本発明
のポリアミド体の形成に対して、これら芳香族ジアミン
類を単独又は複数個併用することができる。
【0014】また、上記一般式(V)で示されるヒドロ
キシ置換芳香族ジカルボン酸としては、4−ヒドロキシ
イソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、3−ヒド
ロキシフタル酸、4−ヒドロキシフタル酸、2−ヒドロ
キシテレフタル酸およびこれらの誘導体をあげることが
できるが、これらに限定されるものではない。またこれ
らのものは単独または複数併用することもできるが、本
発明においては、これらフェノール性水酸基を持つ芳香
族ジカルボン酸は、全ジカルボン酸に対して1モル%以
上含有させることが必要である。
【0015】さらに、一般式(VI)で示されるジカルボ
ン酸としては、脂肪族、脂環式、芳香族等、如何なるジ
カルボン酸でも差し支えない。例えば、イソフタル酸、
テレフタル酸、3,3′−ビフェニルジカルボン酸、
4,4′−ビフェニルジカルボン酸、3,3′−メチレ
ン二安息香酸、4、4′−メチレン二安息香酸、4,
4′−オキシ二安息香酸、4,4′−チオ二安息香酸、
3,3′−カルボニル二安息香酸、4,4′−カルボニ
ル二安息香酸、4,4′−スルホニル二安息香酸、1,
4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、コハク
酸、グルタル酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、マロン
酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、アジピン酸、
1,10−デカン二酸、フェニルマロン酸、ベンジルマ
ロン酸、フェニルスクシン酸、3−フェニルグルタル
酸、ホモフタル酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4
−フェニレン二酢酸、4−カルボキシフェニル酢酸、5
−ブロモ−N−(カルボメチル)アントラニル酸、2,
5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼン二酢酸、m−カル
ボキシシナモン酸等のジカルボン酸およびそれらの誘導
体を例示することができるが、これらに限定されるもの
ではない。これらは単独または複数併用することができ
る。
【0016】上記ジカルボン酸類と上記芳香族ジアミン
類とを使用して、上記一般式(III)で示される両末端に
アミノアリール基を持つポリアミドを製造する際には、
一般式(IV)で示される芳香族ジアミンと、一般式
(V)で示されるヒドロキシ置換芳香族ジカルボン酸お
よび一般式(VI)で示されるジカルボン酸とを、芳香族
ジアミンが混合ジカルボン酸成分に対して両末端がアミ
ノアリール基になるように過剰にして重縮合させのが好
ましい。また、得られるポリアミドは、好ましくは、固
有粘度0.10dl/g〜4.0dl/g、さらに好ま
しくは、0.20dl/g〜1.2dl/g、の範囲の
ものである。
【0017】本発明のポリアミド−ブタジエン系トリブ
ロック共重合体は、上記片末端にカルボキシル基を有す
るポリブタジエンと、両末端にアミノアリール基を有す
るポリアミドとを縮合させることによって製造される。
縮合反応は、芳香族亜リン酸エステルとピリジン誘導体
の存在下で実施するのが好ましい。なお、縮合反応は、
片末端にカルボキシル基を有するポリブタジエンと両末
端にアミノアリール基を有するポリアミドとを、単に混
合加熱することによっても実施できるが、その場合に
は、縮合反応を高温下で行う必要があり、その結果、ア
ミド交換反応、フェノール性水酸基とジカルボン酸との
エステル化反応およびエステル交換反応などの副反応を
伴うことが避けられず、フェノール性水酸基の保護が必
要になる。しかしながら、芳香族亜リン酸エステルとピ
リジン誘導体の存在下では、フェノール性水酸基を保護
することなく縮合反応を行うことができ、また、高温を
要せず、したがって、アミド交換反応、エステル化反
応、エステル交換反応などの副反応を避けることができ
るという大きな利点がある。
【0018】本発明において使用することができる芳香
族亜リン酸エステルとしては、亜リン酸トリフェニル、
亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリ−o−トリル、亜リ
