JPH0528361B2 - - Google Patents
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- JPH0528361B2 JPH0528361B2 JP59132719A JP13271984A JPH0528361B2 JP H0528361 B2 JPH0528361 B2 JP H0528361B2 JP 59132719 A JP59132719 A JP 59132719A JP 13271984 A JP13271984 A JP 13271984A JP H0528361 B2 JPH0528361 B2 JP H0528361B2
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- Optical Filters (AREA)
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
Description
〔発明の利用分野〕
本発明は、赤外域の光において、P成分とS成
分のそれぞれの透過率と反射率との比の値が、ほ
ぼ1となり、さらに、吸収による光の損失が少な
い非偏光ビームスプリツタに関するものである。 〔従来技術とその問題点〕 従来、非偏光ビームスプリツタとしては、第1
図に示すものがある。すなわち、透明な第1の直
角二等辺三角プリズム(以下、「第1プリズム」
という。)1の斜面に多層膜3を形成し、透明な
第2の直角二等辺三角プリズム(以下、「第2プ
リズム」という。)2の斜面とを互に接合するこ
とにより形成される非偏光ビームスプリツタがあ
る。そして、従来の非偏光ビームスプリツタの多
層膜3は、第2図に示すような構造であつた。す
なわち、 (1) 高屈折率誘電体薄膜(以下、「H層」とい
う。)32を銀薄膜層(以下、「Ag層」とい
う。)31の両主表面に密着させた多層膜3
(同図a)、 (2) H層32−低屈折率誘電体薄膜(以下、「L
層」という。)33−Ag層31−L層33−H
層32と形成された多層膜3(同図b)があつ
た。 しかしながら、前記(1)項及び前記(2)項の非偏光
ビームスプリツタのP成分の透過率(以下、
「Tp」という。)と反射率(以下、「Rp」とい
う。)及びS成分の透過率(以下、「Ts」とい
う。)と反射率(以下、「Rs」という。)は、
1000nm,1150nm及び1300nmの赤外域の光に対
して、下表のとおりであつた。
分のそれぞれの透過率と反射率との比の値が、ほ
ぼ1となり、さらに、吸収による光の損失が少な
い非偏光ビームスプリツタに関するものである。 〔従来技術とその問題点〕 従来、非偏光ビームスプリツタとしては、第1
図に示すものがある。すなわち、透明な第1の直
角二等辺三角プリズム(以下、「第1プリズム」
という。)1の斜面に多層膜3を形成し、透明な
第2の直角二等辺三角プリズム(以下、「第2プ
リズム」という。)2の斜面とを互に接合するこ
とにより形成される非偏光ビームスプリツタがあ
る。そして、従来の非偏光ビームスプリツタの多
層膜3は、第2図に示すような構造であつた。す
なわち、 (1) 高屈折率誘電体薄膜(以下、「H層」とい
う。)32を銀薄膜層(以下、「Ag層」とい
う。)31の両主表面に密着させた多層膜3
(同図a)、 (2) H層32−低屈折率誘電体薄膜(以下、「L
層」という。)33−Ag層31−L層33−H
層32と形成された多層膜3(同図b)があつ
た。 しかしながら、前記(1)項及び前記(2)項の非偏光
ビームスプリツタのP成分の透過率(以下、
「Tp」という。)と反射率(以下、「Rp」とい
う。)及びS成分の透過率(以下、「Ts」とい
う。)と反射率(以下、「Rs」という。)は、
1000nm,1150nm及び1300nmの赤外域の光に対
して、下表のとおりであつた。
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、赤外域の光において、P成分と
S成分のそれぞれの透過率と反射率との比の値
を、共にほぼ1とし、さらに、吸収による光の損
失の少ない非偏光ビームスプリツタを提供するこ
