JPH07116291B2 - フェノール性水酸基を含有するブロック共重合体およびその製造方法 - Google Patents

フェノール性水酸基を含有するブロック共重合体およびその製造方法

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JPH07116291B2
JPH07116291B2 JP3525591A JP3525591A JPH07116291B2 JP H07116291 B2 JPH07116291 B2 JP H07116291B2 JP 3525591 A JP3525591 A JP 3525591A JP 3525591 A JP3525591 A JP 3525591A JP H07116291 B2 JPH07116291 B2 JP H07116291B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリアミド−水素
添加型ポリブタジエン−アクリロニトリルブロック共重
合体ならびにその製造方法に関し、更に詳しくは、反応
可能なポリアミド−水素添加型ポリブタジエン−アクリ
ロニトリルブロック共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブタジエンは柔軟な分子構造を有
し、また、スチレン−ブタジエン共重合体は優れた熱可
塑性弾性体であることが知られている。しかしながら、
この共重合体は、低温で軟化し、120℃を越える温度
域では満足な性能を示さないという問題があった。この
問題を解決するために、スチレン成分をポリアミド成分
に変えたポリアミド−ポリブタジエン系ブロック共重合
体が提案されている(特開昭60−49026号公報及
び特公昭62−3171号公報)。このブロック共重合
体は、有機溶媒への溶解性、他のポリマーとの相溶性に
問題あるので、耐熱性を損なわずにそれらの問題点を改
良したものとして、ポリアミド−アクリロニトリル−ブ
タジエン系ブロック共重合体が提案されている(特開平
3−47836号公報)。しかし、このブロック共重合
体は溶融成形できないという問題がある。その点を改良
したものとして、ポリアミド−水素添加型ポリブタジエ
ン系ブロック共重合体が提案されている(特開平3−2
74382号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このポリアミド−水素
添加型ポリブタジエン系ブロック共重合体は、耐熱性の
高い熱可塑性弾性体であるが、使用に際して、作用前は
十分な溶剤溶解性を持ち、取扱い性がよく、作用後は高
い耐溶剤性を有するものになるという要求に対して、満
足すべきものではなかった。本発明者は、この問題を解
決するために研究を進めた結果、本発明を完成した。
したがって、本発明の目的は、高い溶剤溶解性を有し、
他のポリマーとの相溶性がよく、耐熱性および接着性の
優れたポリアミド−水素添加型ポリブタジエン系ブロッ
ク共重合体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記ポリア
ミド−水素添加型ポリブタジエン−アクリロニトリルブ
ロック共重合体を得るにあたり、該アミド体の形成にフ
ェノール性水酸基を持つ芳香族ジカルボン酸のモノマー
を使用することにより、前記問題が解決されることを見
出した。また、この様なブロック共重合体を製造する場
合、従来知られている方法では、両末端にカルボキシル
基を有する水素添加型ポリブタジエンと両末端にアミノ
アリール基を有するポリアミドとの反応を高温下で行な
う必要があり、そのためアミド交換反応や水素添加型ポ
リブタジエン鎖の分解や副反応、更にはフェノール性水
酸基を持つ芳香族ジカルボン酸を使用するために、フェ
ノール性水酸基との不必要な反応等を伴うことが避けら
れず、本発明のフェノール性水酸基を持つポリアミド−
ポリブタジエン−アクリロニトリルブロック共重合体が
得られない等の問題があることが分かり、そして、本発
明者の検討の結果、これらの問題は、縮重合反応に際し
て、亜リン酸エステルとピリジン誘導体の存在下に実施
することにより、解決できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0005】すなわち、本発明のポリアミド−水素添加
型ポリブタジエン−アクリロニトリルブロック共重合体
は、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとの重縮合に