ン酸ジ−o−トリル、亜リン酸トリ−m−トリル、亜リ
ン酸ジ−m−トリル、亜リン酸トリ−p−トリル、亜リ
ン酸ジ−p−トリル、亜リン酸ジ−o−クロロフェニ
ル、亜リン酸トリ−p−クロロフェニル、亜リン酸ジ−
p−クロロフェニル等があげることができるが、これら
に限定されるものではない。更に、本発明において芳香
族亜リン酸エステルと共に使用するピリジン誘導体とし
て、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコ
リン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,5−
ルチジン等をあげることができる。
【0019】この反応に際しては、通常の場合、ピリジ
ン誘導体を含む混合溶媒を用いる溶液重合法が採用され
る。ここで、使用する有機溶媒は、両反応成分や亜リン
酸エステルと実質的に反応しな溶媒という点で制限を受
けるが、このほかに両反応成分に対する良溶媒であっ
て、しかも反応生成物のトリブロック共重合体に対する
良溶媒であることが望ましい。このような有機溶媒とし
て代表的なものは、N−メチル−2−ピロリドンやN,
N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒である。さ
らに、反応を円滑に進行させるために、塩化リチウム、
塩化カルシウムなどの無機塩類を反応系に添加すること
もできる。
【0020】 本発明によるトリブロック共重合体の製
造方法をさらに詳しく説明すると、上記縮合反応におい
て使用する亜リン酸エステル系縮合剤の量は、通常カル
ボキシル基に対して等モル量以上が使用されるが、30
倍モル量以上の使用は経済的にみて得策ではない。又こ
こで使用するピリジン誘導体の量は、カルボキシル基に
対して等モル量以上であることが必要であるが、実際に
は反応溶媒としての役割を含めて大過剰使用するのが好
ましい。ここでピリジン誘導体とN−メチル−2−ピロ
リドンによって代表される有機溶媒からなる混合溶媒が
好ましく使用されるが、混合溶媒の使用量は、通常、反
応成分を5〜30重量%含むことになるだけの量が使用
される。反応温度は、通常の場合、60〜140℃の範
囲が好ましい。反応時間は反応温度により大きく影響さ
れるが、如何なる場合にも最高粘度が得られるまで反応
系を撹拌するのがよく、多くの場合数分から20時間の
間である。上記縮合反応においては、反応成分を等モル
量使用する。すなわち、両末端アミノアリール基と末端
カルボキシル基のモル比率が1:1になるように反応さ
せる。それによって、本発明のフェノール性水酸基を含
有するポリアミド−ポリブタジエントリブロック共重合
体が得られる。反応終了後は、反応混合物をメタノー
ル、ヘキサンなどの非溶媒に投じて、生成物を分離
し、さらに再沈澱法により精製を行って、副生成物や無
機塩類を除去することにより、精製トリブロック共重合
体を得ることができる。
【0021】本発明において、フェノール性水酸基を持
つ芳香族ジカルボン酸をポリアミドの形成に使用する全
ジカルボン酸成分に対して1モル%以上含有させること
により、形成されるポリアミド−ポリブタジエントリブ
ロック共重合体は、その水酸基を、カルボキシル基、エ
ポキシ基、アシルハライド基、イソシアナト基、クロル
スルホン基等を有する化合物や酸無水物等により変性さ
せることが可能になる。即ち、そのフェノール性水酸基
は、イソシアナート、イソチオシアナート、ジケテン、
エチレンイミン、エポキシ等の基を有する化合物と容易
に反応し、架橋構造を持たせることができる。特に、比
較的温和な条件で架橋反応が進み、更に耐熱性や接着性
の向上、幅広い化合物の選択性、低コスト、容易な取扱
い性等で有利なエポキシ化合物との架橋反応を利用する
のが好適である。これらエポキシ化合物として、少なく
とも二個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、特
に制限されるものではない。例えば、臭素化エポキシ、
エポキシノボラック、ビスフェノール型エポキシ、多官
能性エポキシ、脂肪族エポキシ、脂環族エポキシ、フッ
素含有エポキシ、更にはエポキシ変性樹脂等があり、非
常に多くの化合物が提示、市販されており、目的に応じ
て種々選択することができる。更に、必要に応じて、触
媒や硬化促進剤等を併用することもできる。
