JP2548642B2 - フェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体およびその製造方法 - Google Patents

フェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2548642B2
JP2548642B2 JP3203609A JP20360991A JP2548642B2 JP 2548642 B2 JP2548642 B2 JP 2548642B2 JP 3203609 A JP3203609 A JP 3203609A JP 20360991 A JP20360991 A JP 20360991A JP 2548642 B2 JP2548642 B2 JP 2548642B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block copolymer
group
phenolic hydroxyl
acid
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3203609A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0525270A (ja
Inventor
紀 清原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tomoegawa Paper Co Ltd filed Critical Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority to JP3203609A priority Critical patent/JP2548642B2/ja
Publication of JPH0525270A publication Critical patent/JPH0525270A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2548642B2 publication Critical patent/JP2548642B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性があり、高分子
改質剤、高分子相溶化剤として有用である新規なブロッ
ク共重合体に関し、より詳しくはフェノール性水酸基含
有ポリアミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耐熱性の高い剛直な熱可塑性高分子と、
柔軟性の高い高分子とを共重合化して耐熱性エラストマ
ーを得る方法は盛んに行われている。これらの材料は、
耐熱性エラストマーとしての利用ばかりでなく、高分子
改質剤、異なる高分子をより良く混ぜ合わせるための相
溶化剤としても注目されている。しかし、一般にこれら
の材料は単独で使用されることは少なく、他の高分子材
料と混合したり、他高分子材料上に塗布したりして使用
される場合が多い。特にポリアミドと他の高分子とのブ
ロック共重合体は数多くあるが、ポリオキシエチレンを
ブロック共重合体の相手方としたものは今日まで生み出
されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリオキシエチレンは
柔軟な分子構造を有し、熱可塑性弾性体であり、かつイ
オン伝導体となることが知られている。しかしながら、
このポリオキシエチレンを膜とした場合、非常に脆く使
用に困難を生じている。一方、芳香族ポリアミドは耐熱
性が高く、かつ分子間相互作用が強いため強靱な膜が得
られるが、柔軟性に乏しいばかりでなく溶媒溶解性が悪
く、使用上また加工性に問題があり、その使用分野が制
限されている。更に、これら相反する性質の高分子材料
を共重合化して相補うことは可能であるが、この共重合
体を他の高分子材料と複合化して使用する場合、他の高
分子との反応性がないために相溶性が悪く、接着力が不
十分である等の問題から、その共重合体の特性が十分に
発揮出来ない問題がある。本発明は上述した欠点の解消
をするものであり、特に耐熱性と強靱性に優れた芳香族
ポリアミドと、柔軟性に優れかつイオン導電性を有する
ポリオキシエチレンとを共重合化した制電機能を持つ耐
熱性エラストマーであって、かつ他の高分子材料と容易
に複合化可能な反応性官能基をもつブロック共重合体と
その製造方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記一般式で示すポ
リオキシエチレンと下記一般式で示すフェノール性水酸
基を含有するポリアミドとを共重合化することにより目
的の化合物が得られることを見いだし、本発明を完結す
るに至った。すなわち、本発明は、両末端にカルボキシ
ル基を有するポリオキシエチレンと、両末端にアミノア
リール基を有するフェノール性水酸基含有ポリアミドと
の重縮合体であって、下記一般式(I)で示すブロック
単位(A)と下記一般式(II)で示すブロック単位
(B)とから成ることを特徴とするフェノール性水酸基
含有ポリアミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体
である。
【化7】
【化8】
【0005】(式中、m=1〜300の整数、n=0〜
400の整数、1=1〜400の整数、1/(1+n)
=0.01〜1、qは1〜40の整数、Ar1 は下記一
般式(III)で示される構造を有する二価の芳香族基、A
