JP3022490B2 - 洗濯機 - Google Patents

洗濯機

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JP3022490B2
JP3022490B2 JP10157280A JP15728098A JP3022490B2 JP 3022490 B2 JP3022490 B2 JP 3022490B2 JP 10157280 A JP10157280 A JP 10157280A JP 15728098 A JP15728098 A JP 15728098A JP 3022490 B2 JP3022490 B2 JP 3022490B2
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Panasonic Holdings Corp
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  • Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)
  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯兼脱水槽内で
洗濯物を洗濯する洗濯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、洗濯機は少なくとも洗濯、すすぎ
を実行するように構成しており、洗濯およびすすぎ行程
は攪拌方式が主流である。洗濯兼脱水槽に洗濯物を投入
し、所定の水位まで給水した後、パルセータによる攪拌
を行う。
【0003】このとき、攪拌は「右回転・休止・左回転
・休止」を繰り返すように構成し、右回転時・左回転時
の時間は、洗濯物が十分回転するように設定し、また、
休止時間は、洗濯物の回転が停止してから逆回転にはい
るように設定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構成では、洗濯兼脱水槽内の洗濯物をパルセ
ーターで撹拌し、水を介してまたはパルセータが直接洗
濯物に接触することにより洗濯物を回転させて洗浄して
いるため、洗浄力は高いが、洗濯物が直接パルセータに
接触するので、洗濯物が傷むという問題がある。
【0005】また、洗濯物が洗濯兼脱水槽の中で上下左
右に非常によく回転するので、洗濯終了時までに洗濯物
が非常に絡むという問題があった。洗濯物が絡むと、次
行程の脱水時にかかる遠心力で、絡んだ状態の洗濯物が
無理に引っ張られて洗濯兼脱水槽の周辺部に張り付けら
れるので、衣類の型くずれが生じる上、脱水終了後、洗
濯物を洗濯兼脱水槽から取り出すことが非常に困難であ
るという問題も有していた。
【0006】本発明は上記課題を解決するもので、洗濯
物に水の移動による力しか働かないようにして、洗濯物
が絡んだり傷んだりすることなく、洗濯物を傷めず、絡
めずに洗濯できるようにすることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、水受け槽内に洗濯兼脱水槽を回転自在に配
設して、洗濯兼脱水槽を駆動手段により駆動し、制御手
段により駆動手段等を制御するとともに、制御手段は、
洗濯兼脱水槽を回転させ、洗濯兼脱水槽内の洗濯水に与
える遠心力を変化させて、洗濯物を洗濯するよう構成し
たものである。
【0008】これにより、洗濯物には洗濯水に与える遠
心力の変化により発生する水の移動による力しか働かな
いようにでき、洗濯物が絡んだり傷んだりすることな
く、洗濯物を傷めず、絡めずに洗濯することができる。
【0009】
【発明の実態の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、水受け槽と、前記水受け槽内に回転自在に配設した
洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を駆動する駆動手段
と、前記駆動手段等を制御する制御手段とを備え、前記
