JP3005971B2 - 多層膜光学フイルタ - Google Patents
多層膜光学フイルタInfo
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- JP3005971B2 JP3005971B2 JP4143231A JP14323192A JP3005971B2 JP 3005971 B2 JP3005971 B2 JP 3005971B2 JP 4143231 A JP4143231 A JP 4143231A JP 14323192 A JP14323192 A JP 14323192A JP 3005971 B2 JP3005971 B2 JP 3005971B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定の波長域を透過
し、他の波長域を反射してカットする多層膜光学フイル
タに関し、例えば、人体検出器や放射温度計または分析
計その他に使用されるものである。
し、他の波長域を反射してカットする多層膜光学フイル
タに関し、例えば、人体検出器や放射温度計または分析
計その他に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】前記のような多層膜光学フイルタとし
て、例えば、図3や図4に示したものが知られている。
図3および図4において、11は赤外線透過光学材であ
るSiからなる基板、12は基板11の表面に設けられ
た多層膜で、これは低屈折率材料であるZnSと高屈折
率材料であるGeのそれぞれを真空蒸着してなるZnS
膜13とGe膜14とを組合わせて積層したものであ
る。
て、例えば、図3や図4に示したものが知られている。
図3および図4において、11は赤外線透過光学材であ
るSiからなる基板、12は基板11の表面に設けられ
た多層膜で、これは低屈折率材料であるZnSと高屈折
率材料であるGeのそれぞれを真空蒸着してなるZnS
膜13とGe膜14とを組合わせて積層したものであ
る。
【0003】図3に示した多層膜光学フイルタにおいて
は、多層膜12は、ZnS膜13を基板1の表面に直接
に第1層膜として設け、その表面にGe膜14を設け、
さらに所要数のZnS膜13とGe膜14とを組合わせ
て積層して形成されている。また、図4に示した多層膜
光学フイルタにおいては、多層膜12は、Ge膜14を
基板11の表面に直接に第1層膜として設け、その表面
にZnS膜13を設け、さらに所要数のGe膜14とZ
nS膜13とを組合わせて積層して形成されている。
は、多層膜12は、ZnS膜13を基板1の表面に直接
に第1層膜として設け、その表面にGe膜14を設け、
さらに所要数のZnS膜13とGe膜14とを組合わせ
て積層して形成されている。また、図4に示した多層膜
光学フイルタにおいては、多層膜12は、Ge膜14を
基板11の表面に直接に第1層膜として設け、その表面
にZnS膜13を設け、さらに所要数のGe膜14とZ
nS膜13とを組合わせて積層して形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の各多層膜光
学フイルタにおいて、図3に示したように、ZnS膜1
3を第1層膜として基板11の表面に直接真空蒸着で形
成したものは、基板11に対するZnS膜13の付着強
度がかなり低い課題があることが知られている。また、
図4に示した多層膜光学フイルタにおける、第1層膜で
あるGe膜14の基板11に対する付着強度は、前記図
3における、基板11に対するZnS膜13の付着強度
に比してはやや高いが、その付着強度はいまだ不十分で
あることが知られている。
学フイルタにおいて、図3に示したように、ZnS膜1
3を第1層膜として基板11の表面に直接真空蒸着で形
成したものは、基板11に対するZnS膜13の付着強
度がかなり低い課題があることが知られている。また、
図4に示した多層膜光学フイルタにおける、第1層膜で
あるGe膜14の基板11に対する付着強度は、前記図
3における、基板11に対するZnS膜13の付着強度
に比してはやや高いが、その付着強度はいまだ不十分で
あることが知られている。
【0005】したがって、図3および図4に示した構成
の多層膜光学フイルタは、例えば、人体検出器や放射温