【0022】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を詳細に述べる
が、本発明はこれのみによって限定されるものではな
い。 実施例1 イソフタル酸0.831g(5mmol)、5−ヒドロ
キシイソフタル酸0.910g(5mmol)、3,
4′−オキシジアニリン2.002g(10mmo
l)、塩化リチウム0.33g、塩化カルシウム1.0
1g、N−メチル−2−ピロリドン20ml、ピリジン
20mlを100mlの三つ口丸底フラスコの中に入
れ、撹拌溶解させた後、亜リン酸トリフェニル6.2g
を加えて、100℃で2時間反応させて、ポリアミドを
生成させた。このポリアミドの固有粘度は0.11dl
/g(n=約10)であり、k/(k+m)=0.5で
あった。片末端にカルボキシル基を有する数平均分子量
約3600のポリブタジエン3.60g(約1.0mm
ol相当)を20mlのピリジンに溶解した溶液を、反
応液中に添加し、更に2時間反応させた。室温まで冷却
した後、得られた反応液を1リットルのメタノール中に
投入して、ポリアミド−ポリブタジエントリブロック共
重合体を析出させた。得られたトリブロック共重合体の
固有粘度は,0.50dl/g(N,N−ジメチルアセ
トアミド,30℃)であった。このブロック共重合体の
赤外スペクトル(アナレクト社製FX6160にて測
定、以下同様)測定の結果、2800cm-1付近にポリ
ブタジエンのC−Hに基づく吸収が、また、1658c
-1に−NHCOに基づくカルボニルの吸収が認められ
た。
【0023】実施例2 実施例1で使用した3,4′−オキシジアニリンを、
3,3−′ジアミノベンゾフェノン2.122g(9m
mol)に代えた以外は、全く同様の操作を行いポリア
ミド(固有粘度:0.18dl/g、n=約10、k/
(k+m)=0.5)を製造し、同様にして、トリブロ
ック共重合体を得た。このトリブロック共重合体の固有
粘度は0.56dl/g(N,N−ジメチルアセトアミ
ド,30℃)であった。このトリブロック共重合体の赤
外スペクトルを測定したところ、2820cm-1付近に
ポリブタジエンのC−Hに基づく吸収が、1657cm
-1に−NHCOに基づくカルボニルの吸収が、1720
cm-1にケトンカルボニル基に基づく吸収が認められ
た。
【0024】実施例3 実施例1で使用した3,4′−オキシジアニリンを、ビ
ス(4−アミノフェニル)スルホン2.481g(10
mmol)に代えた以外は、全く同様の操作を行いポリ
アミド(固有粘度:0.28dl/g、n=約10、k
/(k+m)=0.5)を製造し、同様にして、トリブ
ロック共重合体を得た。このトリブロック共重合体の固
有粘度は0.74dl/g(N,N−ジメチルアセトア
ミド,30℃)であった。このトリブロック共重合体の
赤外スペクトルを測定したところ、2810cm-1付近
にポリブタジエンのC−Hに基づく吸収が1661cm
-1に−NHCOに基づくカルボニルの吸収が、1217
cm-1付近および1368cm-1に−SO2 −に基づく
吸収が認められた。
【0025】実施例4 実施例1で使用した3,4′−オキシジアニリンを、ビ
ス(4−アミノフェニル)メタン1.982g(10m
mol)に代えた以外は、全く同様の操作を行いポリア
ミド(固有粘度:0.13dl/g、n=約10、k/
(k+m)=0.5)を製造し、同様にして、トリブロ
ック共重合体を得た。このトリブロック共重合体の固有
粘度は0.43dl/g(N,N−ジメチルアセトアミ
ド,30℃)であった。このトリブロック共重合体の赤
外スペクトルを測定したところ、2812cm-1付近に
ポリブタジエンのC−Hに基づく吸収が、1664cm
-1に−NHCOに基づくカルボニルの吸収が認められ
た。
【0026】実施例5 実施例1で使用した3,4′−オキシジアニリンを、
2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン3.332g(10mmol)に代えた以外は、
全く同様の操作を行いポリアミド(固有粘度:0.15
dl/g、n=約10、k/(k+m)=0.5)を製
造し、同様にして、トリブロック共重合体を得た。この
トリブロック共重合体の固有粘度は0.39dl/g
(N,N−ジメチルアセトアミド,30℃)であった。
このトリブロック共重合体の赤外スペクトルを測定した