制御手段は、洗濯兼脱水槽の一方向連続回転において、
前記洗濯兼脱水槽内の洗濯水に与える遠心力を周期的
変化させて、洗濯物を洗濯するよう構成したものであ
り、洗濯兼脱水槽内の洗濯物と洗濯水に働く遠心力の大
きさが一方向に連続回転させるときに周期的に変化する
ことで、洗剤によって衣類から外れ易くなっている汚れ
の内、遠心力により水より比重の大きい汚れは洗濯兼脱
水槽の周辺側へ、水より比重の小さい汚れは内側に、衣
類から引き離される。また遠心力が変化することで、洗
濯兼脱水槽内の洗濯水の表面は水平になったり、すり鉢
状になったりを繰り返し、これに伴って洗濯物は、中央
部から周辺部へ、周辺部から中央部へ移動を繰り返し、
衣類から汚れの引き離し作用を助長する。このとき、洗
濯物には、洗濯水に与える遠心力の変化により発生する
水の移動による力しか働かないようにでき、洗濯物が絡
んだり傷んだりすることはなく、洗濯物を傷めず、絡め
ずに洗濯することができる。
【0010】本発明の請求項2記載の発明は、洗濯兼脱
水槽を一方向にのみ連続回転させ、遠心力を変化させる
ことにより、洗濯物の位置を変化させず布がらみを低減
した洗濯を行うことが出来るものである。
【0011】本発明の請求項3記載の発明は、洗濯兼脱
水槽を停止させないように回転数を変化させ、遠心力を
変化させることにより、洗濯時間の短縮が図れるもので
ある
【0012】本発明の請求項4記載の発明は、上記請求
項1乃至3いずれか1項記載の発明において、洗濯兼脱
水槽内の水量を検知する水量検知手段を備え、制御手段
は、前記水量検知手段により検知した水量により洗濯兼
脱水槽の回転数を変更するよう構成したものであり、洗
濯兼脱水槽内の水量が少ないときは、回転数を高くして
洗浄力を向上することができ、また、洗浄力を上げなけ
れば洗浄時間を短縮することができる。
【0013】請求項5に記載の発明は、上記請求項1乃
至3いずれか1項記載の発明において、洗濯兼脱水槽内
の洗濯物の量を検知する布量検知手段を備え、制御手段
は、前記布量検知手段により検知した布量に基づいて水
量を変更するよう構成したものであり、洗濯兼脱水槽内
の洗濯物の量に合った水量で洗濯することができ、節
水、節洗剤を図ることができる。
【0014】請求項6に記載の発明は、上記請求項1乃
至3いずれか1項記載の発明において、制御手段は、洗
濯兼脱水槽の間欠駆動の間隔時間または回転数の変化周
期を、水量や布量、布質等に基づいて変更するよう構成
したものであり、洗濯物の量、質に合わせて、洗濯水に
与える遠心力の変化の間隔、変化周期を変更することが
でき、遠心力の変化により発生する水の移動によって、
洗濯物が絡んだり傷んだりすることはなく、洗濯物を傷
めず、絡めずに洗濯することができる。
【0015】請求項7に記載の発明は、水受け槽と、前
記水受け槽の上部に設けた水受け槽カバーと、前記水受
け槽内に回転自在に配設した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯
兼脱水槽を駆動する駆動手段と、前記駆動手段等を制御
する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記洗濯兼脱
水槽を回転させ前記洗濯兼脱水槽内の洗濯水に与える遠
心力を変化させて洗濯する第1の行程と、前記洗濯兼脱
水槽を回転させ前記水受け槽カバーと洗濯兼脱水槽の間
から洗濯兼脱水槽内へ洗濯水を散水して洗濯する第2の
行程とを有し、少なくとも前記第1の行程と第2の行程
を組み合わせて洗濯物を洗濯するよう構成したため、洗
濯物の種類等に応じてにより、それぞれの行程を行うこ
ともできるし、また洗濯物の汚れ等に応じて洗濯の中に
2行程を組み合わせることもでき、様々な洗濯に対応で
きるものである。
【0016】請求項8に記載の発明は、水受け槽と、前
記水受け槽の上部に設けた水受け槽カバーと、前記水受
け槽内に回転自在に配設した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯
兼脱水槽を駆動する駆動手段と、布量検知手段と、前記
駆動手段等を制御する制御手段とを備え、前記制御手段
は、前記洗濯兼脱水槽を回転させ前記洗濯兼脱水槽内の
洗濯水に与える遠心力を変化させて洗濯する第1の行程
と、前記洗濯兼脱水槽を回転させ前記水受け槽カバーと
洗濯兼脱水槽の間から洗濯兼脱水槽内へ洗濯水を散水し
て洗濯する第2の行程とを有し、布量に応じて前記第1
の行程と第2の行程のどちらか一方を選択して洗濯物を
洗濯するよう構成したものであり、洗濯物の量が多く、
洗濯物が洗濯水の水面下に沈まない場合でも、上から散
水しその洗濯水に遠心力を与えて汚れを洗濯物から引き
離すことができるので、少ない洗濯物から大量の洗濯物
まで、一度に傷めず洗うことができる。
【0017】請求項9に記載の発明は、水受け槽と、前
記水受け槽の上部に設けた水受け槽カバーと、前記水受
け槽内に回転自在に配設した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯
兼脱水槽の底面に回転自在に配設したパルセーターと、
前記パルセーター及び洗濯兼脱水槽を駆動する駆動手段
と、前記駆動手段等を制御する制御手段とを備え、前記
制御手段は、前記洗濯兼脱水槽を回転させ前記洗濯兼脱
水槽内の洗濯水に与える遠心力を変化させて洗濯する第
1の行程と、前記洗濯兼脱水槽を回転させ前記水受け槽
カバーと洗濯兼脱水槽の間から洗濯兼脱水槽内へ洗濯水
を散水して洗濯する第2の行程と、前記パルセーターを
回転させて洗濯する第3の行程とを有し、前記第1の行
程、第2の行程、第3の行程の少なくとも2つを組み合
わせて洗濯物を洗濯するように構成したものであり、傷
めたくない洗濯物は、第1の行程と第2行程を組み合わ
せて、少ない洗濯物から大量の洗濯物まで、一度に傷め
ず洗うことができる。また、汚れのひどい洗濯物に対し
ては、第3の行程のパルセーター撹拌を追加することに
より、汚れを十分落とすことができる。このように、傷
めたくない衣類から汚れのひどい衣類まで、また少量の
洗濯物から大量の洗濯物まで、すべての洗濯物に対応す
ることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0019】(実施例1) 図1に示すように、水受け槽1は、洗濯兼脱水槽2を内
包し、吊り棒3により洗濯機外枠4に吊り下げている。
モータ(駆動手段)5は、洗濯兼脱水槽2を駆動する。
モータ5の回転数は、制御装置6によって制御されてい
る。排水弁7は、洗濯兼脱水槽2内の洗濯液を排水し、
給水弁8は、洗濯兼脱水槽2に給水するものである。洗
濯兼脱水槽2の上部を蓋9で覆っており、洗濯兼脱水槽
2の中には、洗濯物10を収納し、その洗濯水表面11
は、洗濯兼脱水槽2が回転しているときは、すり鉢状に
なる。
【0020】制御装置6は、図2に示すように構成して
おり、制御手段12は、マイクロコンピュータにより構
成し、操作表示手段13より入力された設定内容に基づ
いて、洗い、すすぎ、脱水の各行程を逐次制御するもの
で、モータ駆動手段14、パワースイッチング手段15
を介してモータ5、給水弁8、排水弁7などを逐次制御
する。記憶手段16は制御手段12による逐次制御に必
要なデータ等を記憶している。
【0021】ロータ位置検知手段17は、モータ5から
の信号に基づいて、ロータ位置や回転数を検知する。布
量判定手段18は、ロータ位置検知手段17のデータに
基づいて布量を判定し、制御手段12に入力する。水量
検知手段19は、水受け槽1の水量を検知し、制御手段
12に入力する。電源回路20は、商用電源21を直流
に変換して、モータ駆動手段14等に直流電力を供給す
る。22は電源スイッチである。
【0022】制御手段12は、モータ5を駆動して洗濯
兼脱水槽2を回転させ、洗濯兼脱水槽2内の洗濯水に与
える遠心力を変化させて、洗濯物を洗濯するよう構成し
ている。ここで、制御手段12は、洗濯兼脱水槽2を間
欠的に回転させるか、または回転数を変化させ、洗濯兼