とである。そして、この目的を達成するために、
本発明は、透明な第1の直角二等辺三角プリズム
の斜面に、第1誘電体多層膜、金属薄膜層、第2
誘電体多層膜を順次積層して多層膜を形成し、し
かる後に屈折率が前記第1の直角二等辺三角プリ
ズムに実質的に等しく且つ透明な第2の直角二等
辺三角プリズムを接着剤で前記第1の直角二等辺
三角プリズムの斜面に形成された前記多層膜に接
合してなり、赤外域の光を入射するビームスプリ
ツタにおいて、前記金属薄膜層が金薄膜層であ
り、前記第1誘電体多層膜及び前記第2誘電体多
層膜は、相対的に高屈折率誘電体薄膜と低屈折率
誘電体薄膜を交互に積層して3層以上にしたもの
であり、且つ積層される前記高屈折率誘電体薄膜
又は前記低屈折率誘電体薄膜のそれぞれの材質は
同一であり、さらに前記第1誘電体多層膜と前記
第2誘電体多層膜の前記高屈折率誘電体薄膜及び
前記低屈折率誘電体薄膜の構成が、前記金薄膜層
を介して対称であり、入射される前記赤外域の光
のP成分とS成分のそれぞれの透過率と反射率と
の比を共に実質的に1となるようにしたことを特
徴とする非偏光ビームスプリツタである。以下、
本発明の一実施例を図に基づき詳細に説明する。 〔実施例〕 第3図に基づき説明する。同図aは本実施例の
断面図、同図bは本実施例の多層膜部分の断面図
である。 先ず、BSC7(株式会社保谷硝子 商品名)よ
りなる清浄な第1プリスム1を真空蒸着装置内に
配置し、チヤンバー内が1×10-5Torrになるま
で排気する。次に、第1プリスム1の斜面に、ク
リオライト(Na3AlF6)をモリブデンあるいは
タンタルからなる抵抗加熱ボートで加熱して、
730Å蒸着し、Na3AlF6からなるL層(n=1.32)
412を形成する。次に、硫化亜鉛(ZnS)を抵
抗加熱あるいは電子銃で、710Å蒸着し、ZnSよ
りなるH層(n=2.3)411を前記L層412
上に形成する。次に、Na3AlF6よりなる730Åの
L層412とZnSよりなる710ÅのH層411を
前記と同様に形成し、L層412−H層411−
L層412−H層411の第1誘電体多層膜41
を形成する。この第1誘電体多層膜41のH層4
11上に、予め金(Au)を入れたモリブデンあ
るいはタンタルからなる抵抗加熱ボートを加熱し
90Åの金薄膜層(以下、「Au層」という。)42
を形成する。更に、このAu層42上に前記第1
誘電体多層膜41と同材質、実質的に同一膜厚で
H層431−L層432−H層431−L層43
2の順で蒸着し、第2誘電体多層膜43を形成
し、第1誘電体多層膜41、Au層42及び第2
誘電体多層膜43からなる多層膜4を第1プリズ
ム1上に形成する。そして、この第2誘電体多層
膜43上に前記第1プリズム1と同質の第2プリ
ズム2の斜面を光学用接着剤で接合し、非偏光ビ
ームスプリツタを形成する。 次に、本実施例による非偏光ビームスプリツタ
の分光特性を第3図cに示す。A1とA2は、それ
ぞれS成分の透過率Tsと反射率Rsを示し、B1と
B2は、それぞれP成分の透過率Tpと反射率Rpを
示す曲線である。そして、本実施例による赤外域
の光、例えば、1000nm,1150nm,及び1300nm
の光に対するTs,Rs,Tp,Rp,Rp/Tp及び
Rs/Tsを下表に示す。
で、その目的は、赤外域の光において、P成分と
S成分のそれぞれの透過率と反射率との比の値
を、共にほぼ1とし、さらに、吸収による光の損
失の少ない非偏光ビームスプリツタを提供するこ
とである。そして、この目的を達成するために、
本発明は、透明な第1の直角二等辺三角プリズム
の斜面に、第1誘電体多層膜、金属薄膜層、第2
誘電体多層膜を順次積層して多層膜を形成し、し
かる後に屈折率が前記第1の直角二等辺三角プリ
ズムに実質的に等しく且つ透明な第2の直角二等
辺三角プリズムを接着剤で前記第1の直角二等辺
三角プリズムの斜面に形成された前記多層膜に接
合してなり、赤外域の光を入射するビームスプリ
ツタにおいて、前記金属薄膜層が金薄膜層であ
り、前記第1誘電体多層膜及び前記第2誘電体多
層膜は、相対的に高屈折率誘電体薄膜と低屈折率
誘電体薄膜を交互に積層して3層以上にしたもの