ところ、2814cm-1付近にポリブタジエンのC−H
に基づく吸収が、1300cm-1付近に−C−Fに基づ
く吸収が、1667cm-1に−NHCOに基づくカルボ
ニルの吸収が認められた。
【0027】
【発明の効果】本発明のポリアミド−ポリブタジエント
リブロック共重合体は、耐熱性、溶剤溶解性、相溶性が
優れているのみならず、優れた加工性を有しており、異
種材料と複合化する際に粘度の上昇を伴わず、活性水素
と反応可能な材料と複合化できるという特徴がある。し
たがって、耐熱性の高い熱可塑性弾性体を与え、より利
用範囲の広い素材として用いることができる。また、本
発明の方法によれば、縮合に際して高温を必要とせず、
またアミド交換反応などの副反応をさけることができる
ばかりでなく、構造の規制されたポリアミド−ポリブタ
ジエントリブロック共重合体を得ることができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片末端にのみカルボキシル基を有する
    リブタジエンと、両末端にアミノアリール基を有し、か
    つ、高分子主鎖中にフェノール性水酸基を有するポリア
    ミドとの縮合体であって、下記一般式(I)で示される
    ことを特徴とするポリアミド−ポリブタジエントリブロ
    ック共重合体。 【化1】 (式中、Ar1 はフェノール性水酸基を有する二価の芳
    香族基を示し、Ar2 は二価の有機基を示し、Arは下
    記式(1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、 【化2】 nおよびxは、それぞれ平均重合度であって、n=2〜
    100、x=20〜200の整数を示し、kおよびmは
    共縮重合比であって、k/(k+m)の値が0.01〜
    1.0である。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(II)で示される片末端にカ
    ルボキシル基を有するポリブタジエン 【化3】 (式中、xは平均重合度であって、x=20〜200の
    整数を示す。)と、下記一般式(III )で示される片末
    端にアミノアリール基を他の片末端にカルボキシル基を
    有し、かつ、高分子主鎖中にフェノール性水酸基を有す
    るポリアミド 【化4】 (式中、Ar1 はフェノール性水酸基を有する二価の芳
    香族基を示し、Ar2 は二価の有機基を示し、Arは下
    記式(1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、 【化5】 nは平均重合度であって、n=2〜100、x=20〜
    200の整数を示し、kおよびmは共縮重合比であっ
    て、k/(k+m)の値が0.01〜1.0である。)
    とを、芳香族亜リン酸エステルとピリジン誘導体の存在
    下に実施することを特徴とする下記一般式(I)で示さ
    れるフェノール性水酸基を持つポリアミド−ポリブタジ
    エンジブロック共重合体の製造方法。 【化6】 (式中、Ar1 、Ar2 、n、x、kおよびmは、上記
    と同意義を有する。)。
  3. 【請求項3】 一般式(III )で示される両末端にアミ
    ノアリール基を有し、かつ、高分子主鎖中にフェノール
    性水酸基を有するポリアミドが、混合ジカルボン酸成分
    に対して等モル量の芳香族ジアミン成分を重縮合して得
    られたものであり、かつ、その両末端アミノアリール基
    と、ポリブタジエンの末端カルボキシル基とのモル比が
    1:1であることを特徴とする請求項2記載のフェノー
    ル性水酸基を持つポリアミド−ポリブタジエントリブロ
    ック共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(III )で示される両末端にアミ
    ノアリール基を有し、かつ、高分子主鎖中にフェノール
    性水酸基を有するポリアミドが、ランダム共重合または
    マルチブロック共重合によって得られたものである請求
    項2記載のフェノール性水酸基を持つポリアミド−ポリ
    ブタジエントリブロック共重合体の製造方法。
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