度計などに組込んで使用している間に、基板11から多
層膜12が部分的などに剥離するおそれが大きい難点が
ある。そして、前記のように、基板11から多層膜12
が剥離すると、多層膜光学フイルタの分光特性に変化が
生じ、人体検出器や放射温度計または分析計などの赤外
線検出精度に影響を与えて、その信頼性が低下するなど
の課題及び耐久性が低い課題がある。
の多層膜光学フイルタは、例えば、人体検出器や放射温
度計などに組込んで使用している間に、基板11から多
層膜12が部分的などに剥離するおそれが大きい難点が
ある。そして、前記のように、基板11から多層膜12
が剥離すると、多層膜光学フイルタの分光特性に変化が
生じ、人体検出器や放射温度計または分析計などの赤外
線検出精度に影響を与えて、その信頼性が低下するなど
の課題及び耐久性が低い課題がある。
【0006】本発明は、上記のような課題を解決するも
のであって、基板に対する蒸着多層膜の付着強度を高く
して、その剥離を防止することが可能な多層膜光学フイ
ルタを得ることを目的とする。
のであって、基板に対する蒸着多層膜の付着強度を高く
して、その剥離を防止することが可能な多層膜光学フイ
ルタを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明は、赤外
線透過光学材であるSiまたはGeからなる基板の表面
に、GeとZnSの各真空蒸着膜を組合わせて積層した
多層膜が設けられ、かつ前記多層膜の基板側の第1層膜
がGe膜である多層膜光学フイルタにおいて、前記基板
の表面に、前記多層膜との付着強度を高めるために、S
iOからなるプリコート膜を、その多層膜の分光特性に
影響を与えない程度の厚さで、かつ、充分な付着強度が
得られる程度の厚さに真空蒸着で形成し、このSiOの
プリコート膜の表面に、前記第1層膜であるGe膜が真
空蒸着で形成されたことを特徴としている。
線透過光学材であるSiまたはGeからなる基板の表面
に、GeとZnSの各真空蒸着膜を組合わせて積層した
多層膜が設けられ、かつ前記多層膜の基板側の第1層膜
がGe膜である多層膜光学フイルタにおいて、前記基板
の表面に、前記多層膜との付着強度を高めるために、S
iOからなるプリコート膜を、その多層膜の分光特性に
影響を与えない程度の厚さで、かつ、充分な付着強度が
得られる程度の厚さに真空蒸着で形成し、このSiOの
プリコート膜の表面に、前記第1層膜であるGe膜が真
空蒸着で形成されたことを特徴としている。
【0008】そして、本願の第2発明は、赤外線透過光
学材であるSiまたはGeからなる基板の表面に、Ge
とZnSの各真空蒸着膜を組合わせて積層した多層膜が
設けられ、かつ、前記多層膜の基板側の第1層膜がZn
S膜である多層膜光学フイルタにおいて、前記基板の表
面に、前記多層膜との付着強度を高めるために、SiO
のプリコート膜を、その多層膜の分光特性に影響を与え
ない程度の厚さで、かつ、充分な付着強度が得られる程
度の厚さに真空蒸着で形成すると共に、このSiOのプ
リコート膜の表面にGeのプリコート膜を、その多層膜
の分光特性に影響を与えない程度の厚さで、かつ、充分
な付着強度が得られる程度の厚さに真空蒸着で形成し、
前記Geのプリコート膜の表面に、前記第1層膜である
ZnS膜が真空蒸着で形成されたことを特徴としてい
る。
学材であるSiまたはGeからなる基板の表面に、Ge
とZnSの各真空蒸着膜を組合わせて積層した多層膜が
設けられ、かつ、前記多層膜の基板側の第1層膜がZn
S膜である多層膜光学フイルタにおいて、前記基板の表
面に、前記多層膜との付着強度を高めるために、SiO
のプリコート膜を、その多層膜の分光特性に影響を与え
ない程度の厚さで、かつ、充分な付着強度が得られる程
度の厚さに真空蒸着で形成すると共に、このSiOのプ
リコート膜の表面にGeのプリコート膜を、その多層膜
の分光特性に影響を与えない程度の厚さで、かつ、充分
な付着強度が得られる程度の厚さに真空蒸着で形成し、
前記Geのプリコート膜の表面に、前記第1層膜である
ZnS膜が真空蒸着で形成されたことを特徴としてい
る。
【0009】前記各基板は任意の赤外線透過光学材で構
成することが可能であり、例えば、SiまたはGeを挙
げることができる。そして、前記各プリコート膜は、多
層膜光学フイルタの分光特性に影響を与えない厚さに形