2 はフェノール性水酸基を含有する二価の芳香族基、
Rは二価の有機基を示す。)
【化9】 (式中のZはC,Nを示し、Yは直接結合、>C=O、
−S−、−SO 2 −、−C(CH 3 2 −、−CH
2 −、−O−、−C(CF 3 2 −、XはH−、CH 3
−、またはHO−を示す。)
【0006】本発明のフェノール性水酸基含有ポリアミ
ド−ポリオキシエチレンブロック共重合体は、下記一般
式(IV)で示す両末端にカルボキシル基を有するポリオ
キシエチレンと下記一般式(V)で示す両末端にアミノ
アリール基を有するフェノール性水酸基含有ポリアミド
とを芳香族亜リン酸エステルとピリジン誘導体の存在下
で重縮合させることによって製造することができる。
【化10】 (式中、m=1〜300の整数)
【化11】 (式中、n=0〜400の整数、l=1〜400の整
数、1/(1+n)0.01〜1、qは1〜40の整
数、Ar1 は前記一般式(III)で示される構造を有する
二価の芳香族基、Ar2 はフェノール性水酸基を含有す
る二価の芳香族基、Rは二価の有機基を示す。)
【0007】本発明において、ブロック単位(A)の構
成に使用される両末端にカルボキシル基を有するポリオ
キシエチレンは、如何なる方法により製造されたもので
もよい。この様な化合物として、川研ファインケミカル
社から、PEC酸#400、PEO酸#1000、PE
O酸#4000等が市販されており、これらを使用する
ことが出来る。
【0008】本発明のフェノール性水酸基含有ポリアミ
ド−ポリオキシエチレンブロック共重合体の製造に使用
される上記一般式(V)で示される両末端にアミノアリ
ール基を有するフェノール性水酸基含有ポリアミドは、
下記一般式(VI)で示される芳香族ジアミンと、下記一
般式(VII)で示されるジカルボン酸またはその誘導体、
下記一般式(VIII) で示されるフェノール性水酸基を含
有する芳香族ジカルボン酸またはその誘導体とを下記反
応式(IX)に従って反応させることにより製造することが
出来る。
【化12】 (Ar1 、Ar2 、Rは前記と同意義を有し、nとlは
平均重合度を示す)
【0009】この場合、得られる上記一般式(V)で示
されるフェノール性水酸基含有ポリアミドの平均重合度
nと1は、生成するブロック共重合体の機械的強度や特
性に大きく影響し、好ましくは、nは0〜400、1は
1〜400の範囲が好ましい。そして、上記の如く一般
式(IV)で示される両末端にカルボキシル基をポリオキ
シエチレンと一般式(V)で示されるフェノール性水酸
基含有ポリアミドとの縮合によって得られるフェノール
性水酸基含有ポリアミド−ポリオキシエチレンブロック
共重合体は下記一般式(X)で示される前記ブロック単
位(A)と(B)からなる構造を有する。
【化13】 (Ar1 、Ar2 、Rは前記と同意義を有し、m、nと
1は重合度を示す。)
【0010】本発明において使用される上記一般式(V
I)で示される芳香族ジアミンH2 N−Ar1 −NH2
としては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジ
アミン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′
−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルフィド、3,3′−ジメチル−4,4′
−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノ
ジフェニルベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾ
フェノン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノベ
ンゾフェノン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、
4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメ
トキシ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,
2′−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2′
−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2′−ビ
ス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジ
アミノビフェニル、1,4−ジアミノナフタレン、1,
4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレ
ン、2,6−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノピ
リジン、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ
ピリジン等があり、これらを単独又は混して使用するこ
とができる。
【0011】本発明において使用される上記一般式(VI
I)で示されるジカルボン酸HOOC−R−COOHとし
ては、前記の様にRで示される二価の有機酸として脂肪
族、脂環式、芳香族等を含むものなら、いずれも本発明
に適用できる。例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、3,