脱水槽2内の洗濯水に与える遠心力を変化させている。
【0023】上記構成において洗濯の動作について説明
する。図3は、洗濯時に洗濯兼脱水槽2を駆動したとき
の回転数の変化を示したものである。図3(a)は間欠的
に駆動した場合、図3(b)は周期的に回転数を変化させ
た場合である。
【0024】まず、洗濯兼脱水槽2を間欠的に回転させ
た場合について、図3および図4を用いて説明する。洗
濯兼脱水槽2が停止しているときは、図4(a)に示すよ
うに、洗濯物は洗濯兼脱水槽2の中にほぼ均一に分散
し、その洗濯水面は水平である。つぎに、図3(a)の時
刻t0から時刻t1かけて回転数を上げて行き、回転数n2
まで上げた状態で、時刻t2まで保持する。
【0025】洗濯兼脱水槽2を回転数n2で回転させる
と、洗濯兼脱水槽2内の洗濯物と洗濯水に遠心力が働
き、図4(b)に示すように、洗濯水面はすり鉢状にな
る。洗濯水の中の洗濯物に付着した汚れ成分には、その
比重が水より大きければ、回転の外側に引っ張る力が働
き、比重が水より軽ければ、内側に引っ張る力が働く。
【0026】つぎに、時刻t2でモータ5による駆動を
停止すると、洗濯兼脱水槽2の回転数は急激に低下して
時刻t3でゼロとなり、洗濯兼脱水槽2内の洗濯物と洗
濯水は、図4(a)の状態に戻り、遠心力はかからなくな
る。時刻t4から駆動を再度開始し、同じことを繰り返
すことにより、洗濯物に付着した汚れ成分には引っ張っ
たり放したりする力が繰り返しかかる。
【0027】その結果、汚れ成分は、洗剤による力と相
俟って衣類から外れ易くなり、遠心力により水より比重
の大きい汚れ成分は洗濯兼脱水槽2の周辺側へ、水より
比重の小さい汚れ成分は内側に、衣類から引き離されて
洗浄される。
【0028】また、遠心力が変化することで、洗濯兼脱
水槽2内の洗濯水の表面は、図4に示すように、水平に
なったりすり鉢状になったり変化し、これに伴って洗濯
物は、中央部から周辺部へ、周辺部から中央部へ移動を
繰り返し、押し洗い的効果で洗濯物からの汚れ成分の引
き離し作用を助長する。
【0029】このように、2つの効果で汚れ成分を洗濯
物から引き離すことができる。しかも洗濯物には、水の
移動による力しか働かず、洗濯物が絡んだり傷んだりす
ることはない。
【0030】つぎに、図3(b)に示すように、周期的に
回転数を変化させる、すなわち時刻t7で回転数がn1ま
で低下したところで、つぎの駆動を開始するようにして
回転数を周期的に変化させた場合も、前述と同様の作用
効果を得ることができる。ただし、遠心力の変化量が小
さくなる分、洗浄力が低下するが、同じ時間内に回転数
変化回数が稼げるので、ケースバイケースで異なるが、
同じ期間の洗浄力では、こちらの方が勝る場合が多い。
発明者等は、条件によって使い分けしている。
【0031】つぎに、洗濯機としての動作を図1および
図2を用いて説明する。まず、洗濯物10を洗濯兼脱水
槽2に投入し、操作表示手段13に設けたスタートスイ
ッチ(図示せず)を押すと、制御手段12の指令でモー
タ駆動手段14がモータ5を所定時間駆動する。モータ
5の駆動情報は、ロータ位置検知手段17によって検知
され、布量判定手段18に入力され、判定された布量が
制御手段12に入力される。
【0032】制御手段12は、パワースイッチング手段
15に指令して、給水弁8をオンにし、給水を始める。
水受け槽1の水量を水量検知手段19が監視し、結果を
制御手段12に入力する。制御手段12は、水量が布量
に適した量に達すると、スイッチング手段15に指令し
て給水弁8をオフにし、給水を止め洗濯行程に入る。
【0033】洗濯行程では、モータ駆動手段14に指令
して、図3(a)に示すようにモータ5を間欠的に駆動す
る。このときの最高回転数n2は、水量が多いときを基準
にし、水量が減るに従い回転数を高くするように設定し
ている。すなわち、水量が少なくなると、モータ5の負
荷が下がるので回転数を上げることが可能になること
と、回転数を上げても洗濯水が洗濯兼脱水槽2の上部か