成するが、例えば、SiOのプリコート膜の物理膜厚は
約1100OÅ(オングストローム)程度、Geのプリ
コート膜の物理膜厚は約180Å程度を挙げることがで
きる。
成することが可能であり、例えば、SiまたはGeを挙
げることができる。そして、前記各プリコート膜は、多
層膜光学フイルタの分光特性に影響を与えない厚さに形
成するが、例えば、SiOのプリコート膜の物理膜厚は
約1100OÅ(オングストローム)程度、Geのプリ
コート膜の物理膜厚は約180Å程度を挙げることがで
きる。
【0010】
【作用】前記第1発明の多層膜光学フイルタは、基板と
多層膜の基板側の第1層膜であるGe膜との間に、真空
蒸着で形成したSiOからなるプリコート膜を介在させ
ている。このSiOからなるプリコート膜は、赤外透過
材料であり、かつ、SiやGeなどからなる基板との付
着強度が高く、また、Ge膜に対しても付着強度が高い
ことから、このSiOのプリコート膜によって、多層膜
の分光特性に影響を与えることなく、第1層膜であるG
e膜を基板に対して強固に付着させることができ、基板
から多層膜が剥離するのが防止され、その耐久性を向上
させることができる。
多層膜の基板側の第1層膜であるGe膜との間に、真空
蒸着で形成したSiOからなるプリコート膜を介在させ
ている。このSiOからなるプリコート膜は、赤外透過
材料であり、かつ、SiやGeなどからなる基板との付
着強度が高く、また、Ge膜に対しても付着強度が高い
ことから、このSiOのプリコート膜によって、多層膜
の分光特性に影響を与えることなく、第1層膜であるG
e膜を基板に対して強固に付着させることができ、基板
から多層膜が剥離するのが防止され、その耐久性を向上
させることができる。
【0011】第2発明の多層膜光学フイルタは、基板と
多層膜の前記基板側の第1層膜であるZnS膜との間
に、SiOとGeのそれぞれからなるプリコート膜を、
SiOのプリコート膜を基板側にして介在させている。
SiOのプリコート膜は、赤外透過材料であり、かつ、
基板とGeプリコート膜のいずれに対しても付着強度が
高く、また、Geのプリコート膜も、赤外透過材料であ
り、かつ、多層膜の基板側の第1層膜を構成するZnS
膜との付着強度が高いことから、このSiOとGeの両
プリコート膜によって、多層膜の分光特性に影響を与え
ることなく、前記第1層膜であるZnS膜を基板に強固
に付着させることができ、基板から多層膜が剥離するの
が防止され、かつ、その耐久性を向上させることができ
る。
多層膜の前記基板側の第1層膜であるZnS膜との間
に、SiOとGeのそれぞれからなるプリコート膜を、
SiOのプリコート膜を基板側にして介在させている。
SiOのプリコート膜は、赤外透過材料であり、かつ、
基板とGeプリコート膜のいずれに対しても付着強度が
高く、また、Geのプリコート膜も、赤外透過材料であ
り、かつ、多層膜の基板側の第1層膜を構成するZnS
膜との付着強度が高いことから、このSiOとGeの両
プリコート膜によって、多層膜の分光特性に影響を与え
ることなく、前記第1層膜であるZnS膜を基板に強固
に付着させることができ、基板から多層膜が剥離するの
が防止され、かつ、その耐久性を向上させることができ
る。
【0012】
【実施例】本発明の多層膜光学フイルタの第1実施例を
図1について説明する。この第1実施例は、第1発明に
対応するものである。図1において、1はSiからなる
基板で、その表面にSiOプリコート膜2が真空蒸着で
形成されている。3はSiOプリコート膜2の表面に、
GeとZnSの各真空蒸着膜を組合わせて積層して構成
された多層膜である。この多層膜3は、SiOプリコー
ト膜2の表面に、まずGe膜4を第1層膜として真空蒸
着で形成してから、その表面にZnS膜5を真空蒸着で
形成し、さらに所要数のGe膜4とZnS膜5とを組合
わせて真空蒸着で積層し形成している。前記SiOプリ
コート膜2の物理膜厚は、約1100Åである。
図1について説明する。この第1実施例は、第1発明に
対応するものである。図1において、1はSiからなる
基板で、その表面にSiOプリコート膜2が真空蒸着で
形成されている。3はSiOプリコート膜2の表面に、
GeとZnSの各真空蒸着膜を組合わせて積層して構成
された多層膜である。この多層膜3は、SiOプリコー