であり、且つ積層される前記高屈折率誘電体薄膜
又は前記低屈折率誘電体薄膜のそれぞれの材質は
同一であり、さらに前記第1誘電体多層膜と前記
第2誘電体多層膜の前記高屈折率誘電体薄膜及び
前記低屈折率誘電体薄膜の構成が、前記金薄膜層
を介して対称であり、入射される前記赤外域の光
のP成分とS成分のそれぞれの透過率と反射率と
の比を共に実質的に1となるようにしたことを特
徴とする非偏光ビームスプリツタである。以下、
本発明の一実施例を図に基づき詳細に説明する。 〔実施例〕 第3図に基づき説明する。同図aは本実施例の
断面図、同図bは本実施例の多層膜部分の断面図
である。 先ず、BSC7(株式会社保谷硝子 商品名)よ
りなる清浄な第1プリスム1を真空蒸着装置内に
配置し、チヤンバー内が1×10-5Torrになるま
で排気する。次に、第1プリスム1の斜面に、ク
リオライト(Na3AlF6)をモリブデンあるいは
タンタルからなる抵抗加熱ボートで加熱して、
730Å蒸着し、Na3AlF6からなるL層(n=1.32)
412を形成する。次に、硫化亜鉛(ZnS)を抵
抗加熱あるいは電子銃で、710Å蒸着し、ZnSよ
りなるH層(n=2.3)411を前記L層412
上に形成する。次に、Na3AlF6よりなる730Åの
L層412とZnSよりなる710ÅのH層411を
前記と同様に形成し、L層412−H層411−
L層412−H層411の第1誘電体多層膜41
を形成する。この第1誘電体多層膜41のH層4
11上に、予め金(Au)を入れたモリブデンあ
るいはタンタルからなる抵抗加熱ボートを加熱し
90Åの金薄膜層(以下、「Au層」という。)42
を形成する。更に、このAu層42上に前記第1
誘電体多層膜41と同材質、実質的に同一膜厚で
H層431−L層432−H層431−L層43
2の順で蒸着し、第2誘電体多層膜43を形成
し、第1誘電体多層膜41、Au層42及び第2
誘電体多層膜43からなる多層膜4を第1プリズ
ム1上に形成する。そして、この第2誘電体多層
膜43上に前記第1プリズム1と同質の第2プリ
ズム2の斜面を光学用接着剤で接合し、非偏光ビ
ームスプリツタを形成する。 次に、本実施例による非偏光ビームスプリツタ
の分光特性を第3図cに示す。A1とA2は、それ
ぞれS成分の透過率Tsと反射率Rsを示し、B1と
B2は、それぞれP成分の透過率Tpと反射率Rpを
示す曲線である。そして、本実施例による赤外域
の光、例えば、1000nm,1150nm,及び1300nm
の光に対するTs,Rs,Tp,Rp,Rp/Tp及び
Rs/Tsを下表に示す。
【表】
上表に示すとおり、本実施例によれば、赤外域
の波長の光において、Rp/Tp及びRs/Tsは、
共に実質的に1に等しい。これは、Au層42の
膜厚を90Åにし、かつ、Au層32を介して、第
1誘電体多層膜41と第2誘電体多層膜42とが
対称に積層され、さらに、各誘電体多層膜が3層
の誘電体薄膜からなつているためである。さら
に、本実施例では、光の吸収量は、P成分では、
1000nm,1150nm及び1300nmのとき、それぞれ
13.9%,14.2%及び13.25%であり、S成分では、
1000nm,1150nm及び1300nmのとき、それぞれ
16.25%,16.8%及び15.25%であり、従来の非偏
光ビームスプリツタよりも数段良好な非偏光ビー
ムスプリツタである。 前記実施例において、Au膜の膜厚は、90Åで
あるが、この膜厚は、赤外域の所望する波長又は
波長範囲において、第1及び第2の誘電体多層膜
の材質、膜厚等を考慮して、P成分とS成分のそ
れぞれの透過率と反射率との比を実質的に1にす
る膜厚を適宜選択すればよい。次に、前記実施例
において、第1誘電体多層膜及び第2誘電体多層
膜のH層とL層の合計層数は、それぞれ3層であ
るが、これに限らず、3層以上の層数であれば、
前記実施例と同様の効果を有する。次に、前記実
施例において、H層としてはZnS、L層としては
Na3AlF6を使用したが、これに限らず、相対的
に高屈折率を有する材質によるH層と低屈折率を
有する材質によるL層を適宜決定すればよいが、
望ましくは、H層の材質は屈折率1.9〜2.4(ZnS以