3′−メチレン二安息香酸、4,4′−メチレン二安息
香酸、4,4′−オキシ二安息香酸、4,4′−チオ二
安息香酸、3,3′−カルボニル二安息香酸、4,4′
−カルボニル二安息香酸、4,4′−スルホン二安息香
酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボンン
酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ウンデンカン酸、1,3−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、アロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、ア
ジピン酸、1,10−デカンジカルボン酸、フェニルア
ロン酸、ベンジルマロン酸、フェニルスクシン酸、3−
フェニルグルタル酸、ホモフタル酸、1,3−フェニレ
ン二酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、4−カルボキシ
ルフェニル酢酸、5−ブロモ−N−(カルボメチル)ア
ントラニル酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼ
ン二酢酸、m−カルボキシシナモン酸等のジカルボン
酸、2,6−ピリジノジカルボン酸またはこれらの誘導
体を挙げることが出来るが、これらに限定されるもので
はない。また、これらの単独または複数併用し実施して
も良い。
【0012】更に、本発明で使用される上記一般式(VI
II)で示されるフェノール性水酸基含有ジカルボン酸成
分HOOC−Ar2 −COOHとしては、5−ヒドロキ
シイソフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒ
ドロキシフタル酸、3−ヒドロキシフタル酸、2−ヒド
ロキシテレフタル酸等があるが、これらに限定されるも
のではない。
【0013】本発明において、フェノール性水酸基含有
ポリアミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体を製
造するためには、前記一般式(IV)で示される両末端に
カルボキシル基を有するポリオキシエチレンと、上記一
般式(V)で示される両末端にアミノアリール基を有す
るフェノール性水酸基を含有するポリアミドとを重縮合
させるが、その重縮合反応は、両原料成分を単に混合加
熱しても実施することが出来るが、その場合には重縮合
反応を高温下で行う必要があり、その結果、アミド交換
反応や、フェノール性水酸基との諸反応がおこるので好
ましくない。従って、本発明では、芳香族亜リン酸エス
テルとピリジン誘導体の存在下で実施することが好まし
い。芳香族亜リン酸エステルとピリジン誘導体の存在下
で重縮合反応を実施する場合には、重縮合反応に際して
高温を必要とせず、アミド交換反応やフェノール性水酸
基の諸反応を避けることができ、構造の規制されたブロ
ック共重合体を容易に製造することができる大きな利点
を有している。
【0014】ブロック共重合体を製造するために使用す
る芳香族亜リン酸エステル系縮合剤としては、亜リン酸
トリフェニル、亜リン酸ジリフェニル、亜リン酸トリ−
o−トリル、亜リン酸ジ−o−トリル、亜リン酸トリ−
m−トリル、亜リン酸ジ−m−トリル、亜リン酸トリ−
p−トリル、亜リン酸ジ−p−トリル、亜リン酸トリ−
p−クロロフェニル、亜リン酸ジ−p−クロロフェニル
等を挙げることが出来るが、本発明ではこれらに限定さ
れるものではない。更に、本発明において亜リン酸エス
テルと共に使用されるピリジン誘導体として、ピリジ
ン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,
4−ルチジン、2,5−ルチジン、3,5−ルチジン等
を挙げることができる。
【0015】本発明においては、上記縮合反応を亜リン
酸エステルとピリジン誘導体の存在下に重縮合を行なわ
しめるが、この反応に際しては、通常ピリジン誘導体を
含む混合溶媒を用いる溶液重合法が採用される。これで
使用される有機溶媒は、反応成分や亜リン酸エステルと
実質的に反応しない溶媒という点において制限を受ける
が、この他に反応成分に対する良溶媒であって、しかも
反応生成物であるブロック共重合に対する良溶媒である
ことが望ましい。この様な有機溶媒の代表的なものとし
て、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が用いら
れる。
【0016】本発明において重合度の大きいブロック共
重合体を得るためには、塩化リチウム、塩化カルシウム
等の無機塩類をこの反応系に添加してもよい。
【0017】本発明の製造方法をさらに詳しく説明す
る。本発明のフェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリ
オキシエチレンブロック共重合体を得るためには、前記
一般式(VII)で示されるジカルボン酸と前記一般式(VI
II)で示されるフェノール性水酸基含有ジカルボン酸と
から成るジカルボン酸成分と過剰量の一般式(VI)で示
される芳香族ジアミンとを、前記亜リン酸エステルとピ
リジン誘導体の存在下に、N−メチル−2−ピロリドン
等の有機溶媒中で、窒素等の不活性雰囲気下加熱攪拌す
ることによりフェノール性水酸基含有ポリアミドを合成
する。この様にして得られるポリアミド溶液に、更に、
一般式(IV)で示される両末端にカルボキシル基を有す