ト膜2の表面に、まずGe膜4を第1層膜として真空蒸
着で形成してから、その表面にZnS膜5を真空蒸着で
形成し、さらに所要数のGe膜4とZnS膜5とを組合
わせて真空蒸着で積層し形成している。前記SiOプリ
コート膜2の物理膜厚は、約1100Åである。
【0013】この第1実施例の多層膜光学フイルタは、
基板1の表面にまずSiOプリコート膜2を真空蒸着で
形成しているが、このSiOプリコート膜2は、Siか
らなる基板1に対する付着強度が高いとともに、多層膜
3を構成したGe膜4との付着強度も高いから、多層膜
3を基板1の表面にSiOプリコート膜2が強固に付着
させる。そして、SiOプリコート膜2は、赤外透過材
料であるから、多層膜の分光特性に影響を与えることも
ない。したがって、この多層膜光学フイルタを、人体検
出器や放射温度計または分析計などに組込んで使用して
いる間に、多層膜3が基板1から部分的などに剥離する
ことをSiOプリコート膜2で防止することができ、そ
の耐久性を向上させることが可能である。このため、こ
の多層膜光学フイルタは、分光特性が変化するようなお
それがなく、前記人体検出器や放射温度計または分析計
などに強い赤外線の検出精度を維持させるせることがで
き、その信頼性を向上させることが可能である。
基板1の表面にまずSiOプリコート膜2を真空蒸着で
形成しているが、このSiOプリコート膜2は、Siか
らなる基板1に対する付着強度が高いとともに、多層膜
3を構成したGe膜4との付着強度も高いから、多層膜
3を基板1の表面にSiOプリコート膜2が強固に付着
させる。そして、SiOプリコート膜2は、赤外透過材
料であるから、多層膜の分光特性に影響を与えることも
ない。したがって、この多層膜光学フイルタを、人体検
出器や放射温度計または分析計などに組込んで使用して
いる間に、多層膜3が基板1から部分的などに剥離する
ことをSiOプリコート膜2で防止することができ、そ
の耐久性を向上させることが可能である。このため、こ
の多層膜光学フイルタは、分光特性が変化するようなお
それがなく、前記人体検出器や放射温度計または分析計
などに強い赤外線の検出精度を維持させるせることがで
き、その信頼性を向上させることが可能である。
【0014】図2は、本発明の多層膜光学フイルタの第
2実施例を示すものであり、これは第2発明に対応する
ものである。図2において、1はGeからなる基板で、
その表面にSiOプリコート膜2aが真空蒸着で形成さ
れ、かつ、このSiOプリコート膜2aの表面にGeプ
リコート膜2bが真空蒸着で形成されている。3はGe
プリコート膜2bの表面に、GeとZnSの各真空蒸着
膜を組合わせて積層して構成された多層膜である。この
多層膜3は、Geプリコート膜2bの表面に、第1層膜
としてのZnS膜5を真空蒸着で形成してから、その表
面にGe膜4を真空蒸着で形成し、さらに所要数のZn
S膜5とGe膜4とを組合わせて真空蒸着で積層し形成
している。前記SiOプリコート膜2aの物理膜厚は約
1100Å、Geプリコート膜2bの物理膜厚は約18
0Åにそれぞれ設定している。
2実施例を示すものであり、これは第2発明に対応する
ものである。図2において、1はGeからなる基板で、
その表面にSiOプリコート膜2aが真空蒸着で形成さ
れ、かつ、このSiOプリコート膜2aの表面にGeプ
リコート膜2bが真空蒸着で形成されている。3はGe
プリコート膜2bの表面に、GeとZnSの各真空蒸着
膜を組合わせて積層して構成された多層膜である。この
多層膜3は、Geプリコート膜2bの表面に、第1層膜
としてのZnS膜5を真空蒸着で形成してから、その表
面にGe膜4を真空蒸着で形成し、さらに所要数のZn
S膜5とGe膜4とを組合わせて真空蒸着で積層し形成
している。前記SiOプリコート膜2aの物理膜厚は約
1100Å、Geプリコート膜2bの物理膜厚は約18
0Åにそれぞれ設定している。
【0015】この第2実施例の多層膜光学フイルタは、
Geからなる基板1の表面に、それに対する付着強度が
高いSiOプリコート膜2aを真空蒸着で形成し、か
つ、このSiOプリコート膜2aの表面にGeプリコー
ト2bを真空蒸着で形成する。次に、前記Geプリコー
ト2bの表面に、多層膜3の第1層膜としてのZnS膜
5をまず形成している。そして、前記Geプリコート2