外に、例えばTiO2,Ta2O5,CeO2,ZrO2)、L
層の材質は屈折率1.3〜1.5(Na3AlF6以外に、例
えばMgF2,SiO2)である材質を選択した方が、
後記するように膜厚を適宜決定すれば、第1及び
第2誘電体多層膜を構成するH層とL層の合計層
数に影響されずP成分とS成分のそれぞれの透過
率と反射率との比の値をほぼ1にすることができ
る。次に、H層とL層の膜厚は、H層及びL層を
形成する材質により適宜決定すればよい。さら
に、Au層に密着する第1誘電体多層膜の誘電体
薄膜は、前記実施例ではH層であるが、L層でも
よく、すなわちL層−H層−L層……として第1
及び第2誘電体多層膜を形成してもよい。望まし
くは、入射光の偏光状態によらず、より良好な透
過・反射特性を得るために、前記実施例のように
Au層に密着する誘電体薄膜はH層がよい。 以上、本発明によれば、多層膜としてAu層を
介して第1誘電体多層膜と第2誘電体多層膜が対
称となつており、かつ第1及び第2誘電体多層膜
がH層とL層とを交互に積層し、H層とL層の合
計層数が3層以上であるために、赤外域の光に対
して、P成分とS成分のそれぞれの透過率と反射
率との比の値を、共にほぼ1に等しくすることが
でき、また、光吸収は、P成分、S成分いずれに
おいても小さく、従来のAg層と比べて光吸収の
減少を図ることが出来、光効率に優れるという効
果がある。そして、本発明は、金属薄膜層がAu
層であるので、耐久性を非常に良くする効果があ
る。さらに、第1プリズムと第2プリズムを実質
的に屈折率が等しいものを使用しており、かつ第
1と第2誘電体多層膜の構成が対称であることか
ら、光の入射面として対向する2面のうちいずれ
かを任意に選択することも可能となる。またさら
に、P成分の透過率とS成分の透過率の和と、P
成分の反射率とS成分の反射率の和との比の値も
実質的に1にすることもできる効果がある。
の波長の光において、Rp/Tp及びRs/Tsは、
共に実質的に1に等しい。これは、Au層42の
膜厚を90Åにし、かつ、Au層32を介して、第
1誘電体多層膜41と第2誘電体多層膜42とが
対称に積層され、さらに、各誘電体多層膜が3層
の誘電体薄膜からなつているためである。さら
に、本実施例では、光の吸収量は、P成分では、
1000nm,1150nm及び1300nmのとき、それぞれ
13.9%,14.2%及び13.25%であり、S成分では、
1000nm,1150nm及び1300nmのとき、それぞれ
16.25%,16.8%及び15.25%であり、従来の非偏
光ビームスプリツタよりも数段良好な非偏光ビー
ムスプリツタである。 前記実施例において、Au膜の膜厚は、90Åで
あるが、この膜厚は、赤外域の所望する波長又は
波長範囲において、第1及び第2の誘電体多層膜
の材質、膜厚等を考慮して、P成分とS成分のそ
れぞれの透過率と反射率との比を実質的に1にす
る膜厚を適宜選択すればよい。次に、前記実施例
において、第1誘電体多層膜及び第2誘電体多層
膜のH層とL層の合計層数は、それぞれ3層であ
るが、これに限らず、3層以上の層数であれば、
前記実施例と同様の効果を有する。次に、前記実
施例において、H層としてはZnS、L層としては
Na3AlF6を使用したが、これに限らず、相対的
に高屈折率を有する材質によるH層と低屈折率を
有する材質によるL層を適宜決定すればよいが、
望ましくは、H層の材質は屈折率1.9〜2.4(ZnS以
外に、例えばTiO2,Ta2O5,CeO2,ZrO2)、L
層の材質は屈折率1.3〜1.5(Na3AlF6以外に、例
えばMgF2,SiO2)である材質を選択した方が、
後記するように膜厚を適宜決定すれば、第1及び
第2誘電体多層膜を構成するH層とL層の合計層
数に影響されずP成分とS成分のそれぞれの透過
率と反射率との比の値をほぼ1にすることができ
る。次に、H層とL層の膜厚は、H層及びL層を
形成する材質により適宜決定すればよい。さら
に、Au層に密着する第1誘電体多層膜の誘電体
薄膜は、前記実施例ではH層であるが、L層でも
よく、すなわちL層−H層−L層……として第1
及び第2誘電体多層膜を形成してもよい。望まし
くは、入射光の偏光状態によらず、より良好な透