るポリオキシエチレンを添加、加熱して上記ポリアミド
と重縮合を行い本発明のフェノール性水酸基含有ポリア
ミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体を得る。こ
れらの重縮合で使用する亜リン酸エステル縮合剤の量
は、通常カルボキシル基に対して等モル量以上である
が、30倍モル量以上の使用は経済的ではない。また、
ピリジン誘導体の量は、カルボキシル基に対して等モル
量以上であることが必要であるが、実際には反応溶媒と
しての役割を含めて大過剰の量を使用することが好まし
い。
【0018】本発明において、ピリジン誘導体とN−メ
チル−2−ピロリドン等の有機溶媒との混合溶媒を使用
する場合、その使用量は、反応成分すなわちポリアミド
と両末端にカルボキシル基を有するポリオキシエチレン
を5〜30重量%含むような量であることが好ましい。
【0019】本発明において、反応温度は通常60〜1
40℃の範囲が好ましい。反応時間は、反応温度によっ
て大きく影響されるが、最高の重合度を意味する最高粘
度が得られるまで反応系を攪拌するのが好ましく、多く
の場合数分から20時間の間である。反応終了後、更に
再沈澱法により精製を行って副生成物や無機塩類等を除
去することにより、本発明のフェノール性水酸基含有ポ
リアミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体を得る
ことができる。
【0020】本発明のフェノール性水酸基含有ポリアミ
ド−ポリオキシエチレンブロック共重合体の場合、両末
端にカルボキシル基を有するポリオキシエチレンとフェ
ノール性水酸基含有ポリアミドとの組成比、すなわち、
請求項1で規定するブロック単位(A)とブロック単位
(B)は、それぞれの仕込み量によって決まるが、一般
には両末端にカルボキシル基を有するポリオキシエチレ
ンの組成比が増加するに従い弾性率、溶媒溶解性が増加
するが、耐熱性は低下する。また、上記反応条件下で、
反応成分を等モル量使用すると前記一般式(X)で示さ
れる平均重合度qが1〜40のブロック共重合体を製造
することができるが、平均重合度が40を越えると加工
性の点で好ましくない。
【0021】
【実施例】以下、更に本発明の実施例について述べる。
ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】実施例1 イソフタル酸 0.831g(5ミリモル)、5−ヒド
ロキシイソフタル酸0.911g(5ミリモル)、3,
4′−オキシジアニリン 2.202g(11ミリモ
ル)、塩化リチウム0.33g、塩化カルシウム 1.
01g、N−メチル−2−ピロリドン20ml、ピリジ
ン3mlを100mlの3ツ口丸底フラスコの中に入
れ、攪拌溶解させた後、亜リン酸トリフェニル 6.2
gを加えて、100℃で2時間反応させて、両末端がア
ミノアリール基を有するポリアミドを生成させた。これ
に両末端にカルボキシル基を有するポリオキシエチレン
(平均分子量:950〜1050、川研ファインケミカ
ル社製、POE#1000)10.0g(1ミリモル)
を20mlのピリジンに添加し、反応器中に加えて、更
に4時間反応させた。室温まで放冷させた後、この反応
液を1lのメタノール中に投入し、ポリオキシエチレン
部分を50重量%含有する本発明のフェノール性水酸基
含有ポリアミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体
を析出させた。得られた該ブロック共重合体の固有粘度
は0.34dl/g(ジメチルアセトアミド、30℃)
であった。このブロック共重合体の赤外スペクトル(ア
ナレクト社製、FX6160にて測定)は、1230と
1100cm-1付近に−O−を対応する吸収を、165
7cm-1付近にアミドカルボニル基に基ずく吸収を示し
た。
【0023】実施例2 実施例1で使用したイソフタル酸 0.831g(5ミ
リモル)を5−ヒドロキシイソフタル酸 0.910g
(5ミリモル)に代えて、ジカルボン酸成分として5−
ヒドロキシイソフタル酸の量を1.821g(10ミリ
モル)にして、実施例1と全く同じ操作を行い、本発明
のフェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリオキシエチ
レンブロック共重合体を析出した。得られた該ブロック
共重合体の固有粘度は0.52dl/g(ジメチルアセ
トアミド、30℃)であった。このブロック共重合体の
赤外スペクトルは、1232と1101cm-1付近に−
O−に対応する吸収を、1660cm-1付近にアミドカ
ルボニル基に基ずく吸収を示した。
【0024】実施例3 実施例1における3,4′−オキシジアニリンを3,
3′−ジアミノベンゾフェノン2.33g(11ミリモ
ル)に代えた以外は実施例1と全く同じ操作を行い、本
発明のフェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリオキシ
エチレンブロック共重合体を析出した。得られた該ブロ
ック共重合体の固有粘度は0.60dl/gであった。
このブロック共重合体の赤外スペクトルは、1229と
1098cm-1付近に−O−に対応する吸収を、165
6cm-1付近にアミドカルボニル基に基ずく吸収、17
20cm-1付近にケトンに基ずく吸収を認めた。
【0025】実施例4 実施例1における3,4′−オキシジアニリンをビス
(3−アミノフェニル)スルフィド2.379g(11