bは、前記SiOプリコート膜2a及び前記ZnS膜5
に対する付着強度が高い。したがって、SiOプリコー
ト膜2aとGeプリコート2bとが、多層膜3を基板1
に強固に付着させて、その多層膜3が基板1から剥離す
ることを防止する。また、前記SiOプリコート膜2a
とGeプリコート2bとは、共に赤外透過材料であるか
ら、多層膜の分光特性に影響を与えることもない。この
ため、この多層膜光学フイルタは、人体検出器その他に
組込んで使用している間に、その多層膜3が基板1から
部分的などに剥離する課題を解決することができるか
ら、人体検出器などの信頼性を向上させることが可能で
ある。
Geからなる基板1の表面に、それに対する付着強度が
高いSiOプリコート膜2aを真空蒸着で形成し、か
つ、このSiOプリコート膜2aの表面にGeプリコー
ト2bを真空蒸着で形成する。次に、前記Geプリコー
ト2bの表面に、多層膜3の第1層膜としてのZnS膜
5をまず形成している。そして、前記Geプリコート2
bは、前記SiOプリコート膜2a及び前記ZnS膜5
に対する付着強度が高い。したがって、SiOプリコー
ト膜2aとGeプリコート2bとが、多層膜3を基板1
に強固に付着させて、その多層膜3が基板1から剥離す
ることを防止する。また、前記SiOプリコート膜2a
とGeプリコート2bとは、共に赤外透過材料であるか
ら、多層膜の分光特性に影響を与えることもない。この
ため、この多層膜光学フイルタは、人体検出器その他に
組込んで使用している間に、その多層膜3が基板1から
部分的などに剥離する課題を解決することができるか
ら、人体検出器などの信頼性を向上させることが可能で
ある。
【0016】
【発明の効果】本発明における請求項1の多層膜光学フ
イルタは、上記のように、赤外線透過光学材であるSi
またはGeからなる基板の表面に、それに対する付着強
度が高いSiOのプリコート膜を設けてから、このSi
Oのプリコート膜の表面に、GeとZnSの各真空蒸着
膜からなる多層膜の第1層膜であるGe膜を真空蒸着で
形成している。そして、前記Ge膜は、前記SiOのプ
リコート膜に対する付着強度が高いから、このSiOの
プリコート膜が第1層膜であるGe膜を基板に強固に付
着させて、それが基板から剥離することを防止する。ま
た、SiOのプリコート膜は赤外透過材料であることか
ら、多層膜の分光特性に影響を与えることもない。した
がって、前記SiOのプリコート膜が、前記第1層膜と
してのGe膜を基板に強固に付着させて、多層膜が基板
から剥離することを防ぐから、安定した分光特性を備え
た多層膜光学フイルタを得ることができる。このため、
この多層膜光学フイルタを使用した人体検出器や放射温
度計または分析計その他の信頼性を向上させることが可
能である。
イルタは、上記のように、赤外線透過光学材であるSi
またはGeからなる基板の表面に、それに対する付着強
度が高いSiOのプリコート膜を設けてから、このSi
Oのプリコート膜の表面に、GeとZnSの各真空蒸着
膜からなる多層膜の第1層膜であるGe膜を真空蒸着で
形成している。そして、前記Ge膜は、前記SiOのプ
リコート膜に対する付着強度が高いから、このSiOの
プリコート膜が第1層膜であるGe膜を基板に強固に付
着させて、それが基板から剥離することを防止する。ま
た、SiOのプリコート膜は赤外透過材料であることか
ら、多層膜の分光特性に影響を与えることもない。した
がって、前記SiOのプリコート膜が、前記第1層膜と
してのGe膜を基板に強固に付着させて、多層膜が基板
から剥離することを防ぐから、安定した分光特性を備え
た多層膜光学フイルタを得ることができる。このため、
この多層膜光学フイルタを使用した人体検出器や放射温
度計または分析計その他の信頼性を向上させることが可
能である。
【0017】そして、本発明における請求項2の多層膜
光学フイルタは、上記のように、赤外線透過光学材であ
るSiまたはGeからなる基板の表面にSiOのプリコ
ート膜を設け、その表面にGeのプリコート膜を設けて
から、このGeのプリコート膜の表面に、GeとZnS
の各真空蒸着膜からなる多層膜の第1層膜としてのZn
S膜を真空蒸着で形成している。そして、前記SiOと
Geの各プリコート膜は、互いに付着強度が高いととも
