JP3021647B2 - 栓付き樽 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、熱可塑性のプラスチックから成る栓付き樽
であって、上側底部に近い範囲で樽周壁に配置された環
状の支持兼搬送用リングと、前記上側底部の縁範囲に配
置された少なくとも１つの栓孔管片とが設けられてい
て、該栓孔管片が、沈み込まれた栓孔ケーシングに配置
されていて、前記栓孔管片の端面が、前記上側底部の外
面と同一平面内に位置しているか、または前記外面より
も少しだけ下に位置している形式のものに関する。

樽周壁の上側の周面範囲に配置された、樽用グリッパ
のための少なくとも１つのグリップリングと、場合によ
っては樽周面に設けられた付加的な転動用リングとを備
えた、このような形式のプラスチック製の樽は、一般に
公知である。プラスチック製の栓付き樽は種々の方法で
製造することができる。１つの製造手段では、樽がブロ
ー成形法で樽底部および支持兼搬送用リングと一体に構
成されており、この場合、支持兼搬送用リングはさらに
ブロー成形型内で、摺動可能な型スライダによって据込
み成形される（たとえばドイツ連邦共和国特許第291493
8号明細書）。別の製造手段では、円筒状の樽本体と、
支持兼搬送用リングもしくは転動用リングを備えた樽底
部とが、それぞれ別個に個別部分として前製造されて、
次いで互いに溶着されるか、または接着される（たとえ
ば米国特許第3394747号明細書）。また、支持兼搬送用
リングだけを別個の個別部分として前製造し、その後
に、ブロー成形された樽本体に溶着するか、または接着
することも既に知られている。

別の公知のプラスチック製の栓付き樽では、支持兼搬
送用リングを備えた上側底部が、着脱可能な個別部分と
して樽周壁とねじ締結されいる（たとえば米国特許第40
94432号明細書）。しかし、プラスチック製の樽は、着
脱可能な栓孔カバーと緊定リングクロージャとを備えた
広口樽として構成されていてもよい。

しかしながら、上側の支持兼搬送用リングを備えた公
知の全てのプラスチック製の樽は、共通の欠点を持って
いる。すなわち、樽上側底部における栓孔管片もしくは
栓孔ケーシングの沈み込みに基づき、このような樽の残
分排出時に問題が生じてしまう。頭を下にした逆さ位置
で樽を傾倒させた状態で樽を手で往復旋回させることに
よっても、不満足な残分排出しか得られず、それどころ
かこの場合、栓孔ができるだけ低い位置に留まるように
樽を保持しても、満足な残分排出は得られない。

欧州特許出願公開第0287966号明細書に基づき、さら
に別のプラスチック製の栓付き樽が公知である。この公
知の栓付き樽では、汎用の傾斜位置においてできるだけ
残分なしの樽排出を得るために、容器壁の近くに排出用
栓孔管片が配置されている。この公知の構成では、栓孔
管片ケーシングが凹部として形成されている場合でも、
側方で外部から樽に作用する力に対して栓孔管片がほと
んど保護されていないことが不都合であるとみなされ
る。

栓孔管片範囲の周囲で樽の弾性率を高めるためには、
樽壁から間隔をおいて配置された栓孔管片を備えた汎用
の樽の場合には管片部分と樽壁との間に形成されている
変形区域が、容器内部に面した側で、管片部分と、より
低く設置されかつ少しだけ拡大されて形成された管片ケ
ーシングの斜めの制限部との間に、外部から押込み成形
された折り目として設けられる。これによって樽内部に
形成された枕木状の突起に基づき、残分排出の最後の段
階において、凹部（栓孔管片ケーシング）の範囲にまだ
存在している充てん材料が一層良好に捕集されて、適当
な運動（樽の全ての斜め位置において排出過程全体にわ
たり行われる旋回運動）によって樽内部から、もしくは
栓孔管片を通じて、充てん材料を搬出することができ
る。

本発明の課題は、プラスチック製の栓付き樽もしくは
上側底部（カバー）の構造上の構成を改良して、静的な
斜め位置において（往復旋回なしに）できるだけ十分な
残分排出が可能となるような栓付き樽を提供することで
ある。