ミリモル)に代えた以外は実施例1と全く同じ操作を行
い、本発明のフェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリ
オキシエチレンブロック共重合体を析出させた。得られ
た該ブロック共重合体の固有粘度は0.53dl/gで
あった。このブロック共重合体の赤外スペクトルは、1
230と1100cm-1付近に−O−に対応する吸収
を、1658cm-1付近にアミドカルボニル基に基ずく
吸収、1425cm-1付近に−S−に基ずく吸収を認め
た。
【0026】実施例5 実施例1における3,4′−オキシジアニリンをビス
(3−アミノフェニル)スルホン2.731g(11ミ
リモル)に代えた以外は実施例1と全く同じ操作を行
い、本発明のフェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリ
オキシエチレンブロック共重合体を析出させた。得られ
た該ブロック共重合体の固有粘度は0.59dl/gで
あった。このブロック共重合体の赤外スペクトルは、1
230と1100cm-1付近に−O−に対応する吸収
を、1658cm-1付近にアミドカルボニル基に基ずく
吸収、1217と1368cm-1付近に−SO2 −に基
ずく吸収を認めた。
【0027】実施例6 実施例1における3,4′−オキシジアニリンをビス
(4−アミノフェニル)メタン2.218g(11ミリ
モル)に代えた以外は実施例1と全く同じ操作を行い、
本発明のフェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリオキ
シエチレンブロック共重合体を析出させた。得られた該
ブロック共重合体の固有粘度は0.53dl/gであっ
た。このブロック共重合体の赤外スペクトルは、123
2と1103cm-1付近に−O−に対応する吸収を、1
660cm-1付近にアミドカルボニル基に基ずく吸収を
認めた。
【0028】実施例7 実施例1における3,4′−オキシジアニリンを2,
2′−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン3.677g(11ミリモル)に代えた以外は実施
例1と全く同じ操作を行い、本発明のフェノール性水酸
基含有ポリアミド−ポリオキシエチレンブロック共重合
体を析出させた。得られた該ブロック共重合体の固有粘
度は0.53dl/gであった。このブロック共重合体
の赤外スペクトルは、1230と1100cm-1付近に
−O−に対応する吸収を、1658cm-1付近にアミド
カルボニル基に基ずく吸収、1300cm-1付近に−C
−Fに基ずく吸収を認めた。
【0029】実施例8 実施例1で使用した両末端にカルボキシル基を有するポ
リオキシエチレンを平均分子量:2500〜3500
(川研ファインケミカル社製、POE#3000)3
0.0g(1ミリモル)に代えた以外は実施例1と全く
同じ操作を行い、本発明のフェノール性水酸基含有ポリ
アミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体を析出さ
せた。得られた該ブロック共重合体の固有粘度は0.3
3dl/gであった。このブロック共重合体の赤外スペ
クトルは、1228と1108cm-1付近に−O−に対
応する吸収を、1657cm-1付近にアミドカルボニル
基に基ずく吸収を認めた。
【0030】
【発明の効果】本発明は上記実施例に示すとおり、従来
公知でない全く新規なブロック共重合体を提供するもの
であり、かつ、その特性は弾性もあり、導電性で、他の
高分子との相溶性もよく、かつ溶剤にも可溶性の共重合
体を容易に得ることができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両末端にカルボキシル基を有するポリオ
    キシエチレンと、両末端にアミノアリール基を有するポ
    リアミドとの重縮合体であって、下記一般式(I)で示
    されるブロック単位(A)と、下記一般式(II)で示さ
    れるブロック単位(B)とから成ることを特徴とするフ
    ェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリオキシエチレン
    ブロック共重合体。 【化1】 【化2】 (式中、m=1〜300の整数、n=0〜400の整
    数、1=1〜400の整数、1/(1+n)=0.01
    〜1 、qは1〜40の整数、Ar1 は下記一般式(III)
    で示される構造を有する二価の芳香族基、Ar2 はフェ
    ノール性水酸基を含有する二価の芳香族基、Rは二価の
    有機基を示す) 【化3】 (式中のZはC,Nを示し、Yは直接結合、>C=O、
    −S−、−SO2 −、−C(CH3 2 −、−CH
    2 −、−O−、−C(CF3 2 −、XはH−、CH3
    −またはOH−を示す。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(IV)で示される両末端にカ
    ルボキシル基を有するポリオキシエチレンと、 【化4】 (式中、m=1〜300の整数)下記一般式(V)で示
    される両末端にアミノアリール基を有する芳香族ポリア
    ミド 【化5】 (式中、n=0〜400の整数、1=1〜400の整
    数、1/(1+n)0.01〜1、qは1〜40の整
    数、Ar1 は下記一般式(III)で示される構造を有する
    二価の芳香族基、Ar2 はフェノール性水酸基を含有す