に、これらと基板及び第1層膜としてのZnS膜との各
付着強度も高いから、このSiOとGeの各プリコート
膜が第1層膜であるZnS膜を基板に強固に付着させ
て、それが基板から剥離することを防止する。また、S
iOとGeの各プリコート膜は、共に赤外透過材料であ
ることから、多層膜の分光特性に影響を与えることもな
い。したがって、前記SiOとGeの各プリコート膜
が、前記第1層膜であるZnS膜を介して多層膜を基板
に強固に付着させて、その多層膜が基板から剥離するこ
とを防ぐから、安定した分光特性を備えた多層膜光学フ
イルタを得ることができる。このため、この多層膜光学
フイルタを使用した人体検出器や放射温度計または分析
計その他の信頼性を向上させることが可能である。
光学フイルタは、上記のように、赤外線透過光学材であ
るSiまたはGeからなる基板の表面にSiOのプリコ
ート膜を設け、その表面にGeのプリコート膜を設けて
から、このGeのプリコート膜の表面に、GeとZnS
の各真空蒸着膜からなる多層膜の第1層膜としてのZn
S膜を真空蒸着で形成している。そして、前記SiOと
Geの各プリコート膜は、互いに付着強度が高いととも
に、これらと基板及び第1層膜としてのZnS膜との各
付着強度も高いから、このSiOとGeの各プリコート
膜が第1層膜であるZnS膜を基板に強固に付着させ
て、それが基板から剥離することを防止する。また、S
iOとGeの各プリコート膜は、共に赤外透過材料であ
ることから、多層膜の分光特性に影響を与えることもな
い。したがって、前記SiOとGeの各プリコート膜
が、前記第1層膜であるZnS膜を介して多層膜を基板
に強固に付着させて、その多層膜が基板から剥離するこ
とを防ぐから、安定した分光特性を備えた多層膜光学フ
イルタを得ることができる。このため、この多層膜光学
フイルタを使用した人体検出器や放射温度計または分析
計その他の信頼性を向上させることが可能である。
【図1】本発明第1実施例の拡大構成図である。
【図2】本発明第2実施例の拡大構成図である。
【図3】従来例の拡大構成図である。
【図4】従来例の拡大構成図である。
1…基板、2,2a…SiOプリコート膜、2b…Ge
プリコート膜、3…多層膜、4…Ge膜、5…ZnS
膜。
プリコート膜、3…多層膜、4…Ge膜、5…ZnS
膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−215803(JP,A) 特開 平3−210503(JP,A) 特開 昭63−8605(JP,A) 特開 平4−69603(JP,A) 特開 平2−297501(JP,A) 特開 平2−287301(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】 赤外線透過光学材であるSiまたはGe
からなる基板の表面に、GeとZnSの各真空蒸着膜を
組合わせて積層した多層膜が設けられ、かつ前記多層膜
の基板側の第1層膜がGe膜である多層膜光学フイルタ
において、前記基板の表面に、前記多層膜との付着強度
を高めるために、SiOからなるプリコート膜を、前記
多層膜の分光特性に影響を与えない程度の厚さで、か
つ、充分な付着強度が得られる程度の厚さに真空蒸着で
形成し、このSiOのプリコート膜の表面に、前記第1
層膜であるGe膜が真空蒸着で形成されたことを特徴と
する多層膜光学フイルタ。 - 【請求項2】 赤外線透過光学材であるSiまたはGe
からなる基板の表面に、GeとZnSの各真空蒸着膜を
組合わせて積層した多層膜が設けられ、かつ前記多層膜
の基板側の第1層膜がZnS膜である多層膜光学フイル
タにおいて、前記基板の表面に、前記多層膜との付着強
度を高めるために、SiOのプリコート膜を、前記多層
膜の分光特性に影響を与えない程度の厚さで、かつ、充
分な付着強度が得られる程度の厚さに真空蒸着で形成す
ると共に、このSiOのプリコート膜の表面にGeのプ
リコート膜を、その多層膜の分光特性に影響を与えない
程度の厚さで、かつ、充分な付着強度が得られる程度の
厚さに真空蒸着で形成し、前記Geのプリコート膜の表
面に、前記第1層膜であるZnS膜が真空蒸着で形成さ
れたことを特徴とする多層膜光学フイルタ。
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