過・反射特性を得るために、前記実施例のように
Au層に密着する誘電体薄膜はH層がよい。 以上、本発明によれば、多層膜としてAu層を
介して第1誘電体多層膜と第2誘電体多層膜が対
称となつており、かつ第1及び第2誘電体多層膜
がH層とL層とを交互に積層し、H層とL層の合
計層数が3層以上であるために、赤外域の光に対
して、P成分とS成分のそれぞれの透過率と反射
率との比の値を、共にほぼ1に等しくすることが
でき、また、光吸収は、P成分、S成分いずれに
おいても小さく、従来のAg層と比べて光吸収の
減少を図ることが出来、光効率に優れるという効
果がある。そして、本発明は、金属薄膜層がAu
層であるので、耐久性を非常に良くする効果があ
る。さらに、第1プリズムと第2プリズムを実質
的に屈折率が等しいものを使用しており、かつ第
1と第2誘電体多層膜の構成が対称であることか
ら、光の入射面として対向する2面のうちいずれ
かを任意に選択することも可能となる。またさら
に、P成分の透過率とS成分の透過率の和と、P
成分の反射率とS成分の反射率の和との比の値も
実質的に1にすることもできる効果がある。
第1図は従来の非偏光ビームスプリツタを示す
断面図、第2図は従来の非偏光ビームスプリツタ
に使用された多層膜の断面図、第3図は本発明の
一実施例を示す図で、同図aはこの実施例の断面
図、同図bはこの実施例の多層膜部分の断面図、
同図cはこの実施例の分光特性を示す図である。 1……第1プリズム、2……第2プリズム、4
……多層膜、41……第1誘電体多層膜、42…
…Au層、43……第2誘電体多層膜、411,
431……H層、412,432……L層。
断面図、第2図は従来の非偏光ビームスプリツタ
に使用された多層膜の断面図、第3図は本発明の
一実施例を示す図で、同図aはこの実施例の断面
図、同図bはこの実施例の多層膜部分の断面図、
同図cはこの実施例の分光特性を示す図である。 1……第1プリズム、2……第2プリズム、4
……多層膜、41……第1誘電体多層膜、42…
…Au層、43……第2誘電体多層膜、411,
431……H層、412,432……L層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 透明な第1の直角二等辺三角プリズムの斜面
に、第1誘電体多層膜、金属薄膜層、第2誘電体
多層膜を順次積層して多層膜を形成し、しかる後
に屈折率が前記第1の直角二等辺三角プリズムに
実質的に等しく且つ透明な第2の直角二等辺三角
プリズムを接着剤で前記第1の直角二等辺三角プ
リズムの斜面に形成された前記多層膜に接合して
なり、赤外域の光を入射するビームスプリツタに
おいて、前記金属薄膜層が金薄膜層であり、前記
第1誘電体多層膜及び前記第2誘電体多層膜は、
相対的に高屈折率誘電体薄膜と低屈折率誘電体薄
膜を交互に積層して3層以上にしたものであり、
且つ積層される前記高屈折率誘電体薄膜又は前記
低屈折率誘電体薄膜のそれぞれの材質は同一であ
り、さらに前記第1誘電体多層膜と前記第2誘電
体多層膜の前記高屈折率誘電体薄膜及び前記低屈
折率誘電体薄膜の構成が、前記金薄膜層を介して
対称であり、入射される前記赤外域の光のP成分
とS成分のそれぞれの透過率と反射率との比を共
に実質的に1となるようにしたことを特徴とする
非偏光ビームスプリツタ。 2 特許請求の範囲第1項において、第1誘電体
多層膜及び第2誘電体多層膜の金薄膜層に密着し
ている誘電体薄膜は、高屈折率誘電体薄膜である
ことを特徴とする非偏光ビームスプリツタ。 3 特許請求の範囲第1項又は第2項において、
高屈折率誘電体薄膜は、屈折率が1.9〜2.4の材質
からなり、低屈折率誘電体薄膜は、屈折率が1.3
〜1.5の材質からなることを特徴とする非偏光ビ
ームスプリツタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13271984A JPS6111701A (ja) | 1984-06-27 | 1984-06-27 | 非偏光ビ−ムスプリツタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13271984A JPS6111701A (ja) | 1984-06-27 | 1984-06-27 | 非偏光ビ−ムスプリツタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6111701A JPS6111701A (ja) | 1986-01-20 |
