JP3036867B2 - 新規ポリアミドおよびその製造方法 - Google Patents

新規ポリアミドおよびその製造方法

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JP3036867B2
JP3036867B2 JP3039873A JP3987391A JP3036867B2 JP 3036867 B2 JP3036867 B2 JP 3036867B2 JP 3039873 A JP3039873 A JP 3039873A JP 3987391 A JP3987391 A JP 3987391A JP 3036867 B2 JP3036867 B2 JP 3036867B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性を有する溶融成
形可能な新規なポリアミド類およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来より芳香族ジアミン或は芳香族ジイソ
シアナートと、芳香族ジカルボン酸ジクロリド、または
芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸ジクロリ
ドまたは脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体との反応に
より得られる各種ポリアミドは、種々の優れた物性や良
好な耐熱性のために、それらの特徴を生かしたポリアミ
ドが開発されている。特に耐熱性が要求される分野に広
く用いられることが期待されている。
【0003】しかしながら従来開発されてきた芳香族ポ
リアミドは、優れた機械特性、耐熱性を有したものが多
くあるものの、いづれも成形加工性にとぼしくまた吸水
率が高いという欠点を有していた。例えば下記式(I
V)(化3)
【0004】
【化3】 で表わされる様な基本骨格からなる全芳香族ポリアミド
(デュポン社製;商品名Kevlar)は、難燃性、耐
熱性や高強力・高弾性率等の優れた特性を有するもの
の、明瞭なガラス転移温度を有せず、熱分解温度が43
0℃程度であり加工温度と熱分解温度が近接しており、
成形材料として用いる場合には加工がむずかしく、湿式
紡糸法による繊維、又はパルプ等の分野に利用されてい
るにすぎない。そのため、それらの欠点を改良するため
脂肪族ジアミンあるいは脂肪族ジカルボン酸を用い、分
子鎖中に導入することにより成形性の改良を試みてい
る。例えば、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸との
反応で得られるポリアミド、下記式(V)(化4)
【0005】
【化4】 で表わされる様な基本骨格からなる繰り返し構造の半分
が芳香族構造のポリアミドは、U.S.P271562
0号およびU.S.P2742496号により公知であ
る。これらのポリアミドは、高温における寸法安定性が
多くの用途に対して不充分であった。
【0006】また、脂環族ジアミンと脂肪族ジカルボン
酸との反応で得られるポリアミドとしては、例えば下記
式(VI)(化5)
【0007】
【化5】 で表わされる様な基本骨格からなる繰り返し構造の半分
が脂環構造から成るポリアミド(三菱互斯化学社製;商
品名RENY)はガラス転移温度93℃、融点 243℃を示
し酸素ガスバリヤー性に優れていることが報告されてい
る。
【0008】一方、アミノ基が芳香族環に直結した芳香
族ジアミンと芳香族酸クロリドとの反応で得られるポリ
アミドとしては、例えば、下記式(VII)(化6)
【0009】
【化6】 で表わされる様な基本骨格からなる全芳香族ポリアミド
(デュポン社製;商品名Nomex)が知られている。
【0010】前述した式(IV)(商品名Kevla
r)は、P−配向性のポリアミドである。式(VII)で
表されるポリアミドは明瞭なガラス転移温度(Tg=2
80℃)を有し、またTm490℃とかなり向上してい
るものの、流動性を改良するために各種の添加剤を使用
して加熱成形も行われている。この場合、添加剤の使用
に伴ない、成形物の物性を損わない範囲内で加工性を改
良させることは困難であった。
【0011】この様に、出発原料である一方の原料(芳
香族)ジアミン類を代えることにより、ガラス転移温
度、融点、熱分解温度並びにポリアミド樹脂の加工性に
大きく差が生じるため、各社共、新規ポリアミドの開発
に注力しているところである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ジア
ミンとして新規な脂環族ジアミンを用いることにより、
芳香族ポリアミドが本来有する優れた耐熱性および加工
性に加え、非晶質で無色透明な多目的用途に使用可能で