より形成される両端末にアミノアリール基を持つポリア
ミドと両端末にカルボキシル基を有する水素添加型ポリ
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体との重縮合によ
り形成されるポリアミド−水素添加型ポリブタジエン−
アクリロニトリルブロック共重合体であって、下記一般
式(I)で示されるブロック単位(A)と、下記一般式
(II)で示されるブロック単位(B)からなり、
【0006】
【化6】
【0007】(式中、Buは水素添加ブタジエン残基を
示し、Rは二価の有機基を示し、R′はフェノール性水
酸基を有する二価の芳香族基を示し、Arは下記式
(1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、
【0008】
【化7】
【0009】kおよびzは、それぞれ平均重合度であっ
て、k=2〜400、z=5〜100の整数を示し、m
およびnは共縮重合比であって、m≧0.04、m+n
=1の数であり、xおよびyは共重合比であって、x:
y=0.95:0.05〜0.6:0.4、x+y=1
の数である。)かつ、ブロック単位(A)及びブロック
単位(B)がそれぞれ2〜20の範囲で存在することを
特徴とする。
【0010】また、本発明の、上記フェノール性水酸基
を持つポリアミド−水素添加型ポリブタジエン−アクリ
ロニトリルブロック共重合体の製造方法は、少なくとも
4モル%がフェノール性水酸基を有する芳香族ジカルボ
ン酸よりなる芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとを
重縮合させ、さらに、合成された下記一般式(III)
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R、R′、Ar、k、n及びm
は、それぞれ上記したと同意義を有する。)で示される
両末端にアミノアリール基を有するポリアミドを、下記
一般式(IV)
【0013】
【化9】
【0014】(式中、Bu、x、yおよびzは、それぞ
れ上記したと同意義を有する。)で示される両末端にカ
ルボキシル基を有する水素添加型アクリロニトリル変性
ポリブタジエンと重縮合させることからなり、そして、
上記各縮重合を、それぞれ、芳香族亜リン酸エステルと
ピリジン誘導体の存在下で実施することを特徴とする。
【0015】本発明の製造方法によれば、官能基である
フェノール性水酸基を保護することなしに、又はこの水
酸基とカルボキシル基やアミノ基との反応を起こすこと
なしに、更には、これらの重縮合に際して高温を必要と
せず、ブタジエン鎖の分解や反応などの副反応やアミド
交換反応をさけることができるばかりでなく、構造の規
制されたフェノール性水酸基を持つポリアミド−水素添
加型ポリブタジエン−アクリロニトリルブロック共重合
体を容易に製造でき、大きな利点を有する。
【0016】次に、本発明について詳細に説明する。本
発明において、原料として使用される芳香族ジカルボン
酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、
3,3′−ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ビフェ
ニルジカルボン酸、3,3′−メチレン二安息香酸、
4、4′−メチレン二安息香酸、4,4′−オキシ二安
息香酸、4,4′−チオ二安息香酸、3,3′−カルボ
ニル二安息香酸、4,4′−カルボニル二安息香酸、
4,4′−スルホニル二安息香酸、1,4−ナフタレン
ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のカ
ルボン酸およびその誘導体を例示することができるが、
これらに限定されるものではない。更に、本発明で使用
されるフェノール性水酸基を持つ芳香族ジカルボキシル
酸としては、芳香族基にカルボキシル基を持ち、かつフ
ェノール性水酸基を持つ化合物であれば限定されるもの
ではないが、具体的には5−ヒドロキシイソフタル酸お
よびその誘導体が好ましいものとして例示することがで
きる。これら芳香族ジカルボン酸は単独又は複数個併用
することができるが、本発明においては、これら芳香族
ジカルボン酸中にフェノール性水酸基を持つ芳香族ジカ
ルボン酸を、全カルボン酸に対して4モル%以上含有さ
せることが必要である。
【0017】また、原料として使用される芳香族ジアミ