JPH0528361B2 true JPH0528361B2 (ja) | 1993-04-26 |
Family
ID=15087976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13271984A Granted JPS6111701A (ja) | 1984-06-27 | 1984-06-27 | 非偏光ビ−ムスプリツタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6111701A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020149294A1 (ja) | 2019-01-16 | 2020-07-23 | 東レ株式会社 | ポリオレフィン多層微多孔膜およびその製造方法 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7652823B2 (en) | 2005-10-11 | 2010-01-26 | Konica Minolta Opto, Inc. | Non-polarizing beam splitter |
JP2007133375A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-05-31 | Konica Minolta Opto Inc | 無偏光ビームスプリッタ |
WO2010020347A1 (de) | 2008-08-18 | 2010-02-25 | Linos Photonics Gmbh & Co. Kg | Verfahren zur herstellung eines objektivs |
DE102008061664A1 (de) | 2008-12-12 | 2010-06-17 | Linos Photonics Gmbh & Co. Kg | Miniaturisiertes Vario-Objektiv |
EP2492739B1 (de) | 2011-02-23 | 2019-04-24 | Qioptiq Photonics GmbH & Co. KG | Nichtpolarisierender Strahlteiler mit Metallschicht |
DE102012018483B4 (de) | 2012-09-19 | 2018-02-01 | Qioptiq Photonics Gmbh & Co. Kg | Nichtpolarisierender Strahlteiler |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3559090A (en) * | 1968-10-08 | 1971-01-26 | Bausch & Lomb | Polarization free beam divider |
JPS5627106A (en) * | 1979-08-10 | 1981-03-16 | Canon Inc | Beam splitter |
-
1984
- 1984-06-27 JP JP13271984A patent/JPS6111701A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020149294A1 (ja) | 2019-01-16 | 2020-07-23 | 東レ株式会社 | ポリオレフィン多層微多孔膜およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6111701A (ja) | 1986-01-20 |
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