JP4168507B2 - 電気コネクタ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリント回路基板相互を接続する為に使用される電気コネクタに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、プリント回路基板相互を接続するようにした電気コネクタとして、絶縁ハウジングと、この絶縁ハウジングに並列して装着された複数の端子を備え、各端子に絶縁ハウジングの上面を越えて斜め上側に延びる片持梁状のコンタクト片が形成されている構成の電気コネクタが知られている。２枚のプリント回路基板のうちの一方のプリント回路基板上にこの電気コネクタを半田実装して使用される。この一方のプリント回路基板上に他方のプリント回路基板を所定の間隙を保って重ねるようにすると、他方のプリント回路基板の表面に形成した導電パッドが、電気コネクタの絶縁ハウジングの上面に延びている片持梁状のコンタクト片のコンタクト部と係合して、プリント回路基板相互の電気的な接続が形成できるようになっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
この種の電気コネクタをプリント回路基板上に半田実装する場合、プリント回路基板の搬送ラインに電気コネクタの供給装置や半田リフロー装置を設置した自動化されたラインが構成され、供給装置の吸着工具によって電気コネクタがプリント回路基板上に供給、位置設定される。然しながら、前記の如くの構造の電気コネクタでは、複数の端子の各コンタクト片が絶縁ハウジングの上面を越えて斜め上側に延びるように形成されている為に、絶縁ハウジングの上面が端子のコンタクト片で覆われて、吸着工具の吸着面が確保できないという問題点があった。
【０００４】
装着される複数の端子に必要な大きさに比べて絶縁ハウジングを大きく形成して吸着面を確保したり、複数の端子を絶縁ハウジングの一側縁に沿ってのみ装着して他側縁側の上面に吸着面を確保するなどの方策があるが、これらは、電気コネクタ全体の大型化を招いて好ましくなく、また、端子を絶縁ハウジングの一側縁にのみ配置すると、端子とプリント回路基板の半田付け部分に応力集中が見られる点で問題であった。
【０００５】
この発明は斯かる問題点に鑑みてなされたもので、電気コネクタの大型化を招くことなく、絶縁ハウジングの上面に吸着面を確保できるようにした電気コネクタを提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記の目的のもとになされたこの発明は、絶縁ハウジングと、この絶縁ハウジングに並列して装着された複数の端子を備えており、各端子に、絶縁ハウジングの上面を越えて斜め上側に延びる片持梁状のコンタクト片が形成されている電気コネクタにおいて、
前記複数の端子が複数極毎に分割した複数の端子群に構成され、端子群を絶縁ハウジングの対向する側縁に沿って千鳥状に配置して、絶縁ハウジングの上面に、吸着工具の為の吸着面が確保できるようにしたことを特徴とする電気コネクタである。
【０００７】
複数極の端子群が、絶縁ハウジングの一側縁両端部と、他側縁の中央部に配置されて、絶縁ハウジングの一側縁中央部近傍に吸着工具の為の吸着面が確保されていることを特徴とする電気コネクタである。
【０００８】
【作用】
この発明の電気コネクタによれば、複数の端子で構成された端子群の配置によって、絶縁ハウジングの上面に、端子のコンタクト片が延びることなく、吸着工具のアクセスが可能の吸着面が形成されるので、プリント回路基板に対して自動供給することが可能の電気コネクタを構成することができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付の図を参照して説明する。
【００１０】
図に示した電気コネクタ１は、ウエハー状の絶縁ハウジング２と、この絶縁ハウジング２の長手方向に沿う側縁に装着された複数の端子３とで構成されている。複数の端子３は、複数極毎の複数群に分割されており、第１の端子群４が絶縁ハウジング２の一側（図１において下側）縁の一端部に配置され、第２の端子群５が絶縁ハウジング２の他側縁の中央に配置され、そして、第３の端子群６が絶縁ハウジング２の一側縁の他端部に配置されている。即ち、複数極の端子３で構成された第１、第２、第３の端子群４、５、６が千鳥状に配置されている。
【００１１】
絶縁ハウジング２は、絶縁性の樹脂が成形されたもので、平面略長方形の形状をしている。長手方向の側縁の一方、即ち、一側縁の両端部がえぐられて、凹部７、８が形成され、各凹部７、８に、絶縁ハウジング２の上下面に沿う方向で複数の端子装着部９が並列状態で形成されている。また、他方の側縁、即ち、他側縁の中央部がえぐられて凹部１０が形成され、この凹部１０にも同様に複数の端子装着部９が形成されている。各凹部７、８、１０の反対側の側縁には、絶縁ハウジング２の上面板１１が残って外部に露出できるようにしてあり、この上面板１１の表面が平坦面としてある。