ン類としては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−
フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノビフェニル、
ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−アミノ
フェニル)メタン、4,4′−エチレンジアニリン、
2,2′−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、3,
4′−オキシジアニリン、4,4′−オキシジアニリ
ン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4
−アミノフェニル)スルフィド、3,3′−ジアミノベ
ンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ビ
ス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ
フェニル)スルホン、1,4−ナフタレンジアミン、
1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジア
ミン、1,3−ビス(m−アミノフェニル)−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン、2,2−ビス(4
−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン等があげら
れるが、これらに限定されるものではない。更に、本発
明のポリアミド体の形成に対して、これら芳香族ジアミ
ン類を単独又は複数個併用することができる。
【0018】上記芳香族ジカルボン酸類と上記芳香族ジ
アミン類とを使用して、上記一般式(III)で示される両
末端にアミノアリール基を持つポリアミドを製造する際
には、芳香族ジカルボン酸類より過剰量に芳香族ジアミ
ン類を存在させて、重縮合させることにより行うのが好
ましい。得られるポリアミドは、好ましくは、固有粘度
0.10dl/g〜4.0dl/g、さらに好ましく
は、0.20dl/g〜1.2dl/g、の範囲のもの
である。
【0019】次いで、上記両末端にアミノアリール基を
持つポリアミドと、両末端にカルボキシル基を持つ水素
添加型ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体とを
重縮合させてブロック共重合を行い、それにより本発明
のフェノール性水酸基を含有するポリアミド−水素添加
型ポリブタジエン−アクリロニトルブロック共重合体が
得られる。
【0020】本発明のポリアミド−水素添加型アクリロ
ニトリル変性ポリブタジエンブロック共重合体の製造方
法において使用する上記一般式(IV)で示される両末端
にカルボキシル基を有する水素添加型アクリロニトリル
変性ポリブタジエンオリゴマーの構造は、ブタジエン単
位とアクリロニトリル単位との共重合比が、0.95:
0.05〜0.6:0.4の範囲のものが好適に使用で
きる。また、ブタジエン部分が1,2−もしくは1,4
−位で連結されてさえいればよく、如何なる方法により
製造されたものでもよい。通常、ブタジエンとアクリロ
ニトリルをアニオン重合またはラジカル重合によって製
造した両末端カルボキシル化アクリロニトリル変性ポリ
ブタジエンを適当な水素添加触媒(例えばPt、Pd、
ラネ−Ni、Ru系等)を用い、水素添加することによ
り製造でき、公知の方法として、特開昭60−6010
6公報、ドイツ国特許第658172号及び同国特許第
2,529,132号、米国特許第3,700,637
号明細書等に記載の方法が知られている。更に、上記の
両末端にカルボキシル基を有する水素添加型アクリロニ
トリル変性ポリブタジエンオリゴマーの平均重合度
(z)は、引っ張り強度、引っ張り弾性率等の機械的物
性を考慮すると、5〜100範囲で好適であり、特に、
数平均分子量が3600±500のを有するものは市場
で容易に入手可能であるので好ましい。
【0021】本発明において、上記芳香族ジカルボン酸
類と上記芳香族ジアミン類との縮重合反応、および上記
上記両末端にアミノアリール基を持つポリアミドと、両
末端にカルボキシル基を持つ水素添加型ポリブタジエン
−アクリロニトリル共重合体との重縮合反応は、芳香族
亜リン酸エステルおよびピリジン誘導体の存在下に実施
される。芳香族亜リン酸エステルとしては、亜リン酸ト
リフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリ−o−
トリル、亜リン酸ジ−o−トリル、亜リン酸トリ−m−
トリル、亜リン酸ジ−m−トリル、亜リン酸トリ−p−
トリル、亜リン酸ジ−p−トリル、亜リン酸ジ−o−ク
ロロフェニル、亜リン酸トリ−p−クロロフェニル、亜
リン酸ジ−p−クロロフェニル等があげることができる
が、これらに限定されるものではない。更に、本発明に
おいて芳香族亜リン酸エステルと共に使用するピリジン
誘導体として、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリ
ン、4−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジ
ン、3,5−ルチジン等をあげることができる。
【0022】この反応に際しては、通常の場合、ピリジ
ン誘導体を含む混合溶媒を用いる溶液重合法が採用され
る。ここで、使用する有機溶媒は、両反応成分や亜リン
酸エステルと実質的に反応しな溶媒という点で制限を受
けるが、このほかに両反応成分に対する良溶媒であっ
て、しかも反応生成物のブロック共重合体に対する良溶
媒であることが望ましい。このような有機溶媒として代
表的なものは、N−メチルピロリドンやジメチルアセト
アミド等のアミド系溶媒である。ここで重合度の大きい
ブロック共重合体を得るために、塩化リチウム、塩化カ
ルシウムによって代表される無機塩類をこの反応系に添
加することもできる。
【0023】本発明によるブロック共重合体の製造方法
をさらに詳しく説明すると、上記フェノール性水酸基を
有する芳香族ジカルボン酸を含む芳香族ジカルボン酸類
に対して過剰量の芳香族ジアミン類とを、前記亜リン酸
エステルとピリジン誘導体の存在下に、N−メチルピロ
リドンによって代表される有機溶媒中で、窒素等の不活
性雰囲気下で加熱撹拌することにより容易に行なわれ
る。この様にして得られポリアミド溶液に、更に、この
ポリアミド体と両末端にカルボキシル基を持つ水素添加
型ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体を添加、
加熱して重縮合を起こさせることにより本発明のブロッ
ク共重合体が得られる。更に、上記芳香族ジカルボン
酸、芳香族ジアミン、上記水素添加型ポリブタジエン−
アクリロニトリル共重合体とを、N−メチルピロリドン
等の溶媒中に混存させた状態で反応させても、本発明の
ブロック共重合体を得ることができる。これらの重縮合
で使用する亜リン酸エステル系縮合剤の量は、通常カル
ボキシル基に対して等モル量以上が使用されるが、30
倍モル量以上の使用は経済的に見て得策ではない。又こ
こで使用するピリジン誘導体の量は、カルボキシル基に
対して等モル量以上であることが必要であるが、実際に
は反応溶媒としての役割を含めて大過剰使用するのが好
ましい。ここでピリジン誘導体とN−メチルピロリドン
によって代表される有機溶媒からなる混合溶媒が好まし
く使用されるが、混合溶媒の使用量は、通常、反応成分
を5〜30重量%含むことになるだけの量が使用され
る。反応温度は、通常の場合、60〜140℃の範囲が
好ましい。反応時間は反応温度により大きく影響される
が、如何なる場合にも最高の重合度を意味する最高粘度
が得られるまで反応系を撹拌するのがよく、多くの場合
数分から20時間の間である。
【0024】前記した様な方法によって作成されるフェ
ノール性水酸基を持つポリアミド−水素添加型ポリブタ
ジエン−アクリロニトリルブロック共重合体の水素添加
型ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体とポリア
ミド体との組成比は、各々の仕込量によって決る。一般
に水素添加型ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合
体の組成比が増加するに従い、ゴム弾性、溶媒溶解性が
増加するが、耐熱性は低下する。
【0025】上記反応条件下で、反応成分を等モル量使
用すると、平均重合度は2〜20のブロック共重合体を
製造することができる。平均重合度が20を越えると加
工性等の点で好ましくないが、特定の目的のためにはい
ずれか一方を過剰に使用して平均重合度を小さくするこ
ともできる。反応終了後は、反応混合物をメタノール、
ヘキサン等の非溶媒中に投じて生成重合体を分離し、更
に再沈殿法により精製を行なって、副生成物や無機塩類
