JPH0678095B2 - 注ぎ口付き樽 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、注ぎ口付き樽に関し、特に、プラスチックか
らなるとともに、ケース部分、底、および、注ぎ口を一
体に形成された蓋を有する注ぎ口付き樽に関する。

（従来の技術） 西独実用新案第G86313185号に開示されているように、
残りの内容物を空にするための構造を有する注ぎ口付き
樽が知られており、この構造は、蓋の内側上で、注ぎ口
開口を取り巻くように形成された捕捉皿により構成され
ている。残余物を空にするために、前記樽は水平な姿勢
から傾けられ、この結果、捕捉皿内に次第に集められた
残余の流動物は、その捕捉皿に付属する注ぎ口開口か
ら、樽の外へ流出することができる。この欠点は、この
空にする操作を何回も繰り返されねばならないことであ
る。なぜなら、前記捕捉皿が有する捕捉能力は小さく、
この結果、傾けた際に、捕捉皿内での流動状態が高くな
ると、その流れは、蓋の内側の縁から注ぎ口開口まで傾
斜している前記捕捉皿の障壁を越えて、前記蓋に、ない
し前記樽ケース内にこぼれてしまうからである。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は、１度の操作過程により、残り物がない状態に
空にすることができる注ぎ口付き樽を開発すると言う課
題を基礎にしている。

（課題を解決するための手段） この課題は、請求項第１項のうちの、特徴部分の構造に
より解決される。

本発明の合目的な発展構成例が、従属請求項の内容とな
っている。

（作用および効果） 本発明の蓋の構造によると、樽を１度持ち上げるだけ
で、その頭部もしくはほぼ頭部内を残物がない状態に空
にすることができる。

（実施例） 以下、図面に示された２つの実施例に基づいて、本発明
をさらに詳細に説明する。

プラスチック材料で作られる注ぎ口付き樽１は、ケース
部分２と、底３と、蓋４とから構成され、これにおい
て、ケース部分２と底３は一体に吹込み成形され、ま
た、プラスチック材料で射出成形部分として作られる前
記蓋４は、ケース部分２に対し、符号2aの個所で全周に
亘り溶着されている。

前記蓋４は、直径方向で相対向する一体に形成された２
つの注ぎ口5,6を備え、これらの注ぎ口5,6は、ネジ式の
注ぎ口として設けられていて、栓孔7,8を形成し、栓孔
7,8は、対応するネジ形のストッパ栓により閉鎖される
ことが可能である。

前記蓋４は、中央の、こね鉢形の凹陥部９を有し、凹陥
部９は、第４図のように、前記樽１の頭部１′ないしほ
ぼ頭部において、残りの内容物を空にするために、前記
栓孔7,8の方まで浅く沈下した、流動体を流出させるた
めの丸天井10を形成している。

前記蓋４の周囲に設けられた外側リング12が、樽の長手
軸線11-11の方向において前記注ぎ口5,6の上方へ突出
し、この外側リング12はＬ字形断面を有している。外側
リング12の役目は、樽を積み重ねた際に、注ぎ口5,6が
損傷されるのを防ぐための保護リングとして、また輸送
手段の把持爪がつかむための担持リングとして、および
転がりリングとして作用することである。

前記蓋４の中央の凹陥部９からは、雨水のための浅い流
出溝13が、半径方向において、前記外側リング12を貫通
して外部まで延在している。これに加え、前記外側リン
グ12の周囲に亘って配分された複数の流出開口14が設け
られている。（第２および３図）。

蓋４の外側リング12からは、注ぎ口5,6の周囲を離れて
取り巻く保護ステー15,16が延在し、保護ステー15,16
は、外側リング12と同じ高さ17を有するとともに、積み
重ねられた樽のための支持体としての役目をする。

第５図に示された蓋の実施例においては、前記注ぎ口5,
6のための保護兼支持ステー15,16が、外側リング12の領
域に分断部18を有し、この結果、前記輸送手段の把持爪
が、外側リング12の全周囲上で、妨害されることなく把
持作業を行なうことができる。

さらに他の蓋の実施例においては、前記注ぎ口5,6のた
めの保護ステー15,16が省略される。

前記樽１の頭部１′ないしほぼ頭部においては、残余物
の流れが、前記蓋４の流出用丸天井10を越え、および前
記栓孔7,8を越えて、外へ向かって走り、受止め容器19
内に入る（第４図）。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による注ぎ口付き樽の縦断面図、 第２図は、前記樽の平面図、 第３図は、第１図の一部Ａによる細部の拡大図、 第４図は、頭部を空にするために反転された状態の前記
樽の部分断面立面図、および 第５図は、注ぎ口の領域において形状を変更された蓋を
有する前記樽の平面図であ。 １……樽、１′……頭部 ２……ケース部分、３……底 ４……蓋、5,6……注ぎ口 7,8……栓孔、10……丸天井 12……外側リング、13……流出溝 14……流出開口、15,16……保護ステー 18……分断部

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プラスチックからなる注ぎ口付き樽であっ
   て、ケース本体と、底と、一体に形成された注ぎ口を有
   する蓋とを備える注ぎ口付き樽において、前記蓋（４）
   が、中央の、こね鉢形の凹陥部（９）を有し、この凹陥
   部（９）は、前記樽（１）の頭部（１′）ないしほぼ頭
   部に、栓孔（7,8）まで浅く傾斜した流出用丸天井（1
   0）を形成し、また前記蓋（４）は、前記樽の長手軸線
   （11-11）の方向内で、前記注ぎ口（5,6）の上方へ突出
   した外側リング（12）を有し、この外側リング（12）
   は、保護用、担持用、および転がし用リングとしての役
   目をすることを特徴とする注ぎ口付き樽。
2. 【請求項２】前記外側リング（12）が、Ｌ字形の断面を
   することを特徴とする請求項１記載の注ぎ口付き樽。
3. 【請求項３】前記蓋（４）の中央の凹陥部（９）から、
   前記外側リング（12）を貫通するように導かれた少なく
   とも１つの浅い流出溝（13）を有することを特徴とする
   請求項１および２記載の注ぎ口付き樽。
4. 【請求項４】前記流出溝（13）が、前記蓋（４）におい
   て半径上に配置されていることを特徴とする請求項３記
   載の注ぎ口付き樽。
5. 【請求項５】前記外側リング（12）中に、複数の流出開
   口（14）が設けられていることを特徴とする請求項１〜
   ４いずれか１項記載の注ぎ口付き樽。
6. 【請求項６】前記蓋（４）の外側リング（12）から、前
   記注ぎ口（5,6）を離れて取り巻く保護ステー（15,16）
   が延在し、これらの保護ステー（15,16）は、前記外側
   リング（12）と同じ高さ（17）を有するとともに、積み
   重ねられた樽のための支持ステーとしての役目をするこ
   とを特徴とする請求項１〜５いずれか１項記載の注ぎ口
   付き樽。
7. 【請求項７】前記注ぎ口（5,6）のための前記保護兼支
   持ステー（15,16）が、前記蓋（４）の外側リング（1
   2）の領域に、分断部（18）を有していることを特徴と
   する請求項６記載の注ぎ口付き樽。
8. 【請求項８】前記蓋（４）が、プラスチックの射出成形
   部材として形成されていることを特徴とする請求項１〜
   ７いずれか１項記載の注ぎ口付き樽。