この課題を解決するために本発明の構成では、冒頭で
述べた形式のプラスチック製の樽において、上側底部
が、前記栓孔ケーシングに対して付加的にもしくは前記
栓孔ケーシングに並んで、ほぼ円区分形の面部分もしく
は扁平な斜め面取り部を有しており、この斜め面取り部
が、栓孔管片に対して両側で対称的に構成されていて、
樽の標準位置で見て平らに斜め内方に面取りされて樽縁
部に向かって延びるように樽本体に引き込まれており、
前記斜め面取り部が、栓孔管片に近い範囲で樽周壁の側
に最も低い個所を有していて、この場所で栓孔ケーシン
グの底部の、より低く位置する平面もしくは栓孔管片に
移行している。上側底部が一体に扁平に構成されている
のではなく、栓孔の範囲で本発明による斜め面取り部を
有しているので、残分排出時もしくは樽の頭を下にした
逆さ位置決め時にたとえば10〜12゜の樽の少しだけ傾け
られた、静止した傾斜位置において、残留液は平らな面
取り部の内側で樽周壁に沿って栓孔ケーシングにまで流
れて、さらに栓孔管片を通って樽から流出する。

本発明の有利な構成では、前記斜め面取り部が、残り
の上側底部と共に平らな屈曲縁部を形成しており、該屈
曲縁部と樽中心点との平均距離が、樽直径の1/4にほぼ
等しいか、または樽直径の1/4よりも小さく設定されて
おり、この場合、栓孔ケーシングの沈み込みが、樽中心
に向いた側で前記屈曲縁部から出発しているか、もしく
はこの屈曲縁部に密接して出発しており、上側底部に対
して、前記栓孔管片の範囲における上側底部の円区分に
設けられた斜め面取り部よりも大きな屈曲角度を有して
いる。この場合に重要となるのは、最初の平らな上側底
部範囲のできるだけ大きな範囲が残ることである。なぜ
ならば、上側底部に設けられた斜め面取り部の面積が大
き過ぎると、樽積重ね時の支持面積が減少して、樽の積
重ね特性が悪くなってしまうからである。

本発明の別の構成では、栓孔管片の下部をシールする
栓孔カバーを備えた栓付き樽に関して、栓孔ケーシング
の沈み込み角度／屈曲角度が、樽中心に向いた側で30〜
45゜、有利には約40゜であり、上側底部の円区分の斜め
面取り部が、10〜17゜、有利には約13゜の屈曲角度を有
している。残分排出はこのような拡張された栓凹部を備
えた栓付き樽では、単純な傾倒と、逆さ位置の樽傾斜位
置における18〜約20゜の傾倒角度での保持とによって行
なわれる。本発明の別の構成では、栓孔管片の縁部で上
部をシールする栓付きカバーを備えた栓付き樽に関し
て、上側底部の円区分の斜め面取り部が、比較的平らに
延びているか、もしくは４〜10゜、有利には約６゜の平
らな屈曲角度を有しており、上部をシールする栓孔管片
に、樽周壁に向いた側で、残留液の流出目的で切欠きも
しくは貫通孔が設けられている。この樽では、逆さ位置
の僅かな樽傾斜位置における約10〜12゜の比較的小さな
傾倒角度での傾倒保持によって、残分排出が行なわれ
る。

たとえば適当な単純な保持装置によって樽が規定の傾
けられた位置決めで停止したままとなり、しかも栓孔が
最も低い位置に調整され得る場合には、本発明による樽
は上側底部の構成もしくは対応する樽カバーに基づき、
手による往復旋回動作なく自動的に残分を充分に排出す
るために適当となる。

以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明す
る。

第１図は、本発明による栓付き樽を栓孔の範囲で示し
ており、 第２図は、第１図に示した栓付き樽を、傾倒された残
分排出位置で示しており、 第３図は、本発明によるプラスチック製の栓付き樽の
第２実施例を示しており、 第４図は、第３図に示した本発明による栓付き樽の平
面図を示しており、 第５図は、残分排出位置の樽上側底部を内部から見た
図を示しており、 第６図は、上部をシールする栓孔管片を備えたプラス
チック製の栓付き樽の別の実施例を示しており、 第6a図は、第６図に示した下側の栓孔管片の部分図を
示しており、 第７図は、上部をシールする栓孔管片を備えたプラス
チック製の栓付き樽の第４実施例を示しており、 第7a図および第7b図は、第７図に示した下側の栓孔管
片の部分図もしくは部分断面図を示している。

第１図は、十分な残分排出を実施するための、熱可塑
性プラスチックから成る積重ね可能な栓付き樽を示して
いる。この栓付き樽はブロー成形法により、一体に据込
み成形されたグリップリングと共に製造されている。こ
の栓付き樽は、樽グリッパを装着するための、上側の周
面範囲に配置された樽グリップリング30を備えた円筒状
の樽周壁22と、平らな樽上側底部12とを有している。樽
グリップリング30の上縁部は樽壁の厚さの約３倍分だ
け、樽上側底部の表面によって越えられる。樽上側底部
12には、樽周壁22に近い範囲で栓孔14が設けられてい
る。栓孔14は栓孔管片16によって取り囲まれる。この栓
孔管片16は沈み込まれた栓孔ケーシング18内に配置され
ており、この場合、栓孔管片16の端面は樽上側底部12の
外面とほぼ同一平面に位置しているか、または樽上側底
部12の外面よりも少しだけ低く沈められている。栓孔管
片16は斜めの減径部に設けられたねじ山の下方でシール
される。

樽上側底部12に設けられた円区分形の面部分もしくは
ほぼ扁平な斜め面取り部10は、栓孔管片16もしくは樽外
縁部に向かって対称的に、扁平に斜め内方へ樽本体の内
部に向かって面取りされて延びるように引き込まれてお
り、この場合、斜め面取り部10は樽周壁22の側に最も低
い個所を有していて、この個所で栓孔ケーシング底部20
の、より低く設置された平面に同一平面内で移行してい
る。

符号24で、樽上側底部12と斜め面取り部10との間の真
っ直ぐに延びる屈曲縁部24が示されている。この場合
に、栓孔ケーシング18の沈み込み部は屈曲縁部24を越え
て樽中心の方向に少しだけずらされている。栓孔管片16
のこのケーシング壁は樽上側底部12に対して30〜45゜、
有利には約40゜の角度38だけ沈み込まれており、それに
対して屈曲縁部24から出発する斜め面取り部10は樽上側
底部12に対して10〜17゜、有利には約13゜の角度36だけ
屈曲されている。斜め面取り部10はその最も低い個所に
おいて、支持兼運搬用リング30の根元範囲の高さもしく
は支持兼運搬用リング30と樽周壁22との結合部の高さで
樽周壁の内側に接触している。

栓付き樽の残分排出位置は第２図から認められる。こ
のためには、樽が頭を下にした逆さ位置で約18〜20゜の
角度だけ傾倒させられて、この傾倒位置で有利には適当
な傾倒装置を用いて静止状態に保持される。斜め面取り
部10と傾倒角度との間の角度差に基づき、液状の充てん
物は斜め面取り部10を介して樽周壁22に向かって流れ、
この場所から栓孔ケーシングもしくは栓孔管片16を通っ
て自動的に全く残りなく流出することができる。

第３図には、変化実施例が示されている。栓孔ケーシ
ング18の沈み込みは樽中心に向いた側で正確に屈曲縁部
24から出発しているが、しかしこの沈み込みは樽上側底
部12に対して、栓孔管片16の範囲で樽上側底部12に設け
られた円区分形の斜め面取り部10よりも大きな屈曲角度
を有している。さらに、樽周壁22と栓孔管片16との間で
は、栓孔管片のケーシング底部20にリブ状の隆起部34が
設けられており、この隆起部は内側に、対応する溝状の
凹部32を備えている。これにより、最後に残った充てん
物も、傾倒された樽位置において斜め面取り部10と内側
の樽周壁22との間の凹みから残分なく流出することがで
きるようになる。別の相違は、グリップリング30の上縁
部が樽上側底部12の表面と同一平面に位置するように、
つまり前記表面と同じ高さに位置するように形成されて
いる点である。

第４図には、樽上側底部12の重要な部分の平面図が示
されている。この図面から判かるように、斜め面取り部
10は残りの樽上側底部12と共に平らな屈曲縁部24を形成
している。この屈曲縁部24と樽中心点28との距離26は樽
直径の1/4にほぼ等しいか、またはそれよりも小さく形
成されている。屈曲縁部24からは、栓孔ケーシング18の
沈み込み部が出発している。斜め面取り部10は栓孔側
で、栓孔ケーシング18の平らな底部20に移行している。
内側の樽周壁22と栓孔管片16との間には、比較的小さな
リブ状の隆起部34が延びている。

第５図には、流動性の充てん物の残留液滴の流れ図が
示されている。液体残分は樽上側底部12の内面からほぼ
直角に屈曲縁部24を介して、湾曲した内側の樽周壁22に
まで流れて、この樽周壁に沿って栓孔ケーシング底部20
の範囲に位置する凹みにまで流入する。この捕集個所か
ら、最後の液体残分は、少しだけ低くされた、半径方向
に延びる短い溝状の凹部32を通って栓孔管片16に流入し
て、樽から流出する。

最後の液体残分の流速を促進するための別の変化形
は、第３図に斜め面取り部10の最も下の傾斜ラインによ
って示したように、斜め面取り部10の両半部が（逆さ位
置に関して）栓孔に向かって互いに僅かに降下するよう
に傾けられている。すなわち、前記両半部は栓孔管片で
互いの間に（栓孔14と樽中心点28とを通る中心ライ
ン）、約175゜の内側の全体角度を成している。

第６図には、別の栓孔管片44を備えたブロー成形され
たプラスチック製の別の樽が示されている。この栓孔管
片44では、栓孔カバーが、少しだけ引き込まれた栓孔管
片16の下部でパッキンによって樽をシールしているよう
な第１図に示した樽とは異なり、ねじ込まれた栓孔カバ
ー（図示しない）が、適当なパッキンを介して樽を栓孔
管片の上縁部もしくはフランジ縁部に対してシールして
いる。これにより、この実施例では、内側の、つまり下
側の栓孔管片44の樽周壁22に向いた側で、切欠き46が加
工成形される。樽の残分排出位置もしくは傾けられた位
置において、前記切欠きを通って、捕集された残留液が
樽から流出し得る。第6a図にも部分的に示したように、
栓孔管片の下縁部に設けられた切欠き46のこのような付
加的な手段に基づき、樽上側底部の円区分に設けられた
斜め面取り部40は、平らな屈曲角度42を有しているか、
もしくは４〜10゜、有利には約６゜の平らな傾斜を有し
ていて、その最も低い個所において、支持兼搬送リング
30の鉛直の長いウェブの高さの半分の高さで、樽上側底
部12の斜め円錐状に引き込まれた縁範囲に移行していれ
ば十分となる。この場合、栓孔管片44（48）では、樽周
壁22に向いた側に残留液の流出の目的で切欠き46もしく
は貫通孔50が設けられている。

第７図には、円筒状の栓孔管片48を備えた、射出成形
法で製造された栓付きカバーの構成が示されている。樽
上側底部は、第６図に示した樽と同じ形式で構成されて
おり、栓孔管片48だけが栓孔ケーシング18に比較的深く
挿入されているか、もしくは樽内部に少しだけ突入して
いる。なぜならば、この栓孔管片も上縁部で、螺合され
た栓孔カバー（図示しない）によってシールされるから
である。捕集された最後の残留液がスムーズに流出し得
るようにするためには、前記栓孔管片48が、樽周壁22に
向いた側で、対応する貫通孔50を有している。栓孔管片
に設けられた貫通孔50は第7a図には横断面図で、第7b図
には側面図で示されている。

しかし、射出成形法で製造されて、たとえばブロー成
形された樽周壁と溶着されていような樽上側底部のこの
ような構成は、完全に一体のプラスチック製の樽を得る
ために同じくブロー成形法でも実現することができ、こ
の場合、栓孔管片だけが別個の射出成形体として前製作
されて、栓孔ケーシング底部の対応する個所で溶着され
る。

上部に位置するパッキンを備えた栓体が構成されてい
るような第６図および第７図に示した構成では、短い流
出溝32（第５図参照）が樽縁部から栓孔に、比較的高い
位置で栓孔ケーシングに延びていてもよく、この場合、
それにもかかわらず、自動的な完全な残分排出が得られ
る。

本発明による樽上側底部の構成を判かり易くするため
に、さらに： 第８図には、本発明による樽（カバー）上側底部の別
の実施例が示されており、 第９図には、本発明によるさらに別の実施例の斜視図
が示されており、 第10図には、本発明によるさらに別の実施例の全体斜
視図が示されている。

第８図に示した栓付き樽の樽上側底部の平面図では、
樽上側底部と斜め面取り部との間の屈曲縁部が、完全に
真っ直ぐに延びているのではなく、斜め面取り部の両半
部が、屈曲縁部で少しだけ互いに傾斜して延びている。
それと同時に、斜め面取り部の２つの面半部も、少しだ
け互いに傾斜させられていてよい。これによって、逆さ
位置における栓孔に対する傾斜状態で、残留液の流出が
促進される。

この場合、両栓体のうちの小さい方の栓体は流出栓体
として働き、斜め面取りの内部に配置されている。しか
し、この実施例または別の実施例もしくは本発明による
特徴の幾つかの組み合わせでは、同じく汎用の標準形カ
バーが構成されていてもよく、この標準形カバーは緊定
リング閉鎖体によって広口樽（オープントップドラム）
の上側の開口に固定される。

第９図に示した斜視図では、斜め面取り部の屈曲縁部
が鎌形もしくはアーチ形に構成されており、この場合、
斜め面取り部の２つの面半部は平らに構成されているの
ではなく、同じく少しだけ外方に湾曲させられて構成さ
れていてよい。

最後に、第10図の斜視図には、本発明による別の樽変
化形が示されており、この樽はタンデムブロー成形技術
による製造法のために特に適している。

この場合に、下側底部を備えた２つの樽本体は１つの
ブロー成形型で同時にブロー成形されて、真ん中で互い
に引き離され、各前製品に対して、射出成形法で前製造
された上側底部が外側の取り扱い用リングと共に樽本体
に溶着される。

図示の特徴の任意の全ての組み合わせは本発明の枠内
にある。すなわち、斜め傾斜部10と残りの樽上側底部12
との間の屈曲縁部24は（外側の縁範囲における斜め面取
り部10の増大または縮小のもとに）大きな半径を有する
円弧形または鎌形に曲げられて構成されていてもよい。
本発明による特徴は、据込み成形された樽グリップリン
グを備えた、ブロー成形された一体の栓付き樽または前
製造された個別部分（グリップリングを備えた樽上側底
部、樽下側底部および円筒状の周壁）から溶着または接
着により組み立てられた樽に対しても同じく適してい
る。樽は同じくプラスチックまたは鋼薄板から成る緊定
可能なカバーを備えたカバー付き樽（広口樽）として構
成されていてもよく、この場合、カバーが本発明による
特徴を有している。

さらに、プラスチック製の樽を長時間積み重ねる場合
には、下位の樽の上側底部が積重ね負荷に基づき下方
に、つまり樽内部に沈み込み易くなる。これによって、
外方に縁曲げされた樽上側底部を備えた汎用のプラスチ
ック製では、残分排出の可能性が悪くなってしまう。そ
れに対して、本発明によるプラスチック製の樽の樽で
は、このような現象が残分排出の可能性を減少させるの
ではなく、むしろこの可能性のために有効となる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−5165（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−17731（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−167042（ＪＰ，Ａ)

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】熱可塑性のプラスチックから成る栓付き樽
   であって、上側底部（12）に近い範囲で樽周壁（22）に
   配置された環状の支持兼搬送用リング（30）と、前記上
   側底部（12）の縁範囲に配置された少なくとも１つの栓
   孔管片（16）とが設けられていて、該栓孔管片が、沈み
   込まれた栓孔ケーシング（18）に配置されていて、前記
   栓孔管片（16）の端面が、前記上側底部（12）の外面と
   同一平面内に位置しているか、または前記外面よりも下
   に位置している形式のものにおいて、前記上側底部（1
   2）が、前記栓孔ケーシング（18）に対して付加的にも
   しくは前記栓孔ケーシング（18）に並んで、斜め面取り
   部（10）を有しており、該斜め面取り部が、前記栓孔管
   片（16）に対して両側で対称的に構成されていて、樽の
   標準位置、つまり樽の真っ直ぐに起立した位置で見て平
   らに内方に向かって、斜め面取りされて延びるように樽
   本体に引き込まれており、前記斜め面取り部（10）が、
   前記栓孔管片（16）に近い範囲で樽周壁（22）の側に最
   も低い個所を有していて、この場所で前記栓孔ケーシン
   グの底部（20）の平面もしくは前記栓孔管片（16）に移
   行していることを特徴とする栓付き樽。
2. 【請求項２】前記斜め面取り部（10）が、残りの上側底
   部（12）と共に平らな屈曲縁部（24）を形成しており、
   該屈曲縁部と樽中心点（28）との距離（26）が、樽直径
   の1/4に等しいか、または樽直径の1/4よりも小さく設定
   されている、請求項１記載の栓付き樽。
3. 【請求項３】栓孔ケーシング（18）の沈み込みが、樽中
   心に向いた側で前記屈曲縁部（24）から出発していて、
   上側底部（12）に対して、前記栓孔管片（16）の範囲に
   おける上側底部の円区分に設けられた斜め面取り部（1
   0）よりも大きな屈曲角度（38）を有している、請求項
   １または２記載の栓付き樽。
4. 【請求項４】栓孔ケーシング（18）の沈み込み角度／屈
   曲角度が、樽中心に向いた側で30〜45゜、有利には約40
   ゜であり、上側底部の円区分の斜め面取り部（10）が、
   10〜17゜、有利には約13゜の屈曲角度（36）を有してお
   り、前記斜め面取り部の最も低い個所が、支持兼搬送用
   リング（30）の根元範囲もしくは樽周壁（22）との結合
   個所の高さで前記樽周壁（22）の内側に接触している、
   請求項１から３までのいずれか１項記載の栓付き樽。
5. 【請求項５】上部に位置するシール部を備えた栓孔管片
   （44,48）を有する樽に関して、上側底部の円区分形の
   斜め面取り部（40）が、４〜10゜、有利には約６゜の平
   らな屈曲角度（42）もしくは比較的平らな傾斜を有して
   おり、前記斜め面取り部の最も低い個所が、支持兼搬送
   用リング（30）の鉛直の長いウェブの高さの半分の高さ
   で、上側底部（12）の斜め円錐状に引き込まれた縁範囲
   に移行しており、前記栓孔管片（44,48）に、樽周壁（2
   2）に向いた側で、残留液の流出目的で切欠き（46）も
   しくは貫通孔（50）が設けられている、請求項１から３
   までのいずれか１項記載の栓付き樽。
6. 【請求項６】平らな上側底部（12）と斜め面取り部（1
   0,40）との間の屈曲縁部（24）が、鎌状に湾曲させられ
   ているか、または流出用の栓孔管片（16）に向かって斜
   めに延びるように構成されている、請求項１から５まで
   のいずれか１項記載の栓付き樽。
7. 【請求項７】前記斜め面取り部（10,40）の両半部が、
   逆さ位置で見て互いに僅かに栓孔管片（16）に向かって
   降下するように傾けられていて、互いの間で所定の内側
   の屈曲角度を成している、請求項１から６までのいずれ
   か１項記載の栓付き樽。