等を除去することにより、精製ブロック共重合体を得る
ことができる。
【0026】本発明において、フェノール性水酸基を持
つ芳香族ジカルボン酸をポリアミドの形成に使用する全
芳香族ジカルボン酸に対して4モル%以上含有させるこ
とにより、形成されるポリアミド−水素添加型ポリブタ
ジエン−アクリロニトリルブロック共重合体は、その水
酸基を、アミノ基、カルボン酸基、エポキシ基、アシル
ハライド基、イソシアナト基、クロルスルホン基等を有
する化合物や酸無水物等により変性させることが可能に
なる。即ち、そのフェノール性水酸基は、イソシアナー
ト、イソチオシアナート、ジケテン、エチレンイミン、
エポキシ等の基を有する化合物と容易に反応し、架橋構
造を持たせることができる。特に、比較的温和な条件で
架橋反応が進み、更に耐熱性や接着性の向上、幅広い化
合物の選択性、低コスト、容易な取扱い性等で有利なエ
ポキシ化合物との架橋反応を利用するのが好適である。
これらエポキシ化合物として、少なくとも二個以上のエ
ポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されるもの
ではない。例えば、臭素化エポキシ、エポキシノボラッ
ク、ビスフェノール−A−エピクロヒドリン、多官能性
エポキシ、脂肪族エポキシ、脂環族エポキシ、フッ素含
有エポキシ、更にはエポキシ変性樹脂等があり、非常に
多くの化合物が提示、市販されており、目的に応じて種
々選択することができる。更に、必要に応じて、触媒や
硬化促進剤等を併用することもできる。
【0027】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を詳細に述べる
が、本発明はこれのみによって限定されるものではな
い。 実施例1 イソフタル酸167mg(1mmol)、3,4′−オ
キシジアニリン440mg(2.2mmol)、5−ヒ
ドキシイソフタル酸182mg(1mmol)(全カル
ボン酸に対して約50モル%)、塩化リチウム100m
g、塩化カルシウム300mg、N−メチルピロリドン
8ml、ピリジン1mlを50mlの丸底フラスコの中
に入れ、撹拌溶解させた後、亜リン酸トリフェニル1g
を加えて、80℃で2時間反応させて、ポリアミドを生
成させた。このポリアミドの固有粘度は0.40dl/
gであり、n/n+m=0.5であった。このポリアミ
ドに、両末端にカルボキシル基を持つ水素添加型ポリブ
タジエン−アクリロニトリル共重合体(Hycar C
TBN,BF Goodrich製)810mgを5m
lのピリジンに溶かした液を加えて、更に3時間反応さ
せた後、室温に冷却後、この反応液をメタノール500
mlに投入して水素添加型ポリブタジエン−アクリロニ
トリル共重合体部の含有量が50wt%であるフェノー
ル性水酸基を持つポリアミド−水素添加型ポリブタジエ
ン−アクリロニトリルブロック共重合体を析出させた。
この析出ポリマーを更にメタノールで洗浄とメタノール
還流して精製した。この様にして得られた本発明のポリ
マーの固有粘度は1.25dl/g(ジメチルアセトア
ミド,30℃)であった。このブロック共重合体の赤外
スペクトル(アナレクト社製FX6160にて測定)測
定の結果、2800cm-1付近にメチレン鎖に相当する
吸収が、また、1300cm-1付近に−C−C−Hに対
応する吸収が認められた。
【0028】実施例2 実施例1で使用した両末端にカルボキシル基を持つ水素
添加型ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体を2
00mgに代えた以外は全く同じ方法で、本発明の水素
添加型ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体部の
含有量が50wt%であるフェノール性水酸基を持つポ
リアミド−水素添加型ポリブタジエン−アクリロニトリ
ル系ブロック共重合体を得た。このポリマーの固有粘度
は0.65dl/g(ジメチルアセトアミド,30℃)
であった。赤外スペクトルはメチレン鎖の吸収は減少し
たものの特性吸収は実施例1と同様であった。
【0029】実施例3 実施例1で使用した5−ヒドキシソイフタル酸を109
mg(0.6mmol)(全芳香族ジカルボン酸に対し
て、30モル%)、イソフタル酸を234mg(1.4
mmol)に代えた以外は全く同じ方法でポリアミド
(固有粘度:0.35dl/g、n/n+m=0.3)