【００１２】
それぞれの端子３は、薄金属板から打ち抜き成形された同一形状のもので、図５に示したような形状とされている。絶縁ハウジング２と係合する装着片部１２の一端に、絶縁ハウジング２の底面と略面一となって外側に延びるようにした半田テイル１３が延長して設けてある。また、装着片部１２の他端には、Ｕ字状の折返し部１４を介して、斜め上側に延びる片持梁状のコンタクト片１５が延長して設けてある。コンタクト片１５の先端部は、下向きに巻き曲げられて、上側にコンタクト部１６が形成してある。
【００１３】
各端子装着部９に装着された端子３のそれぞれの半田テイル１３は、絶縁ハウジング２の底面と略面一となって並列し、プリント回路基板（図示せず）の表面に形成された導電パッドに表面半田付けが可能の状態となっている。また、第１および第３の端子群４、６の端子３の半田テイル１３が絶縁ハウジング２の一側縁に沿って並列し、第２の端子群５の端子３の半田テイル１３が絶縁ハウジング２の他側縁に沿って並列している。
【００１４】
端子３に形成されたコンタクト片１５は、絶縁ハウジング２の上面板１１を越えて斜め上側に延びている。コンタクト片１５の先端部に形成したコンタクト部１６が上面板１１より上側に位置して、電気コネクタ１の上側に重ねられるプリント回路基板（図示せず）の表面に形成される導電パッドと係合可能の状態となっている。
【００１５】
上記のように端子３を配置した実施形態の電気コネクタ１によれば、端子３のコンタクト片１５が延びることなく、外部に露出した上面板１１の部分を確保することができる。従って、この露出した上面板１１の適切な部分、例えば、図１の符号１７で示した部分を自動実装ラインにおけるコネクタ供給装置の吸着工具の為の吸着面とすることができる。この結果、プリント回路基板への実装の自動化の問題点を取り除くことが可能である。吸着面の確保の為に絶縁ハウジング２を大型化する必要はなく、所望の極数の端子３を備えた電気コネクタ１の小型化に資することができる。
【００１６】
また、端子３のコンタクト片１５は、絶縁ハウジング２の一側縁から他側縁に向って延びるものと、絶縁ハウジング２の他側縁から一側縁に向って延びるものが混在しているので、コンタクト片１５にプリント回路基板の導電パッドを係合させた際に、各端子３に生ずる回転モーメントを相殺することができる。この結果、半田テイル１３の半田付け部への応力集中を避けることができ、半田付け部分の信頼性を向上することができる。
【００１７】
【発明の効果】
以上に説明の通り、この発明によれば、複数の端子を複数極毎に分割して端子群を構成し、これらの端子群を絶縁ハウジングの上面板が外部に露出するように配置して吸着工具の為の吸着面を確保した構成であるので、プリント回路基板への自動実装に好適な電気コネクタを提供することができる。また、端子群の配置によって、半田付けされた半田テイルへの応力集中を避けることができるので、半田付けによる実装の信頼性を向上することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明の実施形態の電気コネクタの平面図である。
【図２】 同じく実施形態の電気コネクタの正面図である。
【図３】 同じく実施形態の電気コネクタの底面図である。
【図４】 同じく実施形態の電気コネクタの側面図である。
【図５】 同じく実施形態の電気コネクタの拡大断面図である。
【符号の説明】
１ 電気コネクタ
２ 絶縁ハウジング
３ 端子
４ 第１の端子群
５ 第２の端子群
６ 第２の端子群
１５ コンタクト片
１７ 吸着面

Claims (2)

1. 絶縁ハウジング（２）と、この絶縁ハウジング（２）に並列して装着された複数の端子（３）を備えており、各端子（３）に、絶縁ハウジング（２）の上面を越えて斜め上側に延びる片持梁状のコンタクト片（１５）が形成されている電気コネクタ（１）において、
   前記複数の端子（３）が複数極毎に分割した複数の端子群（４、５、６）に構成され、端子群（４、５、６）を絶縁ハウジング（２）の対向する側縁に沿って千鳥状に配置して、絶縁ハウジング（２）の上面に、吸着工具の為の吸着面（１７）が確保できるようにしたことを特徴とする電気コネクタ。
2. 複数極の端子群（４、５、６）が、絶縁ハウジング（２）の一側縁両端部と、他側縁の中央部に配置されて、絶縁ハウジング（２）の一側縁中央部近傍に吸着工具の為の吸着面（１７）が確保されている請求項１に記載の電気コネクタ。

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