ある全く新規な脂環族ポリアミドを得ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために鋭意検討した結果、新規なポリアミドを
見い出した。即ち、本発明は、下記一般式(I)(化
7)で表わされる繰り返し単位を有するポリアミドであ
る。
【0014】
【化7】 (式中、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル
を表わし、は−(CH2m −で示されるアルキレ
ン鎖でm=2〜10の整数を表わす。)本発明のポリア
ミドは、下記一般式(II)(化8)で表わされるジア
ミン
【0015】
【化8】 (式中、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル
基)と一般式(III)で表わされる二塩基酸又はその誘導
体 MOC−X−COM (III) (Xは−(CH2m −で示されるアルキレン鎖でm=
2〜10の整数を表わし、Mは水酸基、ハロゲン原子また
は炭素数1〜4のアルコキシ基を表わす。)を重合させ
て得られる新規なポリアミドの製造方法である。
【0016】本発明で用いられる一般式(II)で表わ
されるジアミンは、本発明者らが先に提案した方法に準
じて以下のようにして製造することができる。即ち、下
記一般式(VIII)(化9)で表わされるα−(アミノフ
ェニル)アルキルアミン
【0017】
【化9】 (ここで式中Rは、水素または炭素数1〜10の低級ア
ルキル基を表す)を攪拌機付SUSオートクレーブに仕
込み、ルテニウム触媒、水およびアルカリ又はアルカリ
土類金属の水酸化物を添加し、加熱する。引き続き水素
ガスを約40atmまで圧入し、温度を80〜150 の
範囲で接触還元反応させる。水素ガスの吸収が停止すれ
ば反応が終了する。反応終了後、触媒を除去し、低真空
で水、溶媒を留去し、続いて高真空で蒸留することによ
って無色透明の液体留分として得ることができる。
【0018】本発明で使用されるジアミンは、具体的に
、3−アミノシクロヘキシルメチルアミン、α−(3
−アミノシクロヘキシル)エチルアミン、α−(3−ア
ミノシクロヘキシル)プロピルアミン、α−(3−アミ
ノシクロヘキシル)ブチルアミン、α−(3−アミノシ
クロヘキシル)ペンチルアミン、α−(3−アミノシク
ロヘキシル)ヘキシルアミン、α−(3−アミノシクロ
ヘキシル)ヘプチルアミン、α−(3−アミノシクロヘ
キシル)オクチルアミン、α−(3−アミノシクロヘキ
シル)ノニルアミン、α−(3−アミノシクロヘキシ
ル)デシルアミンを用い、好ましくは、3−アミノシク
ロヘキシルメチルアミン、α−(3−アミノシクロヘキ
シル)エチルアミン、α−(3−アミノシクロヘキシ
ル)プロピルアミンである。
【0019】一方、本発明でジアミンとの反応に使用さ
れる二塩基酸又はその誘導体は、一般式(III)で表わさ
れ、具体的には、コハク酸、グルタ酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ドデカン二酸、又は、それらの酸ハライド又はエステル
等の誘導体を用いることができる。ハライドを構成する
ハロゲンとしては、F、Cl、Br、Iが用いられ、好
ましくはClである。
【0020】具体的には、コハク酸ジクロリド、グルタ
ル酸ジクロリド、アジピン酸ジクロリド、ピメリン酸ジ
クロリド、スベリン酸ジクロリド、アゼライン酸ジクロ
リド、セバシン酸ジクロリド、ドデカン酸ジクロリド等
が挙げられる。
【0021】本発明は上記したジアミンと二塩基酸又は
その誘導体を反応させて、ポリアミドが得られるが、そ
の製造方法は特に限定されるものではなく、それ自体公
知の方法が採用できる。
【0022】例えば、融点以上の温度で加熱して融解
させ、液相均一系で重縮合反応を行う融解重縮合法。
生成するポリマーが著しく高融点あるいは二重結合や分
解しやすい側鎖を有する場合、室温ないし100℃以下
の温度で重縮合反応を行う低温重縮合法。モノマーお
よびポリマーの融点の20〜30℃下付近温度で結晶状
態のまま固相で加熱して重縮合反応を行う固相縮合法。
高沸点有機溶媒中、窒素気流下200〜250℃の温
度で重縮合反応させた後、メタノールあるいはアセトン
中に投入してポリマーを沈澱させる溶液重縮合法等の方
法がある。
【0023】この方法で使用される高沸点有機溶媒とし
ては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシ
ド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、
イソキノリン、2,4−ルチジン、ピリジン、γ−ピコ
リン、β−ピコリン、α−ピコリン、2,6−ルチジ
ン、キノリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
トリペンチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,
N−ジエチルアニリン、ジクロロメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素、メチルエチルケトン、アセトン、シク
ロヘキサノン、アセトフェノン、テトラヒドロフラン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、フェ
ノール、クレゾール酸、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クロルフェノール、o−クロルフェノール等が
挙げられる。またこれらの溶媒は、反応原料モノマーの
種類および重合手法により、単独あるいは2種以上混合
して用いても良い。
【0024】溶媒の使用量は生成ポリマーの溶解度と粘
度を考慮して選択されるが、通常原料アミンに対して20
倍重量比以上が好ましい。20倍未満ではアミンの塩酸塩
の析出が多く攪拌が困難となる。なお、上限は特に制限
はないが、無闇に多量を使用することは反応器の容積効
率を低下させるのみであるため、精々、実際上は従に30
倍程度が上限である。好ましくは原料アミンの20〜30倍
重量比の範囲で使用するのが良い。
【0025】本発明において反応原料モノマーとして二
塩基酸のハロゲン化物を用いる場合、通常脱ハロゲン化
剤が併用される。使用される脱ハロゲン化剤としては、
トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルア
ミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルア
ニリン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−
ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、キノ
リン、イソキノリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウム、酸化カルシウム、酸化リチウム、エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられ
る。
【0026】脱ハロゲン化剤の使用量は化学量論量用い
れば良い。例えば脱ハロゲン化剤としてトリエチルアミ
ンを使用した場合、反応原料である二塩基酸のハロゲン
化物に対して2倍モル使用すれば良いのである。
【0027】また、反応原料モノマーとして二塩基酸類
を用いる場合は、通常、縮合剤が用いられる。使用され
る縮合剤としては、無水硫酸、塩化チオニル、亜硫酸エ
ステル、塩化ピクリル、五酸化リン、亜リン酸エステル
−ピリジン系縮合剤、トリフェニルホスフィン−ヘキサ
クロロエタン系縮合剤、プロピルリン酸無水物−N−メ
チル−2−ピロリドン系縮合剤等が挙げられる。
【0028】縮合剤の使用量は化学量論量用いれば良
い。例えば縮合剤としてプロピルリン酸無水物−N−メ
チル−2−ピロリドン溶液を使用した場合、反応原料で
ある二塩基酸に対して2倍モル使用すれば良いのであ
る。
【0029】本発明における反応温度は、反応原料モノ
マーの種類、重合手法、溶媒の種類、脱ハロゲン化剤の
種類、縮合剤の種類により異なるが、通常、−15〜2
50℃程度の範囲で実施される。
【0030】具体的には、反応原料として二塩基酸のハ
ロゲン化物を用いて反応させる場合、好ましくは、窒素
気流下−15〜80℃の範囲で実施される。この場合、
原料装入時に発熱を伴うため、発熱の伴う反応の前半を
比較的低温で行い、反応の後半をより温度を上げて行
い、反応を十分に完結することが好ましい。即ち、上記
温度で的確に実施するためには、場合によっては予め温
度を−30〜0℃程度まで冷却しておくことが好まし
い。
【0031】一方、反応原料として二塩基酸を用いて反
応させる場合、反応温度は150〜250℃程度の範囲
で実施される。
【0032】反応時間は、反応原料モノマーの種類、重
合手法、溶媒の種類、脱ハロゲン化剤の種類、縮合剤の
種類および反応温度により異なるが、通常、一般式
(I)で表されるポリアミドの生成が完了するに十分な
時間反応させる。これは、通常1〜24時間程度であ
る。
【0033】具体的には、反応原料として二塩基酸のハ
ロゲン化物を用いる場合は、−10〜10℃で2〜10
時間程度、さらに20〜30℃で3〜15時間程度反応
させる。
【0034】また、反応原料として二塩基酸を用いる場
合は、例えばコハク酸(融点181〜185℃)、グル
タル酸(融点97.5℃)、アジピン酸(融点153
℃)、ピメリン酸(融点105℃)、スベリン酸(融点
144℃)、アゼライン酸(融点107℃)、セバシン
酸(融点134℃)、ウンデカン二酸(融点111