を製造し、同様にして、本発明の水素添加型ポリブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体部の含有量が50wt
%であるフェノール性水酸基を持つポリアミド−水素添
加型ポリブタジエン−アクリロニトリル系ブロック共重
合体を得た。このポリマーの固有粘度は0.60dl/
g(ジメチルアセトアミド,30℃)であった。赤外ス
ペクトルは実施例1と同様であった。
【0030】実施例4 実施例1で使用した5−ヒドロキシイソフタル酸を36
mg(0.2mmol)(全芳香族ジカルボン酸に対し
て、10モル%)、イソフタル酸を301mg(1.8
mmol)に代えた以外は全く同じ方法でポリアミド
(固有粘度:0.30dl/g、n/n+m=0.1)
を製造し、同様にして、本発明の水素添加型ポリブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体部の含有量が50wt
%であるフェノール性水酸基を持つポリアミド−水素添
加型ポリブタジエン−アクリロニトリル系ブロック共重
合体を得た。このポリマーの固有粘度は0.60dl/
g(ジメチルアセトアミド,30℃)であった。赤外ス
ペクトルは実施例1と同様であった。
【0031】実施例5 実施例1で使用した3,4′−オキシジアニリン440
mg(2.2mmol)を3,3′−ジアミノベンゾフ
ェノン0.513g(2.2ミリモル)に代えた以外は
全く同じ方法でポリアミド(固有粘度:0.32dl/
g、n/n+m=0.5)を製造し、同様にして、本発
明の水素添加型ポリブタジエン−アクリロニトリル共重
合体部の含有量が50wt%であるフェノール性水酸基
を持つポリアミド−水素添加型ポリブタジエン−アクリ
ロニトリル系ブロック共重合体を得た。このポリマーの
固有粘度は0.60dl/g(ジメチルアセトアミド,
30℃)であった。このブロック共重合体の赤外スペク
トルの測定結果は、2800cm-1付近にメチレン鎖に
相当する吸収が、1657cm-1にアミドカルボニル基
に基づく吸収が、1720cm-1にケトンに基づく吸収
が認められた。さらに、1300cm-1付近に−C−C
−Hに対する吸収が認められた。
【0032】実施例6 実施例1のジアミンをビス(3−アミノフェニル)スル
フィド0.475g(2.2ミリモル)リモル)に代え
た以外は、同様の操作を行なってポリアミド(固有粘
度:0.36dl/g、n/n+m=0.5)を製造
し、同様にしてブロック共重合体を得た。このブロック
共重合体の固有粘度は0.62dl/g(ジメチルアセ
トアミド,30℃)であった。このブロック共重合体の
赤外スペクトルは2800cm-1に基づく吸収が、16
51cm-1にアミドカルボニル基に基づく吸収が認めら
れた。また、1300cm-1付近に−C−CHに対応す
る吸収、1425cm-1に−S−に基づく吸収が認めら
れた。
【0033】実施例7 実施例1のジアミンをビス(4−アミノフェニル)スル
ホン0.546g(2.2ミリモル)に代えた以外は同
様の操作を行なってポリアミド(固有粘度:0.37d
l/g、n/n+m=0.5)を製造し、同様にしてブ
ロック共重合体を得た。このブロック共重合体の固有粘
度は0.68dl/g(ジメチルアセトアミド、30
℃)であった。このランダムブロック共重合体の赤外ス
ペクトルは、2800cm-1付近にメチレン鎖に相当す
る吸収が、1661cm-1にアミドカルボニル基に基づ
く吸収が認められた。また、1300cm-1付近に−C
−C−Hに対応する吸収が、1217付近及び1368
cm-1付近に−SO2 −に基づく吸収が認められ
【0034】実施例8 実施例1のジアミンをビス(4−アミノフェニル)メタ
ン0.443g(2.2ミリモル)に替えた以外は同様
の操作を行なってポリアミド(固有粘度:0.26dl
/g、n/n+m=0.5)を製造し、同様にしてブロ
ック共重合体を得た。このブロック共重合体の固有粘度
は0.42dl/g(ジメチルアセトアミド、30℃)
であった。このランダムブロック共重合体の赤外スペク
トルは、2800cm-1付近に末端メチルに相当する吸
収が、1664cm-1にアミドカルボニル基に基づく吸
収が認められた。また、1300cm-1付近に−C−C
−Hに対応する吸収が認められ
【0035】実施例9 実施例1のジアミンを2,2−ビス(4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン0.735g(2.2ミリ
モル)に代えた以外は同様の操作を行なってポリアミド