ら飛び出さなくなるので、回転数を上げることが可能に
なる。これにより遠心力が大きくなり、洗浄力が上がる
ので、水量の少ない時の洗濯時間を短縮することができ
る。
【0034】所定時間洗浄行程を実行した後、排水弁7
を開いて排水し、すすぎ行程、脱水行程を実行し、一連
の洗濯機に動作を終了する。
【0035】このように本実施例によれば、洗濯物をほ
とんど傷めず、絡めず、型くずれせずに洗濯することが
できる。
【0036】なお、本実施例では、洗濯兼脱水槽2は、
脱水孔のあるものを前提に説明したが、孔なしの洗濯兼
脱水槽でも、同じ効果を得ることができる。
【0037】(実施例2) 図2に示す制御手段12は、洗濯兼脱水槽2の間欠駆動
の間隔時間または回転数の変化周期を、水量や布量、布
質等に基づいて変更するよう構成している。他の構成は
上記実施例1と同じである。
【0038】上記構成において衣類の種類によって洗い
方を変える場合について説明する。例えば、ウールのセ
ーターと綿の肌着では、繊維のデリケートさと汚れの質
は全く異なる。ウールのセーターでは機械力が加わる
と、繊維どうしが絡み合い、縮んでしまうが、綿の肌着
はそれほどデリケートではない。汚れについては、綿の
肌着は皮脂等で汚れているが、ウールのセーターは一般
に汚れは軽い。したがって、ウールのセーターは、洗浄
力はあまり要らないが、動かさないで洗うことが大切
で、綿の肌着は少々動かしてもよく、それよりも洗浄力
が必要である。
【0039】この2種類の衣類の具体的な洗浄方法を図
5に示す。これは洗濯兼脱水槽2の回転数をどのように
制御するかを示したもので、aは、ウールセーターを洗
う場合の回転数制御、bは、綿の肌着を洗う場合の回転
数制御である。aは、立ち上がりの回転数変化を小さく
し、繰り返し回数も少なくしてウールセーターの動きを
少なくするシーケンスにしている。bは、立ち上がりの
回転数変化を大きくすると共に繰り返し回数を多くし
て、洗浄力を上げるシーケンスにしている。このように
洗濯兼脱水槽2の回転数の変化周期を変えることによ
り、各種衣類に適した洗い方ができる。
【0040】また、水量(布量)については、水量が少
ない場合、洗濯兼脱水槽2の慣性モーメントが小さくな
るので、洗濯兼脱水槽2の回転数を小刻みに制御するこ
とが可能となるので、洗濯兼脱水槽2の回転数変化の周
期を短くし、洗浄力を上げて時間短縮する。
【0041】このように、洗濯兼脱水槽2の回転数の変
化周期を変えることにより、各種の衣類に適した洗い方
や、時間短縮をすることができる。
【0042】(実施例3) 図2に示す制御手段12は、洗濯兼脱水槽2の回転方向
を交互に反転させるよう構成している。他の構成は上記
実施例1と同じである。
【0043】上記構成において動作を説明する。本実施
例では、洗濯兼脱水槽2の回転数を図6に示すように制
御する。図6において、縦軸の回転数0を中心にして、
上方は右方向に回転数が高くなる方向、下方は左方向に
回転数が高くなる方向を示している。
【0044】まず、洗濯兼脱水槽2を右方向に回転さ
せ、慣性回転数がほぼゼロに近づいたところで、つぎに
左方向に回転させる。これを繰り返すことにより、洗濯
兼脱水槽2内の洗濯物は、上記実施例1、2で述べた一
方向に回転させるよりも、動きが大きくなり洗浄力を上
げることができる。また、慣性回転数がゼロになる前に
ブレーキをかけて反対方向に回転させれば、もっと洗浄
力をあげることができる。
【0045】このように、洗濯物の動きが大きくなって
も、洗濯物の相対位置が変わらないので、パルセーター
による洗濯のように絡むことはない。
【0046】なお、本実施例では、洗濯兼脱水槽2の回
転方向を交互に反転させるよう構成しているが、洗濯兼
脱水槽2の回転方向を複数回毎に反転させるよう構成し
ても同様の作用効果を得ることができる。
【0047】(実施例4) 図7に示すように、水受け槽カバー23は、水受け槽1
の上部に設け、洗濯兼脱水槽2が回転することによって
洗濯兼脱水槽2と水受け槽1の間を上昇してきた洗濯水