℃)、ドデカン二酸(融点128℃)の各融点下に流動
性を保ちながら、窒素気流下にジアミンを入する。ジ
アミン滴下時間は2〜10時間程度であれば充分であ
り、好ましくは、3〜5時間程度である。この際、滴下
温度は二塩基酸の融点から50℃を超えない範囲で滴下
することが好ましい。融点温度を大幅に超えて実施する
ことは二塩基酸の熱安定性からいって好ましくない。反
応温度および反応時間は130〜290℃で水の留出が
なくなるまで実施するが、概ね2〜10時間程度の範囲
で実施される。
【0035】以上のように反応させた後、通常、反応液
は粘稠なポリマー溶液となっているので、本発明の方法
において、有機溶媒中で重合させた場合、ポリアミドを
単離するには、反応後必要に応じて、析出している脱ハ
ロゲン化剤の塩を濾別した後(あるいは脱ハロゲン化剤
の塩を溶解する溶媒であれば濾別せずに)ポリマー溶液
を溶媒中に投入して、ポリアミドの結晶を析出させ濾
過、洗浄、乾燥することによりポリアミドが得られる。
【0036】上記のポリアミドの結晶を析出させるため
に用いられる溶媒としては、例えば水、あるいはメタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソーブタノール、tert−ブ
タノールなどのアルコール類またはアセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ンなどのケトン類が一般に使用される。
【0037】本発明におけるポリアミドは、後記条件で
測定した対数粘度が0.3〜1.0dl/gのポリアミ
ドであり、優れた耐熱性に加え熱可塑性を具備し、さら
に非晶質でガラス転移温度が250〜280℃と高く、
また熱分解に対する安定性に優れているため、溶融紡
糸、プラスチック、フィルムなどの溶融成形が可能であ
り、多目的用途に活用が期待できる極めて有用な全く新
規な脂環族ポリアミドである。
【0038】本発明のポリアミドを溶融成形に供する場
合、本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹
脂、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリアリレート、ポリイミド、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、
ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、変性ポリフェ
ニレンオキシドなどを目的に応じて適当量を配合するこ
とも可能である。
【0039】またさらに通常の樹脂組成物に使用する次
のような充填剤などを、発明の目的を損なわない程度で
用いてもよい。すなわちグラファイト、カーボンランダ
ム、ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素樹脂などの耐
摩耗性向上材、ガラス繊維、カーボン繊維、ボロン繊
維、炭化ケイ素繊維、カーボンウィスカー、アスベス
ト、金属繊維、セラミックス繊維などの補強材、三酸化
アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの
難燃性向上剤、クレー、マイカなどの電気的特性向上
材、アスベスト、シリカ、グラファイトなどの耐トラッ
キング向上剤、硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カル
シウムなどの耐酸性向上剤、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウ
ム粉、銅粉などの熱伝導度向上剤、その他ガラスビー
ズ、ガラス球、タルク、ケイ藻土、アルミナ、シラスバ
ルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色料などである。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、実施例の物性は、以下の様な手法により
測定した。 対数粘度;ポリアミド粉0.50gを濃硫酸20mlに
溶解させた後、35℃において測定 ガラス転移温度(Tg);DSC(島津DT−40シリ
ーズDSC−41M)により測定 5%重量減少温度;空気中にて、DTA−TG(島津D
T−40シリーズ、DTG−40M)により測定
【0041】実施例1 攪拌装置、窒素導入管を備えた容器に、窒素雰囲気下に
おいて塩化リチウム2.54g(0.060 モル) 、α−
(3−アミノシクロヘキシルエチルアミン4.35g
(0.030モル) とN−メチル−2−ピロリドン11
0gを装入し溶解させた後、トリエチルアミン6.07
g(0.060モル) を添加し、−15℃まで冷却し
た。その後、攪拌を強め、イソフタル酸ジクロリド6.
09g(0.030モル) を一括装入し、0℃で2時
間、さらに室温で1時間攪拌をつづけた。かくして得ら
れた粘稠なポリマー溶液をN−メチル−2−ピロリドン
で希釈した後濾過し、激しく攪拌しているメタノール中
に排出して白色粉末を析出させた。この白色粉末を濾別
後メタノールで洗浄し、200℃で4時間減圧乾燥して
7.35g(収率90.0%)のポリアミド粉を得た。
このポリアミド粉の対数粘度は0.65dl/gであ
り、またガラス転移温度は253.1℃(DSC法によ
り測定、以下同様)、空気中の5%重量減少温度は38
5℃(DTA−TG法により測定、以下同様)であっ
た。ここで得られたポリアミドの元素分析結果は下記の
通りであった。 元素分析値(%) (C162022 として 計算)
【0042】実施例2 攪拌装置、窒素導入管を備えた容器に、窒素雰囲気下に
おいてアジピン酸14.6g(0.1モル)を装入した
後、160℃に昇温し溶解させた。次に、α−(3−ア
ミノシクロヘキシルエチルアミン14.2g(0.1
モル)を2時間要して装入した。この間、内温を200
℃まで昇温させた(留出水2.88g、90%理論留出
量)。さらに、内温を240℃まで昇温し、240〜2
50℃で2時間反応させた(留出水0.62g、17.
2%理論留出量)。反応後、粘稠なポリマーを排出、粉
砕した。収量7.50g 収率91.8% このポリアミド粉の対数粘度は0.46dl/gであ
り、またガラス転移温度は156℃、空気中の5%重量
減少温度は370℃であった。ここで得られたポリアミ
ドの元素分析結果は下記の通りであった。 元素分析値(%) (C142422 として 計算)
【0043】実施例3 攪拌装置、窒素導入管を備えた容器に、窒素雰囲気下に
おいて塩化リチウム2.54g(0.060モル) 、
−アミノシクロヘキシルメチルアミン3.85g(0.0
30モル) とN−メチル−2−ピロリドン110gを装
入し溶解させた後、トリエチルアミン6.07g(0.
060モル) を添加し、−15℃まで冷却した。その
後、攪拌を強め、イソフタル酸ジクロリド6.09g
(0.030モル) を一括装入し、0℃で2時間、さらに
室温で1時間攪拌をつづけた。かくして得られた粘稠な
ポリマー溶液をN−メチル−2−ピロリドンで希釈した
後濾過し、激しく攪拌しているメタノール中に排出して
白色粉末を析出させた。この白色粉末を濾別後メタノー
ルで洗浄し、200℃で4時間減圧乾燥して7.29g
(収率94.1%)のポリアミド粉を得た。このポリア
ミド粉の対数粘度は0.65dl/gであり、またガラ
ス転移温度は245.6℃、空気中の5%重量減少温度
は413.7℃であった。ここで得られたポリアミドの
元素分析結果は下記の通りであった。 元素分析値(%) (C151822 として 計算)
【0044】実施例4 実施例1におけるイソフタル酸ジクロリドをテレフタル
酸ジクロリド6.09g(0.030モル)に変えた以
外は実施例1と同様に行った。 収量 7.51g 収率 91.9% このポリアミド粉の対数粘度は0.50dl/gであ
り、またガラス転移温度は270℃、空気中での5%重
量減少温度は405℃であった。ここで得られたポリア
ミドの元素分析結果は下記の通りであった。
【0045】実施例5 実施例1におけるイソフタル酸ジクロリドをアジピン酸
ジクロリド5.49g(0.030モル) に変えた以外
は、実施例1と同様に行った。 収量 7.19g 収率 95.0% このポリアミド粉の対数粘度は0.50dl/gであ
り、またガラス転移温度は161℃であった。ここで得
られたポリアミドの元素分析結果は下記の通りであっ
た。
【0046】実施例6 実施例3におけるイソフタル酸ジクロリドをテレフタル
酸ジクロリド6.09g(0.030モル)に変えた以
外は実施例3と同様に行った。 収量 7.32g 収率 94.5% このポリアミド粉の対数粘度は0.58dl/gであ
り、またガラス転移温度は260.8℃、空気中での5
%重量減少温度は415.6℃であった。ここで得られ
たポリアミドの元素分析結果は下記の通りであった。
【0047】実施例7 実施例2におけるα−(3−アミノシクロヘキシル
チルアミンを−アミノシクロヘキシルメチルアミン
3.85g(0.030モル)に変更した以外は実施例
2と同様に行った。収量7.19 収量95.0% このポリアミド粉の対数粘度は0.60dl/gであ
り、またガラス転移温度は120.7℃、空気中での5
%重量減少温度は399℃であった。ここで得られたポ
リアミドの元素分析結果は下記の通りであった。 元素分析値(%) (C132222 として 計算)
【0048】
【発明の効果】本発明は、芳香族ポリアミドが本来有す
る優れた耐熱性に加え、脂環族ジアミンと二塩基酸との
反応から得られるポリアミドは、非晶質でガラス転移温
度が高く、また熱分解に対する安定性に優れているた
め、溶融紡糸、プラスチック、フィルムなどの溶融成形
が可能であり、多目的用途に使用可能な全く新規な脂環
族ポリアミドを提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地三井 東圧化学株式会社内 審査官 天野 宏樹 (56)参考文献 特開 平4−267938(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)(化1)で表わされる
    繰り返し単位を有するポリアミド。 【化1】 (式中、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル
    を表わし、は−(CH2m −で示されるアルキレ
    ン鎖でm=2〜10の整数を表わす。)
  2. 【請求項2】 一般式(I)においてRが水素原子であ
    る請求項1記載のポリアミド。
  3. 【請求項3】 一般式(I)においてRがメチル基であ
    る請求項1記載のポリアミド。
  4. 【請求項4】 下記一般式(II)(化2)で表されるジ
    アミン 【化2】 (式中、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル
    基を示す。)と一般式(III)で表わされる二塩基酸又は
    その誘導体 MOC−X−COM (III) (Xは−(CH2m −で示されるアルキレン鎖でm=
    2〜10の整数を表わし、Mは水酸基、ハロゲン原子また
    は炭素数1〜4のアルコキシ基を表わす。)を重合させ
    ることを特徴とする請求項1記載のポリアミドの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 一般式(II)において、Rが水素原子で
    ある請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(II)が、3−アミノシクロヘキ
    ルメチルアミン、α−(3−アミノシクロヘキシル)
    エチルアミン、α−(3−アミノシクロヘキシル)プロ
    ピルアミン、α−(3−アミノシクロヘキシル)ブチル
    アミンから選ばれるα−(3−アミノシクロヘキシル)
    アルキルアミンである請求項4記載の製造方法。
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