(固有粘度:0.20dl/g、n/n+m=0.5)
を製造し、同様にしてブロック共重合体を得た。このブ
ロック共重合体の固有粘度は0.36dl/g(ジメチ
ルアセトアミド、30℃)であった。このランダムブロ
ック共重合体の赤外スペクトルは、2800cm-1付近
に末端メチルに相当する吸収が、1664cm-1にアミ
ドカルボニル基に基づく吸収が認められた。また、13
00cm-1付近に−C−C−H及び−C−Fに対応する
吸収が認められ
【0036】
【発明の効果】本発明のフェノール性水酸基を持つポリ
アミド−水素添加型ポリブタジエン−アクリロニトリル
ブロック共重合体は、溶媒溶解性、他ポリマーとの相溶
性が良く、取扱い性が優れ、また高い耐熱性および接着
性を示し、そして、含有するフェノール性水酸基を他の
化合物により変性することにより、種々の性質を持たせ
ることができ、利用範囲の広い素材として有用性を有し
ている。更に、本発明の方法によれば、官能基であるフ
ェノール性水酸基を保護することなしに、又はこの水酸
基とカルボキシル基やアミノ基との反応を起こすことな
しに、又これらの重縮合に際して高温を必要とせず、ブ
タジエン鎖の分解や反応などの副反応やアミド交換反応
をさけることができるばかりでなく、構造の規制された
フェノール性水酸基を持つポリアミド−水素添加型ポリ
ブタジエン−アクリロニトリルブロック共重合体を容易
に製造でき、大きな利点を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンと
    の重縮合により形成される両端末にアミノアリール基を
    持つポリアミドと両端末にカルボキシル基を有する水素
    添加型ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体との
    重縮合により形成されるポリアミド−水素添加型ポリブ
    タジエン−アクリロニトリルブロック共重合体であっ
    て、下記一般式(I)で示されるブロック単位(A)
    と、下記一般式(II)で示されるブロック単位(B)か
    らなり、 【化1】 (式中、Buは水素添加ブタジエン残基を示し、Rは二
    価の有機基を示し、R′はフェノール性水酸基を有する
    二価の芳香族基を示し、Arは下記式(1)〜(6)で
    示される二価の芳香族基を示し、 【化2】 kおよびzは、それぞれ平均重合度であって、k=2〜
    400、z=5〜100の整数を示し、mおよびnは共
    縮重合比であって、m≧0.04、m+n=1の数であ
    り、xおよびyは共重合比であって、x:y=0.9
    5:0.05〜0.6:0.4、x+y=1の数であ
    る。) かつ、ブロック単位(A)及びブロック単位(B)がそ
    れぞれ2〜20の範囲で存在することを特徴とするポリ
    アミド−水素添加型ポリブタジエン−アクリロニトリル
    ブロック共重合体。
  2. 【請求項2】 少なくとも4モル%がフェノール性水酸
    基を有する芳香族ジカルボン酸よりなる芳香族ジカルボ
    ン酸と芳香族ジアミンとを重縮合させ、さらに、合成さ
    れた下記一般式(III) 【化3】 (式中、Rは二価の有機基を示し、R′はフェノール性
    水酸基を有する二価の芳香族基を示し、Arは下記式
    (1)〜(6)で示される二価の芳香族基を示し、 【化4】 kは平均重合度であって、k=2〜400の整数を示
    し、mおよびnは共縮重合比であって、m/(m+n)
    ≧0.04、m+n=1の数である。) で示される両末端にアミノアリール基を有するポリアミ
    ドを、下記一般式(IV) 【化5】 (式中、Buは水素添加ブタジエン残基を示し、zは平
    均重合度であって、z=5〜100の整数を示し、xお
    よびyは共重合比であって、x:y=0.95:0.0
    5〜0.6:0.4、かつx+y=1の数である。) で示される両末端にカルボキシル基を有する水素添加型
    アクリロニトリル変性ポリブタジエンと重縮合させるこ
    とからなり、上記各重縮合反応を芳香族亜リン酸エステ
    ルとピリジン誘導体の存在下に実施することを特徴とす
    る請求項1に記載のフェノール性水酸基を持つポリアミ
    ド−水素添加型ポリブタジエン−アクリロニトリルブロ
    ック共重合体の製造方法。
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