を洗濯兼脱水槽2の内部に向けて滝24を形成し、洗濯
物25、26に散水する。そのとき洗濯兼脱水槽2内の
洗濯水は、水面27のようにすり鉢状になる。
【0048】制御装置28は、図8に示すように構成し
ており、制御手段29は、操作表示手段30により入力
された設定内容に基づいて、洗い、すすぎ、脱水の各行
程を逐次制御するもので、モータ駆動手段31、パワー
スイッチング手段32を介して、モータ5、給水弁8、
排水弁7などを逐次制御する。記憶手段33は制御手段
29による逐次制御に必要なデータ等を記憶している。
【0049】ロータ位置検知手段34は、モータ5から
の信号に基づいて、ロータ位置や回転数を検知する。布
量判定手段35は、ロータ位置検知手段34のデータに
基づいて布量を判定し、制御手段29に入力する。水量
検知手段36は、水受け槽1の水量を検知し、制御手段
29に入力する。電源回路37は、商用電源21を直流
に変換して、モータ駆動手段31等に直流電力を供給す
る。22は電源スイッチである。
【0050】制御手段29は、洗濯兼脱水槽2を回転さ
せ洗濯兼脱水槽2内の洗濯水に与える遠心力を変化させ
て洗濯する第1の行程と、洗濯兼脱水槽2を回転させ水
受け槽カバー23と洗濯兼脱水槽2の間から洗濯兼脱水
槽2内へ洗濯水を散水して洗濯する第2の行程とを有
し、第1の行程と第2の行程を組み合わせて洗濯物を洗
濯するよう構成している。他の構成は上記実施例1と同
じである。
【0051】上記構成において動作を説明する。洗濯物
が多い場合の洗濯状態を図7に示す。図7より明かなよ
うに、洗濯水の水面27はすり鉢状になっており、洗濯
物26は洗濯水の中に没しているが、洗濯物25は洗濯
水から飛び出している。洗濯物26は洗濯水に遠心力の
変化を与えることにより、上記実施例1で説明したよう
に洗濯できるが、洗濯物25は、このままでは洗濯でき
ない。
【0052】そこで、本実施例の第2の行程をここで稼
働させることによって、洗濯水は水受け槽カバー23の
位置より滝24となって洗濯物25に注がれる。洗濯兼
脱水槽2が回転しているので、この洗濯水には遠心力が
与えられ、洗濯物25の中を通過して洗濯物25を洗濯
する。洗濯物が少ない場合は、上記実施例1で述べたと
同じ洗濯方法の第1の行程で洗濯する。
【0053】つぎに、第1の行程と第2の行程の使い分
けについて、実際の洗濯機の動作を説明する。洗濯物を
洗濯兼脱水槽2に投入し、操作表示手段30に設けたス
タートスイッチ(図示せず)を押すと、制御手段29の
指令でモータ駆動手段31がモータ5を所定時間駆動す
る。モータ5の駆動情報は、ロータ位置検知手段34に
よって検知され、布量判定手段35に入力され、判定さ
れた布量が制御手段29に入力される。
【0054】制御手段29は、布量判定手段35からの
入力信号と、記憶手段33のデータを比較し、第1行程
で運転するのか第2行程で運転するのかを判定し、水量
と回転数を決める。制御手段29は、パワースイッチン
グ手段32に指令して給水弁8をオンにして先に決定し
た水量まで給水した後、モータ駆動手段31に指令し
て、モータ5を先に決めた回転数で間欠的に駆動する。
【0055】このように、第1の行程と第2の行程を組
み合わせて洗濯物を洗濯することにより、布量にふさわ
しい水量で、少量の洗濯物から大量の洗濯物まで遠心力
によって傷めずに洗うことができる。
【0056】(実施例5) 図9に示すように、洗濯兼脱水槽37は、底部にパルセ
ーター38を回転自在に配設しており、モータ5によ
り、減速機構兼クラッチ39を介して、パルセーター3
8または洗濯兼脱水槽37を駆動する。モータ5の回転
数は、制御装置40によって制御されている。
【0057】制御装置40は上記実施例4と同様に、図
8に示すように構成しており、制御手段は、洗濯兼脱水
槽37を回転させ洗濯兼脱水槽37内の洗濯水に与える
遠心力を変化させて洗濯する第1の行程と、洗濯兼脱水
槽を回転させ水受け槽カバー23と洗濯兼脱水槽37の
間から洗濯兼脱水槽37内へ洗濯水を散水して洗濯する
第2の行程と、パルセーター38を回転させて洗濯する
第3の行程とを有し、第1の行程、第2の行程、第3の
行程の少なくとも2つを組み合わせて洗濯物を洗濯する
ように構成している。他の構成は上記実施例4と同じで
ある。
【0058】上記構成において動作を説明する。洗濯物
の種類や量に応じて、3つの行程の中から1つを選んで
使うか、または2つ以上の行程を組み合わせて使うよう
にする。たとえば、傷めたくない洗濯物を洗濯するとき
は、第1の行程と第2行程を組み合わせて、上記実施例
4と同様にして洗濯する。
【0059】また、汚れのひどい洗濯物に対しては、先
の第1の行程と第2の行程に第3の行程のパルセーター
38による撹拌を追加して、汚れを十分落とすようにす
る。第3の行程のパルセーター撹拌だけでもよいが、第
1の行程等と組み合わせることにより、傷みを少なくし
て洗浄力を上げることができる。
【0060】このように、傷めたくない衣類から汚れの
ひどい衣類まで、また少量の洗濯物から大量の洗濯物ま
で、すべての洗濯物に対応することができる。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、洗濯兼脱
水槽を回転させその遠心力を様々に変化させたり、その
遠心力を変化させる行程を有することにより、洗濯物の
布がらみが少なく、布傷みを非常に低減した洗濯機を提
供することが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の洗濯機の断面図
【図2】同洗濯機のブロック回路図
【図3】(a) 同洗濯機の洗濯兼脱水槽を間欠的に回転さ
せた時の動作タイムチャート (b) 同洗濯機の洗濯兼脱水槽の回転数を変化させた時の
動作タイムチャート
【図4】(a) 同洗濯機の洗濯兼脱水槽を停止したときの
要部断面図 (b) 同洗濯機の洗濯兼脱水槽を回転させたときの要部断
面図
【図5】本発明の第2の実施例の洗濯機の動作タイムチ
ャート
【図6】本発明の第3の実施例の洗濯機の動作タイムチ
ャート
【図7】本発明の第4の実施例の洗濯機の断面図
【図8】同洗濯機のブロック回路図
【図9】本発明の第5の実施例の洗濯機の断面図
【符号の説明】
1 水受け槽 2 洗濯兼脱水槽 5 モータ(駆動手段) 12 制御手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−76685(JP,A) 特開 平4−220288(JP,A) 特開 昭62−240095(JP,A) 実開 昭54−94080(JP,U) 特公 昭44−2146(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06F 33/02 D06F 21/06 D06F 23/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水受け槽と、前記水受け槽内に回転自在
    に配設した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を駆動す
    る駆動手段と、前記駆動手段等を制御する制御手段とを
    備え、前記制御手段は、洗濯兼脱水槽の一方向連続回転
    において、前記洗濯兼脱水槽内の洗濯水に与える遠心力
    周期的に変化させて、洗濯物を洗濯するよう構成した
    洗濯機。
  2. 【請求項2】 水受け槽と、前記水受け槽内に回転自在
    に配設した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を駆動す
    る駆動手段と、前記駆動手段等を制御する制御手段とを
    備え、前記制御手段は、洗濯兼脱水槽を一方向のみに回
    転させ、前記洗濯兼脱水槽内の洗濯水に与える遠心力を
    変化させて、洗濯物を洗濯するよう構成した洗濯機。
  3. 【請求項3】 水受け槽と、前記水受け槽内に回転自在
    に配設した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を駆動す
    る駆動手段と、前記駆動手段等を制御する制御手段とを
    備え、前記制御手段は、洗濯兼脱水槽を停止させないよ
    うに回転数を変化させ、前記洗濯兼脱水槽内の洗濯水に
    与える遠心力を変化させて洗濯物を洗濯する洗濯機。
  4. 【請求項4】 洗濯兼脱水槽内の水量を検知する水量検
    知手段を備え、制御手段は、前記水量検知手段により検
    知した水量により洗濯兼脱水槽の回転数を変更するよう
    構成した請求項1から3いずれか1項記載の洗濯機。
  5. 【請求項5】 洗濯兼脱水槽内の洗濯物の量を検知する
    布量検知手段を備え、制御手段は、前記布量検知手段に
    より検知した布量に基づいて水量を変更するよう構成し
    た請求項1から3いずれか1項記載の洗濯機。
  6. 【請求項6】 制御手段は、洗濯兼脱水槽の間欠駆動の
    間隔時間または回転数の変化周期を、水量や布量、布質
    等に基づいて変更するよう構成した請求項1から3いず
    れか1項記載の洗濯機。
  7. 【請求項7】 水受け槽と、前記水受け槽の上部に設け
    た水受け槽カバーと、前記水受け槽内に回転自在に配設
    した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を駆動する駆動
    手段と、前記駆動手段等を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記洗濯兼脱水槽を回転させ前記洗濯
    兼脱水槽内の洗濯水に与える遠心力を変化させて洗濯す
    る第1の行程と、前記洗濯兼脱水槽を回転させ前記水受
    け槽カバーと洗濯兼脱水槽の間から洗濯兼脱水槽内へ洗
    濯水を散水して洗濯する第2の行程とを有し、少なくと
    前記第1の行程と第2の行程を組み合わせて洗濯物を
    洗濯するよう構成した洗濯機。
  8. 【請求項8】 水受け槽と、前記水受け槽の上部に設け
    た水受け槽カバーと、前記水受け槽内に回転自在に配設
    した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽を駆動する駆動
    手段と、布量検知手段と、前記駆動手段等を制御する制
    御手段とを備え、前記制御手段は、前記洗濯兼脱水槽を
    回転させ前記洗濯兼脱水槽内の洗濯水に与える遠心力を
    変化させて洗濯する第1の行程と、前記洗濯兼脱水槽を
    回転させ前記水受け槽カバーと洗濯兼脱水槽の間から洗
    濯兼脱水槽内へ洗濯水を散水して洗濯する第2の行程と
    を有し、布量に応じて前記第1の行程と第2の行程のど
    ちらか一方を選択して洗濯物を洗濯するよう構成した洗
    濯機。
  9. 【請求項9】 水受け槽と、前記水受け槽の上部に設け
    た水受け槽カバーと、前記水受け槽内に回転自在に配設
    した洗濯兼脱水槽と、前記洗濯兼脱水槽の底面に回転自
    在に配設したパルセーターと、前記パルセーター及び洗
    濯兼脱水槽を駆動する駆動手段と、前記駆動手段等を制
    御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記洗濯兼
    脱水槽を回転させ前記洗濯兼脱水槽内の洗濯水に与える
    遠心力を変化させて洗濯する第1の行程と、前記洗濯兼
    脱水槽を回転させ前記水受け槽カバーと洗濯兼脱水槽の
    間から洗濯兼脱水槽内へ洗濯水を散水して洗濯する第2
    の行程と、前記パルセーターを回転させて洗濯する第3
    の行程とを有し、前記第1の行程、第2の行程、第3の
    行程の少なくとも2つを組み合わせて洗濯物を洗濯する
    ように構成した洗濯機。
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