    る二価の芳香族基、Rは二価の有機基を示す。) 【化6】 (式中のZはC,Nを示し、Yは直接結合、>C=O、
    −S−、−SO 2 −、−C(CH 3 2 −、−CH
    2 −、−O−、−C(CF 3 2 −、XはH−、C
    3 、またはHO−を示す。)とを、芳香族亜リン酸エ
    ステルとピリジン誘導体の存在下で重縮合させることを
    特徴とする芳香族ポリアミド−ポリオキシエチレンブロ
    ック共重合体の製造方法。
JP3203609A 1991-07-19 1991-07-19 フェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP2548642B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3203609A JP2548642B2 (ja) 1991-07-19 1991-07-19 フェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3203609A JP2548642B2 (ja) 1991-07-19 1991-07-19 フェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0525270A JPH0525270A (ja) 1993-02-02
JP2548642B2 true JP2548642B2 (ja) 1996-10-30

Family

ID=16476876

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3203609A Expired - Fee Related JP2548642B2 (ja) 1991-07-19 1991-07-19 フェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2548642B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002129101A (ja) * 2000-10-20 2002-05-09 Nippon Kayaku Co Ltd ポリアミド樹脂含有ワニス及びその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0525270A (ja) 1993-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Liaw et al. Synthesis and properties of polyamides derived from 1, 4‐bis (4‐aminophenoxy)‐2‐tert‐butylbenzene
EP0388243B1 (en) Block copolymer and method of producing the same
JP2548642B2 (ja) フェノール性水酸基含有ポリアミド−ポリオキシエチレンブロック共重合体およびその製造方法
JP3053940B2 (ja) 芳香族ポリアミド−ポリシロキサン系共重合体およびその製造方法
JP2775378B2 (ja) ポリシロキサン−芳香族ポリアミド系共重合体の製造方法
JP2745381B2 (ja) スルホン酸基含有ポリアミドの製造方法
JP3051537B2 (ja) フェノール性水酸基を含有するジブロック共重合体およびその製造方法
JP3091784B2 (ja) 新規ポリアミドおよびその製造方法
JP2759679B2 (ja) ポリシロキサン―ポリアミド系ブロック共重合体
JP2511353B2 (ja) フェノ―ル性水酸基を含有するトリブロック共重合体およびその製造方法
JP3051521B2 (ja) フェノール性水酸基を有する構造の規制されたジブロック共重合体およびその製造方法
JP2800127B2 (ja) ポリアミド樹脂
JP3036867B2 (ja) 新規ポリアミドおよびその製造方法
JP2949525B2 (ja) ポリアミド樹脂
JP2524271B2 (ja) フェノ―ル性水酸基を有する構造の規制されたトリブロック共重合体およびその製造方法
JP3022605B2 (ja) ポリアミド−水素添加型アクリロニトリル変性ポリブタジエン系ブロック共重合体およびその製造方法
JPS61293224A (ja) ポリシロキサン−ポリアミド系マルチブロツク共重合体及びその製造方法
JPH075728B2 (ja) ポリアミド―水素添加型ポリブタジエン系ブロック共重合体及びその製造方法
JP3022606B2 (ja) ポリアミド−水素添加型アクリロニトリル変性ポリブタジエン系共重合体およびその製造方法
JP2949516B2 (ja) ブロック共重合体およびその製造方法
JPH0689150B2 (ja) ブロック共重合体およびその製造方法
JPH06239992A (ja) ポリアミド系重合体及びその製造方法
JPH05287078A (ja) ブロック共重合体及びその製造方法
JPH07116291B2 (ja) フェノール性水酸基を含有するブロック共重合体およびその製造方法
JP2696655B2 (ja) ポリアミド系重合体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960528

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees