JP3014608U - コネクタの搬送用吸着部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、一対の弾性脚部６によって挟み込
まれたコネクタ２の一対の外壁４の変形を防止すること
が主要な目的である。 【構成】 コネクタ２に取り付けたとき、上記コネクタ
２の上部に位置すると共に、上面が平坦面７と成された
上部平坦部８と、上記上部平坦部８の左右両側のそれぞ
れに一体的に形成され、上記コネクタ２のハウジング３
の長手方向Ｎに沿って延びる一対の外壁４に対して外側
面４ａから弾性的に挟み込むよう上記外壁４に沿って下
方に延びる一対の弾性脚部６とから成るコネクタ２の搬
送用吸着部材１に於て、上記搬送用吸着部材１は、上記
一対の弾性脚部６のそれぞれから一体的に打ち抜き形成
され、上記一対の外壁４のそれぞれに対して内側面４ｂ
から接触支持するよう上記上部平坦部８から外壁４に沿
って下方に延びる一対の外壁支持脚部９が形成されてい
ることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はコネクタの搬送用吸着部材に係り、更に詳しくは、コネクタに取り付 けられる真空吸着可能な搬送用吸着部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

周知の通り、コネクタ等をプリント回路基板に搭載する為に、真空吸着搬送装 置を用いて上記コネクタを真空吸着し、プリント回路基板まで搬送することが行 なわれている。

【０００３】 所が、上記コネクタによっては、真空吸着可能な平坦部を有さない異形状のコ ネクタもあり、上記真空吸着搬送装置を用いたコネクタのプリント回路基板への 搬送が困難である場合もあった。

【０００４】 そこで、上記平坦部を有さないコネクタを真空吸着搬送装置を用いて搬送する 為に、上記コネクタに取り付けて用いる搬送用吸着部材が提案されている。詳し くは、実開平６−５０２８６号公報で開示されたコネクタの搬送用吸着部材があ り、上記搬送用吸着部材は、コネクタの上部に位置し、上面が平坦面と成された 上部平坦部と、上記上部平坦部の左右両側それぞれに一体的に形成され、上記コ ネクタのハウジングの長手方向Ｎに沿って延びる一対の外壁に対して外側面から 弾性的に挟み込むよう上記外壁に沿って下方に延びる一対の弾性脚部とから成る ものであった。

【０００５】 そして、上記コネクタの搬送時には、上記搬送用吸着部材を真空吸着し、コネ クタをプリント回路基板まで搬送する。その後、上記搬送用吸着部材を取り付け た状態のままのコネクタをリフロ−槽内に通す。これにより、予めプリント回路 基板の回路部に付けられていた半田が溶け、上記コネクタの端子のソルダ−テ− ル部とプリント回路基板の回路部とが半田付けされるものであった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術によると次の点に於て不具合を有する。即ち、上記搬送用吸着部 材は、弾性脚部によってコネクタのハウジングの外壁を外側面から弾性的に挟み 込んでいる。この為、上記搬送用吸着部材を取り付けた状態のコネクタをリフロ −槽内に通したとき、外壁が上記搬送用吸着部材の挟み込みによる外壁外側面か ら内側面方向への押付力によって内側方向に倒れ、変形してしまうことがあった 。そして、上記外壁の変形は、上記コネクタに嵌合接続される別のコネクタの嵌 合を困難にするという問題を生じさせていた。

【０００７】 従って、本考案の目的とする所は、異形状のコネクタを真空吸着する為の搬送 用吸着部材であって、上記真空吸着部材を取り付けた状態のコネクタをリフロ− 槽内に通したときに、上記コネクタのハウジングの外壁が内側方向に倒れて変形 することを防止する技術を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を解決する為に本考案は次の技術的手段を有する。即ち、実施例に対 応する添付図面中の符号を用いてこれを説明すると、本考案はコネクタ２に取り 付けたとき、上記コネクタ２の上部に位置すると共に、上面が平坦面７と成され た上部平坦部８と、上記上部平坦部８の左右両側のそれぞれに一体的に形成され 、上記コネクタ２のハウジング３の長手方向Ｎに沿って延びる一対の外壁４に対 して外側面４ａから弾性的に挟み込むよう上記外壁４に沿って下方に延びる一対 の弾性脚部６とから成るコネクタ２の搬送用吸着部材１に於て、上記搬送用吸着 部材１は、上記一対の弾性脚部６のそれぞれから一体的に打ち抜き形成され、上 記一対の外壁４のそれぞれに対して内側面４ｂから接触支持するよう上記上部平 坦部８から外壁４に沿って下方に延びる一対の外壁支持脚部９が形成されている ことを特徴とするコネクタの搬送用吸着部材である。

【０００９】

【作用】 上記構成によると、上記搬送用吸着部材１をコネクタ２の上部から取り付けた とき、上記一対の弾性脚部６が外壁４を外側面４ａから弾性的に挟み込む。これ と同時に上記外壁支持脚部９が上記外壁４に対して内側面４ｂから接触し、外壁 ４を支持する。つまり、上記外壁４は弾性脚部６によって内側方向に押されてい るものの、上記外壁支持脚部９によって内側から支持されている。

【００１０】 これにより、上記搬送用吸着部材１を取り付けた状態のコネクタ２をリフロ− 槽内に通したとき、上記コネクタ２のハウジング３の外壁４が内側方向に倒れて 変形することがない。

【００１１】

【実施例】

次に添付図面に従い本考案の実施例を詳述する。コネクタ１は絶縁材料から成 る略直方体状のハウジング３と、このハウジング３の長手方向Ｎに沿って横並び に複数装着された端子１１とから成る。上記ハウジング３は、長手方向Ｎに沿っ て並行に延びる一対の外壁４を有すると共に、上記一対の外壁４間には、このコ ネクタ２に嵌合接続される別のコネクタが挿入される挿入開口部１０を有する。

【００１２】 上記複数の端子１１は、上記ハウジング３の下部３ａから外側に延びたソルダ −テ−ル部１１ａを有し、プリント回路基板（図示せず）の回路部に半田付けさ れる。更に、上記一対の外壁４の外側面４ａには、搬送用吸着部材１の弾性脚部 ６が引っ掛かる溝部４ｃが形成されている。

【００１３】 次に、上記コネクタ２に取り付けられる搬送用吸着部材１について説明する。 上記搬送用吸着部材１は、上部平坦部８と弾性脚部６とから成る。上記上部平坦 部８は、上面が真空吸着搬送装置によって真空吸着可能な平坦面７と成されてい ると共に、上記搬送用吸着部材１をコネクタ２に取り付けたとき、上記コネクタ ２の上部の挿入開口部１０上に位置するものである。

【００１４】 上記弾性脚部６は、上記上部平坦部８の左右方向Ｙに沿った両側にそれぞれ一 対有し、上部平坦部８から折り曲げ形成されている。更に詳しくは、上記一対の 弾性脚部６のそれぞれは、上記搬送用吸着部材１をコネクタ２に取り付けたとき 、外壁４の外側面４ａに沿うような上下方向Ｚの下方に向けて折り曲げられてい る。そして、上記一対の弾性部材６間の幅は、上記一対の弾性脚部６が上記一対 の外壁４を外側面４ａから弾性的に挟み込むような幅を有する。

【００１５】 次に、本考案の特徴とする部分を説明する。即ち、上記搬送用吸着部材１に外 壁支持脚部９が形成されている。上記外壁支持脚部９は、上記一対の弾性脚部６ のそれぞれから一体的に打ち抜き形成されている。一つの外壁支持脚部９に着目 すると、上記外壁支持脚部９は、上部平坦部８から上記弾性脚部６と同方向、つ まり、外壁４の内側面４ｂに沿うような上下方向Ｚの下方に折り曲げ形成されて いて、上記弾性脚部６よりも内側に位置する。上記外壁支持脚部９と弾性脚部６ との間には、搬送用吸着部材１をコネクタ２に取り付けたとき、外壁４が挿入さ れる外壁挿入空間１２が形成されている。

【００１６】 言い換えれば、上記外壁支持脚部９は、上記上部平坦部８から折り曲げられて 下方に延び、一対の外壁支持脚部９の外側面９ｂ間の幅Ｕは、上記コネクタ２の 一対の外壁４の内側面４ｂ間の幅ｕとほぼ同じである。

【００１７】 更に、上記外壁支持脚部９の下端部９ａは、内側方向に湾曲しており、上記搬 送用吸着部材１のコネクタ２への取り付け時に上記外壁支持脚部９が外壁４に対 してスム−ズに内側に滑り込むよう成されている。

【００１８】 そして、上記搬送用吸着部材１をコネクタ２に取り付けたとき、上記外壁支持 脚部９の外側面９ｂが上記外壁４の内側面４ｂに接触し、外壁４を内側から支持 するものである。

【００１９】 上記搬送用吸着部材１は、金属板材から打ち抜いた後（図７参照）、折り曲げ 形成されている。つまり、上記上部平坦部８及び弾性脚部６並びに外壁支持脚部 ９は、一体的に形成されている。尚、上記搬送用吸着部材１の材料は、上記金属 板材の他、プラスチック板材等でも良い。

【００２０】 次に、上記搬送用吸着部材１の使い方について説明する。先ず、上記搬送用吸 着部材１をコネクタ２の上部から取り付ける。このとき、上記上部平坦部８がコ ネクタ２の挿入開口部１０上に位置すると共に、上記外壁挿入空間１２内に上記 外壁４が挿入される。そして、上記一対の弾性脚部６がハウジング３の外壁４の 溝部４ｃに引っ掛かり、一対の外壁４が外側面４ａから弾性的に挟み込まれる。 これと同時に上記外壁支持脚部９が上記外壁４に対して内側面４ｂから接触し、 外壁４を内側から支持する。つまり、上記外壁４は弾性脚部６によって内側方向 に押されているものの、上記外壁支持脚部９によって内側から支持されている。

【００２１】 そして、上記コネクタ２の搬送時には、上記搬送用吸着部材１を真空吸着し、 コネクタ２をプリント回路基板まで搬送する。その後、上記搬送用吸着部材１を 取り付けた状態のままコネクタ２をリフロ−槽内に通す。これにより、予めプリ ント回路基板の回路部に付けられていた半田が溶け、上記コネクタ２の端子１１ のソルダ−テ−ル部１１ａとプリント回路基板の回路部とが半田付けされるもの である。

【００２２】 以上の様に、上記外壁支持脚部９によって、上記搬送用吸着部材１を取り付け た状態のコネクタ２をリフロ−槽内に通したとき、上記外壁支持脚部９が外壁４ を内側から支持しているので、外壁４が内側方向に倒れて変形することがない。

【００２３】

【考案の効果】

以上詳述した如く、本考案は外壁支持脚部を形成したことにより、上記搬送用 吸着部材を取り付けた状態のコネクタをリフロ−槽内に通したとき、上記コネク タのハウジングの外壁が内側に押されても、外壁支持脚部によって内側から支持 されていることによって、内側方向に倒れて変形することがない。これにより、 上記コネクタに嵌合接続される別のコネクタを良好に挿入できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例で示したコネクタの搬送用吸着
部材の斜視図である。

【図２】本考案の実施例で示したコネクタの搬送用吸着
部材の図１のＡ−Ａ線に沿った縦断側面図である。

【図３】本考案の実施例で示したコネクタの搬送用吸着
部材の平面図である。

【図４】本考案の実施例で示したコネクタの搬送用吸着
部材の正面図である。

【図５】本考案の実施例で示したコネクタの搬送用吸着
部材をコネクタに取り付けた状態の斜視図である。

【図６】本考案の実施例で示したコネクタの搬送用吸着
部材の図６のＢ−Ｂ線に沿った縦断側面図である。

【図７】本考案の実施例で示したコネクタの搬送用吸着
部材を金属板材から打ち抜いた状態の部分図である。

【符号の説明】

１ 搬送用吸着部材 ２ コネクタ ３ ハウジング ４ 外壁 ６ 弾性脚部 ７ 平坦面 ８ 上部平坦部 ９ 外壁支持脚部 Ｎ コネクタの長手方向

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コネクタ２に取り付けたとき、上記コネ
   クタ２の上部に位置すると共に、上面が平坦面７と成さ
   れた上部平坦部８と、上記上部平坦部８の左右両側のそ
   れぞれに一体的に形成され、上記コネクタ２のハウジン
   グ３の長手方向Ｎに沿って延びる一対の外壁４に対して
   外側面４ａから弾性的に挟み込むよう上記外壁４に沿っ
   て下方に延びる一対の弾性脚部６とから成るコネクタ２
   の搬送用吸着部材１に於て；上記搬送用吸着部材１は、
   上記一対の弾性脚部６のそれぞれから一体的に打ち抜き
   形成され、上記一対の外壁４のそれぞれに対して内側面
   ４ｂから接触支持するよう上記上部平坦部８から外壁４
   に沿って下方に延びる一対の外壁支持脚部９が形成され
   ていることを特徴とするコネクタの搬送用吸着部材。